JP5327358B2 - 光学走査デバイスのハウジング、画像形成装置、光学走査デバイス、ミラーの取り付け方法、ミラーの配置調整装置、及びミラーの配置調整方法 - Google Patents

光学走査デバイスのハウジング、画像形成装置、光学走査デバイス、ミラーの取り付け方法、ミラーの配置調整装置、及びミラーの配置調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学走査デバイスのハウジング、画像形成装置、光学走査デバイス、ミラーの取り付け方法、ミラーの配置調整装置、及びミラーの配置調整方法に関する。
レーザプリンタ、デジタル複写機、およびレーザFAXなどのカラー画像形成装置には、光源からの光ビームを偏向走査する正多角形に形成されたポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって走査された光ビームを感光体面上に結像するための光学素子(走査レンズ、ミラー)とが備えられ、また、書込み開始位置を決定するために、有効露光領域外の走査開始側に光検知器が設けられている。
このようなカラー画像形成装置において、カラー画像を形成する場合は、複数の色を重ね合わせる必要がある。1つの感光体で複数色の像を重ね合わせる方法と、複数の感光体で複数色の画像を重ねる方法がある。
しかし、光学素子の像面湾曲特性、光学ハウジングの捩れ、ポリゴンモータの発熱による熱変形、本体内での別ユニットを熱源とする熱変形、感光体の取付け時の捩れなどによって、主走査方向の走査線傾きや副走査方向のレジストずれが発生し、カラー画像形成装置では、3ないし4本の走査線は重ならないために色ずれの原因となる。
主走査方向とは、光走査装置自体が記録媒体に書き込む方向であり、副走査方向とは、転写媒体が移動する方向であり、ここでは、副走査方向は主走査方向に対して略直交する方向である。
副走査方向の走査線傾きとは、理想的な走査線に対し、副走査方向に傾斜する現象である。副走査方向のレジストずれとは、理想的な走査線に対し、副走査方向に平行にずれる現象である。
特に、ミラーの両端を板ばねで固定する場合には、ミラーの配置が固定されてしまい、ミラーを調整することは、困難である。
この課題を解決するために、特許文献1などの従来技術が提示される。これによると、ミラー長手方向の一方の端部に調整機構、もう一方側には保持機構を備えたミラー台にミラーを取り付ける。調整機構側は板ばねのような弾性部材と2点支持のセットビスにより、ミラーが狭持されて支持されている。また、保持機構側は、板ばねのようなミラー固定部材によって、光学ハウジングに設けられたミラーの回転支点に押し付けられて、回転可能に支持されている。
前記2つのセットビスを同じ角度回転すると、2つのセットビスは同じ量だけ前進や後退することで、ミラーが副走査方向にシフトして、走査線の傾きを調整でき、また、2つのセットビスをそれぞれ別の角度だけ回転させると、回転支点を中心としてミラーが回転し、走査位置ずれが調整できることより、色ずれの少ない高品位なカラー画像を出力することができる。
上記従来技術では、副走査方向の走査線傾き量及び、副走査方向のレジストずれは変化できるものの、調整機構が複雑であり、部品点数も増えることより、コストアップとなる。セットビスなどの調整部材では、調整精度の分解能が大きいため、高精度に位置ずれを調整できない。また、2つのセットビスの角度回転を行うため、調整に時間がかかり、工数アップとなる。
デジタル複写機やレーザプリンタの低価格化を実現するために光走査装置においては、各構成部品の簡略化や部品点数の低減、組立・調整時間の短縮によるコストダウンも要求されている。
また、ミラーの両端を接着剤で固定する場合には、光走査装置の温度変化と共にミラー及びミラーを保持する光走査装置のミラー保持部材が熱膨張又は収縮する。一般に、ミラーの線膨張率は、ミラーを保持する光走査装置のミラー保持部材の線膨張率が異なるため、ミラーの両端を接着剤で強固に固定する場合には、光走査装置の温度変化によって、ミラーが湾曲し、ミラーを用いる光走査装置の性能が低下することがある。このため、ミラーの両端を接着する接着剤には、ミラーの熱膨張又は収縮を許容することができる比較的柔軟な接着剤を用いる必要があるが、ミラーを強固に接着することが困難であることがある。
本発明の目的は、ミラーの配置を調整することが可能であると共に熱によるミラーのひずみが低減される光学走査デバイスを含む画像形成装置において、ミラーを強固に接着することができるハウジング、前記ハウジングやミラーを含む画像形成装置、光学走査デバイス、ミラーの配置を調整することが可能であると共に熱によるミラーのひずみが低減されるミラーの取り付け方法、ミラーの配置をより容易に調整することが可能なミラーの配置調整装置、及びミラーの配置をより容易に調整することが可能なミラーの配置調整方法を提供することである。
参考の発明は、光源から発生させられる光を、ハウジングに取り付けられる第一の端部及び第二の端部を備えた少なくとも一つのミラーを介して対象に照射し、且つ、該照射させられた光で該対象を走査する光学走査デバイスにおいて、該少なくとも一つのミラーの第一の端部は、該ハウジングに可動に支持され、且つ、該少なくとも一つのミラーの第二の端部は、該ハウジングに接着されることを特徴とする光学走査デバイスである。
参考の発明は、前記ハウジングは、凸部を有し、前記少なくとも一つのミラーの第一の端部は、前記凸部の一点で支持されることを特徴とする前記光学走査デバイスである。
参考の発明は、前記凸部は、曲面を有し、該少なくとも一つのミラーの第一の端部は、前記凸部の曲面における一点で支持されることを特徴とする前記光学走査デバイスである。
参考の発明は、前記少なくとも一つのミラーの第一の端部を前記ハウジングに固定する弾性体の固定部材を含む前記光学走査デバイスである。
参考の発明は、光学走査デバイスを用いて画像を形成する画像形成装置において、該光学走査デバイスは、前記光学走査デバイスであることを特徴とする画像形成装置である。
参考の発明は、接着剤によって接着することが可能なミラーにおいて、接着剤の接着力を向上させる膜を有することを特徴とするミラーである。
好ましい参考の発明は、前記膜は、ミラーの鏡面の反射率を向上させる膜であることを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記膜は、SiO層を含むことを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、紫外線を透過させることが可能な部分を有することを特徴とする前記記載の前記ミラーである。
参考の発明は、光学走査デバイスに配置するミラーであって、中央部に光を反射する鏡面部と、両端部に光を透過する透過部を備え、接着剤によってハウジングに接着することが可能なことを特徴とするミラーである。
好ましい参考の発明は、前記透過部は、紫外線を透過することが可能であることを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記透過部には、接着面が形成されていることを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記接着面は、端部が平滑である側の平面を接着面とすることを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記接着面は、親水性を有することを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記接着面は、ミラーの接着力を向上させる接着強化膜を備えていることを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記接着強化膜は、鏡面部の反射率を増加させる増反射膜であることを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記増反射膜は、SiO層を含むことを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記接着面は、紫外線硬化型接着剤を塗布する領域と、親水性を測定する領域とを備えていることを特徴とする前記ミラーである。
好ましい参考の発明は、前記親水性を測定する領域は、ミラー端部側に配置されていることを特徴とする前記ミラーである。
本発明は、ミラーを備えた光学走査デバイスのハウジングであって、ミラーを接着する接着部は、凹凸形状をしており、ミラーの接着面と当接する第1面と、
