JP6107688B2 - 電線保護装置 - Google Patents

電線保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6107688B2
JP6107688B2 JP2014019997A JP2014019997A JP6107688B2 JP 6107688 B2 JP6107688 B2 JP 6107688B2 JP 2014019997 A JP2014019997 A JP 2014019997A JP 2014019997 A JP2014019997 A JP 2014019997A JP 6107688 B2 JP6107688 B2 JP 6107688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric wire
temperature
wire
time interval
cpu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014019997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015149797A (ja
Inventor
健 古戸
健 古戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, AutoNetworks Technologies Ltd, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2014019997A priority Critical patent/JP6107688B2/ja
Publication of JP2015149797A publication Critical patent/JP2015149797A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6107688B2 publication Critical patent/JP6107688B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Description

本発明は、電線温度を演算し、演算した電線温度が閾値以上である場合に電線の通電を遮断する電線保護装置に関する。
電線に通電した場合、ジュール熱が発生する。発生したジュール熱が電線の放熱を上回る場合、電線温度が上昇する。電線温度が上昇し続けた結果、電線が焼損に至る虞がある。
斯かる電線の焼損を防ぐために、電線の温度を演算し、演算した電線の温度が所定の閾値を超えた場合、通電を遮断する車載の保護装置が特許文献1及び2に開示されている。
特開2010−283977号公報 特開2009−226984号公報
特許文献1及び2に記載の保護装置においては、電線の温度を一定の時間間隔で演算するため、演算に係る処理量が常に大きいという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電線の推定温度を演算する時間間隔を、電線の推定温度に基づいて設定することにより、演算に係る処理量を低減することができる電線保護装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電線保護装置は、電線の中途に接続されたスイッチと、該スイッチをオン又はオフに制御するスイッチ制御部と、前記電線に流れる電流値を検出する電流検出部と、設定された時間間隔をおいて逐次的に該電流検出部から電流値を取得し、取得した電流値に基づいて前記電線の温度を推定する電線温度推定部と、該電線温度推定部が推定した前記電線の温度が温度閾値を超えたか否かを判定する判定部とを備え、該判定部が超えたと判定した場合、前記スイッチ制御部が前記スイッチをオフにするようにしてある電線保護装置において、前記電線温度推定部が推定した前記電線の温度に基づいて、前記時間間隔を設定する推定間隔設定部を備えることを特徴とする。
本発明に係る電線保護装置では、推定間隔設定部は、例えば電線温度推定部が推定した電線の温度が低い場合には推定間隔を長く設定し、高い場合には短く設定する。したがって、電線の推定温度が高い場合、電線温度を推定する頻度が上昇するため電線を保護する機能が低下せず、更に電線の温度が低い場合、電線温度を推定する頻度が低下するため電線温度を推定するための演算に係る処理量が低減される。
本発明に係る電線保護装置は、前記電線の温度に対応付けて、時間間隔値を記憶している記憶部を備え、前記推定間隔設定部は、前記電線温度推定部が前記電線の温度を推定した場合、推定された温度に対応する前記時間間隔値を前記記憶部から読み出し、読み出した前記時間間隔値を前記時間間隔に設定するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る電線保護装置では、推定間隔設定部は、電線温度推定部が推定した電線の温度に対応する予め演算された時間間隔値を記憶部から読み出し、読み出した時間間隔値を電線温度の推定間隔に設定する。したがって、時間間隔値の演算が不要であるため、演算に係る処理量が低減される。
