以下、実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るラベル処理装置の一例を示す概略図であり、図2は、実施形態に係るラベル処理装置の制御ブロック図である。例えば、ラベル処理装置は、搬送部及びプリント部により構成され、例えばロール紙プリンタ又はラベルプリンタと呼ばれるものである。
図1及び図2に示すように、ラベル処理装置1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、データ入力部15、データ処理部16、プリンタ部17、給紙部18、排紙部19等を備える。
制御部11は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)であり、検出手段及び制御手段として機能し、ラベル処理装置1によるラベル処理に関わるすべての動作を制御する。例えば、制御部11は、搬送制御部111を備え、複数のラベルLが接着された台紙の搬送を制御したり(給紙部18を制御したり)、台紙上のラベルの有効又は無効を判定したり、判定結果に基づきラベルに対する印刷を制御したり(プリンタ部17を制御したり)、台紙(台紙とラベル)のカット位置を設定したり、カット位置に基づき台紙(台紙とラベル)のカットを制御したり、また、搬送制御部111による台紙の搬送制御により、台紙上の複数のラベルLのうちの1つの指定ラベルL(最終ラベルLL)(図4に図示)を剥離する剥離処理を制御したり、剥離された指定ラベルLを用いて2つの台紙を結合する結合処理を制御したり、印刷処理を制御したりする。制御部11(搬送制御部111)によるラベル判定処理、印刷制御、指定ラベルLの剥離処理、及び台紙の結合処理の詳細については後に詳しく説明する。
記憶部12は、動作制御プログラム(ラベル判定処理プログラム、印刷制御プログラム、カット処理プログラム、剥離処理プログラム、及び結合処理プログラムを含む)、動作パラメータ等を記憶する。入力部13は、例えばタッチパネルで構成され、ユーザからの各種入力を受け付ける。例えば、ユーザからのカット位置の指定入力を受け付けることもできる。表示部14は、例えば、入力部13のタッチパネルと一体に形成され、受け付けた入力内容等をイメージ、文字、数字で表示する。例えば、デフォルトで設定されているカット位置を台紙(台紙とラベル)のイメージ上で表示することもできるし、台紙(台紙とラベル)のイメージ上で指定入力されたカット位置を表示することもできる。これにより、ユーザは、台紙(台紙とラベル)のどの位置がカットされるのかを知ることができる。
給紙部18は、例えば、台紙A(ロール状に巻き取られた台紙(所謂ロール紙))を装填可能に構成された台紙装填部(ロール紙送り出し機)181、台紙B(ロール状に巻き取られた台紙(所謂ロール紙)(予備の台紙)を装填可能に構成された台紙装填部(ロール紙送り出し機)182、複数の搬送ローラR1、R2、R3、複数のモータM、複数のセンサSE(図1ではセンサSE1、SE2の2つのセンサのみを示すが、多数のセンサSEが配置されているものとする)、スクレーパーSC(剥離部材)、リワインダー部(緩衝部)183、カッター184、結合ユニット185等を備える。本実施形態では、2つの台紙(ロール紙)を装填可能なラベル処理装置1について説明するが、ラベル処理装置1は、3つ以上の台紙(ロール紙)を装填可能な構成であってもよい。