第1面と交叉して凹部を形成する第2面とを有し、第1面と第2面との交線は、ミラーとハウジングの接着面の最遠部同士を結んだ少なくともひとつの直線と略直交することを特徴とするハウジングである。
好ましい本発明は、前記凹凸形状を形成する第2面は、前記第1面に対し30〜90度の傾きを有することを特徴とする前記ハウジングである。
好ましい本発明は、前記凹凸形状における凹部の深さは均一であることを特徴とする前記ハウジングである。
好ましい本発明は、前記凹凸形状は、金型の転写により形成されていることを特徴とする前記ハウジングである。
本発明は、ミラーを備えた光学走査デバイスのハウジングであって、ミラーを接着する接着部に、ミラーの接着面と当接する第1面と、第1面と交叉する第2面により凹凸形状を形成し、該凹凸形状はローレット形状をしていることを特徴とするハウジングである。
そして、前記ハウジングは、前記第1面と第2面との交線は、ミラーとハウジングの接着面の最遠部同士を結んだ直線と略直交していることを特徴とする。
好ましい本発明は、前記第2面は、前記第1面に対し30〜90度の傾きを有することを特徴とする前記ハウジングである。
好ましい本発明は、前記ローレット形状を形成する凹部の深さは均一であることを特徴とする前記ハウジングである。
好ましい本発明は、前記ローレット形状は、金型の転写により形成されていることを特徴とする前記ハウジングである。
本発明は、前記ハウジングを有することを特徴とする光学走査デバイスである。
本発明は、前記光学走査デバイスを搭載したことを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、前記ハウジングに第一の端部及び第二の端部を備えた少なくとも一つのミラーを取り付けるミラーの取り付け方法において、該少なくとも一つのミラーの第一の端部を該ハウジングに可動に取り付け、且つ、該少なくとも一つのミラーの第二の端部を該ハウジングに接着によって取り付けることを特徴とするミラーの取り付け方法である。
好ましい参考の発明は、前記少なくとも一つのミラーの第二の端部を該ハウジングに紫外線硬化型の接着剤、電子線硬化型の接着剤、又は熱硬化型の接着剤を用いて接着することを特徴とする前記ミラーの取り付け方法である。
好ましい本発明は、前記少なくとも一つのミラーの第二の端部を前記ハウジングに接着によって取り付けることは、前記少なくとも一つのミラーの第二の端部を前記ハウジングに接着剤を用いて接着することを含み、前記少なくとも一つのミラーの第二の端部の接着面の法線方向における該接着剤の変形が無いか、又は、該接着面の法線方向と直交する方向における該接着剤の変形率よりも該接着面の法線方向における該接着剤の変形率が小さいように、前記少なくとも一つのミラーの第二の端部を前記ハウジングに接着することを特徴とする前記ミラーの取り付け方法である。
好ましい本発明は、前記接着面の法線方向における前記接着剤を硬化させるエネルギーを加えずに、又は、前記接着面の法線方向と直交する方向に加えられる前記接着剤を硬化させるエネルギーよりも前記接着面の法線方向に加えられる前記接着剤を硬化させるエネルギーが少ないように、前記接着剤を硬化させるエネルギーを、前記接着剤に加えることを特徴とする前記ミラーの取り付け方法である。
好ましい参考の発明は、前記接着面の法線方向と直交する方向において、前記接着剤を硬化させるエネルギーを、前記接着剤に加えることを特徴とする前記ミラーの取り付け方法である。
好ましい参考の発明は、前記接着剤は、紫外線硬化型の接着剤、電子線硬化型の接着剤、又は熱硬化型の接着剤からなる群より選択されることを特徴とする前記ミラーの取り付け方法である。
好ましい参考の発明は、前記接着剤は、紫外線硬化型の接着剤であることを特徴とする前記ミラーの取り付け方法である。
本発明は、接着剤の接着力を向上させる膜を備え、前記接着剤によって接着することが可能なミラーの長手方向における第一の端部側を光学走査デバイスの前記ハウジングに可動に取り付け、且つ第二の端部側をハウジングに接着によって取り付けるミラーの取り付け方法であって、好ましいミラーの接着位置は、第二の端部側におけるミラー長手方向の端部と鏡面部の端部との略中央部であることを特徴とするミラーの取り付け方法である。
好ましい参考の発明は、前記接着位置の1ヶ所又は2ヶ所に接着剤を塗布することを特徴とする前記ミラー取付け方法である。
本発明は、前記ミラー取付け方法でミラーをハウジングに取り付けたことを特徴とする光学走査デバイスである。
本発明は、前記光学走査デバイスを搭載したことを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、前記ハウジングに取り付けられるミラーの配置を調整するミラーの配置調整装置において、該ミラーの長手方向の一端を前記ハウジングに可動に保持して第一の回転軸とし、他端を該ミラーの反射面に垂直な方向に移動するように該ミラーを回転させるデバイスを含むことを特徴とするミラーの配置調整装置である。
好ましい本発明は、前記第一の回転軸と直交し、該ミラーの反射面に平行な第二の回転軸まわりに該ミラーを回転させるデバイスをさらに含むことを特徴とする前記ミラーの配置調整装置である。
好ましい参考の発明は、前記ミラーは、接着剤は塗布されたミラーであって、該接着剤を硬化させるデバイスをさらに含むことを特徴とする前記ミラーの配置調整装置である。
好ましい参考の発明は、該接着剤の硬化による前記ミラーの配置の変動を検出するデバイスをさらに含むことを特徴とする前記ミラー配置調整装置である。
本発明は、前記ハウジングに取り付けられるミラーの配置を調整するミラーの配置調整方法において、該ミラーの長手方向の一端を前記ハウジングに可動に保持して第一の回転軸とし、他端を該ミラーの反射面に垂直な方向に移動するように該ミラーを回転させることを含むことを特徴とするミラーの配置調整方法である。
好ましい本発明は、前記第一の回転軸と直交し、該ミラーの反射面に平行な第二の回転軸まわりに該ミラーを回転させることをさらに含むことを特徴とする前記ミラーの配置調整方法である。

好ましい参考の発明は、前記ミラーは、接着剤が塗布されたミラーであって、該接着剤を硬化させることをさらに含むことを特徴とする前記ミラーの配置調整方法である。
好ましい参考の発明は、該接着剤の硬化による前記ミラーの配置の変動を検出することをさらに含むことを特徴とする前記ミラー配置調整方法である。
本発明によれば、光学走査デバイスを含む画像形成装置のミラーを強固に接着できるハウジング、容易に強固に接着させることが可能なミラー、ミラーの配置を調整することが可能であると共に熱によるミラーのひずみが低減される光学走査デバイス、該光学走査デバイスを含む画像形成装置、ミラーの配置を調整することが可能であると共に熱によるミラーのひずみが低減されるミラーの取り付け方法、ミラーの配置をより容易に調整することが可能なミラーの配置調整装置、及び、ミラーの配置をより容易に調整することが可能なミラーの配置調整方法を提供することができる。
本発明の実施形態が適用される光走査装置の一つの例を示す図である。 本発明の実施形態が適用される光走査装置の別の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る光走査装置におけるミラー部の例を示す図である。 本発明の実施形態に係るミラーの例を示す図である。 本発明の実施形態に係るミラーを支持する光走査装置の支持部の例を示す図である。 本発明の実施形態に係るミラーを保持する光走査装置の保持部材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係るミラー調整機の例の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るミラー調整機の例の動作を示す図である。 本発明の実施形態に係るミラー調整機の例におけるミラーの調整を示す図である。 本発明の実施形態に係るミラー調整機の例におけるミラーの調整位置のずれを防止する方法を説明する図である。 本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の一つの例を説明する図である。 本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の別の例を説明する図である。 本発明の実施形態に係るミラーの斜視図である。 ミラーの断面構造である。 