本発明に係る電線保護装置は、前記推定間隔設定部は、前記電線に所定の電流値Ithの電流が通電し続けると仮定した場合、前記電線の温度が、前記電線温度推定部が推定した温度Twから前記温度閾値Tthに達する迄の到達時間Δtを演算し、演算した前記到達時間Δtに基づいて、前記時間間隔を設定するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る電線保護装置では、推定間隔設定部は、電線に所定電流値Ithの電流が通電し続けると仮定した場合、電線の温度が推定温度Twから閾値Tthに達する迄の到達時間Δtを演算し、演算した到達時間Δtに基づいて、電線温度の推定間隔を設定する。電線に流れる電流の値が大きい程、電線の温度が速く上昇する。そのため、安全性を考慮して設計する場合、Δtの演算においては最大の電流値を設定することが望ましい。一方、電線に流れる電流の値が一定である場合、到達温度を高く設定するほど、Δtは長くなる。したがって、Ithとして回路の安全上許容される最大の電流値を設定し、閾値温度Tthとして電線が焼損しない温度を設定した場合、確実に電線の焼損を防止することができる条件の下で推定間隔を最長に設定することができるため、演算に係る処理量が低減される。
本発明に係る電線保護装置は、前記推定間隔設定部は、前記到達時間Δtを、下式を用いて演算することを特徴とする請求項3に記載の電線保護装置。
Δt=−τw×ln{1−(Tth−Tw)/(Ith2×Rthw×Rw)}
ここで、τw:電線の放熱時定数
Rthw:電線の熱抵抗
Rw:電線の抵抗
本発明に係る電線保護装置では、推定間隔設定部が、到達時間Δtを演算する際に、上式を用いる。したがって、到達時間Δtを正確に演算できる。
本発明に係る電線保護装置は、前記到達時間Δtに対応付けて時間間隔値を記憶している記憶部を備え、前記推定間隔設定部は、前記到達時間Δtを演算し、演算した前記到達時間Δtに対応する前記時間間隔値を前記記憶部から読み出し、読み出した前記時間間隔値を前記時間間隔に設定するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る電線保護装置では、前記推定間隔設定部は、Δtを演算し、演算したΔtに対応する時間間隔値を記憶部から読み出し、推定間隔に設定する。したがって、電線温度の推定間隔を、推定処理に適した時間に設定し、構成を容易にすることができる。
本発明に係る電線保護装置は、前記スイッチは、前記電線に前記電流値Ithを超える値の電流が通電した場合、オフにされるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る電線保護装置では、電線に所定の電流値Ithより大きい値の電流が通電した場合、スイッチがオフにされる。スイッチにより遮断されずに通電することができる最大の電流値Ithを演算に用いることにより、確実に電線の焼損を防止することができる最短時間であるΔtを演算する。したがって、推定間隔をより適切な値に設定することができる。
本発明によれば、電線の推定温度を演算する時間間隔を、電線の推定温度に基づいて設定することにより、演算に係る処理量を低減することができる。
本発明に係る車載の電線保護装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る電線保護装置のCPUが行う処理の手順を示すフローチャートである。 推定電線温度と、推定電線温度を演算する時間間隔との対応を示す図表である。 本発明の実施の形態2に係る電線保護装置のCPUが行う処理の手順を示すフローチャートである。 電線の温度が閾値まで上昇する迄の到達時間と推定電線温度を演算する時間間隔との対応を示す図表である。 本発明の実施の形態3に係る電線保護装置のCPUが行う処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る車載の電線保護装置1の構成を示すブロック図である。2,3,4は夫々、電源、負荷、及び電線である。電線保護装置1は、電源2の正極と負荷3の一端との間に電線4によって接続されている。電源2は、例えば鉛蓄電池又はリチウムイオン電池等であり、負荷3は、例えばランプ又はパワーウィンドウ等である。電源2の負極及び負荷3の他端はボディアースされている。電線保護装置1は、電線4に流れる電流の値及び電線4の周辺温度Taを検出し、検出した電流値及び周辺温度に基づいて、電線4の推定温度Twを演算する。電線保護装置1は、Twが温度閾値Tthより高い場合、電線4の通電を遮断する。
電線保護装置1は、IPD(Intelligent Power Device)5、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)6、及び温度検出部7を備える。
IPD5の電流入力端子は電源2の正極に電線4によって接続され、電流出力端子は負荷3に電線4によって接続され、更に、信号入力端子及び信号出力端子はマイコン6に接続されている。マイコン6は、IPD5及び温度検出部7に接続されている。
