JP6309048B2 - マスク吸着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マスク吸着装置に関するものである。
メタルマスクを介して基板上に所望のパターンの成膜を行う成膜装置において、マスクを磁力により基板の成膜面に良好に吸着させる技術として、例えば特許文献1には、基板保持体にマスクの非開口部に対応して配列された磁石を設ける技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、マスクパターンが異なるマスクに対しては、その都度、磁石の配列を変える必要があり、種々のマスクを用いる際には、各マスクと対応する磁石配列を有する基板保持体を種々用意しておく必要がある。
この場合、種々の基板保持体を収納しておく基板保持体ストック室を成膜装置に追加配設したり、マスクに応じてその都度対応する基板保持体を交換したりする必要がある等、成膜装置の大型化・高コスト化は避けられない。
なお、特許文献2には、マスクが対向する基板の被処理面とは反対側に、N極とS極との境界部を有する磁石を、この境界部にマスクのフレーム領域を相対させるように配置する技術が開示されている。また、特許文献3には、マスクの開口部を仕切るリブ(フレーム)の幅の中心を通る中心線を挟んで、互いに極性が異なる向きで離間して配置される複数のマグネットを用いて、マスクを基板に固定する技術が開示されている。しかし、いずれもマスクパターンに応じて磁石及びマグネットの配置を変更する必要があり、上記特許文献1と同様の問題点を有する。
特開平11−131212号公報 国際公開第2009/069743号 特開2015−124394号公報
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、マスクパターンが異なる種々のマスク毎に磁石配列を変更する必要なく、種々のマスクを良好に基板に吸着させることが可能なユニバーサル性の高いマスク吸着装置を提供するものである。
基板の表面側に設けられたマスクをこの基板に磁力によって吸着させる、基板の裏面側に設けられるマスク吸着装置であって、前記マスクと対向する面がN極となるN極部と、前記マスクと対向する面がS極となるS極部とが周期的に配設されて構成された磁石列が、その長手方向を揃えて間隔をおいて前記マスクが対向し得る領域全体にわたって並設され、この磁石列の前記N極部及び前記S極部の配列位相が隣接する前記磁石列同士でずれた状態となっていることを特徴とするマスク吸着装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、マスクパターンが異なる種々のマスク毎に磁石配列を変更する必要なく、種々のマスクを良好に基板に吸着させることが可能なユニバーサル性の高いマスク吸着装置となる。
本実施例の概略説明側面図である。 本実施例の要部の概略説明斜視図である。 本実施例の要部の概略説明平面図である。 別例1の概略説明平面図である。 別例2の概略説明平面図である。 別例2の概略説明平面図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
基板1の成膜面(表面)に配置されるマスク2を、基板1裏面側に設けられる磁石列5により基板1に吸着させる。
この際、磁石列5は、マスク2と対向し得る領域(マスク配設領域)全体にわたって並設されており、隣接する磁石列5同士でN極部3及びS極部4の配列位相が異なることから、N極部3及びS極部4が散在してマスク2全体に平均的に吸着力を作用させることができ、マスクパターンが異なっても良好に基板1に吸着させることが可能となる。
即ち、磁石列5を隣接する磁石列5同士でN極部3及びS極部4の配列位相をずらし、マスク2の吸着力が高いN極部3とS極部4との境界部が、マスク配設領域に満遍なく配置される構成とすることで、例えば各磁石列5の磁力を基板1表面側での成膜を阻害しない程度の磁力に設定しても、吸着力のムラが可及的に少なく、マスクパターンに関わらずマスク2を良好に吸着保持することが可能となる。
更に、隣接する磁石列5同士でN極部3及びS極部4の配列位相がずれることで、隣接する磁石列5同士のN極部3及びS極部4間にも良好に磁力が作用し、マスク2の格子状の非開口部の磁石列5の長手方向に沿う部分は勿論、磁石列5の並設方向に沿う部分も良好に吸着保持することが可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、基板1の表面にメタルマスク2を介して成膜を行う成膜装置に、基板1の表面側に設けられたマスク2をこの基板1に磁力によって吸着させる、基板1の裏面側に設けられるマスク吸着装置を設けたものである。
