JP2013094924A - 貫通電極付きセラミック基板の研削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 貫通電極付きセラミック基板の研削加工速度を向上させる。
【解決手段】 貫通電極付きセラミック基板(ワーク)wのカップホイール型研削砥石3aによる研削加工作業と一緒に前記カップホイール型研削砥石3aの刃先3agをドレッサー4の成形砥石4gでインプロセスドレッシング作業を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 貫通電極付きセラミック基板(ワーク)wのカップホイール型研削砥石3aによる研削加工作業と一緒に前記カップホイール型研削砥石3aの刃先3agをドレッサー4の成形砥石4gでインプロセスドレッシング作業を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミック基板に金属(銀、金、銅)電極が設けられた貫通電極付きセラミック基板をカップホイール型研削砥石を用いて表面を研削加工して基板の厚みを薄肉化する、セラミック基板の研削方法に関する。貫通電極付きセラミック基板は、発光デバイスに利用される。
特開2010−153742号公報(特許文献1)は、発光デバイス(LED)に利用される貫通電極付きガラスセラミック基板の製造方法を提案する。ガラスセラミック基板としてグリーンシート焼結セラミック基板も利用できることも開示する。
特開2005−1975号公報(特許文献2)は、互いに同種の無機物質(窒化アルミニウムやアルミナ)で構成される結晶子径平均1〜50μmの複数の結晶相が異種の無機物質で構成される粒界相を介して接合した構造を含むセラミック基板を、粒度#2,000〜#30,000の砥粒(ダイヤモンド、SiC、アルミナ、BN)を導電性金属ボンド剤(鉄、鋳鉄、カーボン)で結合した導電性砥石を用いた電解インプロセスドレッシング研削により加工してその少なくとも一つの面の算術表面粗さRaが0.04μm以下のセラミック基板を作成し、そのRaが0.04μm以下の表面上に金属薄膜層をスパッタリングやCVD方法で接合したメタライズセラミック基板を開示する。
また、セラミック材の研削方法として特開2010−83875号公報(特許文献3)は、水静圧軸受けされた砥石軸に軸承されたダイヤモンドレジノイド砥石車を用い、水静圧軸受けされた回転軸に軸承されたロータリーテーブル上にセラミック材(ワーク)を載せ、このワークを回転させながら前記砥石車でワーク表面をロータリー研削加工する方法を開示する。この特許文献3の段落0041には、砥石車の磨耗を回復するドレッシング作業は、研削開始前、または、研削終了後に行う記載がなされている。
上記特許文献2および特許文献3記載のワークは、セラミック材であって貫通電極付きセラミック基板ではない。なお、セラミック基板の素材としては、アルミナ、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)などが通常使用されている。
本願特許出願がなされる現在の発光デバイス製造現場では、厚み4.7から4.8mm対角長さ321mmの16角貫通電極付きセラミック基板(ワーク)をバキュームチャック回転テーブル上に載置し、粒度#300〜#600の砥粒(ダイヤモンド、SiC、BN)をボンド剤で結合(メタルボンドまたはビトリファイドボンド)したカップホイール型砥石を用い、その砥石を軸承する砥石軸をワークに急速度で接近させ、エアーカット作業後に前記接近速度の1/10速度でワークに前記砥石を移動させてワークに当接させた後、砥石軸を前進させて砥石とワークを摺擦するインフィード研削をなし、ワーク厚みが所望の厚み(4.5mm)となったらスパークアウトさせ、砥石軸を研削開始位置まで後退させる基板の平坦化加工方法が実施されている。砥石の磨耗を回復するドレッシング作業は、ダイヤモンドレジンボンド成形砥石、cBNレジンボンド成形砥石を用いて基板の研削開始前、または、研削終了後に行なわれている。また、両面研削装置のキャリアにワークを保持させ、ワークの表裏面をダイヤモンド研削砥石で6分間かけてワークの厚みを減らす基板の平坦化加工方法も実施されている。
上述の現在の現場で貫通電極付きセラミック基板(ワーク)をカップホイール型研削砥石で薄肉化する方法は、ドレッシング作業が研削加工の開始前、または研削加工終了後に行われている。それゆえ、ワークの研削加工の途中で砥石によるワーク表面の研削取り代速度が随時低下し、研削作業時間が長くなる。
