以下、本発明の実施形態を図1〜図6を用いて説明する。まず、第1の実施形態を図1〜図4を用いて説明する。尚、以下の説明では、プリンター100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概要)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る画像形成装置の概要を説明する。図1は、プリンター100の概略構造を示す模型的断面正面図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンター100は、上面に取り付けられた操作パネル1を含む。又、プリンター100は、内部に給紙部2、第1搬送部3(搬送路に相当)、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部5a等が設けられる。
まず、図1に示すように、操作パネル1は、例えば、プリンター100の上部右側に設けられる。そして、操作パネル1は、プリンター100の状態や各種メッセージや設定用画面を表示する液晶表示部11を備える。例えば、液晶表示部11をタッチパネル式(例えば、抵抗膜方式)のものとしてもよい。又、操作パネル1には設定用の各種ハードキー12が設けられる。
操作パネル1は、例えば、ユーザーによる印刷に使用する用紙の種類やサイズといった印刷条件などの設定を受け付けたり、エラー状態を表示したり、エラーの解除方法を表示したりできる。
図1に示すように、プリンター100の内部下方には、給紙部2が配される。給紙部2は、用紙補給や用紙サイズ交換のため、取り外し可能なカセット21を含む。各カセット21は、例えば、コピー用紙、OHPシート、ラベル用紙等の各種用紙を収容する。そして、給紙部2にはカセット21が収容する用紙と接する給紙ローラー22(給紙回転体に相当)が設けられる。給紙ローラー22は、搬送モーター34(図3参照)等の駆動機構により回転し、第1搬送部3に用紙を送り出す。
尚、図1では、給紙部2を1つのみ示しているが、本実施形態のプリンター100では、更に同様の給紙部を追加して設けることができる。例えば、プリンター100の下方に1又は複数段、積み重ねることで、給紙部2を増設することができる。
そして、プリンター100内で用紙を搬送するための第1搬送部3は、プリンター100の本体右側面に沿って略垂直に設けられる。第1搬送部3は、給紙部2から供給された用紙を、画像形成部4a(レジストローラー対31)まで導く。第1搬送部3には捌き部32、搬送ローラー対33や、搬送されてくる用紙を画像形成部4a(転写ローラー45)の手前で待機させた後、送り出すレジストローラー対31(レジスト部に相当)等が設けられる。
捌き部32は、給紙部2近傍に設けられる。捌き部32のうち、上方のローラーは、用紙を画像形成部4aに搬送する方向に回転する。又、捌き部32のうち、下方のローラーは、用紙を給紙部2に戻す方向に回転する。捌き部32は、ローラーの回転方向を異ならせて、用紙の重送を防ぐ。搬送ローラー対33は、給紙部2と画像形成部4aの間に設けられ、用紙をレジストローラー対31や画像形成部4aに向けて搬送する。
レジストローラー対31は、画像形成部4aに向けて用紙を送る。レジストローラー対31の用紙搬送方向上流側で、レジストローラー対31の近傍にレジストセンサー6(用紙検知体に相当)が設けられる。レジストセンサー6は、レジストローラー対31への用紙の到達や、レジストローラー対31からの用紙の通過を検知するためのセンサーである。レジストローラー対31は、レジストセンサー6が用紙の到達を検知する時点では停止している。このレジストローラー対31に用紙は突き当てられる。そして、用紙の後端側を搬送ローラー対33が搬送を続けることにより、レジストローラー対31に突き当たられた用紙が撓み、用紙の斜行が矯正される。そして、レジストセンサー6が用紙の到達を検知してから予め定められた待ち時間(撓み作成時間)が経過すると、レジストローラー対31は回転し、画像形成部4aに向けて用紙を送り出す。
例えば、レジストセンサー6は、用紙と接すると回転するアクチュエーターと発光部と受光部を備えた透過型光センサーである。アクチュエーターは、用紙が存在していないとき、発光部と受光部間の光路を遮る。又、用紙と接してアクチュエーターが回転すると、発光部からの光が受光部に到達する。このように、用紙の存在の有無により受光部(センサー)の出力が変化する。尚、レジストセンサー6は、透過型の光センサーに限られず、用紙からの反射光で用紙の到達、通過を検知する反射型光センサーでもよい。又、レジストセンサー6は、光センサーに限られず、他種のセンサー(例えば、超音波センサー)でもよい。言い換えると、レジストセンサー6は、給紙された用紙の到達、通過を検知可能なセンサーであればよい。
そして、図1に示すように、プリンター100は、形成すべき画像の画像データに基づき、トナー像を形成する画像形成部4aを有する。画像形成部4aは、感光体ドラム41と、感光体ドラム41の周囲に配設された帯電部42、露光部43、現像部44、転写ローラー45、クリーニング部46等を含む。
