JP6304072B2 - 遮断装置、遮断方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

遮断装置、遮断方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、電線を流れる電流を遮断する遮断装置、遮断方法及びコンピュータプログラムに関する。
車両に搭載されている電源システムでは、バッテリと負荷とが電線によって接続されており、電線を介してバッテリから負荷に電流が供給される。電線は抵抗成分を有する。このため、電線に電流が流れた場合、電線は発熱する。
ここで、電流が流れることによって電線から単位時間当たり発生する熱の量が、電線から単位時間当たりに放出される熱の量を超えている場合、電線温度は上昇する。電線温度の上昇を引き起こす値の電流が電線を流れ続けた場合、電線温度は上昇し続け、電線から発煙又は発火が生じる虞がある。電線からの発煙又は発火を防止するためには、当然のことながら、発煙又は発火が生じる前に電線を流れる電流を遮断する必要がある。
特許文献1には、電線からの発煙又は発火が生じる前に電線を流れる電流を遮断する遮断装置が開示されている。この遮断装置では、電線を流れる電流値から電線温度を経時的に演算する。そして、演算した電線温度が所定温度以上である場合、電線の中途に設けられたスイッチをオフにし、電線を流れる電流を遮断する。このため、電線温度が所定温度以上となることはなく、発煙又は発火が防止される。
特許文献1に記載の遮断装置では、負荷が動作を停止しており、かつ、算出した電線温度が電線の周囲温度と略一致している場合、電線温度の演算を休止する。これにより、電線温度の演算に係る消費電力が抑制される。
特許第5381248号公報
しかしながら、バッテリが供給する負荷の中には、例えば、常時給電する必要がある負荷が存在する。この場合、電線に電流が常時流れている。
電線に常時流れている電流を遮断する遮断装置として、特許文献1に記載の遮断装置を用いた場合、電線温度の演算が休止されることはない。従って、特許文献1に記載の遮断装置には、電線に電流が常時流れている場合、電線温度の演算に係る消費電力を抑制することはできないという問題点がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電線に電流が常時流れる場合であっても電線温度の演算に係る消費電力を抑制することができる遮断装置、遮断方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明に係る遮断装置は、電線を流れる電流を遮断する遮断装置において、該電線を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、該電線の周囲温度及び電線温度の温度差を経時的に算出し、算出した温度差に前記周囲温度を加算することによって前記電線温度を演算する演算部と、該演算部が演算した前記電線温度が閾値温度以上である場合に、前記電線を流れる電流を遮断する遮断部と、該演算部が算出した温度差が所定温度差未満であり、かつ、前記電流情報が示す電流値が所定電流値未満である場合に前記電線温度の演算を休止する休止部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る遮断装置は、前記電流情報が示す電流値が所定電流値以上となった場合、前記休止部によって休止された前記演算を再開する再開部を備えることを特徴とする。
本発明に係る遮断装置は、前記休止部は、前記演算部が算出した温度差が前記所定温度差未満であり、前記電流情報が示す電流値が前記所定電流値未満であり、かつ、車両のイグニッションスイッチがオフである場合に前記演算を休止することを特徴とする。
本発明に係る遮断装置は、前記演算部は、先行して算出した先行温度差に基づいて、前記温度差を算出し、前記演算が再開された後の初回の該温度差の算出にて用いられる前記先行温度差は、該演算を休止する前に前記演算部によって算出された温度差であることを特徴とする。
本発明に係る遮断方法は、電線を流れる電流を遮断する遮断方法において、該電線を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、該電線の周囲温度及び電線温度の温度差を経時的に算出し、算出した温度差に周囲温度を加算することによって前記電線温度を演算し、演算した前記電線温度が閾値温度以上である場合に、前記電線を流れる電流を遮断し、算出した温度差が所定温度差未満であり、かつ、前記電流情報が示す電流値が所定電流値未満である場合に前記電線温度の演算を休止することを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、電線を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、該電線の周囲温度及び電線温度の温度差を経時的に算出し、算出した温度差に周囲温度を加算することによって前記電線温度を演算し、演算した前記電線温度が閾値温度以上である場合に、前記電線を流れる電流の遮断を指示し、算出した温度差が所定温度差未満であり、かつ、前記電流情報が示す電流値が所定電流値未満である場合に前記電線温度の演算を休止する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明に係る遮断装置、遮断方法及びコンピュータプログラムにあっては、電線を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、電線の周囲温度及び電線温度の温度差を経時的に算出し、算出した温度差を周囲温度に加算する。これにより、電線温度が演算される。演算した電線温度が閾値温度以上である場合、例えば、電線の中途に設けられているスイッチをオフにすることによって、電線を流れる電流を遮断する。これにより、電線温度が閾値温度以上となることはないため、電線からの発煙又は発火は未然に防止される。