本発明者らは、前記特許文献2記載のように研削砥石によるワークの研削加工とドレッサーによる研削砥石の成形を同時に行うインプロセス加工方法を採用すれば、研削速度を暫時低下させることなくワークの研削加工時間を短縮できることを見出し、本発明に想到した。また、ワークの厚みをインプロセスゲージもしくは非接触変位センサーで基板の研削加工中に測定すれば、前記エアーカット工程、スパークアウト工程も省略でき、ワークの研削加工時間をより短縮できる。
本発明の請求項1は、貫通電極付きセラミック基板(ワーク)をバキュームチャック回転テーブル上に載置し、粒度#300〜#800の砥粒をボンド剤で結合したカップホイール型研削砥石を用い、そのカップホイール型研削砥石を前記ワーク表面上で摺擦させて厚みを減少させるワークの研削加工をするとともに、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石をドレッサーでインプロセスドレス成形することを特徴とする、貫通電極付きセラミック基板の研削方法を提供するものである。
本発明の請求項2は、貫通電極付きセラミック基板が銀貫通電極付きアルミナセラミック基板であり、カップホイール型研削砥石がダイヤモンドメタルボンドカップホイール型研削砥石であることを特徴とする請求項1記載の貫通電極付きセラミック基板の研削方法を提供するものである。
研削砥石によるワークの研削加工と研削砥石のドレッシング作業を同時に平行して行うので、研削加工中、研削砥石の目立てが常時、ドレッサーにより実施されるので研削砥石のワーク研削速度が低下することはない。
図1に示す研削装置1は、ポーラスセラミックチャックテーブル2aを回転軸2bに軸承させた吸着チャック機構2、砥石軸3bに軸承されたカップホイール型研削砥石3aを備える砥石ヘッド3、研削砥石の刃先3agをドレッシングする成形砥石4gを備えるドレッサー4および研削液供給ノズル5を備える。セラミックプレートw1に貫通電極w2を備える貫通電極付きセラミック基板(ワーク)wは、前記ポーラスセラミックチャックテーブル2a上に載置される。
前記カップホイール型研削砥石3aおよびドレッサーの成形砥石4gの砥粒素材として砥番#300〜#800のダイヤモンド、cBN、SiCの砥粒を用いたビトリアイドボンド砥石、メタルボンド砥石、レジンボンド砥石などが利用できる。なかでも、ダイヤモンドメタルボンドカップホイール型研削砥石が研削速度の面で優れる。
研削液としては、純水、イオン交換水、エタノールアミン水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、苛性カリ水溶液等の導電性水溶液、セリア水分散液、アルミナ水分散液、ダイヤモンド水分散液などが利用できる。
上記研削装置1を用いて貫通電極付きセラミック基板(ワーク)wを研削加工する方法は、ワークwをバキュームチャック2のポーラスセラミックテーブル2a上に載置し、回転軸2bを100〜250min−1回転させることによりワークを回転させ、粒度#300〜#800の砥粒をボンド剤で結合したカップホイール型研削砥石3の砥石軸3を800〜2,000min−1回転させながら下降させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3agを前記ワーク表面上で摺擦させて厚みを所望量(2〜3mm)減少させるワークの研削加工をするとともに、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の砥石刃先3agをドレッサー4の成形砥石4gでインプロセスドレス成形する。研削加工中、ワークの表面には研削液供給ノズル5より研削液が10〜20リットル/分の割合で供給される。
実施例1
肉厚4.327mmのAg貫通電極付きアルミナセラミック基板(ワーク)wを80min−1回転させつつ、A社製の砥番#325のダイヤモンドメタルボンドカップホイール型研削砥石“MT#325”(グレード名)を用い、カップホイール型研削砥石3の砥石軸3を1,100min−1回転させながら下降させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3agを前記ワーク表面上で摺擦させて20μmダウンフィードの研削加工を120秒間行った。研削加工中、ワーク表面には、研削液(純水)が14リットル/分の割合で供給された。また、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の砥石刃先3agをドレッサー4の成形砥石4gでインプロセスドレス成形した。研削加工の取り代量は、128.4μmであった。