IPD5は、マイコン6から電流値検出指示信号が入力された場合、電線4に流れる電流の値を検出し、検出した電流の値Iを示す信号をマイコン6に出力する。また、IPD5には、マイコン6から、電線4の通電のオン/オフを指示するスイッチング制御信号が入力され、入力されたスイッチング制御信号に従って、IPD5は電線4の通電をオン又はオフにする。
温度検出部7は、測温抵抗体、サーミスタ、又は熱電対等の温度センサで構成されており、Taを検出し、検出したTaを示す信号をマイコン6に出力する。
マイコン6は、IPD5から入力された信号が示すI、及び温度検出部7から入力された信号が示すTaに基づいて、Twを演算する。マイコン6は、演算したTwがTthより高い場合は、IPD5に電線4の通電のオフを指示するスイッチング制御信号を出力し、電線4を焼損から保護する。
IPD5は、Nチャネル型のFET51、制御回路52、及び電流検出部53を備える。FET51のソース電極は電流出力端子を介して電線4によって負荷3の一端に接続されており、ドレイン電極は電流入力端子を介して電線4によって電源2の正極に接続されており、ゲート電極は制御回路52に接続されている。制御回路52からFET51のゲート電極にゲート閾値電圧を超える電圧が印加された場合、ドレイン電極からソース電極へ電流が流れ、FET51はオンとなる。制御回路52からFET51のゲート電極に印加される電圧がゲート閾値電圧を下回った場合、電流が流れず、FET51はオフとなる。
制御回路52は、マイコン6からのスイッチング制御信号が信号入力端子を介して入力された場合、入力されたスイッチング制御信号の指令に従って、FET51のゲート電圧に印加する電圧を変化させ、FET51をオン又はオフに制御する。また、制御回路52は、マイコン6から電流値検出指示信号が信号入力端子を介して入力された場合、電流検出部53に、FET51に流れる電流を検出するように指示する。
電流検出部53は、制御回路52からの指示に応じて、電線4に流れる電流の値Iを示すアナログ信号を、信号出力端子を介してマイコン6に出力する。電流検出部53が検出した電流値Iが電流閾値Ithより大きい場合、マイコン6は、FET51をオフにするよう指令するスイッチング制御信号を制御回路52へ出力し、電線4の通電をオフにする。
マイコン6は、入力部61、出力部62、CPU63、記憶部64、RAM65、及びタイマ66を備え、各構成要素は互いに内部バス67で接続されている。
入力部61には、外部装置、例えば図示しないボディECUから負荷3の作動を指示する作動指示信号、又は停止を指示する停止指示信号が入力される。また、入力部61には、電流検出部53及び温度検出部7から夫々、電流値Iを示す信号及びTaを示す信号が入力される。入力部61は、入力されたアナログ信号を内部に備えるA/D変換回路でA/D変換し、変換された信号をCPU63に出力する。
出力部62は、CPU63からスイッチング制御信号が入力された場合、該スイッチング制御信号を制御回路52に出力する。
CPU63は、記憶部64に記憶されているプログラムをRAM65に読み出し、該プログラムを実行して、マイコン6の各構成部から入力される信号に基づいて、各構成部の制御及び演算処理を行う。CPU63が行う処理には、FET51のスイッチング制御、及びTwの演算が含まれる。
記憶部64は、EEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部64には、CPU63が制御処理及び演算処理を行うためのプログラムが記憶されている。また、記憶部64には、CPU63がTwを演算する間隔を設定するための表64aが記憶されている。その他、記憶部64には、CPU63が制御処理及び演算処理を行うために必要なデータも記憶されている。更に、記憶部64には、CPU63が行った演算により得られたデータが記憶される。
RAM65は、SRAM、又はDRAM等である。RAM65には、CPU63が記憶部64より読み出したプログラムが一時記憶される。また、CPU63がプログラムを実行することによって生じる各種データを一時記憶する。
タイマ66は、時間を計測する。CPU63は、タイマ66が計測する時間間隔と、計時開始とを指示する信号をタイマ66に出力する。タイマ66は、計時開始後、指示された時間間隔が経過する都度、周期的にCPU63に時間経過を通知する信号を出力する。時間経過を通知する信号を入力されたCPU63は、該信号に応じて所定の処理を行う。
CPU63は、電流検出部53から入力された信号が示すI、及び温度検出部7から入力された信号が示すTaを、下式(1)に代入し、Twを演算する。
Tw=Ta+ΔTw(n) … (1)
ただし、
ΔTw(n)=ΔTw(n−1)×exp(−Δt/τw)+Rthw×Rw
×{I(n−1)}2×{1−exp(−Δt/τw)}
ここで、
ΔTw(n):n(nは1以上の整数)回目の演算における、電線温度の周辺温度Taからの上昇値
