JP6299422B2 - 内燃機関のクランクケース及び内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク室とオイルパン室とが隔壁部によって隔てて形成された内燃機関のクランクケース及び内燃機関に関する。
従来、自動二輪車などのエンジンにおいては、特許文献1に開示されるように、隔壁によってクランク室とオイルパン室とに隔てられた構造が知られている。隔壁には、リードバルブが設けられ、このリードバルブを通じて、クランク室内のオイル及びブローバイガスをオイルパン室に排出可能となっている。特許文献1において、リードバルブの下方にはリブが形成されている。クランク室からリードバルブを通じて噴出されたオイル及びブローバイガスは、オイルパン室に貯留されたオイルの油面に達する前に、リブによって受け止められて気液分離される。
ところで、特許文献1において、クランク室及びオイルパン室は、左右のクランクケースを接合して形成され、これらクランクケースの分割面を跨いでオイル通路が形成されている。そして、このオイル通路を通じて、エンジンの各部に潤滑等に利用されるオイルが供給される。
特開2007−64080号公報
しかしながら、特許文献1の構造においては、オイルパン室の前方にオイル通路が形成され、オイルパン室の後方にリブが形成されるので、オイルパン室の離れた位置に2つの異なる機能を有する部位が別々に形成されることとなる。このため、オイルパン室に多くの空間が必要になるばかりでなく、オイルパン室のレイアウトや構造が複雑になる、という問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、バルブから噴出されるエンジンオイル及びブローバイガスを受け止めて気液分離することができ、オイルパン室を小型化しつつ構造を簡略にすることができる内燃機関のクランクケース及び内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関のクランクケースは、クランク軸を収容するクランク室と、その下方に位置するオイルパン室と、当該オイルパン室とクランク室との間に位置する隔壁部と、当該隔壁部に設けられたバルブとを備え、当該バルブの開放時に前記クランク室とオイルパン室とが連通する内燃機関のクランクケースにおいて、前記クランクケ−スは、前記クランク軸方向に延びてエンジンオイルが流通するオイル通路と、前記クランク軸方向に延びるリブとを内部に更に備え、前記オイル通路は複数形成され、複数のオイル通路は、近接しつつ略平行に並んで配置され、前記バルブの下方に位置し、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記バルブと上下方向に重なり、前記リブは、前記複数のオイル通路において、隣り合うオイル通路を連結する位置に形成されることを特徴とする。
この構成によれば、バルブ下方にオイル通路を設けたので、バルブから噴出されたブローバイガスがオイル通路に当って気液分離され、オイルパン室内におけるエンジンオイルの油面に対し、ブローバイガスが直接到達して撹拌されることを防止することができる。しかも、オイル通路に従来のリブの機能、すなわち、ブローバイガスを遮断する機能を持たせることができ、オイルパン室の小型化を図りつつ構造が複雑になることを抑制して生産性の向上を図ることができる。また、複数のオイル通路にブローバイガスが当たって気液分離し易くすることができる。更に、複数並んだオイル通路の間を埋めるようにリブを形成でき、リブとオイル通路とによって、広範囲に亘ってブローバイガスを阻止する機能を持たせることができる。しかも、リブによって複数のオイル通路の剛性を高めることも可能となる。
本発明の内燃機関のクランクケースは、車両に搭載され、クランク軸を収容するクランク室と、その下方に位置するオイルパン室と、当該オイルパン室とクランク室との間に位置する隔壁部と、当該隔壁部に設けられたバルブとを備え、当該バルブの開放時に前記クランク室とオイルパン室とが連通する内燃機関のクランクケースにおいて、前記クランクケ−スは、前記オイルパン室の上部に位置し、前記クランク軸方向に延びる管状に形成されてエンジンオイルが流通するオイル通路を内部に更に備え、前記バルブは、車体下方に向って流路が形成される様に弁孔が形成され、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記クランク軸よりも車体前方となる様に位置し、前記オイル通路は、前記バルブの下方に位置し、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が、前記クランク軸よりも車体前方となる様に位置し且つ前記バルブと上下方向に重なることを特徴とする。また、前記クランクケ−スは、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記クランク軸よりも車体前方となる様にシリンダが設けられるとよい。また、上記内燃機関のクランクケースにおいて、前記オイル通路は複数形成され、複数のオイル通路は、近接しつつ略平行に並んで配置されることが好ましい。この場合には、複数のオイル通路にブローバイガスが当たって気液分離し易くすることができる。
