JP6300968B2 - 仕上研削装置および仕上研削方法 - Google Patents

仕上研削装置および仕上研削方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板の表面を仕上研削する仕上研削方法、特に粗研削された難削材基板の表面を仕上研削する仕上研削方法およびそのような方法を実施する仕上研削装置に関する。
白色LED等の光デバイスは、サファイア基板の表面に窒化ガリウム等の窒化物系化合物半導体を積層して形成される。近年の光デバイスの需要増加に伴い、サファイア基板も広く使用されている。また、シリコン基板の代替品として、炭化ケイ素基板の使用頻度も高まっている。
このようなサファイアおよび炭化ケイ素などは硬質であるため、研削するのが難しく、一般に「難削材」と呼ばれている。そして、難削材、例えばサファイアからなる基板の表面を#260〜#320の砥石で粗研削した場合には、シリコン基板を粗研削する場合よりもかなり大きいダメージがサファイア基板に与えられる。
図6は、粗研削した後におけるサファイア基板の部分断面図である。図6に示されるように、粗研削後における研削面50はかなり荒れた状態であり、その表面粗さは3um(マイクロメートル)程度に達する。さらに、サファイア基板は、研削面50から延びる基板の厚さ部分にもダメージを受けている。図6に示されるように、そのようなダメージによってサファイア基板の研削面50には、多結晶質層51、モザイク層52、クラック層53が順番に形成される。
ここで、クラック層53には、研削面50に対して結晶方位に沿って延びる多数のクラックが形成されている。また、モザイク層52には、そのような結晶方位に沿って延びるクラックに加えて、研削面50に対してランダムなクラックも形成されている。また、本願明細書においては、これら多結晶質層51、モザイク層52およびクラック層53からなる層を加工変質層55と呼ぶ。
加工変質層55は基板の残りの部分よりも脆いので、光デバイスなどを研削面50上に直接的に形成すると、光デバイスなどのベース部分が破損する可能性がある。このため、通常は、粗研削後に研削面50をラップ仕上(lapping)またはポリッシングし、加工変質層55を除去することが行われている。
特開2009-285798号公報
しかしながら、加工変質層55の厚さ(多結晶質層51、モザイク層52およびクラック層53の合計厚さ)は比較的大きく、例えば30umに達する場合がある。一般にラップ仕上速度は1um/minであるので、ラップ仕上によって加工変質層55全体を除去する場合には、かなりの長時間が必要とされる。従って、ラップ仕上作業に要求される高価なダイアモンドスラリーも多量に消費することになり、基板一枚当たりの加工コストが増加する。
また、ラップ仕上はラップ時間によって制御されるので、基板の厚さを精密に制御するのは難しい。さらに、ラップ仕上を長時間にわたって行う場合には、基板の外周部の面ダレが起こるという問題もある。
ところで、図7(a)は非難削材を研削するときの研削砥石の部分拡大図であり、図7(b)は難削材を研削するときの研削砥石の部分拡大図である。これら図面に示されるように、研削砥石は複数の砥粒Gと、これら砥粒Gを互いに結合する結合剤Fとから構成されている。
図7(a)に示されるように、シリコンなどの非難削材からなる基板を研削する場合には、基板の研削面よりも下方に進入した砥粒Gが離脱して自生発刃が生じる。これに対し、サファイアなどの難削材からなる基板を研削する場合には、研削砥石、ならびに研削装置の剛性が不足する傾向がある。
そのような場合には、図7(b)に示されるように、研削砥石の表面近傍における砥粒Gの先端が摩耗して、砥粒Gが研削砥石から離脱せず、いわゆる自生発刃が生じないという問題が起こる。研削砥石の表面近傍における砥粒Gの先端が摩耗する場合には、基板に接触する作用砥粒数が増大するので、研削温度が上昇して、面焼けが発生することにもつながる。従って、難削材からなる基板を研削する場合には、研削比を極端に低くするような砥石構成が必要であり、研削比が低い場合には研削砥石の寿命が著しく低下することになる。