電線の周囲温度及び電線温度の温度差が所定温度差未満であり、かつ、電流情報が示す電流値が所定電流値未満である場合、電線温度の演算を休止する。このため、電線に電流が常時流れる場合であっても、電線温度が周囲温度に近くて、電線を流れる電流値が所定電流値未満であるとき、電線温度の演算が休止されるので、電線温度の演算に係る消費電力を抑制することができる。
本発明に係る遮断装置にあっては、電線温度の演算が休止している状態で、電流情報が示す電流値が所定電流値以上となった場合、電線温度の演算を再開する。このため、電線を流れる電流値が所定電流値未満である間、電線温度の演算が休止される。
本発明に係る遮断装置にあっては、算出した温度差が所定温度差未満であり、かつ、電流情報が示す電流値が所定電流値未満であるという条件を満たし、更に、車両のイグニッションスイッチがオフである場合に電線温度の演算を休止する。
例えば、電線を介してバッテリから負荷へ給電されている場合において、イグニッションスイッチがオフであるとき、車両のエンジンは動作を停止しており、電線を流れる電流値が頻繁に変動する確率は低く、電線を流れる電流値は比較的に安定している。従って、電線温度の演算を休止している間に、実際の電線温度が大きく上昇する確率は非常に低い。
本発明に係る遮断装置にあっては、電線の周囲温度及び電線温度の温度差は、前述したように経時的に算出される。温度差の算出では、先行して算出した先行温度差に基づいて、温度差を算出する。電線温度の演算が休止した後、例えば、電流情報が示す電流値が所定電流値以上となった場合、電線温度の演算を再開する。電線温度の演算が再開された後の初回の温度差の算出で用いる先行温度差は、電線温度の演算を休止する前に算出された温度差である。
先行温度差が大きい程、算出される温度差は大きい。そして、電線温度の演算が休止している間、時間の経過と共に電線温度、即ち、周囲温度及び電線温度の温度差は低下する。従って、電線温度の演算が再開された後の初回の温度差の算出において用いる先行温度差は、電線温度の演算を休止する前に算出された温度差であるので、演算が再開された後に、演算された電線温度が実際の電線温度未満となる可能性が低い。このため、実際の電線温度が閾値温度を超える前に電線を流れる電流を遮断することが可能となる。
本発明によれば、電線に電流が常時流れる場合であっても電線温度の演算に係る消費電力を抑制することができる。
本実施の形態における車両に搭載された電源システムの要部構成を示すブロック図である。 遮断装置の要部構成を示すブロック図である。 ウェイクアップ状態のCPUが実行する動作の手順を示すフローチャートである。 スリープ状態のCPUが実行する動作の手順を示すフローチャートである。 遮断装置の動作の説明図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、実施の形態1における車両1に搭載された電源システム2の要部構成を示すブロック図である。電源システム2は、電線20、遮断装置21、バッテリ22、負荷23、スイッチ制御部24及びイグニッションスイッチ25を備える。
電線20の中途に遮断装置21が設けられている。電線20の一端はバッテリ22の正極に接続されている。電線20の他端は負荷23の一端に接続されている。バッテリ22の負極と、負荷23の他端とは接地されている。遮断装置21はスイッチ制御部24に接続されている。
バッテリ22は電線20及び遮断装置21を介して負荷23に給電する。負荷23は、車両1に搭載される電気機器、例えばECU(Electronic Control Unit)である。
通常、負荷23は、バッテリ22から電線20及び遮断装置21を介して常時給電されている。遮断装置21は、電線20を流れる電流値が、予め設定されている遮断電流値以上となった場合、電線20を流れる電流を遮断する。遮断電流値は、短時間で電線20からの発煙又は発火を引き起こす可能性がある非常に高い電流値である。
遮断装置21は、電線20を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、電線20の電線温度を周期的に演算する。遮断装置21は、電線20を流れる電流値が遮断電流値以上となった場合だけではなく、算出した電線温度が閾値温度以上である場合も電線20を流れる電流を遮断する。
