JP5919864B2 - エンジン - Google Patents

エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP5919864B2
JP5919864B2 JP2012029487A JP2012029487A JP5919864B2 JP 5919864 B2 JP5919864 B2 JP 5919864B2 JP 2012029487 A JP2012029487 A JP 2012029487A JP 2012029487 A JP2012029487 A JP 2012029487A JP 5919864 B2 JP5919864 B2 JP 5919864B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
blow
gear member
engine
fin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012029487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013167165A (ja
Inventor
益田 大治郎
大治郎 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2012029487A priority Critical patent/JP5919864B2/ja
Publication of JP2013167165A publication Critical patent/JP2013167165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5919864B2 publication Critical patent/JP5919864B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)

Description

本発明は、エンジンケース内におけるブローバイガス中のオイルを気液分離する気液分離器と、エンジンケース内の圧力を負圧にする負圧ポンプを備えたエンジンに関する。
エンジンの運転に伴い、燃焼室内の未燃混合ガスの一部は、ピストンとシリンダとの摺動隙間を通り、ブローバイガスとなってエンジンケース(クランクケース)内に流出する。こうしたブローバイガスは、ブローバイガス通路を介しエンジンの燃料として再供給されるが、ブローバイガス中にはエンジンケース内のオイルが混入されるので、再供給に先立ちブローバイガスからオイルを分離する必要がある。
このようなブローバイガス処理装置として、特許文献1には、バランサ軸の外周に複数枚のフィンが放射状に固定され、バランサ軸上をブローバイガスが軸方向に流動する過程で、バランス軸と共に回転するフィンにより、遠心力の作用でブローバイガス中のオイルとブローバイガスとを気液分離するものが提案されている。
特開2009−222044号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載のブローバイガス処理装置では、ブローバイガスをバランサ軸の軸方向に流動させる構造であるため、装置の大型化を回避できない。
一方、エンジンでは、ピストンの往復運動に対する抵抗であるポンピングロスを抑制するために、エンジンケース内の空気を吸引してこのエンジンケース内の圧力を負圧にする負圧ポンプが設置される場合がある。ところが、この負圧ポンプは、負圧量の増大に伴って仕事量が増加し、作動効率や耐久性が低下する傾向を有する。
前記特許文献1に記載のブローバイガス処理装置は、遠心分離機能を果たすことができるもの、フィンの回転数を上昇させても、ブローバイガスを含む空気の吐出量を増大させることが可能なポンプ能力を有していない。従って、このブローバイガス処理装置では、前記負圧ポンプの補助作用を果たすことができず、前述の負圧ポンプの作動効率等を向上させることができない。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、ブローバイガス中のオイルを好適に気液分離できると共に、ポンピングロス抑制のためにエンジンケース内を負圧にする負圧ポンプの作動効率及び耐久性を向上できるエンジンを提供することにある。
本発明は、エンジンケース内におけるブローバイガス中のオイルを気液分離する回転式の気液分離器と、前記エンジンケース内の圧力を負圧にする負圧ポンプと、を有するエンジンであって、エンジン動力によって駆動されるギア部材が前記エンジンケース内に設けられ、前記ギア部材に遠心ポンプとして構成される前記気液分離器が設けられ、前記ギア部材の軸部に前記負圧ポンプが連結され、前記気液分離器は、ブローバイガスを含む空気を吐出して減圧する機能を備え、前記負圧ポンプは、前記気液分離器にてオイルが分離されたブローバイガスを含む空気を吸引して、前記気液分離器により減圧された前記エンジンケース内の圧力を更に負圧にする機能を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、回転式の気液分離器によって、ブローバイガス中のオイルを遠心力の作用で好適に気液分離できると共に、この気液分離器が、ブローバイガスを含む空気を突出して減圧する機能を備えたことで負圧ポンプの補助作用を果たすので、ポンピングロス抑制のためにエンジンケース内を負圧にする負圧ポンプの仕事効率及び耐久性を向上させることができる。
