JP2013192717A - 医療機器 - Google Patents

医療機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2013192717A
JP2013192717A JP2012062567A JP2012062567A JP2013192717A JP 2013192717 A JP2013192717 A JP 2013192717A JP 2012062567 A JP2012062567 A JP 2012062567A JP 2012062567 A JP2012062567 A JP 2012062567A JP 2013192717 A JP2013192717 A JP 2013192717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tubular body
distal end
region
medical device
rigidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012062567A
Other languages
English (en)
Inventor
Hayao Tanaka
速雄 田中
Kenichi Kanemasa
賢一 兼政
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2012062567A priority Critical patent/JP2013192717A/ja
Publication of JP2013192717A publication Critical patent/JP2013192717A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】管状体の先端部を小さな曲率半径で屈曲させることができ、且つ、キンクの発生を抑制できる医療機器を提供する。
【解決手段】医療機器(例えばカテーテル10)は、体腔内に挿入される管状体300を有する。管状体300は、管状本体(シース16)と、内部に操作線40が挿通されている中空管32を有する。中空管32は、第1部分32aと、第1部分32aよりも曲げ剛性が大きく第1部分32aの基端側に隣接する第2部分32bと、を有する。管状体300は、第2部分32bの配設領域R2よりも曲げ剛性が大きい高剛性領域を、配設領域R2よりも基端側に有する。管状体300における第1部分32aの配設領域は、配設領域R2よりも曲げ剛性が小さい低剛性領域R1である。操作線40の先端は、低剛性領域R1の先端よりも先端側において、管状体300に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療機器に関する。
長尺な管状体を有し、管状体の先端部(以下「遠位端部」という)を屈曲させる操作を行うことにより、体腔への進入方向を変更可能に構成された、各種の医療機器が開発されている。その代表例として、たとえば、カテーテルが知られている。管状体の基端部においてはトルク伝達性や押し込み力の伝達性を確保し、且つ、管状体の先端部における屈曲性を確保するため、管状体の曲げ剛性は、その先端側ほど小さくなっている。
特許文献1に記載されたカテーテルにおいては、管状体の内部に管状部材が設けられている。管状部材は、先端部の方が基端部よりも小さい剛性に設定されている。管状部材の先端部には、一対の板状ロッドが並列の配置で固定されている。管状体の先端部を屈曲させるための操作用ワイヤは、その先端が管状部材の先端に固定されている。特許文献1の技術では、管状部材に板状ロッドが設けられていることにより、管状体の屈曲方向が、一対の板状ロッドを結ぶ線に対して直角方向(2方向)に規定される。
特許文献2には、管状体の長手方向における特定の領域に、互いに長手方向に離間する複数のノッチ(切れ込み)を形成することによって、管状体が特定の領域において屈曲するようにしたカテーテルが記載されている。
特開2003−144554号公報 特表2002−512534号公報
管状体を体腔内に進入させて用いられる医療機器においては、管状体を所望の体腔へ所望の進入方向で進入させることが可能であること、すなわち高い方向選択性が求められている。例えば、血管内に進入させて用いられる血管カテーテルには、所望の分岐血管へ容易に進入させることができること、すなわち高い血管選択性が求められている。
管状体の曲率半径が大きいと、狭い体腔(狭い血管等)の内部では十分な曲げ角度を確保できず、所望の進入方向で所望の体腔へ管状体の先端を入り込ませることができない場合がある。つまり方向選択性が低い。このため、医療機器における方向選択性を向上するためには、管状体の先端部を小さな曲率半径で屈曲できるようにすることが望ましい。
その一方で、一般的には、管状体の屈曲部における曲率半径を小さくするほど、キンク(管状体が折れてその内腔(ルーメン)が閉塞してしまうこと)が発生しやすい。
特許文献1の技術では、管状部材の先端部は、該管状本体の基端部よりも小さい剛性に設定されているものの、当該先端部には板状ロッドが添えられて、該先端部がいわば補強されている。このため、管状部材の先端部の曲率半径を十分に小さくすることが困難である。
また、特許文献2の技術では、管状体の屈曲性を高めるための複数のノッチが管状体の長手方向において互いに離間しているため、管状体が広範囲に亘って屈曲する。それゆえ、管状体の曲率半径を十分に小さくすることが困難である。しかも、ノッチの存在により、管状体が局所的に過度の曲げ角度で屈曲してキンクする可能性があるとともに、管状体の強度不足が生じる懸念がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、管状体の先端部を小さな曲率半径で屈曲させることができ、且つ、管状体におけるキンクの発生を抑制することができる医療機器を提供する。
本発明は、長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される管状体と、
前記管状体の基端側へ牽引する操作がなされた場合に前記管状体を屈曲させる操作線と、
を有し、
前記管状体は、
長尺で可撓性の管状本体と、
前記管状本体の長手方向に沿って前記管状本体の管壁部に埋設され、且つ、内部に前記操作線が挿通されている中空管と、
を有し、
前記中空管は、第1部分と、前記第1部分よりも曲げ剛性が大きく且つ前記第1部分の基端側に隣接する第2部分と、を前記管状体の先端部に有し、
前記管状体は、前記管状体における前記第2部分の配設領域よりも曲げ剛性が大きい高剛性領域を、前記第2部分の配設領域よりも基端側に有し、
前記管状体における前記第1部分の配設領域は、前記第2部分の配設領域よりも曲げ剛性が小さい低剛性領域であり、
前記操作線の先端は、前記低剛性領域の先端よりも先端側において、前記管状体に固定されていることを特徴とする医療機器を提供する。
本発明によれば、医療機器の長尺な管状体の先端部を小さな曲率半径で屈曲させることができ、且つ、管状体におけるキンクの発生を抑制することができる。
第1の実施形態に係る医療機器の先端部の模式図(透視図)である。 第1の実施形態に係る医療機器の先端部の模式的な断面図(横断面図)である。 第1の実施形態に係る医療機器の先端部の模式的な斜視図である。 第1の実施形態に係る医療機器の中空管の第2部分と補強層との位置関係の例を示す模式的な側面図(透視図)である。 第1の実施形態に係る医療機器の中空管の第2部分と補強層との位置関係の例を示す模式的な側面図(透視図)である。 第1の実施形態に係る医療機器の中空管の構造の例を示す模式的な縦断面図である。 第1の実施形態に係る医療機器の先端部の模式的な縦断面図である。 第1の実施形態に係る医療機器の先端部(図7よりも基端側)の模式的な縦断面図である。 図7のA−A断面図(横断面図)である。 第1の実施形態に係る医療機器の模式的な平面図である。 第1の実施形態に係る医療機器の動作のメカニズムを示す模式図である。 第1の実施形態に係る医療機器の動作例を示す模式図である。 第1の実施形態に係る医療機器の横断面内における中空管の配置の変形例を示す模式図である。 第2の実施形態に係る医療機器の先端部の模式的な側面図(透視図)である。 第2の実施形態に係る医療機器の屈曲時の先端部を示す模式図である。 第3の実施形態に係る医療機器の先端部の模式的な側面図(透視図)である。 比較例に係る医療機器の動作を示す模式図である。 比較例に係る医療機器の動作のメカニズムを示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
図1(a)及び図1(b)は第1の実施形態に係る医療機器としてのカテーテル10の先端部の模式図である。このうち図1(a)は平面図、図1(b)は側面図である。図1はカテーテル10の内部構成である固定部材66、中空管32及び操作線40を示す透視図としている。また、中空管32は断面構造を示している。
図2(a)は図1(a)のA−A断面図(横断面図)、図2(b)は図1(a)のB−B断面図(横断面図)である。
図3はカテーテル10の先端部の模式的な斜視図である。
