JP2004533504A - 多孔質材料の着色及びインクジェットプリントにおいて、着色剤として使用されるスルホンアミドの水溶性塩 - Google Patents
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Abstract
本発明は、A、B及びB′、m及びm′並びにn及びn′が明細書で定義されている一般式の着色剤に関する。着色剤は、多孔質材料の着色及びインクジェットプリントに使用することができ、着色の場合、不溶性の顔料形態に変換される。多孔質材料の着色、例えば、多孔の木材又は陽極酸化アルミニウムの着色において、着色剤は、極めて良好な浸透及び耐光堅ロウ度をもたらし、インクジェットプリントにおいては、極めて良好な耐水性をもたらす。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質材料の着色及びインクジェットプリントにおいて、着色剤として使用することができ、着色する場合、不溶性顔料の形態に変換される、スルホンアミドの水溶性塩に関する。スルホンアミドの水溶性塩は、多孔質材料の着色、例えば、多孔の木材又は陽極酸化アルミニウムの着色においては、極めて良好な浸透及び耐光堅ロウ度をもたらし、インクジェットプリントにおいては、極めて良好な耐水性をもたらす。
【0002】
DE−A−2757226は、スルホンアミド基を有するモノ−又はジスアゾ染料をアルカリ性水溶液中で繊維材料に塗布し、続いて酸pHの範囲で酸処理することにより繊維材料に固着させる、完全に又は部分的にセルロースよりなる繊維材料の染色方法を記載している。染め物は、使用における良好な堅ロウ性、特に洗濯堅ロウ性を示す。
【0003】
水溶性フタロシアニン染料がEP−A−0024677に記載されている。これらは少なくとも1個の−SO2−NH−CN基で置換され、1個の−SO2−NY1Y2基(ここで、Y1及びY2は、水素原子又は非置換若しくは置換アルキル基を示す)を含むことができる。フタロシアニン染料は、繊維材料の浸染及び捺染用の水溶性染料として適しており、そのアンモニウム塩の形態で使用することが好ましい。これらは一般的に中性又は酸性の水性媒体中に加えられ、中温又は高温で材料に固着される。
【0004】
US−A−3972904は、下記式:
F−A−C(O)−N(Me)SO3Me
(式中、Fは、水不溶性染料の基であり、Aは、−O−、−S−、−NY3−(ここで、Y3=H、アルキル等)であり、そしてMeは、アルキル金属原子又はアンモニウムイオンである)で示される水溶性ナトリウム又はアンモニウム塩に関する。水不溶性染料は、OH−、SH−又はNHY3基を含有しなければならない。塩はポリエステルの染色に使用される。水溶性染料の再生は、加熱により達成される。
【0005】
DE−A−19711445は、下記式:
【0006】
【化41】
【0007】
(式中、Chrは、金属を含まないか、金属を含むフタロシアニン、キナクリドン、モノ−、ジス−若しくはポリアゾ染料、アントラキノン又は銅ホルマザンシリーズからの発色団の(m+n)価基であり、Arは、非置換若しくは置換フェニル、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、Y1 +は、金属カチオン又はアンモニウムイオンであり、Y2 +は、プロトン、金属カチオン又はアンモニウムイオンであり、aは、1〜6であり、bは、1〜6であり、aとbの合計は、最大6である)で示される染料塩、及び高分子材料の染色における染料塩の使用に関する。
【0008】
DE−A−19958181は、スルホン酸基に加えて、スルホンアミド基を含有する、ジケトピロロピロールベースの顔料分散体を開示している。
【0009】
GB−1198501は、式:フタロシアニン−(Y−Y4)n
(式中、Yは、−SO2NH−、CH2SO2−NH−フェニレン−O−又はCH2SO2NH−フェニレン−C(O)O−基であることができ、そしてY4は、低級アルキル又はアシルオキシ低級アルキル基を示す)で示される染料を使用するポリエステルの染色方法に関する(実施例10、11及び12を参照)。
【0010】
US−A−4000965は、モノアゾ、ジスアゾ若しくはポリアゾ染料又はアゾメチン染料の1:2クロム又は1:2コバルト錯体の安定した溶液を、ヒドロキシ基を含有する有機溶媒中、又はアルカリリチウム塩の存在下、水を有するその混合物中で得ることができることを開示している。−SO2NY5Na基(ここで、Y5は、水素原子又はアルキル、アリール若しくはアシル基であることができる)を有し、下記式:
8{H2F1−SO2NY5}-Na++O2+4LiOH+4CoCl2→
{4F1−NH−SO2−Y5=Co=F1−SO2NHY5}-Li++8NaCl+6 H2O
(式中、Y5は、上記と同義であり、そしてF1は、上記染料のうちの1つの基である)に従って金属錯体染料に変換される、金属錯体染料の金属を含有しない中間体のナトリウム塩を記載している(US−A−3617176も参照)。
【0011】
DE−A−2545393は、SO3Met基又はSO2−NMet−SO2基(ここで、Metは、アルカリ金属である)及び少なくとも更に1個の酸性基を有し、ここで、少なくとも酸性基の20%がアルカリ塩(ここで、酸性基は、pHが8を超えるときにのみアルカリ塩を形成する)に変換されている、錯体結合金属を含まない、染料塩を記載している。
【0012】
pH>8でのみアルカリ塩を形成する適切な酸性基は、フェノール性及びエノール性OH基であり、式:−SO2NH−Y6(式中、Y6は、水素、非置換若しくは置換C1 〜 4アルキル、アリール又はアラルキルである)のスルホン酸アミド基が好都合である。染料塩は、温水及び冷水の両方で極めて容易に溶解する。
【0013】
スルホンアミド基で変性されている多数の顔料が記載されている。しかし、スルホンアミド基のその塩形態への変換、並びに多孔質材料の着色用及びインクジェットプリント用のそのように変性された顔料の使用は、記載されていない。
【0014】
WO−98/58027(一般的な多孔質材料)、WO00/36210(木材)、EP00/09376(木材)、EP−A−1044945(鉛筆の芯)、WO00/17275(カラーフィルタ)及びWO00/27930(金属酸化物)は、可溶性の顔料前駆体から出発する、多孔質材料の着色に関する。
【0015】
したがって、本発明の課題は、不溶性顔料の形態に容易に変換することができ、多孔質材料、例えば木材の着色においては、極めて良好な浸透及び極めて良好な耐光堅ロウ度をもたらし、インクジェットプリントにおいては、極めて良好な耐水性をもたらすことのできる、水溶性着色剤を提供することである。
【0016】
驚くべきことに、現在、第一級又は第二級スルホンアミド基の塩を安定化基として使用することにより、この問題が解決されることが見出された。
【0017】
したがって、本発明は、一般式(I)又は(II):
【0018】
【化42】
【0019】
{式中、n及びn′は、0〜4の値を示し、
m及びm′は、1〜8の値を示し、m+nの合計及びm′+n′の合計は、8以下であり、
zは、1〜5、特に1の整数であり、
Aは、1−アミノアントラキノン、アントラキノン、アントラピリミジン、アゾ、アゾメチン、ベンゾジフラノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、フラバントロン、インダントロン、インジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ペリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピラントロン又はチオインジゴシリーズの発色団の基であり、
A′は、1−アミノアントラキノンのような1個以上の第一級アミノ基をすでに含有している発色団の基であるか、又はA′は、1〜8個、好ましくは1〜4個のアミノ基で変性されている、Aで示された発色団基のうちの1個であり、
Catは、アルカリ金属カチオン又はアンモニウムカチオンであり、
B及びB′は、相互に独立して、分岐鎖状若しくは直鎖状C1 〜 8アルキル、C2 〜 8アルケニル、C2 〜 8アルキニル、アリール、N−、O−若しくはS−含有5員又は6員複素環、C1 〜 8アルキルアリーレン、アリール−C1 〜 8アルキレン又はアリール−L−アリーレン基〔これらは、1個以上の基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4及び/又は−NR5R6で置換されていてよく、ここで、C1 〜 8アルキル基は、非中断であるか又は−O−若しくは−S−により1回以上中断されていることができ、
R1、R2、R3及びR4は、相互に独立して、C1 〜 8アルキル基、C7 〜 11アラルキル基又はC6 〜 10アリール基であり、R4は、更に水素原子であることができ、
Lは、結合、−NR7(ここで、R7は、水素原子又はC1 〜 4アルキル基)又は−N=N−基であり、R5及びR6は、相互に独立して、水素原子、C1 〜 8アルキル基、C1 〜 4アルコキシ−C1 〜 4アルキル基、C6 〜 10アリール基、C7 〜 11アラルキル基又は基−(CH2)oOH(ここで、oは、2〜6の整数である)である〕であり、Bは、更に水素原子であることができ、
B及びB′は、発色団A又はA′内で、異なる置換基の意味を有することが可能である}で示される着色剤に関する。
【0020】
本発明は、また、多孔質材料の着色、特に、多孔の木材又は陽極酸化アルミニウムの着色及びインクジェットプリントにおける一般式(I)及び(II)の着色剤の使用、多孔質材料を着色する方法、特に、木材又は陽極酸化アルミニウムを着色する方法であって、
a)基材を一般式(I)又は(II)の着色剤の水溶液で処理することと、
b)式(I′)又は(II′):
【0021】
【化43】
【0022】
(式中、A及びA′、B及びB′、m及びm′、n及びn′は、上記1と同義である)の顔料をそれぞれ着色剤に変換すること、を含む方法、その方法により得られる多孔質材料、並びに一般式(I′)又は(II′)の顔料を含有する多孔質材料に関する。
【0023】
第二級又は第一級スルホンアミド基を有する不溶性顔料は、塩の形態、特にアンモニウム、ナトリウム又はカリウム塩の形態で水溶性にすることができる。着色剤は、例えば酸を加えることによるプロトン化により、水不溶性顔料の形態にまた変換される。
【0024】
たとえ濃度が極めて希薄でも、本発明の着色剤を使用して着色された木質材料は、極めて良好な浸透及び極めて良好な耐光堅ロウ度を示す。陽極酸化アルミニウム着色においても、本発明の着色剤により良好な結果、すなわち、均質な色合い及び極めて良好な耐光堅ロウ度が得られる。インクジェットプリントでは、特に、本発明の着色剤による極めて良好な耐水性を挙げることができる。
【0025】
基B及びB′において、基は下記の意味を有することができる。
アルキル又はアルキレンは、直鎖状又は分岐鎖状であることができる。
C1 〜 8アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル又はオクチルであり、これらは非置換であるか又は−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6(ここで、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記と同義である)で置換されていてよい。
【0026】
孤立しているか、又は共役していることができる2個の二重結合を含むこともできるC2 〜 8アルケニルの例は、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル又は1,4−ペンタジエン−3−イルであり、これらは非置換であるか又は−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6(ここで、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記と同義である)で置換されていてよい。
【0027】
好ましくは、特に、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6で末端を置換されている直鎖状C1 〜 5アルキル及びC2 〜 5アルケニル基である。−O−又は−S−により1回以上中断されているC2 〜 8アルキルは、例えば、−O−及び/又は−S−により1、2又は3回中断されており、その結果、例えば、−(CH2)2OCH3、−(CH2CH2O)2CH2CH3、−CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−〔CH2CH2O〕y−CH3(ここで、y=1〜3)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3又は−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3のような構造単位となり、これらは、非置換であるか、又は−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6で置換されていてよい。
【0028】
C2 〜 8アルキニルの例は、エチニル、1−プロピン−1−イル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−1−イル、2−ペンチン−1−イル及び3−ペンチン−2−イルである。
【0029】
C1〜C8アルキレンは、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、sec−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、−CH(CH3)−CH2−、−CH(CH3)−(CH2)2−、−CH(CH3)−(CH2)3−、−C(CH3)2−CH2−又は下記式:
【0030】
【化44】
【0031】
のような直鎖状又は分岐鎖状アルキレンであり、1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基が好ましい。
【0032】
−O−又は−S−で中断されているアルキレン基は、例えば、−CH2−O−CH2−、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH(CH3)−、−CH2−S−CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−又は−CH2CH2CH2−S−CH2CH2CH2−のような構造単位となる。