イグニッションスイッチ25は、スイッチ制御部24によってオン又はオフにされる。スイッチ制御部24は、車両1の図示しないエンジンが作動した場合、イグニッションスイッチ25をオンにし、エンジンが動作を停止した場合、イグニッションスイッチ25をオフにする。スイッチ制御部24は、イグニッションスイッチ25がオンであるか又はオフであるかを示すイグニション信号を遮断装置21に出力する。
イグニション信号はハイレベル及びローレベルの電圧によって構成される2値信号である。イグニッションスイッチ25がオンである場合、スイッチ制御部24が出力するイグニション信号はハイレベルの電圧を示す。イグニッションスイッチ25がオフである場合、スイッチ制御部24が出力するイグニション信号はローレベルの電圧を示す。
遮断装置21は、電流情報と、演算した電線温度と、スイッチ制御部24から入力されるイグニション信号とに応じて、電線温度の演算の休止及び再開を行う。
図2は遮断装置21の要部構成を示すブロック図である。遮断装置21は、Nチャネル型のFET(Field Effect Transistor)30、駆動回路31、電流検出部32、温度検出部33及びマイクロコンピュータ(以下、マイコンと記載)34を有する。
FET30は電線20の中途に設けられている。FET30のドレインは電線20を介してバッテリ22の正極に接続されており、FET30のソースは電線20を介して負荷23の一端に接続されている。FET30のゲートは駆動回路31に接続されている。駆動回路31は電流検出部32に接続されている。駆動回路31、電流検出部32及び温度検出部33はマイコン34に各別に接続されている。マイコン34はスイッチ制御部24にも接続されている。
FET30はスイッチとして機能する。FET30のゲートに印加されている電圧が一定電圧以上である場合、FET30のドレイン及びソース間に電流が流れることが可能であり、FET30はオンである。FET30のゲートに印加されている電圧が一定電圧未満である場合、FET30のドレイン及びソース間に電流が流れることはなく、FET30はオフである。駆動回路31は、FET30のゲートに印加されている電圧を調整することによって、FET30をオン又はオフにする。
電流検出部32は、電線20を流れる電流値を検出し、検出した電流値を示すアナログの電流情報を駆動回路31及びマイコン34に出力する。電流検出部32では、電線20に流れる電流値の所定数、例えば4千分の1の電流が抵抗に流れ、抵抗の両端間の電圧値が、アナログの電流情報としてマイコン34に出力される。
駆動回路31は、通常、FET30をオンにしている。駆動回路31は、電流検出部32から入力された電流情報が示す電流値が遮断電流値以上である場合にFET30をオフにし、電線20を流れる電流を遮断する。また、駆動回路31には、マイコン34から、電線20を流れる電流の遮断を指示する遮断指示が入力される。駆動回路31は、マイコン34から遮断指示が入力された場合、FET30をオフにし、電線20を流れる電流を遮断する。駆動回路31は遮断部として機能する。
温度検出部33は、例えばサーミスタを用いて構成され、電線20の周囲温度を検出する。温度検出部33は、検出した周囲温度を示す温度情報をマイコン34に出力する。
マイコン34は、電流検出部32から入力された電流情報と、温度検出部33から入力された温度情報とに基づいて、電線20の電線温度を周期的に演算する。マイコン34は、演算した電線温度を閾値温度以上である場合、遮断指示を駆動回路31に出力する。これにより、駆動回路31は、FET30をオフにし、電線20を流れる電流を遮断する。
マイコン34には、スイッチ制御部24からイグニション信号が入力される。マイコン34は、電流検出部32から入力された電流情報と、演算した電線温度と、スイッチ制御部24から入力されたイグニション信号とに基づいて、電線温度の演算を休止する。マイコン34は、電流検出部32から入力された電流情報と、スイッチ制御部24から入力されたイグニション信号とに基づいて電線温度の演算を再開する。
マイコン34は、CPU(Central Processing Unit)40、RAM(Random Access Memory)41、ROM(Read Only Memory)42、入力部43,44,45、出力部46、判定部47、A/D(Analog/Digital)変換部48、タイマ49及びOR回路50を有する。OR回路50は、2つの入力端子と1つの出力端子とを有する。
CPU40、RAM41、ROM42、入力部43,45、出力部46、判定部47、A/D変換部48夫々は、バス51に接続されている。入力部43は、バス51の他に、スイッチ制御部24に接続されている。A/D変換部48は、バス51の他に、入力部44、判定部47及びタイマ49に各別に接続されている。入力部44、入力部45及び出力部46夫々は、更に、電流検出部32、温度検出部33及び駆動回路31に接続されている。OR回路50に関して、一方の入力端子はスイッチ制御部24に接続され、他方の入力端子は判定部47に接続され、出力端子はCPU40に接続されている。
ROM42には制御プログラムP1が記憶されている。CPU40は、ROM42に記憶されている制御プログラムP1を実行することによって、電線20の電線温度の演算、及び、電線20を流れる電流の遮断等を行う。制御プログラムP1はコンピュータプログラムとして機能する。