基板一枚当たりの加工コストの増加および基板の外周部の面ダレに関する問題点は、ラップ仕上における取り代(除去されるべき加工変質層55の厚さ)を小さくすることにより解決でき、この目的のために、粗研削後に基板を仕上研削することも考えられる。しかしながら、従来の研削方式では、研削砥石等の剛性不足および研削砥石の寿命の低下についての問題点が解決しておらず、仕上研削の実現には至っていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ラップ仕上における取り代を少なくして、ラップ仕上に要する時間およびダイアモンドスラリー使用量を抑えることのできる、仕上研削方法およびそのような方法を実施する仕上研削装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために1番目の発明によれば、粗研削された基板の表面を仕上研削する仕上研削装置において、前記基板を研削する研削砥石を備えていて回転可能な研削部と、該研削部の前記研削砥石に対面して配置されていて、前記基板を保持しつつ回転可能なチャックと、前記研削部をその回転軸に沿って前記チャックに向かって送込む研削送り部と、該研削送り部が前記研削部を送込む送り量に応じて、前記研削砥石に対する前記基板の研削比を変更する研削比変更部とを具備し、前記研削比変更部は、前記研削部の前記研削砥石に対面して配置されたドレス部材と、前記送り量に応じて前記ドレス部材を前記研削砥石に押付ける圧力を変化させる押付機構部または前記基板を仕上研削する時間に応じて前記ドレス部材を前記研削砥石に押付ける圧力を変化させる押付機構部とを含む、仕上研削装置が提供される。
粗研削後の基板の表面には、複数の層からなる加工変質層が形成されており、加工変質層における各層の厚さは実験等により予め把握できている。1番目の発明においては、研削部の送り量に応じて研削比を変更できるので、研削砥石の寿命を長く出来ると共に、加工変質層における各層に応じた適切な研削を行うことができる。その結果、仕上研削後の基板の表面における加工変質層を、粗研削後の加工変質層と比較してかなり薄くでき、従って、後工程のラップ仕上における取り代を小さくできる。それゆえ、ラップ仕上に要する時間およびダイアモンドスラリー使用量を抑えることが可能となる。さらに、1番目の発明においては、ドレス部材を研削砥石に押付ける押付圧力を送り量に応じて変化させることによって、基板を研削しつつ研削比を容易に変更することができる。なお、チャックが研削部の表面の約半分、もしくはそれ以下の領域において研削砥石に対面して配置され、ドレス部材が研削部の表面の残りの領域において研削砥石に対面して配置されるのが好ましい。さらに、1番目の発明においては、ドレス部材を研削砥石に押付ける押付圧力を時間に応じて変化させることによって、基板を研削しつつ研削比を容易に変更することができる。なお、チャックが研削部の表面の約半分の領域において研削砥石に対面して配置され、ドレス部材が研削部の表面の残りの領域において研削砥石に対面して配置されるのが好ましい。また、送り開始からの時間に応じて送り速度が変化するプログラムに基づいて仕上研削装置が動作する場合には、時間と送り速度とに基づいて、研削比が変更されるものとする。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、粗研削された前記基板の表面には、複数種類の層からなる加工変質層が形成されており、前記押付機構部は、前記基板の表面に位置する前記加工変質層の層に応じて、前記圧力を変化させるようにした。
すなわち2番目の発明においては、加工変質層におけるそれぞれの層に応じた適切な研削を行うことができる。
3番目の発明によれば、粗研削された基板の表面を仕上研削する仕上研削方法において、前記基板を研削する研削砥石を備えた研削部を回転させ、該研削部の前記研削砥石に対面して配置されていて、前記基板を保持するチャックを回転させ、前記研削部をその回転軸に沿って前記チャックに向かって送込み、前記研削部を送込む送り量に応じて、前記研削砥石に対する前記基板の研削比を変更し、前記研削部の前記研削砥石に対面して配置されたドレス部材を前記研削砥石に押付ける圧力を前記送り量または前記基板を仕上研削する時間に応じて変化させることにより、前記基板の研削比を変更するようにした、仕上研削方法が提供される。
