JP6313013B2 - サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ - Google Patents

サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタに関する。
従来、ファクシミリあるいはビデオプリンタ等の印画デバイスとして、種々のサーマルヘッドが提案されている。例えば、基板と、基板上に設けられた発熱部と、基板上に設けられ、発熱部と電気的に接続された電極と、基板と隣り合うように配置され、基板側に位置する面から反対側の面に向けて貫通する貫通孔を有する放熱体とを備えるサーマルヘッドが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
また、上記に記載のサーマルヘッドは、基板と放熱体とが熱硬化性樹脂および両面テープにて接合されている。
特開2012−71467号公報
サーマルヘッドの基板と放熱体との接合工程において、タクトタイムを短くするために、熱硬化性樹脂に代えて光硬化性樹脂を用いて接合することが検討されている。
しかしながら、貫通孔から基板と放熱体との間に光硬化性樹脂を流入させ、貫通孔へ光を照射して光硬化性樹脂を硬化する際に、光が光硬化性樹脂の奥まで到達せず、硬化が不十分になる可能性がある。
本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドは、基板と、基板上に設けられた発熱部と、基板上に設けられ、発熱部と電気的に接続された電極と、基板と隣り合うように配置され、基板側に位置する面から反対側の面に向けて貫通する貫通孔を有する放熱体と、基板と放熱体とを接合する光硬化性樹脂とを備えている。また、放熱体は、基板側に位置する面の貫通孔の近傍に、凹凸が設けられている。
本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタは、上記のいずれかに記載のサーマルヘッドと、発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、発熱部上に記録媒体を押圧するプラテンローラとを備えている。
本発明によれば、貫通孔へ照射した光が、放熱体の基板側に位置する面に設けられた凹凸により反射され、光硬化性樹脂の奥まで到達することができる。それにより、光硬化性樹脂の硬化を十分なものとすることができる。
本発明のサーマルヘッドの一実施形態を示す平面図である。 図1に示すI−I線断面図である。 (a)はサーマルヘッドの構成を簡略化して示す分解斜視図、(b)はサーマルヘッドの構成を簡略化して示す斜視図である。 (a)は図3に示すII−II線断面図、(b)は、光の進路を示す概念図である。 図1に示すサーマルヘッドの変形例を示し、図4(a)に対応する断面図、(b)は、光の進路を示す概念図である。 本発明のサーマルプリンタの一実施形態の概略構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るサーマルヘッドを示し、(a)はヘッド基体の裏面図、(b)は図4(a)に対応する断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るサーマルヘッドを示し、(a)はサーマルヘッドの構成を簡略化して示す分解斜視図、(b)は接合部材の平面図である。 (a)は図8に示すサーマルヘッドの構成を簡略化して示す斜視図、(b)は図9(a)に示すIII−III線断面図である。 図9に示すサーマルヘッドの変形例を示す図4(a)に対応する断面図である。
<第1の実施形態>
以下、サーマルヘッドX1について図1〜5を参照して説明する。なお、図1では、保護層25、被覆層27、FPC5,およびコネクタ31は省略して示しており、一点鎖線にて示している。図3(a)では、光硬化性樹脂を省略して示している。また、図4(b),5(b)では、ハッチングを省略して示している。
サーマルヘッドX1は、放熱体1と、放熱体1上に配置されたヘッド基体3と、放熱体1とヘッド基体3とを接合する光硬化性樹脂2と、ヘッド基体3に接続されたフレキシブルプリント配線板5(以下、FPC5という)とを備えている。なお、図1では、FPC5の図示を省略し、FPC5が配置される領域を一点鎖線で示している。
放熱体1は、板状に形成されており、平面視して長方形状をなしている。放熱体1は、台部1aと、貫通孔1bと、凹凸1cとを備えている。台部1aは、平面視して矩形状をなしている。貫通孔1bは、基板7側に位置する面から反対側の面に貫通している。凹凸1cは、貫通孔1bを取り囲むように設けられている。
放熱体1は、例えば、銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、ヘッド基体3の発熱部9で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱を放熱する機能を有している。また、台部1aの上面には、両面テープあるいは接着剤等(不図示)によってヘッド基体3が接着されている。
