JP6321164B2 - 仮接着用積層体、仮接着用積層体の製造方法およびデバイスウェハ付き積層体 - Google Patents

仮接着用積層体、仮接着用積層体の製造方法およびデバイスウェハ付き積層体 Download PDF

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Description

本発明は、仮接着用積層体、仮接着用積層体の製造方法およびデバイスウェハ付き積層体に関する。より詳細には、半導体装置などの製造に好ましく用いることができる、仮接着用積層体、仮接着用積層体の製造方法およびデバイスウェハ付き積層体に関する。
イメージセンサ、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)などの半導体装置の製造プロセスにおいては、デバイスウェハ上に多数のICチップが形成され、ダイシングにより個片化される。
電子機器の更なる小型化・薄膜化および高性能・低消費電力化のニーズに伴い、電子機器に搭載されるICチップについても更なる小型化および高集積化が求められているが、デバイスウェハの面方向における集積回路の高集積化は限界に近づいている。
ICチップ内の集積回路から、ICチップの外部端子への電気的な接続方法としては、従来、ワイヤーボンディング法が広く知られているが、ICチップの小型化を図るべく、近年、デバイスウェハに貫通孔を設け、外部端子としての金属プラグを、貫通孔内を貫通するように集積回路に接続する方法(いわゆる、シリコン貫通電極(TSV)を形成する方法)が知られている。しかしながら、シリコン貫通電極を形成する方法のみでは、上記した近年のICチップに対する更なる高集積化のニーズに充分応えられるものではない。
以上を鑑み、ICチップ内の集積回路を多層化することにより、デバイスウェハの単位面積当たりの集積度を向上させる技術が知られている。しかしながら、集積回路の多層化は、ICチップの厚みを増大させるため、ICチップを構成する部材の薄型化が必要である。このような部材の薄型化としては、例えば、デバイスウェハの薄型化が検討されており、ICチップの小型化につながるのみならず、シリコン貫通電極の製造におけるデバイスウェハの貫通孔製造工程を省力化できることから、有望視されている。また、パワーデバイス・イメージセンサなどの半導体デバイスにおいても、上記集積度の向上やデバイス構造の自由度向上の観点から、薄型化が試みられている。
デバイスウェハとしては、約700〜900μmの厚さを有するものが広く知られているが、近年、ICチップの小型化等を目的に、デバイスウェハの厚さを200μm以下となるまで薄くすることが試みられている。
しかしながら、厚さ200μm以下のデバイスウェハは非常に薄く、これを基材とする半導体デバイス製造用部材も非常に薄いため、このような部材に対して更なる処理を施したり、あるいは、このような部材を単に移動したりする場合等において、部材を安定的に、かつ、損傷を与えることなく支持することは困難である。
上記のような問題を解決すべく、表面にデバイスが設けられた薄型化前のデバイスウェハと加工用支持基板とをシリコーン粘着剤により仮接着し、デバイスウェハの裏面を研削して薄型化した後に、デバイスウェハを穿孔してシリコン貫通電極を設け、その後、デバイスウェハから加工用支持基板を脱離させる技術が知られている(特許文献1参照)。この技術によれば、デバイスウェハの裏面研削時の耐研削抵抗、異方性ドライエッチング工程などにおける耐熱性、メッキやエッチング時の耐薬品性、最終的な加工用支持基板とのスムースな剥離と低披着体汚染性を同時に達成することが可能であるとされている。
また、ウェハの支持方法としては、ウェハを支持層システムにより支持する方法であって、ウェハと支持層システムとの間に、プラズマ堆積法により得られるプラズマポリマー層を分離層として介装させて、支持層システムと分離層との間の接着結合を、ウェハと分離層との間の接合結合より大きくなるようにし、ウェハを支持層システムから脱離する際に、ウェハが分離層から容易に脱離するように構成した技術も知られている(特許文献2参照)。
また、ポリエーテルスルホンと粘性付与剤を使用して、仮接着を行い、加熱により仮接着を解除する技術が知られている(特許文献3参照)。
また、カルボン酸類とアミン類からなる混合物により、仮接着を行い、加熱により仮接着を解除する技術も知られている(特許文献4参照)。
また、セルロースポリマー類等からなる接合層を加温した状態で、デバイスウェハと支持基板を圧着することで接着させて、加温して横方向にスライドすることによりデバイスウェハを支持基板から脱離する技術が知られている(特許文献5参照)。
また、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンと光重合開始剤からなり、放射線の照射により接着力が変化する粘着フィルムが知られている(特許文献6参照)。
さらに、ポリカーボネート類からなる接着剤により、支持基板とデバイスウェハとを仮接着し、デバイスウェハに対して処理を行った後、照射線を照射し、次いで、加熱することにより、処理済のデバイスウェハを支持基板から脱離する技術が知られている(特許文献7参照)。
また、軟化点の異なる2層で、支持基板とデバイスウェハを仮接着し、デバイスウェハに対して処理を行った後、加温して横方向にスライドすることで支持基板とデバイスウェハを脱離する技術が知られている(特許文献8参照)。
また、特許文献9には、シクロオレフィン重合体と、シリコーン構造、フッ素化アルキル基構造、フッ素化アルケニル構造および炭素数8以上のアルキル構造の少なくとも1種の構造、ならびにポリオキシアルキレン構造、リン酸基を有する構造およびスルホ基を有する構造の少なくとも1種の構造、を有する化合物を含む仮固定材を介して、支持体と基材とを仮固定することが開示されている。
また、特許文献10には、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含むエラストマーと、ワックスとを含む接着剤組成物を用いて、デバイスウェハと支持体とを接着することが開示されている。
また、特許文献11には、支持部材およびデバイスウェハの間に、特定のポリイミド樹脂を含んでなる仮固定用フィルムを介在させ、支持部材にデバイスウェハを仮固定する工程と、支持部材に仮固定されたデバイスウェハに所定の加工を施す工程と、有機溶剤を仮固定用フィルムに接触させて仮固定用フィルムの一部又は全部を溶解し、支持部材から加工されたデバイスウェハを分離する工程と、加工されたデバイスウェハを個片化する工程とを有する、半導体装置の製造方法が開示されている。
また、特許文献12には、デバイスウェハのデバイス面に接着層を塗布形成し、支持体の表面にフッ化シラン化合物を含む離型層を塗布形成し、デバイスウェハ上の接着層と支持体上の離型層とを接着させて、デバイスウェハと支持体とを接着することが開示されている。
また、特許文献13には、(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価パーフルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物、(B)分子中に少なくとも2個のシドロシリル基を有し、アルケニル基と付加反応可能な化合物、(C)付加反応触媒、(D)付加反応制御剤を含有する硬化物からなるフッ素系のエラストマーを用いて、電子部品と基材とを着脱自在に保持することが開示されている。
特開2011−119427号公報 特表2009−528688号公報 特開2011−225814号公報 特開2011−052142号公報 特表2010−506406号公報 特開2007−045939号公報 米国特許公開2011/0318938号明細書 米国特許公報2012/0034437号明細書 特開2013−241568号公報 特開2014−34632号公報 特開2014−29999号公報 国際公開WO2013/119976号パンフレット 特開2005−236041号公報
ところで、デバイスが設けられたデバイスウェハの表面(すなわち、デバイスウェハのデバイス面)と支持基板(キャリア基板)とを、特許文献1等で知られている粘着剤からなる層を介して仮接着する場合には、デバイスウェハを安定的に支持するべく、接着層には一定の強さの接着力が要求される。
そのため、デバイスウェハのデバイス面の全面と支持体とを接着層を介して仮接着する場合においては、デバイスウェハと支持体との仮接着が強すぎることにより、支持体からデバイスウェハを脱離する際に、デバイスの破損や、デバイスウェハからデバイスが脱離してしまうという不具合が生じやすい。
また、特許文献2のように、ウェハと支持層システムとの接着が強くなりすぎることを抑制すべく、ウェハと支持層システムとの間に、分離層としてのプラズマポリマー層を、プラズマ堆積法により形成する方法は、(1)通常、プラズマ堆積法を実施するための設備コストは大きい;(2)プラズマ堆積法による層形成は、プラズマ装置内の真空化やモノマーの堆積に時間を要する;および(3)プラズマポリマー層からなる分離層を設けても、加工に供されるウェハを支持する場合においては、ウェハと分離層との接着結合を充分なものとしながら、反面、ウェハの支持を解除する場合においては、ウェハが容易に分離層から脱離するような接着結合にコントロールすることは容易ではない;等の問題がある。
また、特許文献3、4、5記載のように、加熱により仮接着を解除する方法では、支持体からデバイスウェハを脱離する際にデバイスが破損する不具合が生じやすい。
また、特許文献6、7のように、照射線を照射して仮接着を解除する方法では、照射線を透過する支持体を使用する必要がある。
また、特許文献8のように、デバイスウェハ側の接合層の軟化点が基板側の接合層の軟化点よりも20℃以上大きい場合は、剥離後に基板側の接合層がデバイスウェハ側の接合層に転写し、デバイスウェハの洗浄性が低下する問題が発生する。
また、特許文献9の接着剤を仮固定材として使用した場合、剥離性が不十分なため、デバイスウェハを剥離する際にデバイスが破損する不具合が生じやすい問題があった。また、接着層がデバイスウェハ側に残り易かった。
また、特許文献10では、接着剤組成物を、デバイスウェハなどに塗布して接着層を形成している。このため、デバイスウェハから支持体を剥離した際に、接着層がデバイスウェハ側に残り易かった。また、特許文献10に開示された方法では、デバイスウェハからの支持体の剥離性が不十分であった。
また、特許文献11では、有機溶剤を使用して仮固定用フィルムとして有機溶剤に可溶なものを用い、有機溶剤を仮固定用フィルムに接触させることで、デバイスウェハに対する仮支持を解除している。このため、仮支持の解除に時間を要する傾向にあった。さらには、デバイスウェハ側に仮固定用フィルムが残存することがあり、残存したフィルムの除去処理に手間を要することがあった。
また、特許文献12では、デバイスウェハのデバイス面に接着層を塗布形成しているので、デバイスウェハから支持体を剥離した際に、接着層がデバイスウェハ側に残り易かった。
また、特許文献13では、剥離性が十分ではなかった。
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、その目的は、デバイスウェハと支持体との仮接着を容易に解除できる仮接着用積層体、仮接着用積層体の製造方法およびデバイスウェハ付き積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂フィルムと、シロキサン結合を有する化合物およびケイ素原子とフッ素原子を有する化合物から選択される離型剤を含む層とを有し、熱可塑性樹脂フィルムのデバイス側の表面であって、デバイス面に対応する領域に離型剤を含む層を少なくとも有する仮接着用積層体を使用したところ、高い接着力によりデバイスウェハと支持体を仮接着できるとともに、デバイスウェハと支持体との仮接着を容易に解除できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下を提供する。
<1> デバイスウェハのデバイス面と支持体とを、剥離可能に仮接着するために用いる仮接着用積層体であって、
仮接着用積層体は、熱可塑性樹脂フィルムと、シロキサン結合を有する化合物およびケイ素原子とフッ素原子を有する化合物から選択される離型剤を含む層とを有し、熱可塑性樹脂フィルムのデバイス側の表面であって、デバイス面に対応する領域に離型剤を含む層を少なくとも有し、
仮接着用積層体は、デバイスウェハと支持体と仮接着した後、支持体をデバイスウェハのデバイス面から剥離する際に、支持体と熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも含む積層体が、デバイスから剥離される、仮接着用積層体。
<2> 熱可塑性樹脂フィルムは、ガラス転移点が50〜400℃の熱可塑性樹脂を含む、<1>に記載の仮接着用積層体。
<3> 熱可塑性樹脂フィルムが、熱可塑性ポリイミド、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール樹脂およびシクロオレフィンポリマーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む、<1>または<2>に記載の仮接着用積層体。
<4> 熱可塑性樹脂フィルムの、25℃から、20℃/分で昇温した1%重量減少温度が250℃以上である<1>〜<3>のいずれかに記載の仮接着用積層体。