CPU40の状態には、一定の短い間隔で処理を実行し、消費電力が大きいウェイクアップ状態と、一定の長い間隔で処理を実行し、消費電力が小さいスリープ状態とがある。CPU40は、ウェイクアップ状態である場合、電線温度の演算、及び、電流の遮断を行う。CPU40は、スリープ状態である場合、電線温度の演算を休止し、電線20を流れる電流を遮断することはない。また、CPU40は、ウェイクアップ状態への遷移とスリープ状態への遷移とを行う。
RAM41にはデータが一時的に保存される。RAM41へのデータの書き込みと、RAM41からのデータの読み出しとはCPU40によって行われる。RAM41は、CPU40が動作を実行する過程で用いられる。
入力部43には、スイッチ制御部24からイグニション信号が入力される。入力部43は、スイッチ制御部24からイグニション信号が入力された場合、イグニション信号が示す内容をCPU40に通知する。イグニション信号が示す内容は、スリープ状態に遷移すべきか否かをCPU40が判定する場合に用いられる。
入力部44には、電流検出部32からアナログの電流情報が入力される。入力部44は、電流検出部32からアナログの電流情報が入力された場合、入力された電流情報をA/D変換部48に出力する。
タイマ49は、アナログの電流情報をデジタルの電流情報に変換することを指示する変換指示を周期的にA/D変換部48に出力する。
A/D変換部48は、タイマ49から変換指示が入力される都度、入力部44から入力されたアナログの電流情報をデジタルの電流情報に変換する。具体的には、A/D変換部48は、前述した抵抗の両端間のアナログの電圧値をデジタルの電圧値に変換する。変換したデジタルの電圧値がデジタルの電流情報である。
電線20を流れる電流値が大きい程、電流検出部32における抵抗の両端間の電圧値は大きい。このため、電線20を流れる電流値が大きい程、デジタルの電流情報、即ち、デジタルの電圧値は大きい。
A/D変換部48が変換したデジタルの電流情報は、CPU40によって取得される。このデジタルの電流情報は、CPU40がスリープ状態に遷移すべきか否かを判定する場合に用いられる。
また、A/D変換部48は、変換を行う都度、変換したデジタルの電流情報を判定部47に出力する。
判定部47は、A/D変換部48から入力された電流情報が示す電流値が基準電流値以上であるか否かを判定する。具体的には、判定部47は、デジタルの電流情報、即ち、デジタルの電圧値が基準値以上であるか否かを判定する。基準値は、基準電流値の電流が電線20を流れた場合にA/D変換部48が出力するデジタルの電圧値である。また、基準電流値は、前述した遮断電流値よりも十分に小さい。
判定部47には、A/D変換部48から入力された電流情報が示す電流値が基準電流値以上であるか否かの判定の開始を指示する開始指示と、この判定の停止を指示する停止指示とが入力される。判定部47は、開始指示が入力された場合、判定を開始し、停止指示を入力された場合、判定を停止する。
判定部47は、電流情報が示す電流値が基準電流値以上であるか否かの判定の結果を示す判定信号をOR回路50の他方の端子に出力する。判定信号は、イグニション信号と同様に、ハイレベル及びローレベルの電圧によって構成される2値信号である。A/D変換部48から入力された電流情報が示す電流値が基準電流値以上であると判定部47が判定した場合、判定部47から出力される判定信号はハイレベルの電圧を示す。A/D変換部48から入力された電流情報が示す電流値が基準電流値未満であると判定部47が判定した場合、判定部47から出力される判定信号はローレベルの電圧を示す。
OR回路50について、一方の入力端子にはスイッチ制御部24からイグニション信号が入力され、他方の入力端子には判定部47から判定信号が入力される。OR回路50は、2つの入力端子に入力されたイグニッション信号及び判定信号に基づく信号を出力端子からCPU40に出力する。
判定信号及びイグニション信号中の少なくとも一方がハイレベルの電圧を示す場合、OR回路50の出力信号はハイレベルの電圧を示す。判定信号及びイグニション信号が共にローレベルの電圧を示す場合、OR回路50の出力信号はローレベルの電圧を示す。従って、OR回路50の出力信号は、ハイレベル及びローレベルの電圧によって構成される2値信号である。OR回路の出力信号はウェイクアップ状態に遷移すべきか否かの判定に用いられる。
入力部45には、温度検出部33から温度情報が入力される。入力部45に入力された温度情報は、CPU40によって取得される。
出力部46は、CPU40の指示に従って、遮断指示を駆動回路31に出力する。
CPU40は、ウェイクアップ状態である場合、電線20の電線温度を周期的に演算する。電線温度の演算では、CPU40は、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差を算出する。CPU40は、先行して算出した先行温度差と、電流情報が示す電流値と、温度情報が示す電線20の周囲温度とを演算式に代入することによって、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差を算出する。先行温度差は、RAM41に記憶されている。CPU40は、温度差を算出する都度、算出した温度差を先行温度差としてRAM41に記憶する。