また、上記内燃機関のクランクケースにおいては、前記複数のオイル通路は、隣り合うオイル通路と結合して一体に形成されることが考えられる。この場合には、ブローバイガスが当たる領域を広範囲にすることができ、効率良く気液分離を行うことができる。しかも、隣り合うオイル通路が結合されることで、各オイル通路の剛性を高めることができる。
また、上記内燃機関のクランクケースにおいて、前記クランクケ−スは、前記クランク軸方向に延びるリブを内部に更に備え、前記リブは、前記バルブの下方であって、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記バルブと上下方向に重なる位置に設けられるとともに、前記オイル通路と結合して一体に形成されることが好ましい。この場合には、リブとオイル通路とを一体に形成したので、リブにブローバイガス阻止機能を持たせると同時に、リブによってオイル通路の剛性を高めることができる。
本発明の内燃機関においては、前記クランクケースを備えており、前記オイル通路にエンジンオイルを流通させる圧力を付与するオイルポンプを備え、前記オイル通路及びオイルポンプの両方は、前記クランク軸方向視にて、クランク軸中心を通る鉛直線に対し、何れか一方の側方に設けられることを特徴とする。この場合には、バルブの下方にオイル通路だけでなくオイルポンプも近接して配置でき、オイルポンプから内燃機関の各部へのオイル通路をブローバイガス拡散用に利用することができる。また、バルブ、オイル通路、オイルポンプを集中して配設でき、内燃機関をコンパクトに保つことができる。
本発明の内燃機関においては、前記クランクケースに連設されたシリンダを更に備え、当該シリンダは、前記クランク軸方向視にて、クランク軸中心を通る鉛直線に対し、前記オイル通路及びオイルポンプが位置する方に設けられ、前記オイルポンプは、クランク軸方向視にて、前記シリンダの下方に設けられることが好ましい。この場合には、オイル通路及びオイルポンプをシリンダ側に近接して配置可能とすることで、オイル通路を短くして効率的に形成することができ、内燃機関をコンパクトに形成することができる。
本発明の内燃機関においては、冷却水を圧送するウォータポンプを備え、当該ウォータポンプは、前記クランク軸方向視にて、クランク軸中心を通る鉛直線に対し、前記オイル通路及びオイルポンプが位置する方に設けられ、前記ウォータポンプ及び前記オイルポンプは、同一の駆動軸によって駆動することが好ましい。この場合には、ウォータポンプもオイルポンプ等に近接して配置でき、ウォータポンプを冷却水圧送先のシリンダに近付け、冷却水の通路構成の効率化を図ることができる。また、ウォータポンプとオイルポンプの駆動軸を共用することで、内燃機関をコンパクトに保つことができる。
本発明によれば、バルブ下方にオイル通路を設けたので、バルブから噴出されるエンジンオイル及びブローバイガスを受け止めて気液分離することができ、オイルパン室を小型化しつつ構造を簡略にすることができる。
本実施の形態に係る自動二輪車を斜め後方から見た概略斜視図である。 本実施の形態に係る内燃機関の平面図である。 上記内燃機関の正面図である。 上記内燃機関の右側面図である。 図2のA線に沿うa1矢視部分断面図である。 図2のA線に沿うa2矢視部分断面斜視図である。 図4のB線に沿うb1矢視部分断面図である。 図3のC線に沿うc1矢視部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る内燃機関をスクータタイプの自動二輪車に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明に係る内燃機関を、他のタイプの自動二輪車や、バギータイプの自動三輪車、自動四輪車などに適用しても良い。また、方向について、車体前方を矢印FR、車体後方を矢印RE、車体左側を矢印L、車体右側を矢印Rでそれぞれ示す。