感光体ドラム41は、外周面上に感光層を有し、その周面にトナー像を担持可能であり所定のプロセススピードで回転駆動する。帯電部42は、感光体ドラム41を一定の電位で帯電させる。露光部43は、入力される画像信号(画像データ)に基づき、レーザビーム(一点鎖線で図示)を出力し、帯電後の感光体ドラム41の走査露光を行って、感光体ドラム41の表面に静電潜像を形成する。露光部43は、制御部7や画像処理部72を経由して画像処理が施された後の原稿の画像データを受け、画像データに基づいて感光体ドラム41にレーザ光を照射して走査、露光を行う。
現像部44は、感光体ドラム41にトナーを供給し、感光体ドラム41の周面上に形成された静電潜像を現像する。クリーニング部46は、感光体ドラム41の清掃を行う。転写ローラー45は感光体ドラム41に圧接する。そして、レジストローラー対31は、形成されたトナー像にあわせて感光体ドラム41と転写ローラー45のニップに用紙を送り込む。そして、転写ローラー45には、所定の転写用の電圧が印加される。これにより、トナー像は用紙に転写される。
例えば、画像形成部4aは、レジストセンサー6が用紙のレジストローラー対31への到達を検知すると、トナー像の形成を開始する。具体的には、レジストセンサー6が用紙のレジストローラー対31への到達を検知すると、露光部43は、感光体ドラム41の走査、露光を開始し、現像部44は静電潜像に対しトナーを供給する。
定着部4bは、画像形成部4aよりも用紙搬送方向の下流側に配される。定着部4bは、用紙に転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。そして、定着部4bは、発熱源を内蔵する定着ローラー47や、これに圧接される加圧ローラー48を含む。そして、トナー像の転写された用紙は、定着ローラー47と加圧ローラー48との間のニップを通過する際に加熱・加圧され、その結果、トナー像が用紙に定着する。尚、定着後の用紙は、定着部4bの上方に設けられた第2搬送部5aに向かう。
定着部4bから排出された用紙は分岐部51からプリンター100の左側面に向かって略水平に延びる第2搬送部5aを通して搬送される。そして、第2搬送部5aには、搬送用のローラーが複数設けられ、第2搬送部5aを搬送された用紙は、排出ローラー対52により排出トレイ53に排出される。これにより、画像形成処理が完了する。
尚、両面印刷を行う場合、定着部4bから排出された用紙は分岐部51から排出トレイ53方向に一旦送り出された後、プリンター100の右側面方向に向かってその搬送方向がスイッチバックされる。そして、用紙は分岐部51を通過し、両面印刷用搬送部5bを通して下方に送られ、再度第1搬送部3を経てレジストローラー対31に送られる。
(プリンター100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、第1の実施形態に係るプリンター100のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、プリンター100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係るプリンター100は、内部に制御部7(計測部に相当)を有する。例えば、制御部7は、各種の演算処理を行うCPU71や、画像データに対し画像処理を行う画像処理部72を含む。制御部7は、CPU71や画像処理部72に各種処理を行わせ、プリンター100の各部を制御する。
CPU71は、記憶部73に格納され、展開される制御プログラム、制御データ、設定データ等に基づきプリンター100の各部の制御や演算を行う。記憶部73は、例えば、ROM、RAM、フラッシュROM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせたものみである。例えば、記憶部73は、プリンター100の制御プログラム、制御データ等を記憶する。
又、制御部7は、操作パネル1等と接続される。そして、制御部7は、操作パネル1になされた設定を認識する。制御部7は、操作パネル1になされた設定に併せて動作する。
又、制御部7は、I/F部74と接続される。I/F部74は、印刷を行う画像データや印刷における設定データを含む印刷データの送信元となるコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバー等)と、ネットワークやケーブルを介して通信を行うための通信インターフェイスである。I/F部74はコンピューター200から、画像データや印刷での設定データ等を含む印刷データを受信する。
画像処理部72は、コンピューター200から受信した画像データに対し、印刷の設定に合わせ、濃度変換、データ形式変換、回転、拡大、縮小等、各種画像処理を施す。そして、印刷ジョブの実行のため、画像処理部72は、露光部43に画像処理後の画像データを送る。露光部43はこの画像データを受けて走査、露光を行う。