本発明に係るエンジンの一実施形態を搭載した自動二輪車を示す左側面図。 図1のエンジンを示す右側面図。 図2のIII−III線に沿う部分断面図。 図3の気液分離器を示す断面図。 図4のV−V線に沿う矢視図。 図4のVI−VI線に沿う矢視図。 図4の気液分離器によりオイルが分離されたブローバイガスが流れる第3及び第4ブローバイガス通路等を示す断面図。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るエンジンの一実施形態を搭載した自動二輪車を示す左側面図である。尚、本実施形態において、前後、上下、左右の表現は、自動二輪車に乗車した乗員を基準にしたものである。
この図1に示すように、自動二輪車1は車体フレーム2を有し、その前方にヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には、図示しないサスペンション機構を内装し前輪4を回転自在に支持する左右一対のフロントフォーク5やハンドルバー6等から構成されるステアリング機構7が設けられ、ハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
一方、車体フレーム2は、例えばツインチューブ型のもので、ヘッドパイプ3の直後で左右方向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延びる左右一対のタンクレールを兼ねたメインフレーム8と、これらのメインフレーム8の後端部に接続され、略上下方向へ延びる左右一対のセンタフレーム9と、これらのセンタフレーム9の後端から後方に延びる左右一対のシートレール10とを有して構成される。
メインフレーム8の上方には燃料タンク11が配置され、シートレール10の上方にはライダシート12A、ピリオンシート12Bが車両の前後にそれぞれ配置される。また、センタフレーム9の略中央下部にはピボット軸13が架設され、このピボット軸13にスイングアーム14がピボット軸13廻りにスイング自在に枢着されると共に、このスイングアーム14の後端に後輪15が回転自在に軸支される。そして、前輪4と後輪15間の車体中央下部で燃料タンク11下方に、内燃機関としてのエンジン16がメインフレーム8等に懸架されて搭載される。
更に、この自動二輪車1は車体の前部が流線形のカウリング17で覆われており、走行中の空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護が図られている。尚、図1中の符号18Aは、エンジン16からの排気ガスを排出するエキゾーストパイプであり、このエキゾーストパイプ18Aの後端に排気マフラ18Bが接続されている。
図2に示すように、エンジン16は4サイクル多気筒エンジン、例えば4サイクル直列4気筒エンジンであり、主にヘッドカバー19、シリンダヘッド20、シリンダブロック21、及びエンジンケースとしてのクランクケース22から外形が構成される。このクランクケース22は分割式であり、例えば図2における上下方向に2分割され、アッパクランクケース22Aとロアクランクケース22Bとから構成される。アッパクランクケース22Aの上部にシリンダブロック21が設置され、ロアクランクケース22Bの下部にオイルパン24が設置されている。
シリンダブロック21は直立よりやや前傾して配置され、また、アッパクランクケース22Aとロアクランクケース22Bとの合せ面23の内側に軸受部(不図示)がそれぞれ上下に分割して形成される。これらの軸受部に、エンジン16の幅方向に延びるクランク軸25が回転自在に支持される。
クランク軸25には、コンロッドを介してピストン(共に図示せず)が連結される。そして、シリンダブロック21内にはピストンが、図における略上下方向に摺動自在に収納される。また、シリンダヘッド20とピストンとの間の空間には燃焼室(不図示)が形成される。この燃焼室内での混合気の燃焼によってピストンが往復運動し、このピストンの往復運動がクランク軸25により回転運動に変換される。
クランクケース22には、エンジン16の側面視で、クランク軸25の後方にカウンタ軸26、ドリブン軸27及びジェネレータ軸28が配置されている。このうち、クランク軸25及びカウンタ軸26は、アッパクランクケース22Aとロアクランクケース22Bとの合せ面23に軸支される。更に、ジェネレータ軸28は、カウンタ軸26の斜め前上方に配置される。上述のクランク軸25、カウンタ軸26、ドライブ軸27及びジェネレータ軸28は、エンジン16の幅方向(つまり、自動二輪車1の車幅方向)に延在してクランクケース22内に収容されている。
