JP2011134538A - セルスタックおよびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置 - Google Patents

セルスタックおよびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性接合材にクラックが生じることを抑制することができるセルスタック、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を提供する。
【解決手段】セルスタック1は、支持体13に燃料極層8、固体電解質層9およびLaSrCoO系酸化物からなる空気極層10が積層され、LaCrO系酸化物からなるインターコネクタ13を備える燃料電池セルの複数個を、導電性接合材14を介して集電部材4により接続してなるセルスタックであって、導電性接合材14が、平均粒径1μm以下のLaSrCoO系酸化物からなる微粉および平均粒径3μm以上のLaSrAO系酸化物(Aは、Mn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含む)からなる粗粉の混合体からなり、粗粉の熱膨張係数が、微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ粗粉が微粉よりも多く含有されるため、導電性接合材14にクラックが生じることを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明はセルスタックおよびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置に関するものである。
次世代エネルギーとして、近年、複数個の燃料電池セルを電気的に接続してなるセルスタックを収納容器内に収容した燃料電池モジュールが種々提案されている。
セルスタックとしては、複数個の燃料電池セルを間に集電部材を配置し、集電部材と隣接する燃料電池セルを導電性接合材等により接合し、それにより、各燃料電池セルを電気的に直列に接続することで構成されている。
ここで、集電部材と燃料電池セルとを接合するにあたり、集電部材の表面に、平均粒径が異なり、粗粉と微粉とが同じ成分からなるLaSrCoFe系ペロブスカイト型酸化物からなる導電性接合材を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−265742号公報
しかしながら、平均粒径が異なり、粗粉と微粉とが同じ成分からなるLaSrCoFe系ペロブスカイト型酸化物からなる導電性接合材を用いて集電部材と燃料電池セルとを接合した場合、セルスタックの作製時や燃料電池装置の作動時において、導電性接合材とインターコネクタや集電部材との熱膨張の差に起因して導電性接合材の内部に応力が集中し、導電性接合材にクラックが生じるおそれがある。そのため、セルスタックの長期信頼性が低下するおそれがあった。
そのため、本発明の目的は、セルスタックの作製時や燃料電池装置の作動時においても、導電性接合材にクラックが生じることを抑制することができる長期信頼性に優れたセルスタックおよびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置を提供することにある。
本発明のセルスタックは、導電性支持体の表面の互いに対向する部分の一方に表面に燃料極層、固体電解質層およびLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる空気極層がこの順に積層されているとともに、他方にLaCrO系ペロブスカイト型酸化物からなるインターコネクタを備える燃料電池セルの複数個を、隣接する一方の前記燃料電池セルの前記空気極層と他方の前記燃料電池セルの前記インターコネクタとをそれぞれ導電性接合材を介して集電部材により電気的に直列に接続してなるセルスタックであって、前記導電性接合材が、平均粒径1μm以下のLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる微粉および平均粒径3μm以上のLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物(Aは、Mn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含む)からなる粗粉の混合体からなり、前記粗粉の熱膨張係数が前記微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ前記粗粉が前記微粉よりも多く含有されていることを特徴とする。
このようなセルスタックにおいては、導電性接合材が、平均粒径1μm以下のLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる微粉および平均粒径3μm以上のLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物(Aは、Mn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含む)からなる粗粉の混合体からなり、粗粉の熱膨張係数が微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ粗粉が微粉よりも多く含有されていることから、導電性接合材の熱膨張係数を小さくすることができる。
それにより、導電性接合材と、インターコネクタや集電部材との熱膨張係数を近づけることができ、導電性接合材に生じる応力を緩和することができる。
それにより、導電性接合材の内部に生じる応力を緩和することができ、導電性接合材にクラックが生じることを抑制することができる。そのため、長期信頼性に優れたセルスタックとすることができる。