又、制御部7は、給紙部2、第1搬送部3、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部5aなどの印刷を行う部分(エンジン部20)と通信可能に接続される。制御部7はエンジン部20の動作を制御し、印刷を行わせる。尚、制御部7は、全体制御や画像処理や通信制御を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーター等のON/OFF等を行い、エンジン部20を制御して印刷を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割した形態で設けられてもよい。
(給紙や画像形成の制御)
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る給紙や画像形成(トナー像形成)の制御の流れの一例を説明する。図3は、給紙や画像形成(トナー像形成)の制御を説明するためのブロック図である。
まず、制御部7は、用紙搬送や画像形成(トナー像形成)を制御するための演算、処理を行う。制御部7は、エンジン部20に含まれる各部分(画像形成部4aや定着部4b等)を制御するためのプログラムやデータを記憶部73から読み出し、制御を行う。例えば、制御部7のCPU71は、給紙や、用紙搬送や、トナー像の形成タイミング等を制御する。
例えば、制御部7は、画像(トナー像)の形成開始にともない、画像形成部4aの露光部43の動作制御を行い、各色の感光体ドラム41の走査、露光を行わせる。又、印刷ジョブ中、制御部7は、帯電部42や転写ローラー45等での電圧印加等を制御して帯電、現像等、静電潜像やその現像に関する動作を行わせる。又、制御部7は、印刷ジョブ中、画像形成部4aに含まれる回転体を回転させるメインモーター49aを駆動させる。
又、例えば、印刷ジョブ中、制御部7は、定着部4bに設けられた定着ヒーター4Hにより定着部4bの温度制御を行う。又、印刷ジョブ中、制御部7は定着部4bの定着ローラー47等の回転体を回転させる定着モーター49bを駆動させる。
又、例えば、制御部7は、印刷実行時、第2搬送部5aの各回転体を回転させ、定着済みの用紙を排出トレイ53に向けて搬送させる。又、制御部7は、両面印刷のとき、第2搬送部5aの回転体や分岐部51や両面印刷用搬送部5bの回転体を制御して、片面印刷済みの用紙をレジストローラー対31の上流側で第1搬送部3に合流させる。
又、制御部7は、給紙部2から画像形成部4aやレジストローラー対31に向けての給紙と搬送を制御する。給紙や用紙を搬送するために回転する回転体として、給紙ローラー22、レジストローラー対31、捌き部32、搬送ローラー対33などが設けられる。そして、これらの給紙や搬送用の回転体を回転させる搬送モーター34が、プリンター100内に設けられる。尚、給紙ローラー22用に1個、レジストローラー対31用に1個というように、給紙や用紙搬送に用いるモーターは、複数設けられても良い。
制御部7は、給紙や用紙搬送を行うとき、搬送モーター34を回転させる。搬送モーター34の回転の駆動力は、搬送モーター34の駆動軸に接続されたギア列(不図示)を介して、給紙ローラー22、レジストローラー対31、捌き部32、搬送ローラー対33に伝達される。
複数ページにわたり連続して印刷を行うとき、制御部7は、紙間を設けつつ給紙するため、給紙ローラー22の回転と停止を繰り返させる。又、制御部7は、レジストローラー対31を、用紙到達当初は停止した状態としておき、レジストセンサー6での用紙到達検知から待ち時間(予め定められた固定の時間)経過した後(撓み作成による斜行を矯正した後)、回転させる。尚、制御部7は、レジストセンサー6の用紙到達検知に応じ、レジストローラー対31の用紙の送り出し時点にあわせ用紙の適切な位置にトナー像が転写されるように、レジストローラー対31の回転開始前にトナー像形成(露光や現像等)を画像形成部4aに開始させる。
このように、給紙ローラー22、レジストローラー対31は、複数ページにわたる印刷ジョブの間(用紙搬送を行う間)、常時回転しない(回転、停止を繰り返す)。
そこで、給紙ローラー22、レジストローラー対31への駆動力の伝達経路には、給紙ローラー用電磁クラッチ23、レジストローラー用電磁クラッチ35がそれぞれ設けられる。制御部7は、各電磁クラッチ23、35の連結、開放を制御する。そして、制御部7は、適切に用紙を搬送し画像を形成するため、適切なタイミングで給紙ローラー22、レジストローラー対31を回転させる。尚、電磁クラッチを別途設け、搬送ローラー対33等の回転のON/OFF制御ができるようにしてもよい。
そして、本実施形態のプリンター100では、給紙ローラー22の回転を開始させるタイミング(給紙開始タイミング)で単位時間あたりの印刷ページ数が調整、管理される。そして、制御部7は、60秒を1分間の仕様上の印刷ページ数で除した時間を給紙ローラー22の回転を開始する時間の間隔(基準時間)として、給紙ローラー22を回転させる。基準時間を示すデータは、例えば、記憶部73に記憶される。制御部7は、記憶部73に記憶された基準時間を示すデータを参照する。例えば、1分間に60枚の印刷を行う場合(60PPMの場合)、制御部7は、1秒を基準時間とする。