<5> 離型剤を含む層の厚みが0.001〜1000nmである、<1>〜<4>のいずれかに記載の仮接着用積層体。
<6> 離型剤を含む層は、250℃、2時間加熱した後、25℃に冷却した条件で測定した、水接触角が30°以上である、<1>〜<5>のいずれかに記載の仮接着用積層体。
<7> 離型剤が、ケイ素原子とフッ素原子を有するシランカップリング剤である<1>〜<6>のいずれかに記載の仮接着用積層体。
<8> 離型剤が、ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物であって、フッ素原子の含有率が20〜80%である、<1>〜<7>のいずれかに記載の仮接着用積層体。
<9> 離型剤が、150℃以上の加熱により熱可塑性樹脂フィルムに焼き付けることが可能なシリコーン樹脂である、<1>〜<6>のいずれかに記載の仮接着用積層体。
<10> 熱可塑性樹脂フィルム表面に、シロキサン結合を有する化合物およびケイ素原子とフッ素原子を有する化合物から選択される離型剤を含む層を形成する工程を含む、仮接着用積層体の製造方法。
<11> デバイスウェハと支持体との間に、<1>〜<9>のいずれかに記載の仮接着用積層体を有し、仮接着用積層体の離型層側の面がデバイスウェハのデバイス面に接し、他方の面が支持体の表面に接している、デバイスウェハ付き積層体。
本発明によれば、デバイスウェハと支持体との仮接着を容易に解除できる仮接着用積層体、仮接着用積層体の製造方法およびデバイスウェハ付き積層体を提供可能になった。
半導体装置の製造方法を示す一実施形態の概略図である。 従来の接着性支持体とデバイスウェハとの仮接着状態の解除を説明する概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」または「放射線」は、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
本明細書において、「光」とは、活性光線または放射線を意味している。
本明細書において、「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、紫外線、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線およびイオンビーム等の粒子線による描画をも意味している。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタアクリレートを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタアクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」および「メタクリロイル」を表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製)、6.0mmID×15.0cmを、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
なお、以下に説明する実施の形態において、既に参照した図面において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略化する。
<仮接着用積層体>
本発明の仮接着用積層体は、デバイスウェハのデバイス面と支持体とを、剥離可能に仮接着するために用いる仮接着用積層体であって、仮接着用積層体は、熱可塑性樹脂フィルムと、シロキサン結合を有する化合物およびケイ素原子とフッ素原子を有する化合物から選択される離型剤を含む層とを有し、熱可塑性樹脂フィルムのデバイス側の表面であって、デバイス面に対応する領域に離型剤を含む層を少なくとも有し、仮接着用積層体は、デバイスウェハと支持体と仮接着した後、支持体をデバイスウェハのデバイス面から剥離する際に、支持体と熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも含む積層体が、デバイスから剥離されるものである。以下、離型剤を含む層を、離型層ともいう。
本発明の仮接着用積層体は、熱可塑性樹脂フィルムのデバイス側の表面であって、デバイス面に対応する領域に上記離型層を有するので、デバイスウェハと支持体との仮接着を容易に解除でき、剥離性に優れる。また、上記離型層は、熱可塑性樹脂フィルムの表面に形成されており、熱可塑性樹脂フィルムの表面は平坦性に優れているため、離型層をほぼ均一な膜厚で形成することができる。すなわち、スピンコートによって仮接着用積層体を形成すると、残存溶媒によるアウトガス、乾燥収縮によるしわ、エッジビードによる周辺の厚膜化などが生じるが、フィルムとして成型されたものを仮接着用積層体として用いることにより、上記の問題を抑制できる。このため、デバイスウェハと支持体とを仮接着した際において、熱可塑性樹脂フィルムがデバイス面に直接接し難く、より優れた剥離性を達成できる。そのため、デバイスウェハと支持体と仮接着した後、支持体をデバイスウェハのデバイス面から剥離する際に、支持体と熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも含む積層体が、デバイスから剥離されるので、デバイスウェハ側には、熱可塑性樹脂フィルムが残存せず、デバイスウェハと支持体との仮接着を解除した後の、デバイスウェハの洗浄などの手間を簡略化できる。
また、熱可塑性樹脂フィルムを用いるので、デバイスウェハと支持体の圧着する際の加熱により、熱可塑性樹脂が軟化する。その結果、デバイスウェハの微細な凹凸にも追従し、ボイドを生じることなく、優れた接着性を達成できる。
なお、本明細書において、「デバイスウェハのデバイス面と支持体とを、剥離可能に仮接着する」とは、デバイスウェハと支持体とを仮接着して一体化した状態(デバイスウェハ付き積層体)から、デバイスウェハと支持体との仮接着状態を解除して、両者を分離することを意味する。仮接着状態の解除は、機械剥離による解除が好ましい。
また、本明細書において、「熱可塑性樹脂フィルムのデバイス側の表面であって、デバイス面に対応する領域」とは、デバイスウェハのデバイス面と支持体とを仮接着した際に、仮接着用積層体のデバイスウェハ側の面が、デバイスウェハのデバイス面と接触する領域である。
本発明の仮接着用積層体は、デバイスウェハと支持体と仮接着した後、支持体をデバイスウェハのデバイス面から剥離する際に、支持体と熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも含む積層体が、デバイスから剥離されるものである。両者の剥離は、デバイス面と離型層との界面での剥離であってもよく、離型層と熱可塑性樹脂フィルムとの界面での剥離であってもよく、離型層の内部での剥離であってもよい。
すなわち、支持体をデバイスウェハから剥離した後の、デバイスウェハのデバイス面には、離型層の剥離残渣が付着していてもよい。また、熱可塑性樹脂フィルムの剥離残渣は、デバイス面の面積の99%以上の範囲において、付着していないことが好ましい。また、「支持体と熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも含む積層体」は、熱可塑性樹脂フィルムの全面が支持体に積層されていることが好ましいが、熱可塑性樹脂フィルムの一部(好ましくは熱可塑性樹脂フィルムの面積の10%以下、より好ましくは5%以下)が支持体から剥離していてもよい。
なお、「離型層の剥離残渣」とは、離型層に含まれる離型剤を意味する。また、「熱可塑性樹脂フィルムの剥離残渣」とは、熱可塑性樹脂フィルムに含まれる熱可塑性樹脂を意味する。離型層の剥離残渣、熱可塑性樹脂フィルムの剥離残渣は、目視、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡などで観測できるが、本発明では、剥離面を目視で観察して測定したものとする。
また、「支持体と熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも含む積層体」は、熱可塑性樹脂フィルムの全面が、支持体と接着している必要はなく、熱可塑性樹脂フィルムの一部が支持体と接着していなくてもよい。
以下、本発明の仮接着用積層体について具体的に説明する。
<<熱可塑性樹脂フィルム>>
本発明の仮接着用積層体において、熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂を射出成型、押出成型、塗工等の手法によってフィルム形状に加工したものを用いることができる。熱可塑性樹脂フィルムを使用することで、デバイスウェハ上のチップなどの形状に追従して変形するため、デバイスウェハと支持体との接着性が良好である。更には、ボイドの発生を伴うことなく、支持体とデバイスウェハを仮接着できる。
熱可塑性樹脂フィルムの平均厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1〜500μmが好ましく、0.1〜300μmがより好ましく、1〜150μmが更に好ましい。熱可塑性樹脂フィルムの平均厚みが上記範囲であれば、平坦性が良好で、デバイスウェハのデバイス面に対して均一に貼り合せることができる。更には、仮接着後の加工時におけるアウトガスの増加や、貼り合せ時のずれなども生じにくい。
なお、本発明において、熱可塑性樹脂フィルムの平均厚みは、熱可塑性樹脂フィルムの一方向に沿った断面において、一方の端面から他方の端面に向かって、等間隔で5か所の場所における厚みを、マイクロメータにより測定した値の平均値と定義する。
なお、本発明において、「熱可塑性樹脂フィルムの一方向に沿った断面」とは、熱可塑性樹脂フィルムが多角形状である場合は、長辺方向に直交する断面とする。また、熱可塑性樹脂フィルムが正方形状である場合は、いずれか一方の辺に直交する断面とする。また、熱可塑性樹脂フィルムが円形または楕円形である場合は、重心を通過する断面とする。
熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの一方向に沿った断面において、最大膜厚と最小膜厚の差が、平均膜厚の10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムの、25℃から、20℃/分で昇温した1%重量減少温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、350℃以上が更に好ましい。熱可塑性樹脂フィルムの1%重量減少温度が250℃以上であれば、デバイスウェハの、機械的または化学的な処理の際に、高温に曝されても、熱可塑性樹脂の分解を抑制でき、ボイドの発生などを効果的に抑制できる。なお、重量減少温度とは、熱重量測定装置(TGA)により、窒素気流下において、上記昇温条件で測定した値である。
熱可塑性樹脂フィルムの溶剤含有率は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、含有しないことが特に好ましい。この態様によれば、アウトガスを抑制することができ、仮接着した状態で加熱した際のボイドの発生を防ぐことができる。熱可塑性樹脂フィルムの溶剤含有量は、ガスクロマトグラフ(GC)により測定できる。
<<<熱可塑性樹脂>>>
本発明の仮接着用積層体において、熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール樹脂およびシクロオレフィンポリマーから選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、耐熱性の観点から、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテルおよびポリエーテルスルホン、ポリアセタール樹脂およびシクロオレフィンポリマーから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、熱可塑性ポリイミドがさらに好ましい。熱可塑性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂フィルムは、デバイスウェハの微細な凹凸にも追従し、ボイドを生じることなく、優れた接着性を達成できる。また、支持体をデバイスウェハから剥離する際に、デバイスウェハなどに応力をかけることなく、支持体をデバイスウェハから剥離(好ましくは機械剥離)でき、デバイス等の破損や剥落を防止できる。
なお、本発明において、熱可塑性樹脂とは、150〜350℃で軟化する樹脂であって、25℃における貯蔵弾性率は、104〜1012Paであることが好ましく、105〜1011Paであることがより好ましく、106〜1010Paであることが最も好ましい。150〜300℃における貯蔵弾性率は、102〜107Paであることが好ましく、101〜106Paであることがより好ましく、100〜105Paであることが最も好ましい。なお、貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(DMA)で測定した値である。また、「軟化する」とは、150〜300℃における貯蔵弾性率が、25℃における貯蔵弾性率の100倍以上となる状態を意味する。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(以下、Tgともいう)は、50〜400℃が好ましく、75〜400℃がより好ましく、110〜350℃が更に好ましい。Tgが上記範囲であれば、デバイスウェハと支持体との仮接着時に、熱可塑性樹脂フィルムが軟化して、デバイスウェハの微細な凹凸にも追従し、ボイドを生じることなく、優れた接着性を達成できる。なお、熱可塑性樹脂がTgを2種類以上有する場合は、上記Tgの値は、低い方のガラス転移点を意味する。