また、本発明のセルスタックは、粗粉がLaSrMnO系のペロブスカイト型酸化物からなることが好ましい。
このようなセルスタックにおいては、粗粉がLaSrMnO系のペロブスカイト型酸化物からなることから、導電性接合材とインターコネクタや集電部材との熱膨張係数をさらに近づけることができ、より導電性接合材に生じる応力を小さくすることができる。それにより、導電性接合材にクラックが生じることを抑制することができ、セルスタックの長期信頼性を向上させることができる。
また、本発明のセルスタックは、粗粉がLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなるとともに、微粉を構成するCoの組成比が粗粉を構成するCoの組成比よりも大きいことが好ましい。
このようなセルスタックにおいては、粗粉の熱膨張係数が微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ粗粉が微粉よりも多く含有され、微粉を構成するCoの組成比が、粗粉を構成するCoの組成比よりも大きいことから、導電性接合材にクラックが生じることを抑制することができるとともに、導電性接合材の導電率を向上させることができる。
本発明の燃料電池モジュールは、収納容器内に上記のセルスタックを収納してなることを特徴とすることから、長期信頼性に優れた燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記の燃料モジュールと、燃料電池モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることから、長期信頼性に優れた燃料電池装置とすることができる。
本発明のセルスタックは、導電性接合材が、平均粒径1μm以下のLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる微粉および平均粒径3μm以上のLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物(Aは、Mn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含む)からなる粗粉の混合体からなり、粗粉の熱膨張係数が微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ粗粉が微粉よりも多く含有されていることから、導電性接合材とインターコネクタや集電部材との熱膨張係数を近づけることができ、導電性接合材に生じる応力を緩和することができる。それにより、導電性接合材の内部に生じる応力を緩和することができ、導電性接合材にクラックが生じることを抑制することができる。そのため、長期信頼性に優れたセルスタックとすることができる。
また、本発明の燃料電池モジュールは、上記に記載のセルスタックを収納容器内に収納してなることから、長期信頼性に優れた燃料電池モジュールとすることができる。また、本発明の燃料電池装置は、上記に記載の燃料電池モジュールと該燃料電池モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることから長期信頼性に優れた燃料電池装置とすることができる。
本発明のセルスタックを具備してなるセルスタック装置の一例を示し、(a)はセルスタック装置を概略的に示す側面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す平面図である。 本発明のセルスタックにおける集電部材と燃料電池セルとの接合を概略的に示す断面図である。 本発明のセルスタックを具備してなるセルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
図1は、本発明のセルスタックを具備してなるセルスタック装置の一例を示し、(a)はセルスタック装置を概略的に示す側面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。なお、以降の図において同一の部材については同一の番号を付するものとする。
ここで、セルスタック装置1を構成するセルスタック2は、一対の対向する平坦部と両端の弧状部とからなる楕円柱状の導電性支持体11(以下、支持体11と略す場合がある)の一方の平坦部と弧状部を覆うように多孔質な燃料極層8が設けられており、燃料極層8を覆うように、緻密質な固体電解質層9が積層されている。また、固体電解質層9の上には、燃料極層8と対向するように空気極層10が設けられている。すなわち、支持体11の一方の平坦部上に、燃料極層8、固体電解質層9及び空気極層10がこの順に積層されている。また、燃料極層8および固体電解質層9が形成されていない支持体11の他方の平坦部上には、インターコネクタ13が積層されている。このような構成により柱状の燃料電池セル3が形成される。なお、図1(b)から明らかな通り、燃料極層8および固体電解質層9は、両端の弧状部を経由してインターコネクタ13の両サイドにまで延設されており、支持体11の表面が外部に露出しないように構成されている。
そして、この燃料電池セル3の複数個を、隣接する燃料電池セル3間に集電部材4を介装して電気的に直列に接続することにより、セルスタック2が構成されている。なお、隣接する燃料電池セル3間に介装される集電部材4は、空気極層10またはインターコネクタ13とそれぞれ導電性接合材14を介して接続しており、それにより各燃料電池セル3が電気的に直列に接続されている。
そして、上述したセルスタック2を構成する各燃料電池セル3の下端部を、燃料電池セル3に燃料ガス(水素含有ガス)を供給するためのマニホールド7に固定し、また下端部がマニホールド7に固定され、燃料電池セル3の配列方向の両端部から集電部材4を介してセルスタックを挟持するように導電部材5が配置され、セルスタック装置1が構成されている。