例えば、基準時間を給紙開始タイミングとするとき、制御部7は、1秒に1回、給紙ローラー22の回転を開始させる。言い換えると、基準時間を給紙開始タイミングとするとき、制御部7は、給紙ローラー22の回転を開始させ、1秒が経過する前に給紙ローラー22の回転を停止させ、先に給紙ローラー22の回転を開始させてから1秒経過した時点で再び給紙ローラー22を回転させる。尚、給紙開始タイミングは固定ではなく、制御部7は、給紙の状態にあわせ給紙開始タイミングを変化させる(詳細は後述)。
又、本実施形態のプリンター100では、レジストローラー対31に用紙が到達したことを検知するため、レジストセンサー6が設けられる。レジストセンサー6の出力は、制御部7に入力される。例えば、制御部7は、給紙ローラー用電磁クラッチ23をONから(給紙開始から)、予め定められた許容時間内にレジストセンサー6が用紙到達を検知したかを確認する。予め定められた許容時間内に用紙が到達していないとき、例えば、制御部7は、無給紙のジャム発生として、給紙、用紙搬送、画像形成(トナー像形成)などの画像形成動作を停止させる。
又、制御部7は、給紙や用紙搬送に関して、レジストセンサー6の出力に基づき、時間を測る計時部75を含む。例えば、計時部75は、複数ページにわたって連続して印刷を行うとき、レジストセンサー6が用紙の到達を検知してから次の用紙の到達を検知するまでの時間、又は、レジストセンサー6が用紙の通過を検知してから次の用紙の通過を検知するまでの時間((以下、「計測時間」と称する)を測る。言い換えると、計時部75は、紙間を含めた用紙の先端から次の用紙の先端までの時間、あるいは、紙間を含めた用紙の後端から次の用紙の後端までの搬送に要する時間を測る。尚、各種時間は、制御部7のCPU71が測ってもよく、計時部75はCPU71により機能的に実現されても良い。
(給紙開始タイミングの調整)
次に、第1の実施形態に係るプリンター100での給紙開始タイミングの調整例を説明する。図4は、第1の実施形態に係るプリンター100での給紙開始タイミングの調整の流れの一例を示すフローチャートである。
図4のスタートは、プリンター100の主電源が投入され、プリンター100の起動が完了し、プリンター100が使用できる状態となった時点である。次に、制御部7は、複数ページにわたる印刷ジョブを開始するか否かを確認する(ステップ♯1)。尚、印刷ジョブで印刷するページが1ページのみ(1枚のみ)のとき(ステップ♯1のNo)、用紙の到達や通過から次の用紙の到達や通過を測ることができないので(計測時間を測ることができないので)検知できないので、ステップ♯1に戻る。
複数ページにわたって連続して印刷するとき(ステップ♯1のYes)、制御部7は、レジストセンサー6の出力に基づき、1ページ分の計測時間を測り、計測時間を記憶部73に記憶させる(ステップ♯2)。
そして、制御部7は、給紙開始タイミングを遅くする調整を行うか否かを確認する時点(調整確認時点)であるか否かを確認する(ステップ♯3)。本実施形態では、制御部7は、給紙開始タイミングを遅くする調整を行うか否かの確認を、予め定められたページ数分の計測時間を測るごとに行う。尚、予め定められたページ数を示すデータは、例えば、記憶部73に記憶される。制御部7は、記憶部73に記憶された予め定められたページ数を示すデータを参照する。
「予め定められたページ数」は任意に定めることができるページ数(ページ数)である。「予め定められたページ数」は、例えば、数枚〜数十枚とできるが、多すぎると、給紙開始タイミングを調整する間隔が長くなりすぎかねない。そこで、例えば、「予め定められたページ数」は、10ページ程度とできる。例えば、「予め定められたページ数」が10ページ(10枚)である場合、制御部7が10ページ分の計測時間を測るごとに確認がなされる。言い換えると、計測時間を測ったページが累計で10の倍数(「予め定められたページ数」の倍数)に当たるページ数であれば、制御部7は、給紙開始タイミングを遅くする調整を行うか否かを確認する時点と判断する。
もし、調整確認時点であれば(ステップ♯3のYes)、制御部7は、予め定められたページ数分の計測時間の平均時間を求める(ステップ♯4)。言い換えると、制御部7は、先の調整確認時点よりも後から、今の調整確認時点に至るまでに測られた予め定められたページ数分の計測時間の平均時間を求める。
そして、制御部7は、求めた平均時間が基準時間(60秒を1分間の仕様上の印刷ページ数で除した時間)以下であるか否かを確認する(ステップ♯5)。言い換えると、現在の給紙開始タイミング(給紙ローラー22の回転開始の間隔)で、仕様上の印刷速度が確保されているか否かを確認する。
もし、平均時間が基準時間以下であれば(ステップ♯5のYes)、制御部7は、平均時間と基準時間の差の絶対値が閾値以下であるか否かを確認する(ステップ♯6)。尚、平均時間が基準時間を越えていれば(ステップ♯5のNo)、フローは、例えば、ステップ♯7に移行する(ステップ♯10でもよい)。
