JP6298807B2 - 固体酸化物形燃料電池スタック - Google Patents

固体酸化物形燃料電池スタック Download PDF

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Description

この発明は、固体酸化物形燃料電池スタックに関し、より詳しくは、集電体の表面にCrの拡散を抑制するコート層を有する固体酸化物形燃料電池スタックに関する。
従来、燃料電池として、固体電解質を用いた固体酸化物形燃料電池が知られている。固体酸化物形燃料電池では、通常、固体電解質層と燃料極と空気極とを備えた燃料電池単セルを1個以上使用している。つまり、1個以上の燃料電池単セルによりスタックを形成し、燃料極に燃料ガスを供給するとともに、空気極に酸化剤ガスを供給し、燃料ガス中の例えば水素と酸化剤ガス中の例えば酸素とを固体電解質層を介して化学反応させることによって電力を発生させる。
例えば、平板型の固体酸化物形燃料電池では、複数の燃料電池単セルが集電体(インターコネクタと称することもある)を介して積層され、スタックを形成している。空気極及び燃料極それぞれと集電体とは、接合層を介して電気的に接続されている。集電体は、通常、Crを含む合金により形成される場合が多い。固体酸化物形燃料電池の運転時には、集電体における空気極に臨む側の面は、高温及び酸化雰囲気に曝される。このような環境下では、集電体に含まれるCrが拡散して空気極に至り、空気極を形成する物質と反応することにより空気極の機能が低下し、固体酸化物形燃料電池の発電能力が低下することが知られている。Crによって空気極の機能が低下する現象を「空気極のCr被毒」と称することもある。空気極のCr被毒を防止する手段の一つとして、集電体の表面にCrの拡散を抑制するコート層を設けることがある。
例えば、特許文献1には、インターコネクタを構成する材料であるSUS材料の表面からCrが拡散するのを抑制するために、インターコネクタの表面をコーティング膜で覆うことが開示され、このコーティング膜の材料として、スピネル型結晶構造を有する遷移金属酸化物が開示されている(特許文献1の0006欄〜0008欄)。
また、特許文献2には、複数の燃料電池を電気的に直列接続するための集電部材として、FeとCrとを含む合金部材が用いられ、この合金部材上にCrによって構成される第1導電性セラミックス膜が形成され、この第1導電性セラミックス膜上にMn及びCoを含む導電性酸化物セラミックス材料によって構成される第2導電性セラミックス膜が形成された集電部材が開示されている。前記第2導電性セラミックス膜は、外表面を形成する第1緻密層と、前記第1緻密層の内側に配置され、複数の開気孔を含む多孔質層とを有することが開示されている(特許文献2の請求項1、0002欄〜0007欄)。第2導電性セラミックス膜は、外表面を形成する第1緻密層と、第1緻密層の内側に形成される多孔質層とを有するので、燃料電池の運転時の温度昇降によって、第1導電性セラミックス膜と合金部材とからなる基材が伸縮した場合に、第2導電性セラミックス膜の内部に発生する応力を多孔質層によって緩和することができること、これによって、第2導電性セラミックス膜と基材の界面に剥離が発生することを抑制できることが開示されている(特許文献2の図2、0041欄及び0042欄)。
特開2011−99159号公報 特開2014−78485号公報
ところで、集電体の表面にCrの拡散を抑制するコート層が設けられている場合、集電体と空気極とが接合層を介して電気的に接続されている箇所は、空気極、接合層、コート層、及び集電体の順に積層され、接合されている。固体酸化物形燃料電池は、運転時には700℃程度の高温環境下に置かれることから、集電体と空気極とが電気的に接続されている箇所では、それぞれの部材の熱膨張率の違いに起因して熱応力が発生し、コート層と接合層とが接している箇所において、コート層が緻密である場合、集電体が空気極から剥離するおそれがある。言い換えると、コート層、接合層、空気極のいずれかが破損して剥離するおそれがある。
集電体が空気極から剥離するのを防止する手段の一つとして、コート層の気孔率を大きくすることにより、コート層の内部に発生する熱応力を緩和することが考えられる。しかしながら、コート層は、気孔率が小さく緻密であるほど、集電体に含まれるCrの拡散を抑制することができるので、コート層の気孔率を大きくすると空気極のCr被毒を十分に抑制できないおそれがある。
本発明は、集電体に含まれるCrによる空気極の被毒を抑制しつつ、集電体が空気極から剥離するのを抑制することのできる固体酸化物形燃料電池スタックを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、
(1) 燃料極と空気極と固体電解質層とを有する燃料電池単セルと、
Crを含有すると共に前記空気極と電気的に接続された集電体と、
前記集電体の表面に形成された、一層からなるコート層と、
前記コート層と前記空気極とを接合する接合層と、
を備える固体酸化物形燃料電池スタックであって、
前記コート層は、前記接合層と前記コート層との界面である接合面と、前記集電体と前記コート層との界面である集電面と、前記接合面の端縁上の点から前記集電面までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面とにより囲まれる接合領域と、前記接合領域以外の領域である非接合領域とを有し、
前記非接合領域はその気孔率が5%〜30%であり、
前記接合領域はその気孔率前記非接合領域の気孔率より5%〜20%大きいことを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタックであり、また、
(2) 燃料極と空気極と固体電解質層とを有する燃料電池単セルと、
Crを含有すると共に前記空気極と電気的に接続された集電体と、
前記集電体の表面に形成されたコート層と、
前記コート層と前記空気極とを接合する接合層と、
を備える固体酸化物形燃料電池スタックであって、
前記コート層は、前記接合層と前記コート層との界面である接合面と、前記集電体と前記コート層との界面である集電面と、前記接合面の端縁上の点から前記集電面までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面とにより囲まれる接合領域と、前記接合領域以外の領域である非接合領域とを有し、
前記非接合領域はその気孔率が5%〜30%であり、
前記接合領域はその気孔率前記非接合領域の気孔率より5%〜20%大きく、接合領域における気孔率が全体で均一であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタックである。
前記(1)または(2)の好ましい態様は、以下の通りである。
(3) 前記集電体は、板状部と、前記板状部から前記空気極に向かって突出する集電部とを有し、
前記接合層は、前記集電部の表面に形成された前記コート層と前記空気極とを接合することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の固体酸化物形燃料電池スタックである。