肉厚4.327mmのAg貫通電極付きアルミナセラミック基板(ワーク)wを80min−1回転させつつ、A社製の砥番#325のダイヤモンドメタルボンドカップホイール型研削砥石“MT#325”(グレード名)を用い、カップホイール型研削砥石3の砥石軸3を1,100min−1回転させながら下降させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3agを前記ワーク表面上で摺擦させて20μmダウンフィードの研削加工を120秒間行った。研削加工中、ワーク表面には、研削液(純水)が14リットル/分の割合で供給された。また、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の砥石刃先3agをドレッサー4の成形砥石4gでインプロセスドレス成形した。研削加工の取り代量は、128.4μmであった。
研削加工された厚み4.199mmのAg貫通電極付きアルミナセラミック基板の面粗さRa,Ryは、中央でRa0.118μm、Ry0.907μm、1/4ミッドル部でRa0.115μm、Ry0.559μm、縁部でRa0.115μm、Ry0.799μmであった。また、Ag貫通電極付きアルミナセラミック基板の厚みのバラツキ(P−V)は、研削加工初期が66.9μmであったのが研削加工終了時は13.9μmであった。
比較例1
実施例1において、成形砥石による研削砥石の刃先のインプロセスドレッシング作業を行わない外は実施例1と同様にして、Ag貫通電極付きアルミナセラミック基板を研削加工した。研削加工の取り代量は、63.4μmであり、研削加工終了時期の研削速度はオーバーロード気味であった。
実施例1において、成形砥石による研削砥石の刃先のインプロセスドレッシング作業を行わない外は実施例1と同様にして、Ag貫通電極付きアルミナセラミック基板を研削加工した。研削加工の取り代量は、63.4μmであり、研削加工終了時期の研削速度はオーバーロード気味であった。
比較例2
Ag貫通電極付きアルミナセラミック基板(ワーク)wを150min−1回転させつつ、B社製の砥番#500のダイヤモンドビトリファイドボンドカップホイール型研削砥石“VT#500”(グレード名)を用い、カップホイール型研削砥石3の砥石軸3を800min−1回転させながら下降させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3agを前記ワーク表面上で摺擦させて20μmダウンフィードの研削加工を120秒間行った。研削加工中、ワーク表面には、研削液(純水)が14リットル/分の割合で供給された。また、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の砥石刃先3agのドレッサー4の成形砥石4gでのインプロセスドレス成形は行わなかった。、研削取り代量は、57.8μmであった。
Ag貫通電極付きアルミナセラミック基板(ワーク)wを150min−1回転させつつ、B社製の砥番#500のダイヤモンドビトリファイドボンドカップホイール型研削砥石“VT#500”(グレード名)を用い、カップホイール型研削砥石3の砥石軸3を800min−1回転させながら下降させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3agを前記ワーク表面上で摺擦させて20μmダウンフィードの研削加工を120秒間行った。研削加工中、ワーク表面には、研削液(純水)が14リットル/分の割合で供給された。また、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の砥石刃先3agのドレッサー4の成形砥石4gでのインプロセスドレス成形は行わなかった。、研削取り代量は、57.8μmであった。
研削加工された厚み4.272mmのAg貫通電極付きアルミナセラミック基板の面粗さRa,Ryは、中央でRa0.262μm、Ry1.570μm、1/4ミッドル部でRa0.174μm、Ry1.082μm、縁部でRa0.281μm、Ry1.455μmであった。また、Ag貫通電極付きアルミナセラミック基板の厚みのバラツキ(P−V)は、研削加工初期が68.4μmであったのが研削加工終了時は8.7μmであった。
実施例2
厚み4.261mmのAg貫通電極付きアルミナセラミック基板(ワーク)wを200min−1回転させつつ、旭ダイヤモンド工業株式会社製の砥番#400のダイヤモンドメタルボンドカップホイール型研削砥石“AM#400”(グレード名)を用い、カップホイール型研削砥石3の砥石軸3を1,800min−1回転させながら下降させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3agを前記ワーク表面上で摺擦させて20μmダウンフィードの研削加工を120秒間行った。研削加工中、ワーク表面には、研削液(純水)が14リットル/分の割合で供給された。また、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の砥石刃先3agをドレッサー4の成形砥石4gでインプロセスドレス成形した。研削取り代量は130.5μmであった。
