JPH10218246A - 保温・保冷ストッカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】専用の保温又は保冷車を必要とせず、保温又は
保冷物を一般輸送車等にて他の貨物と一緒に運搬するこ
とができ、輸送先において簡易貯蔵ストッカとして用い
ることができる保温・保冷ストッカを提供する。 【解決手段】断熱材からなる箱状の収納容器本体１０
と、左右に分割した蓋とからなり、分割した蓋はそれぞ
れ熱媒又は冷媒収納室を内蔵した蓋２０と、保温又は保
冷物取出専用蓋４０とし、保温又は保冷物取出専用蓋４
０を開けたときにも保温又は保冷機能を維持するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、保温又は保冷を必
要とする物資を輸送及び簡易貯蔵する保温・保冷ストッ
カに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】冷凍、冷蔵を要する生鮮食品、又は保温
を要する物資を運搬、貯蔵するために、専用の保温車、
保冷車、冷凍庫、冷蔵庫等が用いられる。これに対し
て、専用の保冷車等に代わり、保温又は保冷物を保温・
保冷ストッカに収納して一般運搬車輌で運搬し、需要先
にストッカと共に荷卸しを行って配達する流通機構が用
いられている。このような場合に、従来開発され用いら
れているストッカとしては、例えば、特開昭６１−９３
０６７号公報、実開昭６３−１６６９４５号公報、実開
昭６３−１６８７８１号公報等に提案されている。これ
らは何れも、例えば図３に示すように、収納容器５０の
開口に蓋７０と共に、又は蓋７０とは分離した冷媒８０
収納棚６０を、落し込み構造などにより組合わせたスト
ッカ１００のような構造であり、蓋７０をあけると冷媒
８０も収納容器５０から離れ、保温又は保冷物が空中に
曝されるものであった。従って、保温又は保冷効果が減
殺されるので、貯蔵を要する場合に保存時間に制約があ
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は主として、業
務用の保温・保冷ストッカに関するものである。業務用
で保温を必要とする商品等又は保冷を必要とするもの、
例えば、アイスクリーム、冷凍ピザ、ちゃんこ鍋セット
等はイベント会場、パチンコ店等にて、通常、かなりの
時間の貯蔵を必要とする。本発明は搬送に便利で、現場
において簡易貯蔵を可能とするという要請に対応できる
保温・保冷ストッカを提供することを目的とする。

【０００４】本発明の課題は、次のとおりである。 （ａ）保温又は保冷を要する物資を専用の保冷車等を用
いることなく、例えば宅配トラック等にても輸送可能と
すること。 （ｂ）保温・保冷ストッカは、輸送後に配送された現場
において簡易貯蔵ストッカとして使用できるようにし、
保温又は保冷物の出し入れの時に、保温又は保冷機能を
維持するようにすること。

【０００５】（ｃ）繰り返し使用可能なストッカとし、
空荷の時に、運搬容積が小さくなるように工夫する。ま
た、業務用の適切な大きさにすること。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、次の技術手段を講じたことを特徴とす
る保温・保冷ストッカである。本発明は、断熱材からな
る箱状の収納容器本体と、左右に分割した蓋とからな
り、分割した蓋はそれぞれ熱媒又は冷媒収納室を内蔵し
た蓋と、保温又は保冷物取出専用蓋としたことを特徴と
する保温・保冷ストッカである。この保温・保冷ストッ
カは、収納容器本体、熱媒又は冷媒収納室、熱媒又は冷
媒収納室の上を覆う天井蓋、保温又は保冷物取出専用蓋
の４つの部分に分解され、組み立て可能になっており、
空荷の時に分解して全体の容積を小さい容積にすること
ができる。例えば、収納容器本体を開口を向かい合わせ
て重ねた時、他の１個の収納容器本体や蓋がその内部に
収納可能なように収納容器本体の外形及び内部寸法を工
夫することが好ましい。

