JP6296065B2 - 収容庫 - Google Patents

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Description

本発明は、収容庫に関するものである。
従来、例えばトラック等に積載されて輸送される保冷庫は、保冷庫本体と蓄冷容器とを備えて構成されている。
保冷庫本体は、前面に開口が形成された直方状の断熱構造を有し、下部に配設されたキャスタにより移動可能な本体キャビネットと、この本体キャビネットの前面開口を開閉する断熱扉とを備えている。
蓄冷容器は、例えば直方状を成し、内部に蓄冷剤が収納されて構成されている。この蓄冷容器は、本体キャビネットの上部域となる上部冷却スペース、並びに下部域となる底部冷却スペースに配設されている。
このような保冷庫では、冷凍装置等により蓄冷剤に冷熱を蓄え、この蓄冷剤に蓄えられた冷熱により保冷庫本体の内部を所望の温度に調整して、該内部に収容された商品を冷却するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−71596号公報
ところで、上述したような保冷庫では、蓄冷容器が本体キャビネットの上部冷却スペース及び底部冷却スペースに配設されているので、次のような問題があった。
上部冷却スペースに配設された蓄冷容器では、上面が本体キャビネットの天板に近接若しくは接触しており、底部冷却スペースに配設された蓄冷容器では、下面が本体キャビネットの底板に接触している。そのため、上部冷却スペースに配設された蓄冷容器では、上面から放出される冷熱は、本体キャビネットの天板を通じて外部にリークしてしまう虞れがあった。また、底部冷却スペースに配設された蓄冷容器では、下面から放出される冷熱は、本体キャビネットの底板を通じて外部にリークしてしまう虞れがあった。これにより、蓄冷剤に冷熱を蓄えたとしても、そのうちの一部は商品の冷却に用いられずに外部にリークしてしまい、熱ロスが生じていた。
尚、ここでは蓄冷剤に蓄えさせた冷熱により商品を冷却保温する保冷庫について説明したが、蓄熱材に蓄えさせた温熱により商品を加熱保温する保温庫においても同様の問題が生ずることはいうまでもない。
本発明は、上記実情に鑑みて、熱ロスの発生を抑制しながら蓄熱材に蓄えられた熱を効率よく用いて収容庫本体の内部雰囲気を所望の温度に調整することができる収容庫を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る収容庫は、断熱構造の直方体を成し、かつ下部に配設されたキャスタにより移動可能な収容庫本体を備えた収容庫において、前記収容庫本体の内部に立設されることで、該収容庫本体の内部に形成される収容室を複数の収容域に区画する区画部材を備え、前記区画部材は、内部に蓄熱材を有し、かつ該蓄熱材に蓄えられた熱を自身の表面より放出して前記収容域の内部雰囲気を所望の温度に調整することを特徴とする。
また本発明は、上記収容庫において、前記収容庫本体における前記収容室を形成する内壁面のうち少なくとも底面には、第1溝部が並設されており、前記区画部材は、その表面において上下方向に沿って延在する態様で形成され、かつ前記第1溝部に連通する第2溝部を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記収容庫において、前記区画部材は、一方の側面及び他方の側面において前記第2溝部が並設され、前記第1溝部は、前記底面、並びに前記区画部材の前記側面に対向する前記収容庫本体の側面に形成されたことを特徴とする。
また本発明は、上記収容庫において、前記区画部材は、前記収容庫本体に対して着脱可能に配設されていることを特徴とする。
また本発明は、上記収容庫において、前記収容庫本体における前記収容室を形成する少なくとも1つの壁部は、内部に蓄熱材を有し、かつ該蓄熱材に蓄えられた熱を自身の表面より放出して前記収容域の内部雰囲気を所望の温度に調整することを特徴とする。
本発明によれば、収容庫本体の内部に立設されることで該収容庫本体の内部に形成される収容室を複数の収容域に区画する区画部材が、内部に有する蓄熱材に蓄えられた熱を自身の表面より放出して収容域の内部雰囲気を所望の温度に調整するので、区画部材の大部分で熱を放出することが可能になり、これにより熱ロスの発生を抑制しながら蓄熱材に蓄えられた熱を効率よく用いて収容庫本体の内部雰囲気を所望の温度に調整することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1である収容庫を右方から見た場合を示す断面側面図である。 図2は、図1におけるA−A線断面図である。 図3は、図2におけるB−B線断面図である。 図4は、図2におけるC−C線断面図である。 図5は、図2におけるD−D線断面図である。 図6は、区画部材の内部構造を模式的に示すもので、正面から見た場合を示す断面図である。 図7は、区画部材を右方から見た場合を示す右側面図である。 図8は、区画部材と冷凍装置とが連結した状態を示す説明図である。 図9は、図6におけるE−E線断面図である。 図10は、本体キャビネットの内部を正面から見た場合を示す断面図である。 図11は、本発明の実施の形態2である収容庫を右方側から見た断面側面図である。 図12は、本発明の実施の形態2である収容庫の内部構造を正面から見た断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る収容庫の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である収容庫を右方から見た場合を示す断面側面図であり、図2は、図1におけるA−A線断面図であり、図3は、図2におけるB−B線断面図であり、図4は、図2におけるC−C線断面図であり、図5は、図2におけるD−D線断面図である。