(4) 前記コート層と前記接合層とは、Mn、Co、Cu、及びZnからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むスピネル型酸化物を含むことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタックである。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池スタックは、コート層における前記接合領域の気孔率が前記非接合領域の気孔率より大きいので、集電体に含まれるCrによる空気極の被毒を抑制しつつ、集電体が空気極から剥離するのを抑制することができる。
つまり、異なる層同士が接合されており、熱応力の集中が起こりやすい箇所である、集電体の表面に設けられたコート層と接合層とが接触している部分(接合領域)において、コート層の気孔率が、コート層と接合層とが接触していない部分(非接合領域)に比べて大きくなっていることで、気孔が応力を分散させる役割を果たし、コート層、接合層、空気極が破損するのを抑制することができる。
なお、非接合領域は、接合領域に比べて気孔率が小さいので、Crによる空気極の被毒を抑制することができる。また、接合領域においても接合層と接触しているため、Crによる空気極の被毒を抑制することができる。
図1は、本発明の固体酸化物形燃料電池スタックの一例を示す斜視概略説明図である。 図2は、図1に示す固体酸化物形燃料電池スタックのX−X断面を示す断面概略説明図である。 図3は、図2に示す固体酸化物形燃料電池スタックにおける集電体と空気極との接合部付近を拡大して示す要部断面概略説明図である。 図4は、図2に示す固体酸化物形燃料電池スタックにおけるコート層を拡大して示す要部断面概略説明図である。 図5は、本発明の固体酸化物形燃料電池スタックの別の一例を示す断面概略説明図である。 図6は、本発明の固体酸化物形燃料電池スタックのさらに別の一例を示す断面概略説明図である。 図7は、サンプル3における、接合領域を含む部分の切断面をSEMで撮影した画像(倍率2000倍)である。 図8は、サンプル3における、接合領域を含む部分の切断面をSEMで撮影した画像(倍率5000倍)である。 図9は、サンプル3における、非接合領域を含む部分の切断面をSEMで撮影した画像(倍率5000倍)である。
この発明に係る固体酸化物形燃料電池の一実施形態について図1〜図3を参照しつつ説明する。固体酸化物形燃料電池は、空気等の酸化剤ガスと水素ガス等の燃料ガスとの供給を受けて発電を行う装置である。図1に示される平板型の固体酸化物形燃料電池スタック100は、発電単位である板状の燃料電池単セル(以下、単に「単セル」ともいう)1が直列に複数配列されることによって形成される。なお、本発明における固体酸化物形燃料電池スタックは、複数の単セル1により形成される場合に限定されず、一つの単セル1により形成されてもよい。
図2に示すように、単セル1を配列する際には、単セル1に枠板状に形成されたセパレータ51を接合し、このセパレータ51を介して単セル1が配列される。セパレータ51は、燃料ガス(図1及び図2において、燃料ガスをFGで示す)が流通する燃料ガス室31と酸化剤ガス(図1及び図2において、酸化剤ガスをOGで示す)が流通する酸化剤ガス室41とを気密に隔てるように、固体電解質層2に接合されている。また、単セル1と単セル1との間には集電体5が設けられ、集電体5により単セル1で発生した電流が外部回路へ取り出される。本実施形態では集電体5は、単セル1と単セル1との間のガスの混合を隔離するインターコネクタの役割も果たしている。集電体5は、空気極4に臨む側の表面にCrの拡散を抑制するコート層10が設けられている。コート層10は、接合層7により空気極4に接合されている。単セル1の配列方向の両端(図2における上下方向)には、エンドプレート52及び53が設けられている。
図1に示すように、単セル1の配列方向に、エンドプレート52及び53を貫くように、4つの柱状の固定部材12〜15が、単セル1に接合されたセパレータ51の横断面の略矩形における4つの角に、1つずつ設けられている。また、隣り合う固定部材12〜15と固定部材12〜15との間において、単セル1の配列方向に、中空柱状の燃料ガス導入管16、燃料ガス導出管17、酸化剤ガス導入管18、及び酸化剤ガス導出管19が設けられている。固体酸化物形燃料電池スタック100は、その他の機器等と共に、収納容器に収められることにより、発電が可能な固体酸化物形燃料電池を形成する(図示なし)。収納容器は、固体酸化物形燃料電池スタック100の発電性能を損なわない限りにおいて、従来公知の容器を用いることができる。
図1に示すように、前記固体酸化物形燃料電池スタック100は、固定部材12〜15、燃料ガス導入管16、燃料ガス導出管17、酸化剤ガス導入管18、及び酸化剤ガス導出管19において、それぞれ、例えばナットのような締付部材を用いて、エンドプレート52及び53に押圧力を加えることによって、複数の単セル1が配列された構造体が一体化されている。燃料ガス導入管16、燃料ガス導出管17、酸化剤ガス導入管18、及び酸化剤ガス導出管19は、酸化剤ガス又は燃料ガスの導出入の機能に加えて、前記固定部材12〜15と同様に、複数の単セル1が配列された構造体を一体化する機能をも有する。固体酸化物形燃料電池の運転時には、図2に示すように、酸化剤ガス導入管18から導入された酸化剤ガスが、酸化剤ガス室41に至り、酸化剤ガスが空気極4と接触した後の排酸化剤ガスが、酸化剤ガス導出管19から排出される。また、燃料ガス導入管16から導入された燃料ガスが、燃料ガス室31に至り、燃料ガスが燃料極3と接触した後の排燃料ガスが、燃料ガス導出管17から排出される。
図3に示すように、単セル1は、平板状の固体電解質層2と、前記固体電解質層2の一方の面に形成された平板状の燃料極3と、前記固体電解質層2の他方の面に形成された平板状の空気極4とを備える。この実施形態の固体酸化物形燃料電池における単セル1は、方形板状体であるが、その形状は特に限定されず、円盤状体であってもよい。単セル1における空気極4及び燃料極3それぞれと集電体5とは電気的に接続されている。
前記固体電解質層2は、固体酸化物形燃料電池の運転時に、空気極4に導入される酸化剤ガスをイオンとして移動させることができるイオン電導性を有する。固体電解質層2は、酸化剤ガスが燃料極3へと通過すること、及び燃料ガスが空気極4へと通過することを防止できるように緻密に形成される。固体電解質層2は、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、サマリア添加セリア(SDC)、及びガドリア添加セリア(GDC)等の少なくとも一種により形成されることができる。
前記燃料極3は、固体電解質層2の空気極4が形成されている面とは反対側の面に形成されている。燃料極3は、燃料ガスと接触して燃料電池におけるアノードとして機能する限り、その構造及び材料等は特に限定されない。燃料極3は、多孔質構造を有し、燃料ガスが通過できるように形成されている。燃料極3を形成する材料としては、例えば、Ni及びFe等の金属とY及びSc等の希土類元素のうちの少なくとも一種により安定化されたジルコニア等のジルコニア系セラミック等が挙げられる。