図4(a)、図4(b)及び図5はカテーテル10の中空管32と補強層(例えばコイル50)との位置関係の例を示す模式的な側面図である。図4及び図5はカテーテル10の内部構成である固定部材66、中空管32及びコイル50を示す透視図としている。
図6(a)、図6(b)及び図6(c)はカテーテル10の中空管32の構造の例を示す模式的な縦断面図である。
図7及び図8は第1の実施形態に係るカテーテル10の先端部の模式的な縦断面図である。図8は図7よりも基端側の部分を示している。
図9は図7のA−A断面図(横断面図)である。
図10は第1の実施形態に係るカテーテル10の模式的な平面図である。
本実施形態に係るカテーテル10は、長尺で可撓性を有し体腔内に挿入される管状体300と、操作線40と、を有している。操作線40は、当該操作線40を管状体300の基端側へ牽引する操作がなされた場合に管状体300を屈曲させる。
管状体300は、長尺で可撓性の管状本体(シース16)と、中空管32と、を有している。
中空管32は、管状本体の内径及び管状本体の管壁部の肉厚よりも細い。中空管32は、管状本体の長手方向に沿って管状本体の管壁部に埋設されている。中空管32の内部には、操作線40が挿通されている。
中空管32は、第1部分32aと、第1部分32aの基端側に隣接する第2部分32bと、を管状体300の先端部(遠位端部15)に有している。第2部分32bは第1部分32aよりも曲げ剛性が大きい。
管状体300は、管状体300における第2部分32bの配設領域R2よりも曲げ剛性が大きい高剛性領域R5(図4、図5)を、第2部分32bの配設領域R2よりも基端側に有している。
なお、図4(a)に示すように高剛性領域R5の先端部と配設領域R2の基端部とが互いにオーバーラップしている場合、配設領域R2と高剛性領域R5との曲げ剛性の大小関係は、それらがオーバーラップしていない領域どうしの大小関係を意味する。また、図5に示すように第2部分32bが管状体300の基端側へ向けて長く延在している場合(高剛性領域R5の先端部よりも基端側へ延在している場合)、高剛性領域R5よりも先端側における第2部分32bの配設領域を、配設領域R2とみなす。
管状体300における第1部分32aの配設領域は、管状体300における第2部分32bの配設領域R2よりも曲げ剛性が小さい低剛性領域R1である。
操作線40の先端は、低剛性領域R1の先端よりも先端側において、管状体300に固定されている。
以下、詳細に説明する。
図10に示すように、カテーテル10は、管状体300と、管状体300の先端部の屈曲操作を行うための操作機構と、を有している。
操作機構は、操作線40(図1〜図3、図6〜図9)と、この操作線40を牽引する操作を行うための操作部70と、を有している。
カテーテル10の本体としての管状体300は、長尺で可撓性を有しており、体腔内に挿入して用いられる。
操作線40は、管状体300の長手方向に沿って該管状体300に埋設されている。より具体的には、操作線40は、後述するシース16(管状本体)の管壁部に埋設された中空管32内に挿通されている。操作線40の先端は、管状体300の先端部に固定されている。なお、具体的には、後述するように、操作線40の先端は、例えば、固定部材66に固定されることによって、管状体300に対して間接的に固定されている。
操作部70は、管状体300の基端部に設けられている。操作部70には、操作線40の基端部が連結されている。操作部70に対して操作を行うことによって、操作線40を管状体300の基端側へ牽引し、管状体300の先端部を屈曲させることができるようになっている。
カテーテル10は、血管内に挿通させて用いられる血管内カテーテルであることが好適な一例である。より具体的には、カテーテル10の管状体300は、当該管状体300を肝臓の8つの亜区域の何れにも進入させることが可能な寸法に形成されていることが好適な一例である。
なお、本明細書では、カテーテル10(並びに管状体300)の遠位端(先端)DEを含む所定の長さ領域のことを、カテーテル10(並びに管状体300)の遠位端部15という。同様に、カテーテル10(並びに管状体300)の近位端(基端)(不図示)を含む所定の長さ領域のことを、カテーテル10(並びに管状体300)の近位端部(基端部)17(図10)という。
図7乃至図9に示すように、管状体300の内部には、メインルーメン(管状体300の内腔)20と、サブルーメン30とが形成されている。
サブルーメン30は、中空管32の内腔により構成されている。中空管32は、管状体300の長手方向に沿って外層60(後述)内に埋設されている。
中空管32は、例えば、熱可塑性樹脂により構成することができる。その熱可塑性樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの低摩擦樹脂が挙げられる。
メインルーメン20及びサブルーメン30は、管状体300の(カテーテル10の)長手方向(図7及び図8における左右方向)に沿って延在している。
メインルーメン20(管状体300の内腔)は、管状体300の先端において開口している(図3参照)。メインルーメン20を介して管状体300の基端から先端へ薬液などの液体を供給可能となっている。
メインルーメン20は、例えば、管状体300の横断面(長手方向に直交する断面)における中央に配置され、サブルーメン30は、メインルーメン20の周囲に配置されている。より具体的には、例えば、横断面において、サブルーメン30どうしは、メインルーメン20の中心を基準として、回転対称位置に配置されている。
カテーテル10は、例えば、複数個のサブルーメン30を有している。各サブルーメン30は、メインルーメン20よりも小径である。
サブルーメン30どうし、並びに、メインルーメン20とサブルーメン30とは、互いに離間して個別に配置されている。複数のサブルーメン30は、例えば、メインルーメン20の周囲に分散して配置されている。図7乃至図9の例では、サブルーメン30の数は2つであり、サブルーメン30は、メインルーメン20の周囲に180度間隔で配置されている。
これらサブルーメン30の内部、すなわち中空管32の内腔には、それぞれ操作線40が挿通されている。すなわち、カテーテル10は、例えば、2本の操作線40を有する。
操作線40は、サブルーメン30の周壁に対して摺動することにより、サブルーメン30に対して相対的に、サブルーメン30の長手方向へ移動可能となっている。すなわち、操作線40は、サブルーメン30の長手方向に摺動可能となっている。
操作線40は、単一の線材により構成されていても良いが、複数本の細線を互いに撚りあわせることにより構成された撚り線であっても良い。
一本の撚り線を構成する細線の本数は特に限定されないが、3本以上であることが好ましい。細線の本数の好適な例は、3本又は7本である。
操作線40を構成する細線の本数が3本の場合、横断面において3本の細線が点対称に配置される。操作線40を構成する細線の本数が7本の場合、横断面において7本の細線が点対称にハニカム状に配置される。
操作線40の外形寸法(撚り線の外接円の直径)は、例えば、25〜55μmとすることができる。
操作線40を構成する線材(或いは撚り線を構成する細線)の材料としては、低炭素鋼(ピアノ線)、ステンレス鋼(SUS)、チタンもしくはチタン合金などの可撓性の金属線のほか、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)もしくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ボロン繊維などの高分子ファイバーを用いることができる。
上述のように、管状体300は、長尺で可撓性の管状本体としてのシース16を有している。
シース16は、例えば、内層21と、内層21の周囲に積層して形成された外層60と、外層60の周囲に形成されたコート層64と、を有する。
内層21は樹脂材料を管状に成形することにより構成されている。内層21の中心には、メインルーメン20が形成されている。
外層60は、内層21と同種または異種の樹脂材料からなる。
内層21の材料は、例えば、フッ素系の熱可塑性ポリマー材料であることが挙げられる。このフッ素系の熱可塑性ポリマー材料は、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、或いはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)である。
内層21をこのようなフッ素系樹脂により構成することによって、メインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
外層60の材料は、例えば、熱可塑性ポリマーであることが挙げられる。この熱可塑性ポリマーとしては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ナイロンエラストマー、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリプロピレン(PP)を挙げることができる。
管状体300は、例えば、樹脂材料からなる。すなわち、管状体300は、それぞれ樹脂材料からなる上記の外層60及び内層21を含んで構成されている。