例えば、1つのセンサSEは、光を照射する照射部と、照射された光(又は照射された光の反射光)を受光する受光部により構成され、各センサSEは、ロールから引き出され搬送される台紙A又はロールから引き出され搬送される台紙Bの搬送経路(台紙AとBの搬送経路は実質同一)に沿って配置される。例えば、センサSE1は、台紙A、Bの終端を検出するセンサとして利用され、また、センサSE2は、ラベルを検出するセンサとして利用される。センサSE2の照射部から照射される光は、台紙A、Bの搬送経路に向けて照射されるため、受光部で受光される光量は、台紙A又はBが無い場合、台紙A又はBが有る(ラベルが無い)場合、台紙A又はBが有る(ラベルも有る)場合で変化する。さらに、受光部で受光される光量は、台紙A又はBの厚みの変化に応じて変化する。各センサSEからの出力は、搬送制御部111に入力され、搬送制御部111は、各センサSEからの出力に基づき、台紙A又はBの搬送状況及び台紙A又はBの状態を詳細に検出することができる。つまり、搬送制御部111は、各センサSEからの出力に基づき、ロールから引き出された台紙Aの先端、終端、この台紙A上の各ラベルの先端、終端、各ラベルのサイズ、ラベル間隔、ロールから引き出された台紙Bの先端、終端、この台紙B上の各ラベルの先端、終端、各ラベルのサイズ、ラベル間隔、を検出することができる。さらに、台紙A、Bの終端形状(直線的にカットされている、非直線的にカットされている)、台紙A、B上の異物(芯と台紙とを結合するために貼り付けられたテープ)、後述する台紙AとBの結合部分(結合部分のラベル)を検出することもできる。
例えば、モータMは、パルスモータであり、搬送制御部111は、台紙A又はBの搬送状況に基づき、モータMの駆動を制御する。搬送制御部111の制御に応じてモータMが駆動し、台紙装填部181又は182が台紙A又はBを送り出し、搬送ローラR1、R2により台紙装填部181から送り出される台紙Aが搬送され、又は搬送ローラR1、R2により台紙装填部182から送り出される台紙Bが搬送される。例えば、台紙A、Bの移動距離(搬送距離)は制御可能であり、また搬送方向も順方向と逆方向に制御可能である。
カッター184は、台紙A、Bの後端検出等に基づき、台紙A、Bの後端の無駄な部分や不具合部分をカットする。搬送ローラR3は、カット位置合わせの為に台紙A、Bを搬送(移動)する。結合ユニット185は、印刷中の台紙Aの後端と次に印刷予定の台紙Bの先端を結合する。結合処理については後に詳しく説明する。
データ入力部15は、外部から送信される画像データ(ラベル情報等)を入力し、データ処理部16は、入力された画像データを指定されたプリントデータへ変換し、プリンタ部17は、印刷手段として機能し、プリントデータに基づき、第1〜第4の感光体ドラムにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー、黄)、Bk(ブラック、黒)(図示しない)の各色に対応する潜像を形成し、C、M、Y、Bkトナーを供給して各色に対応する潜像を現像し、各色に対応するトナー像を台紙状の各ラベルLへ転写し、各ラベルLに転写されたトナー像を定着させる。本実施形態では、プリンタ部17が、電子写真方式を用いたカラープリンタである場合について説明するが、モノクロプリンターであってもよい。また、電子写真方式に限定されるものでもない。なお、データ処理部16は、プリントデータを生成する時に、画質維持制御用の画像濃度検出位置と予測濃度を決定し、プリンタ部17とリワイダー191へ転送する。プリンタ部17は、画像濃度検出位置での予測濃度と、リワインダーで検出された画像濃度検出位置での画像濃度とを比較し、濃度差が無くなる様に画質維持制御を実行する。
ここで台紙上のラベルLについて補足説明する。台紙には同一サイズのラベルLが一定間隔で配置されていてもよいし、異なるサイズのラベルLが一定周期で配置されていてもよい。例えば、第1のサイズのラベルLと第2のサイズのラベルLとが交互に配置され、第1のサイズのラベルL1枚と第2のサイズのラベルL1枚の合計2枚を一組として、商品に貼り付ける運用であってもよいし、第1のサイズのラベルL1枚と第2のサイズのラベルL1枚と第3のサイズのラベルL3の合計3枚を一組として、商品に貼り付ける運用であってもよい。