前記空気極4は、固体電解質層2の燃料極3が形成されている面とは反対側の面に形成されている。前記空気極4は、酸化剤ガスと接触して燃料電池におけるカソードとして機能する限り、その構造及び材料等は特に限定されない。空気極4は、多孔質構造を有し、酸化剤ガスが通過できるように形成されている。空気極4を形成する材料としては、例えば、金属、金属の酸化物、金属の複合酸化物等を挙げることができる。金属としては、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Ru等の金属及び2種以上の金属を含有する合金等が挙げられる。金属の酸化物としては、La、Sr、Ce、Co、Mn、Fe等の酸化物、例えば、La、SrO、Ce、Co、MnO、FeO等が挙げられる。複合酸化物としては、La、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe、Mn等のうちの少なくとも1種を含有する複合酸化物、例えば、La1−xSrCoO系複合酸化物(LSC)、La1−xSrFeO系複合酸化物(LSF)、La1−xSrCo1−yFe系複合酸化物(LSCF)、La1−xSrMnO系複合酸化物(LSM)、Pr1−xBaCoO系複合酸化物(PBC)、Sm1−xSrCoO系複合酸化物(SSC)、LaNi1−xFe系複合酸化物(LNF)等が挙げられる。前記空気極4は、例えば前述した材料からなる複数の層により形成されてもよい。
前記集電体5は、隣接する単セル1の間に設けられ、少なくとも単セル1で発生した電流を外部回路へ取り出す機能を有する。集電体5は、空気極4及び燃料極3それぞれと電気的に接続されている。集電体5の形状は特に限定されないが、本実施形態では、図3に示す集電体5は、両面に凹凸を有する略板状体である。集電体5は、単セル1に略平行に延在する板状部8と、板状部8から空気極4に向かって突出する集電部6と、板状部8から燃料極3に向かって突出する集電部6´とを有する。集電部6、6´は柱状体であり、複数の集電部6、6´が、板状部8の両面に行列状に配列されている。隣接する集電部6、6´の間に形成された空間が、酸化剤ガス室41又は燃料ガス室31となる。なお、集電部6、6´は板状部8と別体で設けられていてもよい。
前記集電体5は、Crを含有し、導電性を有する材料により形成される。集電体5を形成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、クロム基合金等を挙げることができる。ステンレス鋼としては、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼等を挙げることができる。この実施形態の集電体5は、単一の材料により形成されているが、板状部8と集電部6、6´とが異なる材料により形成されていてもよいし、さらに空気極4に向かって突出する集電部6と燃料極3に向かって突出する集電部6´とが異なる材料により形成されていてもよい。集電体5は、固体酸化物形燃料電池の運転中に、酸化剤ガス室41を形成している面が700℃程度の高温環境下で酸化雰囲気に曝される。そのため、集電体5に含まれるCrが酸化して、集電体5の表面にCrの酸化物被膜が形成される。
集電体5は、その表面にCrの拡散を抑制するコート層を有する。集電体5が、コート層10を有していない場合には、高温及び酸化雰囲気下では、このCrの酸化物被膜からCrが拡散して空気極4に至り、空気極4を形成する物質と反応することにより空気極4の機能が低下することが知られている。集電体5における酸化剤ガスに曝されている表面では、高温及び酸化雰囲気下で集電体5の表面に形成されたCrの酸化物被膜から酸化剤ガス室41中にCrが蒸発して空気極4の外表面からCrが空気極4の内部に侵入する。また、集電体5と空気極4とが接合層7を介して接合されている箇所では、高温及び酸化雰囲気下で、Crの酸化物被膜からCrが蒸発して接合層7内の気孔を通って空気極4の内部に侵入する場合と、Crの酸化物被膜中のCrが接合層7を形成する物質と反応しながら空気極4へ向かって拡散する場合とがある。このように集電体5に含まれるCrが様々な経路を経て集電体5から空気極4へと移動する現象を、本発明では「Crの拡散」と称する。
コート層10は、高温及び酸化雰囲気下でCrの酸化物被膜が形成される集電体5の表面に少なくとも設けられていればよく、集電体5の全表面にコート層10が設けられていてもよい。図3に示す集電体5は、空気極4に臨む側の全面にコート層10が設けられている。すなわち、図3に示す集電体5は、酸化剤ガスに曝される面に、コート層10が設けられている。
コート層10と空気極4とは、接合層7により接合されている。具体的には、集電体5における集電部6の頂面の表面に設けられたコート層10と空気極4とが接合層7により接合されている。したがって、集電体5と空気極4とが電気的に接続されている接合部分は、空気極4、接合層7、コート層10、及び集電体5の順に積層及び接合されている。
図4に示すように、コート層10のうち接合層7に接触している領域である接合領域23の気孔率は、接合層7に接触していない領域である非接合領域25の気孔率より大きい。接合領域23の気孔率が、非接合領域25の気孔率より大きいと、集電体5に含まれるCrによる空気極4の被毒を抑制しつつ、集電体5が空気極4から剥離するのを抑制することができる。
図4に示すように、接合領域23は、接合層7とコート層10との界面である接合面21と、集電体5とコート層10との界面である集電面22と、接合面21の端縁上の点から集電面22までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面26とにより囲まれる領域である。非接合領域25は、コート層10のうちの接合領域23以外の領域である。図4に示すように、コート層10を表面に有する集電部6の頂面の全面が接合層7に接触しているので、接合面21はコート層10を表面に有する集電部6の頂面と同じである。コート層10を表面に有する集電部6は角柱体であるので、接合面21の端縁は角形である。接合面21の端縁上の任意の点を始点とし、集電面22上の点を終点として、始点から終点までを最短距離で結ぶ線分を想定するとき、図4において、終点は角形の集電部6の頂面の端縁上にある。始点と終点とを最短距離で結ぶ線分を、始点が角形の接合面21の端縁を一周する分だけ集合すると、仮想境界面26は、底面が接合面21で上面が集電面22である錐台の側面を示す。図4に示すように、集電体5を単セル1と集電体5との積層方向の任意の面で切断して得られた切断面において、接合領域23は、接合面21を示す線分と集電面22を示す線分と仮想境界面26を示す線分とにより囲まれる台形の領域として示される。非接合領域25は、集電面22を示す線分とコート層10の外表面24を示す線分と仮想境界面26を示す線分とにより囲まれる領域として示される。なお、集電部6が角柱体でなく角が面取り等されている場合であっても、単セル1と集電体5との積層方向の断面において、接合面を示す線分の両端それぞれから集電面を示す線分まで、最短距離となるように仮想線分を引き、接合領域と非接合領域とを決定することができる。集電部の形状に関わらず、同様の手法で各領域を決定できることは言うまでもない。