換言すれば、管状体300は、外層60及び内層21を含む中空の樹脂層を有している。外層60及び内層21を含む中空の樹脂層のことを、シース16の管壁部と称する。
管状体300を構成する樹脂材料は、無機フィラーを含有していても良い。例えば、管状体300の肉厚の大部分を占める外層60を構成する樹脂材料として、無機フィラーを含有するものを用いることができる。
この無機フィラーは、例えば、硫酸バリウム、或いは次炭酸ビスマスであることが挙げられる。このような無機フィラーを外層60に混入することにより、X線造影性が向上する。
コート層64は、カテーテル10の最外層を構成するものであり、親水性の材料からなる。なお、コート層64は、管状体300の遠位端部15の一部長さに亘る領域にのみ形成されていても良いし、管状体300の全長に亘って形成されていても良い。
コート層64は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料で成形することによって、親水性となっている。なお、コート層64は、外層60の外表面に潤滑処理を施して少なくとも外層60の外表面を親水性とすることによって形成されていても良い。
管状体300は、更に、シース16を構成する樹脂材料よりも曲げ剛性が大きい管状の補強層を有している。この補強層は、シース16と同軸に配置されて、シース16の管壁部に埋設されている。この補強層の配設領域が、高剛性領域R5を構成する。
本実施形態の場合、この補強層は、例えば、図4、図5及び図8に示すように、コイル50である。コイル50は、内層21の周囲に巻回され、且つ、外層60に内包(埋設)されている。
コイル50は、例えば、弾性体により構成された単数又は複数の線材52を螺旋状に巻回することにより構成されている。コイル50を構成する線材52の材料としては、例えば、金属を用いることが好ましい一例であるが、この例に限らず、内層21及び外層60よりも弾性率が大きく且つ弾性を有する材質であれば、その他の材質(例えば樹脂等)を用いても良い。具体的には、線材52の金属材料として、例えば、ステンレススチール(SUS)、ニッケルチタン系合金、鋼、チタン或いは銅合金を用いることができる。線材52の断面形状は特に限定されないが、例えば、矩形状又は円形であることが好ましい例である。
本実施形態においては、サブルーメン30は、外層60の内部において、コイル50の外側に形成されている。
なお、後述するように、第2部分32bの配設領域R2や低剛性領域R1にも、柔軟なコイルを配置しても良い。すなわち、管状体300は、シース16よりも曲げ剛性が大きく且つシース16と同軸にシース16に埋設された管状の補強層を、少なくとも高剛性領域R5に有している。
なお、カテーテル10は、コイル50に代えて、ブレード層(図示略)を補強層として有していても良い。ブレード層は、ワイヤをメッシュ状に編む(編組する)ことによって構成され、コイル50と同等の位置に配置される。
カテーテル10は、シース16よりも曲げ剛性が大きい固定部材66を有している。固定部材66は、管状体300の遠位端部15に設けられている。操作線40の先端は、固定部材66に固定されている。
固定部材66は、例えば、管状体300と同軸の環状に形成されている。固定部材66は、シース16に埋設されている。固定部材66は、メインルーメン20の周囲、且つ、外層60の内部に設けられている。
固定部材66は、X線等の特定の放射線に対して不透明な材質により構成されている。このため、例えばX線撮影したときに固定部材66の位置すなわち管状体300の先端部の位置を容易に認識できる。すなわち、固定部材66は、マーカーとしての機能を兼ねる。なお、固定部材66の全体が、特定の放射線に対して不透明な材質により構成されていても良いし、固定部材66の一部分のみが、特定の放射線に対して不透明な材質により構成されていても良い。
固定部材66は、例えば、白金などの金属材料により構成されている。
操作線40の先端を固定部材66に固定する態様は特に限定されない。たとえば、操作線40の先端を固定部材66に溶接或いは締結しても良いし、接着剤により固定部材66に接着固定してもよい。
固定部材66は、例えば、内層21の周囲にかしめ固定することにより、管状体300の先端部に設けられている。
ここで、本実施形態のカテーテル10の各構成要素の代表的な寸法について説明する。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは10〜30μm程度、外層60の厚さは50〜150μm程度、コイル50の外径は直径500〜860μm、コイル50の内径は直径420〜660μmとすることができる。
カテーテル10の軸心からサブルーメン30の中心までの半径(距離)は300〜450μm程度、サブルーメン30の内径(直径)は40〜100μmとする。そして、操作線40の太さは30〜60μm程度とする。
管状体300の最外径(半径)は350〜490μm程度、すなわち外径が直径1mm未満である。これにより、本実施形態のカテーテル10は腹腔動脈などの血管に挿通可能である。
サブルーメン30は、少なくともカテーテル10の近位端部17側において開口している。各操作線40の基端部は、サブルーメン30の開口から近位端側に突出している。各操作線40の基端部は、管状体300の近位端部17に設けられた操作部70に連結されている。
図10に示すように、操作部70は、例えば、本体ケース700と、本体ケース700に対して回転可能に設けられたホイール操作部760と、を有している。
管状体300の基端部は、本体ケース700内に導入されている。本体ケース700の後端部には、ハブ790が取り付けられている。管状体300の基端は、ハブ790の前端部に固定されている。
ハブ790は、当該ハブ790を前後に貫通する中空が内部に形成された筒状体である。ハブ790の中空は、管状体300のメインルーメン20と連通している。
ハブ790には、その後方から、図示しない注入器(シリンジ)を挿入できるようになっている。この注入器によって、ハブ790内に薬液等の液体を注入することにより、メインルーメン20を介してその液体を管状体300の先端へ供給し、該液体を管状体300の先端から患者の体腔内へ供給することができる。
例えば、操作線40及び中空管32は、本体ケース700の前端部において管状体300のシース16から分岐している。
中空管32は、その基端部が開口しており、操作線40の基端部は、中空管32の基端部の開口から近位端側に突出している。
各操作線40の基端部は、ホイール操作部760に対して、直接的又は間接的に連結されている。ホイール操作部760を何れかの方向に回転操作することにより、操作線40を個別に基端側に牽引して、カテーテル10の遠位端部15(管状体300の遠位端部15)を屈曲させることができるようになっている。
図10(b)に示すようにホイール操作部760をその回転軸周りにおいて一方向に回転させる操作を行うと、一方の操作線40が基端側に牽引される。すると、カテーテル10の遠位端部15には、当該一方の操作線40を通じて引張力が与えられる。これにより、管状体300の軸心を基準として、当該一方の操作線40が挿通されているサブルーメン30の側に向かって、管状体300の遠位端部15は屈曲する。すなわち、管状体300の遠位端部15が一方向に屈曲する。
また、図10(c)に示すようにホイール操作部760をその回転軸周りにおいて他方向に回転させる操作を行うと、他方の操作線40が基端側に牽引される。すると、カテーテル10の遠位端部15には、当該他方の操作線40を通じて引張力が与えられる。これにより、管状体300の軸心を基準として、当該他方の操作線40が挿通されているサブルーメン30の側に向かって、管状体300の遠位端部15は屈曲する。すなわち、管状体300の遠位端部15が他方向に屈曲する。
ここで、管状体300が屈曲するとは、管状体300が「くの字」状に折れ曲がる態様と、弓なりに湾曲する態様とを含む。
このように、操作部70のホイール操作部760に対する操作によって、2本の操作線40を選択的に牽引することにより、カテーテル10の遠位端部15を第1の方向と、その反対方向である第2の方向と、に屈曲させることができる。第1の方向と、第2の方向は、互いに同一平面に含まれる。
カテーテル10の全体を軸回転させるトルク操作と、牽引操作と、を組み合わせて行うことにより、カテーテル10の遠位端DEの向きを自在に制御することが可能となる。
更に、操作線40の牽引量を調節することにより、カテーテル10の遠位端DEの屈曲量を調節することができる。
このため、本実施形態のカテーテル10は、たとえば分岐する血管等の体腔に対して、所望の方向に進入させることが可能である。
すなわち、遠位端部15を屈曲させる操作を行うことにより、体腔への進入方向を変更可能である。
次に、管状体300の遠位端部15の構造について、より詳細に説明する。
上記のように、中空管32は、シース16の長手方向に沿ってシース16の管壁部に埋設されている。中空管32の先端は、管状体300の遠位端(先端)DE(シース16の遠位端(先端)DE)よりも近位端側(基端側)に位置している。