上記説明したように、搬送制御部111は、各センサSEからの出力に基づき、ロールから引き出された台紙Aの先端、終端、この台紙A上の各ラベルの先端、終端、各ラベルのサイズ、ラベル間隔、ロールから引き出された台紙Bの先端、終端、この台紙B上の各ラベルの先端、終端、各ラベルのサイズ、ラベル間隔を検出することができるので、プリンタ部17は、この検出情報に基づき、台紙A、B上に位置する同一サイズのラベルL、又は異なるサイズのラベルLに対してラベル情報を印刷することができる。例えば、同一サイズの各ラベルに対して、同一のラベル情報を印刷するようにしてもよいし、同一サイズの各ラベルに対して、異なるラベル情報を一定周期で印刷するようにしてもよいし、異なるサイズの各ラベルに対して、サイズに応じて異なるラベル情報を印刷するようにしてもよい。
排紙部19の台紙巻取り機構192は、印刷処理を経た台紙A又はBを巻き取る。リワインダー部(緩衝部)191は、プリンタ部17と台紙巻き取り機192の間で巻き取りタイミングの調整を行う。
次に、図3を参照して、ラベル処理について説明する。図3は、ラベル処理の一例を示すフローチャートである。
事前準備として、ユーザは、台紙装填部181に台紙Aを装填し、台紙装填部182に台紙Bを装填する。台紙Aと台紙Bは実質的に同一の台紙である。例えば、ユーザは、給紙部18の所定搬送位置に台紙Aの先端(一端)をセットする。その後、ユーザが、入力部13上のスタートキーを押下すると(ACT1)、制御部11の制御により、プリンタ部17、給紙部18、排紙部19が動作し、台紙Aの搬送、台紙A上の各ラベルLへの印刷、印刷された台紙Aの排紙が実行される(ACT2)。つまり、給紙部18が、ロールから台紙Aを引き出し順方向に搬送し、プリンタ部17が、搬送される台紙A上の各ラベルLにラベル情報を印刷する。例えば、排紙部19は、ラベル情報が印刷された台紙Aをロール状に巻き取る。
例えば、搬送制御部111が、台紙Aの終端を検出すると、台紙Aの任意のラベルLを検出すると、又は台紙上の異物(芯と台紙とを結合するために貼り付けられたテープ)を検出すると、台紙Aの用紙切れと判定する(ACT3)。例えば、記憶部12は、予め1枚の台紙上のラベル数に関する情報を記憶し、搬送制御部11が、台紙A上の各ラベルLをカウントすることにより、終端に最も近いラベルL(最終ラベルLL)を検出して、台紙Aの用紙切れを判定してもよいし、最終ラベルLLの1つ手前のラベル(搬送方向に対して最終ラベルLLより上流側のラベル)又は2つ前のラベル(搬送方向に対して最終ラベルLLより上流側のラベル)等を検出して、台紙Aの用紙切れを判定してもよい。或いは、記憶部12が、予め1枚の台紙の長さ関する情報を記憶し、搬送制御部11が、台紙Aの先端を検出し台紙Aの長さをカウントすることにより、台紙Aの用紙切れを判定するようにしてもよい。さらに、台紙Aの終端、任意のラベル検出、台紙Aの長さカウント等を組み合わせて、より高精度に台紙Aの用紙切れを判定するようにしてもよい。
台紙Aの終端又は最終ラベルLLが検出されるタイミングに基づき(台紙Aの用紙切れを判定に基づき)、処理を中断し(順方向の搬送処理、印刷処理を一時中断し)(ACT4)、制御部11(搬送制御部111)及び給紙部18(カッター184)は、台紙Aの先端、後端、及び最終ラベルLLのうちの少なくとも1つの検出結果(例えば最終ラベルLLの後端の検出結果)に基づき台紙Aのカット処理を実行し(ACT5)、最終ラベルLLの剥離処理を実行し(ACT6)、台紙結合処理を実行し(ACT7)、処理を再開する(順方向の搬送処理、印刷処理を再開する)(ACT8)。
次に、図4、図5A、図5B、及び図5Cを参照し、最終ラベルLLの剥離処理の一例について説明する。