熱可塑性樹脂の融点は、100〜450℃が好ましく、120〜400℃がより好ましい。融点が上記範囲であれば、デバイスウェハの微細な凹凸にも追従し、ボイドを生じることなく、優れた接着性を達成できる。なお、熱可塑性樹脂が融点を2種類以上有する場合は、上記融点の値は、低い方の融点を意味する。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、2,000〜200,000が好ましく、10,000〜200,000がより好ましく、50,000〜100,000が最も好ましい。この範囲にあることで、耐熱性を良好にできる。
<<<<熱可塑性ポリイミド>>>>
熱可塑性ポリイミドとしては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを公知の方法で縮合反応させて得られるものを用いることができる。
公知の方法としては、例えば、有機溶剤中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを略等モル混合し、反応温度80℃以下で反応させて得られたポリアミック酸を脱水閉環させる方法などが挙げられる。ここで、略等モルとは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル量比が1:1近傍であることを言う。なお、必要に応じて、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの組成比が、テトラカルボン酸二無水物の合計1.0モルに対して、ジアミンの合計が0.5〜2.0モルとなるように調整してもよい。テトラカルボン酸二無水物とジアミンの組成比を上記の範囲内で調整することによって、ポリイミド樹脂の重量平均分子量を調整することができる。
熱可塑性ポリイミド樹脂としては、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を持つものが挙げられる。
Figure 0006321164
一般式(1)において、Xは直接結合、−SO2−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−又は−S−であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、又はハロゲン原子であり、Yは下記式(2)よりなる群から選ばれた基である。
Figure 0006321164
一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミド樹脂は、下記一般式(3)のエーテルジアミンと下記一般式(4)のテトラカルボン酸二無水物とを原料として、有機溶媒の存在下又は非存在下で反応させ、得られたポリアミド酸を化学的に又は熱的にイミド化して製造できる。
Figure 0006321164
一般式(3)において、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ式(1)における記号と同じ意味を示す。
一般式(4)において、Yは一般式(1)における記号と同じ意味を示す。
一般式(1)及び一般式(3)中、R1、R2、R3、R4の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基、フルオロメトキシ基等のハロゲン化アルコキシ基、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。好ましくは、水素原子である。また、式中のXは直接結合、−SO2−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−又は−S−であり、好ましくは、直接結合、−SO2−、−CO−、−C(CH32−である。
一般式(1)及び一般式(4)中、Yは、式(2)で表されるものであり、好ましくは酸二無水物としてピロメリット酸二無水物を使用したものである。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、下記式(5)で表される繰り返し構造単位を有することが好ましい。
Figure 0006321164
熱可塑性ポリイミド樹脂は、下記式(6)及び式(7)の繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミド樹脂も好ましい具体例として挙げられる。
Figure 0006321164
式(6)及び式(7)において、m及びnは各構造単位のモル比を意味し(必ずしもブロック重合体を意味しない)、m/nは4〜9、より好ましくは5〜9、さらに好ましくは6〜9の範囲の数である。
式(6)及び式(7)の繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミド樹脂は、それぞれ対応するエーテルジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを原料として、有機溶媒の存在下又は非存在下で反応させ、得られたポリアミド酸を化学的に又は熱的にイミド化して製造できる。これらの具体的製造方法は、公知のポリイミドの製造方法の条件を利用することができる。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、下記式(8)で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミド樹脂を使用することもできる。
Figure 0006321164
式(8)の繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミド樹脂は、それぞれ対応するエーテルジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを原料として、有機溶媒の存在下又は非存在下で反応させ、得られたポリアミド酸を化学的に又は熱的にイミド化して製造できる。これらの具体的製造方法は、公知のポリイミドの製造方法の条件を利用することができる。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、耐熱性に優れる。熱可塑性ポリイミド樹脂の25℃から、20℃/分で昇温した1%重量減少温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、350℃以上が更に好ましい。
熱可塑性ポリイミド樹脂のTgは、200〜400℃が好ましく、250〜375℃がより好ましく、300〜350℃が更に好ましい。Tgが上記範囲であれば、デバイスウェハの微細な凹凸にも追従し、ボイドを生じることなく、優れた接着性を達成できる。
熱可塑性ポリイミドの市販品としては、例えば、三井化学(株)製「オーラム(登録商標)」、倉敷紡績(株)製「ミドフィル(登録商標)」、デュポン(株)製「ベスペル(登録商標)TP」等が使用できる。
<<<<ポリスチレン系エラストマー>>>>
ポリスチレン系エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)およびこれらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
ポリスチレン系エラストマーにおける、スチレン由来の繰り返し単位の含有量は10〜90質量%が好ましい。易剥離性の観点から、下限値は、25質量%以上が好ましく、51質量%以上がより好ましい。
ポリスチレン系エラストマーは、スチレンと他の樹脂のブロック共重合体であることが好ましく、片末端または両末端がスチレンのブロック重合体であることがより好ましく、両末端がスチレンのブロック重合体であることが特に好ましい。ポリスチレン系エラストマーの両端を、スチレンのブロック重合体(スチレン由来の繰り返し単位)とすると、熱安定性がより向上する傾向にある。これは、耐熱性の高いスチレン由来の繰り返し単位が末端に存在することとなるためである。特に、スチレン由来の繰り返し単位のブロック部位が反応性のポリスチレン系ハードブロックであることにより、耐熱性、耐薬品性により優れる傾向にあり好ましい。また、これらをブロック共重合体とすると、200℃以上においてハードブロックとソフトブロックでの相分離を行うと考えられる。その相分離の形状はデバイスウェハの基板表面の凹凸の発生の抑制に寄与すると考えられる。加えて、このような樹脂は、溶剤への溶解性およびレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
また、ポリスチレン系エラストマーは水添物であると、熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。さらに、溶剤への溶解性およびレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
なお、本明細書において「スチレン由来の繰り返し単位」とは、スチレンまたはスチレン誘導体を重合した際に重合体に含まれるスチレン由来の構成単位であり、置換基を有していてもよい。スチレン誘導体としては、例えば、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等が挙げられる。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
ポリスチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、(株)クラレ製「セプトン」(セプトン S2104など)、「ハイブラー」、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテック」、JSR(株)製「ダイナロン」が挙げられる。
<<<<ポリエステル系エラストマー>>>>
ポリエステル系エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ジカルボン酸又はその誘導体と、ジオール化合物又はその誘導体とを重縮合して得られるものが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの芳香核の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、及びシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、脂環式ジオール、下記構造式で表される2価のフェノールなどが挙げられる。
Figure 0006321164
上記式中、YDOは、炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数4〜8のシクロアルキレン基、−O−、−S−、及び−SO2−のいずれかを表すか、ベンゼン環同士の直接結合(単結合)を表す。RDO1及びRDO2は各々独立に、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。pdo1及びpdo2は各々独立に、0〜4の整数を表し、ndo1は、0又は1を表す。
ポリエステル系エラストマーの具体例としては、ビスフェノールA、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、レゾルシンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用して用いてもよい。
また、ポリエステル系エラストマーとして、芳香族ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート)部分をハードセグメント成分に、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリテトラメチレングリコール)部分をソフトセグメント成分にしたマルチブロック共重合体を用いることもできる。マルチブロック共重合体としては、ハードセグメントとソフトセグメントとの種類、比率、及び分子量の違いによりさまざまなグレードのものが挙げられる。具体例としては、三菱化学(株)製の「プリマロイ」、東洋紡績(株)製の「ペルプレン」、東レ・デュポン(株)製の「ハイトレル」等が挙げられる。
<<<<ポリアミド系エラストマー>>>>
ポリアミド系エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリアミド−6、11、12などのポリアミドをハードセグメントに用い、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルおよび/またはポリエステルをソフトセグメントに用いたエラストマーなどが挙げられる。このエラストマーは、ポリエーテルブロックアミド型、ポリエーテルエステルブロックアミド型の2種類に大別される。市販品として、ダイセル・エボニック(株)製の「ダイアミド」、「ベスタミドE」、(株)T&K TOKA製の「TPAE」等が挙げられる。
<<<<ポリエーテルエーテルケトン>>>>
ポリエーテルエーテルケトンとしては、特に制限なく使用することができ、例えば、ビクトレックスジャパン(株)製の「VICTREX PEEK」、倉敷紡績(株)製の「エクスピーク」、ダイセル・エボニック(株)製の「ベスタキープ」等が挙げられる。
<<<<ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル>>>>