コート層10は気孔率が小さく、緻密であるほど、Crの空気極4への拡散を抑制することができる。したがって、コート層10における接合領域23及び非接合領域25のいずれも気孔率が小さく、緻密であるのが、空気極4のCr被毒を抑制する点で好ましい。一方で、固体酸化物形燃料電池の運転時に、集電体5と空気極4との接合部分は700℃程度の高温環境下に曝されるので、コート層10の気孔率が小さく、緻密であるほど、接合領域23の内部の熱応力が大きくなり、集電体5が空気極4から剥離し易くなると考えられる。したがって、コート層10の気孔率を大きくすれば、接合領域23の熱応力を気孔による緩衝作用によって緩和し、集電体5が空気極4から剥離し難くなると考えられるが、一方でコート層10による空気極4のCr被毒の抑制効果が低下してしまう。そこで、本発明の発明者は、コート層10全体の気孔率を大きくするのではなく、コート層10における接合層7に接触する領域すなわち接合領域23のみ気孔率を大きくし、非接合領域25の気孔率は小さく、緻密にすればよいと考えた。非接合領域25の気孔率が小さく、緻密であると、集電体5から酸化剤ガス室41中へのCrの拡散を抑制することができる。接合領域23の気孔率が、非接合領域25の気孔率よりも大きいと、接合領域23は非接合領域25よりCrの拡散を抑制する効果は劣るものの、接合領域23の内部に発生する熱応力を緩和して、集電体5が空気極4から剥離するのを抑制することができる。本発明におけるコート層10は、気孔率が相対的に大きい領域をコート層10全体でなく、接合領域23のみに限定しているので、集電体5に含まれるCrによる空気極4の被毒を抑制しつつ、集電体5が空気極4から剥離するのを抑制することができる。また、接合領域23は、非接合領域25より気孔率が大きくても、接合領域23と空気極4との間に接合層7が介在しているので、集電体5から非接合領域25を介して酸化剤ガス室41中へCrが拡散して空気極4に至る速度よりCrの拡散速度が遅くなり、Crの拡散を抑制することができる。
非接合領域25の気孔率は、仮に集電体5の表面全体に非接合領域25と同じ気孔率を有するコート層が設けられていた場合にCrの拡散を抑制することができ、その結果、空気極4の機能を維持できる程度の数値範囲にあるのが好ましい。非接合領域25の気孔率は、コート層10を形成する物質及び厚み等によって異なり、例えば、5%〜30%であるのが好ましい。接合領域23の気孔率もまた、コート層10を形成する物質及び厚み等によって異なり、少なくとも非接合領域25の気孔率より大きく、非接合領域25の気孔率より気孔率が5%〜20%大きいのが好ましい。接合領域23の気孔率が非接合領域25の気孔率より気孔率が5%〜20%大きいと、集電体5に含まれるCrによる空気極4の被毒を抑制して空気極4の機能を維持することができると共に、集電体5が空気極4から剥離するのを抑制することができる。
前記接合領域23に形成されている気孔の分布状態は、特に限定されない。前記接合領域23は、気孔が接合領域23全体に分散し、気孔率が接合領域23全体で均一であっても、気孔が偏在していてもよい。したがって、前記接合領域23は、気孔が接合層7に隣接する領域に偏在し、例えば、集電体5に隣接する領域の気孔率が小さく、接合層7に隣接する領域の気孔率が大きくてもよい。また、前記接合領域23は、集電面22から接合面21に向かって気孔率が次第に大きくなるように、気孔率が傾斜状になっていてもよい。前記接合領域23は、集電体5に隣接する領域の気孔率が接合層7に隣接する領域の気孔率よりも相対的に小さく、緻密である方が、集電体5から空気極4へのCrの拡散を抑制することができる。また、熱膨張率は、通常、Crを含有する合金からなる集電体4より酸化物から形成される空気極4の方が大きい。したがって、前記接合領域23のうち接合層7に隣接する領域の気孔率が集電体5に隣接する領域の気孔率よりも相対的に大きい方が、熱応力を緩和することができる。また、接合領域23と非接合領域25とは、両者の気孔率の違いにより境界が明確であってもよいし、両者の境界が不明確であり、接合領域23から非接合領域25に向かって気孔率が次第に小さくなっていてもよい。いずれにしても、接合領域23全体の気孔率が非接合領域25全体の気孔率よりも大きければよい。
前記コート層10における気孔率は、以下のようにして求めることができる。まず、接合層7とコート層10と集電体5とを含む部分を、接合層7とコート層10と集電体5とが積層される積層方向の任意の面で切断する。得られた切断面におけるコート層10を含む部分についてSEM(走査型電子顕微鏡)等により画像を得る。得られた画像において、気孔率を測定する領域の一端から他端まで線分を引き、この線分に平行な複数の線分を、例えば1〜2μm間隔で引く。なお、コート層10の接合領域23及び非接合領域それぞれに対して線分が10本程度引ける倍率で画像を取得することとする。全ての線分上に存在する気孔の長さの合計Lと全ての線分の長さの合計Ltとを算出し、全ての線分の長さの合計Ltに対する気孔の長さの合計Lの割合[(L/Lt)×100](%)を気孔率とする。接合領域23の気孔率は、以下のように求める。集電体5は、複数の集電部6を有し、それぞれの頂面に接合領域23が形成されているので、接合領域23は複数箇所に分かれている。これらのうちの少なくとも3箇所の接合領域23それぞれの気孔率を測定し、得られた値の算術平均を接合領域23の気孔率とする。なお、各箇所の接合領域23の気孔率は、接合領域23の切断面全体について、上述したように測定する。例えば、図4に示す切断面において、接合面21を示す線分と集電面22を示す線分と仮想境界面26を示す線分とで囲まれる台形の領域全体について、気孔率を測定する。また、集電体5は、複数の集電部6を有し、隣接する集電部6の間に非接合領域25が形成されているので、非接合領域25は複数箇所に分かれている。これらのうちの少なくとも3箇所の非接合領域25それぞれの気孔率を測定し、得られた値の算術平均を非接合領域25の気孔率とする。なお、非接合領域25の気孔率についても、各箇所の非接合領域25全体について、上述したように気孔率を測定する。例えば、図3に示す切断面において、集電面22を示す線分とコート層10の外表面24を示す線分と仮想境界面26を示す線分とにより囲まれる領域、すなわち隣接する接合領域23同士の間にある非接合領域25全体について、気孔率を測定する。なお、気孔率を測定する際に、コート層10と接合層7との界面21が不明瞭である場合には、接合領域23の厚みは、非接合領域25の厚みと同程度であるとみなして、その厚みの範囲を接合領域23として気孔率を測定する。
前記コート層10は、Crの拡散を抑制することができると共に導電性を有する限り、任意の材料により形成されることができる。前記コート層10は、Crと反応し難い元素、例えば、Mn、Co、Cu、及びZnからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む材料で形成されるのが好ましい。このような材料として、例えば、Mn、Co、Cu、及びZnからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むスピネル型酸化物及びペロブスカイト型酸化物、並びにZnO等を挙げることができる。スピネル型酸化物は、スピネル型の結晶構造を有する金属酸化物であり、例えば、CuMn、MnCo、CoMn、MnFe、ZnMn、CuFe、NiMn、CoCr等を挙げることができる。なお、スピネル型酸化物は、基本組成ABの組成式で示される酸化物であるが、結晶中にAサイトとBサイトと称する陽イオンが配置される2つのサイトの元素の比率はスピネル型酸化物である限りズレが生じても構わない。ペロブスカイト型酸化物は、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物であり、例えば、LSCF、LSC、LSF、LSM、及びLNF等を挙げることができる。これらの中でも、熱膨張率が比較的集電体5に近く、導電性に優れている点で、コート層10は、Mn、Co、Cu、及びZnからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むスピネル型酸化物を含有するのが好ましく、前記スピネル型酸化物を主相として含有するのがより好ましく、前記スピネル型酸化物により形成されるのが特に好ましい。前記コート層10は、Crの拡散を抑制することができると共に導電性を有する限り、前述した金属元素からなる金属を含んでいてもよいし、また、スピネル型酸化物及びペロブスカイト型酸化物以外の酸化物を含んでいてもよい。