先行温度差、電流情報が示す電流値、及び、温度情報が示す周囲温度夫々をΔTp、Iw及びTaとした場合、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差の算出に用いられる演算式(1),(2)は以下のように表される。
ΔTw=ΔTp×exp(−Δt/τ)+Rth×Rw
×Iw2 ×(1−exp(−Δt/τ))・・・(1)
Rw=Ro×(1+κ×(Ta+ΔTp−To))・・・(2)
演算式(1),(2)で用いられている変数及び定数を説明する。変数及び定数の説明では、変数又は定数の単位も併せて示している。ΔTw、ΔTp、Iw及びTa夫々は、前述したように、算出した温度差(℃)、先行温度差(℃)、電線20を流れる電流値(A)、及び、電線20の周囲温度(℃)である。Δtは、ウェイクアップ状態のCPU40が行う電線温度の演算の演算周期(s)である。τは電線20の電線放熱時定数(s)である。
Rthは電線20の電線熱抵抗(℃/W)であり、Rwは電線20の電線抵抗(Ω)である。Toは所定の温度(℃)であり、Roは温度Toにおける電線抵抗(Ω)である。κは電線20の電線抵抗温度係数(/℃)である。ΔTw、ΔTp、Iw及びTaは変数であり、Δt、τ、Rth、Ro、κ及びToは、予め設定されている定数である。
演算式(1)の第1項の値は、演算周期Δtが長い程、低下するので、演算式(1)の第1項は電線20の放熱を表す。また、演算式(1)の第2項の値は、演算周期Δtが長い程、上昇するので、演算式(1)の第2項は電線20の発熱を表す。
演算式(1),(2)夫々は予めROM42に記憶されている。ROM42に記憶されている演算式(1),(2)はCPU40によって読み出される。
図3は、ウェイクアップ状態のCPU40が実行する動作の手順を示すフローチャートである。ウェイクアップ状態のCPU40が実行する下記の動作は周期的に実行される。ウェイクアップ状態のCPU40が実行する動作の周期が電線温度の演算周期である。
CPU40は、電線20を流れる電流値を示す電流情報をA/D変換部48から取得し(ステップS1)、先行温度差をRAM41から読み出し(ステップS2)、入力部45から温度情報を取得する(ステップS3)。
なお、A/D変換部48から取得される電流情報、及び、入力部45から取得される温度情報夫々が更新される間隔は、CPU40の演算周期以下である。
次に、CPU40は、ステップS1で取得した電流情報が示す電流値と、ステップS2で読み出した先行温度差と、ステップS3で取得した温度情報が示す周囲温度とを演算式(1),(2)に代入することによって、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差を算出する(ステップS4)。その後、CPU40は、算出した温度差を先行温度差としてRAM41に記憶する(ステップS5)。
次に、CPU40は、ステップS3で取得した温度情報が示す電線20の周囲温度に、ステップS4で算出した温度差を加算することによって電線20の電線温度を算出する(ステップS6)。以上のように、CPU40は、ステップS1からS6を実行することによって電線温度を演算する。
次に、CPU40は、ステップS6で算出した電線温度が閾値温度以上であるか否かを判定する(ステップS7)。閾値温度は、ROM42に予め記憶されており、CPU40によってROM42から読み出される。
CPU40は、電線温度が閾値温度以上であると判定した場合(S7:YES)、出力部46に指示して、遮断指示を駆動回路31に出力させる(ステップS8)。このように、CPU40は、駆動回路31に電線20を流れる電流の遮断を指示し、駆動回路31はFET30をオフにする。これにより、電線20を流れる電流は遮断される。
CPU40は、ステップS8を実行した後、CPU40は処理を終了する。
なお、CPU40がステップS8を実行した場合、電線20を流れる電流が遮断されるため、電線温度の演算が不要となる可能性がある。このため、遮断装置21は、CPU40がステップS8を実行して動作を終了した場合に、特定の条件が成立するまでステップS1を再び実行しないように構成されてもよい。特定の条件は、例えば図示しない受付部がCPU40の動作の再開指示をユーザから受け付けることである。
CPU40は、電線温度が閾値温度未満であると判定した場合(S7:NO)、入力部43に入力されているイグニション信号に基づいて、イグニッションスイッチ25がオフであるか否かを判定する(ステップS9)。CPU40は、入力部43に入力されているイグニッション信号がローレベルの電圧を示す場合、イグニッションスイッチ25がオフであると判定する。CPU40は、入力部43に入力されているイグニション信号がハイレベルの電圧を示す場合、イグニッションスイッチ25がオフではない、即ち、イグニッションスイッチ25がオンであると判定する。
CPU40は、イグニッションスイッチ25がオフであると判定した場合(S9:YES)、ステップS4で算出した温度差が基準温度差未満であるか否かを判定する(ステップS10)。基準温度差はROM42に予め記憶されており、CPU40によってROM42から読み出される。