ここで例示する収容庫は、内部に収容された商品を所望の温度に冷却した状態に保持するためのもので、収容庫本体1を備えている。収容庫本体1は、本体キャビネット10と前面扉20とを備えて構成されている。
本体キャビネット10は、複数の板状断熱部材11a〜11e(以下、総称して板状断熱部材11とも称する)を適宜組み合わせることによって前面が開口した直方体状に構成され、かつ断熱構造を有するものである。このような本体キャビネット10の下部にはキャスタ15が配設されており、これにより本体キャビネット10は移動可能なものである。前面扉20は、本体キャビネット10の前面開口を開閉するための扉体であり、断熱構造を有している。
このように本体キャビネット10の前面開口を前面扉20が開閉することにより、収容庫本体1の内部には収容室2が形成されている。
本体キャビネット10を形成する板状断熱部材11は、発泡ウレタン等の断熱材によって成形した中央板状部材111の外表面にスチロール等の断熱材によって成形した外側板状部材112を貼着するとともに、中央板状部材111の内表面に真空断熱材等によって構成された内側板状部材113を貼着することによって形成されている。また外側板状部材112の外表面には金属製薄板状の外皮部材114が貼着されており、内側板状部材113の内表面には保護材として金属製薄板状の内壁部材115が貼着されている。
収容室2の底面10bを構成する本体キャビネット10の板状断熱部材11bの内壁部材115には、左右方向に沿って延在する複数の凸部121が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これにより、これら凸部121の間には左右方向に沿って延在する底面溝部122が形成されている。これら凸部121は、それぞれが上方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより底面溝部122は、先端(上方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。
収容室2の右側面10dを構成する本体キャビネット10の板状断熱部材11dの内壁部材115には、上下方向に沿って延在する複数の凸部131が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これにより、これら凸部131の間には上下方向に沿って延在する右側面溝部132が形成されている。これら凸部131は、それぞれが左方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより右側面溝部132は、先端(左方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。これら右側面溝部132は、図には明示していないが、それぞれ対応する底面溝部122に連通している。
収容室2の左側面10eを構成する本体キャビネット10の板状断熱部材11eの内壁部材115には、上下方向に沿って延在する複数の凸部141が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これにより、これら凸部141の間には上下方向に沿って延在する左側面溝部142が形成されている。これら凸部141は、それぞれが右方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより左側面溝部142は、先端(右方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。これら左側面溝部142は、図には明示していないが、それぞれ対応する底面溝部122に連通している。
上記収容庫本体1には、区画部材30が設けられている。区画部材30は、本体キャビネット10の底面10bに立設されることで収容室2を左右2つの収容域2a,2bに区画するものである。この区画部材30は、平板状を成しており、本体キャビネット10の底面10b及び後面10cの一部を切り欠いてその切り欠いた部分に該区画部材30の下端部及び後端部が挿入されて図示せぬ支持部材を介して支持されることで設けられている。尚、本実施の形態1においては、区画部材30の上面は、本体キャビネット10(収容庫本体1)の天面10aと離隔しているが、本発明においては、区画部材30の上面が本体キャビネット10の天面10aに接していてもよい。
図6は、区画部材30の内部構造を模式的に示すもので、正面から見た場合を示す断面図である。この図6に示すように、区画部材30は、2つの金属製板状部材31,32が左右両側面を構成するよう金属製板状部材31,32を互いに離隔させて対向させ、これら金属製板状部材31,32の縁部どうしを封止部材33で連結して内部に収容空間を形成するようにして構成されている。
このような区画部材30の収容空間は、金属製の伝熱性材料から構成される伝熱板34により左右に区画されており、右側の収容空間には蓄冷材35が収容され、左側の収容空間には冷却コイル部材36が収容されている。これら蓄冷材35と冷却コイル部材36とは、伝熱板34を介して互いに熱的に接続されている。
