JP3971871B2 - 間接接着構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の印字ヘッドとして用いられるインクジェットヘッドやスキャナとして用いられる個体撮像素子(CCD)などのワークと、該ワークを保持するためのワーク保持部材とを、中間保持部材を用いて光硬化型接着剤により間接的に接着固定した間接接着構造体(以下、単に「間接接着構造」という。)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の間接接着構造として、本出願人は、例えば、図12に示すように、上記ワークとしてのインクジェットヘッド1を、上記ワーク保持部材としてのヘッド保持部材2に対して、中間保持部材3を用いて光硬化型接着剤4により間接的に接着固定するインクジェットヘッドの取付け構造を提案した(特開平10−309801号公報)。
【0003】
この間接接着構造における間接接着方法としては、まず、図13(a)に示すように、インクジェットヘッド1とヘッド保持部材2との間隔dや取付中心軸Oの位置及び角度などが、取付け後の狙いとする適正値となるように、インクジェットヘッド1とヘッド保持部材2とを、図示しない位置調整手段によって所定の位置関係を保つように位置決めして保持する。次いで、図13(b)に示すように、中間保持部材3のインクジェットヘッド1に接着される第1の接着面とヘッド保持部材2に接着される第2の接着面に、光硬化型接着剤4を塗布した後、この中間保持部材3を、その第1及び第2の各接着面が該インクジェットヘッド1及びヘッド保持部材2の接着面に対向するように配設する。そして、図13(c)に示すように、中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4がインクジェットヘッド1及びヘッド保持部材2の接着面に付着した状態で、該光硬化型接着剤4に光5を照射して該光硬化型接着剤を硬化させることにより、インクジェットヘッド1とヘッド保持部材2とを中間保持部材3を介して間接的に接着固定している。
【0004】
なお、ここでは、上記ワークとしてインクジェットヘッドを例示したが、該ワークとしては、例えば、特開平7−297992号公報に示す個体撮像素子(CCD)や該個体撮像素子が取付けられた基板などであってもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の従来の間接接着構造においては、上記中間保持部材3として非透明体で形成されたものを使用した場合、中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4の硬化に時間が掛かる。このため、この場合には、インクジェットヘッド1及びヘッド保持部材2と中間保持部材3との接着工程の所要時間が、例えば、光硬化型接着剤4の量が、数mm2(面積)×数μm(厚さ)の場合に、数10秒から数100秒と長くなって生産性が低下する不具合を招く。
また、中間保持部材3が非透明体の場合には、中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4の全域に亘って光5をほぼ均一に照射させることが困難になるため、場合によっては、該接着工程において光硬化型接着剤4の未硬化部分が残ってしまうことがある。この場合、この未硬化部分の光硬化型接着剤4の硬化が経時的に進行することによって、インクジェットヘッド1とヘッド保持部材2との位置関係に狂いが生じることがあった。
【0006】
一方、中間保持部材3として透明体で形成されたものを使用した場合には、光硬化型接着剤4を硬化させる光5に、200〜400nm程度の短波長成分が存在していると、該光5の照射時間や強度に応じて、中間保持部材3が黄色に変色して、その光透過率が低下することがある。このように、中間保持部材3の光透過率が低下した場合には、光硬化型接着剤4を硬化させるための光5の照射時間が長くなるため、この光5の照射により、インクジェットヘッド1及びヘッド保持部材2と中間保持部材3との接着面が加熱され、該接着面の熱変形によってインクジェットヘッド1とヘッド保持部材2との位置関係に狂いが生じることがあった。
【0007】
そこで、この種の従来の間接接着構造においては、光5の照射時間や強度によって光透過率が低下することが極めて少ない透明な素材(例えば、クリスタルガラス)で形成した中間保持部材を使用していた。しかしながら、このような素材からなる中間保持部材を用いた場合には、その脆性に対する機械的強度を向上させるために、他の素材を用いた場合よりも中間保持部材の厚さを大きくする必要がある。このため、図12に示したようなインクジェットヘッド1を複数個並置させた場合には、該中間保持部材の厚さが大きくなることにより、各インクジェットヘッド1の設置間隔が増大して、ユニットの大型化を招く不具合がある。
また、このような素材で形成した中間保持部材は、例えば、ポリエステルフィルム、PET、ポリウレタン、アルミニウム等の他の素材からなる透明体や非透明体で形成した中間保持部材に比べて、その材料費が数倍から数十倍になってしまうため、非常に高価になる不具合があった。
【0008】
ところで、中間保持部材に塗布された光硬化型接着剤のほぼ全域に亘って、光をほぼ均一に照射させることができれば、安価な素材からなる中間保持部材を用いて間接接着構造を構成した場合の不具合を解消することが可能になる。
すなわち、光硬化型接着剤のほぼ全域に亘って光をほぼ均一に照射できれば、該光硬化型接着剤の硬化に要する時間を短縮させることが可能になる。この結果、中間保持部材として非透明体で形成されたものを使用した場合であっても、ワーク及びワーク保持部材と中間保持部材との接着工程の所要時間を短縮することができ、生産性の低下を解消できる。
また、非透明体の中間保持部材に塗布された光硬化型接着剤の全域に亘って光をほぼ均一に照射させることができれば、該接着工程において光硬化型接着剤に未硬化部分が残ってしまうことがなくなるので、光硬化型接着剤の経時的な硬化によるワークとワーク保持部材との位置関係の狂いも生じることがなくなる。
【0009】
