JP2012227436A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線硬化型接着剤によって半導体部品と基材とを接合する半導体装置の製造方法及び半導体装置において、紫外線硬化型接着剤による接着強度を増大させることを目的とする。
【解決手段】基材2のアイランド部3に、表面に紫外線反射加工が施された反射粒子11を予め含有させた紫外線硬化型接着剤10を塗布する。この紫外線硬化型接着剤10を介在させた状態で、基材2のアイランド部3に半導体部品4を配置する。そして、基材2の側面側から紫外線硬化型接着剤10に紫外線を照射し硬化させ、半導体部品4を基材2に接着固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
ICチップなどの半導体部品が実装された半導体装置を製造する場合、半導体部品を接着剤によって接合対象部材(基材)に固定することが広く行われている。従来では、このような接合に際し熱硬化型接着剤が一般的に用いられており、例えば熱硬化型接着剤を塗布した基材上に半導体部品を載置した後、加熱して熱硬化型接着剤を硬化させることにより、半導体部品を基材上に固定している。
この熱硬化型接着剤は、電気炉などの加熱炉の中で加熱する必要があるが、一度に多くの半導体装置を製造する場合には、電気炉を大型化せざるを得ず、製造設備の省スペース化及び低コスト化を図ることが難しかった。また、熱硬化型接着剤の硬化には、比較的長い時間を要するため、生産性の面でも問題があった。他方、市場では赤外線硬化型の接着剤なども提供されているが、赤外硬化型の接着剤を用いる場合には、短時間に高温(例えば300〜400℃)となって炭化してしまうといった問題が懸念される。
これらの問題を解消するためには、特許文献1、2のように紫外線硬化型の接着剤を用いることが望ましいといえる。
例えば、特許文献1には、透明な基体(21)に格子状または網目状の遮光膜(22)を形成したのち、基体(21)の裏面側から紫外線UVを照射し、遮光膜(22)の格子または網目の中に紫外線硬化樹脂よりなる光学機能素子(23)を形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、透明ガラスまたは透光性樹脂等から作られた紫外光を透過するビーズ(6)を混入してなるUV硬化樹脂接着剤(2’)を基板(1)上に塗布し、この基板(1)上に半導体ペレット(8)を載置した後、基板全体に紫外光(5)を照射してUV硬化樹脂接着剤(2’)を硬化させ、半導体ペレット(8)を基板(1)に接着する技術が開示されている。
特開2010−80224号公報 特開平6−275661号公報
ところで、紫外線硬化型接着剤を用いる場合、加熱炉の中で一様に加熱することで硬化する熱硬化型接着剤とは異なり、接着剤全体を良好に硬化させることが難しいという問題がある。特に半導体部品と基材との間に紫外線硬化型接着剤を介在させて接合する場合、半導体部品と基材の間を通すように紫外線を照射しなければならないため、紫外線を接着剤全体に行き届くように照射することが難しく、その結果、局所的に或いは全体的に十分な接合強度が確保されないという懸念があった。
この問題は、上記特許文献1のように、基材(基体)が透明であれば、基材の一方面側(裏面側)から紫外線を照射することができるため、ある程度は解消することができる。しかしながら、基材の透明性が低い場合には特許文献1のような方法を採用することはできない。
一方、特許文献2の方法では、紫外線硬化型接着剤の内部に多数のビーズを含有させているため、紫外線が側方から照射された場合であってもこれらビーズによって紫外線をある程度拡散させることができる。しかしながら、この方法では、紫外光がビーズ内を透過しやすいため、ビーズ表面で十分な拡散光(反射光)を生じさせにくいという問題がある。また、紫外光がビーズ内を透過する際の損失も大きいため、接着剤全体に十分な紫外光を行き渡らせることが難しい。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、紫外線硬化型接着剤によって半導体部品と基材とを接合する半導体装置の製造方法及び半導体装置において、紫外線硬化型接着剤による接着強度を増大させることを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、第1の発明は、半導体部品を基材に接合する接合工程を含んだ半導体装置の製造方法であって、前記接合工程は、前記半導体部品と前記基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置もしくは形成する工程と、紫外線硬化型接着剤を前記基材側及び前記半導体部品側の少なくともいずれかに形成する接着層形成工程と、前記半導体部品と前記基材との間に前記紫外線硬化型接着剤を介在させて前記基材上に前記半導体部品を配置する配置工程と、前記基材の側面側から前記紫外線硬化型接着剤に対して紫外線を照射する照射工程と、を含むことを特徴とする。
