JP5604974B2 - カテーテル - Google Patents
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Description
サブルーメンが急角度に折れ曲がると、その位置でサブルーメンの周壁と操作線との摩擦係数が増大する。このため、操作線を用いたカテーテルの屈曲操作性が悪化する、或いは操作線の切断が生じる。
前記メインルーメンよりも小径に形成され、前記メインルーメンの周囲において前記長手方向に沿って配設されたサブルーメンと、
前記サブルーメンに摺動可能に挿通され、且つ、当該カテーテルの先端部に固定された操作線と、
弾性体により構成され、前記サブルーメンの周囲に巻回されたコイルと、
を備えることを特徴とするカテーテルを提供する。
ただし、コイルは、その軸方向を曲げようとする外力に従って屈曲することが可能であるため、カテーテルの屈曲性を十分に確保することができる。
要するに、カテーテルの屈曲性を十分に確保しつつも、コイルが有する弾性的な反撥力によってサブルーメンの急角度の折れ曲がりを抑制することができる。
図1は本発明の第一実施形態に係るカテーテル10の先端部の側断面図である。図1の左方がカテーテル10の先端側(以下、遠位端側ともいう)にあたり、右方が手元側(以下、基端側あるいは近位端側ともいう)にあたる。ただし、図1においてはカテーテル10の近位端側は図示を省略している。
図2は図1のA−A矢視断面図である。
図3はカテーテル10が有するコイル50の模式図である。
図4はカテーテル10の先端部の側断面図であり、図1よりも広範囲を示している。ただし、図4においてもカテーテル10の近位端側は図示を省略している。
図5はカテーテル10の側面図である。
図6はカテーテル10の動作例を示す側面図である。
サブルーメン30は、メインルーメン20よりも小径に形成され、メインルーメン20の周囲においてカテーテル10の長手方向に沿って配設されている。
操作線40は、サブルーメン30に挿通され、且つ、サブルーメン30に対して摺動可能となっている。この操作線40は、カテーテル10の先端部(遠位端部15)に固定されている。
コイル50は、弾性体により構成されている。このコイル50は、サブルーメン30の周囲に巻回されている。
以下、詳細に説明する。
なお、内層21及び外層60を含むカテーテル10の本体をシース16とよぶ。
ここで、内層21は管状に形成され、その内部空間によって、カテーテル10の長手方向に延在する中空であるメインルーメン20が構成されている。
この外層60内には、メインルーメン20よりも小径のサブルーメン30が、カテーテル10の長手方向に延在する中空として形成されている。すなわち、サブルーメン30は、メインルーメン20の周囲に配設されている。
サブルーメン30の周囲には、コイル50が巻回されている。コイル50は外層60に内包されている。
なお、カテーテル10は3本以上のサブルーメン30を有していても良い。例えば3本のサブルーメン30を有する場合は、サブルーメン30をメインルーメン20の周囲に120度間隔で配置することが好ましい。
操作線40の遠位端41を遠位端部15に固定する態様は特に限定されない。例えば、図1に示すように、操作線40の遠位端41を後述するマーカー66に連結しても良いし、遠位端部15におけるマーカー66以外の部分に溶着しても良いし、または接着剤によりマーカー66またはシース16の遠位端部に接着固定してもよい。
ただし、操作線40の近位端42をカテーテル10に対して押し込む方向(つまり図6の左方向)に操作部70のスライダ72を操作しても、当該操作線40から遠位端部15に対して押込力が実質的に与えられることはない。
そして、本実施形態のようにサブルーメン30の周囲にコイル50を巻回することにより、摺動する操作線40に対して、コイル50よりもカテーテル10の内側、すなわちメインルーメン20が保護される。ここで、コイル50がサブルーメン30の周囲に巻回されているとは、操作線40が挿通されたサブルーメン30の少なくとも一部がコイル50の巻線の内側に形成されている状態を意味する。コイル50は、サブルーメン30に露出せずに外層60に完全に埋設されていてもよく、またはその一部もしくは全部がサブルーメン30に露出していてもよい。
図1の例では、操作線40の遠位端41はマーカー66に連結固定されている。
