JP6303476B2 - 医療機器 - Google Patents
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Description
つまり、操作線の操作性が良好で、且つ、操作線の周囲が十分に補強された構造の医療機器を提供することができる。
図1は実施形態に係る医療機器としてのカテーテル10の遠位端部の模式的な縦断面図である。なお、図1は図6のA−A線に沿った断面図である。図2は図1のB−B線に沿ったカテーテル10の模式的な横断面図である。図3は図1のC−C線に沿ったカテーテル10の模式的な横断面図である。図4は図1のD−D線に沿ったカテーテル10の模式的な横断面図である。図5は図1のE−E線に沿ったカテーテル10の模式的な横断面図である。図6は実施形態に係る医療機器としてのカテーテル10の遠位端部及びその近傍の部分を示す模式的な平面図である。図7(a)から図7(c)はカテーテル10の模式的な平面図である。
以下、詳細に説明する。
各サブルーメン30は、メインルーメン20よりも小径である。換言すれば、サブルーメン30よりも大径のメインルーメン20が、シース16内に、シース16の長手方向に沿って形成されている。
サブルーメン30は、シース16の近位端部から、後述する第1マーカー66(図1)の近傍まで延在している。
なお、サブルーメン30の横断面形状は、円形、楕円形、異型形(異形形)(詳細後述)、長円形、卵形などであることが挙げられる。
一本の撚り線を構成する細線の本数は特に限定されないが、3本以上であることが好ましい。細線の本数の好適な例は、7本又は3本である。
操作線40を構成する細線の本数が3本の場合、横断面において3本の細線が点対称に配置される。操作線40を構成する細線の本数が7本の場合、横断面において7本の細線が点対称にハニカム状に配置される。
操作線40の外形寸法(撚り線の外接円の直径)は、例えば、25〜55μmとすることができる。
操作線40の外径寸法(例えば、撚り線に対する外接円の直径)は、例えば、25〜55μmとすることができる。
図6に示すように、シース16の遠位端部15において、牽引操作を行ったときの曲率が最大になる部分(以下、最大屈曲部15aという)は、例えば、後述する第1マーカー66と第2マーカー67との間、且つ、第1マーカー66よりも第2マーカー67の近くに位置している。ここでいう曲率は、シース16の軸心方向に対する交差方向への屈曲の曲率である。ただし、最大屈曲部15aは、第2マーカー67よりも第1マーカー66の近くに位置していても良い。
中空管32は、例えば、熱可塑性樹脂により構成することができる。その熱可塑性樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの低摩擦樹脂が挙げられる。
内層21をこのようなフッ素系樹脂により構成することによって、メインルーメン20を通じて造影剤、薬液、デバイス(後述)などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
コート層64は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)などの無水マレイン酸系ポリマーやその共重合体、ポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料で成形することによって、親水性となっている。なお、コート層64は、外層60の外表面に潤滑処理を施して少なくとも外層60の外表面を親水性とすることによって形成されるものであっても良い。
本実施形態の場合、第1補強層50及び第2補強層51の各々は、カテーテル10における第2マーカー67の配置領域よりも近位端側の領域から、当該カテーテル10における第2マーカー67の配置領域よりも遠位端側の領域に亘って配置されている。
遠位端側部51bは、例えば、カテーテル10における第2マーカー67よりも遠位端側の部分に配置されている。
近位端側部51aは、例えば、第2マーカー67の配置領域、及び、第2マーカー67よりも近位端側の部分に配置されている。
また、内層21の遠位端は、例えば、第1マーカー66と第2マーカー67との間、且つ、第2マーカー67よりも第1マーカー66の近くに位置していても良い。
或いは、内層21の遠位端は、第1マーカー66と第2マーカー67との間、且つ、第1マーカー66よりも第2マーカー67の近くに位置していても良い。
本実施形態において第1補強層50及び第2補強層51は、周方向に離間して配置された線材をシース16と同軸の配置で螺旋状に巻回することにより構成されている。図2〜図5に示す第1補強層50及び第2補強層51はそれぞれ、周方向に離間した8本ずつ2組の合計16本の線材がシース16と同軸の配置で螺旋状に巻回されたものである。なお、第1補強層50および第2補強層51を構成する線材の本数はこれに限定されるものではない。