また、第2の発明は、半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置もしくは形成するとともに、紫外線硬化型接着剤を介して前記半導体部品を前記基材上に配置し、前記基材の側面側から前記紫外線硬化型接着剤に対して紫外線を照射して形成されたことを特徴とする。
請求項1の発明では、半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置もしくは形成するとともに、紫外線硬化型接着剤を基材側及び半導体部品側の少なくともいずれかに塗布(形成)し、基材の側面側から紫外線硬化型接着剤に対して紫外線を照射し、半導体部品を基材に接合するようにしている。
この方法によれば、半導体部品と基材の間に配された紫外線硬化型接着剤に対し側方から紫外線を照射して当該紫外線硬化型接着剤を硬化させることができ、半導体部品と基材とを良好に接合することができる。
特に、半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置もしくは形成しているので、紫外線照射時にこの部材により紫外線を確実に反射させることができ、接着剤内部で紫外線を多方向に拡散させることができる。これにより、接着剤の内部においてより全体的に紫外線が行き届くことになるため、より硬化作用を高めることができ、ひいては、半導体部品と基材との接合強度をより一層高めることができる。
請求項2の発明では、紫外線硬化型接着剤が、表面に紫外線反射加工が施された粒子を含有している。このように、紫外線硬化型接着剤の内部には、表面に紫外線反射加工が施された粒子が含有されているため、紫外線照射時に粒子表面で紫外線を確実に反射させることができ、接着剤内部で紫外線を多方向に拡散させることができる。
請求項3の発明では、紫外線硬化型接着剤に含まれる粒子において、表面部に金属材料が配されている。
この方法によれば、紫外線を粒子表面部でより確実に反射させることができる。また、接着剤の内部に金属材料が散在するため、最終的に得られる半導体装置において放熱性を高めることができる。
請求項4の発明では、照射工程で照射される紫外線が紫外線硬化型接着剤に含まれる粒子の内部を透過しないように構成されている。
この方法によれば、粒子表面部で反射する紫外線の量をより多くすることができる。また、紫外線が粒子内を透過しないため粒子内透過による紫外線エネルギー減少が少なくなり、接着剤の内部においてより隅々まで紫外線を行き渡らせることができる。
請求項5の発明では、更に、基材における紫外線硬化型接着剤が配置される側に溝状の凹凸面を形成する凹凸面形成工程を含んでおり、配置工程では、凹凸面形成工程によって形成された凹凸面と半導体部品との間に紫外線硬化型接着剤を介在させて凹凸面上に半導体部品を配置している。
この方法では、半導体部品と基材との間において、紫外線硬化型接着剤が凹凸面に形成された凹凸の内部に入り込むように介在することになるため、基材において接着剤との接着面積を十分に確保することができ、接着強度をより高めることができる。また、基材の接合側が凹凸状となっているため、基材と半導体部品との間隔に制約があっても、接着剤の高さを確保しやすくなる。
請求項6の発明では、凹凸面形成工程において、凹凸面の表面に紫外線反射加工を施す反射加工工程を行っている。この方法によれば、照射された紫外線を凹凸面の表面付近でより多方向に拡散させることができるため、紫外線を接着剤の隅々まで行き渡らせることができ、接着剤全体の硬化を促進することができる。
請求項7の発明では、照射工程において、基材の一方の端部及び基材の他方の端部の少なくともいずれかの側から凹凸面の溝内を通すように紫外線を照射するようにしている。
この構成によれば、側方から照射される紫外線を溝内の隅々まで行き渡らせることができ、特に溝付近の接合強度を確実に高めることができる。
請求項8の発明では、各工程で用いられる基材及び半導体部品が、紫外線の透過されない紫外線非透過性部材を主体として構成されている。
このような構成では、半導体部品側から或いは基材側から紫外線を照射することが難しいため、主として半導体部品及び基材の側方から紫外線を照射しなければならず、接着強度の低下が特に懸念される。しかしながら、本発明では、側方から紫外線を照射する場合であっても接着を確実に行うことができるため、上記構成の場合に特に有益である。
請求項9の半導体装置は、半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材が配置もしくは形成されているとともに、紫外線硬化型接着剤を介して半導体部品が基材上に配置され、基材の側面側から紫外線硬化型接着剤に対して紫外線が照射されて形成されている。この構成では、半導体部品と基材とが高い接着強度で接合された半導体装置を実現することができる。