更に、中間保持部材として安価な透明体で形成されたものを使用した場合でも、該中間保持部材に塗布された光硬化型接着剤の全域に亘って光をほぼ均一に照射させることができれば、該光硬化型接着剤の硬化に要する時間を短縮させることが可能になるので、該中間保持部材が黄色に変色して、その光透過率が低下する前に、該光硬化型接着剤を硬化させることが可能になる。この結果、光照射によるワーク及びワーク保持部材と中間保持部材との接着面の加熱に伴う該接着面の熱変形を防止することができるようになる。
なお、上記光硬化型接着剤としては、光の照射により硬化するものであればどのようなものでもよいが、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型接着剤を用いることが、その硬化時間を短縮する上で好ましい。
【0010】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、中間保持部材に塗布された光硬化型接着剤のほぼ全域に亘って、光をほぼ均一に照射させることができる間接接着構造体の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定の位置関係を保つように配置されたワークと該ワークを保持するためのワーク保持部材とを、該ワークに接着される第1の接着面と該ワーク保持部材に接着される第2の接着面とを有する中間保持部材を用いて、該中間保持部材と該ワーク及びワーク保持部材との間に塗布された光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより間接的に接着定して、間接接着構造体を製造する間接接着構造体の製造方法において、上記ワーク及びワーク保持部材として、光硬化型接着剤が接着される接着面が光を反射する反射面で形成されているものを使用し、上記中間保持部材として、該光硬化型接着剤が充填される接着面に開口し、内壁面が光を反射する反射面で形成された貫通孔を有しているものを使用し、該ワークとワーク保持部材とを所定の間隔を保って位置決めし、上記第1及び第2の各接着面が該ワーク及びワーク保持部材の接着面に対向するように該中間保持部材を配設した後、該中間保持部材の貫通孔に光硬化型接着剤を充填し、該中間保持部材の貫通孔に充填された光硬化型接着剤が該ワーク及びワーク保持部材の接着面に付着した状態で、該貫通孔を介して光を照射することにより該光硬化型接着剤を硬化させることを特徴とするものである。
【0012】
この間接接着構造体の製造方法においては、まず、ワークとワーク保持部材との間隔や取付中心軸の位置及び角度などが、取付け後の狙いとする適正値となるように、ワークとワーク保持部材とが、所定の位置関係を保つように位置決めされる。次いで、中間保持部材の第1及び第2の各接着面が、該ワーク及びワーク保持部材の接着面に対向するように、該中間保持部材が配設される。その後、この中間保持部材に設けた貫通孔に光硬化型接着剤が充填される。そして、この中間保持部材の充填穴に充填された光硬化型接着剤が、該ワーク及びワーク保持部材の接着面に付着した状態で、該貫通孔を介して光が照射される。これにより、該光硬化型接着剤が硬化されて、ワークとワーク保持部材とが中間保持部材を介して間接的に接着固定される。この方法においては、位置決めされたワーク及びワーク保持部材の接着面に対向するように、中間保持部材が配設された後、この中間保持部材の貫通孔からなる充填穴に光硬化型接着剤が充填されるので、該充填穴に充填された光硬化型接着剤が自重により垂れ落ちたり偏ったりすることがなく、また、該光硬化型接着剤が該ワーク及びワーク保持部材の接着面に確実に付着されるようになる。
ここで、ワーク及びワーク保持部材における光硬化型接着剤が接着される接着面は光を反射する反射面で形成されており、中間保持部材の貫通孔の内壁面も光を反射する反射面で形成されている。よって、中間保持部材の第1及び第2の各接着面とワーク及びワーク保持部材の接着面との間に充填された光硬化型接着剤に対して、貫通孔を介して該光硬化型接着剤を硬化させるための光を照射した際に、該光が該反射面により反射されることによって、該光硬化型接着剤のほぼ全域に亘って、該光がほぼ均一に照射されるようになる。これにより、光硬化型接着剤の硬化に要する時間を短縮させることが可能になる。従って、中間保持部材として非透明体で形成されたものを使用した場合であっても、ワーク及びワーク保持部材と中間保持部材との接着工程の所要時間を短縮することができ、生産性の低下を解消できる。また、該接着工程において光硬化型接着剤に未硬化部分が残ってしまうことがなくなるので、光硬化型接着剤の経時的な硬化によるワークとワーク保持部材との位置関係の狂いも生じることがなくなる。更に、この方法においては、透明あるいは非透明を問わない安価な素材で中間保持部材を形成することができるようになる。なお、ワーク及びワーク保持部材の各接着面、中間保持部材の貫通孔の内壁面に、光を反射する反射面を形成する方法としては、例えば、アルミ箔のような鏡面を有するフィルムを該接着面に貼付したり、蒸着により該接着面に鏡面状の薄膜を形成したりする方法を用いることができる。
また、この方法によれば、光を中間保持部材の非接着面側から照射して光硬化型接着剤を硬化させることができるので、該中間保持部材の接着面とワーク及びワーク保持部材の接着面との間に充填された光硬化型接着剤に対して、該光を直接照射することが困難な場合でも、該中間保持部材とワーク及びワーク保持部材とを、確実に接着固定することができるようになる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の間接接着構造体の製造方法において、上記中間保持部材として、材質が金属であるものを用いることを特徴とするものである。
【0014】
この間接接着構造体の製造方法においては、その中間保持部材の材質が金属であるので、該中間保持部材の貫通孔の内壁面の表面粗さを小さくする(具体的には、該内壁面を鏡面状に研磨する)だけで、該内壁面を光が反射する反射面とすることができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1又は2の間接接着構造体の製造方法において、上記中間保持部材として、上記貫通孔が複数個設けられたものを用いることを特徴とするものである。
【0020】