クランク軸25には、プライマリドライブギア29が回転一体に設けられ、このプライマリドライブギア29が、カウンタ軸26に回転自在に軸支されたプライマリドリブンギア30に噛み合う。カウンタ軸26には、プライマリドリブンギア30に連結されたクラッチ機構(不図示)が軸端に設けられると共に、複数段のミッションドライブギア(不図示)が軸装される。これらのミッションドライブギアは、ドライブ軸27に軸装された図示しない複数段のミッションドリブンギアに噛み合う。これらのミッションドライブギア及びミッションドリブンギアが、図示しないシフト機構と共に変速ミッション機構を構成する。
ドライブ軸27の軸端はクランクケース22の外部に突出し、このドライブ軸27の軸端にドライブスプロケット(不図示)が固定される。また、後輪15には、図1に示すようにドリブンスプロケット31が固定され、これらのドライブスプロケットとドリブンスプロケット31との間にドライブチェーン32が巻き掛けられる。
従って、図1及び図2に示すエンジン16のクランク軸25の回転力(つまりエンジン16の駆動力)は、プライマリドライブギア29、プライマリドリブンギア30及びクラッチ機構を経てカウンタ軸26に伝達され、このカウンタ軸26から変速ミッション機構を経てドライブ軸27へ伝達される。そして、このドライブ軸27に伝達されたクランク軸25の回転力は、ドライブスプロケット、ドライブチェーン32及びドリブンスプロケット31を経て後輪15に伝達される。
更に、図2及び図3に示すように、ジェネレータ軸28には、ジェネレータドリブンギア33が回転一体に設けられている。従って、クランク軸25の回転力は、プライマリドライブギア29、プライマリドリブンギア30、ジェネレータドリブンギア33を順次経てジェネレータ軸28に伝達される。これにより、ジェネレータ軸28に回転一体に取り付けられたジェネレータ(不図示)が回転駆動されて発電がなされる。
ここで、ジェネレータ軸28に設けられたジェネレータドリブンギア33は、クランク軸25に設けられたプライマリドライブギア29と同一諸元(同一の直径及び歯数)に構成されている。従って、ジェネレータ軸28とカウンタ軸26間の距離が、クランク軸25とカウンタ軸26間の距離に等しくなると共に、プライマリドリブンギア30の歯数に拘らず、ジェネレータ軸28を、クランク軸25と同一の回転速度で同一の方向に回転させることが可能になる。
ところで、図2及び図3に示すように、エンジン16におけるクランクケース22の上部でジェネレータ軸28の後上方に、クランクケース22の内部空間の一部であるブリーザ室35が設けられ、このブリーザ室35内に気液分離器36が配置されると共に、負圧ポンプ37が、気液分離器36に連結してクランクケース22の外側に設置されている。
気液分離器36は、シリンダブロック21の図示しないシリンダとピストンとの摺動隙間を通って、図示しない燃焼室からクランクケース22内へ流出したブローバイガス中に混入するオイルを気液分離するものである。気液分離器36による気液分離を効率よく行うために、気液分離器36を収容するブリーザ室35は、クランクケース22内でオイル分の少ない上部に設けられている。また、負圧ポンプ37は、メカニカルロスの一つであるポンピングロス(ピストンの往復運動に対する抵抗)を抑制するために、クランクケース22内に存在するブローバイガスを含む空気を吸引して、クランクケース22内の圧力を負圧に維持するものである。
図3及び図4に示すように、気液分離器36は、エンジン16の動力により駆動されるギア部材38に一体回転可能に設けられた上流側フィン39及び下流側フィン40を備えた遠心ポンプとして構成される。これらの上流側フィン39及び下流側フィン40は、ギア部材38の軸部43と歯部45との間で軸部43から歯部45へ向かって径方向外側へ放射状に延び、ギア部材における歯部45の内側領域でブローバイガス中のオイルを遠心分離する。
より具体的には、気液分離器36は、上流側フィン39を備えたギア部材38と、このギア部材38に回転一体に結合されて下流側フィン40を備えたプレート部材41と、ギア部材38にプレート部材41の反対側で回転一体に取り付けられたカバー部材42とを有する。
ギア部材38は、中空構造の軸部43の周囲からハブ部44がプレート状に径方向に延び、このハブ部44の外周に、歯45Aを備えた歯部45が形成されると共に、ハブ部44の背面44Bにリング形状の嵌合突部46が一体に形成されている。この嵌合突部46にプレート部材41が嵌合され、ボルト34(図6)等を用いてプレート部材41がギア部材38に回転一体に結合される。
ギア部材38の軸部43は、ベアリング47を介してクランクケース22に回転自在に支持される。また、プレート部材41の軸部48も、ベアリング47を介してクランクケース22に回転自在に支持される。ギア部材38は、歯部45の歯45Aが、ジェネレータ軸28に回転一体に結合された気液分離器ドライブギア49に噛合されることで、エンジン16の動力により回転駆動される。