ミラーの光透過部の断面構造である。 平面部材の製作説明図である。 接着剤へのUV照射図である。 本発明の実施形態に係るミラー(1)である。 本発明の実施形態に係るミラー(2)である。 接着強化膜による接触角の変化図である。 ミラーとハウジングの接合部の説明斜視図である。 ミラーとハウジングの接合部の説明図である。 ミラーとハウジングの接合部の斜視図(1)である。 ミラーとハウジングの接合部の平面図(1)である。 ミラーとハウジングの接合部の斜視図(2)である。 ミラーとハウジングの接合部の平面図(2)である。 ハウジング受け面への衝撃の説明図である。 ミラーの振動による衝撃の説明図である。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明の第一の実施形態は、光ビームを照射する光源と、光源から出射された発散光束を略平行な光ビームにするコリメートレンズと、光ビームを整形するアパーチャと、光ビームを主走査方向に線状に結像させるシリンダレンズとによって構成される走査前光学系を複数有し、これら、複数の走査前光学系からの光ビームを、同一の偏向手段を用いて主走査方向に偏向する偏向手段(=偏向器)と、前記偏向された光ビームを走査前光学系毎に各々被走査面に結像させる、単体または複数の結像レンズ郡とを、同一の光学ハウジング内に備えた光走査装置において、各光ビームを反射してそれぞれの感光体上へと導く複数の(折返し)ミラーであって、前記ミラー長手方向の一方の端部を保持部材で固定し、長手方向のもう一方の端部を接着によって固定することを特徴とする光走査装置である。
本発明の第二の実施形態は、本発明の第一の実施形態による光走査装置において、ミラーの一端部は、光学ハウジングに形成された半円形状の突起に、ミラーの反射面側短手方向(副走査方向)の中央部を当接させて、1点受けすることを特徴とする光走査装置である。
本発明の第三の実施形態は、本発明の第一又は第二の実施形態による光走査装置において、前記ミラーの一端部の1点受け部を支点とし、前記ミラーの反射面に垂直な方向に移動させて副走査方向の走査線傾きを調整することと、反射面に平行な軸中心で角度回転させることで副走査方向のレジストを調整が同時に行えることを特徴とする光走査装置である。
本発明の第四の実施形態は、本発明の第一又は第二の実施形態による光走査装置において、ミラーを保持する保持部材は、光学ハウジングに形成された半円形状の突起の中心に対して、ミラーの非反射面の上側から左右均等な荷重で押圧して保持することを特徴とする光走査装置である。
本発明の第五の実施形態は、本発明の第四の実施形態による光走査装置において、前記保持部材は弾性体、のぞましくは板ばね材を成形したものであることを特徴とする光走査装置である。
本発明の第六の実施形態は、本発明の第一〜第四の実施形態のいずれかによる光走査装置において、前記ミラーの接着固定は、ミラーと光学ハウジングとの間に、1ヶ所又は2ヶ所の接着位置で、光学ハウジングと接着固定することを特徴とする光走査装置である。
本発明の第七の実施形態は、本発明の第一又は第六の実施形態による光走査装置において、前記ミラーの接着固定は、紫外線硬化型の接着剤又は電子線硬化型の接着剤又は熱硬化型の接着剤により、光学ハウジングと接着固定することを特徴とする光走査装置である。
本発明の第八の実施形態は、本発明の第一〜第七の実施形態のいずれかによるミラーにおいて、前記ミラーにUV透過部を設けたことを特徴とするミラーである。
本発明の第九の実施形態は、本発明の第八の実施形態によるミラーにおいて、前記ミラー接着部の接触角(濡れ性)は、45°以下であることを特徴とするミラーである。
本発明の第十の実施形態は、本発明の第三の実施形態によるミラーを調整するミラー調整機において、ミラー調整機に前記ミラーの反射面に垂直な方向に移動させて副走査方向の走査線傾きを調整する上下位置調整機構と、反射面に平行な軸中心で角度回転させることで副走査方向のレジストを調整する角度調整機構及び、接着剤の硬化収縮によるミラーの位置ずれ量を計測する計測部を備えたことを特徴とするミラー調整機である。
本発明の第十一の実施形態は、本発明の第三の実施形態によるミラーを調整するミラー調整方法において、ミラーと光学ハウジングとの接着層厚さ計測により、接着剤の硬化収縮によるミラーの位置ずれ量を任意の位置に制御することを特徴とするミラー調整方法である。
本発明の第十二の実施形態は、本発明の第一〜第十一の実施形態のいずれかによる光走査装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の第十三の実施形態は、光ビームを照射する光源と、光源から出射された発散光束を略平行な光ビームにするコリメートレンズと、光ビームを整形するアパーチャと、光ビームを主走査方向に線状に結像させるシリンダレンズとによって構成される走査前光学系を複数有し、これら、複数の走査前光学系からの光ビームを、同一の偏向手段を用いて主走査方向に偏向する偏向手段(=偏向器)と前記偏向された光ビームを走査前光学系毎に各々被走査面に結像させる単体または複数の結像レン群と各光ビームを反射してそれぞれの感光体上へと導く複数のミラーとを同一の光学ハウジング内に備え、前記ミラー長手方向の一方の端部を保持部材で固定し、長手方向のもう一方の端部を接着によって固定する光走査装置において、前記ミラーと光学ハウジングを接着固定する接着剤の厚さ方向の硬化収縮量を抑えることを特徴とするミラー接着固定方法である。
本発明の第十四の実施形態は、本発明の第十三の実施形態によるミラー接着固定方法において、接着固定する接着剤の厚さ方向に対して、直角な方向から光を照射させて、接着剤の厚さ方向の硬化収縮量を抑えることを特徴とするミラー接着固定方法である。
本発明の第十五の実施形態は、本発明の第十三又は第十四の実施形態によるミラー接着固定方法において、前記ミラーの接着固定は、紫外線硬化型の接着剤又は電子線硬化型の接着剤又は熱硬化型の接着剤により、光学ハウジングと接着固定することを特徴とするミラー接着固定方法である。
本発明の第十六の実施形態は、本発明の第十四の実施形態によるミラー接着固定方法において、直角な方向から光は、紫外線(UV)を用いることを特徴とするミラー接着固定方法である。
本発明の第十七の実施形態は、本発明の第十三〜第十六の実施形態のいずれかによる光走査装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の第十八の実施形態は、光学走査デバイスに接着剤によって接着して配置するミラーであって、光を反射する鏡面部と、光を透過する透過部とを備えたミラーである。前記透過部は、紫外線を透過することが可能であり、前記透過部には、接着面が形成されている。前記接着面は、端部が平滑である側の面を接着面としており、前記接着面は、ミラーの接着力を向上させる接着強化膜を備えている。この接着強化膜は、鏡面部の反射率を増加させる増反射膜でもある。
本発明の第十九の実施形態は、第十九の実施形態のミラーと同じ構造であるが、接着面の接着強化膜は親水性を有しており、SiO層を含む膜で構成されている。そして、透過部は、紫外線硬化型接着剤を塗布する領域と、ミラー端部側に配置されている親水性を測定する領域とを備えている。
本発明の第二十の実施形態は、第十八、第十九の実施形態のミラーのハウジングへの取付方法である。ミラーの長手方向の第一の端部側をハウジングに可動に取付け、且つ第二の端部側をハウジングに接着によって取付ける。そして、ミラーの接着位置は、第二の端部側のミラー長手方向における端部と鏡面部の端部との略中央部である。接着は、接着位置の1ヶ所又は2ヶ所に接着剤を塗布する。
本発明の第二十一の実施形態は、第二十の実施形態のミラーのハウジングへの取付方法によりミラーを取り付けた光学走査デバイスである。
本発明の第二十二の実施形態は、第二十一の実施形態の光学走査デバイスを備えた画像形成装置である。
本発明の第二十三の実施形態は、ミラーを備えた光学走査デバイスのハウジングであって、ミラーを接着する接着部に、凹凸形状を有し、ミラーの接着面と当接する第1面と、第1面との交線がミラーとハウジングの接着面のうち最遠部同士を結んだ少なくともひとつの直線と略直交する第2面とを有することを特徴とするハウジングである。第2面は、前記第1面に対し30〜90度の傾きを有し、凹部の深さは均一である。
本発明の第二十四の実施形態は、第二十三の実施形態の特別の例であり、凹凸構造における凹凸が接着面上で交差するローレット形状である。