CPU40は、温度差が基準温度差未満であると判定した場合(S10:YES)、ステップS1で取得した電流情報が示す電流値、即ち、電線20を流れる電流値が基準電流値未満であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS1でCPU40によって取得されるデジタルの電流情報は、前述したようにデジタルの電圧値である。従って、具体的には、CPU40は、電流情報、即ち、デジタルの電圧値が基準電流値に対応する前述の基準値未満であるか否かを判定する。
デジタルの電圧値が基準値未満であることは、電流情報が示す電流値が基準電流値未満であることを意味する。デジタルの電圧値が基準値以上であることは、電流情報が示す電流値が基準電流値以上であることを意味する。
CPU40は、電流値が基準電流値未満であると判定した場合(S11:YES)、判定の開始指示を判定部47に出力する(ステップS12)。これにより、開始指示が判定部47に入力され、判定部47は、A/D変換部48が変換したデジタルの電流情報が示す電流値が基準電流値以上であるか否かの判定を開始し、判定部47からOR回路50に判定信号が出力される。
CPU40は、ステップS12を実行した後、スリープ状態に遷移する(ステップS13)。具体的に、CPU40は、処理を実行する間隔を長くする。
CPU40は、イグニッションスイッチ25がオフではないと判定した場合(S9:NO)、温度差が基準温度以上であると判定した場合(S10:NO)、又は、電流値が基準電流値以上であると判定した場合(S11:NO)、動作を終了する。このように動作を終了した場合においては、CPU40は、次の周期が到来したとき、再び、ステップS1を実行し、電線温度を演算する。
CPU40は、ステップS13を実行した後、動作を終了する。この場合、CPU40はスリープ状態である。スリープ状態のCPU40は、ウェイクアップ状態のCPU40が実行する動作とは異なる動作を実行し、電線温度を演算することはない。
CPU40がウェイクアップ状態からスリープ状態へ遷移する条件に、イグニッションスイッチ25はオフであることと、電流情報が示す電流値は基準電流値未満であることとが含まれている。従って、CPU40がウェイクアップ状態からスリープ状態に遷移した時点では、イグニッション信号及び判定信号は共にローレベルの電圧を示し、OR回路50の出力信号はローレベルの電圧を示している。
図4は、スリープ状態のCPU40が実行する動作の手順を示すフローチャートである。スリープ状態のCPU40は、下記の動作を周期的に実行する。まず、CPU40は、OR回路50の出力信号がハイレベルの電圧を示しているか否かを判定する(ステップS21)。
CPU40は、出力信号がハイレベルの電圧を示していない、即ち、出力信号がローレベルの電圧を示していると判定した場合(S21:NO)、動作を終了する。
このように動作を終了した場合においては、CPU40は、次の周期が到来したときにステップS21を再び実行する。
CPU40は、出力信号がハイレベルの電圧を示していると判定した場合、即ち、イグニッションスイッチ25がオンに切り替わったか、又は、電流情報が示す電流値が基準電流値以上となった場合(S21:YES)、判定の停止指示を判定部47に出力する(ステップS22)。これにより、停止指示がCPU40から判定部47に入力され、判定部47は、A/D変換部48が変換したデジタルの電流情報が示す電流値が基準電流値以上であるか否かの判定を停止する。
CPU40は、ステップS22を実行した後、ウェイクアップ状態に遷移する(ステップS13)。具体的に、CPU40は、処理を実行する間隔を短くする。その後、CPU40は動作を終了する。CPU40は、このように動作を終了した場合、ウェイクアップ状態であるので、電線温度の演算を再開する。
CPU40は、スリープ状態からウェイクアップ状態に遷移した後の初回の温度差の演算では、RAM41に記憶してある先行温度差が用いられる。言い換えると、CPU40は、スリープ状態からウェイクアップ状態に遷移した後の初回の温度差の演算で用いる先行温度差は、スリープ状態に遷移する前に算出された温度差である。
図5は遮断装置21の動作の説明図である。図5には、CPU40によって演算された温度差の推移と、電流情報が示す電流値の推移とが示されている。電線20の周囲温度及び電線温度の温度差の推移において、太線は実際にCPU40によって演算される温度差を示し、細線は、実際にはCPU40によって演算されることがない温度差を示している。細線で示されている温度差は、CPU40が演算を行ったと仮定した場合に算出される温度差である。
また、ΔTrは基準温度差を示し、Irは基準電流値を示す。
ウェイクアップ状態のCPU40は、イグニッションスイッチ25がオンであるか、算出した温度差が基準温度以上であるか、又は、電流情報が示す電流値が基準電流値以上である間、電線温度を周期的に演算する。CPU40は、前述したように、電線20を流れる電流値を示す電流情報と、先行温度差とに基づいて、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差を周期的に算出し、算出した温度差を電線20の周囲温度に加算する。これにより、電線温度が演算される。CPU40は演算部として機能する。