【0033】
直鎖状又は分岐鎖状であることができるC1 〜 8アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ及び2−エチルヘキシルオキシである。
本発明によると、アリールは、特に、6〜12個の炭素原子を有するアリール基を意味すると理解され、その例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルであり、これらは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル若しくはtert−ブチルのような直鎖状又は分岐鎖状C1 〜 4アルキル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ若しくはtert−ブトキシのような直鎖状又は分岐鎖状C1 〜 4アルコキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ若しくはtert−ブチルチオのような直鎖状又は分岐鎖状C1 〜 4アルキルチオ、−OH、−SH、−OCat、−SCatあるいは基(CH2)e−E〔ここで、eは、1〜6、特に2又は3の整数であり、Eは、水素原子、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6(ここで、R1、R2、R3及びR4は、相互に独立して、C1 〜 4アルキル基、特にメチル又はエチルであり、そしてR5及びR6は、基−(CH2)oOH,(ここで、oは、2〜6、特に2又は3の整数である)である)であり、そしてCatは、アルカリ金属カチオン、特にナトリウム又はカリウムカチオン、非置換アンモニウム又はアンモニウムカチオンである〕で1、2又は3回置換されていてよい。
【0034】
好ましくは、−OH、メトキシ、(CH2)2OH、−OCat及び(CH2)2OCatから選択される1、2又は3個の基で置換されていてよいフェニル基であり、例えば、3,4,5−トリメトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル及び2−ヒドロキシ−1−エチルフェニルである。
【0035】
非置換又は置換されていてよいC7 〜 11アラルキル基の例は、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル及びω−フェニル−ブチルである。
【0036】
O−、S−又はN−含有5員若しくは6員複素環は、例えば、ピロリル、オキシニル、ジオキシニル、2−チエニル、2−フリル、1−ピラゾリル、2−ピリジル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリルあるいはチオフェン、フラン、ピリジン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジン及びベンゼン環からなるその他の任意の環系であり、非置換又は1〜6個のエチル、メチル、エチレン及び/若しくはメチレン置換基で置換されている。
【0037】
発色団A及びA′内のB及びB′は、異なる置換基の意味を有することができる、すなわち、本発明によると、例えば下記式:
【0038】
【化45】
【0039】
の銅フタロシアニンも含まれる。
【0040】
式(I)及び(II)、並びに基−OCat及び−SCatにおけるカチオンCatとして適切なものは、一般的に、スルホンアミドと水溶性塩を形成することができる基である。これらは、例えば、ストロンチウム又はカルシウムカチオンのようなアルカリ土類金属カチオン、アルカリ金属イオン、特にリチウム、ナトリウム及びカリウムカチオン、及び式:+NR31R32R33R34〔式中、R31、R32、R33及びR34は、相互に独立して、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状C1 〜 16アルキル基(これは、非置換であるか又は1個以上のC1 〜 4アルコキシ基で置換されている)、直鎖状若しくは分岐鎖状C2 〜 16アルキニル基、ヒドロキシ−C1 〜 8アルキル基、特にヒドロキシ−C1 〜 4アルキル基、非置換であるか、又は1個以上のC1 〜 4アルキル基、C1 〜 4アルコキシ基若しくはヒドロキシ基で置換されているC6 〜 12アリール基、特に、ヒドロキシ基で置換されているフェニル基、あるいはフェニル−C1 〜 4アルキルのようなC7 〜 11アラルキル基であり、ここで、基R31、R32、R33及びR34のうちの少なくとも1個は水素原子以外であるか、又は基R31、R32、R33及びR34のうちの2個は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5員若しくは6員環(これは、例えばS、N又はOのような追加のヘテロ原子を含むことができる)を形成する〕で示される第四級アンモニウムカチオン、特に非置換アンモニウム及びアンモニウムカチオンである。
【0041】
特に好ましいアンモニウムカチオンの例は、下記である。
−非置換アンモニウム、
−モノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−C1 〜 4アルキルアンモニウム、例えば、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、3−プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、sec−ブチルアンモニウム、イソブチルアンモニウム、1,2−ジメチルプロピルアンモニウム若しくは2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、ジイソブチルアンモニウム、ジ−sec−ブチルアンモニウム、ジ−2−エチルヘキシル−アンモニウム、N−メチル−n−ブチルアンモニウム若しくはN−エチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチル−若しくはトリエチル−アンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルエチル−アンモニウム、N,N−ジメチルイソプロプルアンモニウム、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム、又は(CH3)2((CH3O)2CHCH2)NH+、
−モノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−C8 〜 16アルキルアンモニウム、例えば、下記式:
【0042】
【化46】
【0043】
(Primene 81R(登録商標)のアンモニウムカチオンの理想化された表記)、
−C1 〜 4アルコキシ−C1 〜 4アルキルアンモニウム、例えば、2−メトキシエチルアンモニウム、ビス(2−メトキシエチル)アンモニウム、3−メトキシプロピルアンモニウム又はエトキシプロピルアンモニウム、
−モノ−、ジ−又はトリ(ヒドロキシ−C1 〜 4アルキル)アンモニウム、例えば、モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアンモニウム、モノ−、ジ−又はトリ−イソプロパノールアンモニウム、N−メチル−又はN,N−ジメチル−エタノールアンモニウム、−プロパノールアンモニウム若しくは−イソプロパノールアンモニウム、N−メチル−ジエタノールアンモニウム、−ジプロパノールアンモニウム若しくは−ジイソプロピルアンモニウム、N−エチル−ジエタノールアンモニウム、−ジプロパノールアンモニウム若しくは−ジイソプロパノールアンモニウム、N−プロピル−ジエタノールアンモニウム、−ジプロパノールアンモニウム若しくは−ジイソプロピルアンモニウム、
−N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウム、N−(2−若しくは3−ヒドロキシプロピル)ピロリジニウム、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジニウム、N−(2−若しくは3−ヒドロキシプロピル)ピペリジニウム、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリニウム、N−(2−若しくは3−ヒドロキシプロピル)モルホリニウム又はN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニウム、及び
−下記式:
【0044】
【化47】
【0045】
特に、下記式、
【0046】
【化48】
【0047】
例えば、2−、3−又は4−ヒドロキシ−フェニルアンモニウム〔ここで式中、R35は、ヒドロキシ基、C1 〜 8アルコキシ基、カルボン酸基又はCOOR36(ここで、R36は、C1 〜 8アルキル基、C6 〜 10アリール基又はC7 〜 11アラルキル基である)である〕。テトラメチルアンモニウム及びテトラエチルアンモニウム塩がインクジェットプリントに特に適している。下記式:
【0048】
【化49】
【0049】
のアンモニウムカチオンが耐光堅ロウ度の増強に寄与することができる。
【0050】
適切なものは、また、ポリアンモニウム塩、特にジアンモニウム化合物である。好ましいジアンモニウム化合物は、下記のアミン類から誘導される。1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノ−1−メチルエタン、1,2−ジアミノ−1,2−ジメチルエタン、1,2−ジアミノ−1,1−ジメチルエタン、1,2−ジアミノプロパン,1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、N−メチル−1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアザシクロヘキサン、1,2−ジアミノ−1,1−ジメチルエタン、2,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−ヒドロキシエチル−1,2−ジアミノエタン、1−エチル−1,3−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2,3−ジアミノ−2,3−ジメチルブタン、N−2−アミノエチルモルホリン、1,6−ジアミノヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、N,N−ジヒドロキシエチル−1,2−ジアミノエタン、N,N−ジメチル−1,2−ジアミノエタン、4,9−ジオキサ−1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1−アミノ−2−アミノメチル−2−メチル−4,4−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジアミノメチルシクロヘキサン、N−2−アミノエチルピペラジン、1,1−ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)メタン、N,N′−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン及びN,N′−ジメチル−N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン。
【0051】
基−OR1、−SR2、−C(O)OR3及び−C(O)R4において、R1、R2、R3及びR4は、とりわけ、下記の意味を有することができる。
C1 〜 4アルキルとしてのR1、R2、R3及びR4は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、好ましくは、メチル又はエチルであり、そして、C6 〜 12アリールとしては、フェニル、ビフェニル又はナフチルであり、好ましくはフェニルである。
【0052】
−NR5R6基において、R5及びR6は、水素原子に加えて、C1 〜 4アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、好ましくはメチル又はエチルであるか、あるいは基−(CH2)oOH(ここで、oは、1〜6、特に2又は3の整数である)であり、そして窒素原子は、好ましくは対称的に置換されている。
【0053】
B及びB′は、特に下記の基から好ましく選択される。
水素原子、−(CH2)e−E及び下記式:
【0054】
【化50】
【0055】
〔ここで、eは、1〜6、特に2又は3の整数であり、Eは、水素原子、基OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6又は−C(O)OR3であり、X、Y及びZは、相互に独立して、水素原子、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6及び−C(O)OR3(ここで、R1、R2及びR3は、相互に独立して、C1 〜 4アルキル基、特にメチル又はエチルであり、R5及びR6は、基−(CH2)oOH(ここで、oは、2〜6の整数である)であり、そしてCatは、好ましいものとして上述された、ナトリウム若しくはカリウムカチオン、非置換アンモニウム又はアンモニウムカチオンである)から選択される〕。
【0056】
A′は、1−アミノアントラキノンのような1個以上の第一級アミノ基をすでに含有している発色団の基であるか、又は1〜8個、好ましくは1〜4個のアミノ基で置換されている、Aで示された発色団の基のうちの1個であり、例えば、下記式:
【0057】
【化51】
【0058】
(式中、oは、1〜8の値、好ましくは1〜4の値を示す)である(EP−A−311562参照)。
【0059】
Aは、基本構造:A(H)m+nを有する既知の発色団の基である。そのような発色団の例は、例えば、W. Herbst, K. Hunger, Industrielle Organische Pigmente, 2nd completely revised edition, VCH 1995に記載されている。原則として、その基構造を1個以上のスルホンアミド基で変性することのできる発色団は、全て適切である。発色団は、通常、1−アミノ−アントラキノン、アントラキノン、アントラピリミジン、アゾ、アゾメチン、ベンゾジフラノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、フラバントロン、インダントロン、インジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ペリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピラントロン又はチオインジゴシリーズから選択される。
