JP2005232323A - 黒色化合物及びそれを含有するインク - Google Patents
黒色化合物及びそれを含有するインク Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005232323A JP2005232323A JP2004043534A JP2004043534A JP2005232323A JP 2005232323 A JP2005232323 A JP 2005232323A JP 2004043534 A JP2004043534 A JP 2004043534A JP 2004043534 A JP2004043534 A JP 2004043534A JP 2005232323 A JP2005232323 A JP 2005232323A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- black
- black compound
- integer
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
Description
(1)インクの粘度、表面張力、比電導度、密度、pH等の物性値が適当であること。
(2)インクの長期保存安定性が良好であること。
(3)溶解成分の溶解安定性が高く、ノズルを目詰まりさせないこと。
(4)被記録材での速乾性が良好であること。
(5)記録画像が鮮明性であり、滲みがなく、耐光性、耐ガス性、耐水性、耐湿性が良好であること。
第四級アンモニウムとしては、特に制限されるわけではないが、総炭素数が4つ以上のものが好ましく、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、テトラ−n−オクチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ビニルトリメチルアンモニウム、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、3−トリクロロメチルフェニルトリメチルアンモニウム、カルボキシメチルトリメチルアンモニウムなどがあげられる。
本発明の一般式(1)で表される黒色化合物において、mは0〜6の整数を表す。
Rは各々独立に、水素原子、置換或いは未置換のアルキル基、置換或いは未置換のアリール基を表す。置換或いは未置換のアルキル基としては、特に制限されるわけではないが、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ベンジル基等があげられる。置換或いは未置換のアリール基としては、特に制限されるわけではないが、具体的には例えば、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボン酸の置換したフェニル基、スルホン酸の置換したフェニル基、ナフチル基等があげられる。
本発明の黒色化合物の製造においては、特に限定されるものではないが、例えば、下記反応式(2)(式中、yは1〜6の整数を表す)で示すように、ビオラントロンを臭素化後、1−アミノアントラキノンと縮合させた後、スルホン化或いはスルホンアミド化することで得られる。
スルホン化の方法としては特に限定されるわけではないが、一般的には、発煙硫酸中で加熱する方法や、三酸化イオウを用いる方法、クロロ硫酸による方法などが用いられる。また必要であれば、硫酸アンモニウム、硫酸バナジル、ホウ酸などの触媒を添加することもできる。
スルホンアミド化する場合は、スルホン化後、塩化チオニル等でスルホニルクロリドとし、対応するアミンと反応させることで得られる。或いは、クロロ硫酸と反応させた後、対応するアミンと反応させることもできる。
また、インクの色調を調製するため、またその他の特性を改良するために、その他の染料や、インク特性を損なわない程度に、公知の染料や顔料をエマルジョンあるいは微分散状態に処理したものを添加しても差し支えない。
インクの保存安定性、インクの粘度変化で耐水性を向上させるため、インクのpHは7以上が好ましい。また、耐水性を更に向上させるために、アンモニア等のアミン類とトリエタノールアミン等のヒドロキシアミン類を併用することが好ましい。含有量は、インクに対して0.001〜10%程度が好ましい。
ビオラントロンを臭素化後、1−アミノアントラキノンと縮合させることで下記(3)で表される構造式を主成分とする黒色化合物を得た。30%発煙硫酸(200g)中に、得られた黒色化合物(30g)を添加し、120℃で10時間反応させた。反応混合物は氷水(750g)中に排出した。混合溶液中に塩化ナトリウム(200g)を加え、黒色結晶を塩析させ、減圧濾過にて濾別した。得られた黒色結晶は、20%塩化ナトリウム水溶液、及び少量の蒸留水で洗浄し、乾燥させることでスルホン酸体(4)を含む化合物(35g)を得た。
合成例1で得られたスルホン酸体(4)(5g)を蒸留水(45g)に排出した。溶液を撹拌しながら、溶液のpHが10になるまで10%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを加えた。溶液中にアセトン(300g)を加えて析出した結晶を濾別し、更に90%アセトンで洗浄した。得られた結晶を乾燥し、第四級アンモニウム塩(5)(X=[-SO3 -N+Me4]2)を含む黒色化合物(4g)を得た。
合成例2において加えた塩基を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに変えて、下記表−1に示す塩基を用いて合成例2と同様の操作を行い対応する塩を得た。
クロロ硫酸(200g)中に、合成例1で用いた黒色化合物(3)(30g)を添加し、120℃で10時間反応させた。反応混合物は氷水(750g)中に排出した。析出した黒色結晶は濾別した。得られた黒色結晶は少量のアンモニアを含む水溶液に排出し、室温で2時間撹拌した後、pH10になるまで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。pH混合溶液中に塩化ナトリウム(200g)を加え、黒色結晶を塩析させ、減圧濾過にて濾別した。得られた黒色結晶は、20%塩化ナトリウム水溶液、及び少量の蒸留水で洗浄し、乾燥させることでスルホン酸ナトリウム体(7)を含む化合物(32g)を得た。
<インクの調製>
下記に示す組成にて、黒色化合物を混合溶解させた後、孔径0.8ミクロンのテフロン(登録商標)フィルターで濾過してインクを調製した。
<インクの組成>
合成例2の黒色化合物(5) 5部
グリセリン 5部
ジエチレングリコール 5部
N−メチル−2−ピロリドン 5部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10部
イオン交換水 70部