図1を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車の一部の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車を斜め後方から見た概略斜視図である。なお、以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
図1に示すように、スクータタイプの自動二輪車1は、鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム(不図示)に、車両外装としての各種カバーを装着して構成されている。この自動二輪車1は、前方に運転者の足回りを保護するレッグシールド21が設けられている。レッグシールド21の後方には、センターフレームカバー22が設けられている。センターフレームカバー22の後方には、車両側面を覆うサイドフレームカバー23が設けられている。
車両前方には、ステアリングシャフト(不図示)を介してフロントフォーク31が回転可能に支持されている。フロントフォーク31の上方には、前輪3を操舵するためのハンドルバー32が設けられている。フロントフォーク31の下部には前輪3が回転可能に支持され、前輪3には、ブレーキディスク36とブレーキディスク36を挟持するキャリパー37とが設けられている。
サイドフレームカバー23の上側には、シート25が設けられている。サイドフレームカバー23の後部にはテールランプ44及びリヤフェンダ45が設けられている。サイドフレームカバー23の内側から後方に亘って、内燃機関としてのエンジン5が配置され、エンジン5における燃焼後のガスは、エンジン5の右側面において後方に設けられたマフラ46から排気ガスとして排出される。
サイドフレームカバー23の下側には、スイングアーム(不図示)が上下方向に揺動可能に支持されており、車体フレームとスイングアームとの間にはサスペンション42が取り付けられている。スイングアームの後部には、後輪4が回転可能に支持されている。また、エンジン5の前方側には、車両を支持するサイドスタンド47が設けられている。
以下、図2から図8を参照して、本実施の形態に係るエンジンの概略構成について説明する。図2は、エンジンの平面図、図3は、エンジンの正面図、図4は、エンジンの右側面図である。図5は、図2のA線に沿うa1矢視部分断面図、図6は、図2のA線に沿うa2矢視部分断面斜視図、図7は、図4のB線に沿うb1矢視部分断面図、図8は、図3のC線に沿うc1矢視部分断面図である。
図2から図4に示すように、本実施の形態に係るエンジン5は、単気筒の横型エンジンであり、後方から前方に向かって順に配設されたクランクケース51、シリンダ52及びシリンダヘッド53を備えて構成されている。エンジン5において、シリンダ52はクランクケース51から略前方向に突出して形成されている。クランクケース51は、左クランクケース55と右クランクケース56とからなる左右分割構造とされる。左クランクケース55の左側には、クラッチカバー59が設けられ、このクラッチカバー59と左クランクケース55との間にCVT(無段変速機構)等からなる変速機構(不図示)が設けられる。左クランクケース55の後方右側には、ミッションカバー61が設けられ、このミッションカバー61と左クランクケース55との間に減速機構(不図示)が設けられる。減速機構には、後輪4(図1参照)が軸支され、上記変速機構及び減速機構を介してエンジン5の動力が後輪4に伝達される。右クランクケース56の右側には、マグネトカバー62が設けられ、マグネトカバー62の下方位置には、ウォータポンプ64が装着されている。
図5及び図6に示すように、クランクケース51は、左クランクケース55及び右クランクケース56の各分割面55A、56Aに跨って形成されるクランク室67及びオイルパン室68を備えている。クランク室67には、車幅方向(左右方向)の延在するクランク軸70が収容され、クランク軸70は、クランクケース51に装着される軸受(不図示)を介して回転可能に支持されている。クランク室67は、シリンダ52内に形成されるシリンダ室52Aと連通しており、シリンダ室52A内には、ピストン71(図6では不図示)が往復動作可能に配設されている。ピストン71にはコンロッド72の前端側が連結されており、コンロッド72の後端側には、クランク軸70のピン70Aが連結されている。クランク軸70のピン70Aは、クランク軸70の中心CEに対して偏心して設けられるとともに、軸方向端部においてクランクウェブ73(図6では不図示)に連結されている。クランクウェブ73は、円板状に形成され、部分的に厚みを変えたり穴を形成したりすることで、周方向でのウエイト分布を調整している。