図5Aに示すように、初期状態で、スクレーパーSCは、搬送路上から退避されており、台紙Aの順方向への搬送が一時停止しカット処理後、給紙部18は、スクレーパーSCを搬送路上の所定位置へセットし、搬送制御部111及び給紙部18は、カット処理によりカットされた台紙Aを逆方向へ一定距離搬送し停止する。例えば、最終ラベルLLの接着面の一部(例えば半分の面積又は2/3の面積)が台紙Aから剥離するように、台紙Aを逆方向へ一定距離搬送し停止する。例えば、リワインダー部183の“たるみ”を使って、台紙Aを逆方向に搬送し、スクレーパーSCにて台紙と最終ラベルLLとが分離される。リワインダー部183があるので、プリンタ部17では用紙の逆方向への搬送が発生しない。なお、プリンタ部17が、逆方向への搬送可能な構成であれば、リワインダー部183は不要である。図6は、スクレーパーSCの一例を示す上面図であり、例えば、スクレーパーSCは先細りの形状により、ラベルを容易に剥離することができる。
図5Bに示すように、逆方向への搬送により、台紙Aの終端がスクレーパーSCに向けて搬送され、台紙Aに接着された最終ラベルLLの一辺がスクレーパーSCへ押し当てられる。センサSにより、最終ラベルLLの一辺がスクレーパーSCへ押し当てられたことを検出することができる。最終ラベルLLの一辺がスクレーパーSCへ押し当てられてから、さらに接着面の一部(例えば半分の面積又は2/3の面積)に相当する距離だけ逆方向へ搬送することにより(スクレーパーSCへ押し込むことにより)、最終ラベルLLの接着面の一部が台紙Aから剥離する。
図5Cに示すように、最終ラベルLLの接着面の一部が台紙Aから剥離した状態で、逆方向への搬送を停止し、さらに、スクレーパーSCを拡張(先端を拡張)させることにより、台紙Aを搬送面より下げて、台紙Aと最終ラベルLLとの間に一定の空間(隙間)を設ける。なお、スクレーパーSCとは別のサブスクレーパーにより、台紙Aを搬送面より下げて、台紙Aと最終ラベルLLとの間に一定の空間(隙間)を設けるようにしてもよい。
次に、図4、図5D、及び図5Eを参照し、台紙結合処理の一例について説明する。
図4及び図5Dに示すように、台紙Aと最終ラベルLLとの間に一定の空間(隙間)が設けられた状態で、搬送制御部111及び給紙部18は、台紙装填部182に装填された台紙B(後続台紙)を引き出し順方向へ搬送し、台紙Aと最終ラベルLLとの間に、台紙Bの一端(先端)を挿入し、台紙Bの一端と最終ラベルLLの剥離部分(接着面の一部)とを重ねて、搬送を一時停止する。つまり、最終ラベルLL(剥離部分)と台紙B(先端)と台紙A(後端)とが順に重ねられた状態(最終ラベルLLと台紙Aの終端が台紙Bの一端を挟んだ状態)で、搬送を一時停止する。
図5Eに示すように、最終ラベルLL(剥離部分)と台紙B(先端)と台紙A(後端)とが順に重ねられた状態で、搬送制御部111及び給紙部18は、台紙AとBとを同一速度で順方向に搬送し、搬送ローラR3が、重なり部分を含め台紙AとBとを押圧し、台紙A(終端)と台紙B(先端)とを結合する。つまり、搬送ローラR3は、押圧により、剥離された一部の面積の接着力で最終ラベルLLと台紙Bと接着し、剥離されていない残り一部の面積の接着力で最終ラベルLLと台紙Aとを接着する。
搬送制御部111及び給紙部18は、結合された台紙Aと台紙Bを搬送する。例えば、プリンタ部17は、台紙Aの搬送に対応して、台紙AのラベルLにラベル情報を印刷し、台紙Aの用紙切れに対応して印刷を一時停止し、結合された台紙Aと台紙Bの搬送再開に対応して、台紙AのラベルLへのラベル情報の印刷が必要であれば台紙AのラベルLへのラベル情報を印刷し、続いて、台紙BのラベルLにラベル情報を印刷する。
次に、図7〜図12を参照し制御部11(検出手段及び制御手段)によるラベル印刷制御について説明する。