このとき、気液分離器ドライブギア49がジェネレータドリブンギア33よりも小径で、且つギア部材38が気液分離器ドライブギア49よりも大径に形成されることで、ギア部材38は、ジェネレータ軸28よりも減速した状態で回転駆動される。このギア部材38の減速比は、気液分離器36による気液分離性能の向上と、後述の如くギア部材38の軸部43に結合された負圧ポンプ37の過回転防止との両者を確保できるように決定される。
ギア部材38のハブ部44における正面44Aには、図4及び図5に示すように、ギア部材38の径方向外側へ延びる前記上流側フィン39が、軸部43を中心に放射状に複数本形成されている。これらの上流側フィン39を覆うようにして、ギア部材38のハブ部44に略円板形状のカバー部材42が、ギア部材38と回転一体に結合される。ギア部材38のハブ部44の正面44Aとカバー部材42との間に第1ブローバイガス通路51が形成される。そして、カバー部材42の内周とギア部材38の軸部43との間に、ブローバイガスの吸入口50が形成される。
また、ギア部材38のハブ部44には、上流側フィン39の径方向外側位置に流出開口56が、ギア部材38の周方向に複数(本実施形態では3つ)形成されている。この流出開口56は、第1ブローバイガス通路51に連通すると共に、ギア部材38のハブ部44の背面44Bとプレート部材41との間に形成される第2ブローバイガス通路52にも連通する。この第2ブローバイガス通路52内に前記下流側フィン40が配設される。
つまり、プレート部材41には、図4及び図6に示すように、ギア部材38側の内側面に、プレート部材41の径方向外側へ延びる下流側フィン40が、プレート部材41の軸部48を中心に放射状に複数本形成されている。この下流側フィン40の少なくとも一部(本実施形態では径方向外側部分)は、ギア部材38の軸方向視で流出開口56に重なるように設けられている。
従って、上述の上流側フィン39と下流側フィン40はギア部材38のハブ部44を挟んで両側に配置される。そして、図4〜図6に示すように、上流側フィン39は、ギア部材38の回転方向Pに対し凸に湾曲して形成されて、ブローバイガスを含む空気を吸入口50からギア部材38の径方向外向きに吐出させる。また、下流側フィン40は、ギア部材38及びプレート部材41の回転方向Pに対し凹に湾曲して形成されて、ブローバイガスを含む空気を流出開口56からギア部材38及びプレート部材41の径方向内向きに掻き込んで吐出する。
これにより、クランクケース22内のブローバイガスを含む空気は、ブリーザ室35内を経て気液分離器36の吸入口50から第1ブローバイガス通路51内へ吸入され(図4の矢印A)、第1ブローバイガス通路51内を上流側フィン39に沿って径方向内側から外側へ向かって流れ(図5の矢印B)、上流側フィン39の径方向外側で流出開口56を通って、下流側フィン40が配置された第2ブローバイガス通路52内へ流入し(図4及び図5の矢印C)、この第2ブローバイガス通路52内を下流側フィン40に沿って径方向外側から内側へ向かって流れる(図6の矢印D)。
ギア部材38における軸部43は、前述の如く中空構造に構成され、この軸部43の中空部が第3ブローバイガス通路53として構成される。この第3ブローバイガス通路53は、第2ブローバイガス通路52における下流側フィン40の吐出側と連通し、下流側フィン40の径方向内側から吐出されたブローバイガスを含む空気を取り込む(図4の矢印E)。第3ブローバイガス通路53内に取り込まれたブローバイガスを含む空気は、ギア部材38の軸部43の先端部分に形成された排出口57から、後述の如く第4ブローバイガス通路54(図7)へ吐出して排出される(図4の矢印F)。
ブローバイガスを含む空気が上流側フィン39によって第1ブローバイガス通路51内を径方向外側へ流れる間に、ブローバイガス中のオイルとブローバイガスとが、遠心力の作用で比重の違いにより気液分離される。オイルが分離されたブローバイガスを含む空気は、前述の如く、流出開口56を通って第2ブローバイガス通路52内へ流入し、第3ブローバイガス通路53を経て排出口57から排出される。一方、ブローバイガスから分離されたオイルは、第1ブローバイガス通路51内から飛散してギア部材38の歯部45に至る(図4及び図5の矢印O)。
ここで、図4に示すように、ギア部材38の軸方向(つまりギア部材38の歯45Aの幅方向)において、上流側フィン39の少なくとも一部(本実施形態では全て)は、ギア部材38の歯部45及び歯45Aと重なる位置に設けられる。そして、歯部45には、歯45Aの歯底から上流側フィン39へ向かってギア部材38の径方向に貫通するオイル孔58が形成されている。従って、ブローバイガスから分離されたオイルは、第1ブローバイガス通路51内から飛散してギア部材38の歯部45に至った後、オイル孔58を通って流出し歯45Aを潤滑する。