ここで、図1に示す導電部材5においては、燃料電池セル3の配列方向に沿って、外側に向けて延びるとともに、燃料電池セル3の発電により生じる電流を引き出すための電流引出部6が設けられている。
なお、燃料電池セル3を構成する支持体11の内部には、長手方向に貫通する燃料ガス流路12が複数個設けられており、マニホールド7により供給される燃料ガスが、燃料ガス流路12を上方に向けて流れる間に、燃料極層8に供給される。
また、支持体11が燃料側電極(燃料極層8)を兼ねるものとし、その表面に固体電解質層9および空気極層10を順次積層して燃料電池セル3を構成することもできる。
なお、燃料電池セル3としては、各種燃料電池セルが知られているが、燃料電池セル3を収納してなる燃料電池装置を小型化、高効率化する上で、高温下で作動する固体酸化物形燃料電池セルとすることができる。それにより、燃料電池装置を小型化、高効率化することができるとともに、家庭用燃料電池で求められる変動する負荷に追従する負荷追従運転を行なうことができる。さらに、発電により生じた熱を給湯システムと組合すことで効率のよい固体酸化物形燃料電池システムを構成することもできる。
以下に、図1において示す燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。
支持体11は、燃料ガスを燃料極層8まで透過させるためにガス透過性であること、インターコネクタ13を介して集電を行うために導電性であることが要求されることから、例えば、鉄族金属成分と特定の希土類酸化物とにより形成されることが好ましい。
鉄族金属成分としては、鉄族金属単体、鉄族金属酸化物、鉄族金属の合金もしくは合金酸化物等が挙げられる。より詳細には、例えば、鉄族金属としてはFe、Ni(ニッケル)およびCoが挙げられ、特に安価であることおよび燃料ガス中で安定であることから、鉄族成分としてNiおよび/またはNiOを含有することが好ましい。
また、特定の希土類酸化物とは、支持体11の熱膨張係数を後述する固体電解質層9の熱膨張係数に近づけるために使用されるものであり、Y、Lu(ルテチウム)、Yb、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Ho(ホルミウム)、Dy(ジスプロシウム)、Gd、Sm、Pr(プラセオジム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む希土類酸化物が、上記鉄族成分との組み合わせで使用される。このような希土類酸化物の具体例としては、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prを例示することができ、鉄族金属の酸化物との固溶、反応が殆どなく、また、熱膨張係数が固体電解質層9と殆ど同程度であり、かつ安価であるという点から、Y、Ybが好ましい。
また、本発明においては、支持体11の良好な導電率を維持し、かつ熱膨張係数を固体電解質層9と近似させるという点で、焼成−還元後における体積比率が、Ni:希土類元素酸化物(例えば、Ni:Y)が35:65〜65:35(Ni/(Ni+Y)がモル比で65〜86mol%)の範囲にあることが好ましい。なお、支持体11中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で、他の金属成分や酸化物成分を含有していてもよい。
また、支持体11は、燃料ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあることが好ましい。また、支持体11の導電率は、50S/cm以上、好ましくは300S/cm以上、特に440S/cm以上であることが好ましい。
なお、支持体11の平坦部の長さ(支持体11の幅方向の長さ)は、通常、15〜35mm、弧状部の長さ(弧の長さ)は、2〜8mmであり、支持体11の厚み(両平坦部間の厚み)は1.5〜5mmであることが好ましい。
燃料極層8は、電極反応を生じさせるものであり、鉄族金属であるNiおよびNiOのうち少なくとも一方と、希土類元素が固溶したZrOとから形成することができる。なお、希土類元素としては、導電性支持体2において例示した希土類元素(Y等)を用いることができる。
燃料極層8において、NiおよびNiOのうち少なくとも一方と、希土類元素が固溶したZrOの含有量は、焼成−還元後における体積比率が、Ni:希土類元素が固溶したZrO(例えば、NiO:YSZ)が35:65〜65:35の範囲にあるのが好ましい。さらに、この燃料極層8の気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましく、その厚みは、1〜30μmであるのが好ましい。例えば、燃料極層8の厚みがあまり薄いと、性能が低下するおそれがあり、またあまり厚いと、後述する固体電解質層9と燃料極層8との間で熱膨張係数の差等による剥離やクラックを生じるおそれがある。
固体電解質層9は、3〜15モル%のY(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、Yb(イッテルビウム)等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスを用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが好ましい。さらに、固体電解質層9は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、かつその厚みが5〜50μmであることが好ましい。