【0060】
本発明のスルホンアミド塩の出発化合物として使用することができ、上記の顔料の類に属する顔料(及びその置換されている誘導体)の例は、W. Herbst, K. Hunger, Industrielle Organische Pigmente, 2nd completely revised edition, VCH 1995に記載されており、1−アミノ−アントラキノン顔料が、503〜511頁、アントラキノン顔料が、504〜506頁、513〜521頁及び521〜530頁、アントラピリミジンが、513〜415頁、アゾ顔料が、219〜324頁及び380〜398頁、アゾメチン顔料が402〜411頁、キナクリドン顔料が、462〜481頁、キナクリドンキノン顔料が、467〜468頁、キノフタロン顔料が、567〜570頁、ジケトピロロピロール顔料が、570〜574頁、ジオキサジン顔料が、531〜538頁、フラバントロン顔料が、517〜519頁、521頁、インダントロン顔料が、515〜517頁、イソインドリン顔料が、413〜429頁、イソインドリノン顔料が、413〜429頁、イソビオラントロン顔料が、528〜530頁、ペリノン顔料が、482〜492頁、ペリレン顔料が、482〜496頁、フタロシアニン顔料が、431〜460頁、ピラントロン顔料が、522〜526頁、チオインジゴ顔料(インジゴ顔料)が、497〜500頁に記載されており、固溶体を含む、このような顔料の混合物の使用も可能である。
【0061】
意図される使用に応じて、一般的に、幾つかのスルホンアミド基のみが塩形態に変換されることができる。木材の着色では、分子に存在する事実上全てのスルホンアミド基を塩形態に変換すること、すなわち、式(I)及び(II)において、n及びn′が0であることが本発明にとって好ましい、陽極酸化アルミニウムの着色では、適切なpH値を得るために、幾つかのスルホンアミド基のみを塩形態に変換すること、すなわち、式(I)及び(II)において、n及びn′が≧1であることが好都合でありうる。
【0062】
式(I)の着色剤が式(II)のものよりも好ましい。
【0063】
式(I)の着色剤のうち、好ましくは、Bが、上記と同義であり、そしてCatが、アルカリ金属カチオン、特に、好ましいものとして上述されているナトリウム若しくはカリウムカチオン、非置換アンモニウム又はアンモニウムカチオンである、以下のものである。
式(X)又は(XI):
【0064】
【化52】
【0065】
(式中、X1は、下記式:
【0066】
【化53】
【0067】
の基であり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を示す)で示される1−アミノアントラキノン及びアントラキノン顔料の塩、
式(XII):
【0068】
【化54】
【0069】
(式中、R11及びR12は、相互に独立して、水素、ハロゲン、C1〜C24アルキル、C1〜C6アルコキシ又はフェニルであり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を示す)で示されるキナクリドン顔料の塩、
式(XIII):
【0070】
【化55】
【0071】
〔式中、Ar1及びAr2は、相互に独立して、下記式:、
【0072】
【化56】
【0073】
(式中、Tは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−又は−NR13−(ここで、R13は、水素又はC1 〜 6アルキル、特にメチル若しくはエチルであり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を意味する)の基である〕で示されるピロロ〔3,4−c〕ピロールの塩、
式(XIV)、(XV)又は(XV):
【0074】
【化57】
【0075】
(式中、X2は、C1 〜 4アルコキシ基、特にエトキシであり、X3は、C1 〜 4アシルアミノ基、特にアセチルアミノ基又はベンゾイルアミノ基であり、X4は、塩素原子又は基NHC(O)CH3であり、X7は、水素原子、C1 〜 8アルキル基、置換又は非置換フェニル、ベンジル、ベンズアニリド若しくはナフチル基、C5 〜 7シクロアルキル基又は下記式:
【0076】
【化58】
【0077】
であり、X8は、水素原子又はC1 〜 4アルキル基であり、そしてmは、1〜4の値を示す)で示されるジオキサジンの塩、
式(XVI):
【0078】
【化59】
【0079】
(式中、mは、1〜4、特に2〜3の値を示す)で示されるフラバントロンの塩、
式(XVII):
【0080】
【化60】
【0081】
(式中、X5は、水素又は塩素原子であり、そしてmは、1〜4、好ましくは2〜3の値を示す)で示されるインダントロンの塩、
式(XVIII):
【0082】
【化61】
【0083】
(式中、R14は、水素、CN、C1 〜 6アルキル、C1 〜 6アルコキシ又はハロゲンであり、そしてmは、1〜3の値を示す)で示されるインジゴ誘導体の塩、
式(XIX):
【0084】
【化62】
【0085】
(式中、mは、1〜4の値を意味する)で示されるイソビオラントロンの塩、
式(XX)及び/又は(XXI):
【0086】
【化63】
【0087】
(式中、mは、1〜4の値を意味する)で示されるペリノン顔料の塩、
式(XXII):
【0088】
【化64】
【0089】
〔式中、X6は、O又はNR15(ここで、R15は、H、CH3あるいは非置換若しくは置換フェニル又はC7 〜 11アラルキル、例えば、ベンジル又は2−フェニルエチルである)であり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を示す(ここで、フェニル環は、メチル、メトキシ、エトキシ又は−N=N−Phで置換されることが可能である)〕で示されるペリレンの塩、
式(XXIII):
【0090】
【化65】
【0091】
(式中、Mは、H2、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Sn(II)、Co(II)及びPb(II)の群から選択される二価金属又はV(O)、Mn(O)及びTiOの群から選択される二価オキソ金属であり、そしてmは、2〜6、特に3〜5の値を示す)で示されるフタロシアニンの塩、
式(XXIV):
【0092】
【化66】
【0093】
で示されるピラントロン顔料の塩、並びに基本構造をブロモ−、クロロ−、又はブロモ及びクロロ−ハロゲン化した誘導体、例えば、2,10−ジクロロ、4,6−及び6,14−ジブロモ誘導体(ここで、mは、2〜4の値を示す)、
式(XXV):
【0094】
【化67】
【0095】
(式中、R16は、水素、CN、C1 〜 6アルキル、特にメチル、C1 〜 6アルコキシ、特にメトキシ又はハロゲン、特に塩素であり、そしてmは、1〜3の値を示す)で示されるチオインジゴ誘導体の塩、
式(XXVIa):
【0096】
【化68】
【0097】
(式中、mは、1〜4の値を示す)で示されるモノアゾイエロー及びオレンジ顔料の塩、
式(XXVIb):
【0098】
【化69】
【0099】
(式中、mは、2〜4の値を示す)で示されるジアリールイエロー顔料の塩、
式(XXVIc):
【0100】
【化70】
【0101】
(式中、mは、2〜6の値を示し、
R17〜R21は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル、C1 〜 6アルコキシ、ニトロ基又はアセチル基であり、
R22は、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル又はC1 〜 6アルコキシである)で示されるナフトールAS顔料の塩、
式(XXVII):
【0102】
【化71】
【0103】
(式中、R23は、水素、ハロゲン、C1 〜 4アルキル、C1 〜 4アルコキシカルボニル、C1 〜 4アルキルカルボニル、C1 〜 4アルカノイルアミノである)で示されるモノアゾキノロン顔料(モノアゾキノロン顔料の調製はEP01/12178に記載されている)の塩、
式(XXVIII):
【0104】
【化72】
【0105】
〔式中、R41は、水素原子、メチル若しくはエチルのようなC1 〜 4アルキル基、トリフルオロメチルのようなペルフルオロ−C1 〜 4アルキル基、ヒドロキシ−C1 〜 4アルキル基、CH2CH2CH2−O−CH(CH3)2のような−O−で1回以上中断されているC1 〜 8アルキル基、フェニルのようなC6 〜 10アリール基、又はベンジルのようなC7 〜 12アラルキル基であり、
R42は、水素原子又はシアノ若しくはカルボンアミド基であり、
R43は、水素原子、カルボン酸基若しくはその塩、又はC1 〜 4アルキル基であり、
R44及びR45は、メチル若しくはエチルのようなC1 〜 4アルキル基、トリフルオロメチルのようなペルフルオロ−C1 〜 4アルキル基、メトキシ若しくはエトキシのようなC1 〜 4アルコキシ基、ニトロ基、塩素のようなハロゲン原子、COOR46(ここでR46は、C1 〜 4アルキル基である)、フェニル若しくは1,4−ジクロロフェニルのような、非置換若しくは置換(例えば1若しくは2個の塩素原子で置換されている)C6 〜 10アリール基、ベンジルようなC7 〜 12アラルキル基、CONHR47(ここで、R47は、C1 〜 4アルキル基である)、フェニルのようなC6 〜 10アリール基、又はベンジルのようなC7 〜 12アラルキル基を示し、そしてmは、1〜2の値を示す〕で示されるアゾ顔料の塩、
式(XXIX):
【0106】
【化73】
【0107】
〔式中、X9、X10、X11及びX12は、CN、CONH−C1 〜 8アルキル又はCONH−C6 〜 10アリールであるか、あるいはX9とX10及び/又はX11とX12は、それぞれ下記式:
【0108】
【化74】
【0109】
(式中、X13は、水素原子又はC6 〜 10アリール基である)のような複素環の員であり、そしてmは、1〜4の値を示す〕で示されるイソインドリン顔料の塩、
式(XXX):
【0110】
【化75】
【0111】
〔式中、X14は、芳香族又は複素環式芳香族ジアミンの基、例えば、下記式:
【0112】
【化76】
【0113】
(式中、p1及びp2は、0又は1であり、X18及びX19は、水素原子、C1 〜 4アルキル基、C1 〜 4アルコキシ基又は塩素原子であり、X17は、基−CH2−、−CH=CH−又は−N=N−であり、X15及びX16は、水素原子、C1 〜 4アルキル基、C1 〜 4アルコキシ基、ニトロ基又は塩素原子であり、そしてmは、1〜3の値を示す)である〕で示されるイソインドリン顔料の塩
(ここで、B及びCatは、上記と同義である)。
【0114】
好ましい着色剤は、下記である。
式(III):
【0115】
【化77】
【0116】
(式中、Ar1は下記式:
【0117】
【化78】
【0118】
の基である)で示されるピロロ〔3,4−c〕ピロール誘導体、
式(IV):
【0119】
【化79】
【0120】
(式中、Mは、Cu(II)又はZn(II)であり、そしてmは、3〜5の値を示す)で示されるフタロシアニン誘導体、
式(V):
【0121】
【化80】
【0122】
(式中、X5は、水素又は塩素原子であり、そしてmは、2〜4の値を示す)で示されるインダントロン誘導体、及び
式(VI):
【0123】
【化81】
【0124】
(式中、R11及びR12は、相互に独立して、水素、塩素原子又はメチル基であり、mは、1〜4の値を示す)で示されるキナクリドン顔料であり、そしてBは、基−(CH2)e−E又は下記式:
【0125】
【化82】
【0126】
(ここで、eは、1〜6、特に2又は3の整数であり、Eは、水素原子、又は基OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6若しくは−C(O)OR3であり、そしてX、Y及びZは、相互に独立して、水素原子、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6及び−C(O)OR3(ここで、R1、R2及びR3は、相互に独立して、C1 〜 4アルキル基、特にメチル又はエチルであり、そしてR5及びR6は、基−(CH2)oOH(ここで、oは、2〜6、特に2又は3の整数である)を示す)から選択される)であり、そしてCatは、好ましいものとして上述されているナトリウム若しくはカリウムカチオン、又は非置換アンモニウム若しくはアンモニウムカチオン、特に、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム若しくは下記式:
【0127】
【化83】
【0128】
モノ−、ジ−若しくはトリ−エタノールアンモニウム又はモノ−、ジ−若しくはトリ−イソプロパノールアンモニウム、N−メチル−N−エタノールアンモニウムあるいは2−、3−又は4−ヒドロキシメチルアンモニウムである。
【0129】
上記式(III)〜(VI)及び(X)〜(XXX)において、1〜3個の基−SO2NBCatは、基−SO2NHBで置き換えられることができるが、但し、少なくとも1個の基−SO2NBCatが存在するものとする。そのように変性された化合物の例は、下記式(IVa)、(Va)及び(Xa)と下記式(IVb):
式(IVa):
【0130】
【化84】
【0131】
(式中、M、Cat及びBは、式(IV)で定義されたとおりであり、そしてm1及びn1は、1〜4、特に1〜3の値を示し、m1とn1の合計は、3〜5、特に4である)
式(Va):
【0132】
【化85】
【0133】
(式中、B及びCatは、式(V)で定義されたとおりである)、及び
式(Xa):
【0134】
【化86】
【0135】
(式中、B及びCatは、式(X)で定義されたとおりである)で示される、スルホンアミド塩である。
【0136】
−SO2NHB/−SO2NBが、−SO2NH2/−SO2NH、又は−SO2NH2/−SO2NHと−SO2NHB/−SO2NBの混合物のいずれかである、スルホンアミド誘導体が、アルミニウムの着色に特に適している。そのような誘導体の例は、式(IVb):
【0137】
【化87】
【0138】