【０００７】また、本発明は、熱媒又は冷媒収納室を内
蔵した蓋を収納容器本体の上側開口の一方側に寄せて設
け、他方側に保温又は保冷物取出専用蓋を設けたから、
保温又は保冷物取出専用蓋を開けたときに熱媒又は冷媒
収納室を内蔵した蓋はそのまま収納容器本体上に残る。
従って、本発明の保温・保冷ストッカは、使用中には保
温又は保冷物取出専用蓋のみを取り外して保温又は保冷
物を出し入れすることができ、熱媒又は冷媒は、熱気又
は冷気を収納容器本体内に送り続けているから、保温又
は保冷効果を損なうことがない。

【０００８】本発明の保温・保冷ストッカでは、前記収
納容器本体の内面壁面には、保温又は保冷物収納部上端
より下方に伸びる多数の凸条を設け、熱気又は冷気がこ
の凸条の間の溝を通って壁に添って下方に流れるように
したから、熱気又は冷気が均一に収納容器本体内に供給
される。また、収納容器内面底面には、網目状の溝を設
けた。網目状の溝とは、碁盤状、矩形状、三角形状、菱
形状、蜂の巣状、リング状、パンチメタルのリブ状など
の任意の形状を形成するように溝が互いに交差するよう
に設けた溝である。上記熱気又は冷気はこれらの網目状
の溝を通って収納容器内に均一に流れ、熱気又は冷気が
均一に収納容器本体内に分散する。また上記の内面壁面
の凸条の上端を収納すべき保温又は保冷物の上面限界と
一致するように形成しておくと、収納容器本体内に保温
又は保冷物を詰めるとき、これを目印として充填すれば
よく、詰め過ぎや詰め不足を防止することができるので
好ましい。

【０００９】また、前記熱媒又は冷媒収納室を内蔵した
蓋は、熱媒又は冷媒収納室の天井板を取外し可能に取付
け、熱媒又は冷媒収納室床板上面には多数の網目状の凹
溝を設け、また熱気又は冷気を通す多数の上下貫通孔を
床版に設けることによって、熱気又は冷気を収納容器本
体内に均一に対流させることができ、好ましい。熱媒又
は冷媒収納室を内蔵した蓋及び保温又は保冷物取出専用
蓋は収納容器本体上面に係合する密閉シール構造を有
し、熱媒又は冷媒収納室を内蔵した蓋と保温又は保冷物
取出専用蓋との連結部、及び熱媒又は冷媒収納室を内蔵
した蓋の天井板と保温又は保冷物取出専用蓋との接合部
等は相互にかみ合う密閉シール構造としたので、密に閉
止することができる。

【００１０】本発明の保温・保冷ストッカは、保温又は
保冷物の輸送及び貯蔵容器として好適に用いることがで
きる。本発明の保温・保冷ストッカの材質（断熱材）と
しては、発泡プラスチックスを用いるとよいが、中でも
発泡ポリプロピレンが軽量、安価で断熱性、成形性、加
工性にも優れ、最も好適である。発泡倍率５〜４０倍程
度とするのが良く、さらに好ましくは１５〜３０倍、中
でも２０〜２５倍程度とするのが最適で、高い断熱性能
を得ることができる。軽量・安価な点では発泡スチロー
ルも適当であるが、発泡ポリプロピレンの方が耐摩耗
性、耐衝撃性に優れている。用途、使用条件、耐久性及
び価格との兼ね合いで適当な材質を選定することができ
る。もちろん本発明は、構造材又は骨組み材と断熱材と
を組み合わせた複合構造によって構成することを排除す
るものではない。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の保温・保冷ストッカは、
業務用として、ある程度の長い時間保温又は保冷を必要
とするような商品等の輸送と簡易貯蔵を兼ねた容器とし
て適切である。この保温・保冷ストッカでは、熱媒又は
冷媒としては、蓄熱剤、発熱材、ドライアイス、氷等を
使用する。この保温・保冷ストッカは、この容器だけで
保温又は保冷が可能なため、保温又は保冷物資の輸送に
当たって、専用の保温又は冷凍・保冷車を用いることは
必要ではなく、普通のトラックや宅配便などによる輸送
が可能であり、中小のコンビニエントストア等に向けた
保温又は冷凍・保冷食品等の輸送にも最適である。ま
た、臨時的なイベント会場とか、パチンコ店等で保温又
は保冷・冷凍食品等の簡易貯蔵ストッカとしても好適に
使用することができる。