ポリフェニレンエーテルもしくは変性ポリフェニレンエーテルとしては、特に制限なく使用することができる。例えば、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン製の「NORYL」、旭化成ケミカルズ(株)製の「ザイロン」、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製の「ユピエース」、「レマロイ」、ダイセル・エボニック(株)製の「ベストラン」等が挙げられる。
<<<ポリエーテルスルホン>>>
ポリエーテルスルホンとしては、例えば、特開2006−89595号公報、特開2004−352920号公報、特開2002−338688号公報、特開平07−97447号公報および特開平04−20530号公報に記載のポリエーテルスルホンが挙げられる。
ポリエーテルスルホンの中でもポリマー中にアレーン構造を有するポリエーテルスルホンを用いることにより、フィルムの結晶性が上昇し、ある一定温度以上の高温環境下においてもデバイスウェハの処理時に付加される剪断力に対してデバイスウェハを保持しうる剪断接着力を維持することが可能な仮接着用積層体が得られやすい。アレーン構造を有するポリエーテルスルホンとしては、例えば、式(IV)で表される構成単位を有するポリエーテルスルホンが挙げられる。
Figure 0006321164
式(IV)中、R1〜R3は、アレーン構造を有する2価の有機基であって、ただし式(IV)中の結合手はR1〜R3中のアレーン構造に直結している(すなわち、式(IV)中の−O−R1−O−、−O−R2−SO2−および−SO2−R3−O−における−O−および−SO2−は、R1〜R3中のアレーン構造に直結している)。R1〜R3は、それぞれ同一であっても異なってもよい。
2価の有機基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基およびピレンジイル基等のアリーレン基;−C64−C64−等の2つのアリーレン基が直接結合してなる基;式(IV−1)〜(IV−3)で示される2つのアリーレン基の間に2価の炭化水素基を有する基などが挙げられる。
Figure 0006321164
式(IV−1)〜(IV−3)中、*は結合手を示す。
ポリエーテルスルホンの重量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000が好ましく、5,000〜500,000がより好ましい。ポリエーテルスルホンの数平均分子量をMnとするとき、Mw/Mnで示される分子量分布は、1〜5が好ましく、1〜3.5がより好ましい。
ポリエーテルスルホンとしては、市販品を用いることもできる。例えば、BASF社製の「UltrasonEシリーズ」(UltrasonE6020Pなど)、ソルベイアドバンストポリマー社製の「レーデルAシリーズ」、住友化学(株)製の「スミカエクセル PESシリーズ」、ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン(株)製の「ベラデル」などが挙げられる。「スミカエクセルシリーズ」としては、例えば、スミカエクセル(登録商標)PES3600P、スミカエクセル(登録商標)PES4100P、スミカエクセル(登録商標)PES4100MP、スミカエクセル(登録商標)PES4800P、スミカエクセル(登録商標)PES5003P、スミカエクセル(登録商標)PES5200P、スミカエクセル(登録商標)PES5400Pが挙げられる。
<<<<ポリアセタール樹脂>>>>
ポリアセタール樹脂としては、特に制限なく使用することができる。例えば、デュポン(株)製の「デルリン」、ポリプラスチックス(株)製の「DURACON」、旭化成ケミカルズ(株)製「テナック」、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製の「ユピタール」などが挙げられる。
<<<<シクロオレフィンポリマー>>>>
シクロオレフィンポリマーとしては、特に制限なく使用することができる。例えば、日本ゼオン(株)製の「ゼオネックス」、「ゼオノア」、TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH社製の「TOPAS」、三井化学(株)製の「アペル」、JSR(株)製の「ARTON」などが挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムは、上記熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂フィルムの全固形分に対して、50〜100質量%含有することが好ましく、70〜100質量%がより好ましく、88〜100質量%が特に好ましい。この態様によれば、接着性および剥離性に優れた仮接着用積層体を得やすい。
熱可塑性樹脂は1種類のみでもよいし、2種類以上であってもよい。熱可塑性樹脂が2種類以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<<<酸化防止剤>>>
熱可塑性樹脂フィルムは、加熱時の酸化によるポリマー成分の低分子化やゲル化を防止する観点から、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが使用できる。
フェノール系酸化防止剤としては例えば、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、BASF社製「Irganox(登録商標)1010」、「Irganox(登録商標)1330」、「Irganox(登録商標)3114」、「Irganox(登録商標)1035」、住友化学(株)製「Sumilizer(登録商標) MDP−S」、「Sumilizer(登録商標) GA−80」などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては例えば、3,3’−チオジプロピオネートジステアリル、住友化学(株)製「Sumilizer(登録商標) TPM」、「Sumilizer(登録商標) TPS」、「Sumilizer(登録商標) TP−D」などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスフィト、ジフェニルイソデシルホスフィト、2−エチルヘキシルジフェニルホスフィト、トリフェニルホスフィト、BASF社製「Irgafos(登録商標)168」、「Irgafos(登録商標)38」などが挙げられる。
キノン系酸化防止剤としては例えば、p−ベンゾキノン、2−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノンなどが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては例えば、ジメチルアニリンやフェノチアジンなどが挙げられる。
酸化防止剤は、Irganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1330、3,3’−チオジプロピオネートジステアリル、Sumilizer(登録商標) TP−Dが好ましく、Irganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1330がより好ましく、Irganox(登録商標)1010が特に好ましい。
また、上記酸化防止剤のうち、フェノール系酸化防止剤と、硫黄系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤とを併用することが好ましく、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤とを併用することが最も好ましい。特に、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤とを併用することが好ましい。このような組み合わせにすることにより、熱酸化の過程で生じるペルオキシラジカルを補足しつつ、分解生成物であるヒドロペルオキシド(ROOH)を安定なROH基に変換するという相乗効果が期待できる。フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤とを併用する場合、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤との質量比は、フェノール系酸化防止剤:硫黄系酸化防止剤=1:10〜10:1が好ましく、1:5〜5:1がより好ましい。
酸化防止剤の組み合わせとしては、Irganox(登録商標)1010とSumilizer(登録商標) TP−D、Irganox(登録商標)1330とSumilizer(登録商標) TP−D、および、Sumilizer(登録商標) GA−80とSumilizer(登録商標) TP−Dが好ましく、Irganox(登録商標)1010とSumilizer(登録商標) TP−D、Irganox(登録商標)1330とSumilizer(登録商標) TP−Dがより好ましく、Irganox(登録商標)1010とSumilizer(登録商標) TP−Dが特に好ましい。
酸化防止剤の分子量は加熱中の昇華防止の観点から、400以上が好ましく、600以上がさらに好ましく、750以上が特に好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムが酸化防止剤を有する場合、酸化防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂フィルムの全固形分に対して、0.001〜20.0質量%が好ましく、0.005〜10.0質量%がより好ましい。
酸化防止剤は1種類のみでもよいし、2種類以上であってもよい。酸化防止剤が2種類以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<<<界面活性剤>>>
熱可塑性樹脂フィルムは、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用でき、フッ素系界面活性剤が好ましい。界面活性剤を含有させることで、液特性(特に、流動性)が向上し、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
フッ素系界面活性剤は、フッ素含有率が3〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、7〜25質量%が更に好ましい。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的である。さらには、溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、DIC(株)製のメガファックF−251、同F−281、同F−430、同F−444、同F−477、同F−510、同F−552、同F−553、同F−554、同F−555、同F−556、同F−557、同F−558、同F−559、同F−560、同F−561、同F−562、同F−563、同F−565、同F−567、同F−568、同F−569、同F−570、同F−571、同R−40、同R−41、同R−43、同R−94、住友スリーエム(株)製のFC−4430、FC−4432、AGCセイミケミカル(株)製のサーフロンS−242、同S−243、同S−386、同S−651、同S−611、同S−420、OMNOVA社製のPF−636、PF−656、PF−6320、PF−6520、PF−7002等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、森下産業(株)製EFKA−745、共栄社化学(株)製ポリフローNo.75、No.90、No.95等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452、信越シリコーン(株)製KP−341、KF−6001、KF−6002、ビックケミー(株)製BYK−307、BYK−323、BYK−330等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムが界面活性剤を有する場合、界面活性剤の含有量は、熱可塑性樹脂フィルムの全固形分に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。
界面活性剤は1種類のみでもよいし、2種類以上であってもよい。界面活性剤が2種類以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<<その他の添加剤>>
熱可塑性樹脂フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、可塑剤、相溶剤、充填剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、シランカップリング剤等を配合することができる。これらの添加剤を配合する場合、その合計配合量は熱可塑性樹脂フィルムの全固形分の3質量%以下が好ましい。
<<離型層>>
本発明の仮接着用積層体は、熱可塑性樹脂フィルムのデバイス側の表面であって、デバイス面に対応する領域に、シロキサン結合を有する化合物およびケイ素原子とフッ素原子を有する化合物から選択される離型剤を含む層(離型層)を有する。離型剤は、ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物であることが好ましい。この態様によれば、より良好な剥離性を達成できる。