内層21にフッ素系樹脂を用いることにより、カテーテル10のメインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
一方、予め成形されたシース16のサブルーメン30に対して操作線40を挿通する場合など、操作線40に耐熱性が求められない場合は、上記各材料に加えて、PVDF、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリエステルなどを使用することもできる。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは10〜30μm程度、外層60の厚さは100〜220μm程度、コイル50の外径は70〜160μm、コイル50の内径は40〜100μmとすることができる。そして、カテーテル10の(シース16の)軸心からサブルーメン30の中心までの半径は300〜450μm程度、サブルーメン30の内径は40〜100μmとすることができ、操作線40の太さは30〜60μmとすることができる。そして、カテーテル10の(シース16の)最外半径を350〜490μm程度とすることができる。
すなわち、本実施形態のカテーテル10の外径は直径1mm未満であり、腹腔動脈などの血管に挿通可能である。また、本実施形態のカテーテル10に関しては、操作線40の牽引により進行方向が自在に操作されるため、たとえば分岐する血管内においても所望の方向にカテーテル10を進入させることが可能である。
操作部70は、カテーテル10の長手方向に延在する軸部71と、軸部71に対してカテーテル10の長手方向にそれぞれ進退するスライダ72(例えば、第1及び第2スライダ72a、72b)と、軸部71と一体に該軸部71の軸周りに回転するハンドル部74と、シース16の基端部が軸周りに回転可能に差し込まれた把持部75とを備えている。
シース16の近位端部は軸部71に固定されている。
操作部70のスライダ72に対し、複数本の操作線40をそれぞれ個別に、または二本以上を同時に牽引する操作を行うことにより、カテーテル10の遠位端部15を屈曲させることができるようになっている。
また、例えば、一方の手で把持部75を把持した状態で、他方の手でハンドル部74を把持部75に対して軸回転させることにより、シース16の全体を軸部71とともに回転させることができるようになっている。
以下では、説明の便宜上、一方のサブルーメン30を第1サブルーメン30aと称し、他方のサブルーメン30を第2サブルーメン30bと称する(図1参照)。そして、第1サブルーメン30a内に挿通された操作線40を第1操作線40aと称し、第2サブルーメン30b内に挿通された操作線40を第2操作線40bと称する(図1、図5参照)。
そして、第1スライダ72aと第2スライダ72bとを軸部71に対して個別に基端側にスライドさせることにより、これに接続された第1操作線40aまたは第2操作線40bが個別に牽引され、カテーテル10の遠位端部15(つまりシース16の遠位端部)に引張力が与えられる。これにより、当該牽引された操作線40の側に遠位端部15が屈曲する。
第1操作線40aまたは第2操作線40bの何れかの操作線40を個別に牽引する場合、牽引する距離に応じて、遠位端部15の曲率を変化させることができる。
なお、操作線40を個別に牽引するだけでは遠位端部15を所望の姿勢に屈曲させることができない場合には、第1及び第2操作線40a、40bを同時に牽引することにより、遠位端部15の所望の姿勢を実現しても良い。
このように、遠位端部15を様々な形状に屈曲させるとともに、ハンドル部74に対する回転操作によってシース16の回転位相を調節することにより、遠位端部15の屈曲量及び屈曲方向を調節し、様々な角度に分岐する体腔に対してカテーテル10を自在に進入させることができる。
よって、例えば分岐のある血管や末梢血管に対しても、本実施形態のカテーテル10を所望の方向に進入させることができる。
なお、本実施形態のカテーテル10において、遠位端部15の屈曲角度は90度を超えることが好ましい。これにより、血管の分岐角度がUターンするような鋭角の場合であっても、かかる分岐枝に対してカテーテル10を進入させることができる。
