JP6293688B2 - ダイオード及びそのダイオードを内蔵する逆導通igbt - Google Patents

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本明細書で開示する技術は、ダイオード及びそのダイオードを内蔵する逆導通IGBTに関する。
特許文献1は、n型のバリア領域を備えるダイオードを開示する。バリア領域は、n型のドリフト領域とp型のアノード領域の間に設けられており、ピラー部を介してアノード電極と電気的に接続される。このダイオードでは、順バイアス時にバリア領域がピラー部を介してアノード電極に短絡するので、アノード領域とバリア領域のpn接合の電圧降下が小さくなり、アノード領域からドリフト領域に注入される正孔の注入効率が低下する。このため、特許文献1のダイオードでは、逆バイアス時のリカバリー電流が小さくなり、リカバリー損失が低下する。
特開2013−48230号公報
アノード領域からドリフト領域に注入される正孔の注入効率を低下させてリカバリー損失を低下させるためには、バリア領域の不純物濃度を濃くすることが望ましい。しかしながら、バリア領域の不純物濃度が濃くなると、アノード領域とバリア領域のpn接合の電圧降下が過度に小さくなり、ダイオードに電流が流れ始めるのに必要な順方向電圧が大きく増加するスナップバック現象が発生する。このようなスナップバック現象は、低電流領域の損失を増加させてしまう。また、このようなスナップバック現象は、不均一動作の原因にもなってしまう。このように、バリア領域の不純物濃度については、リカバリー損失とスナップバック現象の発生の間にトレードオフの関係が存在する。本明細書は、このトレードオフ関係を改善する技術を提供する。
本明細書で開示するダイオードの一実施形態は、半導体層及びアノード電極を備える。アノード電極は、半導体層の一方の主面を被膜する。半導体層は、第1導電型のドリフト領域、第2導電型のアノード領域及び第1導電型のバリア領域を有する。アノード領域は、ドリフト領域とアノード電極の間に設けられている。バリア領域は、ドリフト領域とアノード領域の間に設けられており、半導体層の一方の主面から伸びるピラー部を介してアノード電極と電気的に接続されており、ドリフト領域の不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有する。バリア領域は、半導体層の面方向において不純物濃度が変化するように構成されている。
上記実施形態のダイオードは、バリア領域の不純物濃度が半導体層の面方向において変化するように構成されていることを特徴とする。相対的に不純物濃度が濃い部分が設けられていることにより、アノード領域からドリフト領域に注入される正孔の注入効率が低下し、リカバリー損失が低下する。さらに、相対的に不純物濃度が薄い部分が設けられていることにより、アノード領域とバリア領域のpn接合の電圧降下が過度に小さくなることが抑えられ、低電流領域のスナップバック現象の発生が抑えられる。
実施例のダイオードの要部断面図を模式的に示す。 実施例、比較例1及び比較例2のIV特性(横軸が順方向電圧であり、縦軸が順方向電流である)を示す。 変形例のダイオードの要部断面図を模式的に示す。 実施例及び図3の変形例のIV特性(横軸が順方向電圧であり、縦軸が順方向電流である)を示す。 他の変形例のダイオードの要部断面図を模式的に示す。 他の変形例のダイオードの要部断面図を模式的に示す。 他の変形例のダイオードの要部断面図を模式的に示す。 逆導通IGBTの要部断面図を模式的に示す。
以下、本明細書で開示される技術の特徴を整理する。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
本明細書で開示するダイオードの一実施形態は、ディスクリート素子として構成されてよく、逆導通IGBTに内蔵するダイオードとして構成されてもよい。この実施形態のダイオードは、半導体層及びアノード電極を備えていてもよい。半導体層に用いられる材料は、特に限定されるものではない。例えば、半導体層には、シリコン、炭化珪素、窒化物半導体、又は、その他の化合物半導体が用いられてもよい。アノード電極は、半導体層の一方の主面を被膜してもよい。半導体層は、第1導電型のドリフト領域、第2導電型のアノード領域及び第1導電型のバリア領域を有していてもよい。アノード領域は、ドリフト領域とアノード電極の間に設けられていてもよい。バリア領域は、ドリフト領域とアノード領域の間に設けられており、半導体層の一方の主面から伸びるピラー部を介してアノード電極と電気的に接続されており、ドリフト領域の不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有していてもよい。ピラー部は、半導体を材料として形成されるピラー領域でもよく、金属等の導体を材料として形成されるピラー導体でもよい。ピラー部は、アノード電極とショットキー接触するのが望ましい。バリア領域は、半導体層の面方向において不純物濃度が変化するように構成されていてもよい。
