JP4397173B2 - マスキング部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶振動子、薄膜配線基板、セラミックス電子部品などに、スパッタリングあるいは蒸着により薄膜を形成するために使用するマスキング部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水晶振動子などの電子部品に電極、配線膜などを形成する場合、該電子部品の片面および/または両面をマスキングし、スパッタリングあるいは蒸着により薄膜を形成する方法がある。この場合、該電子部品は、1以上の嵌込み孔を有するホルダー板の孔に収納され、上部および/または下部マスク板を密着させる必要がある。マスク板をホルダーに密着させるには、マスク板とホルダー板を周辺からクランプする方法、ホルダー板にいくつものネジをあけネジ止めする方法などがある。これらの方法では、マスク板と被成膜部品との密着性を確保するためには、両者を強く締結する必要があるが、あまり強く締結すると、マスク板が歪んでしまうという欠点がある。
【0003】
この欠点を回避する方法として、上部マスク板及び下部マスク板を磁性材料とし、図7に示すように、随所に永久磁石を埋設したホルダー板により上記マスク板を吸着し、マスク板と被成膜部品との密着性を確保する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、マスク板あるいはホルダー板を磁性材料とし、少なくとも1枚のいずれかの板を金属製薄板永久磁石とし、マスク板と被成膜部品の密着性を確保する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
これによると、マスク板あるいはホルダー板(スペーサ)のいずれかが薄い金属磁石板であり、この金属磁石板は、幅方向の一端側がN極で、他端側がS極となるよう磁化したものであるか、あるいは、厚さ方向の一端側がN極で、他端側がS極となるよう磁化したものである。
【0005】
前者の場合、磁極が磁石板の両端となるため、その部分での吸着力は強く、良い密着性が得られるが、磁石板の中央部分での吸着力は弱くなり、密着性も悪くなるという欠点がある。板厚が薄くなるほどこの傾向は強くなる。また、後者の場合、板厚方向に磁化する必要があるが、長さ・幅に比べて板厚が小さいために、反磁場が大きくなり、板厚方向に磁化したとしても大きな吸着力は得られず、その結果、密着性もあまり良くないという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−74498号公報
【特許文献2】
特開平2000−080462号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、マスク板あるいはホルダー板(スペーサ)の厚さが薄い金属磁石板である場合でも、強い吸着力が得られ、密着性の良いマスキングが行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために下記の構成よりなる。
(1)1以上の嵌込み孔を有するホルダー板、該ホルダー板の上部および/または下部へ配置される磁性材料からなる上部マスク板および/または下部マスク板からなるマスキング部品において、該ホルダー板が、コバルト5〜20重量%、クロム20〜35重量%を主成分とし、残部鉄からなる永久磁石材料からなり、縞状の着磁を施してあることを特徴とするマスキング部品。
【0009】
(2)1以上の嵌込み孔を有する磁性材料からなるホルダー板、該ホルダー板の上部および/または下部へ配置される上部マスク板および/または下部マスク板からなるマスキング部品において、該上部マスク板および/または下部マスク板が、コバルト5〜20重量%、クロム20〜35重量%を主成分とし、残部鉄からなる永久磁石材料からなり、縞状の着磁を施してあることを特徴とするマスキング部品。
【0010】
(3)1以上の嵌込み孔を有するホルダー板、該ホルダー板の上部および/または下部へ配置される磁性材料からなる上部マスク板および/または下部マスク板、これらを支持する支持板からなるマスキング部品において、該支持板が、コバルト5〜20重量%、クロム20〜35重量%を主成分とし、残部鉄からなる永久磁石材料からなり、縞状の着磁を施してあることを特徴とするマスキング部品。
【0011】
(4)該ホルダー板あるいは支持板の永久磁石は、異方性磁石であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のマスキング部品。
【0012】
マスク板の厚さは、一般に0.001〜1.0mm程度、ホルダー板の厚さは一般に、0.1〜5.0mm程度である。このような厚さの板を永久磁石とするためには、圧延磁石が利用される。圧延磁石としては、バイカロイ(Fe−Co−V)、クニフェ(Cu−Ni−Fe)、クニコ(Cu−Ni−Co)などがあるが、いずれも磁気特性が低く、マスキング部品としては使用できない。磁気特性の高い圧延磁石としては、鉄、コバルト、クロムを主成分とする永久磁石材料がある。この永久磁石材料は、異方性磁気特性を持つようにすると、磁気特性が向上する。さらに、吸着用の薄板磁石として使用する場合、縞状にN/S/N/S…・と着磁することにより、吸着力が強くなり、密着性も良くなる。縞状着磁をするには、図1に示すように、所定の大きさの磁極に、N極とS極が交互に発生するように導線を巻き回した構造の着磁器に、マスク板あるいはホルダー板を載せ、導線に電流を流して着磁をする。縞状着磁のピッチ(N極とS極の間隙)は、板厚の1/2〜10倍程度の場合、その効果が大きい。
【0013】
マスキング部品収納用の孔は、エッチング、放電加工、ワイヤーカット、レーザーカット、機械加工など適切な方法で製造される。マスクのパターンも同様の加工により製造される。
