JP6313528B2 - 歯列矯正用ブラケット - Google Patents

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Description

本発明は、不整列歯や捻転歯の矯正に用いられる歯列矯正用ブラケットに関する。
一般に、歯列矯正治療には、歯列矯正用ブラケットが用いられている。歯列矯正用ブラケットは、歯列矯正の対象とする患者の歯に取り付けられる。ブラケットには、矯正力を生じさせるためのアーチワイヤを装着するためのワイヤスロットが設けられている。アーチワイヤは、ブラケットのワイヤスロットに嵌め込まれ、結紮リングやゴムなどの結紮具を用いて結紮されることにより歯列矯正用ブラケットに固定される。
これに対して、結紮作業が不要なセルフライゲーションブラケットと呼ばれるタイプの歯列矯正用ブラケットが知られている。セルフライゲーションブラケットには、例えば略U字形状のロック部材をスライドさせることでワイヤスロット内にアーチワイヤを固定し(特許文献1)、弾性ステンレス鋼製のシャッタを回転させてワイヤスロット内にアーチワイヤを固定することができる(特許文献2)。
このように、セルフライゲーションブラケットでは、ロック部材やシャッタを移動/回転させる簡易な作業でアーチワイヤをブラケットに装着/脱着させることができるので、処置時間を短縮することができる。
特許第4444410号公報 特表2001−503305号公報
これらセルフライゲーションブラケットではアーチワイヤを挿入するワイヤスロットの内寸は固定的である。一方、アーチワイヤの外寸は様々である。従ってワイヤスロットとアーチワイヤとの間に隙間が生じる事があり、さらにその隙間は、選択するアーチワイヤの太さに応じて変動する。ワイヤスロットとアーチワイヤとの間の隙間はワイヤトルクの損失を生じさせ、矯正力を低下させててしまう。
目的は、患者の歯面に対するアーチワイヤの装着作業性を向上するとともに、様々な太さのアーチワイヤをトルクの損失を抑えながら装着できるブラケットを提供することにある。
本実施形態に係る歯列矯正用ブラケットは、患者の歯列を矯正するために用いられる歯列矯正用ブラケットにおいて、歯列矯正用のアーチワイヤを挿通させる少なくとも一つの貫通孔を備えたワイヤホルダと、前記ワイヤホルダを着脱可能に支持し、前記患者の歯面に貼着されるブラケットベースとを具備する。
本発明に係る歯列矯正用ブラケットでは、患者の歯に対するアーチワイヤの装着作業は、まずブラケットベースを患者の歯面に貼着し、その後、ブラケットベースに、ワイヤホルダを装着する。事前に、ワイヤホルダの貫通孔にアーチワイヤを挿入しておくことにより、ブラケットベースにワイヤホルダを嵌め込むだけで、アーチワイヤの装着作業は完了する。ブラケットを患者の歯面に貼着し、そのブラケットに長いアーチワイヤを装着するよりも、その作業性は向上することは理解されるであろう。アーチワイヤの形状や外寸に整合する貫通孔を備えたワイヤホルダを適宜選択的に使用することによりアーチワイヤのトルク損失を抑制することができる。また、様々なサイズの貫通孔のワイヤホルダを適宜使い分けることにより様々な寸法のアーチワイヤに対応可能である。それは設計したトルクを患者の歯面に伝達することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る基本構成を有する歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図2は、図1に示す歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースの外観を示す斜視図である。 図3は、図1に示す歯列矯正用ブラケットの正面図である。 図4は、図1に示す歯列矯正用ブラケットの下面図である。 図5は、図1に示す歯列矯正用ブラケットの下面図である。 図6は、ワイヤホルダの側面図である。 図7は、ワイヤホルダの図3中の断面線A−Aにおける断面図である。 図8は、ワイヤホルダの表面からの正面図である。 図9は、ワイヤホルダの上方の側面図である。 図10は、ワイヤホルダの下方の側面図である。 図11は、ワイヤホルダの右方の側面図である。 図12は、図8に示す断面線B−Bにおけるワイヤホルダの断面図である。 図13は、ホルダ固定ピンの外観を示す斜視図である。 図14は、ワイヤホルダをホルダスロットに装着する際のホルダ固定ピンの状態を示す図3に示す断面線A−Aにおける断面図である。 図15は、第1変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースの外観を示す斜視図である。 図16は、図15に示す歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図17は、図16における断面線C−Cにおける歯列矯正用ブラケットの断面図である。 図18は、第2変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースの外観を示す斜視図である。 図19は、図18に示す歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図20は、図19における断面線D−Dにおける歯列矯正用ブラケットの断面図である。 図21は、第3変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースの外観を示す斜視図である。 図22は、図21に示す歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図23は、図22における断面線J−Jにおける歯列矯正用ブラケットの断面図である。 図24は、第4変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースとクリップの外観を示す斜視図である。 図25は、図24に示す歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図26は、図25に示す歯列矯正用ブラケットの側面図である。 図27は、図25に示す歯列矯正用ブラケットの正面図である。 図28は、第5変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースの外観を示す斜視図である。 図29は、図28に示す歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図30は、第6変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースの外観を示す斜視図である。 図31は、図30に示す歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図32は、図31における断面線L−Lにおける歯列矯正用ブラケットの断面図である。 図33は、第7変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダ同士をゴムで結合したワイヤホルダ対の外観を示す斜視図である。 図34は、図33のワイヤホルダ対をブラケットベースに装着した歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図35は、図34における断面線M−Mにおける歯列矯正用ブラケットの断面図である。 図36は、第7変形例に係る歯列矯正用ブラケットを構成するワイヤホルダとブラケットベースの外観を示す斜視図である。 図37は、図36に示す歯列矯正用ブラケットの外観を示す斜視図である。 図38は、図37における断面線Q−Qにおける歯列矯正用ブラケットの断面図である。 図39は、図37における断面線Q−Qにおける歯列矯正用ブラケットの他の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る歯列矯正用ブラケットについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る基本構成を有する歯列矯正用ブラケット100の外観を示す斜視図、図2は、図1に示す歯列矯正用ブラケット100を構成するワイヤホルダ40とブラケットベース60の外観を示す斜視図、図3は、歯列矯正用ブラケット100の正面図、図4は、歯列矯正用ブラケット100の上面図、図5は、歯列矯正用ブラケット100の下面図である。なお、以下の説明では、患者の歯面に貼り付けた歯列矯正用ブラケット100の面を正面(表面)、患者の歯面に貼り付けられる歯列矯正用ブラケット100の面を背面(裏面)、歯列矯正用ブラケット100の側面のうち、後述するピンガイドホール60Aが設けられる面を上面、反対側の面を下面、正面から見て右側の面を右側面、正面から見て左側の面を左側面と定義する。