前記接合層7は、空気極4とコート層10とを接合することができると共に導電性を有する限り、任意の材料で形成されることができる。このような材料として、Ag等の金属、前記コート層10を形成する材料として挙げた材料である、スピネル型酸化物、ペロブスカイト型酸化物、ZnO等を挙げることができる。これらの中でも、Crの空気極4への拡散を抑制することができると共に、熱膨張率が比較的集電体5に近く、導電性に優れている点で、接合層7は、Mn、Co、Cu、及びZnからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むスピネル型酸化物を含有するのが好ましく、前記スピネル型酸化物を主相として含有するのがより好ましく、前記スピネル型酸化物により形成されるのが特に好ましい。前記接合層7は、空気極4とコート層10とを接合することができると共に導電性を有する限り、前述した金属元素からなる金属を含んでいてもよいし、また、スピネル型酸化物及びペロブスカイト型酸化物以外の酸化物を含んでいてもよい。接合層7とコート層10とは、同じ材料により形成されていてもよいし、異なる材料により形成されていてもよい。
前記コート層10及び前記接合層7を形成する物質は、次のようにして特定することができる。まず、接合層7とコート層10と集電体5とを含む部分を、単セル1の積層方向の任意の面でFIB(集束イオンビーム)加工によって切断し、得られた切断面を周知のTEM−EDXにて分析し、コート層10及び接合層7それぞれに含まれる元素の定性及び定量を行う。コート層10及び接合層7それぞれに含まれる物質の結晶構造の同定は、電子線回折分析により得られた電子線回折チャートと電子線回折データベースとを対比することにより行う。
前記固体酸化物形燃料電池スタック100は、コート層10における接合領域23の気孔率が非接合領域25の気孔率より大きいので、集電体5に含まれるCrによる空気極4の被毒を抑制しつつ、集電体5が空気極4から剥離するのを抑制することができる。
次に、固体酸化物形燃料電池スタック100の製造方法の一例を以下に説明する。
この実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック100の製造方法は、コート層10の製造方法以外は、従来公知の固体酸化物形燃料電池スタックの製造方法を用いることができる。したがって、以下において、コート層10の製造方法を中心に説明する。
単セル1は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、まず、前述した燃料極3の構成成分を有する原料粉末と造孔材である有機ビーズとブチラール樹脂と可塑剤と分散剤と溶剤とを混合してスラリーを調製し、得られたスラリーをドクターブレード法等により支持体上に塗布して乾燥させることで、燃料極用グリーンシートを作製する。また、固体電解質層用グリーンシートを燃料極用グリーンシートと同様にして作製する。次いで、得られた燃料極用グリーンシートと得られた固体電解質層用グリーンシートとを積層し、これを焼結して、焼結積層体を作製する。次いで、前記焼結積層体における固体電解質層2の上に、前述した空気極4の構成成分を有する原料粉末により調製したペーストをスクリーン印刷等により塗布してペースト層を形成し、このペースト層を焼結して空気極4を形成する。このようにして、単セル1が製造される。
集電体5は、前述した材料、例えば、フェライト系ステンレス鋼等のCrを含有すると共に導電性を有する材料からなる板材を、プレス又はエッチング等で加工して、適宜の形状に整形される。例えば、図3に示すように、板状部8の両面に複数の柱状の集電部6、6´が行列状に配列された形状を有する集電体5を得る。
次いで、集電体5における集電部6が設けられている側の表面にコート層10を形成する。コート層10の形成方法としては、ウェットコーティング法、ドライコーティング法等を採用することができる。
ウェットコーティング法としては、スプレーコート、インクジェット、ディップコート、及びスクリーン印刷等を挙げることができる。ウェットコーティング法では、まず、コートペーストを準備する。コートペーストは、コート層10を形成する材料として例示したスピネル型酸化物及びペロブスカイト型酸化物等の導電性粉末と溶剤とを含む。コートペーストは、必要に応じて、バインダー、及び他の添加剤等を含む。前記溶剤としては、エタノール、ブタノール、テルピネオール、アセトン、キシレン、トルエン、ビヒクル等を挙げることができる。前記バインダーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。前記他の添加剤としては、分散剤、可塑剤等を挙げることができる。
ドライコーティング法としては、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、及び溶射等を挙げることができる。
前記固体酸化物形燃料電池スタック100は、コート層10における接合領域23の気孔率が、非接合領域25の気孔率より大きい。接合領域23の気孔率が非接合領域25の気孔率より大きくなるようにコート層10を形成する方法として、次のいずれかの方法を採用することができる。例えば、ウェットコーティング法において、非接合領域25となる部分より接合領域23となる部分の焼成温度が低くなるようにして焼成する方法を挙げることができる。具体的には、コートペーストがコーティングされていない面がホットプレートに接触するように、集電体5をホットプレートに載置して焼成する方法を挙げることができる。また、接合領域23となる部分と非接合領域25となる部分とで、異なる材料を用いてコート層10を形成する方法を挙げることができる。具体的には、接合領域23となる部分にマスキングをし、ウェットコーティング法、ドライコーティング法等により非接合領域25をコーティングした後に、非接合領域25となる部分にコーティングされるコートペーストよりも粒径の大きい導電性粉末を含むコートペースト、若しくは樹脂ビーズ、カーボン粉末等の造孔材を添加したコートペーストを接合領域23となる部分にウェットコーティング法、ドライコーティング法等でコーティングする方法を挙げることができる。次いで、コート層10を形成する材料がコーティングされた集電体5を900℃〜1200℃で1〜3時間焼成することにより、非接合領域25となる部分より接合領域23となる部分の気孔率が大きいコート層10が表面に設けられた集電体5が、製造される。
並行して、接合層7を形成する接合ペーストを準備する。接合ペーストは、例えば、接合層7を形成する材料として例示したスピネル型酸化物及びペロブスカイト型酸化物等の導電性粉末と溶剤とを含む。接合ペーストは、必要に応じて、コートペーストと同様に、バインダー、及び他の添加剤等を含んでもよい。