また、上流側フィン39が第1ブローバイガス通路51内で、ブローバイガスを含む空気をギア部材38の径方向内側から外側へ吐出して流す吐出量は、下流側フィン40が第2ブローバイガス通路52内で、ブローバイガスを含む空気をギア部材38の径方向外側から内側へ掻き込んで吐出する吐出量よりも大きく設定されている。しかも、ギア部材38の軸部43の第3ブローバイガス通路53の容量は、第2ブローバイガス通路52の吐出部分の流路面積に対して十分大きく設定されている。このため、気液分離器36は、ブローバイガスを含む空気を第1ブローバイガス通路51内から第2ブローバイガス通路52内へと順次吐出する間に、この空気を段階的に減圧する機能を有する。この結果、ブローバイガスを含む空気には、気液分離器36の吸入口50と排出口57とで圧力差が発生する。
図7及び図8に示すように、気液分離器36の排出口57から排出されたブローバイガスを含む空気は、この排出口57に連通してクランクケース22及び断熱壁59に形成された第4ブローバイガス通路54を通って負圧ポンプ37に至り、この負圧ポンプ37にて更に減圧された後、クランクケース22及び断熱壁59に形成された第5ブローバイガス通路55を通ってエアクリーナ60へ流入する。このように、負圧ポンプ37は、気液分離器36からエアクリーナへ至るブローバイガス経路に配置されている。
負圧ポンプ37は、図3に示すように、駆動軸61が気液分離器36におけるギア部材38の軸部43の先端部に回転一体に連結されて、気液分離器36を介してエンジン16の動力により駆動される。この負圧ポンプ37はルーツ式ブロアであり、気液分離器36にてオイルが分離されたブローバイガスを含む空気を吸引することで減圧し、クランクケース22内の圧力を負圧にする。これにより、エンジン16におけるピストンの往復運動に対する抵抗としてのポンピングロスが抑制される。
尚、図7及び図8に示すように、第4ブローバイガス通路54には、負圧ポンプ37をバイパスするバイパス通路62が連通され、このバイパス通路62は、リリーフバルブ63を経てエアクリーナ60に連通されている。クランクケース22内にブローバイガスが急激に増加したなどの理由で第4ブローバイガス通路54内の圧力が第5ブローバイガス通路55内の圧力(大気圧)に対して上昇したときには、リリーフバルブ63が開動作して、第4ブローバイガス通路54内のブローバイガスを含む空気を負圧ポンプ37へ導くことなく、バイパス通路62を経てエアクリーナへ導いて第4ブローバイガス通路54内、ひいてはクランクケース22内の圧力を低下させるよう構成されている。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果(1)〜(9)を奏する。
(1)図3及び図4に示すように、クランクケース22内に連通するブリーザ室35内に回転式の気液分離器36が配置されたことから、この気液分離器36によって、クランクケース22内のブローバイガス中のオイルを遠心力の作用で好適に分離できる。更に、この気液分離器36がブローバイガスを含む空気を吐出して減圧する機能を備えたことで負圧ポンプ37の補助作用を果たすので、ポンピングロス抑制のためにクランクケース22内を負圧にする負圧ポンプ37の仕事効率及び耐久性を向上させることができる。
(2)気液分離器36の上流側フィン39及び下流側フィン40が、エンジン16の動力によって駆動されるギア部材38と一体回転可能に設けられたことで、気液分離器36をスペース効率良く配置できると共に、負圧ポンプ37がギア部材38に回転一体に連結されたことで、エンジン16の動力によって負圧ポンプ37を駆動させることができる。
(3)気液分離器36が上流側フィン39及び下流側フィン40を備えた遠心ポンプとして構成されたので、ブローバイガス中のオイルとブローバイガスとを、遠心力の作用で比重の違いによって気液分離することができる。
(4)気液分離器36におけるギア部材38の歯部45に、歯45Aの歯底から上流側フィン39へ向かって貫通するオイル孔58が形成されたので、上流側フィン39によってブローバイガスから分離されたオイルを、オイル孔58を通して歯45Aへ導くことができ、これによりこの歯45Aを良好に潤滑することができる。
(5)気液分離器36におけるギア部材38のハブ部44を挟む両側に上流側フィン39、下流側フィン40が設けられると共に、ハブ部44に流出開口56が形成されている。このため、ブローバイガスを含む空気が上流側フィン39から流出開口56へ至る間に、ブローバイガス中のオイルを分離でき、更に、ブローバイガスを含む空気が上流側フィン39から流出開口56を通って下流側フィン40へ流れることで、この空気を段階的に減圧することができる。
(6)気液分離器36における下流側フィン40の径方向外側部分が、ギア部材38の軸方向視で、このギア部材38のハブ部44に形成された流出開口56に重なるよう構成されている。このため、ブローバイガスを含む空気を、流出開口56を通して、下流側フィン40が配設された第2ブローバイガス通路52内へ容易に流入させることができる。