ここで、閾値は、給紙開始タイミングが早すぎ、形成される画像の品質の低下やプリンター100で損傷が生じてしまうほど印刷速度が速くなっているか否かを判断するための値である。
印刷速度が速すぎると、十分に帯電したトナーの供給が追いつかず、トナー像が薄くなり画質が低下することがある。又、定着部4bのヒーターの昇温能力を超えて、通過する用紙に熱を奪われてトナーを溶融できる温度維持できなくなれば、定着不良が生ずる。これらのトナーの供給遅れや定着不良は画像の品質を低下させ、使用者にとって不利益となる。
又、印刷速度が速すぎると、定着部4bで奪われる熱が多いため、定着ヒーター4Hの出力は高い状態で維持される。このとき、定着部4bを通過する用紙の幅が、定着部4bの回転体(定着ローラー47や加圧ローラー48)の軸線方向の長さよりも短ければ、用紙と接する回転体の部分(接触領域)のみ熱が奪われ、回転体の用紙と接しない部分(非接触領域)は熱が奪われず温度が上昇し続けることがある。この回転体の一部のみの異常な昇温は、回転体や定着部4b内の部材の破損の原因となることがある。
そこで、閾値により、給紙開始タイミングが早すぎて、印刷速度が速すぎるか否かを判断する。従って、「閾値」は、任意に定めることができる値であるが、現在の印刷速度が維持されると、形成される画像の品質の低下が生ずるか否か、プリンター100で損傷が生じてしまうか否かの観点や、画像形成部4aや定着部4bの能力的な余裕を勘案して定めることができる。例えば、閾値は、基準時間(例えば、60PPMなら1000ミリ秒)の5〜10%程度(50〜100ミリ秒)とすることができる。例えば、1000ミリ秒の基準時間に対し、計測時間の平均時間が950ミリ秒よりも短ければ(仕様上の印刷速度よりも5%を越えて早くなっていれば)、制御部7は、給紙ローラー22の給紙開始タイミングを遅らせ、印刷速度を落とすようにする。
もし、平均時間と基準時間の差の絶対値が閾値以下であれば(ステップ♯6のYes)、制御部7は、給紙開始タイミングを変えず、維持する(ステップ♯7)。一方、平均時間と基準時間の差の絶対値が閾値よりも大きく、印刷速度が速すぎれば(ステップ♯6のNo)、制御部7は、給紙開始タイミングを遅らせる(ステップ♯8)。これにより、次の給紙からは、給紙開始タイミングが今までよりも遅くされる。
制御部7は、例えば、平均時間と基準時間の差だけ給紙開始タイミングを遅くする。例えば、現在の給紙開始タイミングでは、基準時間よりも70ミリ秒早く給紙ローラー22を回転させていて、平均時間と基準時間の差が50ミリ秒である場合、制御部7は、次の用紙では、給紙開始タイミングを基準時間よりも20ミリ秒(70ミリ秒−50ミリ秒)遅く給紙ローラー22を回転させるように、給紙開始タイミングを変更する。
そして、ステップ♯7とステップ♯8の後、制御部7は、給紙が完了したか否かを確認する(ステップ♯9)。もし、給紙が完了していれば(ステップ♯9のYes)、フローはステップ♯1に戻る。一方、給紙が完了していなければフローはステップ♯2に戻る。
一方、調整確認時点でなければ(ステップ♯3のNo)、制御部7は、計測時間が基準時間よりも長いか否かを確認する(ステップ♯10)。言い換えると、現在の印刷速度が仕様上の印刷速度を満たしているか否かを確認する。
もし、計測時間が基準時間以下であれば(ステップ♯10のNo)、仕様上の印刷速度は維持されているので、給紙開始タイミングを変える必要はない。そのため、フローはステップ♯9に移行させればよい。一方、計測時間が基準時間よりも長ければ(ステップ♯10のYes)、制御部7は、給紙開始タイミングを早くする(ステップ♯11)。そして、ステップ♯11の後、フローはステップ♯9に移行する。
制御部7は、例えば、計測時間と基準時間の差だけ給紙開始タイミングを速くする。例えば、現在の給紙開始タイミングが基準時間どおりであり(例えば、60PPMであれば1000ミリ秒ごとに給紙ローラー22を回転開始)、計測時間が基準時間よりも20ミリ秒長ければ、制御部7は、次の用紙では現在の給紙開始タイミング(基準時間)よりも20ミリ秒早く給紙ローラー22を回転させるように、給紙開始タイミングを変更する。
このように、本実施形態では、制御部7は、予め定められたページ数、計測時間を測るごとに設けられる調整確認時点で、給紙開始タイミングを遅くするか否かの確認を行う。又、調整確認時点を除き、原則、1枚の用紙分の計測時間が測られるごとに、制御部7は、給紙開始タイミングを早くするか否かの確認を行う。
(第2の実施形態)
次に、図5を用いて第2の実施形態を説明する。図5は、第2の実施形態に係るプリンター100での給紙開始タイミングの調整の流れの一例を示すフローチャートである。
第1の実施形態では、複数ページ数ごとに計測時間の平均時間を求め、平均時間を求めるごとに給紙開始タイミングを遅らせるか否かを確認し、1枚ごとに計測時間と基準時間とを比較し、給紙開始タイミングを早くするか否かの確認を行った。一方、本実施形態では、1枚ごとに(計測時間を計測するごとに)、給紙開始タイミングを早くするか、遅くするかを確認する点で異なる。言い換えると、第2の実施形態は、第1の実施形態と給紙開始タイミングの調整の流れが異なる。