離型層の膜厚は、薄膜であっても効果が得られるので、特に限定はない。例えば、0.001〜1000nmが好ましく、0.1〜500nmがより好ましく、1〜100nmが更に好ましい。上記範囲であれば、デバイスウェハと支持体との仮接着時において、熱可塑性樹脂フィルムがデバイスウェハと直接接触することを防止でき、より良好な剥離性を達成できる。
本発明において、離型層の平均厚みは、離型層の一方向に沿った断面において、一方の端面から他方の端面に向かって、等間隔で5か所の場所における厚みを、エリプソメトリーにより測定した値の平均値と定義する。「離型層の一方向に沿った断面」は、上述した「熱可塑性樹脂フィルムの一方向に沿った断面」と同義である。
離型層が、ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物を含有する場合、離型層は、フッ素原子およびケイ素原子から選ばれる少なくとも一種を含有する化合物を、離型層の全固形分に対して、5〜100質量%含有することが好ましく、50〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が更に好ましい。
離型層が、シロキサン結合を有する化合物を含有する場合、離型層は、シロキサン結合を有する化合物を、離型層の全固形分に対して、5〜100質量%含有することが好ましく、50〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が更に好ましい。
離型層が、ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物とシロキサン結合を有する化合物とを含有する場合、離型層は、離型層の全固形分に対して、ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物を30〜95質量%、シロキサン結合を有する化合物を5〜70質量%含有することが好ましく、ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物を40〜90質量%、シロキサン結合を有する化合物を10〜60質量%含有することがより好ましい。
離型剤は1種類のみでもよいし、2種類以上であってもよい。離型剤が2種類以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
離型層は、250℃で2時間加熱した後、25℃に冷却した条件で測定した、水接触角が30°以上であることが好ましく、40°以上であることがより好ましく、50°以上であることが更に好ましい。上限は、特に限定はないが、例えば、140°以下が好ましく、130°以下がより好ましく、120°以下が更に好ましい。上記水接触角が30°以上であれば、優れた剥離性が得られる。
なお、本発明において、水接触角は、厚さ100mmSiウェハに各種離型層を成膜したものを用いて測定を行った。接触角の測定装置には、協和界面科学(株)製の接触角計(型番:CA−D)を用いた。室温25℃、湿度50%において、70pLの水滴を滴下して5箇所の接触角を測定した。接触角5点を平均して、各サンプルの接触角とした。
<<<シロキサン結合を有する化合物>>>
シロキサン結合を有する化合物は、シリコーン樹脂であることが好ましい。
シリコーン樹脂は、無溶剤型、オイル型、溶液型、エマルジョン型、焼付け型のいずれも好ましく用いることができる。
シリコーン樹脂は、例えば、150℃以上(より好ましくは200℃以上、更に好ましくは250℃以上、特に好ましくは300℃以上)の加熱により熱可塑性樹脂フィルム表面に焼き付け可能なものが好ましい。上限は、450℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましく、350℃以下が更に好ましい。上記温度での焼き付けが可能なものであれば、高温下の機械的または化学的な処理の際に離型層が分解しにくく、耐熱性に優れる。更には、ボイドの発生を効果的に抑制できる。
なお、「熱可塑性樹脂フィルム表面に焼き付け可能」とは、シリコーン樹脂を成膜後加熱することにより反応することで、熱可塑性樹脂に強く結合し容易に剥離しない状態のことである。
シリコーン樹脂の重量平均分子量は、10,000〜10,000,000が好ましく、50,000〜5,000,000がより好ましい。
シリコーン樹脂としては、直鎖状のオルガノポリシロキサンおよび/または分岐構造を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンなどを用いることができる。
Figure 0006321164
式(1)中、M1は一般式(2)、Tは一般式(3)、Dは一般式(4)、M2は一般式(5)で示される構造単位であり、式中の酸素原子は隣接する構造単位と共有されてシロキサン結合を形成するものとする。R1はアルケニル基、R2は置換または非置換の1価の有機基、aは2以上、bは5〜100の整数、cは2,000〜20,000の整数、dは0または正の整数であって、a+d=b+2を満たす数である。
Figure 0006321164
1が表すアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニルなど挙げられる。
2が表す1価の有機基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル、アリル、プロペニルなどのアルケニル基;フェニル、トリルなどのアリール基またはこれらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などの置換または非置換の1価の炭化水素基、更には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシエトキシ基などのアルコキシ基、水酸基、エポキシ基などが挙げられる。
1はビニル基が工業的に好ましく、R2は少なくともその80モル%がメチル基であることが工業上も、特性上も好ましい。
式(1)のbは分岐状オルガノポリシロキサンの分岐構造を決める数であり、5〜100の整数であり、6〜80が好ましい。cは、2,000〜20,000であり、5,000〜10,000が好ましい。
a、dはオルガノポリシロキサンの分子末端に位置するシロキサン単位の数であるが、aは2以上、dは0または正の整数であり、分岐の数と分子末端の数の関係から、a+d=b+2を満たす必要がある。
必ずアルケニル基を有する構造単位はM1のみであり、aが2以上であるのは、1分子中のアルケニル基の数が2以上であること、アルケニル基は分子鎖末端に優先して配置されること、を意味している。d=0でもa+d=b+2を満たすことができるのであれば、良好な硬化性を達成するためにはd=0がより好ましい。
a、b、c、dの合計値で、オルガノポリシロキサンの重合度の範囲が限定されるが、実用上は粘度による表示が有用である。高重合度のポリマーの粘度としては、一般的に限界粘度ηrで示されるが、オルガノポリシロキサンの限界粘度ηrは1.0〜3.0の範囲が特に好ましい。
シロキサン結合を有する化合物は、フッ素基を含んでいても良い。フッ素基としては、既知のフッ素基を使用することができ、例えば、フッ化アルキル基、フッ化アルキレン基等が挙げられる。
フッ化アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15がより好ましい。フッ化アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、エーテル結合を有していてもよい。また、フッ化アルキル基は、水素原子の全てがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基であってもよい。
フッ化アルキレン基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜15がより好ましい。フッ化アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、エーテル結合を有していてもよい。また、フッ化アルキレン基は、水素原子の全てがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキレン基であってもよい。
シロキサン結合を有する化合物の市販品としては、信越化学工業(株)製KM−9736A、KM−9737A、KM−9738A、KM−9739、KM−722T、KM−740T、KM−742T、KM−780、KM−782、KM−785、KM−797、KM−9705、KM−860A、KM−862T、シルキャストU、KF−96、KF−965、KF−54、KF−410、KF−412、KF−4701、KM−244F、KS−61、KS−702、KS−725、KS−707、KS−700、KS−7201、KS−7200、SEPA−COAT、東レ・ダウコーニング(株)製SM 7036 EX、SM 7060 EX、IE−7045、IE−7046T、BY 22−736 EX、BY 22−749 SR、SM 7001EX、SM 7002EX、SM 490EX、BY 22−744EX、SM 8706EX、SH 7024、SH 200、SH 203、230 FLUID、SF 8416、SH 550、PRX 308、SH 7020、SR 2472、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSF451シリーズ、TSF4600、TSF4420、TSM620、TSM621、YSR3022、TSM6281、YSR6209、YSR6209B、TSM630、TSM630NF、TSM631、TSM632、TSM637、YMR7212、TSM6341、TSM6343、TSM647、TSM6344、TSM6345、TSM6362、TSM6363、TSM650、YG6144等が使用できる。
<<<ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物>>>
ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物は、シランカップリング剤であることが好ましい。また、ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物のフッ素原子の含有率は、20〜80%が好ましく、24〜80%がさらに好ましい。ここで、フッ素原子の含有率は、各化合物を(株)島津製作所製のICP発光分光分析装置(型番:ICPS−8100)によって測定した。
シランカップリング剤としては、フッ素原子を少なくとも一つ有する基と、シリル基を少なくとも一つ有する化合物が挙げられる。
フッ素原子を少なくとも一つ有する基としては、フッ素原子が一分子中に2個以上含まれる、一般的にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロエーテル基と呼ばれる基を有している化合物であることが好ましい。フッ素原子を有する基は置換基を有していてもよい。置換基としては、反応性や熱安定性の観点から任意に選択することができ、例えば、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;メチル基、エチル基、tert−ブチル基及びドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基及びフェナントリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホニル基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;モノアルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アリールアミノ基;及びジアリールアミノ基チオキシ基;又はこれらの組み合わせが挙げられる。
シリル基としては、シラノール基または加水分解性シリル基を有することが好ましい。加水分解性シリル基とは、加水分解性を有するシリル基のことであり、加水分解性基としては、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等を挙げることができる。シリル基は加水分解してシラノール基となり、シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生成する。このような加水分解性シリル基又はシラノール基は下記式(B−1)で表されるものが好ましい。
Figure 0006321164
式(B−1)中、Rh1〜Rh3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシ基を表す。残りのRh1〜Rh3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機置換基(例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を挙げることができる。)を表す。
式(B−1)中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