このマスク吸着装置は、マスク2と対向する面がN極となるN極部3と、マスク2と対向する面がS極となるS極部4とが周期的に直線状に配設されて構成された磁石列5が、その長手方向を揃えて間隔をおいてマスク2が対向し得る領域全体にわたって並設され、この磁石列5のN極部3及びS極部4の配列位相が隣接する磁石列5同士でずれた状態となるように構成されている。
図1〜3に図示したように、磁石列5は磁石配列板7(ヨーク)上に複数並設され、この磁石配列板7は磁石列5側が基板1の裏面に対向した状態で基板1の裏面側に配置される。図1中、符号6は基板1を保持する基板トレイである。
本実施例のN極部3及びS極部4は、マスク2の被吸着面に対して垂直方向に磁化された直方体状の永久磁石であり、N極部3はS極側の面が、S極部4はN極側の面が、夫々磁石配列板7に当接した状態でネジ等の適宜な固定部材により固定されている。
本実施例においては、隣接する前記磁石列5同士で前記N極部3及び前記S極部4の配列位相が90°ずれた状態となるように構成している。
具体的には、右側の磁石列5の前記配列位相が左側の磁石列5の前記配列位相より90°進んだ状態となるように構成している。本実施例では磁石列5を5つ並設しているため、両端の磁石列5は前記配列位相が同一となる。
なお、隣接する磁石列5同士の前記配列位相が90°ずれた状態とすることで、特に良好なマスク吸着性を得られることが確認されているが、90°に限らず、他の角度ずれた状態でも、位相が一致している場合に比し、マスク吸着性の向上効果を得ることができる。
また、前記磁石列5は一定の間隔をおいて並設されている。磁石列5同士が当接したり間隔が近すぎると、隣接する磁石列5同士が干渉し、磁石列5の長手方向に対する磁束密度が減少し、吸着力の低下を招く。また、隣接する磁石列5の各N極部3及びS極部4の磁力の相互作用により、磁石を磁石配列板に固定することが困難となり、接着材が必要となる場合があるが、この接着材は成膜室内で真空を汚染する原因となる。
よって、本実施例では、磁石列5同士のピッチは、磁石列5の長手方向と直交する方向における磁石列5の幅のおよそ3倍乃至10倍程度となるように設定している。
また、N極部3及びS極部4のサイズは種々設定できるが、例えば、長さは5〜20mm程度、幅は2〜14mm程度、高さは2〜10mm程度とすると良い。本実施例においては、長さ10mm、幅3mm、高さ5mmとしている。
また、例えば、図4に図示した別例1のように、各磁石列5のN極部3とS極部4とがその配列方向に間隔をおいて配設されている構成としても良い。この場合、隣接する磁石列5同士を所定の間隔で配設するのと同様、N極部3及びS極部4同士の間隔を適宜設定することで、一層マスク吸着性を高めることが可能となり、単位体積あたりの吸着力を向上させることができる。
また、例えば、図5,6に図示した別例2のように、複数の磁石列5が配設された磁石配列板7を水平移動若しくは水平回転させる磁石列駆動部を設ける構成としても良い。この場合、複数の磁石列5を水平移動及び水平回転させて、マスク2に応じてマスク2の非開口部に磁石列5が可及的に重なるように磁石配列板の位置を調整することが可能となり、一層良好にマスク2を基板1の表面に吸着可能な構成となる。
また、図5に図示したように、磁石列5の並設ピッチaは、マスク箔周期間隔b(マスク2の格子状の非開口部の磁石列5の長手方向に沿う部分の周期間隔b)の1/n倍(n:1,2,・・・)に設定するのが好ましい。この場合、マスク2の非開口部の磁石列5の長手方向に沿う部分が複数箇所で磁石列5に重なる構成となり、マスク2のマスク箔を、より吸着力が強い部分にできるだけ重ねることが可能となる。
1 基板
2 マスク
3 N極部
4 S極部
5 磁石列

Claims (3)

  1. 基板の表面側に設けられたマスクをこの基板に磁力によって吸着させる、基板の裏面側に設けられるマスク吸着装置であって、前記マスクと対向する面がN極となるN極部と、前記マスクと対向する面がS極となるS極部とが周期的に配設されて構成された磁石列が、その長手方向を揃えて間隔をおいて前記マスクが対向し得る領域全体にわたって並設され、隣接する前記磁石列同士で前記N極部及び前記S極部の配列位相が90°ずれた状態となっており、複数の前記磁石列を水平移動若しくは水平回転させる磁石列駆動部が設けられていることを特徴とするマスク吸着装置。
  2. 前記磁石列は一定の間隔で並設されていることを特徴とする請求項1に記載のマスク吸着装置。
  3. 前記各磁石列の前記N極部と前記S極部とがその配列方向に間隔をおいて配設されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のマスク吸着装置。
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