なお、固体電解質層9と後述する空気極層10の間に、固体電解質層9と空気極層10との接合を強固とするとともに、固体電解質層9の成分と空気極層10の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制する目的で中間層(図示せず)を備えることもできる。
ここで、中間層は、Ce(セリウム)と他の希土類元素とを含有する組成にて形成することができ、例えば、(CeO1−x(REO1.5(REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数。)で表される組成を有していることが好ましい。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmやGdを用いることが好ましく、例えば10〜20モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeOからなることが好ましい。なお、中間層は例えば2層より構成することもでき、この場合1層目を固体電解質層9と同時焼成により設けた後に、同時焼成よりも200℃以上低い温度にて2層目を別途焼成することが好ましい。
空気極層10は、ガス透過性を有する必要があり、従って、空気極層10を形成する導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。さらに、空気極層10の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが好ましい。
また、支持体11の空気極層10側と反対側の表面(一方の平坦面)上には、密着層(図示せず)を介してインターコネクタ13が積層されている。
インターコネクタ13は、導電性セラミックスにより形成されることが好ましいが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気)と接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、耐還元性、耐酸化性を有する導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が使用され、特に支持体11と固体電解質層9との熱膨張係数を近づける目的から、LaCrO系酸化物が用いられる。
また、インターコネクタ13の厚みは、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜50μmであることが好ましい。この範囲よりも厚みが薄いと、ガスのリークを生じやすく、またこの範囲よりも厚みが大きいと、電気抵抗が大きく、電位降下により集電機能が低下してしまうおそれがある。
密着層は、例えば、希土類元素酸化物、希土類元素が固溶したZrO、希土類元素が固溶したCeOのうち少なくとも1種と、NiおよびNiOのうち少なくとも一方とから形成することができる。より具体的には、例えばYとNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成や、Yが固溶したZrO(YSZ)とNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成、Y、Sm、Gd等が固溶したCeOとNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成から形成することができる。なお、希土類元素酸化物や希土類元素が固溶したZrO(CeO)と、NiおよびNiOのうち少なくとも一方とは、焼成−還元後における体積比率が40:60〜60:40の範囲となるように形成することが好ましい。
なお、集電部材4としては、耐熱性や耐酸化性を有して構成されることが好ましく、例えばCrを含有する金属等により構成される。このような集電部材4としては、所定間隔を空けて設けられた隣り合う燃料電池セル3と接触させるための板状をした一対の接触部と、該一対の接触部のうち一方の接触部の一端と他方の接触部の一端とを接続する接続部とを有する複数の導電片を燃料電池セル3の長手方向に連続的に形成してなる構成の集電部材4を用いることができる。
また、インターコネクタ13と集電部材4とが導電性接合材14を介して電気的に接続されていることから、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくでき、集電性能の低下を有効に回避することが可能となる。
ところで、上述のような構成で作製される燃料電池セル3の複数個を、導電性接合材14を介して集電部材4と接続することによりセルスタック2が構成されるが、セルスタック2の作製時や燃料電池装置の作動時において、導電性接合材14とインターコネクタ13や集電部材4との熱膨張係数の差に起因して生じる熱応力により、導電性接合材14にクラックが生じ、セルスタック2の長期信頼性が低下するおそれがある。
図2は、本発明のセルスタック2における集電部材4と燃料電池セル3との接合を概略的に示す断面図であり、固体電解質層9の上面に形成された空気極層10と集電部材4とが、導電性接合材14を介して接続されていることを示している。ここで、図2に示すように、集電部材4は、表面の全域(外表面)を導電性接合材14により被覆されることが好ましく、空気極層10とは直接的には接続されていないことが好ましい。それにより、集電部材4と導電性接合材14との接触面積を増やすことができ、集電部材4を固定することが容易となる。
導電性接合材14は、平均粒径3μm以上のLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物(好ましくは、3〜10μmの範囲)からなる粗粉と、平均粒径1μm以下のLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物(好ましくは0.1〜0.7μmの範囲)とからなる微粉の混合体とから構成し、粗粉を構成するLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物の熱膨張係数が、微粉を構成するLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物よりも熱膨張係数が小さく、粗粉が微粉よりも多く含有されている。なお、AはMn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含むことを示し、以下同じである。