図7に示すように、マグネトカバー62の内側には発電用のフライホイール75が設けられ、フライホイール75は、不図示の伝達機構を介してクランク軸70に接続され、回転可能に設けられている。マグネトカバー62の下方には、ウォータポンプ64が貫通した状態で装着されている。ウォータポンプ64は、回転可能に支持された駆動軸77を備え、この駆動軸77には、図示省略したプーリやベルト等を介してクランク軸70の駆動力が伝達される。ウォータポンプ64は、駆動軸77に設けられたインペラ(不図示)を回転し、その遠心力によって冷却水をシリンダ52(図4参照)等に圧送する。
図7及び図8に示すように、右クランクケース56の内部であって、ウォータポンプ64の左側に隣接する位置には、オイルポンプ78が設けられている。オイルポンプ78は、上記駆動軸77によって駆動し、言い換えると、ウォータポンプ64及びオイルポンプ78は、同一の駆動軸77によってクランク軸70の駆動力が伝達される。オイルポンプ78は、駆動軸77の回転によって、オイルパン室68に貯留されたエンジンオイルをストレーナ(不図示)から汲み上げ、エンジン5の各部へエンジンオイルを圧送する。
続いて、図5から図8を参照して、クランクケース51におけるクランク室67及びオイルパン室68周りの構造について説明する。
図5及び図6に戻り、クランクケース51において、クランク室67の下方にオイルパン室68が位置し、両室間に位置して仕切るように隔壁部80が形成されている。また、隔壁部80には、前後及び左右方向に沿って位置するバルブ81が設けられている。
図5及び図6に示す側断面視において、隔壁部80は、クランクケース51の前壁51Aと後壁51Bとの間に亘って配設される。隔壁部80は、後壁51Bの内面から前方に延びる円弧壁部83と、バルブ81を保持する保持壁部84とを備えている。隔壁部80は、左クランクケース55と右クランクケース56との両方によって形成され、分割面55A、56Aで分割される。
円弧壁部83は、クランクウェブ73の後端側から下端側に沿って四分円弧状に延びている。そして、円弧壁部83の前端は、若干上向きに向けられつつ、クランク軸70の中心CEを通る鉛直線VLより前方に配設されている。
保持壁部84は、前壁51Aの内面から後方に延び、後端側が円弧壁部83の前端より後方の下面側に連なっている。従って、保持壁部84の後方領域は、円弧壁部83の前方領域と上下に重なって配設されている。保持壁部84の面内には、方形状の開口85が形成され、この開口85の内縁に沿って延びる溝内にガスケット86が圧入されている。そして、ガスケット86を介してバルブ81の外縁側が開口85の溝内に嵌め込まれている。
バルブ81は、リードバルブからなり、クランク室67からオイルパン室68への一方向のみの気体及び液体の通過を許容する。バルブ81は、方形状をなす支持板88と、支持板88の下面側に設けられたリード89とを備えている。支持板88の面内には、弁孔88Aが形成され、この弁孔88Aを下方から塞ぐようにリード89が設けられている。弁孔88Aは、分割面55A、56Aを挟んで左右2箇所位置に形成され、弁孔88Aの形成位置に応じて、リード89も2体設けられる(図7参照)。リード89は、弾性変形可能な片状部材により構成され、前端側が片持ち支持され、後端側が揺動するように変形可能に設けられる。バルブ81は、ピストン71が上死点近傍にあってクランク室67が負圧のときに、リード89によって弁孔88Aを閉鎖し、クランク室67を密閉した状態に保つ。この状態にあるときを、バルブ81の閉塞時、とする。一方、バルブ81は、ピストン71が下死点近傍にあってクランク室67が正圧のときに、リード89の先端が下方に変形して弁孔88Aを開放し、クランク室67とオイルパン室68とを連通した状態とする。この状態にあるときを、バルブ81の開放時、とする。なお、バルブ81は、上記鉛直線VLより前方に配設され、バルブ81の後方領域は、円弧壁部83の前方領域と上下に重なって配設されている。
クランクケース51におけるオイルパン室68の内部には、複数(本実施の形態では3本)のオイル通路91が形成されている。図8に示すように、オイル通路91は、分割面55A、56Aを跨ぎ、左クランクケース55と右クランクケース56との両方によって形成される。各オイル通路91には、オイルポンプ78からの圧力付与によってエンジンオイルが流通する。これらオイル通路91を介して、オイルパン室68に溜められたエンジンオイルがオイルフィルタ92に送出され、オイルフィルタ92で不純物が取り除かれたエンジンオイルがエンジン5の各部に供給される。