請求項10の半導体装置は、紫外線硬化型接着剤が、表面に紫外線反射加工が施された粒子を含有している。このように、紫外線硬化型接着剤の内部には、表面に紫外線反射加工が施された粒子が含有されているため、紫外線照射時に粒子表面で紫外線を確実に反射させることができ、接着剤内部で紫外線を多方向に拡散させることができるので、紫外線硬化型接着剤による接着強度を増大させることができる。
請求項11の半導体装置は、紫外線硬化型接着剤に含まれる粒子において、表面部に金属材料が配されている。このため、紫外線を粒子表面部でより確実に反射させることができ、半導体部品と基材との接着強度をより高めることができる。また、接着剤の内部に金属材料が散在するため、放熱性を高めることができる。
請求項12の半導体装置は、紫外線硬化型接着剤に含まれる粒子は、紫外線が当該粒子の内部を透過しないように構成されている。このため、粒子表面部で反射する紫外線の量をより多くすることができる。また、紫外線が粒子内を透過しないため粒子内透過による紫外線エネルギー減少が少なくなり、接着剤の内部においてより隅々まで紫外線を行き渡らせることができ、半導体部品と基材との接着強度をより高めることができる。
請求項13の半導体装置は、更に、基材における紫外線硬化型接着剤が配置される側に溝状の凹凸面が形成されており、凹凸面と半導体部品との間に紫外線硬化型接着剤を介在させて凹凸面上に半導体部品が接着されている。この構成では、半導体部品と基材との間において、紫外線硬化型接着剤が凹凸面に形成された凹凸の内部に入り込むように介在することになるため、基材において接着剤との接着面積を十分に確保することができ、接着強度をより高めることができる。また、基材の接合側が凹凸状となっているため、基材と半導体部品との間隔に制約があっても、接着剤の高さを確保しやすくなる。
請求項14の半導体装置は、凹凸面の表面に紫外線反射加工が施されている。この構成では、照射された紫外線が凹凸面の表面付近でより多方向に拡散されるため、紫外線を接着剤の隅々まで行き渡らせることができ、半導体部品と基材との接着強度をより高めることができる。
請求項15の半導体装置は、基材の一方の端部及び基材の他方の端部の少なくともいずれかの側から凹凸面の溝内を通すように紫外線を照射して形成されている。この構成によれば、側方から照射される紫外線を溝内の隅々まで行き渡らせることができ、特に溝付近の接合強度を確実に高めることができる。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における照射工程を説明する図であり、紫外線の光源を基材の側面側に配置した場合を示している。 図2は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における照射工程を説明する図であり、紫外線の光源を基材の上方側に配置した場合を示している。 図3(A)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図3(B)は、図3(A)のA1−A1断面図であって、照射工程を説明する図である。 図4(A)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図4(B)は、図4(A)のA2−A2断面図であって、照射工程を説明する図である。 図5(A)は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図5(B)は、図5(A)のA3−A3断面図であって、照射工程を説明する図である。 図6(A)は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図6(B)は、図6(A)のA4−A4断面図であって、照射工程を説明する図である。 図7(A)は、第2実施形態における他の変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図7(B)は、図7(A)のA5−A5断面図であって、照射工程を説明する図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、詳細に説明する。
本発明では、半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置し、半導体部品を基材に接合するようにしている。具体的には、表面に紫外線反射加工が施された粒子を含有した紫外線硬化型接着剤を用いて、基材に半導体部品を接着するようにしている。