この間接接着構造体の製造方法においては、接着に必要な量の光硬化型接着剤を、複数個の貫通孔に分割して充填することができ、貫通孔1個当たりの光硬化型接着剤の充填量が少なくて済むので、各貫通孔の充填量を少なくすることができ、光硬化型接着剤の硬化に要する時間が更に短縮され、また、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りも少なくなる。更に、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤の、ワーク及びワーク保持部材の接着面に対する総和としての付着面積を増大させることができるので、該ワーク及びワーク保持部材と中間保持部材との接着強度を向上させることができる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3の間接接着構造体の製造方法において、上記中間保持部材として、上記貫通孔が、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤を表面張力で保持できる大きさに形成されたものを用いることを特徴とするものである。
【0022】
この間接接着構造体の製造方法においては、中間保持部材の貫通孔に充填された光硬化型接着剤が表面張力で保持されるので、該光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りが少なくなる。
【0025】
請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の間接接着構造体の製造方法において、上記中間保持部材として、上記貫通孔が、該中間保持部材の接着面側の開口が非接着面側の開口よりも小さなロート状に形成されたものを用いることを特徴とするものである。
【0026】
この間接接着構造体の製造方法においては、中間保持部材の貫通孔の内壁と該貫通孔に充填された光硬化型接着剤との、表面張力によるズリ応力が増大されるので、該光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りがより少なくなる。
【0027】
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の間接接着構造体の製造方法において、上記中間保持部材の貫通孔に光硬化型接着剤を充填した後、該貫通孔の、該中間保持部材の非接着面側の開口を透明薄板で覆ってから、該透明薄板を通じて該貫通孔へ光を照射することを特徴とするものである。
【0028】
この間接接着構造体の製造方法においては、中間保持部材の貫通孔に充填された光硬化型接着剤に対して、大気圧が該貫通孔の接着面側からのみ加わるようになるので、該光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りが更に少なくなる。
また、この間接接着構造体の製造方法においては、中間保持部材の貫通孔の非接着面側の開口を覆う薄板が透明なので、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤に対して、該中間保持部材の非接着面側から、光硬化型接着剤のほぼ全域に亘って、光をほぼ均一に照射させることができるようになる。
【0029】
請求項7の発明は、請求項6の間接接着構造体の製造方法において、上記透明薄板として、材質がガラスであるものを用いることを特徴とするものである。
【0031】
請求項8の発明は、請求項6の間接接着構造体の製造方法において、上記透明薄板として、材質が樹脂であるものを用いることを特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の参考例について説明する。
まず、図1乃至図4を参照して、インクジェットヘッドをワークとした場合の間接接着構造の一例について説明する。図1において、4個のインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」という)1は、図示しないインクボトルから供給されるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクを、それぞれのヘッド面に穿たれた複数の吐出孔1aを通して、各色毎にインク液滴にして適時吐出するように構成されている。
【0036】
また、各ヘッド1は、それぞれ4個のL字形状に形成された中間保持部材3を介して、ヘッド保持部材2に間接的に接着固定されている。すなわち、各中間保持部材3は、ヘッド1に接着される第1の接着面(ここでは水平面)と、ヘッド保持部材2に接着される第2の接着面(ここでは垂直面)とを有しており、図2及び図3に示すように、中間保持部材3の第1の接着面は、ヘッド1に形成されたほぼ水平な接着面に、光硬化型接着剤4により接着固定され、中間保持部材3の第2の接着面は、ヘッド保持部材2に形成されたほぼ垂直なヘッド保持壁2aからなる接着面に、光硬化型接着剤4により接着固定されるようになっている。
【0037】
このように、各ヘッド1が中間保持部材3を介してヘッド保持部材2に間接的に接着固定されることにより、間接接着構造からなる4ヘッドタイプのヘッドユニットが構成される。なお、このヘッドユニットには、図示しない画像形成装置に搭載された印字ユニットへの取付部が形成されており、この取付部が該印字ユニットに取り付けられることによって、該ヘッドユニットが、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置における画像出力装置として機能するようになっている。
【0038】
図4に、上記ヘッドユニットの組立装置の一例を示す。なお、この種の間接接着構造からなるヘッドユニットの組立装置における細部の構成や組立動作に関しては、例えば、本出願人の提案による特願平11−3249「部品組立方法及び装置」に詳述されているので、ここでは、その概略的な構成のみを説明することとする。
図4において、定盤21には、ヘッド保持部材2を移動させるための1軸移動機構を内蔵した移動テーブル22が設けられている。この移動テーブル22は、固定部材23によって定盤21上に固定されたガイド部材24に沿って、X軸方向に往復移動される。また、この移動テーブル22上には、ヘッド保持部材2を把持するためのヘッド保持部材チャック25が設けられている。このヘッド保持部材チャック25は、ヘッド保持部材2を把持した状態で、移動テーブル22がX軸方向に移動されることによって、ヘッド保持部材2を所定の組立位置に位置決めするように構成されている。