CPU40によって演算された電線温度が閾値温度以上である状況は図5に示されていない。しかしながら、CPU40は、演算した電線温度が閾値温度以上である場合、出力部46に遮断指示を出力させて、駆動回路31に電線20を流れる電流の遮断を指示し、駆動回路31はFET30をオフにする。
これにより、電線20の電線温度が閾値温度以上になることはないため、電線20からの発煙又は発火を未然に防止することができる。
イグニッションスイッチ25がオフとなってエンジンが停止した場合、負荷23は主な動作を停止し、バッテリ22から負荷23に例えば暗電流が供給される。このため、イグニッションスイッチ25がオフとなった場合、図5に示すように、電流情報が示す電流値は基準電流値Ir未満となる。
電流情報が示す電流値の低下によって、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差は徐々に低下する。そして、ウェイクアップ状態のCPU40は、イグニッションスイッチ25がオフであり、算出した温度差が基準温度差未満であり、かつ、電流情報が示す電流値が基準電流値未満である場合、スリープ状態に遷移し、電線温度の演算を休止する。
このため、電線20に電流が常時流れる場合であっても、電線温度が電線20の周囲温度に近くて、電線20を流れる電流値が基準電流値未満であるとき、電線温度の演算が休止されるので、電線温度の演算に係る消費電力を抑制することができる。
CPU40は休止部としても機能する。
イグニッションスイッチ25がオフである場合、負荷23に供給すべき電流値は低くて安定している。このため、イグニッションスイッチ25がオフである場合、電線20を流れる電流値が頻繁に変動する確率は低く、電線20を流れる電流値は比較的に安定している。従って、ウェイクアップ状態からスリープ状態に遷移すべきか否かの条件に、イグニッションスイッチ25がオフであるか否かの条件が加わることによって、CPU40が電線温度の演算を休止している間に、実際の電線温度が大きく上昇する確率は非常に低い。
電線温度の演算が休止された後、仮に温度差が演算された場合、図5に示す例では、電線情報が示す電流値が基準電流値Ir未満である間、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差は、徐々に低下し、ゼロで安定する。
CPU40がスリープ状態に遷移した時点、言い換えると、電線温度の演算が休止した時点において、イグニッションスイッチ25はオフであり、かつ、電流情報が示す電流値は基準電流値Ir未満である。このため、CPU40がスリープ状態に遷移した時点でOR回路50の出力信号はローレベルの電圧を示している。CPU40は、OR回路50の出力信号がローレベルの電圧を示す間、スリープ状態であり、電線温度の演算を休止する。
CPU40がスリープ状態である場合において、例えば、電線20及び負荷23間の接続ノードの短絡によって、電流情報が示す電流値が基準電流値Ir以上となったとき、OR回路50の出力信号がハイレベルの電圧を示し、CPU40は、ウェイクアップ状態に遷移する。そして、CPU40は、休止した周期的な電線温度の演算を再開する。このため、電線20を流れる電流値が基準電流値Ir未満である間、電線温度の演算を休止することができる。
CPU40は再開部としても機能する。
また、周期的な電線温度の演算を再開した後の初回の電線温度の演算においてCPU40によって用いられる先行温度差は、電線温度の演算を休止する前に算出された温度差である。図5の例では、周期的な温度差の演算を再開した後の初回の電線温度の演算で用いる先行温度差は基準温度差ΔTrである。このため、電線温度の演算が再開された後、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差は、基準温度差ΔTrから推移する。
電線温度の演算を再開した時点における温度差は、電線温度の演算を休止する前に算出された温度差よりも小さいと推測される。従って、電線温度の演算を再開した後、CPU40によって演算される電線温度は、実際の電線温度未満となる可能性が低い。従って、実際の電線温度が閾値温度以上となる前に電線20を流れる電流を遮断することが可能となる。
また、前述したように、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差は先行温度差に基づいて算出され、算出された温度差は次回の温度差の算出において先行温度差として用いられる。従って、電線温度の演算を再開した時点における温度差が実際の温度差と異なっている場合であっても、温度差の算出が繰り返される都度、算出した温度差は実際の温度差に近づく。
イグニッションスイッチ25がオフである状態で、電流情報が示す電流値、即ち、電線20を流れる電流値が基準電流値Ir未満となり、かつ、電線20の周囲温度及び電線温度の温度差が基準温度差ΔTr未満となった場合、CPU40は、ウェイクアップ状態から再びスリープ状態に遷移する。
CPU40がスリープ状態に遷移した場合、OR回路50の出力信号はローレベルの電圧を示している。イグニッションスイッチ25がオンとなってOR回路50の出力信号がハイレベルの電圧を示した場合、CPU40は、スリープ状態からウェイクアップ状態に遷移し、電線温度の演算を再開する。電線温度の演算が再開された後、初回の温度差の算出において用いられる先行温度差は、電線温度の演算を休止する前に算出した温度差である。図5の例では、イグニッションスイッチ25がオンとなって電線温度の演算が再開した後の初回の電線温度の演算で用いられる先行温度差は、基準温度差ΔTrである。