図7は、表用のラベルLと裏用のラベルLの2枚を一組で使用する台紙の一例を示す上面図である。各ラベルLは、台紙A又はBの上に、搬送方向に向かって表用のラベルL、裏用のラベルLの順番で張り付いている。表用のラベルLと裏用のラベルLはペアとして印刷されて使用される。つまり、表用のラベルL、裏用のラベルLの順番で印刷されて、表用のラベルL、裏用のラベルLの順番で印刷後のラベルは剥がして使用される。図7に示すように、表用のラベルLと裏用のラベルLのサイズが異なり、表用のラベルLと裏用のラベルLにはサイズに応じた印刷がなされる。
図8(a)は、先行台紙(台紙A)と追加台紙(台紙B)の結合状態の一例を示す上面図であり、図8(b)先行台紙(台紙A)と追加台紙(台紙B)の結合状態の一例を示す側面図である。結合処理については上記説明した通りである。
図8(a)に示す通り、印刷中の台紙Aの後端にある裏用のラベルL(Aラベル(n)裏=最終ラベルLL)と台紙Bの先端である表用のラベルL(Bラベル(1)表)が重複して2個の台紙(台紙A、台紙B)を結合している。
台紙Aの後端の裏用のラベルL(Aラベル(n)裏)と台紙Bの先端の表用のラベルL(Bラベル(1)表)は、結合に使用されている為(重複している為)、使用することはできない。
例えば、台紙Aの後端にある表用のラベルL(Aラベル(n)表)と台紙Bの先端にある裏用のラベルL(Bラベル(1)裏)は、印刷されてペアで使用できる。
図8(b)に示すように、台紙Aの後端にある裏用のラベルL(Aラベル(n)裏)と台紙A(本体)は、台紙Bの先端である表用のラベルL(Bラベル(1)表)と台紙B(本体)を挟み込んで2個の台紙を結合させている。
重複している部分(結合部分)は、2個の台紙(本体)と2個のラベルLの厚さがある。
図9(a)は、反射光量測定(ラベル上)状態の一例を示す図である。図9(a)は、台紙Aと台紙Bを結合した結合台紙のラベル重複箇所(結合部分)以外のラベル上の反射光量の測定状態の一例を示している。
図9(b)は、反射光量測定(ラベル間)状態の一例を示す図である。図9(b)は、台紙Aと台紙Bを結合した結合台紙のラベル重複箇所(結合部分)以外のラベル間の反射光量の測定状態の一例を示している。
図9(c)は、反射光量測定(ラベル重複箇所)状態の一例を示す図である。図9(c)は、台紙Aと台紙Bを結合した結合台紙のラベル重複箇所(結合部分)の反射光量の測定状態を示している。
図10は、図9の測定状態に対応する反射光量の変化の一例示す図である。
図10は、台紙Aと台紙Bを結合した結合台紙からの反射光量の変化の一例を示している。例えば、図9(a)のラベル上の反射光量が最大になり、図9(b)のラベル間の反射光量は、図9(a)のラベル上の反射光量よりも少なくなる。又、図9(c)のラベル重複箇所の反射光量は、2個の台紙(本体)と2個のラベルの厚さがある為、光源の光が厚さで散乱して受光素子に十分に入らない為、図9(a)のラベル上の反射光量より少なくなる。
センサSE2により反射光量が検出され、その反射光量は、検出レベルの上下で光量変化が、大きくなるか、小さくなるかが検出され、光量変化が小さくなるところから、大きくなるところまでの間で、制御部11は、ラベル間隔の長さを検出し(c1〜c5)。また、光量変化が大きくなるところから、小さくなるところまでの間で、制御部11は、ラベル幅の長さを検出する(d1〜d4)。また、ラベル間隔及びラベル幅(表ラベル、裏ラベル)は、一定の長さがある為、長さが異なる場合には、制御部11は、台紙Aと台紙Bが重複している部分を検出する。
つまり、制御部11は、検出手段として機能し、結合台紙上の複数のラベル及びラベル間の規則性(周期性)を検出することができ、この規則性の検出結果に基づき、各ラベル(表ラベル、裏ラベル、結合部分(結合部分のラベル)を検出することができ、例えば、結合部分のラベルを無効ラベル、結合部分以外のラベルを有効ラベルとして検出することができる。