〔式中、MはCu(II)又はZn(II)であり、m1は、0〜3の値を示し、m2は、1〜4の値を示し、m1とm2の合計は、3〜5、特に4であり、nは、1〜8の値を示し、Bは、基−(CH2)e−E又は下記式:
【0139】
【化88】
【0140】
(ここで、eは、2又は3の整数であり、Eは、水素原子、基−OH、−SH、−OR1、−SR2、−NR5R6又は−C(O)OR3である)であり、そしてCatは、好ましいものとして上述されているナトリウム若しくはカリウムカチオン、又は非置換アンモニウム若しくはアンモニウムカチオンである〕で示されるフタロシアニン誘導体である。
【0141】
着色剤は、特に、C. I. Pigment Yellow 138、139、185、C.I. Pigment Brown 38、C.I. Pigment Orange 66、69、C.I. Pigment Red 260;C. I. Pigment Red 123、149、178、179、190、224、C.I. Pigment Violet 29、C.I. Pigment Black 31、32;C.I. Pigment Blue 15:6;C.I. Pigment Violet 19、C.I. Pigment Red 122、192、202、207及び209;C.I. Pigment Red 254、C.I. Pigment Red 255、C.I. Pigment Red 264、C.I. Pigment Red 272、C.I. Pigment Orange 71、C.I. Pigment Orange 73;C.I. Pigment Blue 60及び64;C.I. Pigment Violet 29、C.I. Pigment Red 123、179、190又はC.I. Pigment Violet 23若しくは37から誘導される。
【0142】
式(I)の着色剤として特に好ましいものは、実施例で示されている、化合物A1、A2、B1〜B5、C1〜C8、D1〜D55、E1〜E8、F1及びG1〜G3であり、化合物D4、D39、D53及びE1〜E8が、木材の着色に特に適切であり、一方、化合物D54及びD55が、アルミニウムの着色において極めて良好な結果をもたらしている。
【0143】
色彩の調和のため又は中間色を作り出すためには、式(I)及び/又は(II)の着色剤の混合物を着色のために使用することも可能である。色の効果を作り出すため、式(I)又は(II)の複数の着色剤を多孔質材料の孔の中へ連続して堆積させることが可能である。
【0144】
好ましくは、本発明の着色剤は、脱プロトン化されうるカルボン酸基、又はスルホン酸基、又はベンゾイミダゾール基を含有しない。
【0145】
本発明の式(I)及び(II)の着色剤は、対応するスルホンアミドをアルカリ金属水酸化物又は水酸化アンモニウム又はアミンと反応させることにより、得ることができる。出発材料として使用されるスルホンアミドは、既知であるか(例えば、GB−A−1198501、US−A−4234486、US−A−6066203等を参照)、又は既知の方法(例えば、US−A−6066203、第3欄、第36行目から第50行目を参照)に従って調製することができる。式(I)の着色剤の場合、有利には顔料をクロロスルホン酸/塩化チオニルと反応させて顔料塩化スルホニルを形成し、次にそれを対応するアミンと反応させて、スルホンアミドを形成する。
【0146】
式(II)の着色剤は、例えば、出発顔料をニトロ化し、得られたニトロ基を還元し、得られたアミノ基を対応するスルホン酸クロリドと反応させるか、又はそれ自体既知の方法を使用して、アミノメチル基を出発顔料に導入し(EP−A−311562参照)、アミノ基を対応するスルホン酸クロリドと反応させることによって得ることができる。
【0147】
本発明は、また、多孔材料の着色、特に、多孔の木材及び陽極酸化アルミニウムの着色のため、及びインクジェットプリントにおける、一般式(I)及び(II)の着色剤の使用に関する。
【0148】
本発明の着色剤は、個別に、又は他の着色剤若しくは、例えば当該用途に慣用の染料との混合物として使用することができる。
【0149】
本発明の着色剤は、一般的に、着色するために有効な量、すなわち、観察角10°で標準光型D65を使用して、着色された材料を未着色の材料と比較したとき、色差をΔE*(CIE−L*a*b*)≧2にするのに十分な量で使用される。量は、着色材料の重量に基づき、好ましくは0.01〜30重量%、特に0.1〜15重量%である。
【0150】
多孔質材料は、天然又は合成由来であってよく、無機質又は有機質であってよい。多孔質材料の例は、周期表の2、3、4、12、13及び14族の元素の酸化物のような多孔質酸化物であり、例えば、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム及びそれらの混合物の酸化物、特に陽極酸化軽金属、特にアルミニウム又はその合金、並びに多孔質合成材料、例えば、多孔質ポリアミド充填剤、特にポリアミド−12、ポリアミド−6又はコ−ポリアミド−6/12充填剤であり、それらの製造は、US−A−4831061、FR−A−2619385及びEP−A−303530に記載されており、商品名Orgasol(登録商標)でAtofinaにより販売されている。多孔質材料の更なる例は、白亜、軽石、焼成クレー、素焼きセラミック、石膏、コンクリート、キーゼルグール、シリカゲル、ゼオライト、木材、紙、皮革、擬革及び毛である。本発明の着色剤は、特に、木材及び陽極酸化アルミニウムの着色に適している。
【0151】
ここで本発明の原理を、木材及びアルミニウムを例にとって記載する。しかし、僅かな変更により、原理を他の任意の多孔質材料に移転できることが明白である。
【0152】
木材は特にあらゆる種類の堅木又は軟材であり、例えば、アオギリ科の木、トネリコ、カバノキ、ポプラ、マツ、トウヒ、モミ、ユリノキ、カエデ、鳥木目カエデ、スズカケノキ、オーク、ブナ、マホガニー、ギンバイカ、アニグレ、テイ(コト)〔tay (koto)〕、マッパバール(mappa burl)、ニレ、ゼブラノ、カルバロ、ヴァボナ又はダニエラ(daniela)である。木材及び木材製品の処理方法及び条件は、専門的な文献により既知であり、本明細書において、特に参照とする。例えば、溶液による処理方法及び条件が、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A28, 305-393 (5th edition 1996)及びKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Vol. 24, 579-611 (3rd edition 1978)で詳細に記載されている。塗布温度を上昇させることもできるが、塗布に必要な最低限の時間内に着色剤の分解が起きないか、又はごく僅かしか起きないため、温度を十分に低くすることが有利である。適切であれば、材料の処理用に知られている更なる物質、例えば、殺菌剤、抗生物質、難燃剤又は撥水剤を、着色剤溶液に加えることも可能である。
【0153】
木材を着色において、着色剤を混合物で使用する場合は、混合物の成分は、好ましくは、顔料形態の成分の色が赤色、黄色、青色、緑色、茶色又は黒色である成分である。特に自然な外観を持つ茶色の色彩を製造することができる。また、これに加える任意の着色剤は、好ましくは、赤色、黄色、青色、緑色、茶色又は黒色である。
【0154】
本発明によると水が溶媒として使用される。適切であれば、アルコール、例えばエタノール若しくはプロパノール、エーテル、例えばジエチルエーテル若しくはメトキシプロパノール、又はケトン、例えばアセトン若しくはメチルエチルケトンのような共溶媒を使用することができ、その量は、一般的に15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。溶媒として水のみを使用することが特に好ましい。
【0155】
着色剤の水中の濃度は、慣用的に0.01重量%から飽和濃度の約99%であるが、塩の早期沈殿を起こさずに、過飽和溶液を使用することが可能な場合もある。多くの着色剤では、最適濃度は、水に基づき、着色剤約0.05〜10重量%、多くの場合約0.1〜5重量%である。式(I)の化合物の溶液は、一般的に、pH6〜11を有する。pHは、とりわけ、着色される材料に左右され、例えば、木材では、好ましくは8〜10であり、アルミニウムでは、好ましくは6〜8である。
【0156】
スルホンアミド塩の水溶液のpHは、下記のパラメータについて、特定の選択をすることにより調整できる。
基B及びB′の性質、
基〔SO2−N−B〕及び/又は〔N−SO2−B〕の数、並びに
カチオンCatの性質。
【0157】
例えば、化合物D17、D46、D54及びD55は、pH6〜7を有し、したがってアルミニウムの着色に特に適している。
【0158】
6〜11の範囲内の望ましいpHを得るために、例えば、ホウ砂、Tris緩衝剤〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン〕、NaHCO3、KH2PO4及びNa2HPO4に基づく緩衝液を使用してもよい。
【0159】
着色a)は、好ましくは高温、例えば、40〜160℃で実施される。着色の間の温度は、特に60〜140℃、更に特別に80〜120℃である。次に、場合により着色に続いて40〜160℃で乾燥させる。
【0160】
次に着色剤の顔料形態への変換は、スルホンアミドの塩の基をスルホンアミド基へ変換することにより実施される。これは、着色される基材自体が十分に酸性でない限り、酸を加えることにより実施される。適切な酸は、原則的にあらゆる有機及び無機の酸である。好ましくは、有機C1 〜 6カルボン酸の使用であり、その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸及びクエン酸が含まれる。酸による処理は、好ましくは室温で実施される。酸の濃度は、塩形態で存在するスルホンアミド基の数により決定される。有利には、酸は過剰量で使用される。
【0161】
本発明のスルホンアミドの塩は、着色された後でのみ加工される複合木材材料の着色に特に適している。着色剤が完全に浸透した薄い木材パネルを積み重ね、造形し、次に多様な角度で切断すると、木目のおかげで芸術的な効果が得られる。そのような材料は、特にデザイン物品の製造又は装飾目的で使用することができる。耐光堅ロウ度及び浸透性に関するニーズは、慣用のベニヤ板よりもこの用途において著しく高い。個々の木材パネルの極めて均一な浸透性は、芸術のための切断によって厚さが相対的に厚い場合であっても、そのコアが露出するため、特に重要である。その点において、特に良好な結果が、化合物A1、B3及びD12により得られる。化合物A1は、全色調(full tone)では、20時間の外気への曝露(weathering)後、着色剤C.I. Acid Red 194及び361よりも約4倍優れた安定性を示し、パステル色調(pastel tone)では、50時間の外気への曝露後、着色剤C.I. Acid Red 194及び361よりも2倍低いΔE*を示す。
【0162】
120時間の外気への曝露後、化合物B3は、全色調で、C.I. Acid Red 194及び361よりも約4倍低いΔE*を示し、パステル色調では、20時間の外気への曝露後、着色剤C.I. Acid Red 194及び361よりも約2倍低いΔE*を示す。木材母材への浸透は良好である。幾つかの化合物の塗布後の色のシフトが興味深い点である。例えば、化合物A1は、赤色の色合いになり、化合物B4は、茶色を帯びた赤色の色合いになり、化合物B5は、橙色−赤色の色合いになる。
【0163】
化合物D12は全色調において、120時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示し、共溶媒として10%メトキシプロパノールを使用すると、木材母材への許容されうる浸透性を示す。600時間の外気への曝露後、全色調において僅か5のΔE*を示す、化合物D12の耐光堅ロウ度は、特に言及されるべきである。パステル色調において、化合物D12は、50時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示す。
【0164】
本発明の着色剤は、また、インクジェットプリントにおいて極めて良好な結果をもたらす。化合物D17及び化合物D46(2.5重量%濃度インク溶液)は、バブルジェットプリンター、また圧電式プリンターを使用するプリントにおいて、良好なプリントの結果を示しており、とりわけ極めて良好な耐水性が、特に言及されるべきである。
【0165】
また、陽極酸化アルミニウム又はその合金の着色において、驚くべきことに、本発明の着色剤を使用して良好な結果、すなわち、特に均質な色合い及び極めて良好な耐光堅ロウ度が得られる。
【0166】
アルミニウム合金として特に適切なものは、大部分がアルミニウムで占められているもの、特に、マグネシウム、ケイ素、亜鉛及び/又は銅との合金、例えば、Al/Mg、Al/Si、Al/Mg/Si、Al/Zn/Mg、Al/Cu/Mg及びAl/Zn/Mg/Cuであり、好ましくは、アルミニウム含有量が、少なくとも90重量%、マグネシウム含有量が、好ましくは≦6重量%、ケイ素含有量が、好ましくは≦6重量%、亜鉛含有量が、好ましくは≦10重量%及び銅含有量が、有利には≦2重量%、特に≦0.2重量%であるものである。
【0167】