本実施形態における歯列矯正用ブラケット100は、患者の歯列を矯正するために用いられるもので、セルフライゲーションブラケットの特徴を有する。本実施形態における歯列矯正用ブラケット100は、ワイヤホルダ40とブラケットベース60とを有する。ワイヤホルダ40は、歯列矯正用のアーチワイヤ20を挿通させる少なくとも一つのワイヤホール(貫通孔)40Aを備える。ワイヤホール40Aの形状はアーチワイヤ20の横断面形状と同じ多角形、典型的には四角形であって、ワイヤホール40Aの内寸はアーチワイヤ20が挿通する程度にアーチワイヤ20の外寸よりも僅かに大きい。それによりアーチワイヤ20のトルクを損失少なく患者の歯面に伝達することが可能となる。
なおここでは、ワイヤホルダ40は単一のワイヤホール40Aを備えるものとして説明する。なお、ワイヤホルダ40に、同一又は異なる断面形状及び同一又は異なる断面寸法を有する複数のワイヤホール40Aを設けてもよい。また、歯列矯正用ブラケット100は、ブラケットベース60に装着されたワイヤホルダ40を固定するための固定構造を有する。ブラケットベース60は、ブラケットベース60の表面側からワイヤホルダ40を着脱する構造を備え、患者の歯面に裏面が専用接着剤を用いて貼着される。ワイヤホルダ40及びブラケットベース60は、例えばプラスチック(合成樹脂)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、あるいはセラミックにより形成され、好ましくは、審美性を良くするため、例えば透明あるいは患者の歯の色に近い色により形成される。また、ワイヤホルダ40及びブラケットベース60は、金銀パラジウム合金等の金属製であってもよい。さらに、ワイヤホルダ40及びブラケットベース60が互いに異なる素材、例えば、ワイヤホルダ40がセラミック製、ブラケットベース60が金属製等であってもよい。
本実施形態の最大の特徴は、歯列矯正用ブラケット100を、ワイヤホルダ40とブラケットベース60とで別体で構成させたことにある。従来のブラケットは本実施形態のブラケットベース60に相当する。従来のセルフライゲーションブラケットでは、ワイヤスロットの寸法が固定的であり、矯正期間中に随時変更されるアーチワイヤに応じてアーチワイヤとワイヤスロットとの間の隙間が変動していた。したがって、従来のセルフライゲーションブラケットを用いて、設計した矯正力を歯に与えるのは困難である。しかし、本実施形態では、ワイヤホール40Aのサイズや形状の異なる様々な種類のワイヤホルダ40を用意しておき、それらを様々な種類のアーチワイヤ20と組み合わせて使用することで、アーチワイヤ20とワイヤホール40Aとの間の隙間を極小化し、設計したとおりの矯正力を歯に与えることができる。なお、矯正力とは、矯正治療において歯を移動させるための力であり、歯の移動様式には、傾斜移動、歯体移動、挺出、圧下、回転及びトルク等がある。本実施形態では、アーチワイヤ20とワイヤホール40Aとの間の隙間を極小化できるため、複数種類の移動様式のうち歯のトルク移動に対して特に効果を発揮する。
さらに、従来であれば複数のブラケットを患者の歯面に固定する処置を完了させ、その後に患者の口腔内処置作業として、複数のブラケットに個々にアーチワイヤ20を結紮リングやゴムなどの結紮具で順次結紮していく。結紮具で順次結紮してく作業は長時間に及び、それこそが患者にとって大きな負担となっていた。本実施形態では、複数のブラケットベース60を患者の歯面に固定する処置を完了させる(この作業自体は従来と同等である)。その作業とは別工程で、アーチワイヤ20を複数のワイヤホルダ40のワイヤホール40Aに挿通させる。その作業自体は患者の口腔外で実施できる。最終的に、アーチワイヤ20に通された複数のワイヤホルダ40を複数のブラケットベース60に順次装着していく作業が、患者の口腔内で実施される。六面体(ブロック体)としてのワイヤホルダ40をそれに整合して形成されたブラケットベース60の凹部(ホルダスロット)60Fに嵌め込み、押し込むことでワイヤホルダ40はブラケットベース60に固定されるように構造されているので、ワイヤホルダ40をブラケットベース60に装着する作業は、ワイヤホルダ40をブラケットベース60のホルダスロット60Fに嵌め込み、押し込むだけの簡易な作業であり、従来のような結紮リングやゴムなどの結紮具でワイヤそれ自体を順次結紮していく作業に比べて、格段に簡素であり、短時間で完了する。すなわち患者がもっとも負担である口腔内作業の作業時間を大幅に短縮することが可能となり、患者の負担を大幅に軽減することができる。換言すると、従来、患者の口腔内で行なっていた「ブラケットにアーチワイヤ20を結紮リングやゴムなどの結紮具で順次結紮していく」作業を、本実施形態のように歯列矯正用ブラケット100をワイヤホルダ40とブラケットベース60とで別体で構成させたことにより、口腔外作業と口腔内作業とに分割させることを実現しているものである。
以下ブラケットベース60及びワイヤホルダ40の構造について説明する。
図3に示すように、ブラケットベース60の上面には、固定構造として、横方向のほぼ中央にピンガイドホール60Aが設けられ、装着されたワイヤホルダ40を固定するためのホルダ固定ピン60Bが保持される。図1では、ホルダ固定ピン60Bがワイヤホルダ40を固定するためにブラケットベース60の内部に収容された状態を示す。ホルダ固定ピン60Bは、例えばコイルバネや板バネ、ゴム管などの付勢手段によりホルダ固定ピン60Bの先端がブラケットベース60のホルダスロット60Fに突出する方向に付勢されており、その先端がブラケットベース60に収容されたワイヤホルダ40のピンスロット40Bに差し込まれて、ブラケットベース60にワイヤホルダ40が固定した状態を維持する。ホルダ固定ピン60Bは、ブラケットベース60から装着されたワイヤホルダ40を外す場合に、図2に示すように、付勢に反してブラケットベース60の内部から引き出すことができる。
ブラケットベース60の上面には、図1、図2及び図4に示すように、裏面側の辺に沿って溝部60Cが形成される。同様にして、ブラケットベース60の下面には、図1、図2及び図5に示すように、裏面側の辺に沿って溝部60Dが形成される。溝部60C,60Dは、例えば施術者が特殊なプライヤー工具を用いてブラケットベース60を患者の歯に貼着する、あるいは外すなどの施術をする際に、ブラケットベース60を保持し易くして、ブラケットベース60の取り扱いを容易にするために設けられる。
ブラケットベース60の表面側には、ワイヤホルダ40を収容する凹状のホルダスロット(窪み)60Fが形成される。ホルダスロット60Fは、ワイヤホルダ40の外形状に整合して形成され、ワイヤホルダ40が装着された時に、ワイヤホルダ40と密着されるようにしている。これにより、ブラケットベース60は、ホルダスロット60Fに装着されたワイヤホルダ40を安定した状態で保持することができる。また、ホルダスロット60Fは、ワイヤホルダ40の形状に合わせて、ワイヤホルダ40の裏面と相対する奥面の面積を開口部の面積より小さくになるように加工されている。すなわち、ワイヤホルダ40の裏面のサイズをホルダスロット60Fの開口部よりも小さくすることで、ワイヤホルダ40を装着する際に、ワイヤホルダ40をブラケットベース60のホルダスロット60Fに対して挿入しやすく、且つ位置決めし易くしている。これにより、ワイヤホルダ40をブラケットベース60に装着させる作業を容易にすることができる。
また、ブラケットベース60の両側面には、アーチワイヤ20が挿通された状態のワイヤホルダ40をホルダスロット60Fに装着する際に、アーチワイヤ20を通すための凹上のワイヤガイド60Eが設けられる。ワイヤガイド60Eの幅は一般的なアーチワイヤ20の最大幅より広い。図6は、ワイヤホルダ40の側面図、図7は、ワイヤホルダ40の図3中のA−A線における断面図である。ワイヤガイド60Eは、図1、図6に示すように、ワイヤホルダ40に設けられたワイヤホール40Aの位置に合わせて、表面側からワイヤホルダ40の装着時のアーチワイヤ20の位置まで形成されている。ワイヤガイド60Eの上下方向の幅は、ワイヤホール40Aに装着された状態のアーチワイヤ20の高さ方向より若干広めに形成される。また、ブラケットベース60に設けられるホルダスロット60Fは、図7に示すように、開口部の高さ方向の幅が奥面の高さ方向の幅より大きくなっている。ホルダスロット60Fの横断面は、奥側から表面側に向かって拡がるよう、換言すると奥に向かって細くなるよう台形である。典型的には直角台形であるが、等脚台形であってもよい。直角台形であれば、挿入エラーを認識しやすい利点とともに、直方体ブロックからの切り出しが比較的容易である。このホルダスロット60Fの形状はワイヤホルダ40の形状に整合している。