【0039】
また、定盤21上には、移動機構固定部材26を介して6軸移動機構27が設けられている。この6軸移動機構27の先端部には、組立対象となるヘッド1を把持するためのヘッドチャック28が設けられている。6軸移動機構27は、ヘッドチャック28に把持された組立対象となるヘッド1を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸周りのα方向、Y軸周りのβ方向およびZ軸周りのγ方向の6軸方向に移動させるように構成されている。
【0040】
更に、定盤21上には、カメラ固定部材29を介して、CCDカメラ30が設けられている。このCCDカメラ30は、組立対象となるヘッド1の吐出孔1aを撮像するように配置されている。このCCDカメラ30により撮像された吐出孔1aの画像は、図示しない演算装置(PC)で演算される。そして、該演算装置の演算結果に基づいて、6軸移動機構27によって、ヘッドチャック28に把持された組立対象となるヘッド1を、上記6軸方向に移動させることにより、ヘッド保持部材チャック25に把持されて所定の組立位置に位置決めされたヘッド保持部材2に対して、該ヘッド1を所定の組立位置に位置決めするようになっている。
【0041】
この他、定盤21上には、組立対象となる4個の中間保持部材3を把持するための中間保持部材チャック31、この中間保持部材チャック31に把持された中間保持部材3を、X、Y、Zの3軸方向に移動する3軸移動機構32、
該中間保持部材3の第1、第2の各接着面に光硬化型接着剤4を塗布するための接着剤塗布装置(シリンジ)33、中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4がヘッド1及びヘッド保持部材2の各接着面に付着した状態で、該光硬化型接着剤4に光を照射するためのライトガイド34などが、それぞれ最適な位置に配設されている。
【0042】
次に、上記組立装置により、各ヘッド1とヘッド保持部材2とを中間保持部材3を用いて間接的に接着固定する方法について説明する。
図4において、まず、ヘッド保持部材チャック25上にヘッド保持部材2を把持し、このヘッド保持部材2の右端部側のヘッド1が組み付けられる部位が、CCDカメラ30の下方に位置するように、移動テーブル22をX方向に移動させる。次いで、組立対象となるヘッド1をヘッドチャック28で把持して、該ヘッド1をヘッド保持部材2の組立部位まで移動させる。
そして、この組立位置に移動されたヘッド1の吐出孔1aをCCDカメラ30で撮像し、この吐出孔1aの画像の重心位置を演算装置で演算して、該ヘッド1のX、Y方向の位置計測を行なう。また、Z方向に関しては、CCDカメラ30に内蔵してある図示しないオートフォーカス装置からのZ方向のデフォーカス量に関する出力データに基づいて演算装置で演算して位置を求める。
【0043】
このようにして、組立位置に移動されたヘッド1の移動位置を計測し、この測定結果から、該ヘッド1の移動位置と目標とする正確な組立位置とのズレ量を算出する。そして、該ズレ量に相当する移動量だけ、6軸移動機構27により該ヘッド1を移動させることにより、該ヘッド1の位置調整を行なう。
次いで、中間保持部材3を中間保持部材チャック31で把持し、該中間保持部材3の第1、第2の各接着面に、シリンジ33により、光硬化型接着剤4を一定の膜厚になるように塗布する。そして、3軸移動機構32により、この中間保持部材3をヘッド1とヘッド保持部材2との間の組立部位まで移動させる。
なお、中間保持部材3の第1、第2の各接着面に対する光硬化型接着剤4の塗布は、中間保持部材3をヘッド1とヘッド保持部材2との間の組立部位まで移動させた後に行うようにしてもよい。また、このとき、CCDカメラ30によって、光硬化型接着剤4の塗布量をモニターしながら、光硬化型接着剤4の膜厚が一定になるように調整するようにしてもよい。
【0044】
次いで、中間保持部材3の各接着面に塗布された光硬化型接着剤4が、ヘッド1とヘッド保持部材2との各接着面に付着した状態で、ライトガイド34によって光硬化型接着剤4に光を照射して、光硬化型接着剤4を硬化させる。そして、この光硬化型接着剤4の硬化が終了した後、ヘッドチャック28及び中間保持部材チャックを、ヘッド1及び中間保持部材3から開放して、ヘッド保持部材2に対する1個目のヘッド1及び中間保持部材3の組み付けを終了する。
【0045】
その後、上記1個目のヘッド1に隣接するヘッド保持部材2の2個目のヘッド1を組み付ける部分が、CCDカメラ30の下方に位置するように、移動テーブル22をX方向に移動させる。そして、ヘッドチャック28で2個目のヘッド1を把持して、上述した1個目のヘッド1の組立工程と同様の作業を行なって、この2個目のヘッド1を中間保持部材3を介してヘッド保持部材2の所定の組立位置に組み付ける。以降、同様の組立工程を繰り返し実行して、3個目及び4個目の各ヘッド1を中間保持部材3を介してヘッド保持部材2の所定の組立位置に組み付ける。
【0046】
このようにして組み立てられた間接接着構造からなるヘッドユニットは、各ヘッド1とヘッド保持部材2とが、直接、光硬化型接着剤4により接着固定されず、中間保持部材3を介して、光硬化型接着剤4により接着固定されている。従って、このヘッドユニットにおいては、各ヘッド1及びヘッド保持部材2の接着面と中間保持部材3の接着面とを接着する光硬化型接着剤4の塗布量が必要最小限の量で済むようになる。
また、このヘッドユニットにおいては、光硬化型接着剤4の硬化収縮などにより、各ヘッド1及びヘッド保持部材2の接着面と中間保持部材3の接着面との位置関係にズレが発生した場合、このズレによって、中間保持部材3の位置が変位することはあっても、各ヘッド1とヘッド保持部材2との位置関係に狂いが発生することがない。
このように、このヘッドユニットにおいては、各ヘッド1及びヘッド保持部材2に対する中間保持部材3の組み付け位置精度を厳密に管理しなくても、各ヘッド1とヘッド保持部材2との組み付けを高精度に行なうことができるので、歩留りを高くすることができるとともに、光硬化型接着剤4の経時的な硬化収縮などによる各ヘッド1とヘッド保持部材2との接着強度の低下を防止することができる。