金属アルミニウム上又はアルミニウム合金上に形成される酸化皮膜は、化学酸化により又は好ましくは陽極酸化によってガルバニ的に製造することができる。アルミニウム又はアルミニウム合金を不動態化し、多孔質皮膜を形成するための陽極酸化は、直流及び/又は交流電流を使用し、例えば、硫酸、シュウ酸、クロム酸、クエン酸あるいはシュウ酸とクロム酸、又は硫酸とシュウ酸を組み合わせて加えた、適切な電解浴を使用する、既知の方法に従って実施することができる。そのような陽極酸化の方法は、当該技術において既知であり、DS法(直流;硫酸)、DSX法(直流;硫酸にシュウ酸を加える)、DX法(直流;シュウ酸)、クロム酸を加えるDX法、AX法(交流;シュウ酸)、AX−DX法(シュウ酸;最初に交流、次に直流)、AS法(交流;硫酸)及びクロム酸による方法(直流;クロム酸)である。電圧は、一般的に、5〜80ボルト、好ましくは8〜50ボルトの範囲であり、温度は、一般的に、5〜50℃の範囲であり、陽極の電流密度は、一般的に0.3〜5A/dm2、好ましくは0.5〜4A/dm2の範囲であり、一般的に、≦2A/dm2の低さの電流密度が、多孔質の酸化皮膜を製造するために適切であり、より高い電圧と電流密度、例えば100〜150ボルト及び≧2A/dm2、特に2〜3A/dm2の範囲で、かつ80℃までの温度で、例えば、チタン及びジルコニウム塩の存在下、シュウ酸を使用する"Ematal"法に従って、特に硬質で、微細孔の酸化皮膜を製造することが可能である。次に、実際にそれ自体慣用である好ましい手順に従って、式(I)の着色剤を使用して、吸着的、電解的、又は直接、着色される酸化皮膜の製造において、電圧は、12〜20ボルトの範囲であり、電流密度は、好ましくは1〜2A/dm2である。そのような陽極酸化方法は、一般的に当該技術において既知であり、専門的な文献、例えば、Ullmanns "Enzyklopaedie der Technischen Chemie", 4th edition, volume 12, pages 196 to 198又はthe Sandoz brochures "Sanodal(登録商標)" (Sandoz AG, Basle, Switzerland, Publication No. 9083.00.89)又は"Ratgeber fur das Adsorptive Faerben von Anodisiertem Aluminium" [Guide to the adsorptive colouring of anodised aluminium] (Sandoz, Publication No. 9122.00.80)に詳細に記載されている。多孔質酸化皮膜の皮膜厚は、有利には、2〜35μm、好ましくは5〜30μm、特に15〜25μmの範囲である。
【0168】
式(I)又は(II)の着色剤を使用して酸化皮膜を着色するため、それ自体慣用の着色方法、特に吸着法(実質的に電圧を用いない)を使用することが可能であり、着色剤溶液は、例えば、吹付け若しくはローラー塗布(基材の形状に応じて)によるか、又は好ましくは着色される物品を染浴に浸漬することにより、酸化物の表面に塗布される。
【0169】
着色は、液体の沸点未満の温度、有利には15〜80℃の範囲、好ましくは15〜70℃の範囲、特に20〜60℃の温度で有利に実施される。染料液のpHは、酸性から弱塩基性の範囲、一般的には3〜8の範囲のpH、好ましくは弱酸性から実質的に中性状態、特に4〜6の範囲のpHである。着色剤の濃度及び着色の時間は、基材及び所望の着色効果に応じて極めて広範囲に変更することができる。例えば、0.01〜20g/l、有利には0.1〜10g/l、特に0.2〜2g/lの範囲の着色剤の濃度が適している。着色の時間は、一般的に30秒から1時間、好ましくは5〜40分間の範囲である。
【0170】
この方法で得られる着色を、場合により適切な添加剤を使用して、慣用の方法に従って高温及び/又は常温のシーリングに付すことができ、シーリングする前に着色を水ですすぐことが有利である。
【0171】
シーリングは、例えば、金属塩若しくは酸化物(例えば、酢酸ニッケル又は酢酸コバルト)を使用するか、又はクロム酸塩を使用して、4.5〜8のpH値で、一工程又は二工程により実施することができる。更に、DE−A−3327191で記載されているように、シーリング処理は、有機シーリング剤、例えば、有機ホスホン酸塩及びジホスホン酸塩、又は水溶性(シクロ)脂肪族ポリカルボン酸若しくは芳香族オルトヒドロキシカルボン酸を4.5〜8の範囲のpH値で使用して実施することができる。
【0172】
常温でのシーリングでは、特にニッケル又はコバルト塩を、NaFのようなアルカリ金属フッ化物と組み合わせて使用することが可能である。本発明によると、例えばEP−A−1087038で記載されているように、ニッケルイオンNi2+及びフッ化物イオンF-を含有するシーリング剤を使用して、常温でのシーリングを実施することが可能である。適切であれば、シーリング剤は、例えば、基材及び/又は着色により規定されるシーリング助剤、例えば、10重量%までの少量のコバルト化合物を含むことができる。シーリング剤は、(陰イオン性)界面活性剤、特にスルホ基含有界面活性剤、好ましくはスルホ基含有芳香族化合物とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、スルホン化ナフタレン若しくは/及びスルホン化フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物のような更なる補助剤と一緒に使用して、界面活性剤の特性を有するオリゴマー縮合物を形成することができる)、並びに/又は、例えば、有機酸の塩及び非イオン性界面活性剤、例えばP3-almeco seal(登録商標)1 (Henkel)を含有する、汚れ防止剤(例えば、DE−A−3900169又はDE−C−3327191を参照)と一緒に使用することができる。常温でのシーリングは、一般的に、45℃未満、好ましくは18〜40℃、特に20〜40℃の範囲の温度で実施される。シーリング浴中のNi2+の濃度は、有利には、0.05〜10g/lの範囲、好ましくは0.1〜5g/lの範囲である。シーリング浴のpH値は、例えば、酸性から弱塩基性の範囲、有利には4.5〜8の範囲のpHである。シーリング時間は皮膜厚に左右され、例えば、基材の酸化皮膜1μmの厚み当たり、0.4〜2分間、好ましくは0.6〜1.2分間であり、シーリングは、有利には、5〜60分間、好ましくは10〜30分間実施される。外面用建築部材として特に適切である、少なくとも15μm厚、好ましくは15〜30μm厚の好ましい酸化皮膜では、10〜30分間のシーリング時間が適している。
【0173】
高温処理は、水を用いて、80℃から沸騰温度、好ましくは90〜100℃の範囲の温度で有利に実施され、又は適切であれば、例えば1〜4バールの範囲の超過圧力下、95〜150℃の温度で蒸気によっても実施される。水によるアフターシーリングの時間は、一般的に、15〜60分間の範囲である。
【0174】
第1の工程において、常温でのシーリングを、場合によりP3-almeco seal(登録商標)1 (Henkel)のような汚れ防止剤の存在下、酢酸ニッケルのような少なくとも1種のシーリング剤を脱イオン水中で使用して実施し、第2の工程において、高温アフターシーリングを脱イオン水中で実施する、二工程のシーリングを実施することが有利であることができる。
【0175】
特に、第1工程において、常温でのシーリングを、P3-almeco seal(登録商標)1 (Henkel)のような汚れ防止剤1〜3g/lの存在下、酢酸ニッケル0.1〜5g/l、特に1.5〜2.5g/lを使用して、脱イオン水中、約40℃で5〜60分間、好ましくは10〜30分間実施し、第2工程において、高温アフターシーリングを、沸騰している脱イオン水中、15〜60分間、特に30〜45分間実施する、二工程のシーリングが使用される。
【0176】
シーリングされたアルミニウム基材を硝酸、塩酸又はリン酸のような強い無機酸で処理すると、着色アルミニウム基材の耐光堅ロウ度の向上及び/又は色の変化を得ることができる。
【0177】
本発明の式(I)及び/又は(II)の着色剤は、また、平面平行フレーク(plane-parallel flakes)(効果顔料)を使用する着色に適している。平面平行フレークは、表面被覆及びプリントインクにおける顔料として使用され、粉砕顔料と対照的に、非常に薄くできるということにより特徴付けられる。表面被覆を施した後、その平面の表面が基材の表面と平行に伸長するため、これらは、(光を多少とも拡散するように反射する粉砕顔料と対照的に)入射光の有向反射を生ずる。
【0178】
したがって本発明の更なる実施態様は、金属酸化皮膜で被覆されている板状のアルミニウム基材を含む着色アルミニウム顔料であって、金属酸化皮膜が式(I′)及び/又は(II′)の顔料を含み、金属酸化皮膜の金属が、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素及びホウ素から選択される、着色アルミニウム顔料に関する。
【0179】
フレークの厚さと直径の比率は、形状ファクターと称され、一般的に1:50〜1:500である。製造工程に応じて、アルミニウム顔料の粒度分布は、幾分統計的であり、5〜50μmのd50を有する。
【0180】
それぞれアルミニウム基材に基づき、着色剤の量は、一般的に5〜40重量%であり、金属酸化物の量は3〜95重量%である。
【0181】
アルミニウム顔料は、1種以上の本発明の着色剤の存在下、場合により有機溶媒の存在下、及び場合により塩基性触媒の存在下、1種以上の金属酸エステルの制御された加水分解によるゾル−ゲル法を用いて金属酸化皮膜を製造する、DE−A−19501307に記載されている方法と同様にして得ることができる。
【0182】
適切な塩基性触媒は、例えば、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン及びメトキシプロピルアミンのようなアミン類である。
【0183】
適切なアルミニウム顔料は、装飾用被覆に使用することができるあらゆる慣用のアルミニウム顔料、及びDE−A−19520312で記載されている酸化着色アルミニウム顔料である。好ましくは円形アルミニウムフレーク(いわゆる1ドル銀貨)である。
【0184】
有機溶媒は、C1 〜 4アルコール、特にイソプロパノールのような水混和性有機溶媒である。
【0185】
適切な金属酸エステルは、アルキル及びアリールアルコラート、カルボキシラート並びにバナジウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム及びホウ素のカルボキシル−、アルキル−若しくはアリール−置換アルキルアルコラート又はカルボキシレートからなる群より選択される。好ましくは、アルミン酸トリイソプロピル、チタン酸テトライソプロピル、ジルコン酸テトライソプロピル、オルトケイ酸テトラエチル及びホウ酸トリエチルの使用である。上記金属のアセチルアセトナート及びアセトアセチルアセトナートの使用も可能である。この種の金属酸エステルの好ましい例は、ジルコニウム、アルミニウム及びチタンアセチルアセトナート、並びにジイソブチルオレイルアセトアセチルアルミナート又はジイソプロピルオレイルアセトアセチルアセトナートであり、金属酸エステルの混合物、例えば、混合アルミニウム−ケイ素金属酸エステルであるDynasil(登録商標)(Huels社製)である。
【0186】
更にアルミニウム顔料はEP−A−0380073に記載の方法と同様にして調製することができる。少なくとも500nmに相当する厚さを有する陽極的に酸化されうる金属の皮膜を、場合により分離剤が被覆されている担体に塗布し、それを、電解質中、0.5〜100Vの電圧で陽極的に酸化する。次に多孔質の金属酸化皮膜を本発明の着色剤を使用して着色し、シーリングする。次に分離剤を適切な溶媒に溶解し、アルミニウム顔料を粗いフレークの形状で沈殿させ、それを、溶媒を分離し、乾燥させ、磨砕することにより更に加工できる(例えば、WO01/25500A1を参照)
【0187】
陽極的に酸化されうる金属で被覆されている担体は、既知の方法に従って得ることができる。スパッタリング、又は化学的方法、又は真空下での蒸着により薄金属皮膜が施されている担体の使用が有利である。金属の皮膜厚は、陽極酸化の後、残留している金属皮膜が、少なくとも10nm、好ましくは少なくとも100nmの厚さの金属酸化皮膜で覆われているように選択されることが有利である。金属の皮膜厚は、一般的に、500nm〜5μm、好ましくは1μm〜2μmである。
【0188】
適切な電解質は既知であり、例えば、J. Elektrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 122,1, p. 32 (1975)に記載されている。例えば、適切には、希薄水溶液(例えば、20重量%まで)であり、無機酸若しくはカルボン酸(硫酸、リン酸、クロム酸、ギ酸、シュウ酸)、無機酸若しくはカルボン酸のアルカリ金属塩(硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム)、及びアルカリ金属水酸化物(KOH、NaOH)のものである。
【0189】
陽極酸化は、0〜60℃の温度、好ましくは室温で実施することができる。選択される電圧は、使用される電解質に実質的に左右され、一般的に0.5〜100Vである。電解は、交流電流を使用するか、好ましくは直流電流を使用して実施することができる。
【0190】
担体は、金属、ガラス、エナメル、セラミック又は有機材料の表面を有し、任意の形状であることができ、箔、フィルム及びプレートが好ましい。担体は、例えば、ガラス、鉱物(石英、サファイア、ルビー、ベリル又はケイ酸塩)、セラミック材料、ケイ素又は合成材料(セルロース、ポリメタクリラート、ポリカルボナート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン)であることができる。
【0191】
分離剤は、塩化物、ホウ酸塩、フッ化物若しくは水酸化物のような、真空下で蒸発しうる分離剤のような無機分離剤であるか、又は例えば、US−A−5156720及びUS−A−3123489に記載されている他の無機分離剤であるか、あるいは表面被覆用のステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、脂肪アルコール若しくはCxHyO(ここで、15<C<30)型のワックスアルコール、パラフィンワックス、分岐鎖状若しくは非分岐鎖状脂肪酸(ここで、C>15)又は熱可塑性ポリマーのような有機分離剤である。
【0192】
金属皮膜は、アルミニウム自体、又は例えば、Mg若しくはZnとのアルミニウム合金で形成される。皮膜厚の好ましい下限は、500nmである。皮膜厚の上限は、最大5.0μmである。厚さは、好ましくは0.5〜3.0μm、特に1.0〜2.0μmである。
【0193】
酸化皮膜の厚さは、金属皮膜の初期厚に実質的に左右される。酸化皮膜は、例えば、10nm〜500nmであることができる。好ましい皮膜厚は、100nm〜500nmの範囲である。
【0194】
金属酸化皮膜の孔の直径は、電解中の製造条件、特に使用される電解質に実質的に左右される。直径は、例えば、2nm〜500nmであることができる。
【0195】
本発明のアルミニウム顔料は、塗料、コーティング、プラスチック、プリントインク及び化粧品用調製物に特別な効果を与えるために使用することができる。
【0196】
下記の実施例は本発明を説明する。
【0197】
実施例
合成例1:化合物A1の合成
スルホ塩素化