図1及び図4に示すように、シース16(内層21または外層60)には複数のサブルーメン30が軸方向に延在して通孔形成されている。ここで、サブルーメン30は、シース16の樹脂材料を中空に成形して設けてもよい。または、予め成形された中空管をシース16に埋設してサブルーメン30を設けてもよい。本実施形態のコイル50は、各サブルーメン30の周囲にそれぞれ巻回されている。ただし、コイル50は、サブルーメン30の周壁を構成するシース16(内層21、外層60)または中空管に内包されていても良い。
或いは、コイル50は、その一部分が、サブルーメン30の周壁を構成するシース16または中空管よりも内側に露出していても良い。この場合、コイル50がサブルーメン30の周壁の一部分を構成することになる。線材50aが金属材料からなる場合は、線材50aを樹脂被膜(図示略)で被覆したコイル50を用いてもよい。
具体的には、例えば、コイル50は、サブルーメン30の先端部から基端部に亘って延在している(図5参照)。
具体的には、線材50aの金属材料として、例えば、ステンレススチール(SUS)、ニッケルチタン系合金、鋼、チタン或いは銅合金を用いることができる。
線材50aの断面形状は特に限定されないが、例えば、円形であることが好ましい一例である。
ただし、以下に説明するように、コイル50は、先端側の部分における線材50aの巻回ピッチが、基端側の部分における線材50aの巻回ピッチよりも大きいことも好ましい。
そして、第2部分52よりも第1部分51の方が巻回ピッチが大きく設定されている。
一方、隣り合う巻線どうしが所定の間隙(ピッチ間隔)をもって巻回されている状態をピッチ巻きというものとする。
なお、ピッチ巻きのコイル50の場合、線材50aのピッチ間隔が小さいほど柔軟に屈曲し、ピッチ間隔が大きくなるとバネとしての弾性が低下する。このため、コイル50の曲げ剛性の大きい順番は、(1)密巻き、(2)ピッチ巻き(ピッチ間隔大)、(3)ピッチ巻き(ピッチ間隔小)である。
次に、内層21の周囲に外層60を押出成型する。この押出成型時には、サブルーメン30を構成する中空管を押し出して、この中空管を外層60に埋設するとともに、この中空管に外挿されるようにコイル50を押し出して、このコイル50も外層60に埋設する。
なお、中空管は、この押出成型前に予め形成されたものである。中空管の材質は外層60よりも溶融温度が高いものとし、押出成型時に中空管が溶融しないようにする。
次に、外層60に埋設された中空管内に操作線40を挿通する。
次に、操作線40の遠位端41をカテーテル10の遠位端部15に固定する。
次に、マンドレルを内層21から抜く。この際、必要に応じ、マンドレルの両端部を互いに逆方向に牽引することによってマンドレルを細径化する。
こうして、メインルーメン20と、サブルーメン30と、操作線40と、コイル50と、を備えるカテーテル10を製造することができる。
なお、サブルーメン30を構成する中空管を用いず、外層60の押出成型とサブルーメン30を構成する樹脂層の押出成型とを並行して行いながら、この樹脂層内に操作線40を押し出しても良い。
また、操作部70を操作して第2操作線40bを近位端CE側に牽引すると、図6(b)に示すように、カテーテル10の遠位端部15は図6の下方に屈曲する。更に、この牽引量を大きくすると、図6(d)に示すように、カテーテル10の遠位端部15は図6の下方に大きく屈曲する。
より具体的には、何れか他方の操作線40を牽引することによって、遠位端部15の屈曲量を減じる操作や、遠位端部15の姿勢を屈曲した状態から元の直線状の姿勢へ戻す操作を行うことができる。屈曲量を減じる操作により、屈曲量の微調整が可能である。
なお、サブルーメン30の周囲にコイル50が巻回されているので、シース16のねじり剛性が高まる。よって、カテーテル10の回転操作時におけるトルク伝達効率が高まり、回転操作に対する遠位端部15の回転応答性が向上する。
これに対し、本実施形態では、コイル50の先端部を含む第1部分51は、第2部分52よりも巻回ピッチが大きい。換言すれば、必ず、第1部分51ではピッチ巻き(密巻きではない)となっている。
このため、コイル50の第1部分51では、牽引された操作線40の側が圧縮される挙動を呈するので、操作線40の牽引による遠位端部15の屈曲操作を容易に行うことができる。
よって、サブルーメン30の急角度の折れ曲がりを抑制できる。これにより、サブルーメン30の周壁と操作線40との摩擦係数の増大を抑制できるため、操作線40を用いたカテーテル10の屈曲操作性を良好な状態に維持できるとともに、操作線40の断線の発生も抑制できる。