Δt:当該演算時と前回演算時の時間間隔
τw:電線の放熱時定数
Rthw:電線の熱抵抗
Rw:電線の抵抗
I(n):n回目の演算時点での、電線に流れる電流の値
である。
更に、式(1)は次の式(2)のように整理できる。
ΔTw(n)=(A×{I(n−1)}2−ΔTw(n−1))×B+ΔTw(n−1) … (2)
ここで、
A:Rw×Rthw
B:1−exp(−Δt/τw)
である。A及びBの値を予め演算プログラムの一部として記憶部64に記憶しておくような構成としてもよい。斯かる場合、CPU63が行う演算処理量を減らすことができる。本発明に係る電線保護装置1では、後述するようにΔtが複数の値を取り得るので、夫々に対応したBの値を予め計算して記憶部64に記憶しておく構成とする。
本発明の実施の形態1に係る電線保護装置1では、CPU63がTwを演算する時間間隔Δtを、演算されたTwに基づいて変更するため、一定時間毎にTwを演算する構成と比較してCPU63の演算処理量が低減される。具体的には、CPU63が演算したTwが低い場合、Δtを大きくしてCPU63がTwを演算する頻度を低下させる。CPU63が演算したTwが高い場合、Δtを小さくしてCPU63がTwを演算する頻度を上昇させ、確実に電線4を焼損から保護する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電線保護装置1のCPU63が行う処理の手順を示すフローチャートである。CPU63は、車輌の図示しないイグニッションスイッチがオンになった後、最初に、例えば運転者の操作に応じて、外部装置から入力部61に負荷3を作動させる作動指示信号が入力された場合、電線4の通電をオンにし、処理を開始する。また、CPU63は、外部装置から入力部61に負荷3を停止させる停止指示信号が入力された場合、フローのいずれのステップであっても、電線4の通電をオフにする。更に、CPU63は、電線4の通電をオフにした後、再度、作動指示信号が入力された場合、電線4の通電をオンにする。CPU63は、車輌のイグニッションスイッチがオフになった場合、処理を停止する。
最初に、CPU63は、タイマ66が計測する時間間隔(例えば5ms)と計時開始を指示する信号をタイマ66に出力し、タイマ66は計時を開始する(ステップS1)。タイマ66は、計時開始後、予め定められた時間間隔が経過する都度、CPU63に時間経過を通知する信号を出力する。続いて、CPU63は、ループカウンタ変数CNTをインクリメントする(値を1増加させる)(ステップS2)。次に、CPU63は、CNTが変数CNT_NEXT以上であるか否かを判定する(ステップS3)。ここで、CNT_NEXTは、次にCPU63が電線4の温度の演算を行う迄の時間に達したか否かを判定するために、CNTとの比較に用いる変数である。電線保護装置1では、CPU63が、CNT_NEXTの値を変更することにより、電線温度を演算する時間間隔を変更する。尚、処理開始時においては、CNT_NEXTには、初期値(例えば1)が設定されている。
CPU63が、CNTがCNT_NEXT以上であると判定した場合(S3:YES)、CPU63はCNTを0にリセットする(ステップS4)。その後、CPU63は、温度検出部7から入力されるTaを示す信号を取り込むことにより、Taを取得し(ステップS5)、電流検出部53が出力するIを示す信号を取り込むことにより、Iを取得する(ステップS6)。CPU63は、取得したI及びTaに基づいて、式(1)及び式(2)を用いてTwを演算する(ステップS7)。
次に、CPU63は、演算したTwがTthより大きいか否かを判定する(ステップS8)。
CPU63が、TwがTthより大きいと判定した場合(S8:YES)、CPU63は制御回路52に、電線4の通電をオフにするスイッチング制御信号を出力し、制御回路52は、入力されたスイッチング制御信号に基づいて、FET51のゲート電極に印加する電圧を低下させることにより、電線4の通電をオフにする(ステップS9)。したがって、CPU63は特許請求の範囲に記載のスイッチ制御部として機能する。
CPU63は、電線4の通電をオフにした後、フロー処理を終了する。
一方、CPU63が、TwがTth以下であると判定した場合(S8:NO)、CPU63は、Twに対応するCNT_NEXTの値を、記憶部64に記憶されている表64aから読み出し、CNT_NEXTに代入して、CNT_NEXTを更新する(ステップS10)。
図3は、推定電線温度と、推定電線温度を演算する時間間隔との対応を示す図表である。図3の表64aには、Twの範囲、後述の方法によりTwに基づいて演算されたΔtの範囲、及び演算されたΔtに対応するCNT_NEXTの値が示されている。後述する理由により、ステップS10においてCNT_NEXTに値を代入することは、CPU63がTwを演算する時間間隔を設定することと同等である。尚、図3の表64a中のΔtの値の範囲は説明の都合のためのものであり、必ずしも記憶部64に記憶させておく必要はない。