アルコキシ基としては、剥離性の観点から、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、特に好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、最も好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
ハロゲン原子としては、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさ及び安定性の観点で、好ましくはCl原子及びBr原子であり、より好ましくはCl原子である。
加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物は、上記式(B−1)で表される基を1つ以上有する化合物であることが好ましく、2つ以上有する化合物も使用することができる。
加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜4個の範囲で結合することができ、式(B−1)中における加水分解性基の総個数は2又は3の範囲であることが好ましい。特に3つの加水分解性基がケイ素原子に結合していることが好ましい。加水分解性基がケイ素原子に2個以上結合するときは、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
好ましいアルコキシ基として、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよいし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシモノアルキルシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシジアルキルシリル基を挙げることができる。
ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物としては、信越化学工業(株)製KBM−7103、ダイキン工業(株)製オプツールDSX、三菱マテリアル電子化成(株)製エフトップ、パーフルオロデシルトリメトキシシラン、パーフルオロデシルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、パーフルオロドデシルトリメトキシシラン、パーフルオロドデシルトリエトキシシラン、パーフルオロペンチルトリエトキシシラン、パーフルオロペンチルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらを好ましく用いることができる。
<<<他の成分>>>
離型層は、離型剤に加えて、さらに本発明の効果を損なわない範囲において、目的に応じて種々の化合物を含むことができる。例えば、熱重合開始剤、増感色素、連鎖移動剤、酸化防止剤を好ましく使用することができる。これらは、上述した熱可塑性樹脂フィルムで説明したものを用いることができる。
<仮接着用積層体の製造方法>
次に、本発明の仮接着用積層体の製造方法について説明する。
本発明の仮接着用積層体の製造方法は、上述した熱可塑性樹脂フィルムの表面に、上述した離型剤を含む層(離型層)を形成する工程を含む。
<<熱可塑性樹脂フィルムの製造方法>>
熱可塑性樹脂フィルムは、従来公知の方法により製造できる。例えば、溶融製膜法、溶液製膜法などにより製造できる。好ましくは溶融製膜法である。溶融製膜法であれば、平坦性を維持しながら厚膜化が可能である。更には、溶剤に溶解しにくいポリマー成分やその他添加剤を使用することもでき、材料選択の自由度が高い。特に、溶剤に溶解しにくい傾向がある、高耐熱性添加剤を用いることが可能であり、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂フィルムが得られやすい。
溶融製膜法は、原料組成物を過熱して溶融することで流動性を実現し、この融液を押出成型装置や射出成型装置を使用してシート状にし、冷却することでフィルム(シート)を得る方法である。押出成型法では、平坦性のよい長尺フィルムを得ることができる。長尺フィルムの長さは、特に限定はないが、下限は、例えば1m以上が好ましく、2m以上がより好ましい。射出成型法では長尺フィルムを得ることは難しいが高い膜厚精度を得られる。他の添加剤も混合溶融撹拌することで添加することができる。フィルムの片面または両面に離型フィルムを貼合して、「離型フィルム付き熱可塑性樹脂フィルム」としても良い。
溶液製膜法は、原料組成物を溶剤で溶解することで流動性を実現し、この溶液をフィルムやドラムやバンドなどの支持体に塗工してシート状にし、乾燥することでフィルム(シート)を得る方法である。
溶剤としては、溶剤は、公知のものを制限なく使用でき、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチルおよび2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート等のエステル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)、γブチロラクトン等のケトン類;
塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン等のハロゲン類;
トルエン、キシレン、アニソール、メシチレン等の芳香族炭化水素類;
リモネン、p−メンタン等の炭化水素類などが好適に挙げられる。
これらの溶剤は、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。この場合、特に好ましくは、メシチレン、p−メンタン、γブチロラクトン、アニソール、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
溶液の塗工方法としては、スリット状の開口から溶液を圧力で押し出して塗工する方法、グラビアやアロニクスローラーで溶液を転写して塗工する方法、スプレーやディスペンサーから溶液を吐出しながら走査して塗工する方法、溶液をタンクに溜めてその中にフィルムやドラムやバンドを通過させることでディップ塗工する方法、ワイヤーバーで溶液を押流しながらかきとることで塗工する方法などが挙げられる。
支持体に溶液を塗工した後に、乾燥して固体化したシートになった後、シートを支持体から機械的に引き剥がすことにより、単体のフィルム(シート)を得ることができる。引き剥がしやすいように、予め支持体上に離型性を付与する処理として、離型層の塗布、浸漬処理、ガス処理、電磁波照射処理、プラズマ照射処理などを行っても良い。あるいは、フィルムを支持体から引き剥がさずにそのまま残して、フィルム支持体上にシートが接着した状態のまま、「離型フィルム付き熱可塑性樹脂フィルム」としても良い。これらの処理を連続的に行うことで、ロール状の長尺フィルムを得ることができる。また、フィルムの両面に、離形フィルムを貼合して、「両面離型フィルム付き熱可塑性樹脂フィルム」としても良い。
<<離型層の形成方法>>
熱可塑性樹脂フィルムの表面に離型層を形成させる方法としては、ラミネート法、塗工法、共押出法が挙げられる。
ラミネート法は、離型フィルムに、上記離型剤を少なくとも含む組成物を塗工して、フィルム状の離型層(離型層フィルム)を形成し、熱可塑性樹脂フィルムの離型フィルムの無い面と、離型層フィルムの離型フィルムの無い面とを接触させて、ラミネートする方法である。
ラミネートは、ローララミネート(加熱、加圧してもよい)、真空ラミネート(加熱してもよい)など、公知の装置を使用可能である。熱可塑性樹脂フィルムの両面に離型層フィルムをラミネートすることで、熱可塑性樹脂フィルムの両面に離型層を設けることができる。
塗工法は、熱可塑性樹脂フィルムの離型フィルムの無い面に、離型層形成用溶液を塗布後、乾燥して形成する方法である。離型層形成用組成物は、上述した離型剤と溶剤とを含む溶液を用いることが好ましい。溶剤としては、離型剤を溶解可能なものであれば、何れも好ましく用いることができる。離型剤がケイ素原子とフッ素原子を有する化合物を含む場合は、フッ素原子を有する溶剤が溶解性が高いため好ましい。例としては、フロリナートFC−40(住友スリーエム(株)製)が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムを溶液製膜法で作製する場合は、インラインで、フィルム形成用溶液を塗布、乾燥後、巻き取らずに、離型層形成用溶液を塗布、乾燥しても良い。また、フィルム形成用溶液と、離型層形成用溶液とが相溶性がないように溶液の物性を設計した場合には、同時に塗布し、同時に乾燥しても良い。
また、フィルム形成用溶液を塗布後、乾燥せずに、離型層形成用溶液を塗布し、両者を同時に乾燥しても良い。
また、フィルム形成用溶液と離型層形成用溶液が一旦は相溶するが、乾燥して濃度が高くなると相分離するような物性に設計した場合には、混合溶液を塗布し、乾燥中に熱可塑性樹脂フィルムと離型層に分離するようにしても良い。
また、熱可塑性樹脂フィルムの両面に離型層形成用溶液を塗工することで、熱可塑性樹脂フィルムの両面に離型層を設けることができる。
共押出法は、フィルム形成用の材料と、離型層形成用の材料をそれぞれ熱溶融し、同時に押出成型しながら一体化することによって、熱可塑性樹脂フィルムと離型層が一体になったシートを得る方法である。フィルム形成用の材料の両面に離型層形成用の材料を押出すことで、熱可塑性樹脂フィルムの両面に離型層を設けることができる。
本発明の仮接着用積層体は、溶剤含有率が、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、含有しないことが特に好ましい。
本発明の仮接着用積層体は、仮接着用積層体の片面または両面に、離型フィルムを貼合して「離型フィルム付き仮接着用積層体」としてもよい、この態様によれば、長尺状の仮接着用積層体をロール状に巻き取る際に、仮接着用積層体の表面に傷がついたり、保管中に貼りついたりするトラブルを防止することができる。
離型フィルムは、使用する際に剥離除去することができる。例えば、両面に離型フィルムが貼合されている場合においては、片面の離型フィルムを剥がし、接着面をデバイスウェハや支持体などにラミネートした後で、残った離型フィルムを剥がすことで、シート面の清浄をできるだけ保つことができる。
<接着性支持体>
次に、本発明の仮接着用積層体を用いた接着性支持体について説明する。
接着性支持体は、支持体の表面に、上述した仮接着用積層体を有する。
仮接着用積層体は、支持体上に、上述した本発明の仮接着用積層体をラミネートして形成することができる。例えば、仮接着用積層体を真空ラミネーターにセットし、本装置にて仮接着用積層体を支持体上に位置させ、真空下で、仮接着用積層体と支持体とを接触させ、ローラなどで圧着して仮接着用積層体を支持体に固定(積層)する方法などが挙げられる。また、支持体に固定された仮接着用積層体は、例えば円形状など、所望の形状にカットしてもよい。
接着性支持体において、仮接着用積層体は、熱可塑性樹脂フィルムの片面のみに離型層が形成されてなるものであってもよいし、両面に離型層が形成されてなるものであってもよい。熱可塑性樹脂フィルムの片面のみに離型層が形成されていることが好ましい。なお、熱可塑性樹脂フィルムの片面のみに離型層が形成されている場合は、支持体とは反対側の面に離型層が形成されている。また、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面は、支持体の表面に接していることが好ましい。
接着性支持体において、支持体(キャリア支持体ともいう)は特に限定されないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、金属基板、化合物半導体基板などが挙げられる。なかでも、半導体装置の基板として代表的に用いられるシリコン基板を汚染しにくい点や、半導体装置の製造工程において汎用されている静電チャックを使用できる点などを鑑みると、シリコン基板であることが好ましい。
支持体の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、300μm〜100mmが好ましく、350μm〜10mmがより好ましい。
支持体の表面には、離型層が設けられていてもよい。すなわち、支持体は、離型層付き支持体であってもよい。
離型層としては、フッ素原子および/またはケイ素原子を含む低表面エネルギー層が好ましく、フッ素原子および/またはケイ素原子を含む材料を有することが好ましい。離型層のフッ素含有率は、30〜80質量%が好ましく、40〜76質量%がより好ましく、60〜75質量%が特に好ましい。
離型層の材料としては、上述した仮接着用積層体の離型層で説明したものと同様のものを用いることができる。
<デバイスウェハ付き積層体>
次に、本発明のデバイスウェハ付き積層体について説明する。
本発明のデバイスウェハ付き積層体は、デバイスウェハと支持体との間に、上述した本発明の仮接着用積層体を有し、仮接着用積層体の離型層側の面がデバイスウェハのデバイス面に接し、他方の面が支持体の表面に接している。
デバイスウェハは、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、シリコン基板、化合物半導体基板などが挙げられる。化合物半導体基板の具体例としては、SiC基板、SiGe基板、ZnS基板、ZnSe基板、GaAs基板、InP基板、GaN基板などが挙げられる。
デバイスウェハの表面には、機械構造や回路が形成されていてもよい。機械構造や回路が形成されたデバイスウェハとしては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、パワーデバイス、イメージセンサ、マイクロセンサー、LED、光学デバイス、インターポーザー、埋め込み型デバイス、マイクロデバイスなどが挙げられる。