尚、プリンター100の構成等、その他の点は、第1の実施形態と同様でよく、特に説明する場合を除き、第1の実施形態を準用するものとして、共通する部分の図示、説明を省略し、同じ符号を用いて以下説明する。
図5のスタートは、第1の実施形態と同様、プリンター100の主電源が投入され、プリンター100の起動が完了し、プリンター100が使用できる状態となった時点である。次に、制御部7は、複数ページにわたる印刷ジョブを開始するか否かを確認する(ステップ♯21)。印刷ジョブで印刷するページが1ページのみ(1枚のみ)のとき(ステップ♯21のNo)、第1の実施形態と同様、フローはステップ♯21に戻る。
複数ページにわたって連続して印刷するとき(ステップ♯21のYes)、制御部7はレジストセンサー6の出力に基づき、1ページ分の計測時間を測る(ステップ♯22)。
そして、制御部7は、計測時間が基準時間(60秒を1分間の仕様上の印刷ページ数で除した時間)以下であるか否かを確認する(ステップ♯23)。言い換えると、現在の給紙開始タイミング(給紙ローラー22の回転開始の間隔)で、仕様上の印刷速度が確保されそうであるか否かを確認する。
もし、計測時間が基準時間以下であれば(ステップ♯23のYes)、制御部7は、計測時間と基準時間の差の絶対値が閾値以下であるか否かを確認する(ステップ♯24)。尚、閾値は、第1の実施形態と同様に、給紙開始タイミングが早すぎ、形成される画像の品質の低下やプリンター100で損傷が生じてしまうほど印刷速度が速くなっているか否かの観点から、任意に定めることができる値である。
もし、計測時間と基準時間の差の絶対値が閾値以下であれば(ステップ♯24のYes)、制御部7は、給紙開始タイミングを変えず、維持する(ステップ♯25)。一方、計測時間と基準時間の差の絶対値が閾値よりも大きく、印刷速度が速すぎれば(ステップ♯24のNo)、制御部7は、給紙開始タイミングを遅らせる(ステップ♯26)。
一方、計測時間が基準時間よりも長く、仕様上の印刷速度を満たさない可能性が高ければ(ステップ♯23のNo)、制御部7は、給紙開始タイミングを早くする(ステップ♯27)。
このように、本実施形態では、印刷の1ページごとに迅速に給紙開始タイミング(給紙ローラー22の回転開始のタイミング)が調整される。そして、制御部7は、例えば、計測時間と基準時間の差だけ給紙開始タイミングを遅く、又は、遅くする。例えば、現在の給紙開始タイミング(計測時間を測った用紙の給紙開始タイミング)が基準時間どおりであるとする(例えば、1000ミリ秒)。このとき、計測時間と基準時間の差が20ミリ秒であれば、制御部7は、次の用紙では、現在の給紙開始タイミングを、基準時間よりも20ミリ秒早く、又は、遅くして、給紙開始タイミングを変更する(例えば、980ミリ秒や1020ミリ秒とする)。
そして、ステップ♯25〜ステップ♯27の後、制御部7は、給紙が完了したか否かを確認する(ステップ♯28)。もし、給紙が完了していれば(ステップ♯28のYes)、フローはステップ♯21に戻る。一方、給紙が完了していなければ、フローはステップ♯22に戻る。
(第3の実施形態)
次に、図6を用いて第3の実施形態を説明する。図6は、第3の実施形態に係るプリンター100での給紙開始タイミングの調整の流れの一例を示すフローチャートである。
第1の実施形態では、複数ページ数ごとに計測時間の平均時間を求め、給紙開始タイミングを遅らせるか否かを確認し、1枚ごとに計測時間と基準時間とを比較し、給紙開始タイミングを早くするか否かの確認を行った。第2の実施形態では、1枚ごとに(計測時間を計測するごとに)、給紙開始タイミングを遅らせるか早めるかを確認し、給紙開始タイミングを調整した。
そして、第3の実施形態は、複数ページ数ごとに計測時間の平均時間を求め、平均時間を求めるごとに、給紙開始タイミングを遅らせるか早めるかを確認し、給紙開始タイミングを調整する点で異なる。言い換えると、第3の実施形態は、第1、第2の実施形態と給紙開始タイミングの調整の流れが異なる。
尚、プリンター100の構成等、その他の点は、第1、第2の実施形態と同様でよく、特に説明する場合を除き、第1、第2の実施形態を準用するものとして、共通する部分の図示、説明を省略し、同じ符号を用いて以下説明する。
図6のスタートは、第1の実施形態と同様、プリンター100の主電源が投入され、プリンター100の起動が完了し、プリンター100が使用できる状態となった時点である。次に、制御部7は、複数ページにわたる印刷ジョブを開始するか否かを確認する(ステップ♯31)。印刷ジョブで印刷するページが1ページのみ(1枚のみ)のとき(ステップ♯31のNo)、第1の実施形態と同様、フローはステップ♯31に戻る。
複数ページにわたって連続して印刷するとき(ステップ♯31のYes)、制御部7は、レジストセンサー6の出力に基づき、1ページ分の計測時間を測り、計測時間を記憶部73に記憶させる(ステップ♯32)。
そして、制御部7は、給紙開始タイミングを遅くする、又は、早くする調整を行うか否かを確認する時点(調整確認時点)であるか否かを確認する(ステップ♯33)。このように、制御部7は、給紙開始タイミングを遅くする、又は、早くする調整を行うか否かの確認を、予め定められたページ数の計測時間を測るごとに行う。