ステップS10でCPU63が、CNT_NEXTの値を表64aから読み込み設定した後、又はステップS3でCPU63が、CNTがCNT_NEXT未満であると判定した場合(S3:NO)、CPU63は、タイマ66から、予め決められた時間が経過した場合に出力される時間経過を通知する信号を受信したか否かを判定する(ステップS11)。CPU63が、タイマ66から時間経過を通知する信号を受信していないと判定した場合(S11:NO)、CPU63は、時間経過を通知する信号を受信するまでステップS11を繰り返し、待機する。CPU63が、タイマ66からの時間経過を通知する信号を受信したと判定した場合(S11:YES)、CPU63は、処理をステップS2に戻し、ループ処理を繰り返す。
以上の動作手順により、CPU63は、CNTの値に基づいてループ処理を行う。ループ処理中において、CNTがCNT_NEXT未満である場合、Twの演算、及び演算されたTwに基づいたFET51のオン/オフ制御をスキップする。CNTがCNT_NEXT以上である場合、CPU63は、Twを演算し、更に演算されたTwに基づき、電線4の通電をオフにするか、又はCNT_NEXTを更新して、Twの演算をスキップする回数を決定する。
図3に示す表64a中の、Twに対応するCNT_NEXTの値は、下式(3)を用いて予め演算されたΔtに基づいて決定されている。式(3)は、式(1)において、ΔTw(n−1)=Tw−Ta、ΔTw(n)=Tth−Taとして式変形を行うことにより得られる。
Δt=−τw×ln{1−(Tth − Tw)/(Ith2×Rthw×Rw)} … (3)
式(3)により演算される時間間隔Δtは、電線4にIthの電流が流れ続けたと仮定した場合、電線4の温度がTwからTthまで上昇する迄の到達時間を意味する。Δtは、Twが低いほど長くなる。
更に、CNT_NEXTは、演算されたΔtに基づいて予め決定されている。より詳しくは、ループ処理の実行間隔(5ms)に2のN乗(Nは0以上の整数)を乗じることによって得られる一連の値のうち、Δtを超えないもの中から最大値を選び、該最大値に対応する2のN乗の値を、演算されたΔtに対応するCNT_NEXTとする。例として、式(3)を用いて演算されたΔtが43msであった場合、ループ処理の実行間隔(5ms)に2のN乗(Nは0以上の整数)を乗じることによって得られる一連の値(5ms,10ms,20ms,40ms,…)のうち、43msを超えないものは40msである(40=5×2^3=5×8)。斯かる場合、対応するCNT_NEXTの値は8である。また、演算されたΔtが31msであった場合、CNT_NEXTの値は4である。ただし、CNT_NEXTには最大値が設けられており、図3に示された表64aの一例では8である。
式(3)によるΔtの演算においては、処理量の大きい自然対数の演算処理が含まれるため、ループ処理中にTwを演算する都度、Δtの演算を行うようにした場合、CPU63の処理量が大きくなる。したがって、さまざまなTwの値に対応して予め演算されているΔtの値に基づいて、CNT_NEXTの値を予め決定して記憶しておくことにより、CPU63の処理量を低減することができる。
図3に示された表64aの一例にしたがえば、例えば、演算されたTwが80℃未満であった場合、例えば演算されたΔtの値の範囲は40ms以上となり、CPU63は、CNT_NEXTに8を代入する。斯かる場合、CNT_NEXTを更新した後、ループ処理が8回繰り返されたとき、Twが演算される。8回目までは、Twの演算はスキップされる。ここではループ処理が5ms毎に実行されると仮定してあるので、Twが演算される間隔は40msとなる。同様に、演算されたTwが80℃以上120℃未満であった場合、Twが演算される間隔は20msとなる。以下、その他の場合についても同様である。
以上の構成及び処理手順により、CPU63が推定した電線4の温度Twに応じて、CPU63がTwを推定する時間間隔を変更することにより、Twが低い場合、CPU63がTwを演算する時間間隔を長く設定し、CPU63の演算処理量を低減することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2においては、CPU63がTwを演算した後、演算したTwに基づいてΔtを更に演算する点が、実施の形態1と異なる。以下、本実施の形態2における、実施の形態1と異なる特徴について具体的に説明する。実施の形態1と共通の点については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施の形態2に係る電線保護装置1の構成は、実施の形態1に係る電線保護装置1の構成と共通である。ただし、実施の形態1の表64aにおいては、TwとCNT_NEXTの値とが対応付けられて記憶部64に記憶されているのに対し、本実施の形態2の表64aにおいては、演算されたΔtとCNT_NEXTの値とが対応付けられて記憶されている。
図4は、本発明の実施の形態2に係る電線保護装置1のCPU63が行う処理の手順を示すフローチャートである。CPU63の処理の開始及び停止、並びに作動指示信号及び停止指示信号に対する応答については、実施の形態1と同様である。