デバイスウェハは、金属バンプ、パッド、ビア等の構造を有していることが好ましい。本発明の仮接着剤フィルムは表面に構造を有しているデバイスウェハに対しても、安定して仮接着できるとともに、デバイスウェハを容易に剥離できる。構造の高さは、特に限定はないが、例えば、1〜100μmが好ましい。構造体は、デバイスウェハ内部まで埋め込まれて形成されていても良い。
機械的または化学的な処理を施す前のデバイスウェハの膜厚は、500μm以上が好ましく、600μm以上がより好ましく、700μm以上が更に好ましい。上限は、例えば、1000μm以下が好ましく、900μm以下がより好ましい。
機械的または化学的な処理を施して薄膜化した後のデバイスウェハの膜厚は、例えば、500μm未満が好ましく、400μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましい。下限は、例えば、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。
本発明のデバイスウェハ付き積層体において、支持体(キャリア支持体)としては、上述した接着性支持体で説明した支持体と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明のデバイスウェハ付き積層体は、上述した接着性支持体の、仮接着用積層体が形成された側の面と、デバイスウェハとを加熱圧着することにより製造できる。加圧接着条件は、例えば、温度100〜400℃、圧力0.01〜1MPa、時間1〜15分が好ましい。
また、支持体とデバイスウェハとの間に、上述した本発明の仮接着用積層体を配置し、加熱圧着して製造することもできる。
<半導体装置の製造方法>
以下、デバイスウェハ付き積層体を製造する工程を経た半導体装置の製造方法の一実施形態について、図1を合わせて参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1(A)〜(F)は、それぞれ、支持体とデバイスウェハとの仮接着を説明する概略断面図(図1(A)〜(D))、支持体に仮接着されたデバイスウェハが薄型化された状態(図1(E))、支持体とデバイスウェハを剥離した状態(図1(F))を示す概略断面図である。
この実施形態では、図1(A)〜(B)に示すように、熱可塑性樹脂フィルム111の表面に離型層110が積層されてなる仮接着用積層体11を、支持体12の表面にラミネートして、離型層110が最表面に配置された接着性支持体100を作製する。接着性支持体100は、上述した方法で製造できる。
この実施形態の接着性支持体100は、支持体12の片面の全面が、仮接着用積層体11で被覆されている。このような接着性支持体は、薄化デバイスウェハのTTV(Total Thickness Variation)をより低下させたい場合(すなわち、薄型デバイスウェハの平坦性をより向上させたい場合)に有効である。
すなわち、仮接着用積層体により仮接着されたデバイスウェハを薄化する場合においては、先ず、デバイスウェハ表面の構造体が仮接着剤フィルムによって保護されているため、薄化時に構造体由来の凹凸形状をほとんど無くすことが可能である。その結果、最終的に得られる薄型デバイスウェハのTTVをより低下させることができる。
図1(C)に示すように、デバイスウェハ60は、シリコン基板61の表面(デバイス面)61aに複数のデバイスチップ62が設けられてなる。
シリコン基板61の厚さは、例えば、200〜1200μmが好ましい。デバイスチップ62は例えば金属構造体であることが好ましく、高さは10〜100μmが好ましい。
次いで、図1(C)〜(D)に示す通り、接着性支持体100と、デバイスウェハ60のデバイス面61aとを圧着させ、支持体12とデバイスウェハ60とを仮接着させる。
次いで、シリコン基板61の裏面61bに対して、機械的または化学的な処理(特に限定されないが、例えば、グライディングや化学機械研磨(CMP)等の薄膜化処理、化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)などの高温・真空下での処理、有機溶剤、酸性処理液や塩基性処理液などの薬品を用いた処理、めっき処理、活性光線の照射、加熱・冷却処理など)を施して、図1(E)に示すように、シリコン基板61の厚さを薄くし(例えば、平均厚さ500μm未満であることが好ましく、1〜200μmであることがより好ましく、1〜100μmが更に好ましい)、薄型デバイスウェハ60aを得る。
また、機械的または化学的な処理として、薄膜化処理の後に、薄型デバイスウェハ60aの裏面61b1からシリコン基板を貫通する貫通孔(図示せず)を形成し、この貫通孔内にシリコン貫通電極(図示せず)を形成する処理を行ってもよい。加熱処理における最高到達温度は、例えば、130℃〜450℃が好ましく、180℃〜400℃がより好ましい。加熱処理は、例えば、最高到達温度での30秒〜5時間の加熱であることが好ましく、最高到達温度での1分〜3時間の加熱であることがより好ましい。
次いで、図1(F)に示すように、支持体12を、薄型デバイスウェハ60aから脱離させる。脱離の方法は特に限定されるものではないが、何ら処理することなく薄型デバイスウェハ60aの端部から薄型デバイスウェハ60aに対して垂直方向に引き上げて剥離することが好ましい。すなわち、機械剥離が好ましい。
剥離界面は、デバイス面61aと離型層110との界面であってもよく、離型層110と熱可塑性樹脂フィルム111との界面であってもよく、離型層110の内部であってもよい。すなわち、デバイス面61a1には、離型層110の剥離残渣が付着していてもよい。仮接着用積層体11と薄型デバイスウェハとの剥離強度をA、熱可塑性樹脂フィルム111と離型層110の剥離強度Bとすると、以下の式を満たすことが好ましい。
A<B・・・・式(1)
なお、剥離強度は、(株)イマダ製のデジタルフォースゲージを用い、薄型デバイスウェハ60aの端部からデバイスウェハに対して垂直方向に引き上げて剥離した時の値を5回測定し、その平均値を用いた。
また、仮接着用積層体11に剥離液に接触させ、その後、必要に応じて、支持体12に対して薄型デバイスウェハ60aを摺動させた後に、薄型デバイスウェハ60aの端部からデバイスウェハに対して垂直方向に引き上げて剥離することもできる。剥離液としては、例えば、特開2014−80570号公報の段落番号0203〜0212に記載の剥離液などを用いることができる。なお、本発明は、剥離液などによる処理を必ずしも必要とするわけではない。機械剥離のみで、剥離残渣などを生じることなく、薄型デバイスウェハ60aのデバイス面61aから、支持体12と共に熱可塑性樹脂フィルム111を同時に除去することができる。
薄型デバイスウェハ60aから支持体を剥離した後、後述する洗浄液に接触させ、デバイス面61aを洗浄することもできる。必要に応じて、薄型デバイスウェハ60aに対して、種々の公知の処理を施し、薄型デバイスウェハ60aを有する半導体装置を製造する。
<洗浄液>
以下、洗浄液について詳細に説明する。
洗浄液としては、熱可塑性樹脂および離型剤を溶解する有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、エッソ化学(株)製アイソパーE、H、G等、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)、極性溶剤が挙げられる。極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)等が挙げられる。
また、支持体12上の熱可塑性樹脂フィルム111を除去することにより、支持体12を再生することができる。熱可塑性樹脂フィルム111を除去する方法としては、フィルム状のままと、ブラシ、超音波、氷粒子、エアロゾルの吹付けにより物理的に除去する方法、水溶液または有機溶剤に溶解させて溶解除去する方法、活性光線、放射線、熱の照射により分解、気化させる方法等の化学的に除去する方法が挙げられるが、支持体に応じて、従来既知の洗浄方法を利用することができる。
例えば、支持体としてシリコン基板を使用した場合、従来既知のシリコンウェハの洗浄方法を使用することができ、例えば化学的に除去する場合に使用できる水溶液または有機溶剤としては、強酸、強塩基、強酸化剤、またはそれらの混合物が上げられ、具体的には、硫酸、塩酸、フッ酸、硝酸、有機酸等の酸類、テトラメチルアンモニウム、アンモニア、有機塩基等の塩基類、過酸化水素等の酸化剤、またはアンモニアと過酸化水素の混合物、塩酸と過酸化水素水の混合物、硫酸と過酸化水素水の混合物、フッ酸と過酸化水素水の混合物、フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合物等が挙げられる。
再生した支持体を使った場合の剥離性の観点から、支持体洗浄液を用いることが好ましい。
支持体洗浄液は、pKaが0未満の酸と過酸化水素を含んでいることが好ましい。pKaが0未満の酸としては、ヨウ化水素、過塩素酸、臭化水素、塩化水素、硝酸、硫酸等の無機酸、又はアルキルスルホン酸、アリールスルホン酸等の有機酸から選択される。支持体上の接着剤層の洗浄性の観点から無機酸であることが好ましく、硫酸が最も好ましい。
過酸化水素としては、30w/v%過酸化水素水が好ましく使用でき、上記強酸と30w/v%過酸化水素水との混合比は0.1:1〜100:1が好ましく、1:1〜10:1がより好ましく、3:1〜5:1が最も好ましい。
<<従来の実施形態>>
次いで、従来の実施形態について説明する。
図2は、従来の接着性支持体とデバイスウェハとの仮接着状態の解除を説明する概略断面図である。
従来の実施形態においては、図2に示すように、接着性支持体として、支持体12の上に、従来の仮接着剤により形成された接着層11bが設けられてなる接着性支持体100aを使用し、それ以外は、図1を参照して説明した手順と同様に、接着性支持体100aとデバイスウェハとを仮接着し、デバイスウェハにおけるシリコン基板の薄膜化処理を行い、次いで、上記した手順と同様に、接着性支持体100aから薄型デバイスウェハ60aを剥離する。
しかしながら、従来の仮接着剤によれば、高い接着力によりデバイスウェハを仮接着し、処理後のデバイスウェハに損傷を与えることなく、支持体とデバイスウェハとの仮接着を容易に解除することが困難である。例えば、デバイスウェハと支持体との仮接着を充分にしようとするべく、従来の仮接着剤の内、接着性の高いものを採用すると、デバイスウェハと支持体との仮接着が強すぎる傾向となる。よって、この強すぎる仮接着を解除するべく、例えば、図3に示すように、薄型デバイスウェハ60aの裏面にテープ(例えば、ダイシングテープ)70を貼り付け、接着性支持体100aから薄型デバイスウェハ60aを剥離する場合においては、構造体63が設けられたデバイスチップ62から、構造体63が脱離するなどして、デバイスチップ62を破損する不具合が生じやすい。
一方、従来の仮接着剤の内、接着性が低いものを採用すると、デバイスウェハに対する仮接着を容易に解除することはできるが、そもそもデバイスウェハと支持体との仮接着が弱すぎ、デバイスウェハを支持体で確実に支持できないという不具合が生じやすい。
これに対し、本発明の仮接着用積層体は、充分な接着性を発現するとともに、デバイスウェハ60と支持体12との仮接着を容易に解除できる。すなわち、本発明の仮接着用積層体によれば、高い接着力によりデバイスウェハ60を仮接着できるとともに、薄型デバイスウェハ60aに損傷を与えることなく、薄型デバイスウェハ60aに対する仮接着を容易に解除できる。
本発明の半導体装置の製造方法は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
また、上述した実施形態においては、デバイスウェハとして、シリコン基板を挙げたが、これに限定されるものではなく、半導体装置の製造方法において、機械的または化学的な処理に供され得るいずれの被処理部材であっても良い。例えば、化合物半導体基板を挙げることもでき、化合物半導体基板の具体例としては、SiC基板、SiGe基板、ZnS基板、ZnSe基板、GaAs基板、InP基板、および、GaN基板などが挙げられる。
また、上述した実施形態においては、デバイスウェハ(シリコン基板)に対する機械的または化学的な処理として、デバイスウェハの薄膜化処理、および、シリコン貫通電極の形成処理を挙げたが、これらに限定されるものではなく、半導体装置の製造方法において必要ないずれの処理も挙げられる。
その他、上述した実施形態において例示した、デバイスウェハにおけるデバイスチップの形状、寸法、数、配置箇所等は任意であり、限定されない。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<熱可塑性樹脂フィルムからの仮接着用積層体の作製方法>(実施例1、3、8〜12、比較例1〜4)
下記記載の熱可塑性樹脂フィルム上に、以下の離型層形成用塗布液を、バー塗布し、120℃で1分間、オーブン乾燥を行い、熱可塑性樹脂フィルムの片面に離型層を有する仮接着用積層体を作製した。
[離型層形成用塗布液]
・表1記載の離型剤:表1記載の質量部
・表1記載の溶剤:表1記載の質量部
<熱可塑性樹脂の溶液からの仮接着用積層体の作製方法>(実施例2、4〜7)