なお、中空管32の太さ(外径)は、シース16の管壁部の肉厚よりも細く、且つ、シース16の内径、すなわちメインルーメン20の径よりも細い。中空管32の横断面形状における外形形状は、例えば円形であることが好ましい一例であるが、楕円形又は多角形状、或いはその他の異形形状であっても良い。
中空管32は、例えば、シース16を構成する樹脂材料よりも弾性率が大きい樹脂材料により構成されている。
図1乃至図7に示すように、中空管32は、第1部分32aと、第1部分32aよりも曲げ剛性が大きく且つ第1部分32aの基端側に隣接する第2部分32bと、を管状体300の遠位端部15に有している。すなわち、第2部分32bと第1部分32aとに同一の曲げ荷重を加えた場合の、単位長さ当たりの屈曲変形量は、第1部分32aの屈曲変形量よりも第2部分32bの屈曲変形量の方が小さい。
管状体300において、第2部分32bが配設されている領域を、第2部分32bの配設領域R2、又は単に配設領域R2という。
また、管状体300において、第1部分32aが配設されている領域(第1部分32aの配設領域)は、配設領域R2よりも曲げ剛性が小さい低剛性領域R1である。
操作線40の先端は、低剛性領域R1の先端よりも先端側において、管状体300に固定されている。
なお、管状体300は、配設領域R2よりも曲げ剛性が大きい高剛性領域R5を、配設領域R2よりも基端側に有している。
操作線40を牽引して管状体300の遠位端部15を屈曲させる際は、管状体300における配設領域R2及びそれよりも基端側の部分の屈曲は規制される。よって、管状体300において配設領域R2よりも先端側の部分(低剛性領域R1を含む部分)が主として屈曲する。これにより、管状体300の遠位端部15を小さい曲率半径で屈曲させることができる。
ただし、第2部分32bの配設領域R2は、それよりも基端側の高剛性領域R5と比べると、大きく屈曲する。また、第2部分32bの配設領域R2は、例えば、その先端側ほど大きく屈曲する。
シース16は、少なくとも第2部分32bの配設領域R2から低剛性領域R1に亘って、同一の樹脂材料により構成されている。このため、シース16自体は、配設領域R2と低剛性領域R1との境界に、剛性の不連続点を持たない。第1部分32aよりも高剛性の第2部分32bが配設領域R2に配置されていることにより、配設領域R2と低剛性領域R1との境界(第2部分32bの先端位置)に剛性の不連続点が形成される。
管状体300において、その遠位端DEから、中空管32の第2部分32bの先端までの部分を、最遠位端部18と称することとする。なお、最遠位端部18は、低剛性領域R1を含んでいる。最遠位端部18の長さは、例えば、5mm程度であることが好ましい一例である。
また、最遠位端部18と配設領域R2との合計の長さは、例えば、管状体300の外径の50倍〜100倍であることが好ましい一例である。
操作線40の先端は、低剛性領域R1の先端よりも管状体300の先端側において、管状体300に固定されている。具体的には、例えば、操作線40の先端は、上述のように、固定部材66に固定されている。
本実施形態の場合、低剛性領域R1は、第2部分32bの先端から固定部材66の基端までの領域である。本実施形態の場合、低剛性領域R1には、操作線40及び中空管32以外には、管状体300の曲げ剛性を高める構成要素がシース16に設けられてはいない。このため、管状体300は、低剛性領域R1において柔軟に屈曲することができる。
操作線40を牽引して管状体300を屈曲させる際には、管状体300において第2部分32bよりも先端側の部分(低剛性領域R1を含む部分)が主として屈曲する。これにより、管状体300がその長手方向における広範囲に亘ってなだらかに屈曲する場合と比べて、管状体300の屈曲部位の曲率半径を小さくすることができる。
管状体300の長手方向における第2部分32bの長さは、管状体300の外径(直径)以上であることが好ましい。これにより、詳細は後述するが、管状体300におけるキンクの発生を好適に抑制できる。すなわち管状体300の耐キンク性が良好となる。
また、管状体300の長手方向における低剛性領域R1の長さは、管状体300の外径(直径)以上であることが好ましい。これにより、管状体300の屈曲性が良好となり、管状体300を十分な屈曲角度で屈曲させることができる。
上述のように、本実施形態の場合、管状体300は、補強層としてのコイル50を、高剛性領域R5に有している。
コイル50の先端は、例えば、図4(a)及び(b)に示すように、第2部分32bの先端よりも基端側に位置していることが好ましい。すなわち、第2部分32bは、コイル50よりも遠位端側に配置されていることが好ましい。
ただし、コイル50の先端は、第2部分32bの先端よりも先端側に位置していても良い。すなわち、例えば低剛性領域R1にコイル50の一部分が存在していても良い。
コイル50において、第2領域R2に配置される部分や、低剛性領域R1に配置される部分は、第2領域R2よりも基端側に配置される部分よりも曲げ剛性を小さくする。コイル50は、ピッチ巻き(密着巻きでない)であれば、低剛性領域R1における管状体300の屈曲性を阻害しない。低剛性領域R1にコイル50の一部分を配置する場合、特に、単条の線材52からなるピッチ巻きのコイル50が好ましい。
一方、コイル50の基端(図4には示されていない部分)は、第2部分32bの基端よりも基端側に位置している。具体的には、コイル50の基端は、例えば、管状体300の近位端部17に位置している。
一例として、図4(a)及び図8に示すように、コイル50の先端は、第2部分32bの基端よりも先端側に位置していることが挙げられる。すなわち、第2部分32bとコイル50とが互いにオーバーラップして配置されている。この場合、第2部分32bの配設領域R2よりも基端側の領域から、配設領域R2にかけての、管状体300の曲げ剛性の変化を緩やかにすることができる
ただし、第2部分32bは、その長手方向の全域に亘って、コイル50が存在しない領域に配置されていても良い。例えば、図4(b)に示すように、コイル50の先端が第2部分32bの基端に位置していても良い。また、図示は省略するが、コイル50の先端が第2部分32bの基端よりも基端側に位置していても良い。
このように、管状体300の長手方向における第2部分32bの基端の位置は、コイル50の先端部と同じか、又はそれよりも先端側である。
なお、図4(a)及び図4(b)の例では、中空管32において、第2部分32bよりも基端側の部分(以下、基端側部分32c)は、第2部分32bよりも曲げ剛性が小さい。すなわち、基端側部分32cは、第2部分32bと基端側部分32cとに同一の曲げ荷重を加えた場合の、単位長さ当たりの屈曲変形量は、第2部分32bの屈曲変形量よりも基端側部分32cの屈曲変形量の方が大きい。
なお、図5に示すように、第2部分32bは、管状体300の基端側へ向けて長く延在していても良い。例えば、第2部分32bは、管状体300の基端まで延在していても良い。
コイル50の配設領域における管状体300の曲げ剛性は、第2部分32bの配設領域R2(その中でも特にコイル50が配置されていない領域)における管状体300の曲げ剛性よりも大きい。これにより、管状体300の屈曲操作時において、第2部分32bよりも基端側における管状体300の屈曲を抑制し、管状体300の遠位端部15を小さい曲率半径で屈曲させることができる。
ここで、シース16の曲げ剛性は、少なくとも遠位端部15においては、その長手方向における位置にかかわらず一定となっている。また、コイル50の曲げ剛性も、少なくとも遠位端部15においては、その長手方向における位置にかかわらず一定となっている。
これにより、第2部分32bの配設領域R2よりも基端側の領域と、配設領域R2との境界部におけるキンクの発生を抑制できる。また、第2部分32bの配設領域R2と、配設領域R2よりも先端側の領域との境界部におけるキンクの発生を抑制できる。
なお、コイル50は、例えば、互いに曲げ剛性が異なる複数のコイル(例えば図4に示す第1コイル50a及び第2コイル50b)を長手方向に連接することにより構成されている。これらのうち、先端側に位置するコイルほど、曲げ剛性が小さい。これにより、管状体300の曲げ剛性は、その先端側ほど小さくなっている。
図6(a)及び(b)に示すように、第2部分32bは、第1部分32aよりも厚肉に形成されていることが好ましい一例である。このようにすることにより、第1部分32aと第2部分32bとが同じ材料により構成されていても、第2部分32bの単位長さ当たりの曲げ剛性を第1部分32aの単位長さ当たりの曲げ剛性よりも高剛性とすることができる。
図6(a)及び(b)に示すように、第2部分32bの外径は、第1部分32aの外径よりも大きいことが好ましい一例である。これにより、第1部分32aよりも第2部分32bの方が厚肉な構成を容易に実現することができる。