次いで、接合ペーストを集電部6の頂面に設けられたコート層10の表面に塗布して、必要に応じて乾燥した後に、接合ペーストと単セル1における空気極4とが接触するように積層して積層体を形成する。このとき、接合ペーストを単セル1における空気極4に塗布して積層体を形成してもよい。
次いで、積層体を所望により複数積層して固体酸化物形燃料電池スタック100を組み上げる。固体酸化物形燃料電池スタック100を積層体の積層方向に貫通している固定部材12〜15に取り付けられた締付部材により締め付けて、固体酸化物形燃料電池スタック100に積層方向の圧力をかけた状態で焼成することにより各部材同士を接合する。このようにして固体酸化物形燃料電池スタック100を製造する。
この実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック100の製造方法によると、接合領域23の気孔率が非接合領域25の気孔率よりも大きいコート層10を容易に製造することができる。したがって、この実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック100の製造方法によると、集電体5に含まれるCrによる空気極4の被毒を抑制しつつ、集電体5が空気極4から剥離するのを抑制することができる固体酸化物形燃料電池スタック100を容易に製造することができる。
この発明の固体酸化物形燃料電池スタックは、その他の機器等と共に収納容器に収められることにより、高電圧の出力が可能な電池として、各種用途に用いることができる。この電池は、例えば、家庭用の小型コージェネレーションシステムにおける発電源として、又は業務用の大型コージェネレーションシステムにおける発電源として、用いることができる。
この発明の固体酸化物形燃料電池スタックは、前述した実施形態に限定されることはなく、この発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、前記固体酸化物形燃料電池スタック100における単セル1は方形板状体であるが、単セル1の形状は特に限定されず、例えば、以下に説明する図5及び図6に示す形状を有していてもよい。また、前記固体酸化物形燃料電池スタック100における集電体5は、板状部8の両面に複数の柱状の集電部6、6´が行列状に配列された形状を有するが、集電体5の形状は特に限定されず、例えば、以下に説明する図5及び図6に示す形状を有していてもよい。
図5に示す固体酸化物形燃料電池スタック111は、単セル101が円筒状体であり、複数の単セル101が集電体105を介して直列に接続されて形成されている。単セル101は、円筒状の燃料極103の内部に燃料ガスが流通する燃料ガス通路128を有する。円筒状の燃料極103の外周面に固体電解質層102、空気極104がこの順に積層されて、円筒状体に形成されている。集電体105は、Crを含有し、導電性を有する材料により形成され、前述した実施形態の集電体5と同様の材料により形成される。集電体105は、少なくとも酸化剤ガスに曝される表面にコート層110が設けられていればよい。この実施形態においては、柱状の集電体105の全表面にコート層110が設けられている。集電体105の一方の面はコート層110及び接合層107を介して空気極104に電気的に接続されている。すなわち、集電体105に設けられたコート層110は、接合層107によって空気極104に接合されている。集電体105における空気極104が設けられている面とは反対側の面には柱状のインターコネクタ108が接合層107´を介して設けられている。インターコネクタ108は、導電性セラミックにより形成されているので、高温及び酸化雰囲気下においてもCrの拡散が生じない。したがって、インターコネクタ108の表面にはCrの拡散を防止するためのコート層が設けられていない。インターコネクタ108における集電体105が設けられている面とは反対側の面は燃料極103に電気的に接続され、インターコネクタ108の側面の一部は固体電解質層102に接続されている。
コート層110は、接合層107に接触している領域である接合領域123と、接合層107に接触していない領域である非接合領域125と、接合層107´に接触している領域である第2接合領域123´とを有する。接合領域123の気孔率は、非接合領域125の気孔率より大きい。したがって、集電体105に含まれるCrによる空気極104の被毒を抑制しつつ、集電体105が空気極104から剥離するのを抑制することができる。接合領域123は、接合層107とコート層110との界面である接合面121と、集電体105とコート層110との界面である集電面122と、接合面121の端縁上の点から集電面122までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面126とにより囲まれる領域である。非接合領域125は、集電面122と、仮想境界面126と、コート層110の外表面124と、接合層107´とコート層110との界面である第2接合面129の端縁上の点から集電面122までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面126´とにより囲まれる領域である。第2接合領域123´は、第2接合面129と仮想境界面126´と集電面122とにより囲まれる領域である。第2接合領域123´は、非接合領域125と気孔率が同じであってもよいが、接合領域123と同様に非接合領域125より気孔率が大きいのが好ましい。第2接合領域123´の気孔率が非接合領域125より大きいと、集電体105がインターコネクタ108から剥離するのを抑制することができる。図5に示すように、集電体105を単セル101の積層方向の任意の面で切断して得られた切断面において、接合領域123は、接合面121を示す線分と集電面122を示す線分と仮想境界面126を示す線分とで囲まれる逆台形の領域として示される。非接合領域125は、集電面122を示す線分と仮想境界面126を示す線分とコート層110の外表面124を示す線分と仮想境界面126´を示す線分とにより囲まれる領域として示される。第2接合領域123´は、第2接合面129を示す線分と仮想境界面126´を示す線分と集電面122を示す線分とで囲まれる台形の領域として示される。
図6に示す固体酸化物形燃料電池スタック211は、単セル201が扁平筒状体であり、複数の単セル201が集電体205を介して直列に接続されて形成されている。単セル201は扁平筒状の支持基板209を備え、支持基板209の内部に燃料ガスが流通する複数の燃料ガス通路228を有する。支持基板209は略平行に対向するように配置される2つの平坦面と、これらの平坦面の間に配置され、外側に膨出する2つの弧状面とを有する。支持基板209の平坦面における一方の面と2つの弧状面とを覆うように燃料極203及び固体電解質層202がこの順に積層され、平坦面の一方の面の固体電解質層202上に空気極204が積層されて単セル201が形成されている。集電体205は、Crを含有し、導電性を有する材料により形成され、前述した実施形態の集電体5と同様の材料により形成される。集電体205は、少なくとも酸化剤ガスに曝される表面全体にコート層210が設けられていればよい。この実施形態において集電体205は、集電体205の表面全体にコート層210が設けられている。集電体205は、幅方向中央部に膨出部を有する2枚の弾性変形可能な導電性板部材を有し、これらの導電性板部材の左右両側縁が互いに接合され、2枚の導電性板部材の間に中空空間227が形成されている。集電体205における一方の膨出部はコート層210及び接合層207を介して空気極204に電気的に接続されている。すなわち、集電体205に設けられたコート層210は、接合層207によって空気極204に接合されている。集電体205における他方の膨出部はコート層210及び接合層207´を介してインターコネクタ208に電気的に接合されている。インターコネクタ208は、導電性セラミックにより形成されているので、高温及び酸化雰囲気下においてもCrの拡散が生じない。したがって、インターコネクタ208の表面にはCrの拡散を防止するためのコート層が設けられていない。インターコネクタ208における集電体205が設けられている面とは反対側の面は支持基板209に電気的に接続され、インターコネクタ208の側面の一部は燃料極203及び固体電解質層102に接続されている。