(5)ブローバイガスを含む空気が、第1ブローバイガス通路51内では、上流側フィン39に沿って径方向内側から外側へ流れ、第2ブローバイガス通路52内では、下流側フィン40に沿って径方向外側から内側へ向かって流れることで、これらの第1ブローバイガス通路51と第2ブローバイガス通路52をUターン構造に構成できる。この結果、気液分離器36の省スペース化を実現できる。
(8)気液分離器36では、ブローバイガスを含む空気の上流側フィン39による吐出流量が、下流側フィン40による吐出流量よりも大きく設定され、更に、第2ブローバイガス通路52の吐出部分の流路面積が第3ブローバイガス通路53の容量よりも大きく設定されている。従って、気液分離器36によりブローバイガスを含む空気を確実に減圧でき、この結果、気液分離器36が負圧ポンプ37の補助作用を果たすことができる。
(9)気液分離器36におけるギア部材38の軸部43を中空構造とし、この軸部43の中空部が第3ブローバイガス通路53として構成されたので、この第3ブローバイガス通路53を限られたスペースで実現することができる。
以上実施形態について説明してきたが、本発明は、上述のような実施形態の具体的構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、負圧ポンプ37はルーツ式ブロアの場合を述べたが、歯車式、プランジャ式またはリショルム式などのブロアであってもよい。また、負圧ポンプ37は、気液分離器36を介してエンジン16の動力により駆動されるものを述べたが、電動モータにより、または排気圧を駆動源として駆動されるものでもよい。
16 エンジン
22 クランクケース(エンジンケース)
36 気液分離器
37 負圧ポンプ
38 ギア部材
39 上流側フィン
40 下流側フィン
43 軸部
44 ハブ部
45 歯部
45A 歯
53 第3ブローバイガス通路
56 流出開口
58 オイル孔
60 エアクリーナ

Claims (8)

  1. エンジンケース内におけるブローバイガス中のオイルを気液分離する回転式の気液分離器と、前記エンジンケース内の圧力を負圧にする負圧ポンプと、を有するエンジンであって、
    エンジン動力によって駆動されるギア部材が前記エンジンケース内に設けられ、前記ギア部材に遠心ポンプとして構成される前記気液分離器が設けられ、前記ギア部材の軸部に前記負圧ポンプが連結され、
    前記気液分離器は、ブローバイガスを含む空気を吐出して減圧する機能を備え、
    前記負圧ポンプは、前記気液分離器にてオイルが分離されたブローバイガスを含む空気を吸引して、前記気液分離器により減圧された前記エンジンケース内の圧力を更に負圧にする機能を備えたことを特徴とするエンジン。
  2. 前記気液分離器は、エンジン動力によって駆動されるギア部材に一体回転可能に設けられ、このギア部材の軸部に負圧ポンプが回転一体に連結されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記気液分離器は、エンジン動力によって駆動されるギア部材の軸部と歯部との間で前記軸部から前記歯部に向かって径方向外側に放射状に延びるフィンを備えた遠心ポンプであることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン。
  4. 前記フィンの少なくとも一部が、ギア部材の軸方向において前記ギア部材の歯と重なる位置に設けられると共に、前記ギア部材には、歯底から前記フィンへ向かって径方向に貫通するオイル孔が設けられたことを特徴とする請求項3に記載のエンジン。
  5. 前記遠心ポンプは、ギア部材のハブ部を挟んで上流側フィンと下流側フィンとを備えると共に、ブローバイガスが、前記上流側フィンよりも外側で前記ハブ部に形成された流出開口を通って、前記上流側フィンから前記下流側フィンへ流れるよう構成されたことを特徴とする請求項3または4に記載のエンジン。
  6. 前記下流側フィンは、ギア部材の軸方向視で、前記ギア部材のハブ部に形成された流出開口と少なくとも一部が重なるよう設けられたことを特徴とする請求項5に記載のエンジン。
  7. 前記遠心ポンプでは、上流側フィンによる吐出流量が下流側フィンによる吐出流量よりも大きく設定され、ブローバイガスが、前記上流側フィンに沿って径方向内側から外側へ向かって流れると共に、前記下流側フィンに沿って径方向外側から内側へ向かって流れるよう構成されたことを特徴とする請求項5または6に記載のエンジン。
  8. 前記ギア部材の軸部に形成された中空部がブローバイガス通路として構成され、このブローバイガス通路が下流側フィンの吐出側と連通して構成されたことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のエンジン。