蓄冷材35は、袋状の蓄冷容器35aに蓄冷剤35bが封入されて構成されるもので、右側の収容空間に充填されるよう収納されている。
冷却コイル部材36は、金属製の冷媒管36aにより構成されている。より詳細には、図7に示すように、冷却コイル部材36は、冷媒管36aが下方から上方に向けて延在した後に、前後方向に沿って蛇行する態様で下方に向けて延在して構成されている。
このような冷却コイル部材36は、図8に示すように、冷媒管36aの入口部分361が図示せぬジョイント部材を介して冷凍装置40の出口部分に接続された冷媒管路4に連結され、かつ冷媒管36aの出口部分362が図示せぬジョイント部材を介して冷凍装置40の入口部分に接続された冷媒管路4に連結された場合に、冷媒管36aの内部に冷媒を通過させるものである。
ここで冷凍装置40は、圧縮機41、凝縮器42及び膨張機構43を備えて構成されている。圧縮機41は、冷凍装置40が冷却コイル部材36に連結された場合に、冷却コイル部材36の冷媒管36aの冷媒を、冷媒管路4を通じて吸引して圧縮するものである。凝縮器42は、冷媒管路4を通じて圧縮機41の吐出側に連結されており、圧縮機41で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。膨張機構43は、冷媒管路4を通じて凝縮器42の出口側に連結されており、凝縮器42で凝縮した冷媒を断熱膨張させるものである。この膨張機構43で断熱膨張した低温低圧の冷媒は、冷却コイル部材36に送出される。
従って、冷却コイル部材36は、冷凍サイクルの蒸発器の役割を有し、自身の冷媒管36aを通過する冷媒が蒸発することで伝熱板34を通じて蓄冷材35に冷熱を供給するものである。供給された冷熱は蓄冷剤35bに蓄えられることとなる。
図9は、図6におけるE−E線断面図である。この図9に示すように、区画部材30を構成する右側面の金属製板状部材31のうち、本体キャビネット10の底面10b及び後面10cに挿入される部分以外には、上下方向に沿って延在する複数の凸部311が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これにより、これら凸部311の間には上下方向に沿って延在する右側溝部312が形成されている。これら凸部311は、それぞれが右方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより右側溝部312は、先端(右方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。これら右側溝部312は、図には明示していないが、それぞれ対応する底面溝部122に連通している。
また、区画部材30を構成する左側面の金属製板状部材32のうち、本体キャビネット10の底面10b及び後面10cに挿入される部分以外には、上下方向に沿って延在する複数の凸部321が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これにより、これら凸部321の間には上下方向に沿って延在する左側溝部322が形成されている。これら凸部321は、それぞれが左方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより左側溝部322は、先端(左方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。これら左側溝部322は、図には明示していないが、それぞれ対応する底面溝部122に連通している。
以上のような構成を有する収容庫においては、冷却コイル部材36に冷凍装置40を連結させて冷却コイル部材36の冷媒管36aに冷媒を通過させることで蓄冷剤35bに冷熱が蓄えられる。蓄冷剤35bに冷熱が十分に冷熱が蓄えられた後、冷凍装置40を冷却コイル部材36から離脱させる。これにより、収容庫は、収容域2a,2bに商品を収容した状態で運搬することが可能になる。
そして、蓄冷剤35bに蓄えられた冷熱は、区画部材30の右側面を構成する金属製板状部材31や、伝熱板34及び冷媒管36aを介して左側面を構成する金属製板状部材32から放出されて収容域2a,2bの内部雰囲気を冷却することにより、各収容域2a,2bに収容された商品を冷却して所望の温度に調整することができる。
また、区画部材30には右側溝部312及び左側溝部322が形成され、収容室2の底面10bには右側溝部312及び左側溝部322に連通する底面溝部122が形成されており、収容室2の右側面10dには底面溝部122に連通する右側面溝部132が形成され、収容室2の左側面10eには底面溝部122に連通する左側面溝部142が形成されている。つまり、右側溝部312は、底面溝部122を介して右側面溝部132に連通し、かつ左側溝部322は、底面溝部122を介して左側面溝部142に連通している。
これにより、右側の収容域2a,2bに商品を収容した場合にも、底面10bに載置される商品は、底面10bの凸部121の先端面に載置されるため、底面溝部122の少なくともいずれかは開放されている。また商品が本体キャビネット10の右側面10dに接したとしても、右側面10dの凸部131の先端面に接することとなり、右側面溝部132の少なくともいずれかは開放されている。更に商品が区画部材30の右側面に接したとしても、右側面10dの凸部311の先端面に接することとなり、右側溝部312の少なくともいずれかは開放されている。