コート層210は、接合層207に接触している領域である接合領域223と、接合層207に接触していない領域である非接合領域225と、接合層207´に接触している領域である第2接合領域223´とを有する。接合領域223の気孔率は、非接合領域225の気孔率より大きい。したがって、集電体205に含まれるCrによる空気極204の被毒を抑制しつつ、集電体205が空気極204から剥離するのを抑制することができる。接合領域223は、接合層207とコート層210との界面である接合面221と、集電体205とコート層210との界面である集電面222と、接合面221の端縁上の点から集電面222までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面226とにより囲まれる領域である。非接合領域225は、集電面222と、仮想境界面226と、コート層210の外表面224と、接合層207´とコート層210との界面である第2接合面229の端縁上の点から集電面222までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面226´とにより囲まれる領域である。第2接合領域223´は、第2接合面229と仮想境界面226´と集電面222とにより囲まれる領域である。第2接合領域223´は、非接合領域225と気孔率が同じであってもよいが、接合領域223と同様に非接合領域225より気孔率が大きいのが好ましい。第2接合領域223´の気孔率が非接合領域225より大きいと、集電体205がインターコネクタ208から剥離するのを抑制することができる。図6に示すように、集電体205を単セル201の積層方向の任意の面で切断して得られた切断面において、接合領域223は、接合面221を示す線分と集電面222を示す線分と仮想境界面226を示す線分とで囲まれる長方形の領域として示される。非接合領域225は、集電面222を示す線分と仮想境界面226を示す線分とコート層210の外表面224を示す線分と仮想境界面226´を示す線分とにより囲まれる領域として示される。第2接合領域223´は、第2接合面229を示す線分と仮想境界面226´を示す線分と集電面222を示す線分とで囲まれる台形の領域として示される。
[サンプルの作製]
<サンプル3>
コートペーストは、導電性粉末としてスピネル型結晶構造を有するMnCoOの粉末と溶剤とバインダーとを混合して得た。
接合ペーストは、導電性粉末としてスピネル型結晶構造を有するMnCoの粉末と溶剤とバインダーとを混合して得た。
前述したように、従来公知の方法により、縦10mm、横10mm、厚み1mmの単セル1を作製した。なお、空気極4は、LSCFの粉末を含むペーストを固体電解質層2の表面に塗布した後に焼成することにより形成した。
集電体5は、フェライト系ステンレス鋼からなる縦20mm、横20mm、厚み2mmの板部材をエッチング加工して、板状部8の片面に角柱状の集電部6が行列状に所定の間隔で配列された形状に整形した。
まず、集電体5の表面全体に、集電部6の頂面をマスキングした状態でコートペーストをスプレーコートにより塗布した。次いで、集電体5の頂面以外の表面に塗布したコートペーストより粒径の大きいコートペーストを集電部6の頂面にスクリーン印刷した。次いで、電気炉にて約1000℃で2時間焼成した。このようにして、集電体5における集電部6の頂面に設けられたコート層10(接合領域23となる部分)の気孔率が、これ以外の部分(非接合領域25となる部分)に比べて大きくなるようにコート層10を形成した。
次いで、集電部6の頂面に設けられたコート層10の表面に、スクリーン印刷により接合ペーストを印刷した。これを、約100℃で乾燥し、接合ペーストが印刷された集電体5を得た。
次いで、この接合ペーストと単セル1における空気極4とが接触するように積層して、燃料極3、固体電解質層2、空気極4、接合ペースト、コート層10、及び集電部6、板状部8がこの順に配置された積層体を形成した。この積層体を電気炉にて約900℃で1時間保持して焼成し、空気極4とコート層10とが接合層7で接合されたサンプル3を得た。
<サンプル1、2、4〜16>
表1に示すように、コートペースト及び接合ペーストそれぞれに含まれる導電性粉末の種類、導電性粉末の平均粒径、焼成温度、及び焼成時間を必要に応じて変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンプル1、2、4〜16を得た。
[気孔率の測定]
気孔率は、前述したように求めた。まず、サンプルにおいて接合層7とコート層10と集電体5とを含む部分を、接合層7とコート層10と集電体5とが積層される積層方向の任意の面で切断し、得られた切断面をSEMにより画像撮影した。得られたSEM画像において、気孔率を測定する部分の一端から他端まで線分を引き、この線分に平行な複数の線分を、例えば1〜2mm間隔で引き、全ての線分上に存在する気孔の長さの合計Lと全ての線分の長さの合計Ltとを測定し、[(L/Lt)×100](%)を算出することにより、気孔率を求めた。なお、コート層10の接合領域23及び非接合領域25それぞれに対して線分が10本程度引ける倍率で画像を取得した。
接合領域23の気孔率に関しては、複数の集電部6のうちの3つの集電部6における接合領域23それぞれの気孔率を測定し、得られた値の算術平均を表1に示す「接合領域の気孔率」とした。なお、各箇所の接合領域23の気孔率は、接合領域23の切断面全体について、測定した。
非接合領域25の気孔率に関しては、隣接する接合領域23同士の間にある複数の非接合領域25のうちの3箇所について気孔率を測定し、得られた値の算術平均を表1に示す「非接合領域の気孔率」とした。なお、気孔率は、切断面において、各箇所の非接合領域25全体について、測定した。
[TEM分析]
サンプルにおける空気極4、接合層7、及びコート層10それぞれを形成する物質を、前述したようにTEMにより特定した。まず、FIB加工によって単セル1の積層方向の任意の面で切断して切断面を得た。得られた切断面をTEMに付属のEDXにて構成元素の定性、定量分析をし、電子線回折分析によって空気極4、接合層7、及びコート層10それぞれに主相として含まれる物質の結晶構造の同定を行った。結果を表1に示す。
[SEMによる観察]
図7及び図8は、サンプル3における、集電部6の頂面に設けられたコート層10を含む箇所すなわち接合領域23を含む箇所の切断面のSEM写真である。図9は、サンプル3における、板状部8に設けられたコート層10を含む箇所すなわち非接合領域25を含む箇所の切断面のSEM写真である。図7〜図9に示すように、非接合領域25は、接合領域23よりも緻密質に形成されており、明らかに気孔率が小さい。また、接合領域23及び非接合領域25のいずれも領域全体に気孔が分散している。