各オイル通路91は、オイルポンプ78の左側に形成されている。各オイル通路91は、左右方向(クランク軸方向)にそれぞれ延びて相互に略平行に形成されている。また、各オイル通路91は、前後方向に並んで配置されている。
図5及び図6に示すように、各オイル通路91は、バルブ81の下方に位置し、多角形或いは円形となる断面形状に形成されている。クランク軸方向視(図5の側断面視)にて、3本のオイル通路91のうち、後方から2本のオイル通路91は、バルブ81と上下方向に重なる位置に設けられている。オイル通路91は、前後方向に隣り合うオイル通路91と結合して一体に形成されている。換言すると、オイル通路91は、クランクケース91の前壁51Aから後方に向かって部分的に膨出する部分を形成し、この部分に3本の貫通孔を近接して形成するようにして設けられる。
クランクケ−ス51は、前後及び左右方向に延びるリブ94をオイルパン室68の内部に更に備えている。リブ94においても、分割面55A、56Aを跨ぎ、左クランクケース55と右クランクケース56との両方によって形成される(図8参照)。リブ94は、最後方のオイル通路91の後部と結合して一体に形成されている。また、リブ94は、バルブ81の下方に位置し、クランク軸方向視(図5の側断面視)にて、前半部領域がバルブ81と上下方向に重なる位置に設けられている。従って、リブ94の後端側は、バルブ81の後端より後方に配設され、更には、鉛直線VLよりも後方に配設されている。なお、図示省略したが、オイルパン室68に溜められるエンジンオイルの油面は、リブ94の高さより低く設定される。
次に、クランクケース51の各構成、ウォータポンプ64及びオイルポンプ78等の位置関係について以下に説明する。
図4に示すように、クランク軸方向視(車体の側面視)にて、オイルポンプ78は、鉛直線VLに対して前方に設けられている。また、図5に示すように、クランク軸方向視(側断面視)にて、各オイル通路91にあっても、鉛直線VLに対して前方に設けられている。つまり、オイルポンプ78及び各オイル通路91が両方とも、鉛直線VLより前方に配設されている。更に、バルブ81も鉛直線VLより前方に配設されるので、バルブ81の下方にオイル通路91とオイルポンプ78とが接近したレイアウトにすることができる。この結果、オイルポンプ78に直接接続されるオイル通路91をバルブ81の下方に配置することができる。また、バルブ81、オイル通路91、オイルポンプ78を前方に集中して配設でき、エンジン5の後方領域の簡略化を通じ、エンジン5全体のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
図4に示すように、クランク軸方向視(車体の側面視)にて、シリンダ52は、鉛直線VLに対し、オイル通路91及びオイルポンプ78が位置する方、すなわち前方に設けられている。また、図4において、オイルポンプ78は、シリンダ52の下方に設けられている。これにより、オイル通路91及びオイルポンプ78がシリンダ52側に近付いたレイアウトとなり、エンジンオイルの主な圧送先となるクランク軸70やシリンダヘッド53にオイル通路91を近付けることができる。この結果、オイル通路91に接続されてシリンダヘッド53に延びるエンジンオイル用の通路を短くでき、通路構成の効率化、圧力損失の抑制を図ることができる。
図4において、ウォータポンプ64は、鉛直線VLに対し、オイル通路91及びオイルポンプ78が位置する方、すなわち前方に設けられている。ウォータポンプ64は、シリンダ52の下方に設けられている。また、上述のようにウォータポンプ64及びオイルポンプ78は、同一の駆動軸77(図3参照)によって駆動するよう構成されている。これにより、ウォータポンプ64もオイルポンプ78等に接近して集中したレイアウトにすることができる。この結果、ウォータポンプ64を冷却水圧送先のシリンダ52に近付け、冷却水の通路構成の効率化を図ることができる。また、ウォータポンプ64とオイルポンプ78の駆動軸77を単一として共用しているので、エンジン5のコンパクト化、軽量化、部品点数の削減をより良く図ることができる。
以上の構成において、本実施の形態のエンジン5におけるシリンダ52内のピストン71が往復動作すると、シリンダ室52A及びクランク室70において、ブローバイガスが発生する。また、バルブ81は、ピストン71がシリンダ室52A内を往復動作することにより生じるクランク室67の脈動に応じて開閉する。クランク室67内のエンジンオイルは、クランク軸70の回転及び自重に伴ってバルブ81の近傍に集められ、バルブ81の開放時に、弁孔88Aを通じてオイルパン室68方向(下方向)に、ブローバイガスと共に噴出して排出される(図6中点線矢印参照)。