一方、左側の収容域2a,2bに商品を収容した場合にも、底面10bに載置される商品は、底面10bの凸部121の先端面に載置されるため、底面溝部122の少なくともいずれかは開放されている。また商品が本体キャビネット10の左側面10eに接したとしても、左側面10eの凸部141の先端面に接することとなり、左側面溝部142の少なくともいずれかは開放されている。更に商品が区画部材30の左側面に接したとしても、左側面10eの凸部321の先端面に接することとなり、左側溝部322の少なくともいずれかは開放されている。
従って、図10に示すように、区画部材30の近傍では、蓄冷材35(蓄冷剤35b)に蓄えられた冷熱により冷却された空気が下方に向かって流れ、商品との熱交換により温められた空気が底面溝部122を通過した後に本体キャビネット10の右側面10d及び左側面10eの近傍を上方に向かって流れることとなり、各収容域2a,2bにおいて自然対流を生じさせて商品を良好に冷却して所望の温度に調整することができる。
特に、各溝部122等は、先端に向かうにつれて開口幅が大きくなるよう形成されているので、各溝部122等を通過する空気、すなわち冷熱により冷却された空気と商品との熱交換面積を十分に確保することができ、これにより商品を良好に冷却して所望の温度に調整することができる。
以上説明したように、底面溝部122、右側面溝部132及び左側面溝部142は本発明の第1溝部を構成し、右側溝部312及び左側溝部322は本発明の第2溝部を構成している。
上記本実施の形態1である収容庫によれば、収容庫本体1の内部に立設されることで収容庫本体1の内部に形成される収容室2を複数の収容域2a,2bに区画する区画部材30が、内部に有する蓄冷材35に蓄えられた冷熱を自身の右側面及び左側面より放出して収容域2a,2bの内部雰囲気を冷却して所望の温度に調整するので、区画部材30の大部分で冷熱を放出することが可能になり、これにより熱ロスの発生を抑制しながら蓄冷材35に蓄えられた冷熱を効率よく用いて収容庫本体1の内部雰囲気を冷却して所望の温度に調整することができる。
<実施の形態2>
図11及び図12は、それぞれ本発明の実施の形態2である収容庫を模式的に示すものであり、図11は、収容庫を右方側から見た断面側面図であり、図12は、収容庫の内部構造を正面から見た断面図である。尚、上述した実施の形態1と同様の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
ここで例示する収容庫は、内部に収容された商品を所望の温度に冷却した状態に保持するためのもので、収容庫本体6を備えている。収容庫本体6は、本体キャビネット50と前面扉20とを備えて構成されている。
本体キャビネット50は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)が形成された直方体状の形態を成している。すなわち、本体キャビネット50は、天壁部51、後壁部52、底壁部53及び左右一対の側壁部(右側壁部54及び左側壁部55)が組み合わされて構成されている。この本体キャビネット50の底壁部53の下面にはキャスタ15が配設されており、これにより本体キャビネット50は移動可能なものである。前面扉20は、本体キャビネット50の前面開口を開閉するための扉体であり、断熱構造を有している。
このように本体キャビネット50の前面開口を前面扉20が開閉することにより、収容庫本体6の内部には収容室7が形成されている。
天壁部51は、収容室7の上面を構成するもので、外部から内部に向かって外側天板51a、断熱天板51b、第1冷却器51c、第1蓄冷材51d及び内側天板51eが順に重なるように配設されて構成されている。
外側天板51aは、金属材料から構成された板状体である。断熱天板51bは、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。第1冷却器51cは、冷媒を通過させるための冷媒管路51c1が蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。第1蓄冷材51dは、例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。この第1蓄冷材51dは、第1冷却器51cに熱的に接続されている。内側天板51eは、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が第1蓄冷材51dに密着配置されている。
後壁部52は、収容室7の後面を構成するもので、外部から内部に向かって外側後板52a、断熱後板52b、第2冷却器52c、第2蓄冷材52d及び内側後板52eが順に重なるように配設されて構成されている。
外側後板52aは、金属材料から構成された板状体である。断熱後板52bは、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。第2冷却器52cは、冷媒を通過させるための冷媒管路52c1が蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。第2蓄冷材52dは、例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。この第2蓄冷材52dは、第2冷却器52cに熱的に接続されている。内側後板52eは、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が第2蓄冷材52dに密着配置されている。
底壁部53は、収容室7の底面を構成するもので、外部から内部に向かって外側底板53a、断熱底板53b及び内側底板53cが順に重なるように配設されて構成されている。