ヘッド基体3は、平面視して、板状に形成されており、ヘッド基体3の基板7上にサーマルヘッドX1を構成する各部材が設けられている。ヘッド基体3は、外部より供給された電気信号に従い、記録媒体(不図示)に印字を行う機能を有する。
FPC5は、ヘッド基体3と電気的に接続されており、絶縁性の樹脂層の内部に、パターニングされたプリント配線が複数設けられている。FPC5は、ヘッド基体3に電流および電気信号を供給する機能を有した配線基板である。プリント配線は、一端部が樹脂層から露出しており、他端部がコネクタ31と電気的に接続されている。
FPC5のプリント配線は、導電性接合材23を介してヘッド基体3の接続電極21と接続されている。それにより、ヘッド基体3とFPC5とが電気的に接続されている。導電性接合材23は、半田材料あるいは電気絶縁性の樹脂中に導電性粒子が混入された異方性導電フィルム(ACF)を例示することができる。
FPC5と放熱体1との間には、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂またはガラスエポキシ樹脂等の樹脂からなる補強板(不図示)を設けてもよい。また、FPC5の全域にわたり補強板を接続してもよい。補強板は、FPC5の下面に両面テープあるいは接着剤等によって接着されることにより、FPC5を補強することができる。
なお、配線基板としてFPC5を用いた例を示したが、可堯性のあるFPC5でなく、硬質な配線基板を用いてもよい。硬質なプリント配線基板としては、ガラスエポキシ基板あるいはポリイミド基板等の樹脂により形成された基板を例示することができる。
以下、ヘッド基体3を構成する各部材について説明する。
基板7は、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料、あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。
基板7の上面には、蓄熱層13が形成されている。蓄熱層13は、基板7の上面の全域にわたり形成された下地部13aと、複数の発熱部9の配列方向に沿って帯状に延び、断面が略半楕円形状をなしている隆起部13bとを有している。隆起部13bは、印画する記録媒体を、発熱部9上に形成された保護層25に良好に押し当てるように機能する。
蓄熱層13は、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部を一時的に蓄積することで、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くすることができ、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めるように機能する。蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板7の上面に塗布し、これを焼成することで形成される。
電気抵抗層15は蓄熱層13の上面に設けられており、電気抵抗層15上には、共通電極17、個別電極19および接続電極21が設けられている。電気抵抗層15は、共通電極17、個別電極19および接続電極21と同形状にパターニングされており、共通電極17と個別電極19との間に電気抵抗層15が露出した露出領域を有する。電気抵抗層15の露出領域は、図1に示すように、蓄熱層13の隆起部13b上に列状に配置されており、各露出領域が発熱部9を構成している。
複数の発熱部9は、説明の便宜上、図1で簡略化して記載しているが、例えば、100dpi〜2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
図1,2に示すように、電気抵抗層15の上面には、共通電極17、複数の個別電極19および複数の接続電極21が設けられている。これらの共通電極17、個別電極19および接続電極21は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
共通電極17は、主配線部17aと、副配線部17bと、リード部17cとを備えている。主配線部17aは、基板7の一方の長辺に沿って延びている。副配線部17bは、基板7の一方および他方の短辺のそれぞれに沿って延びている。リード部17cは、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延びている。共通電極17は、一端部が複数の発熱部9と接続され、他端部がFPC5に接続されることにより、FPC5と各発熱部9との間を電気的に接続している。
複数の個別電極19は、一端部が発熱部9に接続され、他端部が駆動IC11に接続されることにより、各発熱部9と駆動IC11との間を電気的に接続している。また、個別電極19は、複数の発熱部9を複数の群に分け、各群の発熱部9を、各群に対応して設けられた駆動IC11に電気的に接続している。