好ましい一例としては、周方向に離間して配置された複数本の線材を複数組用意し、組ごとに互いに異なる方向に螺旋状に巻回することにより、第1補強層50又は第2補強層51をメッシュ状のブレード層とすることができる。また、周方向に離間して配置された複数本の線材を、同一方向に螺旋状に巻回することにより、第1補強層50又は第2補強層51を多条のコイルとすることができる。
更に、第1補強層50を管とみなすと、第1補強層50の内周面は、内層21の外周面に接している。
同様に、第2補強層51を構成する線材のピッチ角も、その近位端側から遠位端側に向けて、徐々に小さくすることができる。
このようにすることによって、カテーテル10の遠位端部15の曲げ剛性を、遠位端DE側に向けて徐々に小さくすることができる。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは5〜30μm程度、外層60の厚さは10〜200μm程度、第1補強層50の内径は410〜660μm程度、第1補強層50の外径は450〜740μm程度、第2補強層51の内径は560〜920μm程度、第2補強層51の外径は600〜940μm程度とすることができる。
第1マーカー66の内径は450〜740μm程度、第1マーカー66の外径は490〜820μm程度、第2マーカー67の内径は600〜940μm程度、第2マーカー67の外径は640〜980μm程度、シース16の長手方向における第1マーカー66の長さは0.3〜2.0mm程度、シース16の長手方向における第2マーカー67の長さは0.3〜2.0mm程度とすることができる。
カテーテル10の軸心からサブルーメン30の中心までの半径(距離)は300〜450μm程度、サブルーメン30の内径(直径)は40〜100μmとする。そして、操作線40の太さは30〜60μm程度とする。
カテーテル10の最外径(半径)は350〜490μm程度、すなわち外径が直径1mm未満である。これにより、本実施形態のカテーテル10は腹腔動脈などの血管に挿通可能である。
更に、操作線40の牽引量を調節することにより、カテーテル10の遠位端部15の屈曲量を調節することができる。
このため、本実施形態のカテーテル10は、たとえば分岐する血管等の体腔に対して、所望の方向に進入させることが可能である。
すなわち、遠位端部15を屈曲させる操作を行うことにより、体腔への進入方向を変更可能である。
このように、操作線40の操作性が良好で、且つ、操作線40の周囲が十分に補強された構造のカテーテル10を提供することができる。
或いは、サブルーメン30の横断面形状を、操作線に対して線接触又は線接触するような異型形状とすることによっても、サブルーメン30内における操作線40の摺動性を極めて良好にすることができる。このような異型形状の例としては、例えば、サブルーメン30の周壁からサブルーメン30の横断面中心側に突出し、且つ、サブルーメン30の長手方向に延在する1つ又は複数の筋(リブ)を有する形状や、星形などが挙げられる。
例えば、第1マーカー66と分岐箇所81との距離、第2マーカー67と分岐箇所81との距離、第1マーカー66と第2マーカー67との距離や、それら距離と血管80の太さとの関係など瞬時に認識できるため、マーカーが1つだけの場合と比べて、シース16の屈曲操作を行うべきタイミングを容易に判断できる。また、屈曲操作により必要な屈曲量についても、同様に、容易に判断することができる。
あるいは、第1補強層50が第2マーカー67よりも遠位端側には存在していないことにより、カテーテル10の遠位端側の部分の十分な屈曲性を確保しても良い。
上記においては、第1補強層50及び第2補強層51の各々が、第2マーカー67の配置領域よりも近位端側の領域から、第2マーカー67の配置領域よりも遠位端側の領域に亘って位置している例を説明したが、第1補強層50または第2補強層51の一方または両方が、第2マーカー67の配置領域で終端していてもよい。すなわち、第1補強層50または第2補強層51の遠位端、特に第2補強層51の遠位端が、第2マーカー67の遠位端よりも近位端側、且つ第2マーカー67の近位端よりも遠位端側に位置していてもよい。その場合、上記においては第2マーカー67の内周面の長手方向の全体が第2補強層51に接している例を説明したが、第2マーカー67の内周面の長手方向の一部が第2補強層51に接していてもよい。