バリア領域は、不純物濃度が相対的に濃い複数の高濃度バリア領域及び不純物濃度が相対的に薄い複数の低濃度バリア領域を含んでいてもよい。ここで、「相対的に」とは、高濃度バリア領域と低濃度バリア領域の不純物濃度を対比した用語である。このため、この実施形態では、高濃度バリア領域の不純物濃度が低濃度バリア領域の不純物濃度よりも濃い。高濃度バリア領域と低濃度バリア領域が、少なくとも一方向において交互に配置されてもよい。複数の高濃度バリア領域と複数の低濃度バリア領域のレイアウトは特に制限されるものではないが、例えば、複数の高濃度バリア領域と複数の低濃度バリア領域は、半導体層を平面視したときに、ストライプ状のレイアウトを有してもよい。高濃度バリア領域がピラー部に接していてもよく、低濃度バリア領域がピラー部に接していてもよい。
上記実施形態のダイオードは、バリア領域とドリフト領域の間に設けられている第2導電型の電界進展防止領域をさらに備えていてもよい。この場合、逆バイアス時に、ドリフト領域と電界進展防止領域の間のpn接合が逆電流を制限することができる。
図1に示されるように、ダイオード1は、シリコン単結晶の半導体層10、半導体層10の裏面を被覆するカソード電極22及び半導体層10の表面を被覆するアノード電極24を備える。半導体層10は、n型のカソード領域11、n型のバッファ領域12、n型のドリフト領域13、n型のバリア領域14、p型のアノード領域15及びn型の複数のピラー領域16を有する。
カソード領域11は、半導体層10の裏層部に設けられており、半導体層10の裏面に露出する。カソード領域11は、不純物を高濃度に含んでおり、カソード電極22にオーミック接触する。カソード領域11は、例えば、イオン注入技術を利用して、半導体層10の裏面から半導体層10の裏層部の一部にリンを導入することで形成されている。カソード領域11の不純物濃度は、バッファ領域12及びドリフト領域13の不純物濃度よりも濃い。
バッファ領域12は、半導体層10の裏層部に設けられており、カソード領域11とドリフト領域13の間に配置されている。バッファ領域12は、イオン注入技術を利用して、半導体層10の裏面から半導体層10の裏層部の一部にリンを導入することで形成されている。バッファ領域12の不純物濃度は、ドリフト領域13の不純物濃度よりも濃い。
ドリフト領域13は、バッファ領域12とバリア領域14の間に配置されている。ドリフト領域13は、半導体層10に各半導体領域を形成した残部であり、不純物濃度は低く、不純物濃度は厚み方向に一定である。
アノード領域15は、半導体層10の表層部に設けられており、バリア領域14とアノード電極24の間に配置されており、半導体層10の表面に露出する。アノード領域15は、不純物濃度が相対的に高濃度なアノードコンタクト領域15a及び不純物濃度が相対的に低濃度なアノードメイン領域15bを含む。アノードコンタクト領域15aは、半導体層10の表面に露出しており、アノード電極24にオーミック接触する。アノードメイン領域15bは、アノードコンタクト領域15aを取り囲んでおり、半導体層10の表面に露出しており、アノード電極24にオーミック接触する。アノード領域15は、イオン注入技術を利用して、半導体層10の表面から半導体層10の表層部の一部にボロンを導入することで形成されている。
複数のピラー領域16は、半導体層10の表層部に設けられており、半導体層10の表面からアノード領域15を貫通してバリア領域14に達する。ピラー領域16の各々は、半導体層10の表面に直交する方向に延びた形態を有する。ピラー領域16の各々は、ショットキー界面24aを介してアノード電極24にショットキー接触する。複数のピラー領域16は、イオン注入技術を利用して、半導体層10の表面から半導体層10の表層部の一部にリンを導入することで形成されている。複数のピラー領域16の不純物濃度は、バリア領域14の不純物濃度よりも濃い(後述する高濃度バリア領域14aの不純物濃度よりも濃い)。複数のピラー領域16は、半導体層10の表面に直交する方向に沿って観測したときに(以下、「平面視したときに」という)、ストライプ状のレイアウトを有する。なお、ストライプ状のレイアウトは一例であり、これに代えて、複数のピラー領域16は、平面視したときに、格子状又は分散配置のレイアウトを有していてもよい。