外側底板53aは、金属材料から構成された板状体である。断熱底板53bは、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。内側底板53cは、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が断熱底板53bに密着配置されている。
このような底壁部53の内側底板53cには、上述した実施の形態1と同様に、左右方向に沿って延在する複数の凸部121が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これら凸部121の間には左右方向に沿って延在する底面溝部122が形成されている。これら凸部121は、それぞれが上方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより底面溝部122は、先端(上方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。
右側壁部54は、収容室7の右面を構成するもので、外部から内部に向かって外側右側板54a、断熱右側板54b、第3冷却器54c、第3蓄冷材54d及び内側右側板54eが順に重なるように配設されて構成されている。
外側右側板54aは、金属材料から構成された板状体である。断熱右側板54bは、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。第3冷却器54cは、冷媒を通過させるための冷媒管路54c1が蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。この第3冷却器54cは、入口側が第2冷却器52cの出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されており、第2冷却器52cを通過した冷媒が冷媒管路54c1を通過するものである。第3蓄冷材54dは、例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。この第3蓄冷材54dは、第3冷却器54cに熱的に接続されている。内側右側板54eは、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が第3蓄冷材54dに密着配置されている。
このような右側壁部54の右側板には、上述した実施の形態1と同様に、上下方向に沿って延在する複数の凸部131が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これら凸部131の間には上下方向に沿って延在する右側面溝部132が形成されている。これら凸部131は、図11及び図12では示していないが、それぞれが左方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより右側面溝部132は、先端(左方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。これら右側面溝部132は、図には明示していないが、それぞれ対応する底面溝部122に連通している。
左側壁部55は、収容室7の左面を構成するもので、外部から内部に向かって外側左側板55a、断熱左側板55b、第4冷却器55c、第4蓄冷材55d及び内側左側板55eが順に重なるように配設されて構成されている。
外側左側板55aは、金属材料から構成された板状体である。断熱左側板55bは、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。第4冷却器55cは、冷媒を通過させるための冷媒管路55c1が蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。この第4冷却器55cは、入口側が第1冷却器51cの出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されており、第1冷却器51cを通過した冷媒が冷媒管路55c1を通過するものである。第4蓄冷材55dは、例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。この第4蓄冷材55dは、第4冷却器55cに熱的に接続されている。内側左側板55eは、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が第4蓄冷材55dに密着配置されている。
このような左側壁部55の内側左側板55eには、上述した実施の形態1と同様に、上下方向に沿って延在する複数の凸部141が所定間隔毎に前後方向に沿って並ぶよう設けられており、これら凸部141の間には上下方向に沿って延在する左側面溝部142が形成されている。これら凸部141は、図11及び図12では示していないが、それぞれが右方に向かうに連れてその前後幅が小さくなるテーパー状を成しており、これにより左側面溝部142は、先端(右方)に向かうにつれてその前後幅、すなわち開口幅が漸次拡大する形状を成している。これら左側面溝部142は、図には明示していないが、それぞれ対応する底面溝部122に連通している。