(1)長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される樹脂製の医療機器本体と、前記医療機器本体の長手方向に沿って延在するように前記医療機器本体の内部に配置されたルーメンと、前記ルーメン内に挿通されて前記医療機器本体の長手方向に沿って延在する操作線であって、当該操作線に対する牽引操作により前記医療機器本体を屈曲させる操作線と、それぞれ軸心方向が前記医療機器本体の軸心方向に沿って延在するように前記医療機器本体に埋設されて前記医療機器本体を補強する管状の第1補強層及び第2補強層と、を有し、前記第2補強層は、前記第1補強層の周囲を囲むように、前記第1補強層から離間して配置され、前記医療機器本体を構成する樹脂の一部分は、前記第1補強層と前記第2補強層との間に充填され、前記ルーメンは、前記樹脂の前記一部分の内部に配置されている医療機器。
(2)前記医療機器本体を構成する前記樹脂の他の一部分は、前記第1補強層及び前記第2補強層に含浸している上記(1)に記載の医療機器。
(3)前記医療機器本体の遠位端部に設けられた、放射線不透過材料からなる第1マーカーと、前記医療機器本体の前記遠位端部において前記第1マーカーよりも近位端側の部分に設けられた、放射線不透過材料からなる第2マーカーと、を有し、前記操作線の先端部は、当該医療機器における前記第2マーカーよりも遠位端側の部分に固定され、前記第1補強層と前記第2補強層とのうちの少なくとも一方は、当該医療機器における前記第2マーカーの配置領域よりも近位端側の領域から、前記第1マーカーの配置領域に亘って配置されている上記(1)又は(2)に記載の医療機器。
(4)前記第1補強層及び前記第2補強層の各々は、当該医療機器における前記第2マーカーの配置領域よりも近位端側の領域から、当該医療機器における前記第2マーカーの配置領域よりも遠位端側の領域に亘って配置されている上記(3)に記載の医療機器。
(5)前記第2補強層において前記第2マーカーよりも遠位端側の部分は、前記第2補強層において前記第2マーカーよりも近位端側の部分と比べて、前記医療機器本体の軸心方向に対して交差する方向への曲げ剛性が小さい上記(3)又は(4)に記載の医療機器。
(6)前記第2補強層の遠位端は、前記第1マーカーの配置領域よりも、前記医療機器本体の近位端側に位置している上記(3)乃至(5)の何れか一項に記載の医療機器。
(7)前記第1補強層の遠位端は、前記第1マーカーの配置領域の近位端よりも、前記医療機器本体の遠位端側に位置している上記(3)乃至(6)の何れか一項に記載の医療機器。
(8)前記第2マーカーは、環状の形状に形成され、且つ、前記第2補強層の周囲に配置され、前記第2マーカーの内周面が、前記第2補強層に接している上記(3)乃至(7)の何れか一項に記載の医療機器。
(9)前記操作線の先端部は、前記第1マーカーに固定されているか、又は、前記医療機器本体の前記遠位端部において前記第2マーカーよりも前記第1マーカーに近い部分に固定されている上記(3)乃至(8)の何れか一項に記載の医療機器。
(10)前記第1補強層及び前記第2補強層の各々は、線材をメッシュ状に編組することにより構成されたブレード層であるか、又は、線材を螺旋状に巻回することにより構成されたコイルである上記(1)乃至(9)の何れか一項に記載の医療機器。
(11)前記ルーメンは、前記医療機器本体内に埋設された樹脂製の中空管の内腔により構成されている上記(1)乃至(10)の何れか一項に記載の医療機器。
(12)前記第1補強層の外周面と前記第2補強層の内周面とが前記中空管に接している上記(11)に記載の医療機器。
(13)前記医療機器本体における前記第1補強層の配置領域よりも前記医療機器本体の径方向内側の領域には、前記医療機器本体部の長手方向に沿って、前記ルーメンの内径よりも大径のメインルーメンが形成されている上記(1)乃至(12)の何れか一項に記載の医療機器。
(14)前記メインルーメンは、前記医療機器本体の遠位端において開口しており、前記メインルーメンを介して前記医療機器本体の近位端から遠位端へ供給物を供給可能であることを特徴とする上記(13)に記載の医療機器。
(15)前記ルーメンの横断面形状は円形、楕円形、異型形、長円形又は卵形である上記(1)乃至(14)の何れか一項に記載の医療機器。
(16)当該医療機器はカテーテルである上記(1)乃至(15)の何れか一項に記載の医療機器。
15 遠位端部
15a 最大屈曲部
16 シース
17 近位端部
18 第1隣接領域
19 第2隣接領域
20 メインルーメン
21 内層
30 サブルーメン
32 中空管
40 操作線
41 先端部
50 第1補強層
51 第2補強層
51a 近位端側部
51b 遠位端側部
60 外層
64 コート層
66 第1マーカー
67 第2マーカー
70 操作部
80 血管(体腔)
81 分岐箇所
82 分岐
700 本体ケース
760 ホイール操作部
790 ハブ
DE 遠位端
Claims (8)
- 長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される樹脂製の医療機器本体と、
前記医療機器本体の長手方向に沿って延在するように前記医療機器本体の内部に配置されたサブルーメンと、