本実施形態において用いられる紫外線硬化型接着剤(以下、単に「接着剤」ともいう。)は、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂などを用いることができる。この接着剤は、ペースト状であってもよく、半硬化状態のシート状であってもよい。そして、この紫外線硬化型接着剤に混合される粒子は表面に紫外線反射加工が施されており、紫外線反射率が比較的高くなるように構成されている。本実施形態では、粒子の表面部に金属材料を配することで、紫外線反射加工を施している。また、この粒子は、後述する照射工程で照射される紫外線が当該粒子の内部を透過しないように構成されている。具体的に、紫外線硬化型接着剤に混合される粒子としては、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル、クロム、ステンレス、ロジウム、銅、またはこれらの合金などを主として構成される金属粒子や、アクリルなどの樹脂やガラス等からなる粒子の表面に上述の金属がコーティングされたもの(以下、単に「金属コーティング粒子」ともいう)を用いることができる。金属コーティング粒子は、例えば、電気メッキや電解メッキなどの湿式メッキ、スパッタリングや真空蒸着などの乾式メッキ等の方法によって表面に金属層が形成されている。これら金属粒子及び金属コーティング粒子は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい(すなわち、金属粒子と金属コーティング粒子とが混在していてもよい)。なお、説明の便宜上、以下では、金属粒子及び金属コーティング粒子を「反射粒子」ともいう。また、反射粒子は、「紫外線を反射すべく部材」及び「表面に紫外線反射加工が施された粒子」の一例に相当する。
この反射粒子の形状は、例えば、球状、立方体や直方体などの多面体状、平板状等とすることができる。この中でも好ましくは、球状がよい。反射粒子の形状を球状とすることで、照射角度に依らず一様に紫外線を反射することができるため、接着剤内で紫外光が局在化し難くなり、より均一に接着剤を硬化させることができる。また、反射粒子は、照射される紫外線を乱反射させる形状にすることが好ましいが、紫外線を鏡面反射させる形状を有していてもよい。例えば、反射粒子の表面につや消し加工を施すことで、より紫外線を乱反射させることができる。
反射粒子の粒子径(多面体の場合は長径)は、10〜100μm、より好ましくは10〜20μmの範囲内にあるとよい。反射粒子の粒子径が10μm未満になると、比表面積が大きくなって凝集力が強くなり、接着剤内で分散し難くなるためである。また、100μmを超えると、接着剤全体の高さが高くなりすぎ、半導体装置のサイズ等に影響を及ぼすためである。なお、反射粒子の粒子径は、用いる接着剤の粘度や接着剤が形成される側の基材の形状に応じて、適宜変更することができる。また、異なる粒子径の反射粒子を混合して用いてもよい。
接着剤中の反射粒子の体積比率は、5〜70%、より好ましくは10〜50%の範囲内にあるとよい。接着剤中の反射粒子の体積比率が5%未満になると、接着剤内に紫外光が均一に行き届かなくなる虞があり、また、70%を超えると、接着剤自体の割合が低くなりすぎ、接着強度が低下するためである。なお、接着剤中の反射粒子の体積比率は、紫外線の照射強度等に応じて適宜変更することができる。
次に、上述の反射粒子11を含有した紫外線硬化型接着剤を用いた半導体装置の製造方法について、図1及び図2等を参照して説明する。特に、本実施形態では、半導体部品4を基材2に接合する接合工程について主に説明する。また、本実施形態では、プリント基板やヒートシンクなどから構成される基材2に設けられたアイランド部3に、LSIやトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサなどから構成される半導体部品4が固定されてなる半導体装置1を例に挙げて説明する。なお、基材2及び半導体部品4は、紫外線の透過されない紫外線非透過性部材を主として構成されている。
また、図1は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における照射工程を説明する図であり、紫外線の光源を基材の側面側に配置した場合を示している。図2は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における照射工程を説明する図であり、紫外線の光源を基材の上方側に配置した場合を示している。
本発明の半導体装置の製造方法における接合工程では、半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置する工程と、接着層を形成する接着層形成工程と、半導体部品を基材上に配置する配置工程と、接着層に対して紫外線を照射する照射工程を少なくとも行うようにしている。以下、それぞれの工程を順に説明する。
まず、基材2のアイランド部3に、予め反射粒子11を含有させた紫外線硬化型接着剤10を形成する。接着剤10の形成方法は、特に限定されず、例えば、接着剤10がペースト状であれば、ディスペンサ等を用いてアイランド部3に形成してもよいし、スクリーン印刷により印刷塗布してもよく、更には、スピンコートにより塗布することもできる。また、接着剤10がシート状であれば、アイランド部3及び半導体部品4の形状に応じたサイズのものを載置する。なお、反射粒子11を含有させた紫外線硬化型接着剤10を基材2に形成する工程は、「紫外線を反射すべく部材を配置する工程」及び「接着層形成工程」の一例に相当する。