図11は、制御部11によるラベル位置検出の一例を示すフローチャートである。
最初に、制御部11(搬送制御部111)は、ラベル間隔の長さを検出する(ACT11)。制御部11は、検出したラベル間隔の長さが、記憶部12に記憶された台紙上のラベル間隔の長さと一致するか判断する(ACT12)。検出したラベル間隔の長さが一致する場合には(ACT12、YES)、制御部11は、ラベル幅を検出する(ACT13)。検出したラベル間隔の長さが一致しない場合には(ACT12、NO)、制御部11は、再度ラベル間隔の検出を行う(ACT11)。
次に、制御部11は、検出したラベル幅の長さが、記憶部12に記憶された台紙上の表用ラベルの幅の長さと一致するか判断する(ACT14)。検出したラベル幅が台紙の表用ラベルに幅の長さに一致する場合には(ACT14、YES)、制御部11は、表用ラベルの位置(台紙の先端からの累積の長さ)を記憶部12に記録する(ACT15)。制御部11は、検出したラベル幅が、台紙の表用ラベルの幅の長さに一致しない場合には(ACT14、NO)、再度ラベル間隔の検出を行う(ACT11)。
次に、制御部111は、ラベル間隔の長さを検出する(ACT16)。制御部11は、検出したラベル間隔の長さが、記憶部12に記憶された台紙上のラベル間隔の長さと一致するか判断する(ACT17)。検出したラベル間隔の長さが一致する場合には(ACT17、YES)、制御部11は、ラベル幅を検出する(ACT18)。検出したラベル間隔の長さが一致しない場合は(ACT17、NO)、制御部11は、再度ラベル間隔の検出を行う(ACT16)。
次に、制御部11は、検出したラベル幅の長さが、台紙上の裏用ラベルの幅の長さと一致するか判断する(ACT19)。検出したラベル幅が、ロール紙の裏用ラベルの幅の長さに一致する場合には(ACT19、YES)、裏用ラベルの位置(台紙の先端からの累積の長さ)を記憶部12に記録する(ACT20)。次にラベル間隔の長さを検出する(ACT11)。
検出したラベル幅が、記憶部12に記憶された台紙の裏用ラベルの幅の長さに一致しない場合には(ACT19、NO)、再度ラベル間隔の検出を行う(ACT16)。
図12は、印刷制御の一例を示すフローチャートである。
制御部11は、検出手段として機能し、上記したラベル位置検出の結果から、ラベル及びラベル間隔の規則性(周期性)を検出する(ACT31)。制御部11は、規則性(周期性)の検出結果に基づき、有効ラベルと無効ラベルを検出する(ACT32)。さらに、制御部11は、複数の有効ラベルのサイズ(幅)から、有効ラベルで構成されるラベルの組(例えば表用のラベルと裏用のラベル)を検出する(ACT33)。例えば、制御部11は、無効ラベルを途中に含まない、連続する複数の有効ラベルで構成されるラベルの組を検出するようにしてもよい。制御部11は、制御手段として機能し、有効ラベル(組)に対してラベル情報を印刷するように制御し、プリンタ部17は、印刷手段として機能し、この印刷制御に基づき、有効ラベル(組)に対してラベル情報を印刷する(ACT34)。
以上により、台紙を2個繋ぎ合わせた場合にも、制御部11は、ラベルの周期性に基づき、台紙の結合部分を検出することができ(結合部分の無効ラベルと、結合部分以外の有効ラベルも検出することができ)、結合部分(結合部分の無効ラベル)には印刷せず、結合部分以外の有効ラベルへ印刷する印刷制御が可能となる。結合部分の無効ラベルへの印刷を行わないことにより、プリンタ部17への負荷を軽減することができる。その上で、結合部分の後続のラベルから正確に印刷することができる。