前記サブルーメン内に挿通されて前記医療機器本体の長手方向に沿って延在する操作線であって、当該操作線に対する牽引操作により前記医療機器本体を屈曲させる操作線と、
それぞれ軸心方向が前記医療機器本体の軸心方向に沿って延在するように前記医療機器本体に埋設されて前記医療機器本体を補強する管状の第1補強層及び第2補強層と、
前記医療機器本体の遠位端部に設けられた、放射線不透過材料からなる第1マーカーと、
前記医療機器本体の前記遠位端部において前記第1マーカーよりも近位端側の部分に設けられた、放射線不透過材料からなる第2マーカーと、
を有し、
前記第2補強層は、前記第1補強層の周囲を囲むように、前記第1補強層から離間して配置され、
前記医療機器本体を構成する樹脂の一部分は、前記第1補強層と前記第2補強層との間に充填され、
前記サブルーメンは、前記樹脂の前記一部分の内部に配置されており、
前記操作線の先端部は、当該医療機器における前記第2マーカーよりも遠位端側の部分に固定され、
前記第1補強層は、当該医療機器における前記第2マーカーの配置領域よりも近位端側の領域から前記第1マーカーの配置領域に亘って配置され、
前記第2補強層は、当該医療機器における前記第2マーカーの配置領域よりも近位端側の領域から前記第2マーカーの配置領域に亘って配置され、
前記第2補強層の遠位端は、前記第2マーカーの遠位端よりも近位端側、且つ前記第2マーカーの近位端よりも遠位端側に位置しており、
前記第2マーカーは、環状の形状に形成され、且つ、前記第2補強層の周囲に配置され、
前記第2マーカーの内周面が、前記第2補強層に接している医療機器。 - 長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される樹脂製の医療機器本体と、
前記医療機器本体の長手方向に沿って延在するように前記医療機器本体の内部に配置されたサブルーメンと、
前記サブルーメン内に挿通されて前記医療機器本体の長手方向に沿って延在する操作線であって、当該操作線に対する牽引操作により前記医療機器本体を屈曲させる操作線と、
それぞれ軸心方向が前記医療機器本体の軸心方向に沿って延在するように前記医療機器本体に埋設されて前記医療機器本体を補強する管状の第1補強層及び第2補強層と、
前記医療機器本体の遠位端部に設けられた、放射線不透過材料からなる第1マーカーと、
前記医療機器本体の前記遠位端部において前記第1マーカーよりも近位端側の部分に設けられた、放射線不透過材料からなる第2マーカーと、
を有し、
前記第2補強層は、前記第1補強層の周囲を囲むように、前記第1補強層から離間して配置され、
前記医療機器本体を構成する樹脂の一部分は、前記第1補強層と前記第2補強層との間に充填され、
前記サブルーメンは、前記樹脂の前記一部分の内部に配置されており、
前記操作線の先端部は、当該医療機器における前記第2マーカーよりも遠位端側の部分に固定され、
前記第1補強層は、当該医療機器における前記第2マーカーの配置領域よりも近位端側の領域から前記第1マーカーの配置領域に亘って配置され、
前記第2補強層は、前記第2マーカーよりも近位端側の部分に配置された近位端側部と、前記第2マーカーよりも遠位端側の部分に配置された遠位端側部と、を有し、
前記医療機器本体の軸心方向に対して交差する方向への前記遠位端側部の曲げ剛性は、前記方向への前記近位端側部の曲げ剛性よりも小さく、
前記第2マーカーは、環状の形状に形成され、且つ、前記第2補強層の周囲に配置され、
前記第2マーカーの内周面が、前記第2補強層に接している医療機器。 - 前記医療機器本体を構成する前記樹脂の他の一部分は、前記第1補強層及び前記第2補強層に含浸している請求項1または2に記載の医療機器。
- 前記操作線の先端部は、前記第1マーカーに固定されているか、又は、前記医療機器本体の前記遠位端部において前記第2マーカーよりも前記第1マーカーに近い部分に固定されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記第1補強層及び前記第2補強層の各々は、線材をメッシュ状に編組することにより構成されたブレード層であるか、又は、線材を螺旋状に巻回することにより構成されたコイルである請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記サブルーメンは、前記医療機器本体内に埋設された樹脂製の中空管の内腔により構成されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の医療機器。
- 前記第1補強層の外周面と前記第2補強層の内周面とが前記中空管に接している請求項6に記載の医療機器。
- 前記第2補強層は、当該第2補強層の周方向及び長手方向の全体に亘って、第1補強層から離間して配置されている請求項1乃至7の何れか一項に記載の医療機器。
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