このような構成を有する収容庫本体6には、区画部材30が設けられている。この区画部材30は、底壁部53の一部を切り欠いて形成した部分に区画部材30の下端部を挿入することで立設されており、収容庫本体6に対して前後方向に沿ってスライド移動可能、すなわち収容庫本体6に対して着脱可能に配設されている。この区画部材30は、収容庫本体6に配設されることで収容室7を左右2つの収容域7a,7bに区画するものである。かかる区画部材30の構成については、上述した実施の形態1と同様であるのでその構成の説明については割愛する。
上記収容庫においては、上述した実施の形態1と同様に、区画部材30の冷却コイル部材36と冷凍装置4とを連結するとともに、第1冷却器51c及び第4冷却器55cを冷凍装置4に連結するとともに、第2冷却器52c及び第3冷却器54cを冷凍装置4に連結する。
これにより、区画部材30の冷却コイル部材36では、自身の冷媒管36aを通過する冷媒が蒸発することで伝熱板34を通じて蓄冷材35に冷熱を供給し、該蓄冷材35で冷熱が蓄えられる。
また、第1冷却器51c及び第4冷却器55cでは、冷媒管路51c1,55c1を通過する冷媒が蒸発することで第1蓄冷材51d及び第4蓄冷材55dに冷熱を供給し、該第1蓄冷材51d及び第4蓄冷材55dで冷熱が蓄えられる。
更に、第2冷却器52c及び第3冷却器54cでは、冷媒管路52c1,54c1を通過する冷媒が蒸発することで第2蓄冷材52d及び第3蓄冷材54dに冷熱を供給し、該第2蓄冷材52d及び第3蓄冷材54dで冷熱が蓄えられる。
以上説明したような本実施の形態2である収容庫によれば、収容庫本体6の内部に立設されることで収容庫本体6の内部に形成される収容室7を複数の収容域7a,7bに区画する区画部材30が、内部に有する蓄冷材35に蓄えられた冷熱を自身の右側面及び左側面より放出して収容域7a,7bの内部雰囲気を冷却して所望の温度に調整するので、区画部材30の大部分で冷熱を放出することが可能になり、これにより熱ロスの発生を抑制しながら蓄冷材35に蓄えられた冷熱を効率よく用いて収容庫本体6の内部雰囲気を冷却して所望の温度に調整することができる。
しかも、収容庫本体6を構成する天壁部51、後壁部52、右側壁部54及び左側壁部55においても内部に有する第1蓄冷材51d、第2蓄冷材52d、第3蓄冷材54d、第4蓄冷材55dに蓄えられた冷熱を放出することができ、これにより収容域7a,7bの内部雰囲気を更に冷却して所望の温度に調整することを容易なものとすることができる。
また、上記収容庫によれば、区画部材30が収容庫本体6に対して着脱可能に配設してあるので、収容室7に収容される商品の大きさによっては区画部材30を取り外して、天壁部51、後壁部52、右側壁部54及び左側壁部55における第1蓄冷材51d、第2蓄冷材52d、第3蓄冷材54d、第4蓄冷材55dに蓄えられた冷熱を放出することで該商品を冷却して所望の温度に調整することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1及び2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1及び2では、区画部材30が1つであったが、本発明においては、区画部材は複数設けられていてもよく、また本実施の形態1及び2のように平板状である必要はない。
上述した実施の形態1及び2では、蓄熱材の一例として蓄冷剤35bを有する蓄冷材35について述べたが、本発明においては、温熱を蓄えることができる蓄熱剤を有する蓄熱材を用いてもよい。
1 収容庫本体
2 収容室
2a 収容域
2b 収容域
10 本体キャビネット
11 板状断熱部材
115 内壁部材
121 凸部
122 底面溝部
131 凸部
132 右側面溝部
141 凸部
142 左側面溝部
15 キャスタ
20 前面扉
30 区画部材
31 金属製板状部材
32 金属製板状部材
33 封止部材
34 伝熱板
35 蓄冷材
35b 蓄冷剤
36 冷却コイル部材
40 冷凍装置

Claims (4)

  1. 断熱構造の直方体を成し、かつ下部に配設されたキャスタにより移動可能な収容庫本体を備えた収容庫において、
    前記収容庫本体の内部に立設されることで、該収容庫本体の内部に形成される収容室を複数の収容域に区画する区画部材を備え、
    前記区画部材は、内部に蓄熱材を有し、かつ該蓄熱材に蓄えられた熱を自身の表面より放出して前記収容域の内部雰囲気を所望の温度に調整するものであり、
    前記収容庫本体における前記収容室を形成する内壁面のうち少なくとも底面には、第1溝部が並設され、
    前記区画部材は、その表面において上下方向に沿って延在する態様で形成され、かつ前記第1溝部に連通する第2溝部を備えており、
    前記第1溝部及び前記第2溝部は、開口端である先端に向かうにつれて開口幅が大きくなるように形成されていることを特徴とする収容庫。
  2. 前記区画部材は、一方の側面及び他方の側面において前記第2溝部が並設され、
    前記第1溝部は、前記底面、並びに前記区画部材の前記側面に対向する前記収容庫本体の側面に形成されたことを特徴とする請求項に記載の収容庫。
  3. 前記区画部材は、前記収容庫本体に対して着脱可能に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の収容庫。
  4. 前記収容庫本体における前記収容室を形成する少なくとも1つの壁部は、内部に蓄熱材を有し、かつ該蓄熱材に蓄えられた熱を自身の表面より放出して前記収容域の内部雰囲気を所望の温度に調整することを特徴とする請求項1に記載の収容庫。
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