粗研削後の基板の表面には、複数の層からなる加工変質層が形成されており、加工変質層における各層の厚さは実験等により予め把握できている。3番目の発明においては、研削部の送り量に応じて研削比を変更できるので、研削砥石の寿命を長く出来ると共に、加工変質層における各層に応じた適切な研削を行うことができる。その結果、仕上研削後の基板の表面における加工変質層を、粗研削後の加工変質層と比較してかなり薄くでき、従って、後工程のラップ仕上における取り代を小さくできる。それゆえ、ラップ仕上に要する時間およびダイアモンドスラリー使用量を抑えることが可能となる。さらに、ドレス部材を研削砥石に押付ける押付圧力を送り量または時間に応じて変化させることによって、基板を研削しつつ研削比を容易に変更することができる。なお、チャックが研削部の表面の約半分、もしくはそれ以下の領域において研削砥石に対面して配置され、ドレス部材が研削部の表面の残りの領域において研削砥石に対面して配置されるのが好ましい。また、チャックが研削部の表面の約半分の領域において研削砥石に対面して配置され、ドレス部材が研削部の表面の残りの領域において研削砥石に対面して配置されるのが好ましい。また、送り開始からの時間に応じて送り速度が変化するプログラムに基づいて仕上研削装置が動作する場合には、時間と送り速度とに基づいて、研削比が変更されるものとする。
4番目の発明によれば、3番目の発明において、粗研削された前記基板の表面には、複数種類の層からなる加工変質層が形成されており、前記基板の表面に位置する前記加工変質層の層に応じて、前記圧力を変化させるようにした。
すなわち4番目の発明においては、加工変質層におけるそれぞれの層に応じた適切な研削を行うことができる。
5番目の発明によれば、3番目の発明において、研削加工中、砥石回転軸に対して常にその負荷をモニタリングし、砥面の状態を間接的に把握することにより、その状態に応じて研削比を変更するようにした。
すなわち5番目の発明においては、砥石回転軸の負荷により砥面の状態を間接的に把握することによって、基板を研削しつつ砥面の状態に応じた適切な研削を行うことができる。
6番目の発明によれば、3番目の発明において、さらに、前記基板が仕上研削される厚さをリアルタイムで検出する検出部を具備し、前記研削部の前記研削砥石に対面して配置されたドレス部材を前記研削砥石に押付ける圧力を、前記検出部が検出した前記基板の厚さまたは取り代に応じて変化させることにより、前記基板の研削比を変更するようにした。
すなわち6番目の発明においては、ドレス部材を研削砥石に押付ける押付圧力を基板の厚さまたは取り代に応じて変化させることによって、基板を研削しつつ研削比を容易かつ正確なタイミングで変更することができる。なお、検出部は、チャックの表面と基板の上面とに設置可能な二つのインプロセスゲージであるのが好ましい。
本発明において難削材基板を研削するときのプロセスフローを示す図である。 本発明に基づく仕上研削装置の側面図である。 図2に示される仕上研削装置の部分断面図である。 図2に示される仕上研削装置における研削部の底面図である。 砥石軸回転数などのタイムチャートを示す図である。 粗研削した後におけるサファイア基板の部分断面図である。 (a)非難削材を研削するときの研削砥石の部分拡大図である。(b)難削材を研削するときの研削砥石の部分拡大図である。 本発明の他の実施形態における仕上研削装置の側面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同様の部材には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1は本発明において難削材基板を研削するときのプロセスフローを示す図である。図1に示されるように、本発明において難削材、例えばサファイアまたは炭化ケイ素からなる基板W(以下、単に「基板W」と称する)を研削する際には、はじめに横型研削盤1で粗研削し、次いで本発明に基づく仕上研削装置2で仕上研削し、最終的にラップ盤3でラップ仕上する。
図6を参照して分かるように、横型研削盤1の研削砥石(番手♯260〜♯320)により所定条件下で基板Wを粗研削すると、多結晶質層51、モザイク層52およびクラック層53からなる加工変質層55が基板Wの研削面50に形成される。そして、本発明においては、そのような基板Wをラップ加工する前に、仕上研削装置2により仕上研削する。
図2は本発明に基づく仕上研削装置の側面図である。さらに、図3は、図2に示される仕上研削装置の部分断面図であり、図4は、図2に示される仕上研削装置における研削部の底面図である。
図2に示されるように、仕上研削装置2は、砥石軸11回りに回転可能な研削部10を有している。研削部10の底面には、基板Wを研削するための複数の研削砥石12が取付けられている。図4に示される実施形態においては、八つの細長状研削砥石12が研削部10の半径方向に等間隔で延びている。なお、研削砥石12の形状、ならびにその個数は図4に示される形状に限定されないことに留意されたい。
公知であるように、これら研削砥石12は、複数の砥粒Gと、これら砥粒Gを互いに結合する結合剤Fとから構成されている(図7を参照されたい)。また、仕上研削装置2における研削砥石12の番手は、例えば♯1000〜♯2000である。