ただし、コイル50は、その軸方向を曲げようとする外力に従って屈曲することが可能であるため、カテーテル10の屈曲性を十分に確保することができる。
要するに、カテーテル10の屈曲性を十分に確保しつつも、コイル50が有する弾性的な反撥力によってサブルーメン30の急角度の折れ曲がりを抑制することができる。
このため、コイル50の第1部分51では、牽引された操作線40の側が圧縮される挙動を呈するので、操作線40の牽引による遠位端部15の屈曲操作を容易に行うことができる。
しかも、第2部分52は第1部分51よりも巻回ピッチが小さいので、カテーテル10を体腔内に押し込む際に、その押し込み力を第2部分52を介して第1部分51にまで有効に伝達させることができる。つまり、カテーテル10のプッシャビリティを向上できる。カテーテル10のプッシャビリティは、コイル50がメインルーメン20の先端部から基端部に亘って延在していることにより、一層向上する。更に、カテーテル10のプッシャビリティは、コイル50の第2部分52が密巻きとなっていることにより、格段に向上する。
コイル50は、巻回ピッチが大きい部分ほど、その軸方向58(図3)を曲げようとする外力に抗する力(以下、曲げ剛性と称する)が大きくなる。
このため、第1部分51における線材50aの巻回ピッチを複数段階に変化させることにより、第1部分51における曲げ剛性も複数段階に変化するので、カテーテル10の遠位端部15における屈曲性をその長手方向において段階的に設定することができる。
なお、第4部分54は、例えば、第3部分53に対し、カテーテル10の近位端CE側に隣接している。
そして、第4部分54よりも第3部分53の方が巻回ピッチが小さく設定されている。
この例では、巻回ピッチが小さい第3部分53での屈曲性が、第4部分54での屈曲性よりも高まる。このため、カテーテル10の先端部での屈曲性を向上できる。
また、第3部分53よりも基端側に位置する第4部分54では、第3部分53よりも巻回ピッチが大きいので、第3部分53よりも曲げ剛性が大きい。
コイル50の第1部分51の巻回ピッチが一定の場合、血管の分岐において、カテーテル10の先端が分岐に引っかかっていても(遠位端DEが分岐先の血管側に進入していても)、カテーテル10を更に押し込むと、コイル50が座屈してしまうとともに、カテーテル10が分岐先の血管に導かれず分岐元の血管を直進してしまうことがある。
これに対し、図7(a)に示すように第1部分51が第3及び第4部分53、54を有する構成とすることにより、カテーテル10を分岐先の血管内へスムーズに進入させることができる。
すなわち、カテーテル10の遠位端部15においてコイル50の第3部分53と対応する部位を分岐に引っかけた後、カテーテル10を更に押し込むと、曲げ剛性が大きい第4部分54を介して第3部分53を押し込みながら、第2部分52が屈曲する動作となる。これにより、第3部分53を分岐先の血管の方向へとスムーズに押し込むことができる。
ここで、この動作中、第4部分54の曲率は(第3部分53と比べて)相対的に小さいため、第4部分54の座屈を抑制しながら、この第4部分54によって第3部分53を好適に後押しする動作となる。
そして、第2部分52が分岐を通過する頃には、第3及び第4部分53、54が既に正しい方向に(分岐先の血管内に)進行しているため、第2部分52も押し込みによる座屈で折れ曲がらずに第3及び第4部分53、54に追随して分岐先の血管内に進行することができる。
このように、コイル50が第3部分53の基端側に第4部分54を有することにより、カテーテル10を分岐部においてより確実に所望の方向へ導くことができる。
この例では、巻回ピッチが小さい第4部分54での屈曲性を、第3部分53での屈曲性よりも高めることができる。逆に言えば、図7(a)の場合と比べて、第3部分53での保形性が高まる。このため、図7(a)の場合と比べて、カテーテル10の先端部での保形性を確保できる。よって、カテーテル10の推進力を向上できるという利点がある。
なお、第5部分55は、例えば、第4部分54に対し、カテーテル10の近位端CE側に隣接している。
そして、第4部分54よりも第5部分55の方が巻回ピッチが小さく設定されている。例えば、第5部分55と第3部分53では、巻回ピッチが互いに等しく設定されている。