本発明の第二十五の実施形態は、第二十二乃至第二十四の実施形態に記載のハウジングを有する光学走査デバイスである。
本発明の第二十の実施形態は、第二十五の実施形態に記載の光学走査デバイスを搭載した画像形成装置である。
本発明の第一若しくは第二の実施形態又は本発明の第四〜第八の実施形態のいずれかについては、ミラー長手方向の一方の端部を光学ハウジングに形成された半円形上の突起に、ミラーの反射面側短手方向(副走査方向)の中央部を当接させて1点受けした状態で保持部材にて固定し、長手方向のもう一方の端部を1ヶ所又は2ヶ所の接着位置に、紫外線硬化型の接着剤又は電子線硬化型の接着剤又は熱硬化型の接着剤で光学ハウジングと接着固定することにより、従来技術に比べて、組付けや位置調整が簡易になり、生産コストの低減が見込めると同時に、ミラーにUV透過部を設けることで装置及び部品の構成・機構を複雑にすることなく安価で高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第三の実施形態については、ミラーの一端部の1点受け部を支点とし、前記ミラーの反射面に垂直な方向に移動させて副走査方向の走査線傾きを調整することと、反射面に平行な軸中心で角度回転させることで副走査方向のレジストを調整が同時に行えることで、位置合せなどの調整、組立などの時間が短縮でき、安価で高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第九の実施形態については、ミラーの接着部の接触角(濡れ性)を45°以下にすることで、接着剤がミラーの接着部に良く濡れ広がり事により、接着剤硬化後に強靭な接着強度が得られる。その結果、熱や衝撃などの環境変動に耐えことができ、且つ光学特性を安定させることができ、高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第十又は第十一の実施形態については、ミラー調整機に前記ミラーの反射面に垂直な方向に移動させて副走査方向の走査線傾きを調整する上下位置調整機構と、反射面に平行な軸中心で角度回転させることで副走査方向のレジストを調整する角度調整機構及び、接着剤の硬化収縮によるミラーの位置ずれ量を計測する計測部を備えたことで、副走査方向の走査線傾きと、副走査方向のレジストを調整が同時に行えることができ、生産コストの低減が見込めると同時に、装置及び部品の構成・機構を複雑にすることなく安価で高精度な光走査装置を提供できる。
また、接着剤の硬化収縮によるミラーの位置ずれ量を計測する計測部を備えたことで、ミラーと光学ハウジングとの接着層厚さを計測して、接着剤の硬化収縮によるミラーの位置ずれ量を任意の位置に制御できることにより、高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第十二の実施形態については、本発明の光走査装置を搭載した画像形成装置により、高画質な画像を得ることができる。
本発明の第十三又は第十四の実施形態については、接着剤の厚さ方向に対して、直角な方向から光を照射させてミラーと光学ハウジングを接着固定する接着剤の厚さ方向の硬化収縮量を抑えることにより、接着剤硬化収縮後のミラー姿勢を安定させ、光学特性を安定させることができる。また、装置及び部品の構成・機構を複雑にすることが無いため、安価で高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第十五又は第十六の実施形態については、ミラーの接着固定を紫外線硬化型の接着剤又は電子線硬化型の接着剤又は熱硬化型の接着剤で行うことで、接着固定による位置ずれが少なく、位置合せなどの調整、組立などの時間が短縮でき、安価で高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第十七の実施形態については、本発明の光走査装置を搭載した画像形成装置により、高画質な画像を得ることができる。
次に、本発明の実施形態のより具体的な実施形態を図面と共に説明する。
まず、本発明の実施形態の対象としている2つの走査光学装置について説明する。図1は、本発明の実施形態が適用される光走査装置の一つの例を示す図である。図1(a)は、本発明の実施形態が適用される光走査装置の一つの例の上面図であり、図1(b)は、本発明の実施形態が適用される光走査装置の一つの例の正面図である。
図2は、本発明の実施形態が適用される光走査装置の別の例を示す図である。図2(a)は、本発明の実施形態が適用される光走査装置の別の例の上面図であり、図2(b)は、本発明の実施形態が適用される光走査装置の別の例の正面図である。
1つは図1(a)及び(b)に示したような光走査装置において、樹脂からなる光学ハウジング101には、光ビームを照射する光源102とシリンドリカルレンズ103があり、光源2から発する光ビームを偏向器であるポリゴンスキャナユニット104に集光させている。このポリゴンスキャナユニット104に組付けられている回転多面鏡104aは、等角速度でレーザ光を偏向している。そして、このポリゴンスキャナユニット104にて偏向され、光学素子105を透過した光ビームは、(折返し)ミラー107により折り返して、光学ハウジング101外部の感光体106上に結像、且つ、等速度になるように走査されている。また、光源102に備えられた半導体レーザの数は1つに限られず、2以上とする事ができる。
もう1つは多色画像形成を目的とした図2(a)及び(b)に示したような光走査装置において、複数の光源102から発する光ビームを1つのポリゴンスキャナユニット104にて偏向し、各々の光源102に対応し、前記ポリゴンスキャナユニット104に対向した形で配置され、光学素子105を透過した光ビームは、各光ビームに対応して設けられたミラー107により折り返して、光学ハウジング101外部の感光体106上に結像、且つ、等速度になるように走査されている。また、光源102に備えられた半導体レーザの数は1つに限られず、2以上とする事ができる。
次に、本発明の実施形態に係る光走査装置について説明する。
まず、本発明の第一〜第七の実施形態にいずれかによる光走査装置及び本発明の第八又は第九の実施形態によるミラーの実施例を、図3〜図6を参照して説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る光走査装置におけるミラー部の例を示す図である。図4は、本発明の実施形態に係るミラーの例を示す図である。図4(a)は、本発明の実施形態に係るミラーの例の上面図であり、図4(b)は、本発明の実施形態に係るミラーの例の底面図である。図5は、本発明の実施形態に係るミラーを支持する光走査装置の支持部の例を示す図である。図6は、本発明の実施形態に係るミラーを保持する光走査装置の保持部材の例を示す図である。図6(a)は、本発明の実施形態に係るミラーを保持する光走査装置の保持部材の例の上面図であり、図6(b)は、本発明の実施形態に係るミラーを保持する光走査装置の保持部材の例の正面図である。
ミラー107は矩形状で主走査方向に長い平面部材で構成されており、上面側の長手方向の両端部はUV光を透過して接着固定するためのUV透過部107aとなっている。ミラー107の平面部材は、ガラス部材であれば、特に限定されないが、好ましくは、高いUV透過率を備えたガラスである。高いUV透過率を備えたガラスとしては、フロートガラス(青板ガラス)が挙げられる。ミラー107の平面部材が、高いUV透過率を備えたガラスである場合には、UV透過部107aの裏面に設けられるUV硬化接着剤をより効果的に硬化させることが可能となる。
下面側には光を反射させる面であるミラー面107cがある。ミラー面107cには、例えば、アルミニウムのような金属又は合金の薄膜が形成される。
また、下面側の長手方向両端部は、ミラー面107cを挟んで接着面107bとなっている。ここで、接着面107bには、UV硬化接着剤をより容易に塗布すると共にミラー107の接着面107bにおける接着力を向上させる接着強化膜が設けられる。接着強化膜は、単層膜であっても多層膜であってもよいが、接着強化膜の最上層は、例えば、SiO膜である。また、接着強化膜を、接着面107bのみならず、ミラー面107cにわたって設けても良い。接着強化膜が、ミラー面107cにも設けられる場合には、接着強化膜は、ミラー面における反射率を増加させる増反射膜であることが好ましい。増反射膜としては、例えば、SiO−TiO−SiOの三層膜のような多層膜が挙げ
られる。