再び図2を参照すると、少なくとも一つの基板W(図面では三つの基板W)を保持するチャック20が、研削部10の研削砥石12に対面して配置されている。チャック20は、図3に示されるチャック軸21回りに回転できる。また、図4から分かるように、チャック20は研削部10の表面の中心を外れた一部分に対応した位置に配置されかつ、研削部10の外周からチャックの半径を越えて外れることはできない。なお、チャック20の直径は研削砥石12の長さ以下であるのが好ましい。また、図2に示されるように、チャック20は搬送システム25によって研削部10の下方位置から遠方の取出位置まで移動させられる。
さらに、ドレス部材30が、研削部10の表面の中心を外れた他の部分に対応した位置において研削砥石12に対面して配置されている。ドレス部材30はドレス軸31回りに回転するように構成されている。ドレス部材30は、研削砥石12よりも硬度の小さい材料、例えばホワイトアルミナから形成されている。なお、ドレス部材30が、研削砥石12よりも硬度の小さい他の材料から形成されていてもよい。
図3に示されるように、ドレス部材30は押付機構部35に連結されており、ドレス部材30は押付機構部35の動作に応じて研削部10の研削砥石12に押付けられるように構成されている。言い換えれば、ドレス部材30が研削部10に押付けられる押付圧力は、押付機構部35によって制御される。なお、図4から分かるように、ドレス部材30の直径は研削砥石12の長さよりも長いのが好ましい。
押付機構部35によってドレス部材30が研削砥石12に押付けられると、研削砥石12の砥粒Gが研削砥石12から離脱して、自生発刃が生じる。その結果、研削砥石12の摩耗量に対する、基板Wの研削量の比(以下、「研削比」と称する)が低下する。そして、押付圧力をさらに高くすると、研削砥石12はさらに摩耗するようになる。つまり、本発明におけるドレス部材30および押付機構部35は研削比変更部としての役目を果たす。
再び図2を参照すると、研削部10は連結部13を介してボールネジ15のナット16に連結されている。モータ18を回転させると、ボールネジ15のナット16はネジ軸17に沿って昇降する。その結果、研削部10を砥石軸11に沿ってチャック20に向かって移動させられる。このため、以下においては、ボールネジ15を研削送り部15と呼ぶ場合がある。
さらに、仕上研削装置2は、仕上研削装置2の動作全体を制御する制御部40を含んでいる。制御部40はデジタルコンピュータであり、砥石軸11、チャック軸21、ドレス軸31、押付機構部35およびモータ18の動作を制御する。さらに、制御部40は、仕上研削装置2を動作させる動作プログラムを含んでいる。また、制御部40は、仕上研削装置2の動作が開始してからの経過時間を計測する計時部としての役目を果たしうる。
図5は砥石軸回転数などのタイムチャートを示す図である。以下、図5を参照しつつ、本発明の仕上研削装置2の動作について説明する。なお、図5に示される区間A、B、Cは、図6に示される多結晶質層51、モザイク層52、クラック層53のそれぞれの厚さA'、B'、C'に対応する時間を表している。
また、仕上研削装置2の動作が開始される前に、横型研削盤1により粗研削された基板Wが保持されたチャック20が、図3に示される研削部10の下方位置に位置決めされているものとする。横型研削盤1による粗研削処理は所定条件下で行われるので、粗研削により形成された加工変質層55における多結晶質層51、モザイク層52およびクラック層53のそれぞれの厚さA'、B'、C'は実験等により予め把握されており、制御部40に記憶されているものとする。
図5に示される区間A、B、Cの長さは、後述する砥石送り速度と厚さA'、B'、C'とに基づいて定まる。砥石送り速度が変化する動作プログラムに従って仕上研削装置2が動作される場合には、各区間に対応する砥石送り速度と厚さA'、B'、C'とに基づいて、区間A、B、Cの長さが定められる。これら区間も制御部40に記憶されるものとする。
仕上研削装置2の動作開始時には、制御部40が、砥石軸11、ネジ軸17およびチャック軸21をそれぞれ所定の高い回転数で回転させる。その結果、ネジ軸17の回転数に応じて定まる砥石送り速度で、研削部10はチャック20に向かって送込まれる。