次に、接着剤10を介在させた状態で基材2のアイランド部3に半導体部品4を配置する。このとき、半導体部品4を基材2上に載置するようにして配置してもよく、基材2側から半導体部品4に接触させるようにして配置することもできる。なお、半導体部品4を基材2のアイランド部3に載置する工程は、「配置工程」の一例に相当する。
次に、アイランド部3と半導体部品4の間に形成された接着剤10に対して紫外線を照射する。紫外線の光源は、例えば、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどを用いることができ、公知の紫外線照射装置などを利用することができる。また、紫外線の照射温度は、特に限定されず、例えば、室温で行うことができる。更に、紫外線の照射雰囲気は特に限定されず、大気中で行ってもよく、窒素やアルゴンなどの不活性ガス中や真空中で行ってもよい。そして、紫外線は、図1に示すように、基材2の側面側から接着剤10内に紫外光が届くように照射する。なお、設置スペースの制限などによって、紫外線の光源を基板2の側面側に配置することができない場合などには、例えば、図2に示すように、ミラーやレンズ、プリズムなどの導光部材30を用いて、紫外線を基板2の側面側から接着剤10へ照射することができる。なお、接着剤10に対して紫外線を照射する工程は、「照射工程」の一例に相当する。
図1若しくは図2のように、紫外線を接着剤10に対して照射すると、接着剤10内の反射粒子11によって紫外光が拡散されて接着剤10内に一様に行き渡り、接着剤10が硬化し、半導体部品4と基材2とが接着固定されることとなる。なお、紫外線の照射時間及び照射強度(照射光量)などの照射条件は、接着剤10の厚さや接着剤10の種類、半導体装置のサイズなどに応じて適宜変更することができる。そしてこのように、半導体部品4と基材2とが接着固定された後、ボンディング工程や封止工程などを経て半導体装置1を得ることができる。
以上説明したように、本第1実施形態に係る半導体装置1の製造方法によれば、半導体部品4と基材2との間に紫外線を反射すべく部材を配置するとともに、紫外線硬化型接着剤10を基材2側及び半導体部品4側の少なくともいずれかに塗布(形成)し、基材2の側面側から紫外線硬化型接着剤10に対して紫外線を照射し、半導体部品4を基材2に接合するようにしている。
この方法によれば、半導体部品4と基材2の間に配された紫外線硬化型接着剤10に対し側方から紫外線を照射して当該紫外線硬化型接着剤10を硬化させることができ、半導体部品4と基材2とを良好に接合することができる。
特に、半導体部品4と基材2との間に紫外線を反射すべく部材を配置しているので、紫外線照射時にこの部材により紫外線を確実に反射させることができ、接着剤10の内部で紫外線を多方向に拡散させることができる。これにより、接着剤10の内部においてより全体的に紫外線が行き届くことになるため、より硬化作用を高めることができ、ひいては、半導体部品4と基材2との接合強度をより一層高めることができる。
そして、紫外線硬化型接着剤10が、表面に紫外線反射加工が施された反射粒子11を含有している。このように、紫外線硬化型接着剤10の内部には、表面に紫外線反射加工が施された反射粒子11が含有されているため、紫外線照射時に粒子表面で紫外線を確実に反射させることができ、接着剤10の内部で紫外線を多方向に拡散させることができる。
更に、紫外線硬化型接着剤10に含まれる反射粒子11において、表面部に金属材料が配されている。
この方法によれば、紫外線を粒子表面部でより確実に反射させることができる。また、接着剤10の内部に金属材料が散在するため、最終的に得られる半導体装置1において放熱性を高めることができる。
また、照射工程で照射される紫外線が紫外線硬化型接着剤10に含まれる反射粒子11の内部を透過しないように構成されている。
この方法によれば、粒子表面部で反射する紫外線の量をより多くすることができる。また、紫外線が粒子内を透過しないため粒子内透過による紫外線エネルギー減少が少なくなり、接着剤10の内部においてより隅々まで紫外線を行き渡らせることができる。
また、各工程で用いられる基材2及び半導体部品4が、紫外線の透過されない紫外線非透過性部材を主体として構成されている。
このような構成では、半導体部品4側から或いは基材2側から紫外線を照射することが難しいため、主として半導体部品4及び基材2の側方から紫外線を照射しなければならず、接着強度の低下が特に懸念される。しかしながら、本発明では、側方から紫外線を照射する場合であっても接着を確実に行うことができるため、上記構成の場合に特に有益である。