複数の接続電極21は、一端部が駆動IC11に接続され、他端部がFPC5に接続されることにより、駆動IC11とFPC5との間を電気的に接続している。各駆動IC11に接続された複数の接続電極21は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。
駆動IC11は、図1に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されているとともに、個別電極19の他端部と接続電極21の一端部とに接続されている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御する機能を有している、駆動IC11としては、内部に複数のスイッチング素子を有する切替部材を用いればよい。
上記の電気抵抗層15、共通電極17、個別電極19および接続電極21は、例えば、各々を構成する材料層を蓄熱層13上に、例えばスパッタリング法等の従来周知の薄膜成形技術によって順次積層した後、積層体を従来周知のフォトエッチング等を用いて所定のパターンに加工することにより形成される。なお、共通電極17、個別電極19および接続電極21は、同じ工程によって同時に形成することができる。
図1,2に示すように、基板7の上面に形成された蓄熱層13上には、発熱部9、共通電極17の一部および個別電極19の一部を被覆する保護層25が形成されている。なお、図1では、説明の便宜上、保護層25の形成領域を一点鎖線で示し、これらの図示を省略している。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食、あるいは印画する記録媒体との接触による摩耗から保護するためのものである。保護層25は、SiN、SiO、SiON、SiC、あるいはダイヤモンドライクカーボン等を用いて形成することができ、保護層25を単層で構成してもよいし、これらの層を積層して構成してもよい。このような保護層25はスパッタリング法等の薄膜形成技術あるいはスクリーン印刷等の厚膜形成技術を用いて作製することができる。
また、図1,2に示すように、基板7の上面に形成された蓄熱層13の下地部13a上には、共通電極17、個別電極19および接続電極21を部分的に被覆する被覆層27が設けられている。なお、図1では、説明の便宜上、被覆層27の形成領域を一点鎖線で示している。被覆層27は、共通電極17、個別電極19および接続電極21の被覆した領域を、大気との接触による酸化、あるいは大気中に含まれている水分等の付着による腐食から保護するためのものである。
なお、被覆層27は、共通電極17および個別電極19の保護をより確実にするため、図2に示すように保護層25の端部に重なるようにして形成されている。被覆層27は、例えば、エポキシ樹脂、あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料をスクリーン印刷法等の厚膜成形技術を用いて形成することができる。
被覆層27は、駆動IC11と接続される個別電極19、および接続電極21を露出させるための開口部(不図示)が形成されており、開口部を介してこれらの配線が駆動IC11に接続されている。また、駆動IC11は、個別電極19および接続電極21に接続された状態で、駆動IC11の保護、および駆動IC11とこれらの配線との接続部の保
護のため、エポキシ樹脂、あるいはシリコーン樹脂等の樹脂からなる被覆部材29によって被覆されることで封止されている。
図3,4を用いて、サーマルヘッドX1を詳細に説明する。サーマルヘッドX1は、放熱体1とヘッド基体3とが光硬化性樹脂2により接合されている。
放熱体1は、平面視して、円形状の貫通孔1bを有しており、貫通孔1bの近傍に凹凸1cが設けられている。凹凸1cは、平面視して円形状をなしており、貫通孔1bの径よりも大きい径を有している。それにより、接合強度を向上させることができる。また、放熱体1は、貫通孔1bの内壁に凹凸1dが設けられている。
凹凸1cは、放熱体1の基板7に対向する面に設けられている。放熱体1の基板7に対向する面に凹凸1cが設けられているため、表面が基板7に対して傾斜した領域を有することとなる。凹凸1cは、例えば、放熱体1を形成する際に、放熱体1の基板7に対向する面に凹凸1cが形成されるようにプレス加工することにより作製される。また、放熱体1の基板7に対向する面の表面を荒らしてもよく、放熱体1の基板7に対向する面にフライス加工を施してもよい。
凹凸1dは、貫通孔1bの内壁に設けられている。そのため、貫通孔1bの内壁は、放熱体1の厚み方向に沿っていない領域を有することとなる。凹凸1dは、例えば、貫通孔1bを形成する際に、ドリルを用いて作製すればよく、螺子切りをすることにより作製することができる。