これにより、図5における区間Aにおいては、加工変質層55の多結晶質層51のみが基板Wの研削面50から除去される。言い換えれば、砥石軸11、ネジ軸17およびチャック軸21の回転数は、区間Aにおいて多結晶質層51のみが除去されるように設定されている。多結晶質層51は、加工変質層55以外の基板Wの箇所よりも脆いので、区間Aにおける研削比は大きい。なお、図5から分かるように、仕上研削装置2の動作開始時には、ドレス軸31および押付機構部35は動作していない。
区間Aに対応する多結晶質層51の厚さA'分だけ研削部10が送込まれると、制御部40は、区間Bにおいて、砥石軸11、ネジ軸17およびチャック軸21の回転数を区間Aの場合よりもそれぞれ低下させる。同時に、ドレス部材30をドレス軸31回りに所定の高回転数で回転させると共に、押付機構部35を起動して、ドレス部材30を所定の低押付圧力で研削砥石12に押付ける。従って、図5に示されるように、区間Bにおける研削比は、区間Aにおける研削比よりも低下する。
このような研削状況下で、区間Bにおいては、加工変質層55のモザイク層52のみが基板Wから除去される。言い換えれば、砥石軸11、ネジ軸17およびチャック軸21の回転数ならびにドレス軸31の回転数およびドレス部材30の押付圧力は、区間Bにおいてモザイク層52のみが除去されるように設定されている。
区間Bにおいては、ドレス部材30が研削砥石12に押付けられているので、研削砥石12は基板Wを研削しつつ、ドレス部材30によってドレスされる。従って、研削砥石12の砥粒(図7を参照されたい)の先端は摩耗せず、研削砥石12の砥粒は研削砥石12から適度に離脱する。その結果、研削砥石12には自生発刃が生じる。
一般に、難削材基材Wのモザイク層52を研削するときには、研削砥石12における砥粒の先端が摩耗して自生発刃が生じ難くなるので、モザイク層52の研削は多結晶質層51の研削よりも困難である。しかしながら、本発明においては、基材Wの研削と同時に、研削砥石12をドレッシングしているので、研削砥石12に自生発刃が生じる。従って、難削材からなる基材Wを研削している場合であっても、難削材基板Wのモザイク層52を低ダメージで容易に除去できる。それゆえ、本発明においては、研削温度の上昇および面焼けの発生を抑えることも可能である。
なお、チャック軸21の回転数を下げることによって研削砥石12の摩耗量は減少する。しかしながら、チャック軸21の回転数を下げた場合には、研削面の表面粗さが大きくなるので、チャック軸21の回転数は、図5に示される区間A〜区間Cにわたって一定であってもよい。
区間Bに対応するモザイク層52の厚さB1分だけ研削部10が送込まれると、制御部40は区間Cにおいて、砥石軸11、ネジ軸17およびチャック軸21の回転数を区間Bの場合よりもそれぞれさらに低下させる。そして、ドレス部材30をドレス軸31回りに所定の低回転数で回転させると共に、ドレス部材30を所定の高押付圧力で研削砥石12に押付ける。従って、図5に示されるように、区間Cにおける研削比は、区間Bにおける研削比よりもさらに低下する。
このような研削状況下で、区間Cにおいては、加工変質層55のクラック層53のみが基板Wから除去される。言い換えれば、砥石軸11、ネジ軸17およびチャック軸21の回転数ならびにドレス軸31の回転数およびドレス部材30の押付圧力は、区間Cにおいてクラック層53のみが除去されるように設定されている。
クラック層53はモザイク層52よりも研削し難いものの、前述したのと同様な理由により、研削砥石12には自生発刃がさらに生じる。このため、本発明においては、研削温度が上昇することなしにおよび面焼けが発生することなしに、難削材基板Wのクラック層53を低ダメージで容易に除去することができる。
区間Cに対応するクラック層53の厚さC'分だけ研削部10が送込まれると、クラック層53が除去される。その後、搬送システム25によってチャック20は研削部10の下方位置から遠方の取出位置まで搬送される(図2を参照されたい)。そして、基板Wはチャック20から取外されて、図1に示されるラップ盤3によりラップ仕上される。
前述したように、本発明においては、研削部10の送込み量に応じて研削砥石12の研削比を変更するようにしている。従って、仕上研削装置2により仕上研削された基板Wにも加工変質層55が形成されているものの、仕上研削後の加工変質層55は粗研削後の加工変質層55よりもかなり小さくてすむ。或る実施例においては、仕上研削装置2による仕上研削後に形成される加工変質層55の厚さは約5um以下である。