ステップS20からS28までは、実施の形態1のステップS1からS9までと共通であるため、説明を省略する。ステップS27において、CPU63が、TwがTth以下であると判定した場合(S27:NO)、CPU63は、Twに基づいて、式(3)を用いてΔtを演算する(ステップS29)。続いて、CPU63は、演算されたΔtに対応するCNT_NEXTの値を記憶部64に記憶されている表64aから読み出し、CNT_NEXTに代入することにより、CNT_NEXTを更新する(ステップS30)。
ステップS31は実施の形態1のステップS11と共通であるため、説明を省略する。
図5は、電線の温度が閾値まで上昇する迄の到達時間と推定電線温度を演算する時間間隔との対応を示す図表である。図5の表64aには、Δtの範囲と、対応するCNT_NEXTの値が示されている。ΔtとCNT_NEXTの値とを対応付ける方法は、実施の形態1と同様である。
例えば、演算されたΔtが40ms以上であった場合、CPU63は、表64aにしたがいCNT_NEXTに8を代入する。斯かる場合、CNT_NEXTを更新した後、ループ処理が8回繰り返されたとき、Twが演算される。例えば、ループ処理が5ms毎に実行される場合、Twが演算される時間間隔は40msとなる。同様に、演算されたTwが20ms以上40ms未満であった場合、CNT_NEXTには4が代入され、Twが演算される時間間隔は20msとなる。以下、他の場合についても同様である。
以上の構成及び処理手順により、CPU63が演算したTwに応じてΔtを演算し、演算したΔtに基づいて、CPU63がTwを演算する時間間隔を変更するため、Twが低い場合、CPU63がTwを演算する時間間隔を長く設定することにより、CPU63の演算処理量が低減される。
本実施の形態2においては、CPU63は、Twを推定する都度、Δtを演算し、演算したΔtに基づいて、Twを演算する時間間隔を設定する。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3においては、CPU63がTwを演算する時間間隔を、表及びループカウンタ変数を用いずに設定する点が、実施の形態1及び2と異なる。以下、本実施の形態3における、実施の形態1及び2と異なる特徴について具体的に説明する。実施の形態1及び2と共通の点については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施の形態3に係る電線保護装置1の構成は、実施の形態1及び2に係る電線保護装置1の構成と、記憶部64に表が記憶されていない点を除いて、共通である。したがって、構成を示すブロック図は省略する。
図6は、本発明の実施の形態3に係る電線保護装置1のCPU63が行う処理の手順を示すフローチャートである。CPU63の処理の開始及び停止、並びに作動指示信号及び停止指示信号に対する応答については、実施の形態1及び2と同様である。
最初に、CPU63は、タイマ66に、計測する時間間隔の初期値(例えば5ms)及び計時開始を指示する信号を入力し、タイマ66は計時を開始する(ステップS40)。次に、CPU63は、温度検出部7が出力するTaを示す信号を取り込むことにより、Taを取得し(ステップS41)、電流検出部53が出力するIを示す信号を取り込むことにより、Iを取得する(ステップS42)。続いて、CPU63は、取得したI及びTaに基づいて、式(1)及び式(2)を用いてTwを演算する(ステップS43)。
ステップS44及びS45は、実施の形態1のステップS8及びS9と共通のため、説明を省略する。ステップS44において、CPU63が、TwがTth以下であると判定した場合(S44:NO)、CPU63は、Twに基づいて、式(3)を用いてΔtを演算する(ステップS46)。
ステップS46において、Δtを演算した後、CPU63は、タイマ66から、予め設定された時間が経過した場合に出力される時間経過を通知する信号を受信したか否かを判定する(ステップS47)。CPU63が、タイマ66から時間経過を通知する信号を受信していないと判定した場合(S47:NO)、CPU63は、時間経過を通知する信号を受信するまでステップS47を繰り返し、待機する。CPU63が、タイマ66からの時間経過を通知する信号を受信したと判定した場合(S47:YES)、CPU63は、タイマ66にΔtを計測する時間間隔として設定して計時開始を指示する信号を出力する(ステップS48)。ステップS48の後、CPU63は処理をステップS41に戻してループ処理を繰り返す。
本実施の形態3においては、記憶部64に表を記憶せず、CPU63が演算したΔtを、Twを演算する時間間隔に設定する。
以上の構成及び処理手順により、CPU63がTwを演算する時間間隔が細かく設定され、CPU63の演算処理量が低減される。
尚、各実施の形態において、スイッチとしてNチャネル型のFETを用いる構成としているが、これに限らない。代わりに、Pチャネル型のFETを用いる構成としてもよい。FETは接合型FET、MOSFET、MESFET等のいずれでもよい。