第1の実施形態と同様に、「予め定められたページ数」は任意に定めることができるページ数(ページ数)である。「予め定められたページ数」は、例えば、10ページ程度と設定できる。例えば、「予め定められたページ数」が10ページ(10枚)である場合、制御部7が10ページ分の計測時間を測るごとに確認がなされる。言い換えると、計測時間を測ったページが累計で10の倍数(「予め定められたページ数」の倍数)に当たるページ数であれば、制御部7は、給紙開始タイミングを遅くする調整を行うか否かを確認する時点と判断する。
調整確認時点で無ければ(ステップ♯33のNo)、フローはステップ♯40に移行する(ステップ♯40の詳細は後述)。一方、調整確認時点であれば(ステップ♯33のYes)、制御部7は、予め定められたページ数分の計測時間の平均時間を求める(ステップ♯34)。言い換えると、制御部7は、先の調整確認時点よりも後から、今の調整確認時点に至るまでに測られた予め定められたページ数分の計測時間の平均時間を求める。
そして、制御部7は、平均時間が基準時間(60秒を1分間の仕様上の印刷ページ数で除した時間)以下であるか否かを確認する(ステップ♯35)。言い換えると、現在の給紙開始タイミング(給紙ローラー22の回転開始の間隔)で、仕様上の印刷速度が平均的に確保されているか否かを確認する。
給紙部2などの個体的な特性(レジストローラー対31への用紙の到達の進みや遅れ)は、傾向として現れることがある。又、給紙ローラー22の摩耗などの経年的な劣化は、給紙の遅れ(レジストローラー対31への用紙の到達遅れ)として傾向として現れることが多い。そこで、本実施形態では、複数ページ数分の計測時間の平均に基づき、傾向としてあらわれる給紙の遅れや進みに対し、給紙開始タイミングを調整する。
もし、平均時間が基準時間以下であれば(ステップ♯35のYes)、制御部7は、平均時間と基準時間の差の絶対値が閾値以下であるか否かを確認する(ステップ♯36)。尚、閾値は、第1、第2の実施形態と同様に、給紙開始タイミングが早すぎ、形成される画像の品質の低下やプリンター100で損傷が生じてしまうほど印刷速度が速くなっているか否かの観点から、任意に定めることができる値である。
もし、平均時間と基準時間の差の絶対値が閾値以下であれば(ステップ♯36のYes)、制御部7は、給紙開始タイミングを変えず、維持する(ステップ♯37)。一方、平均時間と基準時間の差の絶対値が閾値よりも大きく、印刷速度が速すぎれば(ステップ♯36のNo)、制御部7は、給紙開始タイミングを遅らせる(ステップ♯38)。
一方、平均時間が基準時間よりも長く、仕様上の印刷速度を満たさない可能性が高ければ(ステップ♯35のNo)、制御部7は、給紙開始タイミングを早くする(ステップ♯39)。
このように、本実施形態では、予め定められたページ数分の計測時間を測るごとに(平均時間を求めるごとに)、給紙開始タイミング(給紙ローラー22の回転開始のタイミング)が調整される。そして、制御部7は、例えば、平均時間と基準時間の差だけ給紙開始タイミングを遅く、又は、遅くする。例えば、プリンター100の仕様上の印刷速度が60PPMであれば、現在の給紙開始タイミング(計測時間を測った用紙の給紙開始タイミング)が基準時間(1000ミリ秒)どおりであるとする。このとき、平均時間と基準時間の差が20ミリ秒であれば、制御部7は、次の用紙では、現在の給紙開始タイミングを、基準時間よりも20ミリ秒早く、又は、遅くして(980ミリ秒、又は、1020ミリ秒として)、給紙開始タイミングを変更する。
そして、ステップ♯37〜ステップ♯39の後、制御部7は、給紙が完了したか否かを確認する(ステップ♯40)。もし、給紙が完了していれば(ステップ♯40のYes)、フローはステップ♯31に戻る。一方、給紙が完了していなければ、フローはステップ♯32に戻る。
このようにして、各本実施形態に示す画像形成装置(例えば、プリンター100)は、回転して給紙を行う給紙回転体(給紙ローラー22)と、給紙回転体により送り出された用紙に対して画像を形成する画像形成部4aと、給紙回転体と画像形成部4aをつなぐ搬送路(第1搬送部3)の間に設けられ、用紙が到達して一定の待ち時間が経過すると画像形成部4aに用紙を送り出すレジスト部(レジストローラー対31)と、レジスト部よりも用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙の到達、通過を検知する用紙検知体(レジストセンサー6)と、用紙検知体の出力に基づき、用紙検知体に用紙が到達してから次の用紙が到達するまで、又は、用紙が通過してから次の用紙が通過するまでの時間である計測時間(第2の実施形態)、又は、計測時間の平均時間(第1の実施形態、第3の実施形態)を定める計測部(制御部7)と、を含み、計測時間又は平均時間が計測時間の基準である基準時間以下であるとき、計測時間又は平均時間と、基準時間との時間差の絶対値が予め定められた閾値を越えていれば、給紙回転体は、給紙開始タイミングを遅くし、絶対値が予め定められた閾値以下であれば、給紙回転体は、給紙開始タイミングを変えない。