また、本第1実施形態の半導体装置1では、半導体部品と基材との接着強度をより高めることができる。さらに、接着剤10の内部に金属材料が散在するため、放熱性も高めることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4に示すように、本第2実施形態では、半導体部品4が配置される基材2のアイランド部3の表面に溝状の凹凸面20を形成する凹凸面形成工程を有している点が、上記第1実施形態の構成と主に異なる。したがって、第1実施形態の構成と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図3(A)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図3(B)は、図3(A)のA1−A1断面図であって、照射工程を説明する図である。図4(A)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図4(B)は、図4(A)のA2−A2断面図であって、照射工程を説明する図である。
以下、第2実施形態の半導体装置1の製造方法について、図3及び図4等を参照して説明する。
本第2実施形態の半導体装置1の製造方法における接合工程では、半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材を形成する工程と、基材に溝状の凹凸面20を形成する凹凸面形成工程と、接着層を形成する接着層形成工程と、半導体部品4を基材2上に配置する配置工程と、接着層に対して紫外線を照射する照射工程を少なくとも行うようにしている。以下、それぞれの工程を順に説明する。
まず、アイランド部3の表面に、溝状の凹凸面20を形成する。この凹凸面20は、具体的に、スリット溝から構成され、凹凸面20において、基材2の一方の端部から他方の端部に連通するように形成されている。このスリット溝の数及び幅は特に限定されず、半導体装置1のサイズなどに応じて適宜変更することができる。そして、スリット溝は、図3に示すように、アイランド部3の表面から突出するように構成される凸状溝21からなっていてもよく、図4に示すように、アイランド部3の表面から凹んで構成される凹状溝22からなっていてもよい。この溝は、例えば、10〜20μmの高さで構成することができるが、特にこれに限定されず、用いる接着剤の粘度や添加剤等の大きさなどに応じて、適宜変更することができる。なお、スリット溝は、「溝部」の一例に相当する。
また、凹凸面20は、表面に紫外線反射加工が施されて構成される。この凹凸面20は、例えば、銀などの金属を主体として構成され、例えば、電気メッキや電解メッキなどの湿式メッキ、スパッタリングや真空蒸着など乾式メッキ等の方法によってアイランド部3の表面に所定の厚さの金属層を形成した後、エッチングによって所定の高さの溝を設けることで、形成することができる。また、凹凸面20は、溝形状に対応したマスクを用いてアイランド部3に金属層を積層させることで形成することができる。このように、凹凸面20を比較的紫外線反射率が高い銀などの金属を主体として構成することで、凹凸面20に紫外線反射加工が施されることとなる。また、アイランド部3側だけでなく、半導体部品4側に金属層を形成するなどして、紫外線反射加工を施してもよい。アイランド部3側と半導体部品4側の両方に、紫外線反射加工が施されていれば、照射された紫外線をより他方向に拡散させることができ、紫外線を接着剤の隅々まで十分に行き渡らせることができる。なお、基材2に凹凸面を形成する工程は、「凹凸面形成工程」の一例に相当する。また、基材2に金属層を形成する工程は、「紫外線を反射すべく部材を形成する工程」及び「反射加工工程」の一例に相当する。
次に、基材2のアイランド部3に、紫外線硬化型接着剤10を形成する。接着剤10の形成方法は、特に限定されず、ディスペンサやスクリーン印刷、スピンコートなどによって塗布することができる。そして、接着剤10を介在させた状態でアイランド部3に半導体部品4を配置し、アイランド部3と半導体部品4との間に形成された接着剤10に対して紫外線を照射する。このとき、図3(B)若しくは図4(B)に示すように、凸状溝21若しくは凹状溝22のスリット内に紫外線が通るように照射する(すなわち、基材2の一方の端部及び他方の端部からスリット溝の内部を通すように紫外線を照射する)。このように、紫外線を照射することで、接着剤10内により紫外光を行き渡らせることができる。そして、半導体部品4と基材2とが接着固定された後、ボンディング工程や封止工程などを経て半導体装置1を得ることができる。
以上説明したように、本第2実施形態に係る半導体装置1の製造方法によれば、基材2における紫外線硬化型接着剤10が配置される側に溝状の凹凸面20を形成する凹凸面形成工程を含んでおり、配置工程では、凹凸面形成工程によって形成された凹凸面20と半導体部品4との間に紫外線硬化型接着剤10を介在させて凹凸面20上に半導体部品4を配置している。
この方法では、半導体部品4と基材2との間において、紫外線硬化型接着剤10が凹凸面20に形成された凹凸の内部に入り込むように介在することになるため、基材2において接着剤10との接着面積を十分に確保することができ、接着強度をより高めることができる。また、基材2の接合側が凹凸状となっているため、基材2と半導体部品4との間隔に制約があっても、接着剤の高さを確保しやすくなる。