【0047】
上述のように、上記間接接着構造は、ワークとワーク保持部材とを、中間保持部材により極めて高精度に組み付けることができるので、上記ヘッドユニット以外の高精度な組立が要求される分野においても極めて有益となる。
このような分野としては、例えば、ファクシミリや複写機等に搭載されるスキャナのように、CCD基板に配設された個体撮像素子(CCD)を、該個体撮像素子に走査画像を結像させるための結像レンズが配設されたレンズ支持体に組み付ける場合がある。
この場合には、例えば、図5に示すように、CCD基板41に配設されたワークとしての個体撮像素子42を、該個体撮像素子42に走査画像を結像させるための結像レンズ43が配設されたワーク保持部材としてのレンズ支持体44に対して、上記間接接着構造のように、中間保持部材3を介して、光硬化型接着剤4により接着固定する。
【0048】
このような間接接着構造からなるスキャナにおいては、上記ヘッドユニットの場合と同様に、個体撮像素子42及びレンズ支持体44の接着面と中間保持部材3の接着面とを接着する光硬化型接着剤4の塗布量が必要最小限の量で済むようになる。
また、このスキャナにおいては、光硬化型接着剤4の硬化収縮などにより、個体撮像素子42及びレンズ支持体44の接着面と中間保持部材3の接着面との位置関係にズレが発生した場合、このズレによって、中間保持部材3の位置が変位することはあっても、個体撮像素子42とレンズ支持体44との位置関係に狂いが発生することがない。
このように、このスキャナにおいては、個体撮像素子42及びレンズ支持体44に対する中間保持部材3の組み付け位置精度を厳密に管理しなくても、個体撮像素子42とレンズ支持体44との組み付けを高精度に行なうことができるので、歩留りを高くすることができるとともに、光硬化型接着剤4の経時的な硬化収縮などによる個体撮像素子42とレンズ支持体44との接着強度の低下を防止することができる。
【0049】
ところが、この種の間接接着構造においては、前述したように、上記中間保持部材3として非透明体で形成されたものを使用した場合、光硬化型接着剤4の硬化に時間が掛かるため、生産性が低下する不具合を招く。
また、中間保持部材3が非透明体の場合には、光硬化型接着剤4の全域に亘って光5をほぼ均一に照射させることが困難になるため、光硬化型接着剤に未硬化部分が残ってしまうことがあり、この未硬化部分の光硬化型接着剤4の硬化が経時的に進行することによって、前述したヘッド1や個体撮像素子42などのワークと、ヘッド保持部材2やレンズ支持体44などのワーク保持部材との位置関係に狂いが生じることがあった。
【0050】
一方、中間保持部材3として透明体で形成されたものを使用した場合には、光5の照射時間や強度に応じて、その光透過率が低下することがある。このため、この光透過率の低下によって、光硬化型接着剤4を硬化させるための光5の照射時間が長くなり、ワーク及びワーク保持部材が加熱されて、その接着面が熱変形することによりワークとワーク保持部材との位置関係に狂いが生じることがあった。
【0051】
このような不具合を解消するために、この種の間接接着構造においては、光5の照射時間や強度によって光透過率が低下することが極めて少ない透明な素材で形成した中間保持部材を使用していた。しかしながら、このような素材からなる中間保持部材を用いた場合には、例えば、ポリエステルフィルム、PET、ポリウレタン、アルミニウム等の他の安価な素材からなる透明体や非透明体で形成した中間保持部材に比べて、その材料費が数倍から数十倍になってしまうため、非常に高価になる不具合があった。
【0052】
ここで、上記中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4のほぼ全域に亘って、光5をほぼ均一に照射させることができれば、安価な素材からなる中間保持部材3を用いて間接接着構造を構成した場合の不具合を解消することが可能になる。
すなわち、光硬化型接着剤4のほぼ全域に亘って光をほぼ均一に照射できれば、中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4の硬化に要する時間を短縮させることが可能になる。この結果、中間保持部材3として非透明体で形成されたものを使用した場合であっても、ワーク及びワーク保持部材と中間保持部材3との接着工程の所要時間を短縮することができ、生産性の低下を解消できる。
また、非透明体の中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4の全域に亘って光5をほぼ均一に照射させることができれば、該接着工程において光硬化型接着剤4に未硬化部分が残ってしまうことがなくなるので、光硬化型接着剤4の経時的な硬化によるワークとワーク保持部材との位置関係の狂いも生じることがなくなる。
【0053】
更に、中間保持部材3として安価な透明体で形成されたものを使用した場合でも、該中間保持部材3に塗布された光硬化型接着剤4の全域に亘って光5をほぼ均一に照射させることができれば、該光硬化型接着剤4の硬化に要する時間を短縮させることが可能になるので、該中間保持部材3が黄色に変色して、その光5の透過率が低下する前に、光硬化型接着剤4を硬化させることが可能になる。この結果、光5の照射によるワーク及びワーク保持部材と中間保持部材3との接着面の加熱に伴う該接着面の熱変形を防止することができるようになる。
【0054】
そこで、本参考例に係る間接接着構造においては、図6に示すように、前述したヘッド1や個体撮像素子42などのワークAと、ヘッド保持部材2やレンズ支持体44などのワーク保持部材Bとを、中間保持部材3を介して間接的に接着固定する間接接着構造において、該ワークA及びワーク保持部材Bと中間保持部材3との光硬化型接着剤4が接着される各接着面a,b,c,dを、光を反射する反射面で形成する。
【0055】
この間接接着構造においては、中間保持部材3の第1及び第2の各接着面c,dが反射面で形成されているので、中間保持部材3の第1及び第2の各接着面c,dとワークA及びワーク保持部材Bの接着面a,bとの間に充填された光硬化型接着剤4に照射された光5が、図6に矢印で示すように、各接着面a,b,c,dにより反射されて、光硬化型接着剤4のほぼ全域に亘って、光5がほぼ均一に照射されるようになる。