光硬化性樹脂2は、放熱体1と基板7との間に配置されており、放熱体1とヘッド基体3とを接合する機能を有する。光硬化性樹脂2は、放熱体1の貫通孔1bから流入され、放熱体1と基板7との間に配置されている。図3(b)に示すように、光硬化性樹脂2は、平面視して円形状をなしており、光硬化性樹脂2の直径と、放熱体1の凹凸1cの直径とがほぼ等しくなっている。
光硬化性樹脂2は、貫通孔1bから流入された後、貫通孔1bから光を照射することにより硬化することができる。光硬化性樹脂2としては、可視光硬化性樹脂、あるいは紫外線硬化性樹脂を例示することができる。光硬化性樹脂2のハンドリング性から、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
ここで、光硬化性樹脂を流入した後に、貫通孔から光を照射して光硬化性樹脂を硬化させる場合、基板と放熱体との間に位置する光硬化性樹脂の奥まで光が到達しない場合がある。これは、光が回折して広がる領域よりも外側まで光硬化性樹脂が配置されることにより生じる。
これに対して、サーマルヘッドX1は、放熱体1の基板7に対向する面に凹凸1cが設けられている。そのため、図4(b)に示すように、貫通孔1bから入射された光Aが、基板7の裏面により反射された後、凹凸部1cにより反射され、基板7と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2の奥まで照射されることとなる。それにより、基板7と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2を硬化することができ、基板7と放熱体1との接合強度を向上させることができる。特に、凹凸1cが鏡面加工されていることが好ましい。それにより、凹凸1cにより入射光Aを効率よく反射することができる。
また、放熱体1の基板7側の面に凹凸1cが設けられ、光硬化性樹脂2が凹凸1cの内部に充填されていることにより、基板7と放熱体1との接合強度を向上させることができる。
また、サーマルヘッドX1は、貫通孔1bの内壁に凹凸1dが設けられている。そのため、貫通孔1bから入射された光Bが、基板7の裏面により反射された後、凹凸部1dにより反射され、基板7の裏面に反射されながら、基板7と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2の奥まで照射されることとなる。それにより、基板7と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2を硬化することができ、基板7と放熱体1との接合強度を向上させることができる。特に、凹凸1dが鏡面加工されていることが好ましい。それにより、凹凸1dにより入射光Bを効率よく反射することができる。
また、貫通孔1bの内壁に凹凸1dが設けられていることから、図4(b)に示すように、光硬化性樹脂2がメニスカスを形成しやすくなる。そのため、光硬化性樹脂2のメニスカスにより、放熱体1の厚み方向に対する接合強度をさらに向上させることができる。
図5を用いて、サーマルヘッドX1の変形例であるサーマルヘッドX2について説明する。サーマルヘッドX2は、基板107の裏面、言い換えると、基板107の放熱体1と対向する面に凹凸107aが形成されている。なお、サーマルヘッドX1と同一の部材について同じ符号を付し、説明を省略する。
凹凸107aは、基板7の裏面に凹凸107aを有している。凹凸107aは、平面視して円形状をなしており、光硬化性樹脂2の平面視面積とほぼ同程度の平面視面積を有している。そのため、基板7の裏面は、放熱体1の基板7側の面に対して傾斜した領域を有することとなる。凹凸107aは、例えば、基板7の裏面の一部をブラスト加工により表面を荒らすことにより作製することができる。
サーマルヘッドX2は、基板107の裏面の貫通孔1bに対向する位置に凹凸107aを有している。そのため、貫通孔1bから入射された光Cが、凹凸107aにより反射され、基板7と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2の奥にまで到達することとなる。それにより、基板7と放熱体1との接合強度を向上させることができる。
また、凹凸107aによる基板107の表面粗さは、凹凸1cによる放熱体1の表面粗さよりも粗いことが好ましい。それにより、貫通孔1bから入射された光が表面粗さの粗い凹凸107aにより反射されることとなり、光硬化性樹脂2の奥にまで反射項を到達させることができる。
また、図5(a)に示すように、凹凸107aが、光硬化性樹脂2と略同じ平面視面積であるため、光硬化性樹脂2が、凹凸107aによりメニスカスを形成しやすくなる。そのため、基板7と放熱体1との接合強度をさらに向上させることができる。
なお、凹凸107aが、光硬化性樹脂2と略同じ平面視面積である例を示したが、少なくとも、貫通孔1bに対向する位置に設けられていればよい。それにより、貫通孔1bから入射された光Cを効率よく反射することができる。また、貫通孔1bの内壁に凹凸1dを必ずしも設けなくともよい。
次に、サーマルプリンタZ1について、図6を参照しつつ説明する。