ここで、導電性接合材14を構成する粗粉および微粉について説明する。
粗粉は、インターコネクタ13を構成するLaCrO系ペロブスカイト型酸化物と熱膨張係数を近づけるために、LaSrAO系ペロブスカイト型酸化物からなる。LaSrAO系ペロブスカイト型酸化物としては、LaSrCoFeO系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaSrCoFeO)、LaSrMnO系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaSrMnO)、LaSrFeO系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaSrFeO)、LaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaSrCoO)、LaSrAlO系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaSrAlO)のうち少なくとも1種が好ましく、インターコネクタ13を構成するLaCrO系ペロブスカイト型酸化物との熱膨張係数を近づけるという点から、熱膨張係数の高いCoを含有しないLaSrMnO系ペロブスカイト型酸化物が特に好ましい。なお、LaSrCoFeO系ペロブスカイト型酸化物を用いる場合においては、熱膨張係数をインターコネクタ13を構成するLaCrO系ペロブスカイト型酸化物に近づける点でCoの含有量の少ないLa0.8Sr0.2Co0.2Fe0.8またはLa0.9Sr0.1Co0.1Fe0.9を用いることが好ましい。
微粉は、粗粉を構成するLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物よりも熱膨張係数が大きく、導電率の高いCoを含有するLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる。LaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物としては、LaSrCoFeO系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaSrCoFeO)、LaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物(例えばLaSrCoO)のうち少なくとも1種が好ましい。
具体的には、例えば、粗粉をLaSrMnOとし、微粉をLaSrCoFeOとした場合には、粗粉がLaSrMnOからなることで、熱膨張係数をインターコネクタ13を構成するLaCrO系ペロブスカイト型酸化物に近づけることができ、導電性接合材14にクラックが生じることを抑制することができる。また、微粉をLaSrCoFeOとすることにより、導電性接合材14の導電率を向上させることができる。
なお、粗粉と微粉とをともにLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物から構成する場合においては、粗粉におけるCoの含有量を少なくすることで、導電性接合材14の熱膨張係数を低下させることができるものの、あわせて、導電性接合材14の導電率が低下してしまうおそれがある。それゆえ、粗粉と微粉とをともにLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物から構成する場合においては、微粉を構成するCoの組成比が、粗粉を構成するCoの組成比よりも大きくなるように組み合わせることが好ましい。
具体的には、粗粉と微粉とをともにLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物であるLaSrCoFeOとする場合には、粗粉をLa0.9Sr0.1Co0.1Fe0.9とし、微粉をLa0.6Sr0.4Co0.4Fe0.6とすることで、粗粉が含有するCoの量が少ないことから、熱膨張係数をインターコネクタ13を構成するLaCrO系ペロブスカイト型酸化物に近づけることができるとともに、微粉のCo含有量が多いことから、導電性接合材14の導電率を向上させることができる。
また、導電性接合材14の熱膨張係数を、インターコネクタ13や集電部材4に近づける上で、導電性接合材14において、粗粉が微粉よりも多く含有されている。熱膨張係数の小さい粗粉を微粉よりも多く含有することで、導電性接合材14の熱膨張係数を、より容易にインターコネクタ13や集電部材4に近づけることができ、導電性接合材14に生じるクラックを抑制することができる。
なお、粗粉の平均粒径を3μm以上、好ましくは3〜10μmとすることにより、導電性接合材14自体の焼成収縮を抑制することができ、導電性接合材14に生じるクラックをより抑制することができる。また、微粉の平均粒径を0.1μm以上、好ましくは0.1〜1μm、さらに好ましくは0.1〜0.7μmとすることで、導電性接合材14の成形体作製時において、微粉を均一に分散させることができ、導電性接合材14の成形体の焼結性を向上することができるとともに、接合強度を向上することができる。それにより、導電性接合材14と燃料電池セル3や集電部材4とが剥離することを抑制でき、導電性接合材14の電気的な抵抗が増大することを抑制することができる。