図8〜図12は、ワイヤホルダ40の外観を示す図であり、図8は、ワイヤホルダ40の表面からの正面図、図9は、ワイヤホルダ40の上面図、図10は、ワイヤホルダ40の下面図、図11は、ワイヤホルダ40の側面図、図12は、図8に示すB−B線におけるワイヤホルダ40の横断面図である。
図2に示したようにワイヤホルダ40は四角錐台形状である。ワイヤホルダ40の表面と裏面(奥の面)とが平行であり、表面より裏面が小さい。そしてワイヤホルダ40の表面と裏面ともに、一方の脚と下底との内角が直角である直角台形を示している。つまり、ワイヤホルダ40の表面は、図8に示すように上底と下底が平行であり、一方の脚と下底との内角が直角である直角台形である。図9、図10に示すように、ワイヤホルダ40の上面と下面との一方が直角台形であり、他方が矩形である。図11及び図12に示すように、ワイヤホルダ40の側面形状及び横断形状も直角台形である。なお、ワイヤホルダ50の表面は、上底と下底が平行の等脚台形でもよい。同様に、ワイヤホルダ40の側面形状及び表面形状も等脚台形であってもよい。
ワイヤホルダ40の直角台形の表面形状はワイヤホルダ40の上下の向きを容易に視認できるので、アーチワイヤをワイヤホルダ40のワイヤホール40Aに通す作業に際してワイヤホルダ40の上下の向きを誤る事態を容易に回避できる効果がある。しかも一の内角が直角を示す直角台形であるので加工性が良く、等脚台形の場合に比べて製造コストを低減することが期待できる。
ワイヤホルダ40を表側を広く奥側を細くした四角錐台形状としたことでワイヤホルダ40をブラケットベース60のホルダスロット60Fに挿入する処置を容易にする効果があり、しかも上下の向きを誤って挿入する事態を確実に回避できる。
換言すると、ワイヤホルダ40の表面の幅を、ワイヤホルダ40の裏面の幅より狭くするようにしても良い。すなわち、ワイヤホルダ40の裏面のサイズをホルダスロット60Fの開口部よりも、高さ方向だけでなく幅方向についても小さくすることで、ワイヤホルダ40を装着する際に、ワイヤホルダ40をブラケットベース60のホルダスロット60Fに対して、さらに位置決めし易くすることが可能である。この場合、ブラケットベース60のホルダスロット60Fは、ワイヤホルダ40の外形状に合わせて形成されるものとする。
ワイヤホルダ40の上面の中央近傍には、固定構造として、ピンスロット40Bが設けられる。ピンスロット40Bは、ワイヤホルダ40がブラケットベース60に装着された場合にピンガイドホール60Aと連通され、ホルダ固定ピン60Bの先端部が挿入される。ホルダ固定ピン60Bは付勢されているので、ワイヤホルダ40をブラケットベース60のホルダスロット60Fに押し込む過程で、ホルダ固定ピン60Bの先端がピンスロット40Bに自動的に挿入される。歯科医師はホルダ固定ピン60Bの先端がピンスロット40Bに挿入されることに伴うクリック感、音によりワイヤホルダ40がブラケットベース60に固定されたことを確認する事が可能である。
図13は、ホルダ固定ピン60Bの外観を示す斜視図である。図13に示すように、ホルダ固定ピン60Bには、一方の端部近傍にフックホール60Baが設けられ、他方の端部(先端部)近傍に傾斜面60Bbが形成される。
フックホール60Baは、ブラケットベース60(ピンガイドホール60A)の内部に収容された状態のホルダ固定ピン60Bを引き出す際に、フックを引っ掛けるために用いられる。なお、ホルダ固定ピン60Bのフックホール60Baが設けられた面と、ピンガイドホール60Aの内面との間に、フックを挿入可能な空隙が設けられる。ホルダ固定ピン60Bの傾斜面60Bbは、アーチワイヤ20をホルダスロット60Fに装着する際に、アーチワイヤ20との接触によりホルダ固定ピン60Bを押し上げる(ブラケットベース60の内部から引き出される)ように作用するために設けられている。
図14(a)、図14(b)及び図14(c)は、ワイヤホルダ40をホルダスロット60Fに装着する際のホルダ固定ピン60Bの状態を示す図3に示すA−A線における断面図である。図14(a)に示すように、ホルダ固定ピン60Bは、ピンガイドホール60Aの内部に収容された弾性部材60Gによって、ブラケットベース60の内部に収容される方向に付勢されている。また、ホルダ固定ピン60Bの傾斜面60Bbは、ホルダスロット60Fの開口部に向けて装着されている。従って、ホルダ固定ピン60Bの傾斜面60Bbは、ホルダスロット60Fに突出した状態にある。
ワイヤホルダ40がホルダスロット60Fに挿入されると、図14(b)に示すように、ワイヤホルダ40の裏面と上面との角部41Cが傾斜面60Bbと接触する。このため、ホルダ固定ピン60Bが、弾性部材60Gによる付勢に反して、図14(b)中の矢印の方向に押し上げられる。なお、ワイヤホルダ40の裏面と上面との角部41Cを面取りすることで、傾斜面60Bbとの接触によるホルダ固定ピン60Bの押し上げを滑らかにすることが可能である。
そして、図14(b)に示すように、ワイヤホルダ40がホルダスロット60Fに完全に装着された状態となると、ピンガイドホール60Aとピンスロット40Bとが連通した状態となるため、押し上げられていたホルダ固定ピン60Bの先端部がピンスロット40Bに挿入される。ピンスロット40Bは、図14(a)〜(c)に示すように、裏面側の面がホルダ固定ピン60Bの挿入方向と同じ、すなわち上面から垂直となるように形成されている。このため、ホルダ固定ピン60Bは、先端部がピンスロット40Bに挿入されることで、ブラケットベース60に収容されたワイヤホルダ40に係止して固定した状態を維持することができる。
なお、前述した説明では、ホルダ固定ピン60Bは、弾性部材60Gによりブラケットベース60の内部に収容される方向に付勢されるとしているが、ホルダ固定ピン60Bとピンガイドホール60Aとの摩擦係数を高くするなどして、容易に摺動されないようにホルダ固定ピン60Bをピンガイドホール60Aにより保持させることで弾性部材60Gを省くことが可能である。この場合、ワイヤホルダ40のホルダスロット60Fへの挿入時に、前述したようにホルダ固定ピン60Bが押し上げられると、ホルダ固定ピン60Bが押し上げられた状態のままとなるが、ワイヤホルダ40の装着完了時に、ホルダ固定ピン60Bの上端部を押し下げるだけで簡単にワイヤホルダ40を固定することが可能である。
本実施形態の歯列矯正用ブラケット100に装着されるアーチワイヤ20は、例えば図1及び図2に示すように、横断面形状を長方形とする。なお、アーチワイヤ20の横断面形状を正方形、あるいは六角形のような多角形、さらに楕円、円形としても良い。それに応じて様々な形状のワイヤホール40Aを備えた多種類のワイヤホルダ40が用意される。
ワイヤホルダ40に設けられたワイヤホール40Aの開口部は、アーチワイヤ20を挿通可能なサイズ及び形状に形成される。本実施形態における歯列矯正用ブラケット100は、セルフライゲーションブラケットの特徴を有しており、ワイヤホルダ40によりアーチワイヤ20を完全に固定しない。従って、ワイヤホール40Aの開口部のサイズは、基本的にアーチワイヤ20の横断面よりも小さくなる。なお、歯列矯正用ブラケット100を取り付けた歯によっては、ワイヤホール40Aにおいてアーチワイヤ20を固定することも可能である。
アーチワイヤ20を歯列矯正用ブラケット100に装着する場合、事前に、アーチワイヤ20をワイヤホルダ40のワイヤホール40Aに挿通させた状態にして、ワイヤホルダ40を前述したようにホルダスロット60Fに装着する。通常、歯列矯正治療をする際には複数の歯に歯列矯正用ブラケット100を取り付け、これら複数の歯列矯正用ブラケット100に対して、アーチワイヤ20を取り付ける必要がある。本実施形態における歯列矯正用ブラケット100の場合、複数の歯列矯正用ブラケット100のそれぞれに装着する複数のワイヤホルダ40にアーチワイヤ20を挿通させた後に、患者に対して施術することができる。すなわち、患者に対する施術としては、複数のワイヤホルダ40を対応するブラケットベース60に対して、それぞれ位置決めしてホルダスロット60Fに挿入するだけで良い。従って、ワイヤホルダ40(アーチワイヤ20)のブラケットベース60の装着が容易であるため、施術の時間を短縮することができる。
本実施形態によれば、必要な矯正力に応じて様々な太さのアーチワイヤを使い分けるとき、そのアーチワイヤの太さに整合する内寸のワイヤホールを備えたワイヤホルダを様々なワイヤホールの内寸の異なる複数種類のワイヤホルダから選択して使用することができる。それによりアーチワイヤとワイヤホールとの間に隙間を解消させて、矯正力の損失を解消する事ができる。