厚み4.261mmのAg貫通電極付きアルミナセラミック基板(ワーク)wを200min−1回転させつつ、旭ダイヤモンド工業株式会社製の砥番#400のダイヤモンドメタルボンドカップホイール型研削砥石“AM#400”(グレード名)を用い、カップホイール型研削砥石3の砥石軸3を1,800min−1回転させながら下降させて、そのカップホイール型研削砥石の砥石刃先3agを前記ワーク表面上で摺擦させて20μmダウンフィードの研削加工を120秒間行った。研削加工中、ワーク表面には、研削液(純水)が14リットル/分の割合で供給された。また、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石の砥石刃先3agをドレッサー4の成形砥石4gでインプロセスドレス成形した。研削取り代量は130.5μmであった。
研削加工された厚み4.131mmのAg貫通電極付きアルミナセラミック基板の面粗さRa,Ryは、中央でRa0.233μm、Ry0.253μm、1/4ミッドル部でRa0.186μm、Ry1.010μm、縁部でRa0.201μm、Ry1.272μmであった。また、Ag貫通電極付きアルミナセラミック基板の厚みのバラツキ(P−V)は、研削加工初期が72.4μmであったのが研削加工終了時は2.8μmであった。
カップホイール型砥石による貫通電極付きアルミナセラミック基板(ワーク)の表面研削加工と平行して前記カップホイール型砥石の刃先をドレッサーでインプロセスドレッシングすることにより、ワークの研削速度を途中で低減させることなくワーク表面を平坦化加工できる。
w ワーク
1 研削装置
2 バキュームチャック機構
3 研削ヘッド
3a カップホイール型砥石
4 ドレッサー
4g 成形砥石
5 研削液供給ノズル
1 研削装置
2 バキュームチャック機構
3 研削ヘッド
3a カップホイール型砥石
4 ドレッサー
4g 成形砥石
5 研削液供給ノズル
Claims (2)
- 貫通電極付きセラミック基板(ワーク)をバキュームチャック回転テーブル上に載置し、粒度#300〜#800の砥粒をボンド剤で結合したカップホイール型研削砥石を用い、そのカップホイール型研削砥石を前記ワーク表面上で摺擦させて厚みを減少させるワークの研削加工をするとともに、この研削加工中に前記カップホイール型研削砥石をドレッサーでインプロセスドレス成形することを特徴とする、貫通電極付きセラミック基板の研削方法。
- 貫通電極付きセラミック基板が銀貫通電極付きアルミナセラミック基板であり、カップホイール型研削砥石がダイヤモンドメタルボンドカップホイール型研削砥石であることを特徴とする、請求項1記載の貫通電極付きセラミック基板の研削方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011241925A JP2013094924A (ja) | 2011-11-04 | 2011-11-04 | 貫通電極付きセラミック基板の研削方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016165777A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 日本碍子株式会社 | セラミック構造体の製法 |
CN106695478A (zh) * | 2016-12-08 | 2017-05-24 | 中国电子科技集团公司第四十六研究所 | 一种用于氧化镓晶体的防解理加工方法 |
KR20220068660A (ko) * | 2020-11-19 | 2022-05-26 | 이정훈 | 세라믹보드 제조방법 |
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2011
- 2011-11-04 JP JP2011241925A patent/JP2013094924A/ja active Pending
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KR20160110217A (ko) * | 2015-03-10 | 2016-09-21 | 엔지케이 인슐레이터 엘티디 | 세라믹 구조체의 제법 |
KR102430204B1 (ko) * | 2015-03-10 | 2022-08-05 | 엔지케이 인슐레이터 엘티디 | 세라믹 구조체의 제법 |
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