又、ラベル幅が異なる表用のラベルLと裏用のラベルLの2枚を1組で使用する場合であって、表用のラベルLと裏用のラベルLが交互に貼り付けられた台紙を2個繋ぎ合わせた場合には、台紙の結合部分の前後で、表用のラベルLと裏用のラベルLを順番に印刷することができる。即ち、表用と表用がペア、又は裏用と裏用がペアになって印刷される不具合、裏用と表用のように順序が逆転して印刷される不具合の発生を防ぐことができる。或いは、2つの台紙A、Bを跨がって表用のラベルLと裏用のラベルLが印刷されないようにラベル印刷を制御することもできる。
また、制御部11は、結合部分のラベル(最終ラベルLL)を検知することができるので、例えば、プリンタ部17は、結合部分のラベル(台紙Aの最終ラベルLL)に対して、結合に使用されたことを示す情報を印刷することもできる。これにより、ユーザは、結合部分のラベルが結合に使用されたこと、本来のラベルとして使用できないことを明確に知ることができる。
ここで、印刷処理についてまとめる。
(1)ラベル処理装置は、ラベル間隔検出とラベル幅検出を行い、ラベル間隔及びラベル幅の規則性に基づき、有効ラベル及び無効ラベルを判定し、有効ラベル及び無効ラベルへのラベル印刷を制御することができる。例えば、ラベル間隔またはラベル幅が異なっていた場合には、ラベルへの印刷を実施しないで、次のラベルから印刷することができる。
(2)ラベル処理装置は、台紙Aの最終ラベルを使って、台紙Aの最終ラベル部分と台紙Bの最初のラベル部分とを結合し、台紙Aと台紙Bを結合台紙として使用する場合に、ラベル間隔検出とラベル幅検出により、結合部分を検出して、結合部分には印刷しないことができる。
(3)ラベル処理装置は、ラベル幅が異なる表用のラベルLと裏用のラベルLの2枚を1組で使用する場合であって、表用のラベルLと裏用のラベルLが交互に貼り付けられた台紙を2個繋ぎ合わせた場合には、ラベル幅を検出することにより、表ラベルと裏ラベルを区別することができる。
(4)ラベル処理装置は、ラベル幅が異なる表用のラベルLと裏用のラベルLの2枚を1組で使用する場合であって、表用のラベルLと裏用のラベルLが交互に貼り付けられた台紙を2個繋ぎ合わせた場合には、ラベル幅を検出することにより、表ラベルと裏ラベルを1組のラベルとして検出することができる。
(5)ラベル処理装置は、光源と受光素子を使用して台紙からの反射光量の違いからラベルとラベル以外の部分を検出することができる。
(6)ラベル処理装置は、光源と受光素子を使用してロール紙からの反射光量の違いから印刷できるラベルと印刷できないラベル(重複部分のラベル)を検出することができる。
以上により、実施形態に係るラベル処理装置1によれば、独立した2つの台紙(ロール紙)を連続的に安定して搬送することができる。また、1枚の台紙のラベル数(例えば100枚)より多くの所定数のラベルを印刷し、これら所定数のラベルを一括して管理したい場合に、複数枚の台紙を結合することにより、所定数のラベルを一括して印刷し管理することができる。例えば、複数枚のラベルに対して異なる複数のラベル情報を印刷し、これら複数枚のラベルを1セットで使用する場合、独立した2つの台紙に跨がって1セットの印刷済みのラベルが生成されると利便性が悪いこともある。本実施形態のラベル処理装置1は、複数の台紙を結合し、結合された複数の台紙の複数のラベルで1セットが構成されるため、利便性が良い。例えば、シリアルナンバーが印刷される300枚のラベルで1セットが構成される場合、複数枚の台紙の複数のラベルに対して300枚のラベルを割り当てることができる。また、表用ラベルと裏用ラベルの2枚のラベルで1セットが構成され100セットが必要な場合、複数枚の台紙の複数のラベルに対して100セット分のラベルを割り当てることができる。また、この場合、1セットのラベルが結合部分を跨いで異なる台紙に印刷されないように印刷を制御することもできる。