なお、ミラー107は、例えば、真空蒸着の手段を用いて、その平面部材のミラー面107cに金属又は合金の膜を設け、その平面部材の少なくとも接着面107bに接着強化膜を設けることによって得られる。
このミラー107長手方向の一方の端部は、保持部材109が取り付く構成となっており、もう一方の端部は、接着によって光学ハウジング101と固定される構造となっている。ミラー107が、三点支持されるとき、二点で支持されるミラー107の端部は、接着剤によって、光学ハウジング101に接着され、一点で支持されるミラー107の端部は、保持部材109によって、光学ハウジング101に可動に取り付けられる。これについて図5,6を使って説明する。
ミラー107長手方向の一方の端部は、図5に示すように光学ハウジング101に設けられたリブ101aの上面側に形成されている半円筒形状の支持部110に当接させ、ミラー107の上面側から、ねじなどの締結部材111で保持部材109を取り付ける機構となっている。
保持部材109は、図6(a)に示すように中央部に長方形状した2つの加圧部109aと、締結部材111で固定するための円形状した穴が形成されている。この保持部材109に形成された加圧部109aが、ミラー107上面側から、支持部110に対して、左右対称な位置に均一な荷重で押圧して、ミラー107を保持する。また、加圧部109aに角部109bを設けることにより、より均一な荷重で押圧する事が可能となる。
なお、光学ハウジング101に接着されたミラー107の端部にも、その接着された端部の固定を強化するために、保持部材109を取り付けてもよい。
もう一方の端部はミラー107と光学ハウジング101との間に接着剤112を塗布する。このとき、接着剤112は、ミラー107と光学ハウジング101との間に、1ヶ所又は2ヶ所の接着位置で、ミラー107の位置調整後に、UV透過部107aの上側からUV照射して光学ハウジング101と接着固定する。
このようにミラー107の一方の端部が、保持部材109によって可動に取り付けられ、ミラー107の他方の端部が接着されているので、ミラー107の配置を調整することができると共にミラーの熱膨張又は熱収縮によるミラー107の湾曲を予防する又は低減することができる。
本実施例では、UV硬化型の接着剤を用いて説明するが、紫外線硬化型接着剤以外の電子線硬化型接着剤、又は熱硬化型接着剤で、光学ハウジング101と接着固定する手段でも可能である。
ミラー107を接着固定する際に、ミラー107の接着面の濡れ性が悪い状態であると接着剤が濡れ広がらない不具合が生じて、接着強さ不足による剥れや、熱や衝撃などの環境変動により、ミラー107の位置ずれが発生する。このため、ミラー107の接着部の接触角(濡れ性)を45°以下にすることで接着剤は濡れ広がり、硬化後に良好な接着状態を得ることが可能となる。
次に、本発明の第十の実施形態によるミラー調整機又は第十一の実施形態によるミラー調整方法の実施例を、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、本発明の実施形態に係るミラー調整機の例の構成を示す図である。図8は、本発明の実施形態に係るミラー調整機の例の動作を示す図である。図9は、本発明の実施形態に係るミラー調整機の例におけるミラーの調整を示す図である。図10は、本発明の実施形態に係るミラー調整機の例におけるミラーの調整位置のずれを防止する方法を説明する図である。
図7に示すミラー調整機205は、チャック部201、角度調整機構202、上下位置調整機構203、調整機構保持部材204、UV光源113及び、計測部206を備えており、チャック部201の先端部には、半円筒形状したミラー保持部201aが、上側に1点受け、下側に2点受けで形成されている。また、チャック部201の上面側には、計測部206が当接されており、ミラー上側には、UV光源113が備えられている。
このミラー調整機205にて、保持部材109が取り付いていない、ミラー107長手方向のもう一方の端部を、チャック部201に形成されているミラー保持部201aで、ミラー107の上側1点、下側2点で受けて保持する。
ミラー107を保持した状態で、ミラー107と光学ハウジング101に形成されているリブ101a上面の間に接着剤を塗布する。
図8及び図9に示す、ミラー調整機205に備えられている上下位置調整機構203にて、ミラー107を直線の矢印のように上下方向に移動させることにより、図9に示す支持部110が支点となり、図8の直線の矢印に示すように、ミラー107の厚さ方向に変位して、副走査方向の走査線傾きを調整する。
また、角度調整機構202にて、ミラー107を、図9の左右方向に移動させることにより、図9に示す支持部110が支点となり、図9の曲線の矢印に示すように、図9の紙面に垂直な軸のまわりに、ミラー107が揺動又は回転する。このとき、図8の曲線の矢印に示すように、ミラーが、図8の紙面に平行な軸を回転軸として、その回転軸のまわりに揺動又は角度回転して、副走査方向のレジストずれを調整する。
このように、副走査方向の走査線の傾きのみを調整する(副走査方向のレジストずれの調整が不要である)場合には、ミラー107を、ミラー107の厚さ方向に上下に変位させればよく、保持部材109によって保持されるミラー107の端部は、必ずしも一点で支持される必要はなく、二点以上又は面で支持されてもよい。一方、副走査方向の走査線の傾き及びレジストずれの両方を調整するためには、ミラー107を、ミラー107の厚さ方向に上下に変位させると共にミラー107の左右方向に回転させるので、保持部材109によって保持されるミラー107の端部は、一点(例えば、円弧上の一点を含む)で支持される。
前記のように、ミラー調整機205に備えられている上下位置調整機構203と角度調整機構202は、別機構になっているため、副走査方向の走査線傾き及び副走査方向のレジストを同時に調整する事が可能である。
副走査方向の走査線傾き及び副走査方向のレジストを調整後、ミラー107の上側に備えられたUV光源にてUV光を照射し、接着剤を硬化させてミラー107と光学ハウジング101とを接着固定する。
しかし、調整毎に接着層厚さは変化するため、接着剤硬化収縮により、ミラー107の調整位置にずれが生じ、副走査方向の走査線傾きが、調整狙い値に対してずれが発生する。すなわち、接着で固定する際に、硬化収縮によってミラーの位置が大きく変動する。このミラー位置の変化が発生すると、走査線が傾き、画像評価での色ずれとなることがある。この為、ミラーを狙いどおりの位置で固定する必要がある。
この接着剤の硬化収縮によるミラー107の位置ずれを"0"にすることは、接着剤の特性上、極めて難しい。
そこで、接着層毎に異なる副走査方向の走査線傾きを任意の位置に調整する手段として、予め、接着層厚さに対する接着剤の硬化収縮量を捉え、補正係数を算出する。図10に示すミラー調整機205に取り付けられている計測部206にて、副走査方向の走査線傾き及び副走査方向のレジストを調整後の接着層厚さA304を計測する。この傾き量E304に接着層厚さに対する接着剤の硬化収縮量の補正係数をかけて調整量C301に調整することにより、硬化収縮によるミラー107の調整位置ずれを防止することができる。
あるいは、接着剤の硬化収縮量を低減させ、位置ずれを低減できる接着構造を用いる。
図11は、本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の一つの例を説明する図である。図11(a)は、本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の一つの例の開始の状態を示す図であり、図11(b)は、本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の一つの例の終了の状態を示す図である。
図11(a)に示すようなミラー107長手方向のミラー接着固定側(ミラーの接着面107bの側)は、ミラーの角度調整機構にて、ミラー107を厚さ方向及び、回転方向にミラー位置を変位させて、副走査方向の走査線傾きや副走査方向のレジスト位置ずれを調整する。
この調整後に、図11(a)に示すように、リブ101aの上面部に、紫外線硬化型の接着剤のような接着剤112を塗布し、ミラー107を当接させ、ミラー107の上面部に設定したUV光源113の紫外線照射位置より(ミラー107の接着面の法線方向において)、接着剤を硬化させるエネルギーとしてのUV光を照射してミラー107と光学ハウジング101を接着固定している。