つまり、本発明においては、仕上研削装置2を使用することなしにラップ仕上する場合と比較して、ラップ盤3による取り代をかなり小さくすることができる。このため、本発明においては、従来技術の場合と比較して、ラップ仕上に要する時間を大幅に短縮できる。その結果、ラップ仕上に必要とされるダイアモンドスラリーの使用量を減らすことも可能である。また、ラップ仕上に必要とされる時間が短くて済むので、ラップ仕上される基板Wの厚さ制御も比較的容易であり、また基板Wの外周部における面ダレの発生も抑えられる。
また、図面を参照した実施形態においては、押付機構部35がドレス部材30を押付けること等により研削比を変更している。しかしながら、研削比を変更することのできる他の手段を使用できるのは、当業者であれば明らかであろう。
さらに、図8は本発明の他の実施形態における仕上研削装置の側面図である。図8においては、チャック20は、単一の基板Wを保持している。この基板Wは図2に示される基板Wよりも大きくて、その直径は一つの研削砥石12の長さよりも短い。このため、図示されるように、チャック20に保持された基板Wの一部分は、研削部10の下面からはみ出している。
図8から分かるように、チャック20の上面縁部には、基板Wが存在していなくて、上面が露出している環状領域が存在している。図示しない固定部から片持ち式に延びる第一インプロセスゲージ61の先端は、この環状領域に接触している。同様に片持ち式に延びる第二インプロセスゲージ62の先端は、基板Wの上面に接触している。
これらインプロセスゲージ61、62は算出部60に接続されており、接触式センサとしての役目を果たす。算出部40は、二つのインプロセスゲージ61、62の検出値の偏差を基板Wの厚さとして算出する。また、算出部40は仕上研削前の基板Wの厚さから第一インプロセスゲージ61の検出値を減算した値を基板Wの取り代として算出することもできる。本発明においては、このようなインプロセスゲージ61、62を備えているので、基板Wの厚さをインプロセスで常時モニタリングしながら、所望の厚さまたは所望の取り代になるまで基板Wを研削することができる。
従って、図8に示される実施形態においては、リアルタイムで検出された基板Wの厚さまたは取り代に応じてドレス部材30を研削砥石12に押付ける圧力を変更し、それにより、基板Wの研削比を変更することができる。それゆえ、この場合にも、加工変質層における層の種類に応じて研削比を変更し、その結果、前述したのと同様な効果が得られるのが分かるであろう。
1 横型研削盤
2 仕上研削装置
3 ラップ盤
10 研削部
11 砥石軸
12 研削砥石
13 連結部
15 ボールネジ(研削送り部)
16 ナット
17 ネジ軸
18 モータ
20 チャック
21 チャック軸
25 搬送システム
30 ドレス部材(研削比変更部)
31 ドレス軸
35 押付機構部(研削比変更部)
40 制御部
50 研削面
51 多結晶質層
52 モザイク層
53 クラック層
55 加工変質層
60 算出部
61、62 インプロセスゲージ(検出部)
F 結合剤
G 砥粒
W 基材

Claims (2)

  1. 回転するチャックに保持された基板の表面を研削加工する研削装置において、
    前記基板の表面を研削する回転可能な複数の研削砥石を備えた研削部と、前記複数の研削砥石は前記研削部の周方向に等間隔で半径方向に延びており、
    さらに、
    前記研削砥石を前記基板に対して相対的に送り込む研削送り部と、
    前記研削砥石をドレスする平板状のドレス部材と、
    前記ドレス部材を前記研削砥石に押し付ける圧力を調整する押付機構部と、
    を備え、
    前記ドレス部材の直径は研削砥石の長さよりも長くなっており、
    前記研削砥石は、その面内で、前記基板と前記ドレス部材に対面して配置されることを特徴とする研削装置。
  2. 回転するチャックに保持された基板の表面を研削加工する研削方法において、
    前記基板の表面を研削する回転可能な複数の研削砥石を備えた研削部と、前記複数の研削砥石は前記研削部の周方向に等間隔で半径方向に延びており、
    さらに、
    前記研削砥石を前記基板に対して相対的に送り込む研削送り部と、
    前記研削砥石をドレスする平板状のドレス部材と、
    前記ドレス部材を前記研削砥石に押し付ける圧力を調整する押付機構部と、
    を備え、
    前記ドレス部材の直径は研削砥石の長さよりも長くなっており、
    前記研削砥石は、その面内で、前記基板と前記ドレス部材に対面して配置され、前記ドレス部材により前記研削砥石の研削比を変更する研削方法。
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