図6(b)に示すように、第2部分32bが2重管であり、第1部分32aが一重管であることが、好ましい一例である。この場合、第1中空管34における一部区間の周囲に、第2中空管35を外挿することによって、中空管32が構成されている。この場合、第2中空管35の延在範囲を第2部分32bとすることができる。第1中空管34及び第2中空管35は、樹脂により構成することができる。ただし、第2中空管35は、線材を螺旋状に巻回することにより管状に形成されたコイルであっても良いし、ワイヤをメッシュ状に編む(編組する)ことによって管状に形成されたブレード層であっても良い。このコイルを構成する線材は、金属により構成しても良いし、樹脂により構成しても良い。同様に、このブレード層を構成するワイヤは、金属により構成しても良いし、樹脂により構成しても良い。
また、図示は省略するが、第2部分32bの層数の方が、第1部分32aの層数よりも多ければ、第1部分32aも多重管であっても良い。
また、図6(c)に示すように、第1部分32aと第2部分32bとは、互いに同じ肉厚で、且つ、互いに同じ外径であっても良い。この場合、第1部分32aを構成する樹脂材料よりも第2部分32bを構成する樹脂材料を、硬質のものとする。
なお、第1部分32aと第2部分32bとは、互いに内径が同じとなっていることが好ましい。これにより、第1部分32aと第2部分32bとの境界部における操作線40の摺動性を確保することができる。
次に、上述した構成のカテーテル10の製造方法の一例を説明する。
例えば、以下に説明するように、カテーテル10の各部を別個に作成し、それらを組み合わせることによって、カテーテル10を製造する。
外層60は、例えば、押出成形装置(図示略)により、成形材料としての樹脂材料を押出成形することによって作成する。この押出成形の際には、樹脂材料とともに芯線(マンドレル)を押し出すことにより、この芯線の周囲に、外層60となる樹脂材料を被着させる。
芯線の材質は特に限定されないが、一例として、銅または銅合金、炭素鋼やSUS等の合金鋼、ニッケルまたはニッケル合金を挙げることができる。
芯線の表面には、任意で離型処理を施してもよい。離型処理としては、フッ素系やシリコン系などの離型剤の塗布のほか、光学的または化学的な表面処理をおこなってもよい。
ここで、外層60において後に中空管32が埋設されることによりサブルーメン30が形成される位置の各々に、長手方向に沿う長尺な中空が形成されるように、例えば、その位置にガスなどの流体を供給しながら押出成形する。この中空の内径は、中空管32の外径よりも大きい。これは、後にこの中空内に中空管32を差し込む工程を容易にするためである。
押出成形後、芯線を引き抜くことにより、中空形状の外層60を作成することができる。なお、外層60の成形に用いられる芯線の線径は、コイル50の外径よりも大きい。これは、後にコイル50(及び内層21)の周囲に外層60を被せる工程を容易にするためである。
内層21は、外層60を作成するための押出成形装置とは別の押出成形装置(図示略)により樹脂材料を押出成形することによって作成する。この押出成形の際には、樹脂材料とともに芯線(外層60の作成用とは別の芯線)を押し出すことにより、この芯線の周囲に、内層21となる樹脂材料を被着させる。芯線の線径は、メインルーメン20の径に相当する。なお、内層21は、ディスパージョン成形装置により成形しても良い。
コイル50は、芯線(内層21の作成用、外層60の作成用とは別の芯線)の周囲に、線材を螺旋状に巻回する工程などを経て作成する。その後、コイル50内の芯線を引き抜く。
その後、芯線付きの内層21の周囲にコイル50を被せる。従って、この段階では、未だ、内層21内には芯線が挿通されたままである。
中空管32は、内層21を作成するための押出成形装置、並びに、外層60を作成するための押出成形装置とは別の押出成形装置(図示略)により、樹脂材料を押出成形することによって作成する。ここで、押出成形装置の押出口(ノズル)の中心に配置された吐出管から、ガスなどの流体を吐出しながら押出成形を行うことによって、中空管32の中心に中空を形成する。
また、中空管32内に挿通されるダミー芯線を別途準備し、このダミー芯線を中空管32内に挿通する。
外層60を作成し、且つ、内層21の周囲にコイル50を被せた後で、そのコイル50の周囲に外層60を被せる。これにより、中心側から順に、芯線(内層21の形成に用いたもの)、内層21、コイル50及び外層60が同心状に配置された状態となる。
次に、外層60の中空の各々に対し、中空管32(ダミー芯線入り)を挿通する。
次に、外層60の周囲に熱収縮チューブ(図示略)を被せる。次に、加熱により、熱収縮チューブを収縮させて、外層60を周囲から締め付けるとともに、外層60を溶融させる。なお、この加熱温度は、外層60の溶融温度よりも高く、内層21の溶融温度よりも低い。この加熱により、外層60と内層21とが溶着により接合する。このとき、外層60を構成する樹脂材料が、コイル50を内包し、該樹脂材料がコイル50に含浸する。また、外層60と中空管32とが溶着により接合する。
次に、熱収縮チューブに切り込みを入れ、該熱収縮チューブを引き裂くことによって、熱収縮チューブを外層60から取り除く。
次に、中空管32からダミー芯線を引き抜き、中空管32内に操作線40を挿通する。ここまでの状態を図9(a)に示す。
また、別途、固定部材66を準備し、固定部材66に対して各操作線40を固定する。
次に、管状体300の先端部に固定部材66を固定する。このためには、例えば、管状体300の先端部の外層60を切除し、管状体300の先端部において、内層21を露出させる。このとき、中空管32も外層60とともに切除する。次に、操作線40の先端部を中空管32の先端より先端側に突出させた状態とする。
次に、固定部材66を管状体300の先端部において内層21の周囲に外挿し、固定部材66を内層21の周囲に対してかしめ固定する。
次に、管状体300の先端部の周囲を、予め筒状に成形した被覆樹脂(図示略)で覆い、上記熱収縮チューブとは別の熱収縮チューブを用いて、被覆樹脂を外層60及び内層21に対して溶着により接合する。なお、外層60と被覆樹脂とは、例えば、溶融し互いに一体化する。なお、固定部材66の先端側の面も、溶融した外層60又は被覆樹脂により覆われる。
次に、管状体300の基端部に対し、ハブ790を接続する。
次に、内層21内の芯線を引き抜く。芯線の引き抜きは、芯線の長手方向両端を引っ張ることにより芯線を細径化した状態で行う。これにより、内層21の中心には、メインルーメン20となる中空が形成される。
次に、別途作成した操作部70のホイール操作部760に対し、直接的又は間接的に、操作線40の基端部を連結する。更に、操作部70の本体ケース700とホイール操作部760とを組み立てるとともに、本体ケース700にハブ790を取り付ける。
こうして、操作線40に対する牽引操作により管状体300が屈曲する状態とする。
次に、コート層64を形成する。
こうして、カテーテル10を製造することができる。
次に、カテーテル10の動作を説明する。
図11は第1の実施形態に係るカテーテル10の動作のメカニズムを示す模式図である。図12は第1の実施形態に係るカテーテル10の動作例を示す模式図である。
操作線40を牽引して管状体300を屈曲させる際(以下、屈曲操作時という)には、管状体300において第2部分32bよりも先端側の部分(低剛性領域R1を含む部分)が主として屈曲する(図11参照)。なぜなら、第2部分32bは、第1部分32aよりも曲げ剛性が大きいため、第2部分32bの配設領域R2は屈曲操作時にも僅かしか屈曲しないためである。よって、管状体300を屈曲させる力を、配設領域R2よりも先端側の領域に集中できるため、管状体300の屈曲部位の曲率半径を小さくすることができる。
その結果、例えば、図12に示すように、鋭角に分岐する血管19に対しても、容易にカテーテル10の先端(遠位端DE)を進入させることができる。遠位端部15に適度な剛性(コシ)があれば、このままカテーテル10を押し込むことにより、該カテーテル10を血管19に進入させることができる。
しかも、管状体300の屈曲操作時において、以下の理由から、管状体300におけるキンクの発生が抑制される。
カテーテル10においては、上述のように、管状体300において第2部分32bの配設領域R2よりも先端側の部分(低剛性領域R1を含む部分)が小さい曲率半径で屈曲する。その屈曲変形に伴い、第2部分32bの配設領域R2におけるシース16の材質である樹脂が管状体300の長手方向においてある程度の自由度で移動することができる。なぜなら、メインルーメン20の周囲に位置する大径の環状などの部材でなく、メインルーメン20の内径よりも細い中空管である第2部分32bがシース16に埋設された構造であるため、第2部分32bによるシース16の拘束作用が、シース16の周方向における特定箇所に限定されるからである。つまり、シース16において、その周方向にて第2部分32bから離間した部位の材質は、応力を受けた際に管状体300の長手方向においてある程度の自由度で移動可能である。よって、管状体300の屈曲時に、第2部分32bの配設領域R2におけるシース16の材質が、応力を緩和するバッファとなるため、管状体300の長手方向における特定箇所に応力が集中することが抑制される。これにより、管状体300が長手方向において局所的に折れ変形してしまうことが抑制される。つまり、管状体300におけるキンクの発生が抑制される。