ただし、図11(b)に示すように、UV光を照射すると接着剤112はミラー界面側から硬化し始め、接着剤112の厚さ方向(ミラー107の接着面の法線方向)における硬化収縮114の量(接着剤の変形率)により、ミラー107の位置が変位し、副走査方向の走査線傾きや副走査方向のレジスト位置にズレが生じる可能性がある。
図12は、本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の別の例を説明する図である。図12(a)は、本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の別の例の開始の状態を示す図であり、図12(b)は、本発明の実施形態に係るミラー接着固定方法の別の例の終了の状態を示す図である。
副走査方向の走査線傾きや副走査方向のレジスト位置ずれを調整後に、図12(a)に示すように光学ハウジング101に形成されているリブ101aの上面に、紫外線硬化型の接着剤のような接着剤112を塗布し、ミラー107を当接させる。
図12(a)に示すように、UV光源113の紫外線照射位置は、接着固定する接着剤112の厚さ方向(ミラー端面107dに平行な方向)に対して、直角な方向(ミラー107の接着面の法線方向と直交する方向)に配置しており、接着剤112の厚さ方向の側面部から、接着剤を硬化させるエネルギーとしてのUV光を照射する。図12(b)に示すように、前記のUV光源113の紫外線照射位置からUV光を照射することにより、接着剤112の厚さ方向の側面部からミラー107の長手方向に硬化収縮114する。
このため、接着剤112の厚さ方向への硬化収縮114の量(接着剤の変形率)を抑えることができ、接着剤112の硬化収縮による副走査方向の走査線傾きや副走査方向のレジスト位置ズレが低減できる。本実施例では、紫外線硬化型の接着剤を用いて説明するが、紫外線硬化型接着剤以外の電子線硬化型接着剤、又は熱硬化型接着剤で、光学ハウジング101と接着固定する手段でも可能である。
本発明の第18の実施形態は、図13〜15に示す光学走査デバイスに用いるミラーである。この実施形態のミラーは、図13に示すように、平面部材401上に光を反射させる鏡面部402と、光を透過する透過部404を備えた構成になっている。ミラー400は、矩形状で、長手方向が光学走査デバイスの主走査方向に対応している。平面部材401の片面側の中央付近に鏡面部402が形成されており、長手方向の両端部に透過部403,404が形成されている。平面部材401は、ガラス部材であれば特に限定されないが、高いUV透過率を備えたガラスであることが好ましい。
図14に示すミラーの鏡面部402の断面構造は、反射膜405、3層の増反射膜406で構成されている。この反射膜405は、光を反射させる膜であり、平面部材401に形成されている平面上に、アルミニウムのような金属又は合金の薄膜で形成されている。増反射膜406は、3層で構成された反射率を増加させる膜であり、反射膜405の上側(外側)に増反射膜406が形成されている。
図15に示すミラーの透過部404の断面構造(透過部403も同じ断面構造である。)は、紫外線を透過することが可能な部分であり、ミラー400の鏡面部402と同じ面の透過部404には接着面407が形成されている。この接着面407の表面には、3層からなる接着強化膜408が設けられている。
通常、平面部材401は、図16に示すように大板部材409を短冊状に切断して製作する。その際に、切断部である平面部材401の短手方向の端部には、波打ち模様をした凹凸(通常、「削げ」と呼ばれている。)が発生することが多い。この「削げ」401bは、一方の切断面にのみ生じやすい。「削げ」401bの発生した面は、面の平滑性に欠けるので、鏡面を形成する面には、この「削げ」401bが発生していない平滑面401aを選ぶことが好ましい。
この「削げ」401bの部分には、切断の際に発生する残留応力が溜まっていると考えられ、急激な温度変化や、接着剤の硬化収縮力(引張り力)により、使用中のミラー400に亀裂が入ったりする可能性があるため、接着固定強度を強化させるためには「削げ」401bのある側の平面と反対の平滑平面401aに鏡面部402及び、透過部403,404とすることが好ましい。本実施形態では、「削げ」401bのある側の平面と反対の平滑面401aに鏡面部402及び、透過部403,404を形成したミラー400としている。
このミラー400の光学ハウジングへの取り付けについて、図3及び図5を参照にして説明する。ミラー400はミラー107としている。図3及び図5に示した光学走査デバイスのミラー107は、ミラー長手方向の一方の端部を保持部材109が保持し、もう一方の端部は接着によって光学ハウジング101と固定される構造となっている。保持部材109に保持されている端部は、図5に示すように光学ハウジング101に設けられたリブ101aの上面側に形成されている半円柱形状の支持部110に当接させ、ミラー107の上面側から、ねじなどの締結部材で保持部材109を取付ける機構となっている。
もう一方の端部は、図17に示すように、ミラー107と光学ハウジングのリブ101aとの間にUV硬化型接着剤112を塗布して、ミラー107の位置調整後に、紫外線透過部の上側からUV光源113を用いてUV照射して、光学ハウジングのリブ101aと接着固定する。本実施形態例では、UV硬化型の接着剤を用いているが、紫外線硬化型接着剤以外にも電子線硬化型接着剤、又は熱硬化型接着剤で、ミラー107と光学ハウジング101とを接着固定する手段でも可能である。
この実施形態では、ミラーにUV透過部を設けることで、接着固定するための装置及び部品の構成・機構を複雑にすることなく、安価で高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第19の実施形態は、透過部に接着強化膜の接着面が形成されているミラーである。図15に平面部材401の透過部404に3層の接着強化膜408の接着面を形成したミラーの部分断面図を示した。図15に示すように、ミラー400に備えられた平面部材表面407上に、SiO等の親水性の高い接着強化膜408を成膜することにより、図20(b)に示したような接触角の小さい、すなわち親水性(濡れ性)の高い接着面となる。このような接着面は、UV硬化接着剤が濡れ広がり易く、着剤硬化後に強靭な接着強度が得られる。
一方、親水性を有しない接着面を備えたミラーにUV硬化接着剤等を塗布して接着固定する際には、ミラーの接着面が図20(a)に示すような接触角となり、UV硬化接着剤が十分濡れ広がらない不具合が生じて、接着強さ不足による剥れや、温度変動や衝撃・振動などの外乱影響により、ミラーの位置ずれが発生してしまう。
この実施形態では、接着強化膜408として、図14に示したような鏡面部402に設けられている反射膜405の上側に成膜されている増反射膜406と同じものを用いることができる。そのため、実際の製造工程では、鏡面部402に増反射膜406を成膜すると同時に接着強化膜408も成膜できる。
この接着強化膜408は親水性に優れていると共に、UV硬化型接着剤と平面部材401との接着強度より、接着強化膜408と平面部材401との接着強度の方が強い。さらに温度変動や衝撃・振動などの外乱影響にも耐えられる接着強度が得られることより、ガラス部材の平面部材401との長期的な密着性にも優れている。
接着強化膜408が成膜された接着面の濡れ性(親水性)は、純水滴下による接触角評価法を用いている。しかし、接着強化膜408が成膜された接着面に一度滴下した純水を拭取ると、その後は同じ接着面の濡れ性が悪い状態(=濡れ広がらない)になってしまう現象がある。そこで、図18に示すように、接着強化膜408が成膜された領域を、純水を滴下したり拭き取ったりしないで直接UV硬化接着剤を塗布する領域501と、純水を滴下して接触角(親水性、又は濡れ性)を測定する領域502とに分けて、接触角(親水性、又は濡れ性)を測定する。このように、接着剤塗布領域501とは別に接触角測定領域502を設けることにより、UV硬化型接着剤を塗布する領域501の親水性(濡れ性)が維持できる。