クロロスルホン酸230gを、撹拌機、温度計及び冷却器を備えた0.5リットルの丸底フラスコ中に入れた。C.I. Pigment Red 264(0.1mol)45gを室温で少量ずつ導入した。得られた溶液を140℃までゆっくりと加熱し、4時間撹拌した。溶液を冷却し、塩化チオニル85gを75℃でゆっくりと滴加した。次に撹拌を還流下、更に4時間実施した。室温で、溶液を氷2.5kgに注ぎ、得られた懸濁液を濾過し、水で十分に洗浄した。
【0198】
アミノ化
エタノールアミン(2mol)122gを、1リットルの丸底フラスコに入れ、氷を加えて0℃に冷却した。湿潤水性フィルターケーキを少量ずつ導入し、更に氷を加えて温度を0℃に維持した。懸濁液を0℃で1時間、室温で14時間、80℃で1時間撹拌した。懸濁液を冷却し、32%塩酸溶液350gを滴加した。室温で、懸濁液を濾過し、3%塩酸溶液で洗浄した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物A1′ 70gを得た。
【0199】
1H−NMRは、化合物A1′が、構造異性体の混合物、及び二重から三重にスルホ塩素化されている分子とアミド化されている分子(比率:三重にスルホ塩素化されている類25%、二重にスルホ塩素化されている類75%)の混合物、の両方であることを示した。
元素分析(理論値):C:57.33%(57.94%)、H:4.18%(4.36%)、N:7.65%(8.28%)、S:10.32%(9.98%)。
【0200】
化合物A1′の化合物A1への変換
化合物A1′ 20gを、1リットルの丸底フラスコ中の水200gに懸濁した。室温で、30%水酸化ナトリウム溶液7.5gを滴加した。得られた溶液を60℃で2時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を最大80℃及び減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物A1 21gを得た。
二重にスルホ塩素化された分子と三重にスルホ塩素化された分子の1:3混合物に基づく元素分析(理論値):C:53.33%(54.10%)、H:3.78%(4.10%、N:7.15%(7.73%)、S:9.72%(9.30%)、Na:6.98%(6.67%)。
【0201】
【化89】
【0202】
合成例2:化合物A2の合成
合成例1と同様にして化合物A2を調製した。
【0203】
【化90】
【0204】
合成例1と同様にして化合物B1〜B5を調製した。
【0205】
【化91】
【0206】
合成例8〜15:化合物C1〜C8の合成
C.I. Pigment Blue 60から出発して、合成例1と同様にして化合物C1〜C8を調製した。
【0207】
【化92】
【0208】
合成例17:化合物D1の合成
化合物D1′(この調製はWO98/45756の実施例1を参照)10gを、500mlの丸底フラスコ中の水150gに懸濁した。室温で、30%水酸化ナトリウム溶液5.4gを滴加した。得られた溶液を60℃で3時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を、最大80℃で、ロータリーエバポレーターを使用して、減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物D1 21gを得た。
元素分析(理論値):C:41.37%(41.54%)、H:2.96%(2.79%)、N:14.14%(14.53%)、Cu:5.36%(5.49%)、Na:8.26%(7.95%)、S:10.91%(11.09%)。
【0209】
合成例17と同様にして化合物D2〜D55を調製した。
【0210】
【化93】
【0211】
合成例33:化合物D17の合成
750mlのスルホン化フラスコ中、3−アミノフェノール(0.026mol)2.03g及び25%水酸化アンモニウム溶液(0.078mol)5.31gを、水9.4gとメタノール16.6gの混合物に導入し、氷を加えて0℃に冷却した。銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロリド0.026molを少量ずつ導入し、更に氷を加えて、温度を0℃に維持した。懸濁液を0℃で30分間、室温で14時間撹拌した。懸濁液を冷却し、32%塩酸溶液10gを滴加した。室温で、懸濁液を濾過し、3%塩酸溶液で洗浄した。真空下、70℃で乾燥させて、スルホンアミドD8′ 23.7gを得た。
【0212】
D8′ 2gを、500mlの丸底フラスコ中の水200gに懸濁した。30%水酸化ナトリウム溶液0.8gを室温で滴加した。得られた溶液を60℃で2時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を最大80℃で、減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物D17 2.1gを得て、それはpH値7を示した。
【0213】
合成例62:化合物D46の合成
合成例17と同様にして化合物D46を調製した。2当量の水酸化ナトリウムを最後の工程で使用して塩を形成した。アルミニウムを着色するために適切なpH値を確立するために、幾つかのアミド官能基しか塩に変換しなかった(応用例7を参照)。
【0214】
合成例72:化合物E1の合成
クロロスルホン酸44.8gを、撹拌器、温度計及び冷却器を備えた250mlのスルホン化フラスコに導入した。4,4′−ジアミノ−1,1′−ビスアントラキノン−3,3′−ジナトリウムスルホナート10.0g(0.0154mol)を室温で少量ずつ加えた。得られた赤色の溶液をゆっくりと40℃に加熱し、塩化チオニル13.2g(0.11mol)を撹拌しながら滴加した。次に混合物を70℃に加熱し、この温度で2時間保持した。溶液を冷却した後、水50gと氷190gの混合物に注ぎ、得られた懸濁液を濾過し、水で十分に洗浄した。湿潤フィルターケーキを、水8gとメタノール27gの混合物中の3−アミノフェノール5.0gの溶液に0℃で少量ずつ加えた。懸濁液を0℃で1時間、室温で14時間、80℃で1時間撹拌した。懸濁液を冷却し、32%塩酸溶液6gを滴加した。室温で、懸濁液を濾過し、3%塩酸溶液で洗浄した。真空下、80℃で乾燥させて、ジスルホンアミドE1′ 10gを得た。
【0215】
ジスルホンアミドE1′ 2gを、250mlの丸底フラスコ中の水100gに懸濁した。室温で、30%水酸化ナトリウム溶液0.67gを滴加した。得られた溶液を60℃で2時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を最大80℃で、減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、E1 1.87gを得た。
元素分析(理論値):C:57.66%(57.83%)、H:3.29%(2.91%)、N:6.55%(6.74%)、S:7.73%(7.72%)、Na:5.97%(5.53%)。
【0216】
【化94】
【0217】
合成例72と同様にして化合物E2〜E8を調製した。
【0218】
【化95】
【0219】
合成例80:F1の合成
合成例62と同様にして化合物F1を得た。
【0220】
【化96】
【0221】
合成例81〜83:G1〜G3の合成
合成例62と同様にして化合物G1〜G3を得た。
【0222】
【化97】
【0223】
全色調の着色
全色調の着色には0.5〜2%溶液を使用した。塗布時間は、オートクレーブ中、110℃で6時間であった。その後、木材を80℃で30分間乾燥させ、5%クエン酸に室温で1時間浸漬し、最後に130℃で30分間乾燥させた。
【0224】
パステル色調の着色
パステル色調の着色には0.05〜0.2%溶液を使用した。塗布時間は、オートクレーブ中、110℃で6時間であった。その後、木材を80℃で30分間乾燥させ、5%クエン酸に室温で1時間浸漬し、最後に130℃で30分間乾燥させた。
【0225】
耐候装置(ATLAS WOM 6500Wキセノン放射装置)による外気への曝露試験
着色したサンプルをフレーム(幅44〜66mm)に取り付け、下記のパラメータで耐候装置により600時間まで照射した。
フィルターシステム:内部フィルタ:石英/外部フィルタ:ホウケイ酸塩であり、下記に対応する。
0.35W/m2で340nm又は0.126J/cm2/h
340〜420nm:17〜18J/cm2/h
340〜700nm:122〜125J/cm2/h
ブラックパネル温度:63℃
相対湿度:60%
明度(L)、彩度(C)及び色相(h)を、照射前と25、50、120、240、360、480及び600時間の外気への曝露後に、分光光度計を使用して測定した。対応する色差及び全体的な色差ΔE*をそれらから計算した。
【0226】
応用例1:木材の着色
1〜5個の黒アオギリ(dark obeche)の木片(115×30×1mm)を、密閉容器(L=130mm、直径36mm)中、脱イオン水中の1.0%化合物A1+0.15%NaHCO3+0.1%Invadinの溶液に浸漬し、連続して回転しながら110℃で6時間着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一の浸透を示す暗赤色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。
【0227】
応用例2:木材の着色
1〜5個の漂白したアオギリの木片を、応用例1と同様に、脱イオン水中の0.05%化合物A1+0.1%NaHCO3+0.1%Invadinの溶液に110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一の浸透を示す明赤色の木片を得た。
【0228】
応用例3:木材の着色
1〜5個の黒アオギリの木片(115×30×1mm)を、応用例1と同様に、脱イオン水中の0.55%化合物D1+0.15%NaHCO3+0.1%Invadinの溶液中、110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、良好な浸透を示す暗青色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。処理の後、着色剤は水に不溶性であった(ブリーディングがなかった)。
【0229】
応用例4:木材の着色
1〜5個の黒アオギリの木片(115×30×1mm)を、応用例1と同様に、温脱イオン水中の0.5%化合物F4+0.35%Na2CO3+0.1%Invadinの溶液中、110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一な浸透を示す黄色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。処理の後、着色剤は水に不溶性であった(ブリーディングがなかった)。
【0230】
応用例5:インクジェットプリント
化合物D9(4当量の水酸化テトラメチルアンモニウム)及び化合物D10(8当量の水酸化テトラメチルアンモニウム)をインク(2.5重量%濃度溶液)で試験した。これらは、バブルジェットプリンター及び圧電式プリンターを使用するプリントにおいて、良好なプリントの結果を示した。色度及び色相は、スルホンアミド基で置換されていない化合物の色度及び色相により予想される範囲内であった。耐水性は極めて良好であった。
【0231】
応用例6:木材の着色
1〜5個の黒アオギリの木片(115×30×1mm)を、応用例1と同様に、温脱イオン水中の0.05%化合物E1+0.15%Na2CO3+0.1%Invadinの溶液中、110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一な浸透を示す黄色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。処理の後、着色剤は水に不溶性であった(ブリーディングがなかった)。
【0232】
応用例7:陽極酸化アルミニウムの着色
脱脂し、脱酸素した、純粋なアルミニウムシートを、100部当たり硫酸18〜22部及び硫酸アルミニウム1.2〜7.5部を含む水溶液中、18〜20℃の温度、電圧15〜16ボルト、密度1.5A/dm2の直流電流により、30〜40分間、陽極的に酸化した。約18〜20μm厚の酸化皮膜が、多孔率17%を有して形成された。水ですすいだ後、陽極酸化アルミニウムシートを、脱イオン水100部当たり着色剤D−54 0.5部を含有する溶液(酢酸及び酢酸ナトリウムによりpHを5.5に調製した)中、60℃で40分間着色した。次にalox皮膜を、脱イオン水中の酢酸ニッケル2g/リットル及びP3-almeco seal(登録商標)(Henkel)2g/リットルの溶液中、40℃で20分間シーリングし、次に沸騰している脱イオン水中、40分間再びシーリングした。次にサンプルをAtlas-Weather-O-meter Ci 65 Aで外気への曝露した。1500時間後に得られた色差ΔEは、5.0であった。同様の結果が着色剤D−55で得られた。
【0233】
化合物A1を全色調の着色及びパステル色調の着色に関して試験した。浸透を測定し、光安定性を標準染料C.I. Acid Red 194及び361の光安定性と比較した。化合物A1は、極めて良好な浸透を示し、ブリーディングを示さなかった。酸処理が化合物Aの着色で省略されている場合、このような方法で得られたアオギリベニヤ板は、軽度のブリーディングを示した。20時間の外気への曝露後、化合物A1は、染料C.I. Acid Red 194及び361より約4倍優れた安定性を示した。酸により処理されていない化合物A1は、僅かに劣る安定性を示した。パステル色調において、50時間の外気への曝露後、化合物A1は、染料C.I. Acid Red 194及び361よりも2倍低いΔE*を示した。
【0234】
化合物B2及びB3を、全色調及びパステル色調において、標準染料C.I. Acid Red 194及び361と比較して試験した。120時間の外気への曝露後、化合物B2は、全色調において、C.I. Acid Red 194及び361よりも約2倍低いΔE*を示し、化合物B3は、C.I. Acid Red 194及び361よりも約4倍低いΔE*を示した。パステル色調において、20時間の外気への曝露後、化合物B2及びB3の両方は、C.I. Acid Red 194及び361よりも約2倍低いΔE*を示した。木材母材への浸透は、化合物B2及びB3の両方が良好であった。幾つかの化合物の塗布後の色違いが、興味深い点であった。化合物A1は、赤色の色合いになり、化合物B4は、茶色を帯びた赤色の色合いになり、化合物B5は、橙色−赤色の色合いになった。