なお、電線温度の演算を再開した後の初回の温度差の算出で用いる先行温度は、電線温度の演算を再開する前に算出された温度差でなくてもよく、予め設定された温度差であってもよい。ここで、予め設定された温度差は、例えば、基準温度差ΔTr以上の温度差である。この場合においても、電線温度の演算が再開された後にCPU40によって演算される電線温度が実際の電線温度未満となることはない。
また、ウェイクアップ状態のCPU40は電線温度を周期的に演算しなくてもよく、電線温度を経時的に演算すればよい。電線温度が周期的に演算されない場合、遮断装置21は電線温度が演算される間隔を計時する計時部を有し、CPU40は、演算式(1),(2)のΔtに計時部が計時した時間を代入することによって、電線温度を演算する。
更に、CPU40は、イグニッションスイッチ25のオン及びオフに無関係に、算出した温度差が基準温度差ΔTr未満であり、かつ、電流情報が示す電流値が基準電流値Ir未満である場合に、スリープ状態に遷移し、電線温度の演算を休止してもよい。この場合においては、例えば遮断装置21はOR回路50を有せず、判定部47がCPU40に直接に接続される。そして、電流情報が示す電流値が基準電流値Ir以上となって判定信号がハイレベルの電圧を示した場合にCPU40はウェイクアップ状態に遷移し、電線温度の演算を再開する。
また、先行温度差は、CPU40によって前回算出した温度差に限定されず、例えば、CPU40によって前々回算出した温度差であってもよい。
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 車両
20 電線
21 遮断装置
25 イグニッションスイッチ
31 駆動回路(遮断部)
40 CPU(演算部、休止部、再開部)
Ir 基準電流値(所定電流値)
P1 制御プログラム(コンピュータプログラム)
ΔTr 基準温度差(所定温度差)

Claims (6)

  1. 電線を流れる電流を遮断する遮断装置において、
    該電線を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、該電線の周囲温度及び電線温度の温度差を経時的に算出し、算出した温度差に前記周囲温度を加算することによって前記電線温度を演算する演算部と、
    該演算部が演算した前記電線温度が閾値温度以上である場合に、前記電線を流れる電流を遮断する遮断部と、
    該演算部が算出した温度差が所定温度差未満であり、かつ、前記電流情報が示す電流値が所定電流値未満である場合に前記電線温度の演算を休止する休止部と
    を備えることを特徴とする遮断装置。
  2. 前記電流情報が示す電流値が所定電流値以上となった場合、前記休止部によって休止された前記演算を再開する再開部を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の遮断装置。
  3. 前記休止部は、前記演算部が算出した温度差が前記所定温度差未満であり、前記電流情報が示す電流値が前記所定電流値未満であり、かつ、車両のイグニッションスイッチがオフである場合に前記演算を休止すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮断装置。
  4. 前記演算部は、先行して算出した先行温度差に基づいて、前記温度差を算出し、
    前記演算が再開された後の初回の該温度差の算出にて用いられる前記先行温度差は、該演算を休止する前に前記演算部によって算出された温度差であること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の遮断装置。
  5. 電線を流れる電流を遮断する遮断方法において、
    該電線を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、該電線の周囲温度及び電線温度の温度差を経時的に算出し、算出した温度差に周囲温度を加算することによって前記電線温度を演算し、
    演算した前記電線温度が閾値温度以上である場合に、前記電線を流れる電流を遮断し、
    算出した温度差が所定温度差未満であり、かつ、前記電流情報が示す電流値が所定電流値未満である場合に前記電線温度の演算を休止すること
    を特徴とする遮断方法。
  6. 電線を流れる電流値を示す電流情報に基づいて、該電線の周囲温度及び電線温度の温度差を経時的に算出し、算出した温度差に周囲温度を加算することによって前記電線温度を演算し、
    演算した前記電線温度が閾値温度以上である場合に、前記電線を流れる電流の遮断を指示し、
    算出した温度差が所定温度差未満であり、かつ、前記電流情報が示す電流値が所定電流値未満である場合に前記電線温度の演算を休止する
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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