バリア領域14は、半導体層10の表層部に設けられており、ドリフト領域13とアノード領域15の間に配置されている。バリア領域14は、半導体層10の面方向(半導体層10の表面に平行な面方向)に延びた形態を有する。バリア領域14は、不純物濃度が相対的に濃い複数の高濃度バリア領域14a及び不純物濃度が相対的に薄い複数の低濃度バリア領域14bを含む。高濃度バリア領域14aの不純物濃度及び低濃度バリア領域14bの不純物濃度の双方は、ドリフト領域13の不純物濃度よりも濃く、ピラー領域16の不純物濃度よりも薄い。複数の高濃度バリア領域14aと複数の低濃度バリア領域14bは、平面視したときに、ストライプ状のレイアウトを有する。より詳細には、高濃度バリア領域14aと低濃度バリア領域14bは、平面視したときに、ピラー領域16に対して平行に延びており、ピラー領域16に直交する方向に沿って交互に配置されている。この例では、高濃度バリア領域14aの各々が隣り合うピラー領域16の間に配置されており、低濃度バリア領域14bがピラー領域16に接する。換言すると、高濃度バリア領域14aは、平面視したときに、ピラー領域16と重複する位置に配置されておらず、アノード領域15と重複する位置に配置されている。あるいは、ピラー領域16は、平面視したときに、高濃度バリア領域14aと重複する位置に配置されておらず、低濃度バリア領域14bと重複する位置に配置されている。
バリア領域14は、イオン注入技術を利用して、半導体層10の表面から半導体層10の表層部の一部にリンを導入することで形成されている。具体的には、バリア領域14は、半導体層10の所定深さの面内一様にリンを低濃度に導入した後に、半導体層10の所定深さの面内の一部にリンを高濃度に導入することで形成される。
次に、ダイオード1の動作を説明する。カソード電極22とアノード電極24の間に順バイアス(カソード電極22よりもアノード電極24が正となる電圧)が印加されると、アノード領域15からドリフト領域13に正孔が注入され、ダイオード1が導通する。このとき、バリア領域14がピラー領域16を介してアノード電極24に短絡するので、アノード領域15とバリア領域14のpn接合の電圧降下が小さくなり、アノード領域15からドリフト領域13に注入される正孔の注入効率が低下する。次に、カソード電極22とアノード電極24の間の電圧が順バイアスから逆バイアス(アノード電極24よりもカソード電極22が正となる電圧)に切り替わると、アノード領域15とバリア領域14の間のpn接合、及び、アノード電極24とピラー領域16の間のショットキー界面24aによって逆電流が制限される。このように、ダイオード1は、整流作用を発揮することができる。
ここで、図2に示されるIV特性を参照し、比較例と対比しながら実施例であるダイオード1の特徴を詳細する。なお、比較例1は、バリア領域の全体が低濃度バリア領域で構成されている例である。比較例2は、バリア領域の全体が高濃度バリア領域で構成されている例である。
比較例1では、バリア領域の全体が低濃度バリア領域で構成されているので、順バイアス時にアノード領域とバリア領域のpn接合の電圧降下が十分に小さくならない。このため、アノード領域からドリフト領域に注入される正孔の注入効率が高く、リカバリー損失が増大する。
比較例2では、バリア領域の全体が高濃度バリア領域で構成されているので、順バイアス時にアノード領域とバリア領域のpn接合の電圧降下が過度に小さくなり、ダイオードに電流が流れ始めるのに必要な順方向電圧が大きくなる。即ち、比較例2では、アノード領域からドリフト領域に正孔が注入されて順方向電圧が低下するまでの低電流領域において、順方向電圧が大きく増加するスナップバック現象が発生している。このようなスナップバック現象は、低電流領域の損失を増加させる。また、このようなスナップバック現象は、不均一動作の原因にもなる。
一方、実施例のダイオード1では、バリア領域14に高濃度バリア領域14aが設けられていることにより、アノード領域15からドリフト領域13に注入される正孔の注入効率が低下し、リカバリー損失が低下する。さらに、実施例のダイオード1では、バリア領域14に低濃度バリア領域14bが設けられていることにより、アノード領域15とバリア領域14のpn接合の電圧降下が過度に小さくなることが抑えられ、低電流領域のスナップバック現象の発生が抑えられる。
以下、ダイオードの他の特徴及び変形例を記載する。