ここで、第2部分32bの配設領域R2が長いほど、応力を緩和するバッファとなる樹脂材料の量が多くなり、配設領域R2における応力緩和作用が高まるため、第2部分32bは、ある程度以上の適切な長さを有することが好ましい。例えば、上記のように、第2部分32bの長さは、管状体300の外径(直径)以上であることが好ましい。第2部分32bの長さは、管状体300の外径の例えば2倍以上、或いは3倍以上である方が良く、このようにすることにより、屈曲時に第2部分32bの先端がシース16を損傷してしまう可能性を低減できる。
ただし、上記のように、管状体300の屈曲操作時に、配設領域R2は僅かに屈曲し、且つ、その屈曲量は、配設領域R2の基端側に位置する高剛性領域R5での屈曲量よりも大きい。つまり、高剛性領域R5すなわちコイル50の配設領域と、それよりも先端側の部分との境界で、曲げ剛性の変化が過度に急峻とはなっていない。このことによっても、管状体300におけるキンクの発生が抑制される。
図17は比較例に係る医療機器としてのカテーテル1000の動作を示す模式図である。このカテーテル1000は、第2部分32bを有していない点でのみ、本実施形態のカテーテル10と相違する。
このカテーテル1000の場合、屈曲操作時に、配設領域R2に対応する領域も屈曲する。このため、図17に示すように、管状体がその長手方向における広範囲に亘ってなだらかに屈曲する。つまり、管状体の先端部の曲率半径を小さくすることが困難である。その結果、鋭角に分岐する血管19に対してカテーテル1000の先端を進入させることが困難である。
また、比較例に係るカテーテル1000は、以下の理由から、管状体のキンクが発生しやすい。
図18は比較例に係るカテーテル1000の動作のメカニズムを示す模式図である。
管状体のキンクは、曲げの内径側(インコース)の側周面が内側に座屈することによって開始する。曲げ剛性が高い領域は座屈しない。つまり、例えば、コイル50の配設領域は座屈しない。また、コイル50の非配設領域であっても、コイル50の配設領域の近傍では、コイル50によるシース16の樹脂材料の拘束作用が及んでいるため座屈しにくい。
比較例の場合、本実施形態とは異なり、コイル50の配設領域とそれよりも先端側の領域との境界位置で顕著に曲げ剛性の不連続が存在する。このため、図18に示すように、管状体において、コイル50の配設領域から少し離れた箇所で、キンク1001が発生しやすい。
以上のような第1の実施形態によれば、シース16の長手方向に沿ってシース16の管壁部に埋設され、且つ、内部に操作線40が挿通されている中空管32は、第1部分32aと、第1部分32aよりも曲げ剛性が大きく且つ第1部分32aの基端側に隣接する第2部分32bと、を管状体300の遠位端部15に有している。管状体300は、管状体300における第2部分32bの配設領域R2よりも曲げ剛性が大きい高剛性領域R5を、配設領域R2よりも基端側に有している。管状体300における第1部分32aの配設領域は、配設領域R2よりも曲げ剛性が小さい低剛性領域R1である。操作線40の先端は、低剛性領域R1の先端よりも先端側において、管状体300に固定されている。
したがって、操作線40を牽引して管状体300を屈曲させる際には、管状体300において第2部分32bよりも先端側の部分(低剛性領域R1を含む部分)が主として屈曲するようにできる。すなわち、管状体300において屈曲操作に応じて屈曲する部位を、第2部分32bよりも先端側の部分に実質的に限定することができる。これにより、管状体300がその長手方向における広範囲に亘ってなだらかに屈曲する場合と比べて、管状体300の屈曲部位の曲率半径を小さくすることができる。
本実施形態によれば、要するに、管状体300の先端部を小さな曲率半径で屈曲させることができ、且つ、管状体300におけるキンクの発生を抑制することができる。
管状体300の先端部を小さな曲率半径で屈曲できることから、狭い体腔(具体的には狭い血管)の内部においても管状体300の十分な曲げ角度を確保することができ、管状体300を所望の体腔(所望の血管)へ容易に所望の進入方向で進入させることが可能である。すなわち、このカテーテル10によれば高い方向選択性(血管選択性)が得られる。よって、例えば、鋭角に分岐する血管に対しても、容易にカテーテル10の先端を進入させることができる。
なお、特許文献1の技術では、管状部材に板状ロッドが設けられていることにより、管状体の屈曲方向が2方向のみに限定されてしまう。このため、特許文献1の技術は、例えば、管状体を操作により3方向以上に屈曲させるタイプの医療機器には適用できない。
これに対し、本実施形態に係るカテーテル10は、低剛性領域R1の屈曲方向を限定する構成要素を有しているわけではないため、管状体300の遠位端部15を任意の方向に屈曲させることができる。よって、カテーテル10は、その管状体300を操作により3方向以上に屈曲させるタイプのものであっても支障がない。
また、特許文献2の技術では、管状体の屈曲性を高めるために、管状体にノッチが形成されている。このため、特許文献2の技術は、本実施形態で説明したような薬液供給型のカテーテルには適用することが困難である。なぜなら、ノッチの存在により管状体の強度不足(耐圧性の不足)が生じる懸念があるためである。
<第1の実施形態の変形例>
図13は第1の実施形態に係るカテーテル10の横断面内における中空管32の配置の変形例を示す模式図である。図13に示すように、操作線40が1つ(中空管32、サブルーメン30及び操作線40が1つずつ)であっても良い。なお、この場合、管状体300の周方向において、中空管32及び操作線40が配置されている部分において、シース16の管壁部の肉厚を厚くし、その他の部分の肉厚を薄くすることができる。
〔第2の実施形態〕
図14は第2の実施形態に係る医療機器としてのカテーテル10の先端部を示す模式的な側面図である。図14はカテーテル10の内部構成である固定部材66及び中空管32を示す透視図としている。図15は第2の実施形態に係るカテーテル10の屈曲時の先端部を示す模式図である。
第2の実施形態に係るカテーテル10は、以下に説明する点でのみ、第1の実施形態と相違し、その他の点では、第1の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態の場合、中空管32は、第1部分32aよりも曲げ剛性が大きく且つ第1部分32aの先端側に隣接している第3部分32dを、低剛性領域R1と操作線40の先端との間に有している。第3部分32dの曲げ剛性は、例えば、第2部分32bと同等である。
管状体300における第3部分32dの配設領域R3は、低剛性領域R1よりも曲げ剛性が大きい。
このように、中空管32は、管状体300の長手方向に離間する2つ以上の領域に、それぞれ第1部分32aよりも曲げ剛性が大きい部分(第2部分32b、第3部分32d)を有している。
本実施形態の場合、管状体300の長手方向において、第3部分32dと第2部分32bとの間に、低剛性領域R1が配置されている。
更に、本実施形態の場合、中空管32は、第3部分32dよりも曲げ剛性が小さく、第3部分32dの先端側に隣接している第4部分32eを更に有している。
管状体300における第4部分32eの配設領域は、管状体300における第3部分32dの配設領域R3よりも曲げ剛性が小さい第2低剛性領域R4である。第2低剛性領域R4は、第3部分32dの先端と操作線40の先端との間に位置している。
このように、本実施形態の場合、管状体300は、その長手方向に離間する2つの低剛性領域(低剛性領域R1及び第2低剛性領域R4)を有している。このため、管状体300の屈曲操作時に、管状体300は、その長手方向における2箇所で小さい曲率半径で屈曲する。すなわち、管状体300は、2段階に屈曲する(図15参照)。
ここで、遠位側の第2低剛性領域R4が先に屈曲し、その後、近位側の低剛性領域R1が屈曲しても良いし、第2低剛性領域R4と低剛性領域R1とが同時に(並行して)屈曲しても良い。または、近位側の低剛性領域R1が先に屈曲し、その後、遠位側の第2低剛性領域R4が屈曲しても良い。低剛性領域R1と第2低剛性領域R4との曲げ剛性の大小関係を適宜設定することにより、これらの何れかの屈曲態様を実現することができる。すなわち、低剛性領域R1と第2低剛性領域R4とのうち、曲げ剛性が小さい方を先に屈曲させることができる。例えば、低剛性領域R1と第2低剛性領域R4とのうち一方に、ピッチ巻きの柔軟なコイル(図示略)をシース16と同軸にシース16に埋設することにより、そのコイルを埋設した方の曲げ剛性を大きくすることができる。
第3部分32dの長さは、管状体300の外径以上であることが好ましい。これは、第2部分32bの長さが管状体300の外径以上であることが好ましいのと同様の理由による。
また、管状体300の長手方向における第2低剛性領域R4の長さは、管状体300の外径以上であることが好ましい。これは、管状体300の長手方向における低剛性領域R1の長さが管状体300の外径以上であることが好ましいのと同様の理由による。
管状体300において、その遠位端DEから第2部分32bの先端までの部分を、最遠位端部28と称することとする。最遠位端部28の長さは、例えば、20mm程度であることが好ましい一例である。また、管状体300において、その遠位端DEから第3部分32dの先端までの部分を、第2最遠位端部29と称することとする。第2最遠位端部29の長さは、例えば、5mm程度であることが好ましい一例である。