この例では、図7(a)の場合と同様の効果が得られる他に、第4部分54の後側に位置する第5部分55での屈曲性が高まるという効果が得られる。
この場合、カテーテル10の遠位端部15においてコイル50の第3部分53と対応する部位を分岐に引っかけた後、カテーテル10を更に押し込むと、曲げ剛性が大きい第4部分54を介して第3部分53を押し込みながら、第5部分55が屈曲する動作となる。
この動作中、第4部分54の曲率は(第3及び第5部分53、55と比べて)相対的に小さいため、第4部分54の座屈を抑制しながら、この第4部分54によって第3部分53を好適に後押しする動作となる。
そして、第5部分55が分岐を通過する頃には、第3及び第4部分53、54が既に正しい方向に(分岐先の血管内に)進行しているため、第5部分55も押し込みによる座屈で折れ曲がらずに第3及び第4部分53、54に追随して分岐先の血管内に進行することができる。
なお、図7(c)の例では、第1部分51の最先端部である第3部分53は密巻きとなっていても良い。
図8は、本発明の第二実施形態に係るカテーテル10の先端部の側断面図である。
同図の左方がカテーテル10の遠位端側にあたり、右方が近位端側にあたる。同図においてはカテーテル10の中間部および近位端側は図示を省略している。
図9は、本実施形態のカテーテル10におけるコイル50の近傍を示す拡大図である。
複数のサブルーメン30を備える場合、そのすべてについてコイル50と中空管32とを連設してもよく、または一部のサブルーメン30に関してのみコイル50と中空管32とを連設してもよい。
たとえば、中空管32をPTFE(融点=327℃)、PFA(融点=302℃)またはPEEK(融点=334℃)より構成し、外層60(樹脂材料)をナイロンエラストマー(融点=160〜220℃)、PU(融点=60〜140℃)またはEVA(融点=約90℃)より構成するとよい。
しかも、メインコイル80により、カテーテル10の軸方向の押し込み力の伝達効果や、カテーテル10の回転操作時におけるトルク伝達効率も一層高まる。
言い換えると、本実施形態のコイル50は、先端側から順にピッチ巻き、密巻き、ピッチ巻き、密巻きの順に線材50aが螺旋巻回されている。
これにより、操作線40を牽引した場合の張力は、外層60を通じて第3部分53の全体に伝達されるため、操作線40に大きな牽引力が付与された場合でも操作線40が外層60から抜けることがない。
まず、マンドレル(図示せず)の周囲に内層21を被膜形成し、その周囲にメインコイル80を巻回する。
また、カテーテル10が操作線40を1本のみ有している構成とすることも可能である。この場合も、操作線40の牽引による遠位端部15の屈曲操作とカテーテル10の回転操作との併用により、任意の屈曲量方向及び方向に遠位端部15を屈曲させることができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
カテーテルの長手方向に沿って配設されたメインルーメンと、
前記メインルーメンよりも小径に形成され、前記メインルーメンの周囲において前記長手方向に沿って配設されたサブルーメンと、
前記サブルーメンに摺動可能に挿通され、且つ、当該カテーテルの先端部に固定された操作線と、
弾性体により構成され、前記サブルーメンの周囲に巻回されたコイルと、
を備えることを特徴とするカテーテル。
2.
前記コイルは、少なくとも、前記サブルーメンの先端部の周囲に巻回されていることを特徴とする1.に記載のカテーテル。
3.
前記コイルは、
前記コイルの先端部を含む第1部分と、前記第1部分よりも当該カテーテルの基端側に位置する第2部分と、
を含み、
前記第2部分よりも前記第1部分の方が巻回ピッチが大きいことを特徴とする1.又は2.に記載のカテーテル。
4.
前記コイルは、前記第2部分では隣り合う巻きどうしが接する密巻きとされていることを特徴とする3.に記載のカテーテル。
5.
前記第1部分が、隣り合う巻きどうしが間隙を有するピッチ巻き領域と、前記ピッチ巻き領域の更に先端側に設けられた密巻き領域と、を含む4.に記載のカテーテル。
6.
前記コイルの内部が中空であり、
前記操作線の先端部が前記コイルの前記密巻き領域の更に先端側の位置で前記カテーテルに固定されている5.に記載のカテーテル。
7.