<特性の評価>
上記で調製したインクを用い、ピエゾ方式インクジェットプリンター用インクカートリッジに充填し、インクジェット専用紙(セイコーエプソン(株)製PM写真用紙)に、同方式プリンターにより印字及び画像記録を行い、下記の項目について試験を行った。その結果、
(A)耐湿性評価;◎、(B)耐光性評価;◎、(C)耐酸化ガス性評価;◎、(D)インクの保存安定性評価;○と良好であった。
画像の形成: ピエゾ方式インクジェットプリンターにより専用紙に印字及び画像記録を行った。
(A)耐湿性評価:試験の画像記録された普通紙を、50℃、湿度85%の条件下、1週間放置したのちの記録画像の状態を目視により耐湿性評価を行った。
評価基準:画像の変化なし; ◎
画像のエッジ部にわずかに滲みが見られるが問題ないレベル; ○
画像のエッジ部に滲みが見られる; △
画像のエッジ部から滲みが広っている; ×
(B)耐光性評価:キセノンフェードメーター(スガ試験機社製)を用い、100時間照
射した後、照射前と照射後の印字濃度(OD値)を反射濃度計(マクベス社製)を用いて測定し、下記式にてOD1値を算出し耐光性評価を行った。
OD1値(%)=(照射後のOD値)/(照射前のOD値)×100
評価基準:OD1値が100〜80%以上;◎
OD1値が80%未満〜70%; ○
OD1値が70%未満〜50%; △
OD1値が50%未満; ×
(C)耐酸化ガス性評価:オゾン濃度を100ppmに調整した窒素気流下、4時間放置し、試験前後の印字濃度(OD値)を反射濃度計(マクベス社製)を用いて測定し、下記式にてOD2値を算出し耐酸化ガス性評価を行った。
OD2値(%)=(試験後のOD値)/(試験前のOD値)×100
評価基準:OD2値が100〜80%以上; ◎
OD2値が80%未満〜70%; ○
OD2値が70%未満〜50%; △
OD2値が50%未満; ×
(D)インクの保存安定性評価(析出物):インクを40℃で1ヶ月間保存後、不溶物の有無を目視にて観察した。
評価基準:不溶物なし; ○
わずかに浮遊物が見られる:△
不溶物あり; ×
黒色化合物(5)に変えて、合成例3〜6の化合物を用いた以外は実施例1と同様な方法で調整した黒色インクの評価を表−2に示す。
[黒色インクの調整及び評価]
<インクの調製>
下記に示す組成にて、黒色化合物を混合溶解させた後、孔径0.8ミクロンのテフロン(登録商標)フィルターで濾過してインクを調製した。
<インクの組成>
黒色化合物 5部
トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 10部
ジエチレングリコール 4部
グリセリン 10部
トリエタノールアミン 1部
尿素 6部
アセチレノールE−H 1部
イオン交換水 63部
<特性の評価>
上記で調製したインクを用い、サーマル方式インクジェットプリンター用インクカートリッジに充填し、インクジェット専用紙(キャノン(株)製プロフェッショナルフォトペーパーPR−101)に、同方式プリンターにより印字及び画像記録を行い、同様に評価した結果を表−3に示す。
合成例2の黒色化合物の変わりに、ジスアゾ黒色染料、C.I. Acid Black 1を使った以外は、実施例1と同様にインクを調整し、評価したところ、(A)耐湿性評価;△、(B)耐光性評価;×、(C)耐ガス性評価;×、(D)保存安定性評価;○であった。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004043534A JP2005232323A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 黒色化合物及びそれを含有するインク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004043534A JP2005232323A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 黒色化合物及びそれを含有するインク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005232323A true JP2005232323A (ja) | 2005-09-02 |
Family
ID=35015604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004043534A Pending JP2005232323A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 黒色化合物及びそれを含有するインク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005232323A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015078343A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-04-23 | 株式会社リコー | インクジェット記録用インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58171447A (ja) * | 1982-02-24 | 1983-10-08 | チバ−ガイギ・アクチエンゲゼルシヤフト | ジベンゾアントロンの臭素化及び1−アミノアントラキノンとの反応によつて得られる建染め染料 |
JPS59159854A (ja) * | 1983-02-22 | 1984-09-10 | チバ−ガイギ・アクチエンゲゼルシヤフト | 建染染料の製造方法 |
JPS62158759A (ja) * | 1985-12-23 | 1987-07-14 | チバ−ガイギ アクチエンゲゼルシヤフト | 臭素化ジベンズアントロンと1−アミノアントラキノンからバツト染料を製造する方法 |
DE4241868A1 (de) * | 1992-12-11 | 1994-06-16 | Basf Ag | Farbstoffmischungen für Grau- und Schwarztöne, enthaltend Küpenfarbstoffe |
JPH06240160A (ja) * | 1992-12-25 | 1994-08-30 | Sumitomo Chem Co Ltd | 顔料誘導体ならびにその応用 |
JPH06240158A (ja) * | 1992-12-25 | 1994-08-30 | Sumitomo Chem Co Ltd | 顔料誘導体およびその応用 |
JPH07157673A (ja) * | 1993-10-21 | 1995-06-20 | Basf Ag | アントラキノンイミド化合物の製法 |