【００１２】なお、耐候性を一層向上させたり、容器の
美観を高めるために、本発明の保温・保冷ストッカの外
面に種々の塗装や模様をつけることも任意であり、さら
に、取扱品に応じて、本体の汚れ防止をはかったり、洗
浄・使い捨てを容易にするなどの目的で、容器の内面に
ポリエチレン製の袋等を内張りしたり、単に挿入した
り、あるいは物品の包装や区分わけ等に使用することも
できる。

【００１３】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例について
説明する。図１は本発明の実施例の保温・保冷ストッカ
を示す図で、図１（ａ）は、断面図、図１（ｂ）はその
Ａ−Ａ矢視断面図である。図２は、実施例の分解斜視図
である。本発明の保温・保冷ストッカ１は、箱状の収納
容器本体１０と、熱媒又は冷媒収納室２０と、熱媒又は
冷媒収納室上を覆う天井板３０と、保温又は保冷物取出
専用蓋４０とを備えている。これらの収納容器本体１０
と、熱媒又は冷媒収納室２０と、熱媒又は冷媒収納室上
を覆う天井板３０と、保温又は保冷物取出専用蓋４０
は、すべて断熱材から構成されており、緊密に組み立て
られるようになっており、図２に示すように分解可能な
部品から構成されている。箱状の収納容器本体１０は、
蓋を載せるフランジ１１、シール突起１２を上面開口の
周囲に設けている。その一部に、保温又は保冷物取出専
用蓋４０を外すために手を入れる切欠１３がある。この
切欠１３には、保温又は保冷物取出専用蓋４０の下面に
設けた突起４２が係止し、蓋４０の位置決めを行うよう
になっている。

【００１４】収納容器本体１０の底板の底面に溝１４を
設け（図１（ａ）参照）、水・空気逃げを形成してい
る。溝１４は、収納容器本体１０の底面が、他のストッ
カや、置場の板面等に貼り付いて取れにくくなるのを防
止するものである。収納容器本体１０の内側側壁には、
多数の凸条１５が設けられており、その間は溝１７を形
成している。この溝１７は熱気又は冷気の通路である。
また凸条１５の上端１６は、この収納容器本体１０内に
充填する保温又は保冷物の上面の位置を示し、保温又は
保冷物を過不足なく充填するための目印となっている。
また、収納容器本体１０の内部底面には、網目状の溝１
８を設けてある。この実施例では碁盤状の溝１８によ
り、多数の四角形の凸部１９が形成され、保温又は保冷
物はこの凸部１９上に載置される。溝１８は熱気又は冷
気の通路であり、熱気又は冷気が容器内に均一に供給さ
れる。

【００１５】熱媒又は冷媒収納室２０は、側壁２１を設
けて収納室を形成する。側壁２１は少なくとも三方に設
け、一方の側面２８は開放して置くことも可能である。
強度的な観点からは側壁２１を四方に設ける方が良い。
側壁２１の上部には天井板３０が嵌込まれる段部２２が
設けられている。天井板３０の周縁３１はこの段に密実
に密着嵌合し、シール性の高い熱媒又は冷媒収納室を形
成する。熱媒又は冷媒収納室２０の床面上面には多数の
突出面２６を設け、また床板を上下に貫通する多数の上
下貫通孔２７を設けている。突出面２６上に熱媒又は冷
媒８０を載置する。突出面２６の平面形状は図２に示す
実施例では四角形のものを示しているが、その形状はど
のような形状でもよくその如何を問わない。熱媒又は冷
媒８０としては蓄熱剤、発熱材、ドライアイス、氷等を
用いることができる。熱気又は冷気は、多数の上下貫通
孔２７を通って収納容器本体１０内を対流する。上下貫
通孔２７の形状、配列は限定されない。

【００１６】熱媒又は冷媒収納室２０の床の下面には、
収納容器本体１０の上面のシール突起１２に係合する溝
２５が設けられている。また、保温又は保冷物取出専用
蓋４０との当接端面２４が互いにしっかりと当接するよ
うに、保温又は保冷物取出専用蓋４０に係合する係合部
２３を備えている。この熱媒又は冷媒収納室２０は、収
納容器本体１０の上方に位置するので、熱気又は冷気の
流れが合理的で保温又は保冷性能が優れている。従来、
熱媒又は冷媒を収納容器の中段に棚を設けて収納容器内
の側方の棚上に充填する方式のものがあるが、本実施例
は、熱媒又は冷媒を鉛直上方に設けたので、側方の棚上
に熱媒又は冷媒を配置したものと比較すると、保温又は
保冷性能が格段によい。