粗粉と微粉とは、混合する際の原料比を、質量比で7:3〜9:1の範囲とするのが好ましい。7:3以上とすることで、導電性接合材14の熱膨張係数をインターコネクタ13や集電部材4に近づけることができ、また9:1以下とすることで、導電性接合材14の成形体の焼結性を向上することができるとともに、接合強度を向上することができる。
なお、導電性接合材14の厚みとしては、30〜300μmの範囲とすることが好ましい。30μm以上とすることで、導電性接合材14と集電部材4や燃料電池セル3との接合強度を強くすることができ、さらに100μm以上とすることで集電部材4と導電性接合材14との接触面積を増加させることができ、さらに接合強度を強くすることができる。また、300μm以下とすることで導電性接合材14自体の焼成収縮によりクラックが生じることを抑制することができる。
また、導電性接合材14のクラックや導電性接合材14と集電部材4や燃料電池セル3との剥離の検出について説明する。導電性接合材14の表面に生じたクラックや導電性接合材14と集電部材4や燃料電池セル3との剥離はルーペ等を用いた観察により検出することができる。また、燃料電池セル3と導電性接合材14との界面または集電部材4と導電性接合材14との界面が確認できるように切断し、切断した断面を走査線型電子顕微鏡(SEM)により撮影することで、導電性接合材14の内部に生じたクラックや剥離を検出することができる。
以上、本発明の燃料電池セル3を構成する各部材について説明したが、続いて本発明の燃料電池セル3(セルスタック2)の作製方法について説明する。
先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、Yなどの希土類酸化物の粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いて押出成形により支持体成形体を作製し、これを乾燥する。なお、支持体成形体として、支持体成形体を900〜1000℃にて2〜6時間仮焼した仮焼体を用いてもよい。
次に例えば所定の調合組成に従いNiO、Yが固溶したZrO(YSZ)の素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉体に、有機バインダー及び溶媒を混合して燃料極層用スラリーを調製する。
さらに、希土類元素が固溶したZrO粉末に、トルエン、バインダー、市販の分散剤等を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により、7〜75μmの厚さに成形してシート状の固体電解質層成形体を作製する。得られたシート状の固体電解質層成形体上に燃料極層用スラリーを塗布して燃料極層成形体を形成し、この燃料極層成形体側の面を支持体成形体に積層する。なお、燃料極層用スラリーを支持体成形体の所定位置に塗布し乾燥して、燃料極層用スラリーを塗布した固体電解質層成形体を導支持体成形体に積層しても良い。
続いて、インターコネクタ用材料(例えば、LaCrO系酸化物粉末)、有機バインダー及び溶媒を混合してスラリーを調製し、インターコネクタ用シートを作製し、固体電解質層成形体が形成されていない支持体成形体の露出面に積層する。
次いで、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中、1400〜1600℃にて2〜6時間、同時焼成する。
続いてLaSrCoFeO系酸化物粉末と溶媒とを含有する空気極層用スラリーを固体電解質層9上にスクリーン印刷法にて塗布し、乾燥した後、1100〜1200℃にて1〜3時間焼成する。以上の工程により、燃料電池セル3を作製することができる。
続いて、平均粒径3μmのLaSrMnO粉末と、平均粒径0.5μmのLaSrCoFeO粉末とを混合比が質量比で8:2となるように混合し、導電性接合材用粉末を作製する。次いで、この導電性接合材用粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合し導電性接合材用スラリーを作製し、スクリーン印刷にて空気極層10およびインターコネクタ13上に塗布する。
上記スクリーン印刷法にて塗布した直後に、集電部材4を接着して乾燥して、焼成する。それにより、各燃料電池セル3間に集電部材4を介装してなるセルスタックを形成することができる。
なお、燃料電池セル3は、その後内部に水素含有ガス(燃料ガス)を流通させ、支持体11および燃料極層8の還元処理を行なうことが好ましい。その際、たとえば750〜1000℃にて5〜20時間還元処理を行なうのが好ましい。
また、導電性接合材14を空気極10およびインターコネクタ13上にスクリーン印刷にて形成する例を示したが、他の方法を用いて導電性接合材14を形成してもよい。例えば、上述した導電性接合材用スラリーに集電部材4をディップし、燃料電池セル3間に、一方の燃料電池セル3の空気極10と他方の燃料電池セル3のインターコネクタ13とを電気的に接続するように介在させ、接着して乾燥し、焼成することにより容易にセルスタックを作製することができる。
図3は、本発明のセルスタック装置1を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュール17の一例を示す外観斜視図であり、直方体状の収納容器18の内部に、図1に示したセルスタック装置1を収納して構成されている。
なお、燃料電池セル3にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器19がセルスタック2の上方に配置されている。そして、改質器19で生成された燃料ガスは、ガス流通管20を介してマニホールド7に供給され、マニホールド7を介して燃料電池セル3の内部に設けられた燃料ガス流路12に供給される。