また、実施の形態1及び2において、表64aに記憶されているCNT_NEXTの値は、2のN乗(Nは0以上の整数)としてあるが、この例に限らない。例えば、自然数を順に記憶しておく構成であってもよい。
更に、タイマ66は、一つの信号で計測する時間間隔の設定と、経時開始とが指示される構成としているがこれに限らない。夫々別の信号により指示される構成であってもよい。
尚、各実施の形態において、CPU63は、電線4の通電をオフにしてフロー処理を終了する場合、その時点でのTwをRAM65に記憶するように構成されていてもよい。これにより、CPU63が再び電線4の通電をオンにした場合、オンにした時点でのTwを式(1)により演算することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電線保護装置
2 電源
3 負荷
4 電線
5 IPD
6 マイコン
7 温度検出部
51 FET
52 制御回路
53 電流検出部
61 入力部
62 出力部
63 CPU
64 記憶部
65 RAM
66 タイマ
67 内部バス

Claims (6)

  1. 電線の中途に接続されたスイッチと、該スイッチをオン又はオフに制御するスイッチ制御部と、前記電線に流れる電流値を検出する電流検出部と、設定された時間間隔をおいて逐次的に該電流検出部から電流値を取得し、取得した電流値に基づいて前記電線の温度を推定する電線温度推定部と、該電線温度推定部が推定した前記電線の温度が温度閾値を超えたか否かを判定する判定部とを備え、該判定部が超えたと判定した場合、前記スイッチ制御部が前記スイッチをオフにするようにしてある電線保護装置において、
    前記電線温度推定部が推定した前記電線の温度に基づいて、前記時間間隔を設定する推定間隔設定部
    を備えることを特徴とする電線保護装置。
  2. 前記電線の温度に対応付けて、時間間隔値を記憶している記憶部を備え、
    前記推定間隔設定部は、前記電線温度推定部が前記電線の温度を推定した場合、推定された温度に対応する前記時間間隔値を前記記憶部から読み出し、読み出した前記時間間隔値を前記時間間隔に設定するようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の電線保護装置。
  3. 前記推定間隔設定部は、前記電線に所定の電流値Ithの電流が通電し続けると仮定した場合、前記電線の温度が、前記電線温度推定部が推定した温度Twから前記温度閾値Tthに達する迄の到達時間Δtを演算し、演算した前記到達時間Δtに基づいて、前記時間間隔を設定するようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の電線保護装置。
  4. 前記推定間隔設定部は、前記到達時間Δtを、下式を用いて演算すること
    を特徴とする請求項3に記載の電線保護装置。
    Δt=−τw×ln{1−(Tth−Tw)/(Ith2×Rthw×Rw)}
    ここで、τw:電線の放熱時定数
    Rthw:電線の熱抵抗
    Rw:電線の抵抗
  5. 前記到達時間Δtに対応付けて時間間隔値を記憶している記憶部を備え、
    前記推定間隔設定部は、前記到達時間Δtを演算し、演算した前記到達時間Δtに対応する前記時間間隔値を前記記憶部から読み出し、読み出した前記時間間隔値を前記時間間隔に設定するようにしてあること
    を特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の電線保護装置。
  6. 前記スイッチは、前記電線に前記電流値Ithを超える値の電流が通電した場合、オフにされるようにしてあること
    を特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載の電線保護装置。
JP2014019997A 2014-02-05 2014-02-05 電線保護装置 Expired - Fee Related JP6107688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014019997A JP6107688B2 (ja) 2014-02-05 2014-02-05 電線保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014019997A JP6107688B2 (ja) 2014-02-05 2014-02-05 電線保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015149797A JP2015149797A (ja) 2015-08-20