下記記載のフィルム作製用組成物を、厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(離型フィルム)上に、速度1m/分の速度でワイヤーバーによって塗工し、140℃で10分間乾燥することによって、フィルム厚100μmの熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
つづいて、熱可塑性樹脂フィルム上に、以下の離型層形成用塗布液を、バー塗布し、120℃で1分間、オーブン乾燥を行い、熱可塑性樹脂フィルムの片面に離型層を有する仮接着用積層体を作製した。
[フィルム作製用組成物]
・表1記載の熱可塑性樹脂:表1に示す質量部
・Irganox(登録商標)1010(BASF社製):1質量部
・Sumilizer(登録商標)TP−D(住友化学(株)製):1質量部
・表1記載の溶剤:表1記載の質量部
[離型層形成用塗布液]
・表1記載の離型剤:表1記載の質量部
・表1記載の溶剤:表1記載の質量部
Figure 0006321164
表1中に記載の化合物は以下の通りである。
<熱可塑性樹脂>
(a−1) ミドフィル(熱可塑性ポリイミド樹脂、1%重量減少温度=520℃、融点=388℃、Tg=320℃、倉敷紡績(株)製)
(a−2) UltrasonE6020P(ポリエーテルスルホン、1%重量減少温度=510℃、融点=225℃、Tg=225℃、BASF社製)
(a−3) エクスピーク(ポリエーテルエーテルケトン、1%重量減少温度=480℃、融点=343℃、Tg=320℃、倉敷紡績(株)製)
(a−4) セプトン S2104(ポリスチレン系エラストマー、1%重量減少温度=370℃、融点=170℃、Tg=120℃、(株)クラレ製)
(a−5) NORYL APS130 resin(変性ポリフェニレンエーテル、1%重量減少温度=360℃、融点=132℃、Tg=120℃、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン製)
(a−6) セプトン S2002(ポリスチレン系エラストマー、1%重量減少温度=310℃、融点=150℃、Tg=100℃、(株)クラレ製)
(a−7) デルリン 100P BK602(ポリアセタール樹脂、1%重量減少温度=280℃、融点=178℃、Tg=−50℃、デュポン(株)製)
<離型剤>
(b−1) オプツールDSX(ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物(フッ素系シランカップリング剤)、ダイキン工業(株))
(b−2) KS−700(シロキサン結合を有する化合物(シリコーン樹脂)、焼付け温度=250℃、信越化学工業(株)製)
(b−3) トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物、フッ素含有率=26%、東京化成工業(株)製)
(b−4) KS−7201(シロキサン結合を有する化合物(シリコーン樹脂)、焼付け温度=200℃、信越化学工業(株)製)
(b−5) KS−7200(シロキサン結合を有する化合物(シリコーン樹脂)、焼付け温度=230℃、信越化学工業(株)製)
(b−6) オプツール HD−1100(フッ素原子を有し、ケイ素元素を有さない化合物、ダイキン工業(株)製)
(b−7) トリメトキシ(3−(フェニルアミノ)プロピル)シラン(ケイ素原子を有し、フッ素元素を有さない化合物、東京化成工業(株)製)
(b−8) SEPA−COAT(シロキサン結合を有する化合物(シリコーン樹脂)、焼付け温度=150℃、信越化学工業(株)製)
(b−9) トリフルオロプロピルトリエトキシシラン(ケイ素原子とフッ素原子を有する化合物、フッ素含有率=22%、Shanghai Fuluda Rubber & plastic Materials Technology Co., Ltd.製)
なお、熱可塑性樹脂の1%重量減少温度は、熱重量測定装置(TGA)により、窒素気流下において、25℃から、20℃/分で昇温して測定した値である。
<接着性支持体の作製>
上記方法で作製した仮接着用積層体を、真空ラミネーターにセットした。そして、本装置にて、仮接着用積層体を100mmSiウェハ上に位置させ、真空下でSiウェハと仮接着用積層体の離型層の反対側の面(熱可塑性樹脂フィルム側)とを接触させ、ローラにて、仮接着用積層体とSiウェハとを固定し、接着性支持体を作製した。
<試験片の作製>
接着性支持体の仮接着用積層体が形成された側の面と、デバイスウェハのデバイス面とを、真空下、Tg+50℃、0.11MPaの圧力で3分間圧着を行い、試験片を作製した。デバイスウェハとしては、100mmSiウェハ上に直径80μm、高さ40μmの銅からなるバンプが200μmのピッチで形成されているものを用いた。
<比較例3>
デバイスウェハのデバイス面に、オプツールDSX(ダイキン工業(株)製)0.5質量部と、フロリナートFC−40(住友スリーエム(株)製)99.5質量部とを含む離型層形成用組成物を塗布し、乾燥して離型層を10nm形成した。
次に、熱可塑性樹脂フィルムとしてミドフィル(倉敷紡績(株)製)を用い、熱可塑性樹脂フィルムと、デバイスウェハのデバイス面とを、真空下、370℃、0.11MPaの圧力で3分間圧着を行い、試験片を作製した。
<比較例4>
100mmSiウェハ上に、オプツールDSX(ダイキン工業(株)製)0.5質量部と、フロリナートFC−40(住友スリーエム(株)製)99.5質量部とを含む離型層形成用組成物を塗布し、乾燥して離型層を10nm形成することで、支持体を作製した。
次に、熱可塑性樹脂フィルムとしてミドフィル(倉敷紡績(株)製)を用い、熱可塑性樹脂フィルムと、支持体の離型層が形成された側の面とを、真空下、370℃、0.11MPaの圧力で3分間圧着を行い、接着性支持体を作製した。
次に、接着性支持体と、デバイスウェハのデバイス面とを、真空下、370℃、0.11MPaの圧力で3分間圧着を行い、試験片を作製した。
<離型層の水接触角>
離型層の水接触角は、厚さ100mmSiウェハに、各種試験片の離型層を形成した離型層形成用組成物を、各種試験片の離型層を形成した成膜条件と同じ条件で成膜し、各種試験片の離型層と同じ膜厚の離型層を形成してテストピースを作製した。
次に、テストピースを250℃、2時間加熱した後、25℃に冷却し、協和界面科学(株)製の接触角計(型番:CA−D)を用いて水接触角を測定した。測定は、室温25℃、湿度50%において、各テストピースの離型層表面に、70pLの水滴を滴下して5箇所の接触角を測定し、5点の平均値を接触角とした。
<剥離性>
<<剥離強度の評価>>
試験片を、ダイシングテープマウンターの中央にダイシングフレームとともにセットし、ダイシングテープを上方から位置した。ローラー(および真空)で試験片とダイシングテープを固定し、ダイシングフレーム上でダイシングテープをカットし、ダイシングテープ上に試験片をマウントした。
試験片を500mm/minの条件で仮接着用積層体の垂直方向に引っ張り、剥離性を確認した。また、作製された試験片を250℃で30分加熱した後に、同様に、250mm/minの条件で仮接着用積層体の垂直方向に引っ張り、熱プロセス後の剥離性を確認し、以下の基準で評価した。なお、Siウェハの破損の有無は目視で確認した。
A:最大の剥離力が6N未満で剥離できた。
B:最大の剥離力が6N以上12N未満で剥離できた。
C:最大の剥離力が12N以上20N未満で剥離できた。
D:最大の剥離力が20N以上もしくはSiウェハが破損してしまい、剥離できなかった。
<<デバイス面の評価>>
Siウェハの剥離後のデバイスウェハのデバイス面の外観を目視で観察して、以下の基準で評価した。
A:熱可塑性樹脂フィルムの残存が認められない
B:わずかに離型層の残渣が認められる
C:離型層、熱可塑性樹脂フィルムの残渣が認められる
<耐熱性>
試験片を、300℃もしくは400℃、真空中で加熱し、超音波顕微鏡((株)日立パワーソリューションズ、型式:FineSAT)を用いて観察し、以下の基準で評価した。
A:仮接着用積層体にボイドが認められない
B:仮接着用積層体に直径3mm未満のボイドが数箇所に認められる
C:仮接着用積層体に直径3mm以上のボイドが認められる、もしくはボイドが全面に認められる
Figure 0006321164
上記結果より、実施例1〜14は、剥離性が良好であった。
一方、比較例1〜4は、デバイス面に熱可塑性樹脂の剥離残渣があり、剥離性が劣るものであった。
11:仮接着用積層体、11b:接着層、12:支持体、60:デバイスウェハ、60a:薄型デバイスウェハ、61:シリコン基板、61a、61a1:デバイス面、61b、61b1:裏面、62:デバイスチップ、63:構造体、100:接着性支持体、100a:接着性支持体、110、離型層、111:熱可塑性樹脂フィルム

Claims (11)

  1. デバイスウェハのデバイス面と支持体とを、剥離可能に仮接着するために用いる仮接着用積層体であって、
    前記仮接着用積層体は、熱可塑性樹脂フィルムと、150℃以上の加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムに焼き付けることが可能なシリコーン樹脂、および、ケイ素原子とフッ素原子を有するシランカップリング剤から選択される離型剤を含む層とを有し、
    前記離型剤を含む層が、前記シリコーン樹脂を含む場合、前記シリコーン樹脂は、離型剤を含む層の全固形分に対して50〜100質量%となる量であり、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの前記デバイス側の表面であって、前記デバイス面に対応する領域に前記離型剤を含む層を少なくとも有し、前記仮接着用積層体は、デバイスウェハと支持体と仮接着した後、前記支持体を前記デバイスウェハのデバイス面から剥離する際に、前記支持体と前記熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも含む積層体が、前記デバイスから剥離される、仮接着用積層体。
  2. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、ガラス転移点が50〜400℃の熱可塑性樹脂を含む、請求項1に記載の仮接着用積層体。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムが、熱可塑性ポリイミド、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール樹脂およびシクロオレフィンポリマーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む、請求項1または2に記載の仮接着用積層体。
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルムの、25℃から、20℃/分で昇温した1%重量減少温度が250℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の仮接着用積層体。
  5. 前記離型剤を含む層の厚みが0.001〜1000nmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の仮接着用積層体。
  6. 前記離型剤を含む層は、250℃、2時間加熱した後、25℃に冷却した条件で測定した、水接触角が30°以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の仮接着用積層体。
  7. 前記離型剤が、前記シランカップリング剤を含み、前記シランカップリング剤におけるフッ素原子の含有率が20〜80%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の仮接着用積層体。
  8. 前記離型剤を含む層が、前記シランカップリング剤を含む場合、前記シランカップリング剤は、離型剤を含む層の全固形分に対して5〜100質量%となる量である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の仮接着用積層体。
  9. 前記シランカップリング剤が式(B−1)で表される基を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の仮接着用積層体。
    Figure 0006321164
    式(B−1)中、R h1 〜R h3 は、それぞれ独立に、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基を表す。
  10. 熱可塑性樹脂フィルム表面に、150℃以上の加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムに焼き付けることが可能なシリコーン樹脂およびケイ素原子とフッ素原子を有するシランカップリング剤から選択される離型剤を含む層を形成する工程を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の仮接着用積層体の製造方法。
  11. デバイスウェハと支持体との間に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の仮接着用積層体を有し、前記仮接着用積層体の離型層側の面が前記デバイスウェハのデバイス面に接し、他方の面が前記支持体の表面に接している、デバイスウェハ付き積層体。
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