以上のような第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、管状体300が2段階に屈曲するため、体腔(血管)の形状にもよるが、第1の実施形態と比べて更に方向選択性(血管選択性)が向上する。
〔第3の実施形態〕
図16は第3の実施形態に係る医療機器としてのカテーテル10の先端部を示す模式的な側面図である。図16はカテーテル10の内部構成である固定部材66及び中空管32を示す透視図としている。
第3の実施形態に係るカテーテル10は、以下に説明する点でのみ、第2の実施形態と相違し、その他の点では、第2の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態の場合、中空管32は、第2の実施形態と同様に、第1部分32aよりも曲げ剛性が大きく且つ第1部分32aの先端側に隣接している第3部分32dを有している。しかし、本実施形態の場合、中空管32は、第4部分32eを有していない。このため、管状体300は、第2低剛性領域R4を有していない。
第3部分32dは、固定部材66と連結されており、第3部分32dが固定部材66より基端側に突出している。第3部分32dは、例えば、溶接(レーザー溶接など)や接着(接着材又ははんだによる接着)によって、固定部材66に対して接合されている。例えば、固定部材66として、その基端側に開口する差し込み穴66aが形成されているものを用いる。その差し込み穴66aに対して第3部分32dの先端部を差し込むとともに接着材により固定することで、第3部分32dを固定部材66に連結することができる。
本実施形態の場合、操作線40の先端と第2部分32bの先端との間には1つの低剛性領域(低剛性領域R1)のみが存在する。このため、第3の実施形態の場合のカテーテル10の動作は、第2の実施形態よりも第1の実施形態に近いものとなる。
また、第3部分32dが固定部材66と連結されているため、固定部材66の配設領域と第3部分32dの配設領域R3とが一体となって屈曲する。
第3部分32dが固定部材66より基端側に突出しているため、低剛性領域R1は、その先端側の第3部分32dの配設領域R3と基端側の第2部分32bの配設領域R2とで挟まれる。
配設領域R2の存在によって低剛性領域R1でのキンクの発生が抑制されるのと同様のメカニズムにより、配設領域R3の存在によって低剛性領域R1でのキンクの発生が抑制される。よって、第1の実施形態よりも好適に低剛性領域R1でのキンクの発生を抑制できる。
なお、樹脂管の周囲にコイル又はブレード層を外挿することにより第3部分32dを構成した場合、第3部分32dが塑性変形するように、第3部分32dの配設領域R3を屈曲させることにより、配設領域R3をシェイピング部として使用することもできる。
なお、上記においては、操作線40の先端を固定部材66に固定することによって、操作線40の先端を管状体300の遠位端部15に固定する例を説明したが、操作線40の先端を遠位端部15に固定する態様は特に限定されない。操作線40の先端をシース16の遠位端部15に溶着しても良いし、接着剤によりシース16の遠位端部15に接着固定してもよい。
上記の各形態における各構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていても良いし、一つの構成要素が複数の部材で形成されていても良いし、ある構成要素が他の構成要素の一部であっても良いし、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していても良い。
上記の第2の実施形態では、2段階に屈曲するように管状体300が構成されている例を説明したが、管状体300は3段階以上に屈曲するように構成されていても良い。すなわち、中空管32は、管状体300の長手方向に離間する3つ以上の領域に、それぞれ曲げ剛性が相対的に大きい高剛性部分(第2部分32b、第3部分32dと同様の部分)を有し、これら高剛性部分の間の領域、及びに、最先端に位置する高剛性部分と固定部材との間の領域を、それぞれ曲げ剛性が相対的に小さい低剛性領域としても良い。
10 カテーテル
15 遠位端部
16 シース(管状本体)
17 近位端部
18 最遠位端部
19 血管
20 メインルーメン
21 内層
28 最遠位端部
29 第2最遠位端部
30 サブルーメン
32 中空管
32a 第1部分
32b 第2部分
32c 基端側部分
32d 第3部分
32e 第4部分
34 第1中空管
35 第2中空管
40 操作線
50 コイル
50a 第1コイル
50b 第2コイル
52 線材
60 外層
64 コート層
66 固定部材
66a 差し込み穴
70 操作部
300 管状体
700 本体ケース
760 ホイール操作部
790 ハブ
1000 カテーテル
1001 キンク
DE 遠位端
R1 低剛性領域
R2 第2部分の配設領域
R3 第3部分の配設領域
R4 第2低剛性領域
R5 高剛性領域

Claims (21)

  1. 長尺で可撓性を有し、体腔内に挿入される管状体と、
    前記管状体の基端側へ牽引する操作がなされた場合に前記管状体を屈曲させる操作線と、
    を有し、
    前記管状体は、
    長尺で可撓性の管状本体と、
    前記管状本体の長手方向に沿って前記管状本体の管壁部に埋設され、且つ、内部に前記操作線が挿通されている中空管と、
    を有し、
    前記中空管は、第1部分と、前記第1部分よりも曲げ剛性が大きく且つ前記第1部分の基端側に隣接する第2部分と、を前記管状体の先端部に有し、
    前記管状体は、前記管状体における前記第2部分の配設領域よりも曲げ剛性が大きい高剛性領域を、前記第2部分の配設領域よりも基端側に有し、
    前記管状体における前記第1部分の配設領域は、前記第2部分の配設領域よりも曲げ剛性が小さい低剛性領域であり、
    前記操作線の先端は、前記低剛性領域の先端よりも先端側において、前記管状体に固定されていることを特徴とする医療機器。
  2. 前記管状体の長手方向における前記第2部分の長さは、前記管状体の外径以上であることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
  3. 前記管状体の長手方向における前記低剛性領域の長さが、前記管状体の外径以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療機器。
  4. 前記第2部分は、前記第1部分よりも厚肉に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の医療機器。
  5. 前記第2部分の外径は、前記第1部分の外径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の医療機器。
  6. 前記第2部分は多重管であり、
    前記第1部分は一重管であるか又は前記第2部分よりも層数が少ない多重管であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の医療機器。
  7. 前記第2部分は前記第1部分よりも弾性率が大きい材料により構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の医療機器。
  8. 前記第1部分の内径と前記第2部分の内径とが互いに等しいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の医療機器。
  9. 前記管状体は、
    前記管状本体よりも曲げ剛性が大きく且つ前記管状本体と同軸に前記管状本体に埋設された管状の補強層を、少なくとも前記高剛性領域に有し、
    前記補強層の先端は、前記第2部分の先端よりも基端側に位置し、
    前記補強層の基端は、前記第2部分の基端よりも基端側に位置していることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の医療機器。
  10. 前記補強層の先端は、前記第2部分の基端よりも先端側に位置していることを特徴とする請求項9に記載の医療機器。
  11. 前記管状体の長手方向における前記第2部分の基端の位置は、前記補強層の先端部と同じか、又はそれよりも先端側であることを特徴とする請求項9に記載の医療機器。
  12. 前記補強層は、線材を螺旋状に巻回することにより構成されたコイルであることを特徴とする請求項9乃至11の何れか一項に記載の医療機器。
  13. 前記管状本体は、少なくとも前記第2部分の配設領域から前記低剛性領域に亘って、同一の樹脂材料により構成されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の医療機器。
  14. 前記管状本体よりも曲げ剛性が大きく、前記管状体の先端部に設けられている固定部材を更に有し、
    前記操作線の先端は、前記固定部材に固定されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の医療機器。