この実施形態においては、UV硬化型接着剤がミラーの接着部に良く濡れ広がることにより、接着剤硬化後に強靭な接着強度が得られる。その結果、温度変動や衝撃・振動などの外乱影響に耐える接着強度を得ることができ、光学特性を安定させることができる高精度な光学走査デバイス用のミラーとすることができる。また、ミラー接着面にUV硬化型接着剤を塗布する領域と、接触角(濡れ性)を評価する領域を設けることで、純水滴下による接触角測定時にUV硬化型接着剤を塗布する領域の濡れ性を悪化させることなく、濡れ性が良い状態(=濡れ広がる)を維持できる。また、接触角(濡れ性)を測定する領域をミラー端部側に設けることで、滴下した純水を簡易に拭取ることができる。このため、接触角評価のための装置及び部品の構成・機構を複雑にすることなく、安価で高精度な光走査装置を提供できる。
本発明の第20の実施形態は、上記実施形態18又は19に示したミラーにおける第一の端部側をハウジングに可動に取付け、且つ第二の端部側をハウジングに接着によって取付けるミラーの取付け方法であって、ミラーの接着位置を第二の端部側のミラー長手方向における端部と鏡面部の端部との略中央部とするミラー取付け方法である。図19に示すミラー600の鏡面部601において鏡面機能を持つ反射膜405は、平面部材401との接着力が、接着強化膜408と平面部材401との接着力より弱い場合がある(図14,15参照)。この為、ミラーの光学ハウジングへの接着位置は、鏡面部からもミラーの端部からも離れた、両者の中央部分の接着位置602とすることが平面部材401と接着強化膜408との接着力が強固になる。この為、この接着位置602部分に接着剤を塗布してミラーを光学ハウジングに取付ける方法が好ましい。このようにすれば、ミラーの端部において接触角を測定する領域も確保できる。この接着位置602のうち1ヶ所又は2ヶ所に接着剤を塗布することで、さらに良好な接着固定強度が得られる。
この実施形態において製造されたミラーは、鏡面境界部から離れた、且つ、接触角を測定する領域にかからない位置である透過部の中央付近に接着位置を設け、この接着位置で1ヶ所又は2ヶ所を接着剤塗布位置としている。これにより、UV硬化接着剤が良く濡れ広がることにより、接着剤硬化後に強靭な接着強度が得られ、温度変動や衝撃・振動などの外乱影響に耐えることができ、且つ、光学特性を安定させることができるため、高精度な光学走査デバイスが提供できる。
本発明の第21の実施形態は、上述の実施形態18又は19に示したミラーを実施形態20に示したミラー取付け方法でミラーをハウジングに取り付けた光学走査デバイスである。この実施形態の光学走査デバイスにより、ミラーを接着固定するための装置及び部品の構成・機構を複雑にすることなく、安価で高精度な光学走査デバイスが提供できる。
さらに、本発明の第22の実施形態は、第21の実施形態の光学走査デバイスを搭載した画像形成装置である。この光学走査デバイスを搭載した画像形成装置により、高画質な画像を得ることができる。
本発明の第23の実施形態は、ミラーを備えた光学走査デバイスのハウジングであって、ミラーを接着する接着部が、ミラーの接着面に当接する第1面とミラーの接着面に対し30〜90度傾いた第2面とを有する凹凸構造をしているハウジングである。
ミラーの一端を接着剤により接着し、他端を保持機構により鏡面と垂直な方向のみ固定したようなミラーのハウジングにおいては、図27の斜視図で示すように、ハウジング取付け時にハウジング受け面が製品と接触することで発生する衝撃により、ハウジングの接着面に衝撃と同一方向の負荷がかかる。また、図28に示すように、ミラーの長手方向の一方の端部は、ミラーの反射方向を調整する為に保持機構によってハウジングに押し付けられているだけであり、鏡面と平行方向には拘束されていない。このため、外部からの衝撃により調整接着機構であるミラーの接着部を支点にミラー面と平行方向にミラーが振れ、接着部に応力がかかる。この実施形態のハウジングによれば、この応力に対してハウジングとミラーを強固に接着することができる。
従来から、ハウジングと接着剤の接着強度を向上させる為に、接着で固定する範囲を広げる方法が考えられていた。この方法では、UV硬化型接着剤を硬化させるUVの照射範囲を広げる必要があり、単位面積当りのUV照射量が低下し、接着剤の硬化までの時間が長くなり、量産時のタクトタイムが増加によるコスト増に繋がってしまう欠点があった。
この実施形態では、図21に示すミラーとハウジングの接合部の説明斜視図、及び図22(b),22(c)に示す接合部の断面形状のように、接着面中にミラー面705aと略平行な平面である第1面701aだけではなく、ミラー面と30〜90度の角度を成す第2面701bを組み合わせてハウジング701の接着部を凹凸形状としている。図22(b)には第2面701bが90度の例、図22(a)には第2面701bが30度の例を示している。なお、図22(a)はミラーとハウジングの接合部の平面図であり、図22(b),22(c)はその接合部のB部分のA−A'断面の詳細図である。図22(a)に示した形態では、同様の凹部の溝が3本あり、従って凸部が2つある凹凸形状である。
ハウジングの接着部をこのように凹凸構造とすることで、ハウジングの接着面積が拡がり接着剤との接着力が増大する。ハウジングのミラーとの当接面をミラーの接着面に略平行な面とすることで、接着剤塗布・硬化前でも、ハウジングでミラーを支えることができるので、ミラーを把持する際のミラーの姿勢が安定し、治具での作業が容易になる。さらに、凹部を持つことにより、ミラーの鏡面方向への応力による接着面の剥離に対し抵抗力を増すことができる。この抵抗力は、第1面と第2面の角度が大きくなるほど高まるが、接着剤を充填しにくくなったり、紫外線照射しにくい部分ができたりしやすくなる。そこで、第2面の角度は、接着剤とハウジングの材質、衝撃のかかる方向と衝撃の大きさに合わせて変更する必要がある。また、接着面内に複数の凹凸を配列することで、衝撃に対する接着強度の向上と段差により剥れの進行を止める機能を得ることが出来る。
この凹凸形状の底まで接着剤が入り込んだ状態で接着剤を硬化させて、ハウジングと接着剤を噛み合わせることで、ミラー面と平行な方向の振れに対する接着強度の向上をはかり、耐衝撃性の向上させている。また、凹凸形状の深さを揃えて均一にすることで、各凹凸形状の底面まで紫外線で均等に照射することができる。ハウジングにかかる衝撃により、ミラーの調整接着機構を中心にミラー面と平行な方向に振れに対して、ハウジングの接着界面の接着強度が弱い。そこで、接着界面の接着強度だけでなく、接着剤が引っかかる形状に硬化させることで振れの方向に対して強い接着構成とすることが出来る。
また、図23,24に示すように、ハウジングの凹凸形状の第1面面の第2面との交線が、接着面における最遠部同士を結んだ直線と直交しさせることで、接着面の最遠部同士である矩形の角部から始まるミラーの剥れの進行を、剥れの進行方向に直角に形成されている凹部の溝に充填された接着剤で食い止めることが出来る。すなわち、ハウジングにかかる衝撃により、ミラーの調整接着機構を中心としたミラー面に平行な方向の振れと、ミラーの撓みにより、接着面は対角方向に捻られる。この捻りに直交する溝を接着面に形成することで、捻りに直交する方向の接着面積を増やし接着強度の向上を図ることが出来る。
このような凹凸構造は、金型を用いてハウジング、又はハウジングのリブを製作し、そのミラーとの接着部に対応する凹凸部を備えた金型の転写によって容易に形成することができる。その他の製造方法においても、接着面に金型の凹凸のパターンを転写することで、成型品に追加工を施すのにかかる作業コストを低減することができる。
本発明の第24の実施形態は、第23の実施形態のハウジングにおいて接着部の凸部の形状を接着面上で交差するローレット形状としている。図25の斜視図と図26の平面図に示したように、この場合も接着面全体は矩形であり、その矩形の2本の対角線に対し、第1面と第2面の交線、すなわち、図26の平面図における凸部と凹部の境界線701aが直角に交叉している。この実施形態のハウジングの接着面には、最遠部の組み合わせが2箇所あるので、その両方に対応した凹凸形状となっている。
この場合にも、ミラーの撓みなどで、剥れの進行方向713aに対して溝が直角になっており、溝の中に充填された接着剤が強固に剥れの進行を食い止めることが出来る。ハウジングにかかる衝撃により、ミラーの調整接着機構を中心としたミラー面に平行な方向の振れと、ミラーの撓みにより、接着面は対角方向に捻られる。この捻りに直交する溝を接着面に形成することで、捻りに直交する方向の接着面積を増やし接着強度の向上を図ることが出来る。
本発明の第25の実施形態は、上述の実施形態23〜24に示したハウジングにミラーを取り付けた光学走査デバイスである。この実施形態の光学走査デバイスにより、ミラーを接着固定が強固で、安価で高精度な光学走査デバイスが提供できる。