また、凹凸面形成工程において、凹凸面20の表面に紫外線反射加工を施す反射加工工程を行っている。この方法によれば、照射された紫外線を凹凸面20の表面付近でより多方向に拡散させることができるため、紫外線を接着剤10の隅々まで行き渡らせることができ、接着剤全体の硬化を促進することができる。
更に、照射工程において、基材2の一方の端部及び基材2の他方の端部の両側から凹凸面20の溝内を通すように紫外線を照射するようにしている。
この構成によれば、側方から照射される紫外線を溝内の隅々まで行き渡らせることができ、特に溝付近の接合強度を確実に高めることができる。
[第2実施形態の第1変形例]
次に、本発明の第2実施形態における第1変形例について、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6に示すように、第2実施形態における第1変形例では、上述の第2実施形態の構成に加えて、更に接着剤10に反射粒子11が含有されている点が、上記第2実施形態の構成と主に異なる。したがって、第2実施形態の構成と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図5(A)は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図5(B)は、図5(A)のA3−A3断面図であって、照射工程を説明する図である。図6(A)は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する図であり、図6(B)は、図6(A)のA4−A4断面図であって、照射工程を説明する図である。
本第1変形例では、基材2のアイランド部3は、表面に、図5若しくは図6に示すように、凸状溝21若しくは凹状溝22が形成されており、凹凸面20を有している。この凹凸面20が形成されたアイランド部3に、反射粒子11を含有させた接着剤10を形成し、この接着剤10を介して半導体部品4を配置して、図5(B)若しくは図6(B)に示すように、凸状溝21若しくは凹状溝22のスリット内に紫外線が通るように照射する。このとき、図6(B)に示すように、凹状溝22の場合は、紫外線を斜め上方側から照射することで、紫外線を接着剤の隅々までより行き渡らせることができる。そして、半導体部品4と基材2とが接着固定された後、ボンディング工程や封止工程などを経て半導体装置1を得ることができる。
なお、このように凹凸面20が形成されたアイランド部3に、反射粒子11を含有させた接着剤10を形成する構成では、この凹凸面20の溝幅は、反射粒子11よりも大きく構成することが望ましい。図5及び図6に示すように、凹凸面20の溝幅を反射粒子11よりも大きく構成することで、溝内においても紫外線がより乱反射されやすくなるからである。
このように、本第1変形例では、更に、基材2における紫外線硬化型接着剤10が配置される側に溝状の凹凸面20を形成する凹凸面形成工程を含んでおり、配置工程では、凹凸面形成工程によって形成された凹凸面20と半導体部品4との間に、表面に紫外線反射加工が施された反射粒子11を含有した紫外線硬化型接着剤10を介在させて凹凸面20上に半導体部品4を配置している。
この方法では、半導体部品4と基材2との間において、紫外線硬化型接着剤10が凹凸面20に形成された凹凸の内部に入り込むように介在することになるため、基材2において接着剤10との接着面積を十分に確保することができ、接着強度をより高めることができる。また、基材2の接合側が凹凸状となっているため、基材2と半導体部品4との間隔に制約があっても、接着剤10の高さを確保しやすくなる。
特に、紫外線硬化型接着剤10の内部には、表面に紫外線反射加工が施された反射粒子11が含有されているため、紫外線照射時に粒子表面で紫外線を確実に反射させることができ、接着剤内部で紫外線を多方向に拡散させることができる。これにより、接着剤10の内部においてより全体的に紫外線が行き届くことになるため、より硬化作用を高めることができ、ひいては、半導体部品4と基材2との接合強度をより一層高めることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記第1実施形態では、予め反射粒子11を含有させた紫外線硬化型接着剤10を基材2のアイランド部3に形成する例を示したが、これに限定されない。例えば、アイランド部3に接着層を形成した後に、反射粒子11を散布するなどして接着層内に配置するようにしてもよい。
上記各実施形態では、基材2及び半導体部品4は、紫外線の透過されない紫外線非透過性部材を主として構成された例を示したが、これに限定されず、紫外線を透過可能な部材から構成されていてもよい。
上記各実施形態では、接着層形成工程において、基材2側に接着剤10を形成する例を示したが、これに限定されず、接着剤10を半導体部品4側に形成してもよく、基材2及び半導体部品4の両方に形成してもよい。