JP2003238871A (ja) * | 2002-02-19 | 2003-08-27 | Yasusaburo Sakai | インクジエツト印刷用水性インク |
JP2004533504A (ja) * | 2001-04-19 | 2004-11-04 | チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド | 多孔質材料の着色及びインクジェットプリントにおいて、着色剤として使用されるスルホンアミドの水溶性塩 |
-
2004
- 2004-02-19 JP JP2004043534A patent/JP2005232323A/ja active Pending
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58171447A (ja) * | 1982-02-24 | 1983-10-08 | チバ−ガイギ・アクチエンゲゼルシヤフト | ジベンゾアントロンの臭素化及び1−アミノアントラキノンとの反応によつて得られる建染め染料 |
JPS59159854A (ja) * | 1983-02-22 | 1984-09-10 | チバ−ガイギ・アクチエンゲゼルシヤフト | 建染染料の製造方法 |
JPS62158759A (ja) * | 1985-12-23 | 1987-07-14 | チバ−ガイギ アクチエンゲゼルシヤフト | 臭素化ジベンズアントロンと1−アミノアントラキノンからバツト染料を製造する方法 |
DE4241868A1 (de) * | 1992-12-11 | 1994-06-16 | Basf Ag | Farbstoffmischungen für Grau- und Schwarztöne, enthaltend Küpenfarbstoffe |
JPH06240160A (ja) * | 1992-12-25 | 1994-08-30 | Sumitomo Chem Co Ltd | 顔料誘導体ならびにその応用 |
JPH06240158A (ja) * | 1992-12-25 | 1994-08-30 | Sumitomo Chem Co Ltd | 顔料誘導体およびその応用 |
JPH07157673A (ja) * | 1993-10-21 | 1995-06-20 | Basf Ag | アントラキノンイミド化合物の製法 |
JP2004533504A (ja) * | 2001-04-19 | 2004-11-04 | チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド | 多孔質材料の着色及びインクジェットプリントにおいて、着色剤として使用されるスルホンアミドの水溶性塩 |
JP2003238871A (ja) * | 2002-02-19 | 2003-08-27 | Yasusaburo Sakai | インクジエツト印刷用水性インク |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015078343A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-04-23 | 株式会社リコー | インクジェット記録用インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4794241B2 (ja) | 水溶性アゾ化合物、インク組成物及び着色体 | |
EP1767585B1 (en) | Azo compound, ink composition, and colored object | |
JP5691842B2 (ja) | インク組成物、記録方法および記録物 | |
WO2007020719A1 (ja) | 水溶性アゾ化合物、インク組成物及び着色体 | |
WO2007049366A1 (ja) | 水溶性アゾ化合物、インク組成物および着色体 | |
JP3799247B2 (ja) | シアン色素混合物、水性シアンインク組成物及びインクジェット記録方法 | |
JP4794270B2 (ja) | 水溶性アゾ化合物、インク組成物および着色体 | |
JP3889995B2 (ja) | フタロシアニンシアン染料 | |
JP2006503149A5 (ja) | ||
WO2006064784A1 (ja) | 新規アゾ化合物または塩、そのアゾ化合物を含有するインク組成物及び着色体 | |
JP2005220268A (ja) | 黒色化合物及びそれを含有するインク | |
JP2005232323A (ja) | 黒色化合物及びそれを含有するインク | |
JP2005200553A (ja) | 水溶性染料及び水性インク | |
US20030079648A1 (en) | Water-based ink and process for production of dyes | |
JPH05222328A (ja) | 水性インク組成物及びそれを用いた記録方法 | |
JPH01190770A (ja) | 水性インク組成物 | |
JP3398367B2 (ja) | 水系インク及び染料の製造方法 | |
JPH01198671A (ja) | 水性インク組成物 | |
JP2005008746A (ja) | 水溶性染料及び水系インク | |
JP2018076488A (ja) | アゾ化合物又はその塩、及びインク | |
JP2006232924A (ja) | 記録液及びその利用 | |
JP4127569B2 (ja) | アゾ化合物、水性インク組成物、着色体及びその着色方法 | |
WO2004035691A1 (ja) | インクジェット記録用フタロシアニン化合物、これを含有する水性グリーンインク組成物及びそれを用いて得られる着色体 | |
JP2003055589A (ja) | 水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法 | |
JP3541018B2 (ja) | インクジェット用記録インク |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060612 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20071025 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091125 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20091130 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100323 |