さらに、本発明の第26の実施形態は、第25の実施形態の光学走査デバイスを搭載した画像形成装置である。この光学走査デバイスを搭載した画像形成装置により、高画質な画像を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
本発明は、デジタル複写機やレ−ザプリンタ等に使用される光走査装置に適用することができる。また、本発明は、光走査装置に調整機構を備えることなく、副走査方向の走査線傾き及び副走査方向のレジストずれの調整が同時に行え、更に環境変動(耐熱・耐振動)に強い光走査装置に適用することができる。
101 光学ハウジング
101a リブ
102 光源
103 シリンドリカルレンズ
104 ポリゴンスキャナユニット
104a 回転多面境
105 光学素子
106 感光体
107 ミラー
107a UV透過部
107b 接着面
107c ミラー面
107d ミラー端面
109 保持部材
109a 加圧部
109b 角部
110 支持部
111 締結部材
112 接着剤
113 UV光源
113a UV光
114 硬化収縮
201 チャック部
201a ミラー保持部
202 角度調整機構
203 上下位置調整機構
204 調整機構保持部材
205 ミラー調整機
206 計測部
301 調整量C
302 傾き量D
303 傾き量E(狙い値)
304 接着層厚さA
400 ミラー
401 平面部材
401a 鏡面側
401b 削げ
402 鏡面部
403 透過部
404 透過部
405 反射膜
406 増反射膜
407 接着面
408 接着強化膜
408 大板部材
500 ミラー
501 接着剤塗布領域
502 接触角測定領域
600 ミラー
600a 保持部材取付側
600b 接着固定側
601 鏡面部
602 接着位置
603 ミラー端部
701 ハウジング
701a ハウジングへの衝撃
701b 第1面
701c 第2面
701d 第2面の第1面との交線
701e 第2面の第1面との交線
702 受け面
703 ハウジングへの衝撃
704 ミラーへの衝撃
705 ミラー
705a ミラーの接着面
706 接着剤
707 ミラーの振れ
708 調整接着機構
709 接着範囲
710 接着範囲の外接円
711 接着範囲の最遠点
712 接着範囲の矩形の対角線
712a 接着範囲の矩形の対角線
712b 接着範囲の矩形の対角線
713 剥がれの進行方向
713a 剥がれの進行方向
713b 剥がれの進行方向
特開2001−100135号公報 特開2003−188459号公報

Claims (20)

  1. ミラーを備えた光学走査デバイスのハウジングであって、
    ミラーを接着する接着部は、凹凸形状をしており、
    ミラーの接着面と当接する第1面と、
    第1面と交叉して凹部を形成する第2面とを有し、
    第1面と第2面との交線は、ミラーとハウジングの接着面の最遠部同士を結んだ少なくともひとつの直線と略直交することを特徴とするハウジング。
  2. 前記第2面は、前記第1面に対し30〜90度の傾きを有することを特徴とする請求項1に記載のハウジング。
  3. 前記凹凸形状における凹部の深さは均一であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハウジング。
  4. 前記凹凸形状は、金型の転写により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハウジング。
  5. ミラーを備えた光学走査デバイスのハウジングであって、
    ミラーを接着する接着部は、ミラーの接着面と当接する第1面と、
    第1面と交叉する第2面を含む面により凹凸形状を形成し、該凹凸形状はローレット形状をしており、
    前記第1面と第2面との交線は、ミラーとハウジングの接着面の最遠部同士を結んだ直線と略直交していることを特徴とするハウジング。
  6. 前記第2面は、前記第1面に対し30〜90度の傾きを有することを特徴とする請求項5に記載のハウジング。
  7. 前記ローレット形状を形成する凹部の深さは均一であることを特徴とする請求項5又は6に記載のハウジング。
  8. 前記ローレット形状は、金型の転写により形成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のハウジング。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のハウジングを有することを特徴とする光学走査デバイス。
  10. 請求項9に記載の光学走査デバイスを搭載したことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のハウジングに第一の端部及び第二の端部を備えた少なくとも一つのミラーを取り付けるミラーの取り付け方法であって、
    該少なくとも一つのミラーの第一の端部を該ハウジングに可動に取り付け、且つ、
    該少なくとも一つのミラーの第二の端部を該ハウジングに接着によって取り付けることを特徴とするミラーの取り付け方法。
  12. 前記少なくとも一つのミラーの第二の端部を前記ハウジングに接着によって取り付けることは、前記少なくとも一つのミラーの第二の端部を前記ハウジングに接着剤を用いて接着することを含み、
    前記少なくとも一つのミラーの第二の端部の接着面の法線方向における該接着剤の変形が無いか、又は、該接着面の法線方向と直交する方向における該接着剤の変形率よりも該接着面の法線方向における該接着剤の変形率が小さいように、前記少なくとも一つのミラーの第二の端部を前記ハウジングに接着することを特徴とする請求項11に記載のミラーの取り付け方法。
  13. 前記接着面の法線方向における前記接着剤を硬化させるエネルギーを加えずに、又は、前記接着面の法線方向と直交する方向に加えられる前記接着剤を硬化させるエネルギーよりも前記接着面の法線方向に加えられる前記接着剤を硬化させるエネルギーが少ないように、前記接着剤を硬化させるエネルギーを、前記接着剤に加えることを特徴とする請求項12に記載のミラーの取り付け方法。
  14. 接着剤の接着力を向上させる膜を備え、前記接着剤によって接着することが可能なミラーの長手方向における第一の端部側を光学走査デバイスのハウジングに可動に取り付け、且つ第二の端部側を前記ハウジングに接着によって取り付けるミラーの取り付け方法であって、
    前記ハウジングは、請求項1〜8のいずれか一項に記載のハウジングであり、
    ミラーの接着位置は、第二の端部側におけるミラーの長手方向の端部と鏡面部の端部との略中央部であることを特徴とするミラーの取り付け方法。
  15. 請求項14に記載のミラーの取り付け方法でミラーを前記ハウジングに取り付けたことを特徴とする光学走査デバイス。
  16. 請求項15に記載の光学走査デバイスを搭載したことを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のハウジングに取り付けられるミラーの配置を調整するミラーの配置調整装置であって、
    該ミラーの長手方向の一端を前記ハウジングに可動に保持して第一の回転軸とし、他端を該ミラーの反射面に垂直な方向に移動するように該ミラーを回転させるデバイスを含むことを特徴とするミラーの配置調整装置。
  18. 前記第一の回転軸と直交し、該ミラーの反射面に平行な第二の回転軸まわりに該ミラーを回転させるデバイスをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のミラーの配置調整装置。
  19. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のハウジングに取り付けられるミラーの配置を調整するミラーの配置調整方法であって、
    該ミラーの長手方向の一端を前記ハウジングに可動に保持して第一の回転軸とし、他端を該ミラーの反射面に垂直な方向に移動するように該ミラーを回転させることを含むことを特徴とするミラーの配置調整方法。
  20. 前記第一の回転軸と直交し、該ミラーの反射面に平行な第二の回転軸まわりに該ミラーを回転させることをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のミラーの配置調整方法。
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