JP2012029487A 2012-02-14 2012-02-14 エンジン Active JP5919864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012029487A JP5919864B2 (ja) 2012-02-14 2012-02-14 エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012029487A JP5919864B2 (ja) 2012-02-14 2012-02-14 エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013167165A JP2013167165A (ja) 2013-08-29
JP5919864B2 true JP5919864B2 (ja) 2016-05-18

Family

ID=49177748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012029487A Active JP5919864B2 (ja) 2012-02-14 2012-02-14 エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5919864B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102572787B1 (ko) * 2018-01-04 2023-08-30 에이치디현대인프라코어 주식회사 오일 분리기
JP7460229B1 (ja) 2023-11-02 2024-04-02 株式会社石川エナジーリサーチ スクロール圧縮機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4611135Y1 (ja) * 1967-12-22 1971-04-19
JPH08284634A (ja) * 1995-04-07 1996-10-29 Suzuki Motor Corp ブローバイガスの気液分離装置
JP3470665B2 (ja) * 1999-12-06 2003-11-25 日産自動車株式会社 ガソリン機関のブローバイガス処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013167165A (ja) 2013-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4688636B2 (ja) 4サイクルエンジン
JP2013217473A (ja) ギアボックスおよびそれを備えた鞍乗型車両
JP5687148B2 (ja) 小型車両用パワーユニットにおけるギヤ室の潤滑構造
JP5919864B2 (ja) エンジン
JP2011179482A (ja) 車両用エンジン
JP2011163429A (ja) パワーユニットのブリーザ構造
WO2010016161A1 (ja) 鞍乗型車両用の有段式自動変速装置、それを備えるパワーユニット、及びそれを備える鞍乗型車両
US10006326B2 (en) Crank chamber internal pressure reduction mechanism for internal combustion engine
JP6299422B2 (ja) 内燃機関のクランクケース及び内燃機関
JP6277913B2 (ja) 多気筒エンジン
EP2463488B1 (en) Attachment structure of vacuum pump
JP2011190787A (ja) 内燃機関のブローバイガス換気構造
JP6102468B2 (ja) エンジンのブリーザ構造
JP3159254U (ja) エンジン用潤滑装置、それを備えたエンジン及び車両
WO2011132574A1 (ja) エンジンのオイル通路構造
JP2010151086A (ja) エンジンを搭載している車両及びそのエンジン
JP6828566B2 (ja) エンジンの潤滑構造及び車両
JP5601278B2 (ja) 駆動伝達装置の潤滑構造
JP2013007275A (ja) エンジンの気液分離構造
WO2016151742A1 (ja) 内燃機関の潤滑油供給構造
JP6205974B2 (ja) エンジンのオイルストレーナ構造
JP6160335B2 (ja) 並列多気筒エンジン
JP5803578B2 (ja) 単気筒エンジンの潤滑構造
JP2007278107A (ja) 鞍乗型車両
JP2011047370A (ja) エンジンのオイルドレイン構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160328

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5919864

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151