オイルパン室68において、バルブ81の下方にはオイル通路91とリブ94とが配設されるので、それらによってバルブ81から噴出したエンジンオイル及びブローバイガスが受け止められる。これにより、オイル通路91とリブ94とで噴出したエンジンオイル及びブローバイガスが気液分離され、オイルパン室68の底部に溜められたエンジンオイルに対し、噴出した勢いのままのブローバイガス等が吹き付けられることを防止することができる。この結果、ブローバイガス等の勢いによって、オイルパン室68のエンジンオイルが撹拌されることを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係るクランクケース51では、オイル通路91にエンジンオイルを流通させる機能に加え、バルブ81から噴出するブローバイガスを一旦遮断する機能を持たせることができる。これにより、オイル通路91を多機能としてオイルパン室68の構造を簡略化でき、エンジン5の生産性の向上を図ることができる。
また、左右方向に延びる複数のオイル通路91を前後に結合した状態で並べているので、ブローバイガスが直接吹き付けられる領域を広く設定でき、ブローバイガスとエンジンオイルとを分離し易くすることができる。更に、オイル通路91でブローバイガスを遮断する領域が広くなる分、リブ94の長さを短縮でき、これによっても、オイルパン室68の簡略化を図ることができる。しかも、複数のオイル通路91の結合により、細長い管状となるオイル通路91を相互に補強でき、更には、リブ94との一体化によってもオイル通路91の強度を増すことができる。この結果、オイル通路91に外力が加わっても変形し難くなり、オイル通路91における分割面55A、56Bの部分において、エンジンオイルが漏れることを防止することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、リブ94は、隣り合うオイル通路91を連結する位置に形成してもよい。この場合、複数並んだオイル通路91の前後間を埋めるようにリブ94が形成され、これらリブ94及びオイル通路91によって、バルブ81から噴出されるブローバイガスを阻止することができる。
また、オイル通路91だけで上記実施の形態と同様にブローバイガスやオイルを遮断できる構成とした場合には、リブ94の形成を省略してもよい。この場合、クランクケース51内のレイアウトをより簡略化することができる。
また、上記実施の形態では、バルブ81、オイル通路91、オイルポンプ78、ウォータポンプ64を、車体側面視(クランク軸方向視)で鉛直線VLに対し、前方に集中したレイアウトとしたが、これらを鉛直線VLに対して後方に設けてもよい。これによれば、エンジン5の前方領域の簡略化を図ることができる。
また、オイル通路91の形成数は3本に限定されず、上記実施の形態と同様の作用、機能を奏する限りにおいて増減してもよい。更に、オイル通路91の断面形状を種々の変更が可能であり、例えば、長穴断面の偏平形状としてもよい。この場合、オイル通路91の形成数を減らしても、ブローバイガスを阻止する領域を広く確保することができる。
また、上記実施の形態では、シリンダ52及びシリンダヘッド53が前方に傾斜配置されるようにしたが、それらが後方に配置されるようにする等、その傾斜の向き及び角度は変更してもよい。
また、上記実施の形態では、クランク軸71が車体幅方向に延びる横置きにエンジン5を配置したが、エンジン5を縦置きとし、シリンダ52及びシリンダヘッド53が側方に配置されるものに適用してもよい。
また、上記実施の形態では、車体側面視(クランク軸方向視)で、オイル通路91及びリブ94の一部がバルブ81と上下方向に重なる位置関係としたが、それらの全部がバルブ81と上下方向に重なるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、オイルパン室の構造を簡略にすることができる、という効果を有し、隔壁部によってクランク室とオイルパン室とが隔てられ、バルブの開放時にそれらが連通するクランクケースに有用である。
5 エンジン(内燃機関)
51 クランクケース
52 シリンダ
64 ウォータポンプ
67 クランク室
68 オイルパン室
70 クランク軸
77 駆動軸
78 オイルポンプ
80 隔壁部
81 バルブ
91 オイル通路
94 リブ

Claims (9)