【0235】
化合物D1、D8、D12及びD40の耐光堅ロウ度を、全色調及びパステル色調において、標準染料C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258と比較した。銅フタロシアニン誘導体である化合物D8及びD12は、全色調において、120時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示し、共溶媒として10%メトキシプロパノールを使用すると、木材母材への許容しうる浸透を示した。600時間の外気への曝露後、全色調において僅か5のΔE*を示した化合物D8の耐光堅ロウ度は、特筆すべきである。パステル色調において、化合物D8及びD12は、50時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示した。亜鉛フタロシアニン誘導体(化合物D40)は、耐光堅ロウ度に関して、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも僅かに良好であることを示し、銅フタロシアニン誘導体よりも良好に木材母材に浸透することを示した。
【0001】
本発明は、多孔質材料の着色及びインクジェットプリントにおいて、着色剤として使用することができ、着色する場合、不溶性顔料の形態に変換される、スルホンアミドの水溶性塩に関する。スルホンアミドの水溶性塩は、多孔質材料の着色、例えば、多孔の木材又は陽極酸化アルミニウムの着色においては、極めて良好な浸透及び耐光堅ロウ度をもたらし、インクジェットプリントにおいては、極めて良好な耐水性をもたらす。
【0002】
DE−A−2757226は、スルホンアミド基を有するモノ−又はジスアゾ染料をアルカリ性水溶液中で繊維材料に塗布し、続いて酸pHの範囲で酸処理することにより繊維材料に固着させる、完全に又は部分的にセルロースよりなる繊維材料の染色方法を記載している。染め物は、使用における良好な堅ロウ性、特に洗濯堅ロウ性を示す。
【0003】
水溶性フタロシアニン染料がEP−A−0024677に記載されている。これらは少なくとも1個の−SO2−NH−CN基で置換され、1個の−SO2−NY1Y2基(ここで、Y1及びY2は、水素原子又は非置換若しくは置換アルキル基を示す)を含むことができる。フタロシアニン染料は、繊維材料の浸染及び捺染用の水溶性染料として適しており、そのアンモニウム塩の形態で使用することが好ましい。これらは一般的に中性又は酸性の水性媒体中に加えられ、中温又は高温で材料に固着される。
【0004】
US−A−3972904は、下記式:
F−A−C(O)−N(Me)SO3Me
(式中、Fは、水不溶性染料の基であり、Aは、−O−、−S−、−NY3−(ここで、Y3=H、アルキル等)であり、そしてMeは、アルキル金属原子又はアンモニウムイオンである)で示される水溶性ナトリウム又はアンモニウム塩に関する。水不溶性染料は、OH−、SH−又はNHY3基を含有しなければならない。塩はポリエステルの染色に使用される。水溶性染料の再生は、加熱により達成される。
【0005】
DE−A−19711445は、下記式:
【0006】
【化41】
【0007】
(式中、Chrは、金属を含まないか、金属を含むフタロシアニン、キナクリドン、モノ−、ジス−若しくはポリアゾ染料、アントラキノン又は銅ホルマザンシリーズからの発色団の(m+n)価基であり、Arは、非置換若しくは置換フェニル、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、Y1 +は、金属カチオン又はアンモニウムイオンであり、Y2 +は、プロトン、金属カチオン又はアンモニウムイオンであり、aは、1〜6であり、bは、1〜6であり、aとbの合計は、最大6である)で示される染料塩、及び高分子材料の染色における染料塩の使用に関する。
【0008】
DE−A−19958181は、スルホン酸基に加えて、スルホンアミド基を含有する、ジケトピロロピロールベースの顔料分散体を開示している。
【0009】
GB−1198501は、式:フタロシアニン−(Y−Y4)n
(式中、Yは、−SO2NH−、CH2SO2−NH−フェニレン−O−又はCH2SO2NH−フェニレン−C(O)O−基であることができ、そしてY4は、低級アルキル又はアシルオキシ低級アルキル基を示す)で示される染料を使用するポリエステルの染色方法に関する(実施例10、11及び12を参照)。
【0010】
US−A−4000965は、モノアゾ、ジスアゾ若しくはポリアゾ染料又はアゾメチン染料の1:2クロム又は1:2コバルト錯体の安定した溶液を、ヒドロキシ基を含有する有機溶媒中、又はアルカリリチウム塩の存在下、水を有するその混合物中で得ることができることを開示している。−SO2NY5Na基(ここで、Y5は、水素原子又はアルキル、アリール若しくはアシル基であることができる)を有し、下記式:
8{H2F1−SO2NY5}-Na++O2+4LiOH+4CoCl2→
{4F1−NH−SO2−Y5=Co=F1−SO2NHY5}-Li++8NaCl+6 H2O
(式中、Y5は、上記と同義であり、そしてF1は、上記染料のうちの1つの基である)に従って金属錯体染料に変換される、金属錯体染料の金属を含有しない中間体のナトリウム塩を記載している(US−A−3617176も参照)。
【0011】
DE−A−2545393は、SO3Met基又はSO2−NMet−SO2基(ここで、Metは、アルカリ金属である)及び少なくとも更に1個の酸性基を有し、ここで、少なくとも酸性基の20%がアルカリ塩(ここで、酸性基は、pHが8を超えるときにのみアルカリ塩を形成する)に変換されている、錯体結合金属を含まない、染料塩を記載している。
【0012】
pH>8でのみアルカリ塩を形成する適切な酸性基は、フェノール性及びエノール性OH基であり、式:−SO2NH−Y6(式中、Y6は、水素、非置換若しくは置換C1 〜 4アルキル、アリール又はアラルキルである)のスルホン酸アミド基が好都合である。染料塩は、温水及び冷水の両方で極めて容易に溶解する。
【0013】
スルホンアミド基で変性されている多数の顔料が記載されている。しかし、スルホンアミド基のその塩形態への変換、並びに多孔質材料の着色用及びインクジェットプリント用のそのように変性された顔料の使用は、記載されていない。
【0014】
WO−98/58027(一般的な多孔質材料)、WO00/36210(木材)、EP00/09376(木材)、EP−A−1044945(鉛筆の芯)、WO00/17275(カラーフィルタ)及びWO00/27930(金属酸化物)は、可溶性の顔料前駆体から出発する、多孔質材料の着色に関する。
【0015】
したがって、本発明の課題は、不溶性顔料の形態に容易に変換することができ、多孔質材料、例えば木材の着色においては、極めて良好な浸透及び極めて良好な耐光堅ロウ度をもたらし、インクジェットプリントにおいては、極めて良好な耐水性をもたらすことのできる、水溶性着色剤を提供することである。
【0016】
驚くべきことに、現在、第一級又は第二級スルホンアミド基の塩を安定化基として使用することにより、この問題が解決されることが見出された。
【0017】
したがって、本発明は、一般式(I)又は(II):
【0018】
【化42】
【0019】
{式中、n及びn′は、0〜4の値を示し、
m及びm′は、1〜8の値を示し、m+nの合計及びm′+n′の合計は、8以下であり、
zは、1〜5、特に1の整数であり、
Aは、1−アミノアントラキノン、アントラキノン、アントラピリミジン、アゾ、アゾメチン、ベンゾジフラノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、フラバントロン、インダントロン、インジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ペリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピラントロン又はチオインジゴシリーズの発色団の基であり、
A′は、1−アミノアントラキノンのような1個以上の第一級アミノ基をすでに含有している発色団の基であるか、又はA′は、1〜8個、好ましくは1〜4個のアミノ基で変性されている、Aで示された発色団基のうちの1個であり、
Catは、アルカリ金属カチオン又はアンモニウムカチオンであり、
B及びB′は、相互に独立して、分岐鎖状若しくは直鎖状C1 〜 8アルキル、C2 〜 8アルケニル、C2 〜 8アルキニル、アリール、N−、O−若しくはS−含有5員又は6員複素環、C1 〜 8アルキルアリーレン、アリール−C1 〜 8アルキレン又はアリール−L−アリーレン基〔これらは、1個以上の基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4及び/又は−NR5R6で置換されていてよく、ここで、C1 〜 8アルキル基は、非中断であるか又は−O−若しくは−S−により1回以上中断されていることができ、
R1、R2、R3及びR4は、相互に独立して、C1 〜 8アルキル基、C7 〜 11アラルキル基又はC6 〜 10アリール基であり、R4は、更に水素原子であることができ、
Lは、結合、−NR7(ここで、R7は、水素原子又はC1 〜 4アルキル基)又は−N=N−基であり、R5及びR6は、相互に独立して、水素原子、C1 〜 8アルキル基、C1 〜 4アルコキシ−C1 〜 4アルキル基、C6 〜 10アリール基、C7 〜 11アラルキル基又は基−(CH2)oOH(ここで、oは、2〜6の整数である)である〕であり、Bは、更に水素原子であることができ、
B及びB′は、発色団A又はA′内で、異なる置換基の意味を有することが可能である}で示される着色剤に関する。
【0020】
本発明は、また、多孔質材料の着色、特に、多孔の木材又は陽極酸化アルミニウムの着色及びインクジェットプリントにおける一般式(I)及び(II)の着色剤の使用、多孔質材料を着色する方法、特に、木材又は陽極酸化アルミニウムを着色する方法であって、
a)基材を一般式(I)又は(II)の着色剤の水溶液で処理することと、
b)式(I′)又は(II′):
【0021】
【化43】
【0022】
(式中、A及びA′、B及びB′、m及びm′、n及びn′は、上記1と同義である)の顔料をそれぞれ着色剤に変換すること、を含む方法、その方法により得られる多孔質材料、並びに一般式(I′)又は(II′)の顔料を含有する多孔質材料に関する。
【0023】
第二級又は第一級スルホンアミド基を有する不溶性顔料は、塩の形態、特にアンモニウム、ナトリウム又はカリウム塩の形態で水溶性にすることができる。着色剤は、例えば酸を加えることによるプロトン化により、水不溶性顔料の形態にまた変換される。
【0024】
たとえ濃度が極めて希薄でも、本発明の着色剤を使用して着色された木質材料は、極めて良好な浸透及び極めて良好な耐光堅ロウ度を示す。陽極酸化アルミニウム着色においても、本発明の着色剤により良好な結果、すなわち、均質な色合い及び極めて良好な耐光堅ロウ度が得られる。インクジェットプリントでは、特に、本発明の着色剤による極めて良好な耐水性を挙げることができる。
【0025】
基B及びB′において、基は下記の意味を有することができる。
アルキル又はアルキレンは、直鎖状又は分岐鎖状であることができる。
C1 〜 8アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル又はオクチルであり、これらは非置換であるか又は−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6(ここで、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記と同義である)で置換されていてよい。
【0026】
孤立しているか、又は共役していることができる2個の二重結合を含むこともできるC2 〜 8アルケニルの例は、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル又は1,4−ペンタジエン−3−イルであり、これらは非置換であるか又は−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6(ここで、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記と同義である)で置換されていてよい。
【0027】
好ましくは、特に、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6で末端を置換されている直鎖状C1 〜 5アルキル及びC2 〜 5アルケニル基である。−O−又は−S−により1回以上中断されているC2 〜 8アルキルは、例えば、−O−及び/又は−S−により1、2又は3回中断されており、その結果、例えば、−(CH2)2OCH3、−(CH2CH2O)2CH2CH3、−CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−〔CH2CH2O〕y−CH3(ここで、y=1〜3)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3又は−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3のような構造単位となり、これらは、非置換であるか、又は−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6で置換されていてよい。
【0028】
C2 〜 8アルキニルの例は、エチニル、1−プロピン−1−イル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−1−イル、2−ペンチン−1−イル及び3−ペンチン−2−イルである。
【0029】
C1〜C8アルキレンは、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、sec−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、−CH(CH3)−CH2−、−CH(CH3)−(CH2)2−、−CH(CH3)−(CH2)3−、−C(CH3)2−CH2−又は下記式:
【0030】
【化44】
【0031】
のような直鎖状又は分岐鎖状アルキレンであり、1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基が好ましい。