これにより、光硬化型接着剤4の硬化に要する時間を短縮させることが可能になる。従って、この間接接着構造では、中間保持部材3として非透明体で形成されたものを使用した場合であっても、ワークA及びワーク保持部材Bと中間保持部材3との接着工程の所要時間を短縮することができ、生産性の低下を解消できる。
【0056】
また、該接着工程において光硬化型接着剤4に未硬化部分が残ってしまうことがなくなるので、光硬化型接着剤4の経時的な硬化によるワークAとワーク保持部材Bとの位置関係の狂いも生じることがなくなる。
更に、中間保持部材3として安価な透明体で形成されたものを使用した場合でも、光硬化型接着剤4の硬化に要する時間を短縮させることが可能になるので、中間保持部材3が黄色に変色して、その光透過率が低下する前に、光硬化型接着剤4を硬化させることが可能になり、光照射によるワークA及びワーク保持部材Bと中間保持部材3との接着面a,b,c,dの加熱に伴う該接着面の熱変形を防止することができるようになる。
【0057】
このように、この間接接着構造においては、透明あるいは非透明を問わない安価な素材で中間保持部材3を形成することができるようになる。
なお、ワークA及びワーク保持部材Bの各接着面a,b、中間保持部材3の第1及び第2の各接着面c,dに、光5を反射する反射面を形成する方法としては、例えば、アルミ箔のような鏡面を有するフィルムを該接着面に貼付したり、蒸着により該接着面に鏡面状の薄膜を形成したりする方法を用いることができる。
【0058】
また、この間接接着構造においては、上記中間保持部材3の材質が金属であってもよい。すなわち、中間保持部材3の材質を金属とした場合には、該中間保持部材3の第1及び第2の各接着面c,dの表面粗さを小さくする(具体的には、該接着面c,dを鏡面状に研磨する)だけで、該接着面c,dを光5が反射する反射面とすることができる。
【0059】
この間接接着構造における間接接着方法としては、まず、ワークAとワーク保持部材Bとの間隔や取付中心軸の位置及び角度などが、取付け後の狙いとする適正値となるように、ワークAとワーク保持部材Bとを、所定の位置関係を保つように位置決めする。一方、中間保持部材3の第1及び第2の各接着面c,dに光硬化型接着剤4を塗布する。その後、この中間保持部材3の各接着面c,dに塗布された光硬化型接着剤4がワークA及びワーク保持部材Bの接着面a,bに付着するように、該中間保持部材3を配設する。そして、この状態で、中間保持部材3の各接着面c,dに塗布された光硬化型接着剤4に光5を照射して、光硬化型接着剤4を硬化させる。
この間接接着方法においては、ワークAとワーク保持部材Bとの位置決め工程と、中間保持部材3の各接着面c,dへの光硬化型接着剤4の塗布工程とを、同時に実行させることができるので、生産性をより向上させることが可能になる。
【0060】
また、この間接接着構造に用いられる中間保持部材3としては、その光硬化型接着剤4が塗布される各接着面c,dに開口した光硬化型接着剤4が充填される充填穴3aを有しているものであってもよい。なお、ここでいう充填穴3aとは、光硬化型接着剤4を充填できればよく、その形状としては、例えば図7(a)に示すような凹部形状、あるいは、本発明の実施形態のように図7(b)に示すような貫通形状の何れであっても良い。
この中間保持部材3においては、図7(c)に示すように、光硬化型接着剤4が中間保持部材3の充填穴3aに充填されて保持されるので、塗布された光硬化型接着剤4の自重による垂れ落ちや偏りを抑制できるようになる。
【0061】
ここで、上記中間保持部材3の充填穴3aは、例えば、図8に示すように、複数個設けられていることが望ましい。
すなわち、充填穴3aを複数個設けることにより、接着に必要な量の光硬化型接着剤4を、複数個の充填穴3aに分割して充填することができ、充填穴1個当たりの光硬化型接着剤4の充填量が少なくて済む。従って、光硬化型接着剤4の硬化に要する時間を更に短縮できる。また、各充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4の自重による垂れ落ちや偏りも少なくなる。更に、各充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4の、ワークA及びワーク保持部材Bの接着面に対する総和としての付着面積を増大させることができるので、ワークA及びワーク保持部材Bと中間保持部材3との接着強度を向上させることができる。
【0062】
また、上記中間保持部材3としては、その充填穴3aが、該充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4を表面張力で保持できる大きさに形成されていることが望ましい。例えば、図7(c)に示したように、中間保持部材3の充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4が、該中間保持部材3の各接着面側の開口から僅かに盛り上がった状態で、光硬化型接着剤4が充填穴3aに保持されることが望ましい。
この中間保持部材3においては、その充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4が表面張力で保持されるので、光硬化型接着剤4の自重による垂れ落ちや偏りが少なくなる。
【0063】
ここで、図7(b)に示したように、中間保持部材3の充填穴3aを本実施形態のように貫通孔とした場合には、図9に示すように、充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4を硬化させるための光5を、該中間保持部材3の非接着面側から該充填穴3aを通して、該光硬化型接着剤4のほぼ全域に亘って、ほぼ均一に照射させることができるようになる。これにより、光硬化型接着剤4の硬化に要する時間をより短縮させることが可能になる。また、光5を中間保持部材3の非接着面側から照射して光硬化型接着剤4を硬化させることができるので、該中間保持部材3の接着面c,dとワークA及びワーク保持部材Bの接着面a,bとの間に充填された光硬化型接着剤4に対して、該光5を直接照射することが困難な場合でも、該中間保持部材3とワークA及びワーク保持部材Bとを、確実に接着固定することができるようになる。なお、この場合の中間保持部材3の接着面c,dは、充填穴3aの内壁面となり、この充填穴3aの内壁面が反射面で形成される。