これにより、計測時間(第2の実施形態)や平均時間(第1の実施形態、第3の実施形態)が基準よりも短く、時間差の絶対値が予め定められた閾値を越えるほど、印刷速度が速すぎる状態になっていれば、給紙開始タイミングを遅くして印刷速度を落とす。従って、印刷速度が速くなりすぎていることによる印刷物での画質の低下や、印刷を行う部分の故障等、不具合の発生を抑えることができる。
更に、印刷速度が速くても、計測時間(第2の実施形態)又は平均時間(第1の実施形態、第3の実施形態)と基準時間の時間差の絶対値が閾値内に収まる程度で比較的抑えられていれば、給紙開始タイミングをそのままにして印刷速度を変えない。従って、仕様上の印刷速度(PPM)を常時確保することができる。又、印刷速度が速すぎと言えない程度に抑えられるので、印刷物の画質低下等の不都合の発生を抑えつつ、印刷を行うことができる。このように、印刷速度が速くなっている度合いに分け、問題が無い範囲であれば、給紙開始タイミングを維持し、必ず印刷速度が下がるように給紙開始タイミングを調整しない。更に、用紙搬送状況を確認するため、通常、搬送路(第1搬送部3)に設けられる用紙検知体(レジストセンサー6)(センサー)を用いた測定に基づき、給紙回転体(給紙ローラー22)の給紙開始タイミングを調整するので、コストをかけずに、給紙開始タイミングを調整して印刷速度を管理することができる。このように、コストをかけず、給紙開始タイミングを厳密に調整して、印刷速度を適切に管理することができる。
又、計測時間(第1の実施形態、第2の実施形態)又は平均時間(第3の実施形態)が基準時間よりも長いとき、給紙回転体(給紙ローラー22)は給紙開始タイミングを早くする。これにより、用紙検知体(レジストセンサー6)での検知の計測時間が基準よりも長くなり、印刷速度が基準の速度(仕様上の速度)よりも遅くなっていれば、給紙開始タイミングを早めて、基準を満たすように、印刷速度を向上させることができる。従って、コストをかけず、給紙開始タイミングを厳密に調整して、印刷速度を適切に管理することができる。
又、給紙回転体(給紙ローラー22)は、計測時間(第2の実施形態)又は平均時間(第1の実施形態、第3の実施形態)と、基準時間との時間差の絶対値だけ給紙開始タイミングを遅く、又は、速くする。これにより、印刷速度が基準の速度(仕様上の速度)となるように、給紙開始タイミングを調整することができる。
又、第1の実施形態の画像形成装置(例えば、プリンター100)では、給紙回転体(給紙ローラー22)は、計測部(制御部7)が測った1ページ分の計測時間が基準時間よりも長いとき、給紙開始タイミングを早くし、計測部が予め定められた複数ページ分の計測時間に基づき平均時間を求めたとき、平均時間が基準時間以下であれば、絶対値に基づき、給紙開始タイミングを遅くする。これにより、1ページ単位で給紙の遅れを把握し、迅速に給紙開始タイミングの調整を行い、仕様上の印刷速度を満たすようにする。又、複数ページ単位で給紙の進みを把握し、給紙開始タイミングの調整を行うことができる。
又、第2の実施形態の画像形成装置(例えば、プリンター100)では、給紙回転体(給紙ローラー22)は、計測部(制御部7)が1ページ分の計測時間を測るごとに給紙開始タイミングを調整する。これにより、1ページ単位で給紙の遅れ、進みを把握し、迅速に給紙開始タイミングの調整を行うことができる。
又、第3の実施形態の画像形成装置(例えば、プリンター100)では、給紙回転体(給紙ローラー22)は、計測部(制御部7)が予め定められた複数ページ分の計測時間を測るごとに平均時間を求め、平均時間を求めるごとに給紙開始タイミングを調整する。これにより、給紙の遅れ、進みの傾向に基づき、給紙開始タイミングの調整を行うことができる。
又、基準時間は、予め定められた単位時間を、予め定められた画像形成装置(プリンター100)の単位時間あたりの印刷ページ数で除した時間である。これにより、画像形成装置の予め定められた単位時間あたりの印刷ページ数だけ確実に印刷するように、給紙開始タイミングは調整される。
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、計測時間をレジストセンサー6の出力に基づき測った。しかし、レジストセンサー6以外に、給紙部2と画像形成部4a(レジストローラー対31)の間の搬送路(第1搬送路)に設けられたセンサーを用いて、計測時間を測ってもよい。例えば、捌き部32近傍に給紙されたか否かを検知するための給紙センサーを設けるとき、給紙センサーを用いて計測時間を測ってもよい。
又、第3の実施形態では、制御部7は、複数ページ分の計測時間を測り、平均時間を求めるとき、給紙開始タイミングを早めるか、遅くするかの確認を行った。しかし、給紙開始タイミングを早めるか否かを確認するタイミングと、給紙開始タイミングを遅くするか否かを確認するタイミングをずらすようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。