また、図2、図11、図12において、ワイヤホルダ40のワイヤホール40Aは、アーチワイヤ20の横断面形状に合わせて開口面を長方形にして、長辺が垂直(ワイヤホルダ40の裏面に対して平行)となるように形成しているが、開口面の長方形を傾斜させた状態で形成しても良い。すなわち、ワイヤホール40Aの向きを変えることにより、アーチワイヤ20により加えられる矯正力を調整することが可能である。前述したように、アーチワイヤ20の向きが異なる複数種のワイヤホルダ40を用意しておき、歯列矯正治療の段階や治療対象とする歯に応じてワイヤホルダ40を選択することで、矯正力を調整することが可能である。
このように、本実施形態におけるワイヤホルダ40は、アーチワイヤ20の歯列矯正用ブラケット100への装着を簡単にするとともに、矯正力の調整に使用することが可能となる。
(第1変形例)
次に、本実施形態における第1変形例に係る歯列矯正用ブラケット101について、図15、図16、図17を参照して説明する。図15は、第1変形例に係る歯列矯正用ブラケット101を構成するワイヤホルダ41とブラケットベース61の外観を示す斜視図、図16は、歯列矯正用ブラケット101の外観を示す斜視図、図17は、図16におけるC−C線における歯列矯正用ブラケット101の断面図である。なお、図1〜図14に示す基本構成と同じ構成部分については、同じ名称を付して説明を省略する。
第1変形例における歯列矯正用ブラケット101は、ワイヤホルダ41とブラケットベース61とを有する。ワイヤホルダ41は、歯列矯正用のアーチワイヤ20を挿通させるワイヤホール41Aを備える。ブラケットベース61の上面と下面のそれぞれには、ブラケットベース61に装着されたワイヤホルダ41を固定するための固定構造として、図15に示すように、横方向のほぼ中央の前面近傍に係止突起61Ba,61Bbが設けられる(係止突起61Bbは図17に示す)。また、ブラケットベース61には、溝部61C,61D、ワイヤガイド61E、ホルダスロット61Fが設けられる。
一方、ワイヤホルダ41の前面側には、ブラケットカバー41Cが形成される。ブラケットカバー41Cは、ブラケットベース61の前面全体を覆うことができるように、ブラケットベース61の前面の縦横のサイズとほぼ同じに形成される。ブラケットカバー41Cは、審美性を良くするため、例えば透明あるいは患者の歯の色に近い色により形成される。ブラケットカバー41Cの上端と下端には、それぞれ裏面(ブラケットベース61)側に延出された延出部41D,41Eが形成される。延出部41D,41Eは、ワイヤホルダ41がブラケットベース61は装着された場合に、図16及び図17に示すように、ブラケットベース61の上面と下面のそれぞれに密着されるように形成される。延出部41D,41Eの幅方向のほぼ中央には、ワイヤホルダ41がブラケットベース61は装着された場合に、ブラケットベース61の係止突起61Ba,61Bbを係止するための固定機構として取付ホール41Ba,41Bbが設けられる。取付ホール41Ba,41Bbは、ワイヤホルダ41がブラケットベース61に装着されると、それぞれ係止突起61Ba,61Bbが貫通される。これにより、ブラケットベース61に装着されたワイヤホルダ41を固定する。
第1変形例のワイヤホルダ41は、弾性(可撓性)を有するように、例えばプラスチック(合成樹脂)により形成する。すなわち、延出部41Dを上方向、延出部41Eを下方向に力を加えることで、延出部41D,41Eの間が広がるようにする。
ワイヤホルダ41をブラケットベース61に装着する場合には、延出部41D,41Eの間を広げた状態にしてワイヤホルダ41をホルダスロット61Fに挿入させ、装着が完了した後に元に戻す。これにより、係止突起61Ba,61Bbがそれぞれ取付ホール41Ba,41Bbに嵌合される。
ワイヤホルダ41をブラケットベース61から取り外す場合には、同様にして、延出部41D,41Eの間を広げた状態にして、ワイヤホルダ41をホルダスロット61Fから引き出すことで、係止突起61Ba,61Bbと取付ホール41Ba,41Bbとによる固定状態を外すことができる。
なお、図15〜図17では、ブラケットベース61とワイヤホルダ41には、上面と下面の2箇所に固定構造が形成されているが、装着されたワイヤホルダ41の固定状態を維持することが可能であれば、1箇所に固定構造を設けるだけでも良い。また、図15及び図17では、係止突起61Ba,61Bbは、ブラケットベース61から垂直方向に伸びる、ほぼ直方体に形成されているが、前面側(ワイヤホルダ41が装着される側)に斜面を形成するようにしても良い。これにより、ワイヤホルダ41をブラケットベース61に装着させる方向に移動させて、延出部41D,41Eの端部を係止突起61Ba,61Bbの斜面部に接触させた後、さらに移動させることで延出部41D,41Eを斜面部に沿って広げさせることができる。ワイヤホルダ41が完全に装着された位置まで押し込まれると、取付ホール41Ba,41Bbに係止突起61Ba,61Bbが貫通し、延出部41D,41Eがもとの状態に戻る。そして、ワイヤホルダ41とブラケットベース61とが固定された状態になる。従って、ワイヤホルダ41をブラケットベース61に装着させる際に、予め延出部41D,41Eの間を広げるための作業をすることなく、ワイヤホルダ41をブラケットベース61に装着する方向に押し込むだけで、簡単にワイヤホルダ41をブラケットベース61に装着して固定状態にすることができる。
このように、第1変形例の歯列矯正用ブラケット101は、ワイヤホルダ41を用いることにより前述した基本構成の歯列矯正用ブラケット100と同様の作用効果を有する。さらに、歯列矯正用ブラケット101は、ワイヤホルダ41をブラケットベース61に装着した場合に、ブラケットベース61の前面全体がブラケットカバー41Cによって覆われるため、ブラケットカバー41Cを目立ちにくい色等により形成することで、歯列矯正用ブラケット101を正面から見た時の審美性の向上を図ることができる。
(第2変形例)
次に、本発明の第2変形例に係る歯列矯正用ブラケット102について、図18、図19、図20を参照して説明する。図18は、第2変形例に係る歯列矯正用ブラケット102を構成するワイヤホルダ42とブラケットベース62の外観を示す斜視図、図19は、歯列矯正用ブラケット102の外観を示す斜視図、図20(a)は、図19におけるD−D線における歯列矯正用ブラケット102の断面図である。また、図20(b)は、図20(a)の枠線Aの拡大図である。図20(c)、図20(d)は、図20(b)の係止突起62Baの他の形状を示す拡大図である。なお、図1〜図14に示す基本構成と同じ構成部分については、同じ名称を付して説明を省略する。
第2変形例における歯列矯正用ブラケット102は、ワイヤホルダ42とブラケットベース62とを有する。ワイヤホルダ42は、歯列矯正用のアーチワイヤ20を挿通させるワイヤホール42Aを備える。ブラケットベース62には、ブラケットベース62に装着されたワイヤホルダ42を固定するための固定構造として、図18及び図20(a)に示すように、ホルダスロット62Fの内側の上面と下面のそれぞれに線状の係止突起(線状突起)62Ba,62Bbが設けられる。係止突起62Ba,62Bbは、例えばホルダスロット62Fの内側の奥行き方向の何れかの位置(例えばほぼ中央の位置)に、ホルダスロット62Fの横方向全体に渡って形成される。なお、係止突起62Ba,62Bbは、ホルダスロット62Fの内側の横方向の一部に形成されるようにしてもよい。係止突起62Ba,62Bbは、典型的にはホルダスロット62Fの同一深度、換言するとホルダスロット62Fの底面から同一の高さに形成される。もちろん係止突起62Ba,62Bbは、ホルダスロット62Fの異なる深度、換言するとホルダスロット62Fの底面から異なる高さに互い違いに形成されるようにしてもよい。
係止突起62Ba,62Bbをホルダスロット62Fの同一深度に設ける場合、係止突起62Ba,62Bbの頂点間距離(間隙距離)は、ワイヤホルダ42の先端面の上辺と下辺との距離、つまり高さよりも若干長く、ワイヤホルダ42をホルダスロット62Fに挿入する際には係止突起62Ba,62Bbがワイヤホルダ42の先端面に緩衝することなく挿入することができるようになっている。
図20(b)に示すように、係止突起62Ba,62Bbは、断面二等辺三角形状の線状突起であり、その表面はホルダスロット62Fの深度方向に対して内側に傾斜している。また、ブラケットベース62には、溝部62C,62D、ワイヤガイド62E、ホルダスロット62Fが設けられる。さらに、ブラケットベース62には、ホルダスロット62Fが形成された範囲の上面側と下面側の表面の一部が延出されて延出部62Ga,62Gbが形成される。延出部62Ga,62Gbは、図19に示すように、ワイヤホルダ42がブラケットベース62に装着された状態の時に、ワイヤホルダ42の表面よりも僅かに突出するように形成される。