なお、図3においては、収納容器18の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置1および改質器19を後方に取り出した状態を示している。ここで、図3に示した燃料電池モジュール17においては、セルスタック装置1を、収納容器18内にスライドして収納することが可能である。なお、セルスタック装置1は、改質器19を含むものとしても良い。
また収納容器18の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材21は、図3においてはマニホールド7に並置されたセルスタック2の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル3の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、燃料電池セル3の下端部に酸素含有ガスを供給する。そして、燃料電池セル3の燃料ガス流路より排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル3の上端部側で燃焼させることにより、燃料電池セル3の温度を上昇させるまたは高温に維持することができ、セルスタック装置1の起動を早めることができるほか、発電効率を向上することができる。また、燃料電池セル3の上端部側にて、燃料電池セル3の燃料ガス流路から排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼させることにより、燃料電池セル3(セルスタック1)の上方に配置された改質器19を効率よく温めることができる。それにより、改質器19で効率よく改質反応を行うことができる。
さらに、本発明の燃料電池モジュール17においても、長期信頼性が向上したセルスタック2を用いて構成されるセルスタック装置1を収納容器18内に収納してなることから、長期信頼性が向上した燃料電池モジュール17とすることができる。
図4は、外装ケース内に図3で示した燃料電池モジュール17と、燃料電池セルスタック装置1を動作させるための補機とを収納してなる本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図4においては一部構成を省略して示している。
図4に示す燃料電池装置22は、支柱23と外装板24から構成される外装ケース内を仕切板25により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール17を収納するモジュール収納室26とし、下方側を燃料電池モジュール17を動作させるための補機類を収納する補機収納室27として構成されている。なお、補機収納室27に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板25には、補機収納室27の空気をモジュール収納室26側に流すための空気流通口28が設けられており、モジュール収納室26を構成する外装板24の一部に、モジュール収納室26内の空気を排気するための排気口29が設けられている。
このような燃料電池装置22においては、上述したように、長期信頼性を向上することができる燃料電池モジュール17をモジュール収納室26に収納して構成されることにより、長期信頼性の向上した燃料電池装置22とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の用紙を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、本発明の燃料電池セル3においては、中空平板形状のものについて示したが、円筒状の燃料電池セルにおいても本発明を用いることができる。また、本発明の燃料電池セル3においては、インターコネクタ13が設けられている領域以外のほぼ全域に積層体を備える例を示したが、インターコネクタ13と燃料極層8との間に固体電解質層9が設けられていればよい。
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を焼成‐還元後における体積比率が、Niが48体積%、Yが52体積%になるように混合し、有機バインダーと溶媒にて作製した坏土を押出成形法にて成形し、乾燥、脱脂して導電性支持体成形体を作製した。
次に平均粒径0.5μmのNiO粉末とYが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒を混合した燃料極層用スラリーを作製し、支持体成形体上に、スクリーン印刷法にて塗布、乾燥して、燃料極層用のコーティング層を形成した。次に8mol%のイットリウムが固溶したマイクロトラック法による粒径が0.8μmのZrO粉末(固体電解質層用原料粉末)と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法にて厚み30μmの固体電解質層用シートを作製した。固体電解質層用シートを、燃料極層用のコーティング層上に貼り付け、乾燥した。
続いて、上記のように成形体を積層した積層成形体を1000℃にて3時間仮焼処理した。
続いて、LaCrO系酸化物と、有機バインダーと溶媒を混合したインターコネクタ用スラリーを作製し、これを、固体電解質層仮焼体が形成されていない露出した支持体仮焼体上に積層し、大気中1510℃にて3時間同時焼成した。
次に、平均粒径2μmのLaSrCoFeOの粉末と、イソプロピルアルコールとからなる混合液を作製し、積層焼結体の中間層の表面に噴霧塗布し、空気極層成形体を形成し、1100℃にて4時間で焼き付け、空気極層を形成し、燃料電池セルを作製した。
次に表1に記載された各原料の粗粉および微粉をそれぞれの混合比で混合し導電性接合材用粉末を作製し、導電性接合材用粉末と、イソプロピルアルコールと造孔材とからなる混合液を、スクリーン印刷にて空気極層およびインターコネクタ上に塗布した。