[剥離性の評価]
サンプルを電気炉に入れて、雰囲気温度を50℃〜800℃まで昇温させた後に、雰囲気温度を800℃から50℃まで降温させる熱サイクルを100回繰り返す熱サイクル試験を行った。
熱サイクル試験を行った後に、集電体5が単セル1から剥離するかどうか調べた。結果を表1に示す。表1では、剥離した場合を「×」、剥離しなかった場合を「○」で示した。
[空気極のCr被毒の評価]
サンプルを電気炉に入れて、雰囲気温度を900℃にして300時間保持する加熱試験を行った。
加熱試験を行った後に、空気極4におけるCrの含有率を測定し、空気極4のCr被毒の状態を調べた。空気極4中のCrの含有率は、加熱試験後にサンプルから空気極を削り取り、削り取った空気極の粉末をICP質量分析装置(ICP−MASS)で分析することにより行った。結果を表1に示す。表1では、Crの含有率が100ppm以上であった場合を「×」、Crの含有率が100ppm未満であった場合を「○」で示した。
Figure 0006298807
表1に示すように、サンプル3、6、9、12、16は、剥離性の評価及び空気極4のCr被毒の評価の両方の評価結果が良好であった。サンプル3、6、9、12、16は、接合領域23の気孔率が非接合領域25の気孔率より大きいので、接合領域23の内部に発生する熱応力を緩和して、集電体5が空気極4から剥離を抑制することができたと考えられる。また、サンプル3、6、9、12、16は、気孔率が相対的に大きい領域が接合領域23のみであり、また、接合領域23と空気極4との間に接合層7が介在しているので、集電体5から非接合領域25を介して酸化剤ガス室41中へCrが拡散して空気極4に至る速度よりCrの拡散速度が遅くなるため、Crの拡散を抑制できたと考えられる。
サンプル1、4、7、10、13は、空気極4のCr被毒の評価は良好であるが、剥離性の評価が劣っていた。サンプル1、4、7、10、13は、接合領域23及び非接合領域25の気孔率は同じであり、いずれの気孔率も相対的に小さく、緻密であるので、Crの拡散を抑制することができる一方で、接合領域23の内部に発生する熱応力を緩和することができず、集電体5が空気極4から剥離し易くなったと考えられる。
サンプル2、5、8、11、14は、剥離性の評価は良好であるが、空気極4のCr被毒の評価は劣っていた。サンプル2、5、8、11、14は、接合領域23及び非接合領域25のいずれの気孔率も相対的に大きいので、接合領域23の内部に発生する熱応力を緩和することができる一方で、Crの拡散を抑制する効果が低下してしまったと考えられる。
サンプル15は、剥離性の評価及び空気極4のCr被毒の評価の両方の評価結果が劣っていた。サンプル15は、接合領域23の気孔率が非接合領域25の気孔率より小さく、緻密であるので、接合領域23の内部に発生する熱応力を緩和することができず、集電体5が空気極4から剥離し易くなったと考えられる。また、サンプル15は、非接合領域25の気孔率が接合領域23の気孔率より大きく、Crの拡散を抑制する効果が低下してしまったと考えられる。
以上から、コート層10における接合領域23の気孔率が非接合領域25の気孔率より大きいと、空気極4のCr被毒を抑制しつつ集電体5が空気極4から剥離するのを抑制することができることが分かる。
1、101、201 単セル
2、102、202 固体電解質層
3、103、203 燃料極
4、104、204 空気極
5、105、205 集電体
6、6´ 集電部
7、7´、107、107´、207、207´ 接合層
8 板状部
10、110、210 コート層
12、13、14、15 固定部材
16 燃料ガス導入管
17 燃料ガス導出管
18 酸化剤ガス導入管
19 酸化剤ガス導出管
21、121、221 接合面
22、122、222 集電面
23、123、223 接合領域
24、124、224 外表面
25、125、225 非接合領域
26、126、226、126´、226´ 仮想境界面
231 支持基板面
31 燃料ガス室
41 酸化剤ガス室
51 セパレータ
52、53 エンドプレート
100、111、211 固体酸化物形燃料電池スタック
108、208 インターコネクタ
123´、223´ 第2接合領域
128、228 燃料ガス通路
129、229 第2接合層
209 支持基板
227 中空空間
OG 酸化剤ガス
FG 燃料ガス

Claims (4)

  1. 燃料極と空気極と固体電解質層とを有する燃料電池単セルと、
    Crを含有すると共に前記空気極と電気的に接続された集電体と、
    前記集電体の表面に形成された、一層からなるコート層と、
    前記コート層と前記空気極とを接合する接合層と、
    を備える固体酸化物形燃料電池スタックであって、
    前記コート層は、前記接合層と前記コート層との界面である接合面と、前記集電体と前記コート層との界面である集電面と、前記接合面の端縁上の点から前記集電面までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面とにより囲まれる接合領域と、前記接合領域以外の領域である非接合領域とを有し、
    前記非接合領域はその気孔率が5%〜30%であり、
    前記接合領域はその気孔率前記非接合領域の気孔率より5%〜20%大きいことを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタック。
  2. 燃料極と空気極と固体電解質層とを有する燃料電池単セルと、
    Crを含有すると共に前記空気極と電気的に接続された集電体と、
    前記集電体の表面に形成されたコート層と、
    前記コート層と前記空気極とを接合する接合層と、
    を備える固体酸化物形燃料電池スタックであって、
    前記コート層は、前記接合層と前記コート層との界面である接合面と、前記集電体と前記コート層との界面である集電面と、前記接合面の端縁上の点から前記集電面までを最短距離で結ぶ線分の集合である仮想境界面とにより囲まれる接合領域と、前記接合領域以外の領域である非接合領域とを有し、
    前記非接合領域はその気孔率が5%〜30%であり、
    前記接合領域はその気孔率前記非接合領域の気孔率より5%〜20%大きく、接合領域における気孔率が全体で均一であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタック。
  3. 前記集電体は、板状部と、前記板状部から前記空気極に向かって突出する集電部とを有し、
    前記接合層は、前記集電部の表面に形成された前記コート層と前記空気極とを接合することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  4. 前記コート層と前記接合層とは、Mn、Co、Cu、及びZnからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むスピネル型酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
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