一方、ワイヤホルダ42の上面と下面のそれぞれには、ワイヤホルダ42がブラケットベース62に装着された場合に、ブラケットベース62の係止突起62Ba,62Bbを係止するための固定機構として、横方向全体に渡って取付スロット(取付溝)42Ba,42Bbが設けられる。なお、取付スロット42Ba,42Bbは、ワイヤホルダ42の横方向の一部にだけ設けられるようにしてもよい。取付スロット42Ba,42Bbは、ワイヤホルダ42がブラケットベース62に装着されると、それぞれホルダスロット62Fの内側で係止突起62Ba,62Bbが挿入される。これにより、ブラケットベース62に装着されたワイヤホルダ42を固定する。
第2変形例のブラケットベース62は、弾性(可撓性)を有するように、例えばプラスチック(合成樹脂)により形成する。すなわち、ワイヤホルダ42をブラケットベース62のホルダスロット62Fに挿入することで、ブラケットベース62のホルダスロット62Fが押し広げられて変形できるようにする。ブラケットベース62の両側面には、ワイヤガイド62Eが設けられているため、ホルダスロット62Fを上下方向に広げやすくなっている。
第2変形例の歯列矯正用ブラケット102において、ワイヤホルダ42のブラケットベース62に対する装着/脱着は、ブラケットベース62の変形、具体的には開口を拡大するような外向きの湾曲により実現される。ワイヤホルダ42をブラケットベース62に装着する場合には、ワイヤホルダ42をホルダスロット62Fに挿入して、ホルダスロット62Fの内面に圧接させることでブラケットベース62を変形させる。ワイヤホルダ42を、係止突起62Ba,62Bbに引っかけることなく、ホルダスロット62Fに圧接して挿入することは、係止突起62Ba,62Bbの表面がワイヤホルダ42をホルダスロット62Fに挿入する方向に対して傾斜していることにより実現される。そのため、係止突起62Ba,62Bbの断面形状は二等辺三角形状に限定されない。
例えば、図20(c)に示すように、係止突起62Ba,62Bbの断面形状は、底角が不等の三角形状であってもよい。係止突起62Ba,62Bbは、ホルダスロット62Fの深度方向に対して傾斜が緩やかな面がホルダスロット62Fの開口を向き、傾斜が急な面がホルダスロット62Fの底面を向くように形成される。ワイヤホルダ42は、傾斜が緩やかな面に沿って変形しながらホルダスロット62Fに装着され、傾斜が急な面に沿って変形しながらホルダスロット62Fから外される。したがって、ワイヤホルダ42を取り外すときに必要な単位距離あたりのワイヤホルダ42の変形量は、ワイヤホルダ42を装着するときのそれよりも大きい。つまり、ワイヤホルダ42をホルダスロット62Fから外すときに必要な外力は、ワイヤホルダ42をホルダスロット62Fに装着するときの外力よりも大きい。これにより、係止突起62Ba,62Bbの断面形状が二等辺三角形状の場合に比べて、ワイヤホルダ42をブラケットベース62に装着しやすく、ワイヤホルダ42がブラケットベース62から脱落しにくい。同様に、図20(d)に示すように、係止突起62Ba,62Bbの断面形状は、直角三角形状であってもよい。この場合、係止突起62Ba,62Bbは、その斜面がホルダスロット62Fの開口を向くように形成される。なお、係止突起62Ba,62Bbの断面形状は三角形状に限定されず、例えば円弧形状であってもよい。
ワイヤホルダ42を押し込むことで最奥の装着位置に到達すると、ホルダスロット62Fに設けられた係止突起62Ba,62Bbがそれぞれワイヤホルダ42の取付スロット42Ba,42Bbに挿入され、ワイヤホルダ42とブラケットベース62とを固定状態にする。また、ワイヤホルダ42をブラケットベース62から取り外す場合には、延出部62Ga,62Gbの間を広げた状態にして、ワイヤホルダ42をホルダスロット62Fから引き出すことで、係止突起62Ba,62Bbと取付スロット42Ba,42Bbとによる固定状態を外すことができる。
なお、図18では、係止突起62Ba,62Bbは、ホルダスロット62Fの横方向全体に渡って形成されるとしているが、横方向の一部に設けられていても良いし、ワイヤホルダ42に設けられる固定構造と係合可能な形状であれば他の形状であっても良い。
また、ブラケットベース62が弾性(可撓性)を有するように形成するとしているが、ブラケットベース62の外形を変形しないように構成し、係止突起62Ba,62Bbのみを変形可能に形成するようにしても良い。これにより、患者の歯に取り付けられた状態のブラケットベース62に負荷を与えないようにすることができる。
このように、第2変形例の歯列矯正用ブラケット102は、ワイヤホルダ42を用いることにより、前述した基本構成の歯列矯正用ブラケット100と同様の作用効果を有する。さらに、歯列矯正用ブラケット102は、ワイヤホルダ42の挿入によりブラケットベース62を変形させて装着させることができるので、ワイヤホルダ42の挿入前にブラケットベース62を変形させた状態で維持する必要がなくワイヤホルダ42の装着を簡単にすることができる。
なお、上述の説明では、ワイヤホルダ42のホルダスロット62Fに係止突起(線状突起)62Ba,62Bbを設け、それが嵌め込まれる取付スロット(取付溝)42Ba,42Bbをワイヤホルダ42に設けたが、製造上の簡易さ及び歩留まり向上のために、ワイヤホルダ42のホルダスロット62Fに取付スロット(取付溝)42Ba,42Bbを設け、それに嵌め込まれる係止突起(線状突起)62Ba,62Bbをワイヤホルダ42に設けるようにしてもよい。ワイヤホルダのホルダスロットに取付スロット(取付溝)を設け、それに嵌め込まれる係止突起(線状突起)をワイヤホルダに設けるようにしてもよいことは、以下の説明でも同様である。
(第3変形例)
次に、本発明の第3変形例に係る歯列矯正用ブラケット107について、図21、図22、図23を参照して説明する。図21は、第3変形例に係る歯列矯正用ブラケット107を構成するワイヤホルダ47とブラケットベース67の外観を示す斜視図、図22は、歯列矯正用ブラケット107の外観を示す斜視図、図23は、図22におけるJ−J線における歯列矯正用ブラケット107の断面図である。なお、図1〜図14に示す基本構成と同じ構成部分については、同じ名称を付して説明を省略する。また、第3変形例の歯列矯正用ブラケット107は、基本構成と異なる固定構造を設けたもので、その他については基本的に歯列矯正用ブラケット100と同様の構成を有する。
第3変形例における歯列矯正用ブラケット107は、ワイヤホルダ47とブラケットベース67とを有する。ワイヤホルダ47は、歯列矯正用のアーチワイヤ20を挿通させるワイヤホール47Aを備える。また、ブラケットベース67には、溝部67C,67D、ワイヤガイド67E、ホルダスロット67Fが設けられる。さらに、ブラケットベース67には、固定構造として、クリップ81が設けられる。
クリップ81は、図23に示すように、断面形状が略U字状をしており、例えば金属などの弾性変形可能な部材により形成される。クリップ81の一方の端部は、ブラケットベース67の表面に延出される。クリップ81の一方の端部の近傍には、クリップ81に対する作業時にフックを引っ掛けるために用いるフックホール81Aが設けられる。また、クリップ81の他方の端部は、ブラケットベース67の下面に延出され、ブラケットベース67の下面に設けられたクリップ保持スリット67Bに挿入される。
クリップ81は、ワイヤホルダ47をブラケットベース67に装着する際には、ホルダスロット67Fの開口面が解放されるように、図21に示すように、端部を押し下げることができる。この時、クリップ81の先端部を、図21に示すように、ブラケットベース67の表面下部に係止させる。これにより、クリップ81に対して操作をすることなく、ワイヤホルダ47をホルダスロット67Fに挿入させる作業を簡単にすることができる。
ワイヤホルダ47をホルダスロット67Fに装着させた後、図22に示すように、クリップ81の先端部をワイヤホルダ47の表面に圧接させる。これにより、ワイヤホルダ47とブラケットベース67とを固定状態にすることができる。クリップ81を用いた場合、ワイヤホルダ47の表面の何れの位置にクリップ81の先端が圧接されていても固定状態が維持される。このため、ワイヤホルダ47の装着後にクリップ81に対して負荷が与えられて多少の位置ずれが生じたとしても、安定して固定状態を維持することができる。また、ワイヤホルダ47をホルダスロット67Fから外す場合、前述したように、クリップ81は、図21に示す状態にされる。この状態においてワイヤホルダ47をホルダスロット67Fから簡単に取り出す作業をすることができる。