次いで、導電性接合材を塗布したのち、所定間隔を空けて設けられた隣り合う燃料電池セルと接触させるための板状をした一対の接触部と、該一対の接触部のうち一方の接触部の一端と他方の接触部の一端とを接続する接続部とを有する複数の導電片を燃料電池セルの長手方向に連続的に形成してなる集電部材(例えば、燃料電池セルの長手方向に沿った一対の接続部と、それぞれの接続部を橋渡しするように設けられた接触部とからなる集電部材)を接着して乾燥し、その後1150℃にて2時間焼成した。なお、焼成後の燃料電池セルに850℃にて10時間燃料ガスを流通させて還元処理を行った。
このようにして形成された5本の燃料電池セルを間に導電性接合材を介して集電部材を接続してセルスタックを作製した。
次に、作製したセルスタックのクラック発生の有無をルーペ等を用いて観察した。なお、クラックが生じていたセルスタックにおいても、その後の試験を行なった。
続いて、得られた燃料電池セルの燃料ガス流路に燃料ガスを流通させ、燃料電池セルの外側に酸素含有ガスを流通させ、燃料電池セルを、電気炉を用いて750℃まで加熱し、電流密度0.3A/cmの条件にて発電試験を行った。
発電試験終了後、上記と同じ方法でセルスタックのクラック発生の有無を確認した。
Figure 2011134538
表1に示したように、平均粒径1μm以下のLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる微粉および平均粒径3μm以上のLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物(Aは、Mn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含む)からなる粗粉の混合体からなり、粗粉の熱膨張係数が、微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ粗粉が微粉よりも多く含有されている試料No.4〜7、10〜14、17〜21は、セルスタック作製時および発電試験終了後においてもクラックが生じなかった。
これに対し、微粉より粗粉の熱膨張係数が大きいまたは等しい試料No.1、2、24は発電試験終了後においてクラックが生じていた。また、微粉を含有しない試料No.3、粗粉を含有しない試料No.9および微粉より粗粉の含有量が等しい試料No.8は、セルスタック作製時および発電試験終了後においてもクラックが生じていた。
粗粉の平均粒径が11μmの試料No.15は、平均粒径10μmの試料No.14に比べ接合強度が低くなっており、導電性接合材にクラックが生じていた。粗粉の平均粒径が2.5μmの試料No.23は、導電性接合材自体の焼成収縮が大きくセルスタック作製時および発電試験終了後においてもクラックが生じていた。
また、微粉の平均粒径が0.05μmの試料No.16は、導電性接合材用スラリーを作製した際に微粉の分散が悪くスラリーを塗布することができなかった。微粉の平均粒径1.2μmの試料No.23は、導電性接合材にクラックが生じるとともに、導電性接合材の接合強度が低く導電性接合材と集電部材の間で剥離を生じていた。
1:セルスタック装置
2:セルスタック
3:燃料電池セル
4:集電部材
8:燃料極層
9:固体電解質層
10:空気極層
11:導電性支持体
13:インターコネクタ
14:導電性接合材
17:燃料電池モジュール
22:燃料電池装置

Claims (5)

  1. 導電性支持体の表面の互いに対向する部分の一方に燃料極層、固体電解質層およびLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる空気極層がこの順に積層されているとともに、他方にLaCrO系ペロブスカイト型酸化物からなるインターコネクタを備える燃料電池セルの複数個を、隣接する一方の前記燃料電池セルの前記空気極層と他方の前記燃料電池セルの前記インターコネクタとをそれぞれ導電性接合材を介して集電部材により電気的に直列に接続してなるセルスタックであって、
    前記導電性接合材が、平均粒径1μm以下のLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなる微粉および平均粒径3μm以上のLaSrAO系ペロブスカイト型酸化物(Aは、Mn、Co、AlおよびFeのうち少なくとも一種を含む)からなる粗粉の混合体からなり、前記粗粉の熱膨張係数が前記微粉の熱膨張係数よりも小さく、かつ前記粗粉が前記微粉よりも多く含有されていることを特徴とするセルスタック。
  2. 前記粗粉がLaSrMnO系のペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載のセルスタック。
  3. 前記粗粉がLaSrCoO系ペロブスカイト型酸化物からなるとともに、前記微粉を構成するCoの組成比が前記粗粉を構成するCoの組成比よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のセルスタック。
  4. 請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載のセルスタックを、収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
  5. 請求項4に記載の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールの動作を制御する補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
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