【0014】
本発明が適用されるマスキング部材の構成を図2、図3および図4に示す。図2は、電子部品を収納するホルダー板が縞状着磁をした永久磁石薄板であり(請求項1相当)、上部マスク板および下部マスク板がSUS430ステンレス板(磁性体)の場合である。上部および下部のマスク板がホルダー板の磁石に吸着される。図3は、上部マスク板および下部マスク板が永久磁石薄板であり(請求項3相当)、ホルダー板がSUS430ステンレス板(磁性体)の場合である。図4は、支持体が縞状着磁をした永久磁石薄板であり(請求項5相当)、ホルダー板および下部マスク板がSUS430ステンレス板(磁性体)の場合である。なお、必要に応じて、磁性体あるいは非磁性体のスペーサ薄板をこれらの間に挟み込む場合も可能である。
【0015】
なお、ホルダー板とマスク板あるいは支持板とは、図5に示すように、位置決めピンにより正確に位置決めされる。図6は本発明における縞状着磁の態様を示す説明図である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
コバルト10重量%、クロム26重量%、バナジウム0.6重量%、チタン0.5重量%、残部鉄および不可避の不純物よりなる組成の合金材料を真空中で高周波溶解炉により鋳造し、鍛造、圧延により、厚さ1mmの薄板を得た。この薄板を60mm×100mmの寸法に切断し、水晶震動子の部品を収納するために、5mm×15mmの窓30個をエッチングにより形成した。これに、鉄、クロム、コバルト磁石に最適な熱処理を施し、永久磁石材料とした。この永久磁石材料の磁気特性は、Br:1.00T、Hc:27.9kA/m、(BH)max:13.1kJ/m3であった。この薄板磁石板を、ピッチ5mmで縞状に着磁した。
【0017】
実施例2
実施例1において熱処理の工程の一部を磁場中で行い、異方性の永久磁石材料とした。この永久磁石材料の磁気特性は、Br:1.30T、Hc:27.9kA/m、(BH)max:43.8kJ/m3であった。これらの薄板磁石板を、ピッチ5mmで縞状着磁した。
【0018】
比較例1
比較材として、実施例1における薄板磁石板を長手方向(100mmの方向)および厚さ方向(5mmの方向)に着磁した。厚さ0.2mm、材質SUS430(磁性材料)のマスク板を用意した。
【0019】
比較例2
比較材として、実施例2における薄板磁石板を長手方向(100mmの方向)および厚さ方向(5mmの方向)に着磁したものを用意した。
【0020】
それぞれの実施例及び比較例の材料によってホルダー板を形成し、これらに厚さ0.2mm、材質SUS430(磁性材料)のマスク板を吸着させ、それぞれ吸着力を測定した。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1の結果より、永久磁石薄板のホルダー板と磁性マスク板の吸着力は、ホルダー板を縞状に着磁した場合、大きな吸着力が得られる。すなわち、ホルダー板とマスク板との密着性は非常に良い。一方、長手方向着磁あるいは板厚方向着磁では十分な吸着力が得られない。すなわち、ホルダー板とマスク板との密着性は悪い。また、ホルダー板を異方性の永久磁石薄板とした場合、吸着力はさらに大きくなり、マスク板との密着性も向上する。
上記の試験は本発明をホルダー板に適用した場合について記述したが、本発明をマスク板あるいは支持板に適用した場合でも上記と同等の効果が得られた。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、マスク板あるいはホルダー板の厚さが薄い金属磁石板である場合でも強い吸着力が得られ、密着性の良いマスキングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における縞状着磁を施すための縞状着磁器の説明図である。
【図2】本発明のマスキング部品の一例の構成図である。(請求項1)
【図3】本発明のマスキング部品の他の例の構成図である。(請求項2)
【図4】本発明のマスキング部品の他の例の構成図である。(請求項3)
【図5】実施例1におけるホルダー板の位置決めピンの位置を示す平面図である。
【図6】実施例1におけるホルダー板に縞状着磁を施した場合の模式図である。
【図7】従来のマスキング部品におけるホルダー板の一例を示す。
Claims (4)
- 1以上の嵌込み孔を有するホルダー板、該ホルダー板の上部および/または下部へ配置される磁性材料からなる上部マスク板および/または下部マスク板からなるマスキング部品において、該ホルダー板が、コバルト5〜20重量%、クロム20〜35重量%を主成分とし、残部鉄からなる永久磁石材料からなり、縞状の着磁を施してあることを特徴とするマスキング部品。
- 1以上の嵌込み孔を有する磁性材料からなるホルダー板、該ホルダー板の上部および/または下部へ配置される上部マスク板および/または下部マスク板からなるマスキング部品において、該上部マスク板および/または下部マスク板が、コバルト5〜20重量%、クロム20〜35重量%を主成分とし、残部鉄からなる永久磁石材料からなり、縞状の着磁を施してあることを特徴とするマスキング部品。
- 1以上の嵌込み孔を有するホルダー板、該ホルダー板の上部および/または下部へ配置される磁性材料からなる上部マスク板および/または下部マスク板、これらを支持する支持板からなるマスキング部品において、該支持板が、コバルト5〜20重量%、クロム20〜35重量%を主成分とし、残部鉄からなる永久磁石材料からなり、縞状の着磁を施してあることを特徴とするマスキング部品。
- 該ホルダー板あるいは支持板の永久磁石は、異方性磁石であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマスキング部品。
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