図6に示すように、本実施形態のサーマルプリンタZ1は、上述のサーマルヘッドX1と、搬送機構40と、プラテンローラ50と、電源装置60と、制御装置70とを備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZ1の筐体(不図示)に設けられた取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、サーマルヘッドX1は、発熱部9の配列方向が、後述する記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向である主走査方向に沿う
ようにして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、駆動部(不図示)と、搬送ローラ43,45,47,49とを有している。搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを図6の矢印S方向に搬送して、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上に搬送するためのものである。駆動部は、搬送ローラ43,45,47,49を駆動させる機能を有しており、例えば、モータを用いることができる。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆して構成することができる。なお、図示しないが、記録媒体Pがインクが転写される受像紙等の場合は、記録媒体PとサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、記録媒体Pとともにインクフィルムを搬送する。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に位置する保護膜25上に押圧する機能を有する。プラテンローラ50は、記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持固定されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給する機能を有している。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給する機能を有している。
サーマルプリンタZ1は、図6に示すように、プラテンローラ50によって記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、搬送機構40によって記録媒体Pを発熱部9上に搬送しながら、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることにより、記録媒体Pに所定の印画を行う。なお、記録媒体Pが受像紙等の場合は、記録媒体Pとともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを記録媒体Pに熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行う。
<第2の実施形態>
図7を用いてサーマルヘッドX4について説明する。サーマルヘッドX3は、共通電極17dが、基板207の放熱体1と対向する面に設けられており、被覆層27が、基板207の放熱体1と対向する面に設けられている。そして、被覆層27により、基板207の放熱体1と対向する面に設けられた共通電極が被覆されている。
図7(a)に示すように、被覆層27は、基板207の放熱体1と対向する面の略全域にわたって設けられている。被覆層27は、貫通孔1bと対向する領域に露出部27aが設けられており、露出部27aから共通電極17dが露出している。
共通電極17dは、基板207の放熱体1と対向する面の全域にわたって設けられている。共通電極17dは、基板207の発熱部(不図示)が設けられた面に設けられた、主配線部17a(図1参照)、または副配線部17b(図1参照)と電気的に接続されている。それにより、共通電極17の配線抵抗を小さくすることができ、コモン能力を強化することができる。
サーマルヘッドX3は、被覆層27が、貫通孔1bと対向する領域に露出部27aが設けられており、露出部27aから共通電極17dが露出する構成を有している。そのため
、貫通孔1bから入射された光が、共通電極17dにより反射されやすい構成となる。つまり、サーマルヘッドX3は、貫通孔1bからの入射光が照射される領域に、金属膜である共通電極17dを配置しているため、ヘッド基体3の放熱体1と対向する面が、光を反射しやすい構成となっている。その結果、入射光が、基板7と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2の奥まで到達することなり、未硬化の光硬化性樹脂2が存在する可能性を低減することができる。