上記各実施形態では、基材2の一方の端部及び他方の端部の両側から紫外線を照射する例を示したが、これに限定されず、いずれかの側から紫外線を照射するようにしてもよい。
上記第2実施形態及びその変形例では、凹凸面の断面が略矩形状に形成された例を示したが、凹凸面の形状はこれに限定されず、例えば、図7に示すように、凹凸面20の断面が略三角形状となるように構成することもできる。
1…半導体装置
2…基材
3…アイランド部
4…半導体部品
10…紫外線硬化型接着剤
11…反射粒子(粒子)
20…凹凸面
21…凸状溝
22…凹状溝
30…導光部材

Claims (15)

  1. 半導体部品を基材に接合する接合工程を含んだ半導体装置の製造方法であって、
    前記接合工程は、
    前記半導体部品と前記基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置もしくは形成する工程と、
    紫外線硬化型接着剤を前記基材側及び前記半導体部品側の少なくともいずれかに形成する接着層形成工程と、
    前記半導体部品と前記基材との間に前記紫外線硬化型接着剤を介在させて前記基材上に前記半導体部品を配置する配置工程と、
    前記基材の側面側から前記紫外線硬化型接着剤に対して紫外線を照射する照射工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記紫外線硬化型接着剤は、表面に紫外線反射加工が施された粒子を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記粒子は、表面部に金属材料が配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記粒子は、前記照射工程で照射される紫外線が当該粒子の内部を透過しないように構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記基材における前記紫外線硬化型接着剤が配置される側に溝状の凹凸面を形成する凹凸面形成工程を含み、
    前記配置工程では、前記凹凸面形成工程によって形成された前記凹凸面と前記半導体部品との間に前記紫外線硬化型接着剤を介在させて前記凹凸面上に前記半導体部品を配置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記凹凸面形成工程は、前記凹凸面の表面に紫外線反射加工を施す反射加工工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記照射工程では、前記基材の一方の端部及び前記基材の他方の端部の少なくともいずれかの側から前記凹凸面の溝内を通すように前記紫外線を照射することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記基材及び前記半導体部品は、紫外線の透過されない紫外線非透過性部材を主体として構成されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 半導体部品と基材との間に紫外線を反射すべく部材を配置もしくは形成するとともに、紫外線硬化型接着剤を介して前記半導体部品を前記基材上に配置し、前記基材の側面側から前記紫外線硬化型接着剤に対して紫外線を照射して形成されたことを特徴とする半導体装置。
  10. 前記紫外線硬化型接着剤は、表面に紫外線反射加工が施された粒子を含有してなることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記粒子は、表面部に金属材料が配されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記粒子は、紫外線が当該粒子の内部を透過しないように構成されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記基材における前記紫外線硬化型接着剤が配置される側に溝状の凹凸面が形成されており、前記凹凸面と前記半導体部品との間に前記紫外線硬化型接着剤を介在させて前記凹凸面上に前記半導体部品が接着されていることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の半導体装置。
  14. 前記凹凸面の表面に紫外線反射加工が施されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記基材の一方の端部及び前記基材の他方の端部の少なくともいずれかの側から前記凹凸面の溝内を通すように前記紫外線を照射して形成されたことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の半導体装置。
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