  1. クランク軸を収容するクランク室と、その下方に位置するオイルパン室と、当該オイルパン室とクランク室との間に位置する隔壁部と、当該隔壁部に設けられたバルブとを備え、当該バルブの開放時に前記クランク室とオイルパン室とが連通する内燃機関のクランクケースにおいて、
    前記クランクケ−スは、前記クランク軸方向に延びてエンジンオイルが流通するオイル通路と、前記クランク軸方向に延びるリブとを内部に更に備え、
    前記オイル通路は複数形成され、複数のオイル通路は、近接しつつ略平行に並んで配置され、前記バルブの下方に位置し、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記バルブと上下方向に重なり、
    前記リブは、前記複数のオイル通路において、隣り合うオイル通路を連結する位置に形成されることを特徴とする内燃機関のクランクケース。
  2. 車両に搭載され、クランク軸を収容するクランク室と、その下方に位置するオイルパン室と、当該オイルパン室とクランク室との間に位置する隔壁部と、当該隔壁部に設けられたバルブとを備え、当該バルブの開放時に前記クランク室とオイルパン室とが連通する内燃機関のクランクケースにおいて、
    前記クランクケ−スは、前記オイルパン室の上部に位置し、前記クランク軸方向に延びる管状に形成されてエンジンオイルが流通するオイル通路を内部に更に備え、
    前記バルブは、車体下方に向って流路が形成される様に弁孔が形成され、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記クランク軸よりも車体前方となる様に位置し、
    前記オイル通路は、前記バルブの下方に位置し、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が、前記クランク軸よりも車体前方となる様に位置し且つ前記バルブと上下方向に重なることを特徴とする内燃機関のクランクケース。
  3. 前記クランクケ−スは、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記クランク軸よりも車体前方となる様にシリンダが設けられることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のクランクケース。
  4. 前記オイル通路は複数形成され、複数のオイル通路は、近接しつつ略平行に並んで配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関のクランクケース。
  5. 前記複数のオイル通路は、隣り合うオイル通路と結合して一体に形成されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のクランクケース。
  6. 前記クランクケ−スは、前記クランク軸方向に延びるリブを内部に更に備え、
    前記リブは、前記バルブの下方であって、前記クランク軸方向視にて少なくとも一部が前記バルブと上下方向に重なる位置に設けられるとともに、前記オイル通路と結合して一体に形成されることを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の内燃機関のクランクケース。
  7. 前記請求項1ないし請求項6の何れかに記載のクランクケースを備えた内燃機関であって、
    前記オイル通路にエンジンオイルを流通させる圧力を付与するオイルポンプを備え、
    前記オイル通路及びオイルポンプの両方は、前記クランク軸方向視にて、クランク軸中心を通る鉛直線に対し、何れか一方の側方に設けられることを特徴とする内燃機関。
  8. 前記クランクケースに連設されたシリンダを更に備え、当該シリンダは、前記クランク軸方向視にて、クランク軸中心を通る鉛直線に対し、前記オイル通路及びオイルポンプが位置する方に設けられ、
    前記オイルポンプは、クランク軸方向視にて、前記シリンダの下方に設けられることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関。
  9. 冷却水を圧送するウォータポンプを備え、当該ウォータポンプは、前記クランク軸方向視にて、クランク軸中心を通る鉛直線に対し、前記オイル通路及びオイルポンプが位置する方に設けられ、
    前記ウォータポンプ及び前記オイルポンプは、同一の駆動軸によって駆動することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の内燃機関。
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