このように、第3変形例の歯列矯正用ブラケット107は、ワイヤホルダ47を用いることにより前述した基本構成の歯列矯正用ブラケット100と同様の作用効果を有する。さらに、歯列矯正用ブラケット107は、弾性変形可能な部材で形成されたクリップ81を用いることで、ブラケットベース67に装着されたワイヤホルダ47を簡単な作業により安定して固定状態にすることができる。
(第4変形例)
次に、本発明の第4変形例に係る歯列矯正用ブラケット108について、図24、図25、図26、図27を参照して説明する。図24は、第4変形例に係る歯列矯正用ブラケット108を構成するワイヤホルダ48とブラケットベース68とクリップ82A,82Bの外観を示す斜視図、図25は、歯列矯正用ブラケット108の外観を示す斜視図、図26は、図25における歯列矯正用ブラケット108の側面図、図27は、図25に示す歯列矯正用ブラケット108の正面図である。なお、図1〜図14に示す基本構成と同じ構成部分については、同じ名称を付して説明を省略する。
第4変形例における歯列矯正用ブラケット108は、ワイヤホルダ48とブラケットベース68と2つのクリップ82A,82Bを有する。ワイヤホルダ48は、歯列矯正用のアーチワイヤ20を挿通させるワイヤホール48Aを備える。ワイヤホルダ48は、基本構成のワイヤホルダ41と同様に構成される。また、ブラケットベース68には、ホルダスロット68Fが設けられる。第4変形例では、ホルダスロット68Fの両側面を解放した構造にしている。また、ホルダスロット68Fの横方向のサイズは、ワイヤホルダ48の横方向のサイズより小さくしている。また、ブラケットベース68の両側面の裏面側近傍には、縦方向にクリップ装着板68Baが形成されている。
クリップ82A,82Bは、図24〜図26に示すように、外形状が略C字形状をしており、解放されている側を表面側となるようにブラケットベース68に装着される。クリップ82A,82Bの外形状は、ブラケットベース68の外形状に合わせて形成されており、ブラケットベース68の上下面と裏面に相当する部分が略直線状に形成される。クリップ82A,82Bの上下面と相当する部分には、裏面に相当する部分の近傍に板保持部材82Aa,82Abが形成される。板保持部材82Aaは、クリップ82A,82Bの上面と相当する部分から、裏面に相当する部分とクリップ装着板68Baの板厚分の間隔を空けて、下方向に向けて延出されて形成される。板保持部材82Abは、クリップ82A,82Bの下面と相当する部分から、裏面に相当する部分とクリップ装着板68Baの板厚分の間隔を空けて、上方向に向けて延出されて形成される。なお、クリップ82Bの詳細な構成については図示していないが、クリップ82Aと同様に形成されるものとして説明を省略する。
ワイヤホルダ48をブラケットベース68に装着する際には、クリップ82A,82Bは外された状態にされる。ワイヤホルダ48をホルダスロット68Fに装着させた後、ブラケットベース68の両側面側よりそれぞれクリップ82A,82Bを装着する。クリップ82Aは、裏面に相当する部分と板保持部材82Aa,82Abとの間に、図26に示すように、クリップ装着板68Baを挟み込むことで、ブラケットベース68に装着させることができる。なお、クリップ82Bも同様に装着される。
また、クリップ82Aの先端部82Ac,82Adは、図25〜図27に示すように、ワイヤホルダ48の表面にそれぞれ圧接する。これにより、ワイヤホルダ48とブラケットベース68とを固定状態にすることができる。
なお、図24〜図27では、ブラケットベース68の両側面において2つのクリップ82A,82Bを用いて、ワイヤホルダ48を固定しているが、何れか一方を用いて固定することも可能である。
このように、第4変形例の歯列矯正用ブラケット108は、ワイヤホルダ48を用いることにより前述した基本構成の歯列矯正用ブラケット100と同様の作用効果を有する。さらに、歯列矯正用ブラケット108は、クリップ82A,82Bを用いることで、ブラケットベース68の側面においてワイヤホルダ48を簡単に固定状態にすることができる。
(第5変形例)
次に、本発明の第5変形例に係る歯列矯正用ブラケット110について、図28、図29を参照して説明する。図28は、第5変形例に係る歯列矯正用ブラケット110を構成するワイヤホルダ50とブラケットベース70の外観を示す斜視図、図29は、歯列矯正用ブラケット110の外観を示す斜視図である。なお、図1〜図14に示す基本構成と同じ構成部分については、同じ名称を付して説明を省略する。
第5変形例における歯列矯正用ブラケット110は、ワイヤホルダ50とブラケットベース70とを有する。ワイヤホルダ50は、歯列矯正用のアーチワイヤ20を挿通させるワイヤホール50Aを備える。ブラケットベース70には、表面に一対のウイング70A,70Bが形成される。ウイング70A,70Bは、ワイヤホルダ50を保持するためのホルダ70Aa,70Baを形成するとともに、ホルダに保持されたワイヤホルダ50を固定するための結紮用ワイヤ(あるいは結紮用ゴム)83を引っ掛けるための結紮部70Ab,70Ac,70Bb,70Bcが形成される。ウイング70A,70Bは、ブラケットベース70の基台部から延びている。
図28及び図29に示すように、ウイング70Aは、基台から伸びる2本の結紮部70Ab,70Acの間に、ワイヤホルダ50の外形状に合わせたホルダ70Aaを形成する。同じく、ウイング70Bは、基台から伸びる2本の結紮部70Bb,70Bcの間に、ワイヤホルダ50の外形状に合わせたホルダ70Baを形成する。一対のウイング70A,70Bを離間させて設けることで、ホルダ70Aa,70Baによりワイヤホルダ50を安定して保持することができる。
結紮用ワイヤ(あるいは結紮用ゴム)83は、図29に示すように、ワイヤホルダ50の表面から結紮部70Ab,70Ac,70Bb,70Bcの裏面を通して結紮することで、ホルダ70Aa,70Baに保持されたワイヤホルダ50を固定状態にすることができる。
このように、第5変形例の歯列矯正用ブラケット110は、ワイヤホルダ50を用いることにより前述した基本構成の歯列矯正用ブラケット100と同様の作用効果を有する。さらに、歯列矯正用ブラケット110は、従来から使用されている結紮の技術を用いてワイヤホルダ50を固定することができる。歯列矯正用ブラケット110では、アーチワイヤ20をワイヤホルダ50のワイヤホール50Aに挿通させることで保持されているので、結紮の技術を用いても、セルフライゲーションブラケットの特徴を持つことができる。
(第6変形例)
次に、本発明の第6変形例に係る歯列矯正用ブラケット111について、図30、図31、図32を参照して説明する。図30は、第6変形例に係る歯列矯正用ブラケット111を構成するワイヤホルダ51とブラケットベース71の外観を示す斜視図、図31は、歯列矯正用ブラケット111の外観を示す斜視図、図32は、図31におけるL−L線における歯列矯正用ブラケット111の断面図である。なお、図1〜図14に示す基本構成と同じ構成部分については、同じ名称を付して説明を省略する。
第6変形例の歯列矯正用ブラケット111において、ワイヤホルダ51のブラケットベース71に対する装着/脱着は、ワイヤホルダ51の変形により実現される。これは、第1変形例の歯列矯正用ブラケット101と同様である。第1変形例との間の差異は、ワイヤホルダ51をブラケットベース71に固定するための固定構造と、ワイヤホルダ51のブラケットベース71に対する装着/脱着するための構造とにある。
第6変形例における歯列矯正用ブラケット111は、ワイヤホルダ51とブラケットベース71とを有する。ワイヤホルダ51は、弾性変形するように、例えばプラスチック(合成樹脂)により形成される。一方、ブラケットベース71は、ワイヤホルダ51の脱着時に変形させる必要がないため、例えばセラミックにより形成することができる。
ワイヤホルダ51は、表面形状が矩形状、横断面(ワイヤホール51Aの軸方向に直交する面)形状が台形状のブロック体である。ブラケットベース71は、直方体形状のブロック体であり、その表面にはワイヤホルダ51の形状に整合する形状の凹形状のホルダスロット71Fが形成されている。ホルダスロット71Fの内側の上面と下面とは底面側に向かって内側に傾斜している。
ワイヤホルダ51をブラケットベース71に固定するために、ワイヤホルダ51には係止突起51Ba,51Bbが設けられ、ブラケットベース71には係止溝71Ba、71Bbが設けられる。係止突起51Ba,51Bbは、それぞれワイヤホルダ51の上面と下面とに横方向全体に渡って設けられる。係止突起51Ba,51Bbは、断面三角形状の線状の突起であり、ワイヤホルダ51の厚み略中央の位置から底面に向かって傾斜している。係止溝71Ba,71Bbは、それぞれホルダスロット71Fの内側の上面と下面とに横方向全体に渡って設けられる。係止溝71Ba,71Bbは、係止突起51Ba,51Bbの断面形状と整合する断面形状の溝であり、ホルダスロット71Fの内側の奥行方向の略中央の位置から最奥部にかけて設けられる。