前記カテーテルが、前記サブルーメンが内部に形成されて前記操作線が挿通された中空管を更に備え、
前記コイルが前記中空管の先端側に設けられて、前記サブルーメンが前記コイルから前記中空管に亘って連続して形成されていることを特徴とする1.乃至6.の何れか1つに記載のカテーテル。
8.
前記カテーテルが樹脂材料からなり、前記中空管が前記樹脂材料よりも高融点かつ低粘着性の材料からなる7.に記載のカテーテル。
9.
前記コイルの曲げ剛性が前記中空管の曲げ剛性よりも小さい7.又は8.に記載のカテーテル。
10.
前記カテーテルが、前記メインルーメンと前記サブルーメンとの間に螺旋巻回された他のコイルを更に備え、
前記他のコイルの線径が、前記コイルの線径よりも大きいことを特徴とする1.乃至9.の何れか1つに記載のカテーテル。
11.
前記コイルは前記サブルーメンの先端部から基端部に亘って延在していることを特徴とする1.乃至6.の何れか1つに記載のカテーテル。
12.
それぞれ前記操作線が挿通された複数の前記サブルーメンが前記メインルーメンの軸周りに分散して配置され、
各サブルーメンの周囲に前記コイルがそれぞれ巻回されていることを特徴とする1.乃至11.の何れか1つに記載のカテーテル。
15 遠位端部
16 シース
17 近位端部
20 メインルーメン
21 内層
30 サブルーメン
32 中空管
34 空隙部
40 操作線
41 遠位端
42 近位端
50 コイル
50a 線材
51 第1部分
52 第2部分
53 第3部分
54 第4部分
55 第5部分
58 軸方向
60 外層
64 コート層
66 マーカー
70 操作部
71 軸部
72 スライダ
80 メインコイル
80a 線材
81 ピッチ巻き領域
82 密巻き領域
90 シェイピング部
DE 遠位端
PE 近位端
CE 近位端
Claims (10)
- カテーテルの長手方向に沿って配設されたメインルーメンと、
前記メインルーメンよりも小径に形成され、前記メインルーメンの周囲において前記長手方向に沿って配設されたサブルーメンと、
前記サブルーメンに摺動可能に挿通され、且つ、当該カテーテルの先端部に固定された操作線と、
前記サブルーメンが内部に形成されて前記操作線が挿通された中空管と、
弾性体により構成され、前記中空管の外周囲に巻回されたコイルと、
を備えることを特徴とするカテーテル。 - 前記コイルは、少なくとも、前記サブルーメンの先端部の周囲に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
- 前記コイルは、
前記コイルの先端部を含む第1部分と、前記第1部分よりも当該カテーテルの基端側に位置する第2部分と、
を含み、
前記第2部分よりも前記第1部分の方が巻回ピッチが大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のカテーテル。 - 前記コイルは、前記第2部分では隣り合う巻きどうしが接する密巻きとされていることを特徴とする請求項3に記載のカテーテル。
- 前記第1部分が、隣り合う巻きどうしが間隙を有するピッチ巻き領域と、前記ピッチ巻き領域の更に先端側に設けられた密巻き領域と、を含む請求項4に記載のカテーテル。
- 前記コイルの内部が中空であり、
前記操作線の先端部が前記コイルの前記密巻き領域の更に先端側の位置で前記カテーテルに固定されている請求項5に記載のカテーテル。 - 前記カテーテルが樹脂材料からなり、前記中空管が前記樹脂材料よりも溶融温度が高い材料からなる請求項1乃至6の何れか一項に記載のカテーテル。
- 前記カテーテルが、前記メインルーメンと前記サブルーメンとの間に螺旋巻回された他のコイルを更に備え、
前記他のコイルの線径が、前記コイルの線径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のカテーテル。 - 前記コイルは前記サブルーメンの先端部から基端部に亘って延在していることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のカテーテル。
- それぞれ前記操作線が挿通された複数の前記サブルーメンが前記メインルーメンの軸周りに分散して配置され、
各サブルーメンの周囲に前記コイルがそれぞれ巻回されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のカテーテル。
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