【0064】
また、上記中間保持部材3の貫通孔からなる充填穴3aは、例えば、図10に示すように、充填穴3aの接着面側の開口が非接着面側の開口よりも小さなロート状に形成されていることが望ましい。
この中間保持部材3においては、その充填穴3aの内壁と該充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4との間に作用するズリ応力が増大されるようになるので、光硬化型接着剤4の自重による垂れ落ちや偏りがより少なくなる。
【0065】
更に、上記充填穴3aを貫通孔とした中間保持部材3の場合には、例えば、図11に示すように、その充填穴3aの非接着面側の開口を透明薄板6で覆うようにしたものであってもよい。
この中間保持部材3においては、図7(a)に示した中間保持部材3と同様、その充填穴3aの非接着面側の開口が透明薄板6で覆われているので、その充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4に対して、該充填穴3aの接着面側(図11の左方及び下方側)からのみ、大気圧が加わるようになり、充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4の自重による垂れ落ちや偏りが更に少なくなる。
【0066】
ここで、上記透明薄板6の材質としては、どのようなものであってもよいが、例えば、ガラスあるいは樹脂を用いることが好ましい。
すなわち、透明薄板6の材質をガラスとした場合には、貫通孔3aに充填された光硬化型接着剤4に対して、中間保持部材3の非接着面側から光5を照射した際の、該透明薄板6の変色が少なく、光5の光透過率の低下を抑制できる。
また、透明薄板6の材質として樹脂を用いた場合には、充填された光硬化型接着剤4の自重による垂れ落ちや偏りが少なく、且つ、光硬化型接着剤4を短時間で硬化させることができる中間保持部材3を、安価に形成することができるようになる。
【0067】
一方、この充填穴3aを貫通孔とした中間保持部材3を用いた間接接着構造における他の間接接着方法としては、ワークAとワーク保持部材Bとを、所定の位置関係を保つように位置決めし、中間保持部材3の第1及び第2の各接着面が、該ワークA及びワーク保持部材Bの接着面に対向するように、該中間保持部材3を配設する。その後、この中間保持部材3の充填穴3aに光硬化型接着剤4を充填する。そして、この中間保持部材3の充填穴3aに充填された光硬化型接着剤4が、該ワークA及びワーク保持部材Bの接着面に付着した状態で、該中間保持部材3の非接着面側から光5を照射して、この中間保持部材3の貫通孔3aに充填された光硬化型接着剤4を硬化させる。
この間接接着方法においては、位置決めされたワークA及びワーク保持部材Bの接着面に対向するように、中間保持部材3が配設された後、この中間保持部材3の充填穴3aに光硬化型接着剤4が充填されるので、該貫通孔3aに充填された光硬化型接着剤4が自重により垂れ落ちたり偏ったりすることがなく、また、光硬化型接着剤4がワークA及びワーク保持部材Bの接着面に確実に付着されるようになる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1乃至8の発明によれば、光硬化型接着剤を硬化させるための光を照射した際に、該光が反射面により反射されることによって、該光硬化型接着剤のほぼ全域に亘って、該光がほぼ均一に照射されるようになるので、光硬化型接着剤の硬化に要する時間を短縮させることが可能になる。従って、中間保持部材として非透明体で形成されたものを使用した場合であっても、ワーク及びワーク保持部材と中間保持部材との接着工程の所要時間を短縮することができ、生産性の低下を解消できる。また、該接着工程において光硬化型接着剤に未硬化部分が残ってしまうことがなくなるので、光硬化型接着剤の経時的な硬化によるワークとワーク保持部材との位置関係の狂いも生じることがなくなる。更に、本発明においては、透明あるいは非透明を問わない安価な素材で中間保持部材を形成することができるようになるという優れた効果がある。
加えて、請求項1乃至8の発明によれば、光硬化型接着剤が中間保持部材の貫通孔に充填されるので、該光硬化型接着剤を該貫通孔内に保持できるようになり、該光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りを抑制できるという優れた効果がある。
また、光硬化型接着剤が充填される充填穴が貫通孔であるので、該光硬化型接着剤を硬化させるための光を、該中間保持部材の非接着面側から該貫通孔を通して、該光硬化型接着剤のほぼ全域に亘って、ほぼ均一に照射させることができるようになる。これにより、該中間保持部材の接着面とワーク及びワーク保持部材の接着面との間に充填された光硬化型接着剤に対して、該光を直接照射することが困難な場合でも、該中間保持部材とワーク及びワーク保持部材とを、確実に接着固定することができるという優れた効果がある。
【0069】
特に、請求項2の発明によれば、中間保持部材の材質が金属であるので、該中間保持部材の貫通孔の内壁面の表面粗さを小さくするだけで、該内壁面を光が反射する反射面とすることができるという優れた効果がある。
【0072】
また、請求項3の発明によれば、接着に必要な量の光硬化型接着剤を、複数個の貫通孔に分割して充填することができ、貫通孔1個当たりの光硬化型接着剤の充填量が少なくて済むので、各貫通孔の充填量を少なくすることができ、光硬化型接着剤の硬化に要する時間が更に短縮され、また、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りも少なくなるという優れた効果がある。。更に、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤の、ワーク及びワーク保持部材の接着面に対する総和としての付着面積を増大させることができるので、該ワーク及びワーク保持部材と中間保持部材との接着強度を向上させることができるという優れた効果がある。
【0073】