また、ワイヤホルダ51をホルダスロット71Fに装着する際、ワイヤホルダ51が弾性変形させるために、ワイヤホルダ51にはスロット51Ca,51Cbが設けられ、ホルダスロット71Fに固定されたワイヤホルダ51をホルダスロット71Fから脱着するために、ブラケットベース71には貫通溝(プライヤーガイドスロット)71Ga,71Gbが設けられる。
スロット51Ca,Cbは、ワイヤホルダ51の裏面(底面)から表面に向かって切り込まれた同幅の空隙であり、ワイヤホルダ51の横方向全体に渡って形成されている。スロット51Caは、ワイヤホール51Aとワイヤホルダ51の上面との間の略中央に、上面と平行に形成され、スロット51Cbは、ワイヤホール51Aとワイヤホルダ51の下面との間の略中央に下面と平行に形成される。スロット51Ca.51Cbは、典型的にはワイヤホール51Aの幅と略等価な幅に形成され、ワイヤホルダ51の裏面からワイヤホール51Aの内側のワイヤホルダ51の表面側の面までの深さに形成される。このようにスロット51Ca,51Cbを形成し、ブラケットベース71の両側面のワイヤガイド71Eの横幅をワイヤホルダ51の最大幅よりも若干狭く形成することで、図31、図32に示すように、ワイヤホルダ51がブラケットベース71に装着された状態で、スロット51Ca,51Cbは、ワイヤガイド71Eの底縁とともにアーチワイヤ20を挿通する他のワイヤホールを構成することも可能である。このように、ワイヤホール51Aとは別のワイヤホールが設けられることで、歯列矯正用ブラケット111を歯面に貼着した状態で、アーチワイヤ20を挿通する位置を変更することができ、歯列にかける矯正力の向き、強さを容易に変更することができる。
ブラケットベース71のプライヤーガイドスロット71Ga,71Gbは、それぞれ上下の側壁の表面の幅中央に設けられ、上下の側壁をその垂直方向に貫通した凹形状の溝である。その溝の深さは、ワイヤホルダ51の厚みに等価又はワイヤホルダ51の厚みよりも若干短い。
スロット51Ca,51Cbをワイヤホルダ51に形成することにより、ワイヤホルダ51をホルダスロット71Fに位置合わせし、押し込むだけでブラケットベース71にワイヤホルダ51を装着することができる。このとき、ワイヤホルダ51は、ホルダスロット71Fの内面に圧接されることで、スロット51Ca,51Cbが塞がり、ワイヤホルダ51が背面側に少しだけアーチ状に湾曲するように変形される。それによりワイヤホルダ51の背面の幅が狭くなり、ホルダスロット71Fに対するワイヤホルダ51の挿抜が促進され得る。スロット51Ca,51Cbが形成された位置において、ワイヤホルダ51の幅が薄くなる。それによりワイヤホルダ51をブラケットベース71に強固に装着しながらも、ワイヤホルダ51をホルダスロット71Fに容易に挿入し、また抜くことが可能となる。ワイヤホルダ51がホルダスロット71Fの最奥に到達した時、ワイヤホルダ51が湾曲状態から定常状態に復元する復元力により、ホルダスロット71Fに設けられた係止溝71Ba,71Bbにワイヤホルダ51の係止突起51Ba,51Bbが自動的に挿入され、ワイヤホルダ51とブラケットベース71とを固定状態にする。歯科医師は係止突起51Ba,51Bbが係止溝71Ba,71Bbに嵌めこまれることに伴うクリック感、音によりワイヤホルダ51がブラケットベース71に固定されたことを確認する事が可能である。
ブラケットベース71からワイヤホルダ51を脱着する際には、プライヤーのクリップ先端に取り付けられた細いロッドをプライヤーガイドスロット71Ga,71Gbに挿通し、ワイヤホルダ51を上下から押圧し、その切り込み(スロット)51Ca,51Cbを塞ぐようにワイヤホルダ51の厚みを若干薄く変形させる。これにより、係止突起51Ba、51Bbが係止溝71Ba,71Bbから外れる。この状態でワイヤホルダ51をホルダスロット71Fから前方に引き出すことができる。
なお、図30、図32に示すワイヤホルダ51には、2つのスロット51Ca,51Cbを設ける構成としているが、ワイヤホルダ51に対して上下方向に力を加えることでワイヤホルダ51が変形可能であれば、1つのスロット、あるいは3つ以上のスロットを設けることも可能である。また、スロットの幅(表面開口部の幅)を変更することでワイヤホルダ51の変形量を調整することができ、スロット51Ca,51Cbは、ワイヤホール51Aの幅と異なっていてもよいし、互いに異なる幅であってもよい。また、スロット51Ca,51Cbは奥行方向に渡って同幅としているが、スロットの奥行方向に向かってテーパー状に広がる形状であってもよい。また、スロット51Ca,51Cbは、ワイヤホルダ51の変形量に応じて、その深さが少なくともワイヤホルダ51の奥行き(厚み)の1/3超あればよく、ワイヤガイド71Eの低縁から上部に露出していなくてもよい。また、スロット51Ca,51Cbはワイヤホルダ51の上面と平行とする向きに形成しているが、少なくとも一方をワイヤホルダ51の上面に対して斜め方向又は直交する方向に形成することも可能である。
係止突起51Ba,51Bbは、ワイヤホルダ51の横方向全体に渡って設けられるとしたが、ワイヤホルダ51の横方向の一部に設けられていればよい。これに合わせて、係止溝71Ba,71Bbはホルダスロット71Fの内側の上面と下面とに横方向の一部、ホルダスロット71Fに装着されたワイヤホルダ51の係止突起51Ba、51Bbに対応する位置に設けられる。
このようにして、第6変形例の歯列矯正用ブラケット111は、ワイヤホルダ51を用いることにより、前述した基本構成の歯列矯正用ブラケット100と同様の作用効果を有する。また、第6変形例の歯列矯正用ブラケット111では、ワイヤホルダ51を変形させることで、ブラケットベース71に対して容易に挿入することができ、またブラケットベース71に対して負荷を与えなくて済む。さらに、ワイヤホルダ51をホルダスロット71Fに圧接するだけでワイヤホルダ51をブラケットベース71に装着することができる。これにより、口腔内の狭い作業環境においても、ワイヤホルダ51をブラケットベース71に装着させる作業は容易であり、施術時間を短縮することができる。また、第1変形例のように、ブラケットベース61をワイヤホルダ41で覆う固定構造ではなく、ホルダスロット71Fの内側でワイヤホルダ51を固定する固定構造であるため、ブラケット自体を小型化することができる。さらに、第6変形例の歯列矯正用ブラケット111では、スロット51Ca,51Cbが裏面から表面に向かって形成されているため、正面からスロット51Ca、51Cbが見えない。そのため、審美性が損なわれない。
なお、複数のワイヤホルダ51が弾性体で結合されていてもよい。例えば、図33、図34に示すように、ワイヤホルダ51と他のワイヤホルダ51とがゴム51Hにより結合される。ゴム51Hは、図35に示すように、その一端がワイヤホルダ51の表面に接着剤により接着され、他端が他のワイヤホルダ51の表面に接着剤により接着される。また、ゴム51Hは、その一端がワイヤホルダ51の側面に接着され、他端が他のワイヤホルダ51の側面に接着されていてもよい。さらに、ゴム51Hは、接着剤によりワイヤホルダ51に接着されるのではなく、ワイヤホルダ51に一体成型されていてもよい。
ゴム51Hの長さは、隣接する2つの歯のそれぞれに対して、互いに接近する方向の矯正力をかけるのか、互いに離反する方向の矯正力をかけるのかに応じて調整される。長さが2つの歯にそれぞれ装着されたブラケットベース71の間の距離よりも短いゴム51Hを用い、ゴム51Hを伸張した状態で、ワイヤホルダ対112を構成する2つのワイヤホルダ51はそれぞれブラケットベース71に装着することで、ゴム51Hの復元力により、隣接する2つの歯のそれぞれに互いに接近する方向の矯正力をかけることができる。同様に、長さが2つの歯にそれぞれ装着されたブラケットベース71の間の距離よりも長いゴム51Hを用い、ゴム51Hを収縮した状態で、ワイヤホルダ対112を構成する2つのワイヤホルダ51はそれぞれブラケットベース71に装着することで、ゴム51Hの復元力により、隣接する2つの歯のそれぞれに互いに離反する方向の矯正力をかけることができる