共通電極17dの露出部27aから露出した領域にはめっき層4が設けられている。めっき層4は、平面視して円形状をなしており、めっき層4の平面視面積が、貫通孔1bの平面視面積よりも大きく、被覆層27の露出部27aの平面視面積よりも大きい。
めっき層4は、Au,Ni,Pd等の金属により形成されており、共通電極17d表面に、無電解めっき法、あるいは電界めっき法により形成されている。
サーマルヘッドX3は、露出部27aから露出した共通電極17dの表面にめっき層4が設けられている構成を有している。そのため、めっき層4が、露出部27aから露出した共通電極17dを保護することができ、共通電極17dが腐食する可能性を低減することができる。そして、めっき層4が金属材料により形成されていることから、光の反射率が高く、貫通孔1bから入射された光を効率よく反射することができる。
また、めっき層4は、めっき層4の平面視面積が、貫通孔1bの平面視面積よりも大きいことから、貫通孔1bから入射された光を反射する可能性を向上させることができる。さらに、めっき層4の平面視面積が、露出部27aの平面視面積よりも大きいことから、共通電極17dを被覆層27およびめっき層4により、露出させることなく保護することができる。
なお、露出部27aから露出した共通電極17dに、めっき層4を設けた例を示したが、必ずしも設ける必要はない。また、共通電極17dを貫通孔1bと対向する領域のみに設けてもよい。また、サーマルヘッドX3を構成する各種電極から電気的に独立した電極パッド(不図示)を、貫通孔1bと対向する領域に設けてもよい。
<第3の実施形態>
図8,9を用いてサーマルヘッドX4について説明する。サーマルヘッドX4は、ヘッド基体3と放熱体1とを接合するために接合部材6をさらに備えている。
接合部材6は、ヘッド基体3と放熱体1との間に配置されており、放熱体1の厚み方向に貫通する開口6aを備えている。開口6aは、貫通孔1b上に配置されており、平面視して円形状をなしている。図8(b)に示すように、開口6aの平面視面積は、光硬化性樹脂2の平面視面積よりも大きくなっている。そのため、接合部材6は、光硬化性樹脂2を取り囲むように配置されることとなる。接合部材6は、例えば、両面テープにより形成することができる。
サーマルヘッドX4は、開口6aが、ヘッド基体3と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2を取り囲むように配置されている。そのため、ヘッド基体3と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2が、ヘッド基体3と、放熱体1と、接合部材6とにより周囲を覆われることとなる。それにより、貫通孔1bから入射された光が、ヘッド基体3と、放熱体1と、接合部材6とに反射されることとなり、ヘッド基体3と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2の奥にまで到達されることとなる。
その結果、光硬化性樹脂2に未硬化な部分が残存する可能性を低減することができ、ヘ
ッド基体3と放熱体1との接合強度を向上させることができる。特に、ヘッド基体3と放熱体1との間に配置された光硬化性樹脂2の奥に隣り合うように、接合部材6を配置するため、光硬化性樹脂2を確実に効果することができる。
図10を用いて、サーマルヘッドX4の変形例であるサーマルヘッドX5について説明する。サーマルヘッドX5は、接合部材306の内部に光拡散粒子8を有している。
接合部材306は、均一に光拡散粒子8を含有している。そのため、接合部材306の表面近くに配置された光拡散粒子8は、図10に示すように開口306aから突出するように配置されている。つまり、光拡散粒子8の一部が、開口306aから突出している。
光拡散粒子8は、例えば、Al,Ni,Cu等の金属粒子、あるいは、セラミックスボールに金属膜のコーティングを施したものを用いることができる。
サーマルヘッドX5は、光拡散粒子8が開口306aから突出した状態で配置されている。そのため、貫通孔1bから入射された光は、基板7aの裏面、および放熱体1の凹凸部1cにて反射されながら、開口306aにまで到達する。そして、開口306aにまで到達した光は、開口306aの表面から突出した光拡散粒子8により乱反射され、開口306aの近傍に配置された光硬化性樹脂2を漏れなく硬化することができる。それにより、ヘッド基体3と放熱体1との接合強度をさらに向上させることができる。
また、接合部材306は、内部にも光拡散粒子8を備えることから、開口306aから接合部材306の内部に侵入した光を、光拡散粒子8により乱反射させることができる。それにより、光拡散粒子8により反射された光の一部が、開口306aから光硬化性樹脂2に照射されることとなり、さらに光硬化性樹脂2を硬化させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態であるサーマルヘッドX1を用いたサーマルプリンタZ1を示したが、これに限定されるものではなく、サーマルヘッドX2〜X5をサーマルプリンタZ1に用いてもよい。また、複数の実施形態であるサーマルヘッドX1〜X5を組み合わせてもよい。