バリア領域14の高濃度バリア領域14aの不純物濃度は、1×1015〜1×1019cm-3であるのが望ましい。この不純物濃度の範囲であると、高濃度バリア領域14aは、順バイアス時にアノード領域15からドリフト領域13に注入される正孔の注入効率を良好に低下させることができる。バリア領域14の低濃度バリア領域14bの不純物濃度は、1×1014〜1×1018cm-3であるのが望ましい。この不純物濃度の範囲であると、低濃度バリア領域14bは、順バイアス時にアノード領域15とバリア領域14のpn接合の電圧降下が過度に小さくなることを抑え、低電流領域のスナップバック現象の発生を抑えることができる。
ダイオード1では、高濃度バリア領域14aと低濃度バリア領域14bのレイアウトは特に制限されるものではなく、所望のIV特性に応じて適宜に採用することができる。例えば、図3に示される変形例は、低濃度バリア領域14bの各々が隣り合うピラー領域16の間に配置されており、高濃度バリア領域14aがピラー領域16に接するように構成されていることを特徴とする。この変形例は、図1に示す実施例と対比すると、高濃度バリア領域14aと低濃度バリア領域14bの位置関係が逆に構成されていることを特徴とする。図4に示されるように、この変形例では、図1に示す実施例と対比すると、低電流領域の順方向電圧が低下する。このように、バリア領域14の高濃度バリア領域14aと低濃度バリア領域14bのレイアウトを調整することで、ダイオード1に所望するIV特性を実現することができる。
ダイオード1では、カソード電極22とアノード電極24の間に逆バイアスが印加されると、ピラー領域16とアノード電極24の間のショットキー界面か24aら伸びる空乏層だけでなく、アノード領域15とバリア領域14の間のpn接合の界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。これにより、ピラー領域16とアノード電極24の間のショットキー界面24aにかかる電界が軽減される。ダイオード1では、逆バイアスに対する耐圧が向上する。
図5に示す変形例のダイオード2は、p型の電界進展防止領域17を備えることを特徴とする。電界進展防止領域17は、半導体層10の表層部に設けられており、ドリフト領域13とバリア領域14の間に配置されている。電界進展防止領域17は、イオン注入技術を利用して、半導体層10の表面から半導体層10の表層部の一部にボロンを導入することで形成されている。電界進展防止領域17が設けられていると、逆バイアス時に、アノード領域15とバリア領域14の間のpn接合、及び、ピラー領域16とアノード電極24の間のショットキー界面24aに加えて、ドリフト領域13と電界進展防止領域17の間のpn接合によっても逆電流が制限される。また、ダイオード2では、カソード電極22とアノード電極24の間に逆バイアスが印加されると、ピラー領域16とアノード電極24の間のショットキー界面24aから伸びる空乏層だけでなく、アノード領域15とバリア領域14の間のpn接合の界面から伸びる空乏層、及び、ドリフト領域13と電界進展防止領域17の間のpn接合の界面でも電界が分担される。これにより、ピラー領域16とアノード電極24の間のショットキー界面24aにかかる電界、及び、アノード領域15とバリア領域14の間のpn接合にかかる電界が軽減される。ダイオード2では、逆バイアスに対する耐圧が向上する。
図6に示す変形例のダイオード3は、複数の制御電極部30を備えることを特徴とする。制御電極部30は、半導体層10の表層部に形成されているトレンチ32内に設けられており、絶縁膜34及び絶縁膜34で被覆されている制御電極36を有する。制御電極部30は、半導体層10の表面からアノード領域15及びバリア領域14を貫通してドリフト領域13に達する。制御電極36は、アノード電極24に電気的に接続されている。制御電極部30が設けられていると、逆バイアス時に、ドリフト領域13に突出する制御電極部30の先端近傍の箇所に電界集中が生じ、これにより、ピラー領域16とアノード電極24の間のショットキー界面24aにかかる電界、及び、アノード領域15とバリア領域14の間のpn接合にかかる電界が軽減される。ダイオード3では、逆バイアスに対する耐圧が向上する。
図7に示す変形例のダイオード4は、p型の電界進展防止領域17と複数の制御電極部30の双方を備えることを特徴とする。p型の電界進展防止領域17と複数の制御電極部30の双方が設けられていると、上記したように、逆バイアス時に、逆電流が制限されるとともに、電界軽減による耐圧向上が実現される。
以下、図8を参照して、逆導通IGBT5を説明する。逆導通IGBT5は、3相インバータを構成する6つのトランジスタに用いられており、内蔵するダイオードがフリーホイールダイオード(Free Wheeling Diode:FWD)として動作する。
図8に示されるように、逆導通IGBT5は、IGBT範囲10Aとダイオード範囲10Bに区画されているシリコン単結晶の半導体層100を備える。ダイオード範囲10Bに内蔵するダイオードは、図7に示すダイオード4と共通の構成を有する。このため、図7の構成要素と共通の構成要素については共通の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
逆導通IGBT5は、半導体層100の裏面を被覆するコレクタ電極122(内蔵ダイオードにおけるカソード電極)、半導体層100の表面を被覆するエミッタ電極124(内蔵ダイオードにおけるアノード電極)、半導体層10の表層部に設けられているとともにIGBT範囲10Aに配置されている複数の絶縁トレンチゲート部130、及び、半導体層10の表層部に設けられているとともにダイオード範囲10Bに配置されている制御電極部30を備える。半導体層100は、p型のコレクタ領域111、n型のカソード領域11、n型のバッファ領域12、n型のドリフト領域13、n型のバリア領域14、p型のアノード領域15、p型のボディ領域115、n型の複数のピラー領域16、電界進展防止領域17及びn型のエミッタ領域118を有する。バッファ領域12、ドリフト領域13、電界進展防止領域17、バリア領域14及びピラー領域16は、IGBT範囲10A及びダイオード範囲10Bの双方に設けられている。なお、ピラー領域16は、必要に応じて、IGBT範囲10Aに設けられていなくてもよい。
コレクタ領域111は、半導体層100の裏層部に設けられており、半導体層100の裏面に露出する。コレクタ領域111は、不純物を高濃度に含んでおり、コレクタ電極122にオーミック接触する。コレクタ領域111は、例えば、イオン注入技術を利用して、半導体層100の裏面から半導体層100の裏層部の一部にボロンを導入することで形成されている。
逆導通IGBT5は、半導体層100の裏層部にコレクタ領域111及びカソード領域11が形成されていることを特徴とする。コレクタ領域111が形成されている半導体層100の範囲がIGBT範囲10Aとして区画され、カソード領域11が形成されている半導体層100の範囲がダイオード範囲10Bとして区画される。コレクタ領域111及びカソード領域11は、半導体層100の裏層部において、同一の面内に配置されている。これにより、逆導通IGBT5は、IGBTとして動作するとともに、ダイオードとしても動作することができる。なお、半導体層100の裏層部におけるコレクタ領域111とカソード領域11のレイアウトは、特に限定されるものではなく、様々なレイアウトを採用することができる。
ボディ領域115は、半導体層100のIGBT範囲10Aの表層部に設けられており、バリア領域14とエミッタ電極124の間に配置されており、半導体層100の表面に露出する。ボディ領域115は、不純物濃度が相対的に高濃度なボディコンタクト領域115a及び不純物濃度が相対的に低濃度なボディメイン領域115bを含む。ボディコンタクト領域115aは、半導体層100の表面に露出しており、エミッタ電極124にオーミック接触する。ボディメイン領域115bは、ボディコンタクト領域115aを取り囲んでおり、半導体層100の表面に露出しており、エミッタ電極124にオーミック接触する。ボディ領域115は、イオン注入技術を利用して、半導体層100の表面から半導体層100の表層部の一部にボロンを導入することで形成されている。
エミッタ領域118は、半導体層100のIGBT範囲10Aの表層部に設けられており、半導体層100の表面に露出する。エミッタ領域118は、不純物を高濃度に含んでおり、エミッタ電極124にオーミック接触する。エミッタ領域118は、イオン注入技術を利用して、半導体層100の表面から半導体層100の表層部の一部にリンを導入することで形成されている。なお、エミッタ領域118は、必要に応じて、半導体層100のダイオード範囲10Bの表層部にも設けられていてもよい。
絶縁トレンチゲート部130は、半導体層100のIGBT範囲10Aの表層部に形成されているトレンチ132内に設けられており、絶縁膜134及び絶縁膜134で被覆されているトレンチゲート電極136を有する。絶縁トレンチゲート部130は、半導体層100の表面からエミッタ領域118、ボディ領域115、バリア領域14及び電界進展防止領域17を貫通してドリフト領域13に達する。絶縁トレンチゲート部130は、平面視したときに、ストライプ状に配置されている。これは一例であり、絶縁トレンチゲート部130のレイアウトは、特に限定されるものではなく、様々なレイアウトを採用することができる。
次に、逆導通IGBT5の動作を説明する。エミッタ電極124よりもコレクタ電極122が正となる電圧が印加されるとともに、エミッタ電極124よりもトレンチゲート電極136が正となる電圧が印加されるモードでは、絶縁トレンチゲート部130の側面のボディ領域115及び電界進展防止領域17に反転層が形成され、その反転層を介してエミッタ領域118からドリフト領域13に電子が注入される。一方、コレクタ領域111からドリフト領域13に正孔が注入される。これにより、逆導通IGBT5がオンとなり、コレクタ電極122とエミッタ電極124の間にコレクタ電流が流れる。このとき、高濃度バリア領域14aが設けられているので、ドリフト領域13からの正孔の流出が抑えられ、ドリフト領域13内のキャリア密度が増加し、オン抵抗が低下する。
コレクタ電極122よりもエミッタ電極124が正となる電圧が印加され、トレンチゲート電極136にエミッタ電極124と同一の電圧が印加されるモードでは、逆導通IGBT5がオフとなり、ダイオード範囲10Bの内蔵ダイオードが順バイアスされる。内蔵ダイオードが順バイアスされると、アノード領域15からドリフト領域13に正孔が注入され、内蔵ダイオードが導通する。このとき、バリア領域14がピラー領域16を介してエミッタ電極124に短絡するので、アノード領域15とバリア領域14のpn接合の電圧降下が小さくなり、アノード領域15からドリフト領域13に注入される正孔の注入効率が低下する。内蔵ダイオードでは、バリア領域14に高濃度バリア領域14aが設けられているので、アノード領域15からドリフト領域13に注入される正孔の注入効率が低下し、リカバリー損失が低下する。さらに、内蔵ダイオードでは、バリア領域14に低濃度バリア領域14bが設けられているので、アノード領域15とバリア領域14のpn接合の電圧降下が過度に小さくなることが抑えられ、低電流領域のスナップバック現象の発生が抑えられる。
エミッタ電極124よりもコレクタ電極122が正となる電圧が印加され、トレンチゲート電極136にエミッタ電極124と同一の電圧が印加されるモードでは、逆導通IGBT5がオフとなり、内蔵ダイオードが逆バイアスされる。上記したように、内蔵ダイオードでは、順バイアス時にアノード領域15から注入される正孔の注入効率が低下しているので、リカバリー電流が小さく、リカバリー損失が低下する。このように、逆導通IGBT5は、低いスイッチング損失を得ることができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:ダイオード
10:半導体層
11:カソード領域
12:バッファ領域
13:ドリフト領域
14:バリア領域
14a:高濃度バリア領域
14b:低濃度バリア領域
15:アノード領域
15a:アノードコンタクト領域
15b:アノードメイン領域
16:ピラー領域
17:電界進展防止領域
22:カソード電極
24:アノード電極

Claims (4)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層の一方の主面を被膜するアノード電極と、を備え、
    前記半導体層は、
    第1導電型のドリフト領域と、
    前記ドリフト領域と前記アノード電極の間に設けられている第2導電型のアノード領域と、
    前記ドリフト領域と前記アノード領域の間に設けられており、前記半導体層の前記主面から伸びるピラー部を介して前記アノード電極と電気的に接続されており、前記ドリフト領域の不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有する第1導電型のバリア領域と、を有し、
    前記バリア領域は、前記半導体層の面方向において不純物濃度が変化するように構成されており、
    前記ピラー部は、前記アノード電極とショットキー接触する半導体領域である、ダイオード。
  2. 前記バリア領域は、
    不純物濃度が相対的に濃い複数の高濃度バリア領域と、
    不純物濃度が相対的に薄い複数の低濃度バリア領域と、を含み、
    前記高濃度バリア領域と前記低濃度バリア領域が、少なくとも一方向において交互に配置される、請求項1に記載のダイオード。
  3. 前記バリア領域と前記ドリフト領域の間に設けられている第2導電型の電界進展防止領域をさらに備える、請求項1又は2に記載のダイオード。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイオードを内蔵する逆導通IGBT。
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