また、請求項4の発明によれば、貫通孔に充填された光硬化型接着剤が表面張力で保持されるので、該光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りが少なくなるという優れた効果がある。
【0075】
また、請求項5の発明によれば、貫通孔の内壁と該貫通孔に充填された光硬化型接着剤との間に作用するズリ応力が増大されるようになるので、該光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りがより少なくなるという優れた効果がある。
【0076】
また、請求項6乃至8の発明によれば、貫通孔に充填された光硬化型接着剤に対して、大気圧が該貫通孔の接着面側からのみ加わるようになるので、該光硬化型接着剤の自重による垂れ落ちや偏りが更に少なくなるという優れた効果がある。
【0077】
また、請求項6乃至8の発明によれば、貫通孔の非接着面側の開口を覆う透明薄板の材質がガラスであるので、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤に対して、該中間保持部材の非接着面側から光を照射した際の、該透明薄板の変色が少なく、光の光透過率の低下を抑制できるという優れた効果がある。
【0078】
また、請求項8の発明によれば、貫通孔の非接着面側の開口を覆う透明薄板の材質が透明な樹脂であるので、安価にであるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例に係る間接接着構造の一例を説明するためのインクジェットヘッドユニットの概略構成を示す斜視図。
【図2】 上記インクジェットヘッドユニットの間接接着構造を示す概略正面図。
【図3】 上記インクジェットヘッドユニットの間接接着構造を示す分解斜視図。
【図4】 上記インクジェットヘッドユニットの組立装置を示す該略正面図。
【図5】 本発明の参考例に係る間接接着構造の他の例を説明するためのスキャナユニットの概略構成を示す斜視図。
【図6】 本発明の参考例に係る間接接着構造を示す概略図。
【図7】 (a)及び(c)は、本発明の参考例に係る間接接着構造に用いられる中間保持部材の概略断面図。(b)は、本発明の実施形態に係る間接接着構造に用いられる中間保持部材の概略断面図。
【図8】 本発明の実施形態に係る間接接着構造に用いられる他の中間保持部材の斜視図。
【図9】 本発明の実施形態に係る間接接着構造を示す概略断面図。
【図10】 本発明の実施形態に係る間接接着構造に用いられる他の中間保持部材の概略断面図。
【図11】 本発明の実施形態に係る間接接着構造に用いられる更に他の中間保持部材の該略断面図。
【図12】 間接接着構造の一例としてのインクジェットヘッドユニットの概略構成を示す斜視図。
【図13】 (a)、(b)、(c)は、上記インクジェットヘッドユニットの間接接着工程を示す概略図。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
2 ヘッド保持部材
2a ヘッド保持壁
3 中間保持部材
3a 中間保持部材の充填穴
4 光硬化型接着剤
5 光
6 透明薄板
41 CCD基板
42 個体撮像素子(CCD)
43 結像レンズ
44 レンズ支持体
A ワーク
B ワーク保持部材
a ワークの接着面
b ワーク保持部材の接着面
c 中間保持部材の第1の接着面
d 中間保持部材の第2の接着面
Claims (8)
- 所定の位置関係を保つように配置されたワークと該ワークを保持するためのワーク保持部材とを、該ワークに接着される第1の接着面と該ワーク保持部材に接着される第2の接着面とを有する中間保持部材を用いて、該中間保持部材と該ワーク及びワーク保持部材との間に塗布された光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより間接的に接着固定して、間接接着構造体を製造する間接接着構造体の製造方法において、
上記ワーク及びワーク保持部材として、光硬化型接着剤が接着される接着面が光を反射する反射面で形成されているものを使用し、
上記中間保持部材として、該光硬化型接着剤が充填される接着面に開口し、内壁面が光を反射する反射面で形成された貫通孔を有しているものを使用し、
該ワークとワーク保持部材とを所定の間隔を保って位置決めし、上記第1及び第2の各接着面が該ワーク及びワーク保持部材の接着面に対向するように該中間保持部材を配設した後、該中間保持部材の貫通孔に光硬化型接着剤を充填し、該中間保持部材の貫通孔に充填された光硬化型接着剤が該ワーク及びワーク保持部材の接着面に付着した状態で、該貫通孔を介して光を照射することにより該光硬化型接着剤を硬化させることを特徴とする間接接着構造体の製造方法。 - 請求項1の間接接着構造体の製造方法において、
上記中間保持部材として、材質が金属であるものを用いることを特徴とする間接接着構造体の製造方法。 - 請求項1又は2の間接接着構造体の製造方法において、
上記中間保持部材として、上記貫通孔が複数個設けられたものを用いることを特徴とする間接接着構造体の製造方法。 - 請求項1、2又は3の間接接着構造体の製造方法において、
上記中間保持部材として、上記貫通孔が、該貫通孔に充填された光硬化型接着剤を表面張力で保持できる大きさに形成されたものを用いることを特徴とする間接接着構造体の製造方法。 - 請求項1、2、3又は4の間接接着構造体の製造方法において、
上記中間保持部材として、上記貫通孔が、該中間保持部材の接着面側の開口が非接着面側の開口よりも小さなロート状に形成されたものを用いることを特徴とする間接接着構造体の製造方法。 - 請求項1、2、3、4又は5の間接接着構造体の製造方法において、
上記中間保持部材の貫通孔に光硬化型接着剤を充填した後、該貫通孔の、該中間保持部材の非接着面側の開口を透明薄板で覆ってから、該透明薄板を通じて該貫通孔へ光を照射することを特徴とする間接接着構造体の製造方法。 - 請求項6の間接接着構造体の製造方法において、
上記透明薄板として、材質がガラスであるものを用いることを特徴とする間接接着構造体の製造方法。 - 請求項6の間接接着構造体の製造方法において、
上記透明薄板として、材質が樹脂であるものを用いることを特徴とする間接接着構造体の製造方法。
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