JP6107688B2 true JP6107688B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=53892766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014019997A Expired - Fee Related JP6107688B2 (ja) 2014-02-05 2014-02-05 電線保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6107688B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111749903A (zh) * 2019-03-28 2020-10-09 杭州三花研究院有限公司 控制方法、控制系统以及电动泵

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021197767A (ja) * 2020-06-10 2021-12-27 株式会社オートネットワーク技術研究所 電線保護装置、電線保護方法及びコンピュータプログラム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3128973B2 (ja) * 1992-08-19 2001-01-29 株式会社明電舎 温度計測装置
JPH09219926A (ja) * 1996-02-15 1997-08-19 Fuji Electric Co Ltd 主機の温度演算方法および過負荷保護リレー
JP5482055B2 (ja) * 2009-09-25 2014-04-23 株式会社オートネットワーク技術研究所 電力供給制御装置
US8665574B2 (en) * 2010-11-12 2014-03-04 Schneider Electric USA, Inc. Thermal memory in a fault powered system
JP5639868B2 (ja) * 2010-12-06 2014-12-10 矢崎総業株式会社 負荷回路の保護装置
JP2013204979A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Fujitsu General Ltd 空気調和機
JP2015077029A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 株式会社オートネットワーク技術研究所 電線保護装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111749903A (zh) * 2019-03-28 2020-10-09 杭州三花研究院有限公司 控制方法、控制系统以及电动泵
CN111749903B (zh) * 2019-03-28 2022-06-24 杭州三花研究院有限公司 控制方法、控制系统以及电动泵

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015149797A (ja) 2015-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5482055B2 (ja) 電力供給制御装置
US10971920B2 (en) Overcurrent protection device estimating a wire thermal characteristic
JP4762044B2 (ja) 負荷回路の保護装置
JP5718833B2 (ja) 電線保護装置
JP6790350B2 (ja) 給電制御装置
JP6304072B2 (ja) 遮断装置、遮断方法及びコンピュータプログラム
JP6107688B2 (ja) 電線保護装置
JP6003857B2 (ja) 制御装置
JP2014204575A (ja) 遮断装置
JP5796586B2 (ja) 回路制御装置
JP6245092B2 (ja) 電流制御装置
JP6176003B2 (ja) 制御装置
JP6324696B2 (ja) 負荷駆動装置及びそれを備えた車両用空調装置並びに負荷短絡保護回路
JP2009226984A (ja) 電線保護方法および電線保護装置
JP2014209824A (ja) 遮断装置
JP6451611B2 (ja) 給電制御装置
JP6136900B2 (ja) 温度算出装置及び保護装置
WO2016114196A1 (ja) 給電制御装置
JP5776946B2 (ja) 電力供給制御装置
KR102371590B1 (ko) 센서리스 열선 제어 장치 및 방법
JP2015077029A (ja) 電線保護装置
JP2014027875A (ja) 負荷回路の保護装置
JP2018102065A (ja) 給電制御装置
US10707676B2 (en) Electric wire protection device
WO2016140101A1 (ja) 遮断装置、遮断方法及びコンピュータプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6107688

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees