JP6292065B2 - インクジェット記録用インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用インク及び画像形成方法、画像形成装置、さらには、この画像形成方法を用いた画像形成物に関する。
水性顔料インクジェット記録用インクは、普通紙への印字において、滲みが少なく、高画像濃度、裏抜けが少ないなどのメリットがある。
しかし、普通紙へ印刷において写真や図等インク付着量の多い場合、印刷直後普通紙がバックカール(バックカールとは、印字面と反対側に紙が反る現象を言う。)し易い。
印字直後に普通紙が機内でバックカールすると、インクジェットプリンタ内の紙搬送工程で、紙搬送不良が生じる。特に、高速印刷や両面印刷時に紙がバックカールしていると、紙搬送は非常に困難になる。
そこで、普通紙への印刷において写真や図等インク付着量の多い場合もできるだけ、バックカールが少ないインクジェット用インクが望まれている。
特に、ラインヘッド搭載の高速インクジェットプリンタでは、そのニーズがシリアルプリンタに比べて一段と高い。
紙のカールを抑える公知技術としては、カール抑制剤として、固体保湿剤を用いた特許文献1(特開2011−236423号公報)記載の技術、ポリオキシエチレングリセリルエーテルを用いた特許文献2(特開2012−036389号公報)記載の技術、疎水性溶剤アルコキシアミド誘導体を用いた特許文献3(特開2012−107210号公報)記載の技術、カール抑制処理液にポリタングステン酸塩を用いた特許文献4(特開2012−179761号公報)記載の技術等が提案されている。
また、カール抑制させたインクの副作用として発生し易い吐出信頼性の低下を向上させる公知技術としては、多価アルコールをある一定量以上添加する方法が、特許文献5(特開2009−019198号公報)、特許文献6(特開2010−084116号公報)に提案されている。
印字後のカール量を低減することができ、さらに、ヘッドノズルからの吐出安定性、維持装置インク固着性も良好であり、且つ、インク保存安定性が良好な理想的なインクジェット記録用インク及び画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明の(1)「着色剤、有機溶剤、界面活性剤及び水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、前記有機溶剤が、溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコール又は下記一般式(I)で示されるオキセタン化合物をインク全体の30〜70質量%を単独で含有するものであり、前記着色剤が官能基を持つ水分散性着色剤であり、該官能基が-COOM、-SOM、-POHM、-POM、-CONM、-SONM、-NH-CH-COOM、−NH-CH-SOM、−NH-CH-POHM、−NH-CH-POM、−NH-CH-CONM、−NH-CH-4SONM(但し、Mはカウンターイオンを表す)の中より選ばれた少なくとも一つを含有し、且つ、該カウンターイオンMが四級アンモニムイオンであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
Figure 0006292065

前記一般式(I)中、R’は炭素数1〜2のアルキル基を表す。」により解決される。
本発明により、普通紙は勿論のこと商業印刷用紙に対して高速で良好な品位のフルカラー記録が可能であって、印字後のカール量を低減することができ、さらに、ヘッドノズルからの吐出安定性、印字装置へのインク耐固着性も良好であり、且つ、インク保存安定性が良好な理想的なインクジェット記録用インク及び画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の一例であるシリアル型画像形成装置の概略構成図である。 図1の画像形成装置の要部の平面図である。 本発明に係る画像形成装置の一例であるライン型画像形成装置の概略構成図である。
本発明は上記(1)に記載の「インクジェット記録用インク」に係るものであるが、この「インク」は、つぎの(2)、(3)記載の好ましい態様を包含する。また、つぎの(4)〜(6)記載の「画像形成方法」、「画像形成装置」、「画像形成物」をも包含する。
(2)「前記有機溶剤の溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコールが、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオールより選ばれたものであることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録用インク。」
(3)「前記水分散性着色剤が、ブラック顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料又はそれらの混合物であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のインクジェット記録用インク。」
(4)「前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種の刺激で印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。」
(5)「前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種の刺激で印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。」
(6)「記録用メディア上に、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする画像形成物。」
以下に好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
先に説明したように、本発明は、有機溶剤として溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコール又は前記一般式(I)で示される前記オキセタン化合物をインク全体の30〜70質量%を単独で含有すること、着色剤として官能基を持つ水分散性着色剤を含有し該官能基が-COOM、-SOM、-POHM、-POM2、-CONM、-SONM、-NH-CH-COOM、−NH-CH-SOM、−NH-CH-POHM、−NH-CH-POM、−NH-CH-CONM、−NH-CH-4SONM(但し、Mはカウンターイオンを表す)の中より選ばれた少なくとも一つを含有するものであり該カウンターイオンMが四級アンモニムイオンであること、を特徴点として有する。以下これら特徴点につき、順次、詳細かつ具体的に説明する。
[溶解度パラメーター(SP値)]
知られているように、溶解度パラメーター(SP値)は分子凝集エネルギーの平方根と定義される。具体的には次の計算式(1)で表される。実務上は1cm3の液体が蒸発するために必要な蒸発熱の平方根(cal/cm3)1/2から計算される。
Figure 0006292065

(ΔEは、凝集エネルギー(cal/mol)、Vはモル体積(cm/mol)、ΔE/Vは凝集エネルギー密度(単位体積あたりの気化熱)、をそれぞれ表わす。)
本発明においては、インクに含まれる「有機溶剤比率を高くすること」と「紙面へのインク着弾後インク中の水分が素早く蒸発させるために保湿性があまり大きくない溶剤を使用すること」でバックカールに起因する水分量を減らすことが可能になる。また、紙面へのインク着弾後の乾燥過程で急激に顔料凝集をもたらし増粘させることで、普通紙に対する画像品質が向上する。しかし、カール抑制のため、単にセルロース(紙基質)との親和性を制御しただけのインクは、ヘッドノズルからの吐出安定性及びインク保存安定性が損なわれる等の副作用が生じうる。そこで、この問題をも同時に解決すべく、本発明は更なる技術的工夫を施したものになっている。
すなわち、さらなる検討の結果、前記溶剤と前記官能基を持つ水分散性着色剤とは、インクジェット記録用インクの場合に相性が殊によく、したがって、前記溶剤の特定量の使用に加え、該有機溶剤と前記記載の官能基を持つ水分散性着色剤を用いることで、水分蒸発時の粘度上昇が抑制され、吐出信頼性が改善されることを知得するに至った。また、印字装置内でのインクの固着防止にも効果があった。また、インク経時保存性評価でも極めて安定なインクとなった。
水分散性着色剤として、界面活性剤で顔料を分散した界面活性剤分散顔料、樹脂で顔料を分散した樹脂分散顔料、顔料の表面を樹脂で被覆した樹脂被覆分散顔料及び顔料表面に親水基を設けた自己分散顔料等が挙げられるが、自己分散顔料の官能基が−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−CONM、−SONM、−NH−C−COOM、−NH−C−SOM、−NH−C−POHM、−NH−CH4−PO、−NH−C−CONM、−NH−CH−4SONMの中より選ばれた少なくとも一つ含有し、且つ、カウンターイオンMが四級アンモニムイオンである水分散性着色剤を用いたインクが、特に経時保存安定性が高く、水分蒸発時の粘度上昇が抑制されインクであることを見出した。着色材に、四級アンモニウムをカウンターイオンとする前記の官能基を導入したことにより、水の含有率が高い状態のインクから、水分が蒸発し、結果的に有機溶剤の含有率が高い状態のインクとなった場合においても、インク中で、水分散性着色剤の分散状態が、安定に保たれることに起因すると考えられる。
また、溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコール又は下記一般式(I)で示されるオキセタン化合物を用いたインクジェット記録用インクにすることにより、印字後のコックリング(ベタ画像部が波打つ現象)及びカール量が低減され、さらに、25℃の最大泡圧法による表面寿命1500ms時の動的表面張力が35mN/m以下にすることにより、紙表面にインクが非常に濡れ易くなり、発色性向上、白ポチの防止において、改良効果があることが判った。
Figure 0006292065

前記一般式(I)中、R’は炭素数1〜2のアルキル基を表す。
以後、さらに、本発明のインクジェット記録用インク及び画像形成方法、画像形成装置、さらには、この画像形成方法を用いた画像形成物について、詳細に説明する。
<インクジェット記録用インク>
−有機溶剤−
本発明のインクジェット用インクには、有機溶剤として、溶解性パラメーター(SP値)が11.8〜14.0の範囲である多価アルコール又は上記一般式(I)で示されるオキセタン化合物を用いることにより、本発明の課題である印字後のバックカール量の低減が可能となる。
溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコールとしては、下記の化合物が挙げられる。
3-メチル-1,3-ブタンジオール(SP値:12.05)、1,2−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,3−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,4-ブタンジオール(SP値:12.95)、2,3−ブタンジオール(SP値:12.55)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.48)、1,3−プロパンジオール(SP値:13.72)、1,2−ヘキサンジオール(SP値:11.80)、1,6−ヘキサンジオール(SP値:11.95)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(SP値:11.80)、トリエチレングリコール(SP値:12.12)、ジエチレングリコール(SP値:13.02)が挙げられる。
又は下記一般式(I)で示されるオキセタン化合物としては、
Figure 0006292065

前記一般式中、R’は炭素数1〜2のアルキル基を表す。
<一般式(I’)で示される化合物>
Figure 0006292065
(SP値:11.31)
Figure 0006292065
(SP値:11.79)
が挙げられる。
特に好ましくは、3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値:12.05)、1,2−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,3−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,4−ブタンジオール(SP値:12.95)、2,3−ブタンジオール(SP値:12.55)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.48)、1,3−プロパンジオール(SP値:13.72)と、式(I’)で示される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(SP値:11.31)が挙げられる。
前記インクジェット用インク中における溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコール又は上記一般式(I)で示されるオキセタン化合物の含有量は、インク全体の30〜70質量%を単独で含有することが好ましく、40〜60質量%の範囲がより好ましい。
前記含有量が30質量%未満であるとカール抑制効果がなく、70質量%を超えると画像品質が低下したり、インク粘度が著しく向上し吐出安定性が厳しくなることがある。
−浸透剤−
上記有機溶剤と混合して使用される浸透剤としては、炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種を含有することが好ましい。ここで、非湿潤剤性とは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有することを意味する。これらの浸透剤の中でも、一般式(II)で表される1,3−ジオール化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
Figure 0006292065

但し、一般式(II)式中、R’はメチル基又はエチル基であり、R’’は水素又はメチル基であり、R’’’はエチル基又はプロピル基である。
その他の非湿潤剤性ポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
浸透剤のインク全体に含有する範囲量は特に制限なく用いることが可能である。0.5〜5質量%の範囲が好ましく、1〜3質量%の範囲がより好ましい。含有量を0.5質量%以上とすることで、好適にインクの浸透性を向上させることができ、画像品質が向上する。5質量%以下であると、良好にインクに溶解し、分離することがなく、好適なインクの粘度が得られる。
−水分散性着色剤−
次に本発明に使用される水分散性着色剤について説明する。
前記に記載した少なくとも親水基を持つ水分散性着色剤は、顔料表面に少なくとも一つの親水性官能基が−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−CONM、−SONM、−NH−C−COOM、−NH−C−SOM、−NH−C−POHM、−NH−C−PO、−NH−C−CONM、−NH−CH−SONMの中より選ばれた少なくとも一つ含有し、且つ、カウンターイオンMが四級アンモニムイオンである水分散性着色剤、分散剤の不存在下でも水分散性を示す顔料である。一般的には、「自己分散性顔料」と称することが多い。
前記顔料としては、有機顔料、又は無機顔料を用いることができる。なお、本発明のインクには、色調調整の目的で同時に染料を含有しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが望ましい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
種々のカーボンブラック(Pigment Black 7)、たとえばチャンネルブラック、ファーネスブラック、ガスブラック、ランプブラックを含み、たとえば、Regal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Elftex(登録商標)、Monarch(登録商標)、Mogul(登録商標)およびVulcan (登録商標)の商標でCabot Corporationから入手し得るカーボンブラック(たとえば、Black Pearls(登録商標) 2000、Black Pearls (登録商標)1400、Black Pearls(登録商標) 1300、Black Pearls(登録商標) 1100、Black Pearls(登録商標) 1000、Black Pearls(登録商標) 900、Black Pearls(登録商標) 880、Black Pearls(登録商標) 800、Black Pearls(登録商標) 700、Black Pearls(登録商標) 570、Black Pearls(登録商標) L、Elftex(登録商標) 8、Monarch(登録商標) 1400、Monarch(登録商標) 1300、Monarch (登録商標)1100、Monarch(登録商標) 1000、Monarch(登録商標) 900、Monarch(登録商標) 880、Monarch(登録商標) 800、Monarch(登録商標) 700、Regal(登録商標) 660、Mogul(登録商標) L、Regal(登録商標) 330、Regal(登録商標) 400及びVulcan(登録商標) P)、SENSIJET BlackSDP100(SENSIENT)、SENSIJET BlackSDP1000(SENSIENT)、SENSIJET BlackSDP2000(SENSIENT)等のカーボンブラックが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、139、150、151、155、153、180、183、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
さらに、顔料は、イオン基及びイオン化可能な基を表面に導入するために、酸化剤を使用して酸化した顔料であってもよい。
例えば、表面処理した顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものが好適である。
前記アニオン性官能基としては、前記の−COOM、−SOM、−POHM、-PO、−CONM、−SONM、−NH−C−COOM、−NH−C−SOM、−NH−C−POHM、−NH−C−PO、−NH−C−CONM、−NH−CH−4SONMであり、カウンターイオンMは四級アンモニムイオンを表す。
上記四級アンモニウムイオンの具体例としては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン及びテトラヘキシルアンモニウムイオンが挙げられ、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン及びベンジルトリメチルアンモニウムイオンが好ましく、テトラブチルアンモニウムイオンが特に好ましい。
アニオン性官能基は、特許第4697757号公報、特表2003−513137号公報、WO97/48769号公報、特開平10−110129号公報、特開平11−246807号公報、特開平11−57458号公報、同11−189739号公報、特開平11−323232号公報、特開2000−265094号公報などに記載の方法に従って、顔料粒子表面に結合させることができる。
本発明では、前記官能基及び前記四級アンモニウムイオン等を備える水分散性着色剤を
使用したことで、水の含有率が高い状態のインク中においても、水分が蒸発した後の状態である、有機溶剤の含有率が高い状態のインク中においても、水分散性着色剤の分散を、安定した状態に保つことができる。
顔料の所望の性質に依存して、窒素吸着により測定すると、広範囲のBET表面積を有する。
顔料は、好ましくは約10m2/g〜約1500m2/g、もっと好ましくは約20m2/g〜約600m2/g、そして最も好ましくは約50m2/g〜約300m2/gの表面積を有する。
所望の表面積が所望の適用のために利用が容易ではない場合、顔料を比較的小さい粒径にするために、所望であれば顔料は一般的なサイズ減少または粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、又はジェットミル粉砕、又は超音波処理)をすれば良い。
前記水分散性着色剤の体積平均粒径(D50)は、インク中において10〜200nmが好ましい。
前記水分散性着色剤の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、インクの発色性及び画像濃度が低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあり、更に経済的にも好ましくない。
−水分散性樹脂−
本発明のインクは、水分散性樹脂を含有しても良い。例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などを用いることが可能である。水分散性樹脂を用いると、造膜性(画像形成性)、高撥水性、高耐水性、高耐候性に優れ、好適に高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録を行うことができ、好ましい。また、水分散性樹脂は、樹脂粒子として用いることが好ましい。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル-シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
この中でも、特にアクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。また、前記水分散性樹脂を2種類以上併用することは全く問題ない。
前記フッ素系樹脂としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましく、これらの中でも、フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子が特に好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば−CFCF−、−CFCF(CF)−、−CFCFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記表1に示すビニルエーテル単位を有する化合物などが挙げられる。
Figure 0006292065
前記フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、上記フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位が交互に共重合してなる交互共重合体が好ましい。
このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用されてもよく、また、コポリマーして使用して複合系樹脂として用いてもよく、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
前記水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水にて反応させ樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
前記水分散性樹脂粒子の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係している。組成が同一である場合、粒径が小さくなるほど粘度が高くなる。インクの粘度を適切にするために、水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上とすることが好ましい。
また、インクの吐出性を良好にするため、平均粒子径(D50)は200nm以下が好ましく、150nm以下が更に好ましい。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。また、ガラス転移温度が−40℃より高い水分散性樹脂を用いることで、印字物にタックが生じることなく好ましい。ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂を用いると更に好ましい。
前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける含有量は、固形分で、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましい。
−界面活性剤−
界面活性剤としては、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤と共に用いても、分散安定性を損なわない物を用いることが好ましい。表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が好適に用いられる。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール又はアセチレンアルコール系界面活性剤が特に好ましい。
これら界面活性剤は、1種を単独、又は2種以上を混合して用いることができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16であるものが好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16であるものがより好ましい。前記フッ素置換した炭素数が2未満であると、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
上記のノニオン系フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(2)及び一般式(3)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0006292065

上記一般式(2)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整
数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
Figure 0006292065
ただし、一般式(3)中、nは2〜6の整数であり、aは15〜50の整数であり、Y’は−C2b+1(bは11〜19の整数である)又は−CH2CH(OH)CH−CdF2d+1(dは2〜6の整数である)を表す。
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい例としては、表面張力を下げる能力が高く浸透性が高い等の理由により次のa)〜z)式の化合物が挙げられる。
Figure 0006292065
この中でも、有機溶剤と相溶性が良好な式a)〜c)、n)〜v)の化合物が特に好ましい。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Du Pont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
上記のシリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから容易に入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(15)式で表わされるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 0006292065

(但し、一般式(15)式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記アセチレングリコール又はアセチレンアルコール系界面活性剤としては、下記構造式(20)、一般式(16)又は一般式(17)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006292065
Figure 0006292065

(但し、一般式(16)式中、m又はnは整数を表わす。)
Figure 0006292065

(但し、一般式(17)式中、R及びRはアルキル基を表わす。)
上記アセチレングリコール又はアセチレンアルコール系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、ダイノール604、ダイノール607(エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社)、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール420、サーフィノール
440、サーフィノールSE(日信化学工業株式会社)、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4200、オルフィンEXP.4051F、オルフィンEXP.4123(日信化学工業株式会社)などが挙げられる。
上記のアニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
上記のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
これらの界面活性剤の前処理液中における含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。含有量が0.001質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が小さくなることがあり、5質量%より多いと添加量を増やしても効果に違いが見られないことがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、抑泡剤(消泡剤)、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
<抑泡剤>
本発明において、前記抑泡剤は、インクジェット用インクに微量添加することによって、その発泡を抑えるために用いられる場合がある。
本発明において前記抑泡剤としては、一般式(18)で表される化合物が用いられる。
Figure 0006292065


ただし、一般式(18)中、RおよびR2は、独立に炭素原子3〜6個を有するアルキル基であり、RおよびRは、独立に炭素原子1〜2個を有するアルキル基であり、nは1〜6の整数である。
前記一般式(18)で表されるジオールの好ましい例としては、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール、2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールが挙げられ、抑泡性効果とインクへの相溶性が高い理由により2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールが特に好ましい。
前記抑泡剤の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。前記抑泡剤の含有量を0.01質量%以上とすることで、泡を抑える効果が良好に獲られ、10質量%以下とすることで、粘度など、インク物性も良好となる。
前記pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
−インクジェット記録用インク製法−
本発明の画像形成方法に用いられるインクジェット記録用インクは、水分散性着色剤、有機溶剤、水分散性樹脂、界面活性剤、浸透剤及び水、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
−インクジェット記録用インク物性−
本発明のインクジェット記録用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクジェット用インクの25℃での粘度は5〜25mPa・sが好ましい。さらに好ましくは、25℃での粘度は6〜20mPa・sの範囲が良い。前記インク粘度が5mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を25mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクジェット記録用インクの静的表面張力としては、25℃で、30mN/m以下が好ましく、28mN/m以下がより好ましい。前記表面張力を30mN/m以下にすることで、浸透性を高めることでコックリング及びカールの低減に効果が高く、普通紙印字での浸透乾燥が良好となる。
前記のインクジェット記録用インクをインクカートリッジ等の容器中に収容して使用しても良い。
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
<記録用メディア>
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
<画像形成方法及び画像形成装置>
本発明実施形態の画像形成方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。本実施形態の画像形成装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。本実施形態の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
以下に、図1及び図2を参照してシリアル型画像形成装置の一例を説明する。
これらの図に示すシリアル型画像形成装置は、左右の側板201A,201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231,232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a,234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a,235b(区別しないときは「ヘッドタンク235」という)を搭載している。
このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。
この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。
この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。
この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。
また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272となっている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成した本例の画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。
このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置において、本発明に係る液体吐出装置を備えることによって、長期に渡って安定した液滴吐出を行うことができ、高画質画像を形成することができる。
次に、図3を参照してライン型画像形成装置の一例を説明する。
この図に示す画像形成装置は、フルライン型ヘッドを備えたライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402及び用紙を搬送する搬送機構403等を有し、装置本体401の一方側に多数枚の用紙405を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙405を取り込み、副走査搬送機構403によって用紙405を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の他方側に装着された排紙トレイ406に用紙405を排紙する。
画像形成部402は、記録液となる液体を収容した液体タンクを一体にし、用紙の幅方向(搬送方向と直交する方向)の長さ相当分のノズル列を有する液体吐出ヘッドで構成したライン型ヘッド410y,410m,410c,410kを備えたものである。
これらのライン型ヘッド410y,410m,410c,410kは図示しないヘッドホルダに取り付けられている。
ライン型ヘッド410y,410m,410c,410kは、用紙搬送方向上流側からそれぞれ例えば、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの順に各色の液滴を吐出する。

なお、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で配置した1つのヘッドを用いることもできるし、ヘッドと液体カートリッジを別体としたものを用いることもできる。
給紙トレイ404の用紙405は、給紙コロ421によって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、用紙供給ローラ422によって搬送機構403に送り込まれる。
この搬送機構403は、駆動ローラ423と従動ローラ424との間に掛け渡した搬送ベルト425と、この搬送ベルト425を帯電させるための帯電ローラ426と、搬送ベルト425を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)427と、搬送ベルト425に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなる記録液拭き取り部材(ここでは、クリーニングローラ)428と、用紙405を除電するための導電ゴムを主体とした除電ローラ429と、用紙405を搬送ベルト425側へ押える用紙押さえローラ430とを備えている。
また、搬送機構403の下流側には画像が記録された用紙405を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ431を備えている。
このように構成したライン型画像形成装置においても、搬送ベルト425を帯電させて用紙405を送り込むことによって、静電力で用紙405が搬送ベルト425に吸着されて、搬送ベルト425の周回移動によって搬送され、画像形成部402によって画像が形成されて、排紙トレイ406に排紙される。
このようなライン型画像形成装置において、本発明に係る液体吐出装置を備えることによって、長期に渡って安定した液滴吐出を行うことができるので、高画質画像を形成することができる。
−インク飛翔工程(画像形成工程の一例)−
本発明の画像形成方法におけるインク飛翔工程は、上記のインクジェット記録用インクに、刺激(エネルギー)を印加し、上記記録用メディア上に、インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。このインク飛翔工程において印刷用紙にインクジェット記録用インクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の印刷用紙において、画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
このインク飛翔工程において、インク飛翔手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はなく、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。
本発明の画像形成方法においては、必要に応じてこのインクジェット記録用インクを飛翔させた記録用メディアを、必要に応じて加熱乾燥工程を設けることができる。この場合、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、ロールヒーター、ドラムヒーターや温風により印刷用紙を乾燥することができる。また、画像形成表面を平滑化及び画像定着する方法として、加熱手段により100℃〜150℃に加熱し、熱定着させる定着工程を設けても良い。この定着工程を設けることにより、画像記録物の光沢性及び定着性が向上する。ここで熱定着手段としては、加熱された鏡面を持つローラやドラムヒーター等が好適に用いられ、画像形成表面にロールヒーター、ドラムヒーターの鏡面部(平滑部)を接触させることができる。加熱温度については、画像品質、安全性及び経済性を考えると100〜150℃に加熱された定着ローラが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
《実施例1〜14,比較例1〜10》
<インクジェット記録用インクの調整>
(調製例1)
−表面改質ブラック顔料分散体Iの調製−
Cabot Corporation製Black Pearls(登録商標)1000(BET表面積343m/gおよびDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)100gとスルファニル酸_100ミリモルおよびイオン交換水1Lを室温環境下Silversonミキサー(6000rpm)で混合した。得られるスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸100ミリモルを添加する。30分後に、少量のイオン交換水に溶解された亜硝酸ナトリウム(100ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加する。さらに、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させた。カーボンブラックにスルファニル酸を付加した改質顔料が生成できる。次いで、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのスルファニル酸基またはスルファニル酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。表面処理レベルは0.75mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定された体積平均粒径(D50)は120nmであった。
(調製例2)
−表面改質ブラック顔料分散体IIの調製−
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、Cabot Corporation製Black Pearls(登録商標)880(BET表面積220m/gおよびDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)500gにイオン交換水1Lおよび4-アミノ安息香酸_1モルを添加する。次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合した。これに20%亜硝酸ナトリウム水性溶液[4−アミノ安息香酸に基づき1モル当量]を15分間掛けて添加した。60℃に加温しながら、三時間混合撹拌した。上記反応物をイオン交換水750mLで希釈しながら取り出す。次いで、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのアミノ安息香酸基またはアミノ安息香酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体得られた改質顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。表面処理レベルは0.5mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定された体積平均粒径(D50)は104nmであった。
(調製例3)
−表面改質ブラック顔料分散体IIIの調製−
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、Cabot Corporation製Black Pearls(登録商標)880(BET表面積220m/gおよびDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)500gにイオン交換水1Lおよび4-アミノ安息香酸175ミリモルを添加する。次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合した。これに20%亜硝酸ナトリウム水性溶液[4−アミノ安息香酸に基づき175ミリモル当量]を15分間掛けて添加した。60℃に加温しながら、三時間混合撹拌した。上記反応物をイオン交換水750mLで希釈しながら取り出す。次いで、10%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのアミノ安息香酸基またはアミノ安息香酸テトラエチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体得られた改質顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。表面処理レベルは0.35mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定された体積平均粒径(D50)は114nmであった。
(調製例4)
−表面改質ブラック顔料分散体IVの調製−
自己分散型カーボンブラックAqua-Black162(東海カーボン社製、顔料固形分19.2%)顔料分散体1kgを0.1NHCl水溶液で酸析する。次いで、40%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのカルボン酸基またはカルボン酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体得られた改質顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ100nmであった。
(調製例5)
−表面改質ブラック顔料分散体Vの調製−
SENSIENT製SENSIJET Black SDP2000(SENSIENT社製、顔料固形分14.5%)顔料分散体1kgを0.1NHCl水溶液で酸析する。次いで、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのカルボン酸基、スルフォン酸基またはカルボン酸テトラブチルアンモニウム塩、スルフォン酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体得られた改質顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ120nmであった。
(調製例6)
−表面改質マゼンタ顔料分散体Iの調製−
SENSIENT製SMART Magenta 3122BA(Pigment Red 122表面処理分散体、顔料固形分14.5%)顔料分散体1kgを0.1N HCl水溶液で酸析する。次いで、10%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのアミノ安息香酸基またはアミノ安息香酸テトラエチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体得られた改質顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ104nmであった。
(調製例7)
−表面改質シアン顔料分散体Iの調製−
SENSIENT製SMART Cyan 3154BA(Pigment Blue 15:4表面処理分散体、顔料固形分14.5%)顔料分散体1kgを0.1N HCl水溶液で酸析する。次いで、40%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのアミノ安息香酸基またはアミノ安息香酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体得られた改質顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ116nmであった。
(調製例8)
−表面改質イエロー顔料分散体Iの調製−
SENSIENT製SMART Yellow 3074BA(Pigment Yellow 74表面処理分散体、顔料固形分14.5%)顔料分散体1kgを0.1NHCl水溶液で酸析する。次いで、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分後に改質顔料分散体は得られる。少なくとも1つのアミノ安息香酸基またはアミノ安息香酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体得られた改質顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、さらに超音波分散を行って顔料固形分を20%に濃縮した改質顔料分散体が得た。体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ145nmであった。
(調製例9)
<カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタク」リレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
−カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料固形分15質量%、固形分濃度20質量%のカーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液が得られた。
カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ104nmであった。
[実施例1]
−インクジェット記録用インクの作製−
まず、下記表3に示すように、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合した。また、混合液によっては水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、水分散性着色剤(顔料分散体)、消泡剤、及びpH調整剤を添加し、1時間攪拌した。このインクジェット記録用インクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、実施例1のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例2]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例2のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例2のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例3]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例3のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例3のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例4]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例4のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例4のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例5]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例5のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例5のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例6]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例6のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例6のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例7]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例7のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例7のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例8]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例8のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例8のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例9]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例9のインク処方を用いた他は、実施例1
と同様に処理し、実施例9のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例10]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例10のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例10のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例11]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例11のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例11のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例12]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例12のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例12のインクジェット記録用インクを作製した。
[実施例13]
実施例1のインク処方に代えて、表3の実施例13のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、実施例13のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例1]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例1のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例1のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例2]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例2のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例2のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例3]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例3のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例3のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例4]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例4のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例4のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例5]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例5のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例5のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例6]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例6のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例6のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例7]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例7のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例7のインクジェット記録用インクを作製した。
[比較例8]
実施例1のインク処方に代えて、表3の比較例8のインク処方を用いた他は、実施例1と同様に処理し、比較例8のインクジェット記録用インクを作製した。
Figure 0006292065
Figure 0006292065
Figure 0006292065
表3−1〜表3−3中の略号などは下記の意味を表す。
*SENSIJET SMART Magenta 3122BA :SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*SENSIJET SMART Cyan 3154BA :SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*SENSIJET SMART Yellow 3074BA :SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*SENSIJET Black SDP2000 :SENSIENT社製(表面処理顔料分散体)
*アクリル-シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6
312、固形分39.9質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
*フッ素樹脂エマルジョンA:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4300、固形分50質量%、平均粒子径150nm、MFT=30℃
*KF−643:ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業社製、有効成分100質量%)
*ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、成分40質量%)
*サーフィノール104E:アセチレングリコール系化合物(日信化学工業社製、有効成分50質量%、エチレングリコール含有)
*ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル (日本触媒株式会社製、成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜13、比較例1〜8の各インクジェット記録用インクのインク物性を測定した。結果を表4に示す。
<インク粘度測定>
インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
<インクpH測定>
インクのpHは、pHメータ計(HM-30R型、TOA-DKK株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
<インク動的表面張力測定>
本発明インクの動的表面張力は、最大泡圧法による表面寿命1500ms時の動的表面張力をSITA_DynoTester(SITA社製)を使用して、25℃で測定した。
<水分蒸発粘度測定>
実施例及び比較例のインクを、33mm口径のガラス製シャーレに、小数点4桁まで測定可能な精密上皿電子天秤で2.5g秤量採取した。次いで、温度23±0.5℃、湿度15±5%のESPEC製恒温恒湿器(ModelPL−3KP)に常圧にて保管し、30分間毎に個々のサンプルを取り出して質量とインク残さ粘度を測定し、これを5時間まで測定を行う。次に、水分蒸発率と水分蒸発時のインク残さ粘度をグラフ化し、水分蒸発率30%の粘度を読み取る。(水分蒸発率30%時の粘度 :100mPa・s以上は、吐出信頼性不良)
上記インク残さは、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
Figure 0006292065

*インク中の蒸発減少分は水のみ減少したと仮定する。
Figure 0006292065
−インク飛翔工程(画像形成工程)−
23±0.5℃、50±5%RHに調整された環境条件下、インクジェット記録装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディア(リコー社製MyPaper)に同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェット記録装置の印字モードを
「普通紙_はやい」に設定し、画像を形成した。
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜13及び比較例1〜8を評価した。結果を表5に示す。
<画像濃度>
Microsoft Word2000にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite939にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:Black:1.25以上、Yellow:0.8以上、Magenta:1.00以上、Cyan:1.05以上
○:Black:1.20以上1.25未満、Yellow:0.75以上0.8未満、Magenta:0.95以上1.00未満、Cyan:1.0以上1.05未満
△:Black:1.15以上1.20未満、Yellow:0.70以上0.75未満
、Magenta:0.90以上0.95未満、Cyan:0.95以上1.00未満
×:Black:1.15未満、Yellow:0.70未満、Magenta:0.9
5未満、Cyan0.95未満
<カール量の評価>
下記図3に示した試作ラインヘッド印字装置を用い、下記印字条件によりベタ印字を行い、印字直後(印字装置より排出後10秒以内)のバックカール(平らな机に印字面を下側に置いた時のカール)と平らな机に印字面を下側にして1日間放置した後のカール高さを評価した。
(1)評価プリンタ:試作ラインヘッド印字装置(図3参照)
(2)評価メディア:MyPaper(PPC用紙)株式会社リコー製
(3)印字条件:記録密度⇒300×600dpi、印字面積⇒526.3cm/A4、インク吐出付着量⇒5.6g/m2
(4)評価環境:23±0.5℃、50±5%RH
(5)カール測定:印字直後(印字装置より排出後10秒以内)と一日放置した後のカール高さを平らな机にカール面を上側して静かに置き、A4サイズ記録メディアの4隅の高さをJIS_1級スケールで測定し、4点測定値を平均化した。また、カールが大き過ぎて筒状になった場合は、直径を測定した。
〔評価基準〕
下記4段階とした。
◎:10mm未満
○:10mm以上40mm未満
△:40mm以上
×:筒状
<吐出安定性>
Microsoft Word2000にて作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを連続200枚、MyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れから評価した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正な
し」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
○:吐出乱れなし
△:若干吐出乱れあり
×:吐出乱れあり、もしくは吐出しない部分あり
<インク保存安定性>
前記粘度計を用い、保存前の粘度と、密封した容器中で70℃、7日間保存後に測定した粘度から保存安定度を次式に従って求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
インク保存安定性(%)=〔(保存後の粘度)/(保存前の粘度)〕×100
〔評価基準〕
○:100±10%以内。
△:100±10超〜20%未満。
×:100±20%以上。
<維持装置インク固着性>
温度28±0.5℃、湿度15±5%に調整された環境下、インクジェットプリンタ(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ後、ヘッドクリーニング操作を1時間毎に連続10回実施し、この操作を10時間合計ヘッドクリーニング100回実施したのち、12時間放置後維持装置のワイパー部及びワイパークリーナー部のインク固着性を目視で判定した。
○:固着なし
△:わずかにインク固着あり
×:インク固着あり
Figure 0006292065
(図1、図2について)
201A、201B 左右の側板
202 給紙トレイ
203 排紙トレイ
210 インクカートリッジ
231,232 ガイドロッド
233 キャリッジ
234a,234b 記録ヘッド
235a,235b ヘッドタンク
236 供給チューブ
241 用紙積載部(圧板)
242 用紙
243 半月コロ(給紙コロ)
244 分離パッド
245 ガイド部材
246 カウンタローラ
247 搬送ガイド部材
248 押さえ部材
249 先端加圧コロ
251 搬送ベルト
252 搬送ローラ
253 テンションローラ
256 帯電ローラ
261 分離爪
262 排紙ローラ
263 排紙コロ
271 両面ユニット
288 インク回収ユニット(空吐出受け)
289 開口部

(図3について)
401 装置本体
402 画像形成部
403 搬送機構
404 給紙トレイ
405 用紙
406 排紙トレイ
410y,410m,410c,410k ライン型ヘッド
421 給紙コロ
422 用紙供給ローラ
423 駆動ローラ
424 従動ローラ
425 搬送ベルト
426 帯電ローラ
427 ガイド部材(プラテンプレート)
428 記録液拭き取り部材(ここでは、クリーニングローラ)
429 除電ローラ
430 用紙押さえ
431 排紙ローラ
特開2011−236423号公報 特開2012−036389号公報 特開2012−107210号公報 特開2012−179761号公報 特開2009−019198号公報 特開2010−084116号公報

Claims (6)

  1. 着色剤、有機溶剤、界面活性剤及び水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、前記有機溶剤が、溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコール又は下記一般式(I)で示されるオキセタン化合物をインク全体の30〜70質量%を単独で含有するものであり、前記着色剤が官能基を持つ水分散性顔料であり、該官能基が-COOM、-SOM、-POHM、-POM、-CONM、-SONM、-NH-CH-COOM、−NH-CH-SOM、−NH-CH-POHM、−NH-CH-POM、−NH-CH-CONM、−NH-CH-SONM(但し、Mはカウンターイオンを表す)の中より選ばれた少なくとも一つを含有し、且つ、該カウンターイオンMが四級アンモニムイオンであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 0006292065
    前記一般式(I)中、R’は炭素数1〜2のアルキル基を表す。
  2. 前記有機溶剤の溶解性パラメーター(SP値)11.8〜14.0の範囲である多価アルコールが、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオールより選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記水分散性顔料が、ブラック顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種の刺激で印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種の刺激で印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 記録用メディア上に、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする画像形成物。
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