【００１７】熱媒又は冷媒収納室２０の天井板３０は、
熱媒又は冷媒収納室２０の周縁部と上面が面一となるよ
うに嵌込まれる。天井板３０が保温又は保冷物取出専用
蓋４０と接する部分には段差３２が設けられ、保温又は
保冷物取出専用蓋４０の端面と相欠き（あいじゃくり）
構造で係合し密閉シール構造となっている。保温又は保
冷物取出口専用蓋４０と、上記天井板３０とは密接に嵌
合し、保冷効果を高めているので、熱気又は冷気が常に
保温又は保冷物にあたる。また本実施例は本体へ蓋を落
とし込む方式に比べ保温又は保冷物収納容器本体の内容
積を有効に使用することができ、収納容器本体いっぱい
まで商品が入る。また、保温又は保冷物取出専用蓋４０
の部分には高さの高い商品を納めることができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の保温・保冷ストッカは以上のよ
うに構成されているので、専用の保温又は保冷車を必要
とせず、保温又は保冷物を一般輸送車等にて他の貨物と
一緒に運搬することができ、輸送先において簡易貯蔵ス
トッカとして用いることができる。また、空荷のときに
運搬容積を小さくして輸送することができ、繰返し使用
することができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の保温・保冷ストッカの断面図である。

【図２】実施例の保温・保冷ストッカの分解斜視図であ
る。

【図３】従来の保温・保冷ストッカの断面図である。

【符号の説明】

１ 保温・保冷ストッカ １０ 収納容器本体 １１ フランジ １２ シール突起 １３ 切欠 １４ 溝 １５ 凸条 １６ 上端 １７ 溝 １８ 網目状の溝 １９ 突起面 ２０ 熱媒又は冷媒収納室 ２１ 側壁 ２２ 段部 ２３ 係合部 ２４ 当接面 ２５ 溝 ２６ 突出面 ２７ 上下貫通孔 ２８ 開口側面 ２９ 矢印 ３０ 天井板 ３１ 周縁 ３２ 段部 ４０ 保温又は保冷物取出専用蓋 ４１ 係止部 ４２ 突起 ５０ 保冷容器本体 ６０ 冷媒保持部 ７０ 蓋 ８０ 熱媒又は冷媒

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断熱材からなる箱状の収納容器本体と、
   左右に分割した蓋とからなり、分割した蓋はそれぞれ熱
   媒又は冷媒収納室を内蔵した蓋と、保温又は保冷物取出
   専用蓋としたことを特徴とする保温・保冷ストッカ。
2. 【請求項２】 前記収納容器本体の内面壁面には、保温
   又は保冷物収納部上端より下方に伸びる多数の凸条を設
   け、内面底面には、多数の網目状の凹溝を設けたことを
   特徴とする請求項１記載の保温・保冷ストッカ。
3. 【請求項３】 前記熱媒又は冷媒収納室を内蔵した蓋
   は、熱媒又は冷媒収納室の天井板を取外し可能に取付
   け、熱媒又は冷媒収納室床板上面に多数の網目状の凹溝
   を設け、かつ、熱気又は冷気を通す多数の上下貫通孔を
   床板に設けたことを特徴とする請求項１又は２記載の保
   温・保冷ストッカ。
4. 【請求項４】 前記熱媒又は冷媒収納室を内蔵した蓋及
   び保温又は保冷物取出専用蓋は前記収納容器本体上面に
   係合する密閉シール構造を有し、前記熱媒又は冷媒収納
   室を内蔵した蓋と保温又は保冷物取出専用蓋は相互にか
   み合う密閉シール構造であることを特徴とする請求項
   １、２又は３記載の保温・保冷ストッカ。
5. 【請求項５】 保温又は保冷物の輸送及び貯蔵容器とし
   て用いることを特徴とする請求項１〜４の何れかに記載
   の保温・保冷ストッカ。