  15. 前記固定部材は、前記管状体と同軸の環状に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の医療機器。
  16. 前記固定部材は、特定の放射線に対して不透明な材質により構成されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の医療機器。
  17. 前記中空管は、前記第1部分よりも曲げ剛性が大きく、前記第1部分の先端側に隣接している第3部分を、前記低剛性領域と前記操作線の先端との間に有していることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の医療機器。
  18. 前記中空管は、前記第3部分よりも曲げ剛性が小さく、前記第3部分の先端側に隣接している第4部分を更に有し、
    前記管状体における前記第4部分の配設領域は、前記管状体における前記第3部分の配設領域よりも曲げ剛性が小さい第2低剛性領域であり、
    前記第2低剛性領域は、前記第3部分と前記操作線の先端との間に位置していることを特徴とする請求項17に記載の医療機器。
  19. 前記中空管は、前記第1部分よりも曲げ剛性が大きく、前記第1部分の先端側に隣接している第3部分を更に有し、
    前記第3部分は、前記固定部材と連結されて、前記固定部材より基端側に突出していることを特徴とする請求項14乃至16の何れか一項に記載の医療機器。
  20. 前記中空管は前記管状本体よりも弾性率が大きいことを特徴とする請求項1乃至19の何れか一項に記載の医療機器。
  21. 前記管状体の内腔は、前記管状体の先端において開口しており、
    前記内腔を介して前記管状体の基端から先端へ液体を供給可能であることを特徴とする請求項1乃至20の何れか一項に記載の医療機器。
JP2012062567A 2012-03-19 2012-03-19 医療機器 Pending JP2013192717A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012062567A JP2013192717A (ja) 2012-03-19 2012-03-19 医療機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012062567A JP2013192717A (ja) 2012-03-19 2012-03-19 医療機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013192717A true JP2013192717A (ja) 2013-09-30

Family

ID=49392378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012062567A Pending JP2013192717A (ja) 2012-03-19 2012-03-19 医療機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013192717A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015006262A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 清明 本間 位置決め医療機器
WO2015046148A1 (ja) * 2013-09-30 2015-04-02 テルモ株式会社 カテーテル

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63115532A (ja) * 1986-05-02 1988-05-20 オリンパス光学工業株式会社 内視鏡
JPH06343702A (ja) * 1993-06-04 1994-12-20 Terumo Corp カテーテルチューブ
US20030171736A1 (en) * 2002-03-07 2003-09-11 Edwin Bon Catheter shaft with coextruded stiffener
JP2007000358A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Pura Giken:Kk カテーテル
JP2010514513A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 セント・ジュード・メディカル・エイトリアル・フィブリレーション・ディヴィジョン・インコーポレーテッド 二重編組シャフト
JP2011083594A (ja) * 2009-09-17 2011-04-28 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル
JP2011251068A (ja) * 2010-06-04 2011-12-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63115532A (ja) * 1986-05-02 1988-05-20 オリンパス光学工業株式会社 内視鏡
JPH06343702A (ja) * 1993-06-04 1994-12-20 Terumo Corp カテーテルチューブ
US20030171736A1 (en) * 2002-03-07 2003-09-11 Edwin Bon Catheter shaft with coextruded stiffener
JP2007000358A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Pura Giken:Kk カテーテル
JP2010514513A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 セント・ジュード・メディカル・エイトリアル・フィブリレーション・ディヴィジョン・インコーポレーテッド 二重編組シャフト
JP2011083594A (ja) * 2009-09-17 2011-04-28 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル
JP2011251068A (ja) * 2010-06-04 2011-12-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015006262A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 清明 本間 位置決め医療機器
WO2015046148A1 (ja) * 2013-09-30 2015-04-02 テルモ株式会社 カテーテル
JPWO2015046148A1 (ja) * 2013-09-30 2017-03-09 テルモ株式会社 カテーテル
US10201680B2 (en) 2013-09-30 2019-02-12 Terumo Kabushiki Kaisha Catheter

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7266407B2 (ja) カテーテル及びカテーテルの製造方法
JP6149431B2 (ja) 医療用機器、カテーテルおよび医療用機器の製造方法
JP5604974B2 (ja) カテーテル
US11850375B2 (en) Catheter devices and methods for making them
JP6303476B2 (ja) 医療機器
JP6269019B2 (ja) 医療機器
US11951262B2 (en) Catheter devices and methods for making them
JP2013192716A (ja) 医療機器
JP6089864B2 (ja) 医療用機器および医療用機器の製造方法
JP2013192717A (ja) 医療機器
US10130794B2 (en) Medical instrument, and medical-instrument production method
JP6209841B2 (ja) 医療用機器
JP6201368B2 (ja) 医療用機器
JP2014188216A (ja) 医療用機器および医療用機器の製造方法
JP2013192632A (ja) 医療機器の製造方法及び医療機器
JP5957966B2 (ja) 医療機器及び医療機器の製造方法
JP2013192797A (ja) 医療機器及び医療機器の製造方法
JP2013208355A (ja) 医療機器及び医療機器の製造方法
JP2013208356A (ja) 医療機器及び医療機器の製造方法
JP5842623B2 (ja) 医療機器の製造方法
JP2019024919A (ja) カテーテル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160315