例えば、サーマルヘッドX2,X3を組み合わせてもよい。その場合、凹凸107aに共通電極17あるいはめっき層4が施されることとなり、凹凸107aの反射率を向上させることができる。なお、共通電極17あるいはめっき層4の表面を粗くして、凹凸107aを形成してもよい。
また、サーマルヘッドX1では、蓄熱層13に隆起部13bが形成され、隆起部13b上に電気抵抗層15が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13に隆起部13bを形成せず、電気抵抗層15の発熱部9を、蓄熱層13の下地部13b上に配置してもよい。または、蓄熱層13を形成せず、基板7上に電気抵抗層15を配置してもよい。
また、サーマルヘッドX1では、電気抵抗層15上に共通電極17および個別電極19が形成されているが、共通電極17および個別電極19の双方が発熱部9(電気抵抗体)に接続されている限り、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13上に共通電極17および個別電極19を形成し、共通電極17と個別電極19との間の領域のみに電気抵抗層15を形成することにより、発熱部9を構成してもよい。
さらに、ヘッド基体3と外部とをFPC5を介して電気的に接続する例を示したが、ヘ
ッド基体3に直接コネクタ31を接合して、ヘッド基体3と外部とを電気的に接続してもよい。
さらにまた、電気抵抗層15を薄膜形成することにより、発熱部9の薄い薄膜ヘッドを例示して示したが、これに限定されるものではない。例えば、各種電極をパターニングした後に、電気抵抗層15を厚膜形成することにより、発熱部9の厚い厚膜ヘッドに本発明を用いてもよい。さらに、発熱部9を基板の端面に形成する端面ヘッドに本技術を用いてもよい。
X1〜X5 サーマルヘッド
Z1 サーマルプリンタ
1 放熱体
2 光硬化性樹脂
3 ヘッド基体
4 めっき層
5 フレキシブルプリント配線板
6 接合部材
7 基板
8 光拡散粒子
9 発熱部(電気抵抗体)
11 駆動IC
13 蓄熱層
15 電気抵抗層
17 共通電極
19 個別電極
21 接続電極
23 導電性接合材
25 保護層
27 被覆層
29 被覆部材

Claims (8)

  1. 基板と、
    該基板上に設けられた発熱部と、
    前記基板上に設けられ、前記発熱部と電気的に接続された電極と、
    前記基板と隣り合うように配置され、該基板側に位置する面から反対側の面に向けて貫通する貫通孔を有する放熱体と、
    前記基板と前記放熱体とを接合する光硬化性樹脂と、を備え、
    前記放熱体は、前記基板側に位置する面の前記貫通孔の近傍に、凹凸が設けられており、
    前記光硬化性樹脂が、前記凹凸上に設けられていることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記貫通孔の内壁に凹凸が設けられている、請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記基板の前記放熱体と対向する面の、前記貫通孔に対向する位置に凹凸が設けられている、請求項1または2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記電極が、前記放熱体と対向する面に設けられており、
    前記電極を被覆する被覆層をさらに備え、
    前記被覆層は、前記貫通孔と対向する領域に、前記電極が露出した露出部が設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記露出部から露出した前記電極の表面に、めっき層が設けられている、請求項4に記載のサーマルヘッド。
  6. 前記基板と前記放熱体との間に配置され、前記基板と前記放熱体とを接合するための接合部材をさらに備え、
    前記接合部材は開口を有しており、
    該開口は、前記基板と前記放熱体との間に配置された前記光硬化性樹脂を取り囲むように配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  7. 断面視したときに、
    前記基板の前記凹凸の隣り合う凸同士の間隔が、前記放熱体の前記凹凸の隣り合う凸同士の間隔よりも大きい、請求項3に記載のサーマルヘッド。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載のサーマルヘッドと、
    前記発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、
    前記発熱部上に前記記録媒体を押圧するプラテンローラと、を備えることを特徴とするサーマルプリンタ。
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