このように、ゴム51Hで結合されたワイヤホルダ対112を歯列矯正に使用することで、アーチワイヤ20だけでは矯正力が不足する場合に、その不足分をゴム51Hの復元力で補うことができ、治療時間の短縮することができる。なお、ゴム51Hは、他の弾性体、例えば巻バネであってもよい。ゴム51Hの代わりに巻バネを用いた場合、巻バネの長さに応じて、具体的には、巻バネの長さが隣接する2つの歯にそれぞれ装着されたブラケットベース71の間の距離よりも短い場合、2つの歯のそれぞれに互いに接近する方向の矯正力をかけることができる。同様に、巻バネの長さが隣接する2つの歯にそれぞれ装着されたブラケットベース71の間の距離よりも長い場合、2つの歯のそれぞれに互いに離反する方向の矯正力をかけることができる。
(第7変形例)
次に、本発明の第7変形例に係る歯列矯正用ブラケット115について、図36、図37、図38、図39を参照して説明する。図36は、第7変形例に係る歯列矯正用ブラケット115を構成するワイヤホルダ55とブラケットベース75の外観を示す斜視図、図37は、歯列矯正用ブラケット115の外観を示す斜視図、図38は、図37におけるP−P線における歯列矯正用ブラケット115の断面図である。図39は、図37におけるP−P線における歯列矯正用ブラケット115の他の断面図である。第6変形例の歯列矯正用ブラケット111と同様に、第7変形例の歯列矯正用ブラケット115において、ワイヤホルダ55のブラケットベース75に対する装着/脱着は、ワイヤホルダ55の変形により実現される。第7変形例の歯列矯正用ブラケット115は、第6変形例の歯列矯正用ブラケット111のワイヤホルダ51に裏面に設けられるスロット51Ca,51Cbが表面に設けられるものであり、その他については基本的に第6変形例の歯列矯正用ブラケット111と同様の構成を有する。
ワイヤホルダ55には、ワイヤホール55A、ワイヤ取付スロット(取付溝)55Ba,55Bbが設けられる。これらの構成は、第2変形例のワイヤホルダ42と同様である。また、ワイヤホルダ55には、スロット55Caがワイヤホール55Aとワイヤホルダ55の上面との間、上面寄りの表面に形成されている。また、スロット55Cbはワイヤホール55Aとワイヤホルダ55の下面との間、下面寄りの表面に形成されている。このスロット55Ca,55Cbは横方向全体に渡って形成されている。スロット55Ca,55Cは、ワイヤホルダ55の表面から奥(裏面)に向かって、少なくとも奥行き(厚み)の1/2超であって4/5又は2/3未満の深度、例えば取付スロット55Ba,55Bbが設けられた深さ、あるいはさらに深い位置まで到達する切り込み(空隙)である。例えば、スロット55Ca,55Cbの空隙は、例えば、図36、図37に示すように、ワイヤホルダ55の上面と平行となる向きに形成される。
さらに、ワイヤホルダ55には、プライヤーのクリップ先端を受ける受け部55Ga,55Gbが設けられている。プライヤー受け部55Ga,55Gbとして、ワイヤホルダ55の上面と下面とに、それぞれ窪みが形成される。ワイヤホルダ55がブラケットベース75に装着された状態で、プライヤー受け部55Ga,55Gbは、それぞれブラケットベース75の貫通孔75Ga,75Gbと連続するプライヤー挿入孔を構成する。
ワイヤホルダ55をブラケットベース75から取り外す場合には、このプライヤー挿入孔に専用の押し出し具を挿入し、ワイヤホルダ55に対して上下方向から力を加えることで、スロット55Ca,55Cbが塞がるようワイヤホルダ54を若干薄く変形させる。これにより、取付スロット55Ba,55Bbが係止突起75Ba,75Bbから外れる。この状態でワイヤホルダ55をホルダスロット75Fから引き出すことで、係止突起75Ba,75Bbと取付スロット55Ba,55Bbとによる固定状態を外すことができる。
ブラケットベース75には、係止突起(線状突起)75Ba,75Bb、溝部75C,75D、ワイヤガイド75E、ホルダスロット75Fが設けられる。これらの構成は、第2変形例のブラケットベース62と同様である。なお、第7変形例の歯列矯正用ブラケット111では、第2変形例の歯列矯正用ブラケット102における延出部62Ga,62Gbが省かれている。
また、ブラケットベース75にはその上側壁をその垂直方向に貫通する貫通孔(プライヤーガイドホール)75Gaが幅中央に設けられる。同様に、ブラケットベース75にはその下側壁をその垂直方向に貫通する貫通孔75Gbが幅中央に設けられる。
貫通孔75Ga,75Gbが形成される位置は、深度方向に関して、ブラケットベース75の表面から、ワイヤホルダ55がブラケットベース75に装着された状態で、ワイヤホルダ55の切り込み(スロット)55Ca,55Cbの切り込みの深さまでの範囲の中ほどの位置である。
ブラケットベース75からワイヤホルダ55を取り外すには、プライヤーのクリップ先端に取り付けられた細いロッドを貫通孔75Ga、75Gbに挿通し、ワイヤホルダ54を上下から押圧し、その切り込み(スロット)55Ca,55Cbを塞ぐようにワイヤホルダ54をその厚みを若干薄く変形させることにより、線状突起75Ba,75Bbをワイヤ取付スロット(取付溝)55Ba,55Bbから外し前方に引き出すことによりなされる。
このようにして、第7変形例の歯列矯正用ブラケット115は、前述した基本構成の歯列矯正用ブラケット100と同様の作用効果を有する。さらに、スロット55Ca,55Cbがワイヤホルダ55の表面に設けることは、ワイヤホルダ55のブラケットベース75への装着を目視で確認することを容易にする。
なお、図39に示すように、ブラケットベース75に歯列矯正用のアーチワイヤ20を挿通させる少なくとも一つのワイヤホール75Hを設けてもよい。ワイヤホール75Aは、ワイヤホルダ55のワイヤホール55Aと同一の断面形状と同一の断面寸法であってもよいし、ワイヤホール55Aとの断面形状と断面寸法とのうち少なくとも一方が異なっていてもよい。このように、ワイヤホルダ55のワイヤホール55Aとは別に、ブラケットベース75にワイヤホール75Hを設けることで、歯列矯正に、例えば複数のアーチワイヤを使用して矯正力等を複数の方向に複雑にかけることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…歯列矯正用ブラケット、20…アーチワイヤ、40…ワイヤホルダ、41A…ワイヤホール、60…ブラケットベース、61F…ホルダスロット。

Claims (8)

  1. 患者の歯列を矯正するために用いられる歯列矯正用ブラケットにおいて、
    歯列矯正用のアーチワイヤを挿通させる少なくとも一つの貫通孔を備えたワイヤホルダと、
    前記ワイヤホルダを着脱可能に支持し、前記患者の歯面に貼着されるブラケットベースとを具備し、
    前記ブラケットベースには、前記ワイヤホルダが嵌め込まれるホルダスロットが設けられ、
    前記ワイヤホルダには、前記ワイヤホルダを湾曲させ、前記ブラケットベースの前記ホルダスロットに対する前記ワイヤホルダの挿抜を促進するために裏面から表面に向かって少なくとも1本の切り込みが前記貫通孔と平行に形成されることを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
  2. 前記ワイヤホルダは、四角錐台形状であることを特徴とする請求項1記載の歯列矯正用ブラケット。
  3. 前記ワイヤホルダの横断面形状は台形であることを特徴とする請求項2記載の歯列矯正用ブラケット。
  4. 前記ブラケットベースには前記ワイヤホルダが嵌め込まれるホルダスロットが設けられ、
    前記ワイヤホルダの側面には横方向に線状突起と溝部との一方が形成され、前記ブラケットベースの前記ホルダスロットの内面には横方向にわたって線状突起と溝部との他方が形成され、前記線状突起が前記溝部に嵌め込まれることにより、前記ワイヤホルダが前記ブラケットベースに結合されることを特徴とする請求項1記載の歯列矯正用ブラケット。
  5. 前記ブラケットベースには前記ワイヤホルダが嵌め込まれるホルダスロットが設けられ、
    前記ワイヤホルダの高さは前記ブラケットベースの前記ホルダスロットのホルダ収納部の深さと実質的に等価であることを特徴とする請求項1記載の歯列矯正用ブラケット。
  6. 前記ワイヤホルダは他のワイヤホルダと弾性体により結合されてなることを特徴とする請求項1記載の歯列矯正用ブラケット。
  7. 前記弾性体はゴム又はバネであることを特徴とする請求項6記載の歯列矯正用ブラケット。
  8. 歯列矯正用のアーチワイヤを挿通させる少なくとも一つの貫通孔を備えたワイヤホルダとともに歯列矯正用ブラケットを構成するブラケットベースにおいて、
    前記ワイヤホルダが表面側から嵌め込まれる四角錐台形状のホルダスロットを備え、患者の歯面に裏面が貼着されることを特徴とするブラケットベース。
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