なお、本実施形態では、例えば図1に示すように、台紙AとBとを結合してから、台紙BのラベルL(及び台紙Aの残りラベルL)にラベル情報をプリントするラベル処理装置1の構成について説明したが、ラベル処理装置1の構成は、台紙AのラベルLと、台紙BのラベルLにラベル情報をプリントしてから(予め結合部分のラベルを予測し、この結合部分のラベルにはラベル情報をプリントしない又は結合部分であることを示す情報をプリントする)、台紙AとBとを結合する構成であってもよい。この場合、プリンタ部17は、厚みのある結合部分を取込まずに済む。これにより、プリンタ部17への負荷を軽減することもできる。また、結合部分のラベルに、結合部分であることを示す情報がプリントされるならば、ユーザは、結合部分のラベル(最終ラベルLL)が結合に使用されたこと、本来のラベルとして使用できないことを明確に知ることができる。
また、本実施形態では、最終ラベルLLの接着面の半分の面積又は2/3の面積を台紙Aから剥離するケースについて説明したが、これについて補足する。例えば、最終ラベルLLの接着面の半分の面積を剥離する場合、最終ラベルの半分の接着面の面積が、台紙Aと接着した状態で、残り半分の接着面の面積が、台紙Bと接着することになり、1枚の最終ラベルで台紙AとBとを均等に接着することができる。また、台紙Bの一端の挿入時に、台紙Bの一端と台紙Aの後端との間に隙間が生じることが考えられ、このことを考慮し、最終ラベルLLの接着面の2/3の面積を剥離し、挿入する。結果、1枚の最終ラベルで台紙AとBとを均等に接着することができる。
また、本実施形態では、台紙Aの最終ラベルLLの接着力を使用し、台紙Aの最終ラベルLLの一部と台紙Aとの間に台紙Bを挿入し、台紙Aと台紙Bとを結合するケースについて説明したが、台紙Bの先頭ラベルの接着力を使用し、台紙Aと台紙Bとを結合してもよい。つまり、台紙Bの先頭ラベルの一部と台紙Bとの間に台紙Aを挿入し、台紙Aと台紙Bとを結合するようにしてもよい。
また、台紙Aの最終ラベルLLの1つ手前のラベル(搬送方向に対して最終ラベルLLより上流側のラベル)又は2つ手前のラベル(搬送方向に対して最終ラベルLLより上流側のラベル)の接着力を使用するようにしてもよいし、台紙Bの先頭ラベルの1つ後のラベル(搬送方向に対して先頭ラベルより下流側のラベル)又は2つ後のラベル(搬送方向に対して先頭ラベルより下流側のラベル)の接着力を使用するようにしてもよい。例えば、台紙A及びBに、異なるサイズのラベルが一定周期で配置されているようなケースでは、接着力を考慮し、できるだけ大きいサイズのラベルを結合用ラベルとして用いることができる。
なお、本実施形態では、プリンタ部17を備えたラベル処理装置1について説明したが、剥離処理及び結合処理を実行する機構とプリンタ部17とを別体で構成することもできる。
なお、上記処理(剥離処理、台紙結合処理、搬送処理、印刷処理)の手順は全てソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムをラベル処理装置1にインストールして実行するだけで、上記処理を容易に実現することができる。
例えば、データ入力部15を介して、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から上記プログラムを読み取り、記憶部12等に読み取ったプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。或いは、データ入力部15を介して、上記プログラムをダウンロードし、記憶部12等にダウンロードしたプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。これにより、ラベル処理装置1の制御部11は、インストールされた上記プログラムに基づき、上記処理を容易に実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。