【0032】
−O−又は−S−で中断されているアルキレン基は、例えば、−CH2−O−CH2−、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH(CH3)−、−CH2−S−CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−又は−CH2CH2CH2−S−CH2CH2CH2−のような構造単位となる。
【0033】
直鎖状又は分岐鎖状であることができるC1 〜 8アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ及び2−エチルヘキシルオキシである。
本発明によると、アリールは、特に、6〜12個の炭素原子を有するアリール基を意味すると理解され、その例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルであり、これらは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル若しくはtert−ブチルのような直鎖状又は分岐鎖状C1 〜 4アルキル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ若しくはtert−ブトキシのような直鎖状又は分岐鎖状C1 〜 4アルコキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ若しくはtert−ブチルチオのような直鎖状又は分岐鎖状C1 〜 4アルキルチオ、−OH、−SH、−OCat、−SCatあるいは基(CH2)e−E〔ここで、eは、1〜6、特に2又は3の整数であり、Eは、水素原子、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4又は−NR5R6(ここで、R1、R2、R3及びR4は、相互に独立して、C1 〜 4アルキル基、特にメチル又はエチルであり、そしてR5及びR6は、基−(CH2)oOH,(ここで、oは、2〜6、特に2又は3の整数である)である)であり、そしてCatは、アルカリ金属カチオン、特にナトリウム又はカリウムカチオン、非置換アンモニウム又はアンモニウムカチオンである〕で1、2又は3回置換されていてよい。
【0034】
好ましくは、−OH、メトキシ、(CH2)2OH、−OCat及び(CH2)2OCatから選択される1、2又は3個の基で置換されていてよいフェニル基であり、例えば、3,4,5−トリメトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル及び2−ヒドロキシ−1−エチルフェニルである。
【0035】
非置換又は置換されていてよいC7 〜 11アラルキル基の例は、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル及びω−フェニル−ブチルである。
【0036】
O−、S−又はN−含有5員若しくは6員複素環は、例えば、ピロリル、オキシニル、ジオキシニル、2−チエニル、2−フリル、1−ピラゾリル、2−ピリジル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリルあるいはチオフェン、フラン、ピリジン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジン及びベンゼン環からなるその他の任意の環系であり、非置換又は1〜6個のエチル、メチル、エチレン及び/若しくはメチレン置換基で置換されている。
【0037】
発色団A及びA′内のB及びB′は、異なる置換基の意味を有することができる、すなわち、本発明によると、例えば下記式:
【0038】
【化45】
【0039】
の銅フタロシアニンも含まれる。
【0040】
式(I)及び(II)、並びに基−OCat及び−SCatにおけるカチオンCatとして適切なものは、一般的に、スルホンアミドと水溶性塩を形成することができる基である。これらは、例えば、ストロンチウム又はカルシウムカチオンのようなアルカリ土類金属カチオン、アルカリ金属イオン、特にリチウム、ナトリウム及びカリウムカチオン、及び式:+NR31R32R33R34〔式中、R31、R32、R33及びR34は、相互に独立して、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状C1 〜 16アルキル基(これは、非置換であるか又は1個以上のC1 〜 4アルコキシ基で置換されている)、直鎖状若しくは分岐鎖状C2 〜 16アルキニル基、ヒドロキシ−C1 〜 8アルキル基、特にヒドロキシ−C1 〜 4アルキル基、非置換であるか、又は1個以上のC1 〜 4アルキル基、C1 〜 4アルコキシ基若しくはヒドロキシ基で置換されているC6 〜 12アリール基、特に、ヒドロキシ基で置換されているフェニル基、あるいはフェニル−C1 〜 4アルキルのようなC7 〜 11アラルキル基であり、ここで、基R31、R32、R33及びR34のうちの少なくとも1個は水素原子以外であるか、又は基R31、R32、R33及びR34のうちの2個は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5員若しくは6員環(これは、例えばS、N又はOのような追加のヘテロ原子を含むことができる)を形成する〕で示される第四級アンモニウムカチオン、特に非置換アンモニウム及びアンモニウムカチオンである。
【0041】
特に好ましいアンモニウムカチオンの例は、下記である。
−非置換アンモニウム、
−モノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−C1 〜 4アルキルアンモニウム、例えば、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、3−プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、sec−ブチルアンモニウム、イソブチルアンモニウム、1,2−ジメチルプロピルアンモニウム若しくは2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、ジイソブチルアンモニウム、ジ−sec−ブチルアンモニウム、ジ−2−エチルヘキシル−アンモニウム、N−メチル−n−ブチルアンモニウム若しくはN−エチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチル−若しくはトリエチル−アンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルエチル−アンモニウム、N,N−ジメチルイソプロプルアンモニウム、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム、又は(CH3)2((CH3O)2CHCH2)NH+、
−モノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−C8 〜 16アルキルアンモニウム、例えば、下記式:
【0042】
【化46】
【0043】
(Primene 81R(登録商標)のアンモニウムカチオンの理想化された表記)、
−C1 〜 4アルコキシ−C1 〜 4アルキルアンモニウム、例えば、2−メトキシエチルアンモニウム、ビス(2−メトキシエチル)アンモニウム、3−メトキシプロピルアンモニウム又はエトキシプロピルアンモニウム、
−モノ−、ジ−又はトリ(ヒドロキシ−C1 〜 4アルキル)アンモニウム、例えば、モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアンモニウム、モノ−、ジ−又はトリ−イソプロパノールアンモニウム、N−メチル−又はN,N−ジメチル−エタノールアンモニウム、−プロパノールアンモニウム若しくは−イソプロパノールアンモニウム、N−メチル−ジエタノールアンモニウム、−ジプロパノールアンモニウム若しくは−ジイソプロピルアンモニウム、N−エチル−ジエタノールアンモニウム、−ジプロパノールアンモニウム若しくは−ジイソプロパノールアンモニウム、N−プロピル−ジエタノールアンモニウム、−ジプロパノールアンモニウム若しくは−ジイソプロピルアンモニウム、
−N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウム、N−(2−若しくは3−ヒドロキシプロピル)ピロリジニウム、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジニウム、N−(2−若しくは3−ヒドロキシプロピル)ピペリジニウム、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリニウム、N−(2−若しくは3−ヒドロキシプロピル)モルホリニウム又はN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニウム、及び
−下記式:
【0044】
【化47】
【0045】
特に、下記式、
【0046】
【化48】
【0047】
例えば、2−、3−又は4−ヒドロキシ−フェニルアンモニウム〔ここで式中、R35は、ヒドロキシ基、C1 〜 8アルコキシ基、カルボン酸基又はCOOR36(ここで、R36は、C1 〜 8アルキル基、C6 〜 10アリール基又はC7 〜 11アラルキル基である)である〕。テトラメチルアンモニウム及びテトラエチルアンモニウム塩がインクジェットプリントに特に適している。下記式:
【0048】
【化49】
【0049】
のアンモニウムカチオンが耐光堅ロウ度の増強に寄与することができる。
【0050】
適切なものは、また、ポリアンモニウム塩、特にジアンモニウム化合物である。好ましいジアンモニウム化合物は、下記のアミン類から誘導される。1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノ−1−メチルエタン、1,2−ジアミノ−1,2−ジメチルエタン、1,2−ジアミノ−1,1−ジメチルエタン、1,2−ジアミノプロパン,1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、N−メチル−1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアザシクロヘキサン、1,2−ジアミノ−1,1−ジメチルエタン、2,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−ヒドロキシエチル−1,2−ジアミノエタン、1−エチル−1,3−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2,3−ジアミノ−2,3−ジメチルブタン、N−2−アミノエチルモルホリン、1,6−ジアミノヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、N,N−ジヒドロキシエチル−1,2−ジアミノエタン、N,N−ジメチル−1,2−ジアミノエタン、4,9−ジオキサ−1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1−アミノ−2−アミノメチル−2−メチル−4,4−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジアミノメチルシクロヘキサン、N−2−アミノエチルピペラジン、1,1−ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)メタン、N,N′−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン及びN,N′−ジメチル−N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン。
【0051】
基−OR1、−SR2、−C(O)OR3及び−C(O)R4において、R1、R2、R3及びR4は、とりわけ、下記の意味を有することができる。
C1 〜 4アルキルとしてのR1、R2、R3及びR4は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、好ましくは、メチル又はエチルであり、そして、C6 〜 12アリールとしては、フェニル、ビフェニル又はナフチルであり、好ましくはフェニルである。
【0052】
−NR5R6基において、R5及びR6は、水素原子に加えて、C1 〜 4アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、好ましくはメチル又はエチルであるか、あるいは基−(CH2)oOH(ここで、oは、1〜6、特に2又は3の整数である)であり、そして窒素原子は、好ましくは対称的に置換されている。
【0053】
B及びB′は、特に下記の基から好ましく選択される。
水素原子、−(CH2)e−E及び下記式:
【0054】
【化50】
【0055】
〔ここで、eは、1〜6、特に2又は3の整数であり、Eは、水素原子、基OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6又は−C(O)OR3であり、X、Y及びZは、相互に独立して、水素原子、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6及び−C(O)OR3(ここで、R1、R2及びR3は、相互に独立して、C1 〜 4アルキル基、特にメチル又はエチルであり、R5及びR6は、基−(CH2)oOH(ここで、oは、2〜6の整数である)であり、そしてCatは、好ましいものとして上述された、ナトリウム若しくはカリウムカチオン、非置換アンモニウム又はアンモニウムカチオンである)から選択される〕。
【0056】
A′は、1−アミノアントラキノンのような1個以上の第一級アミノ基をすでに含有している発色団の基であるか、又は1〜8個、好ましくは1〜4個のアミノ基で置換されている、Aで示された発色団の基のうちの1個であり、例えば、下記式:
【0057】
【化51】
【0058】
(式中、oは、1〜8の値、好ましくは1〜4の値を示す)である(EP−A−311562参照)。
【0059】
Aは、基本構造:A(H)m+nを有する既知の発色団の基である。そのような発色団の例は、例えば、W. Herbst, K. Hunger, Industrielle Organische Pigmente, 2nd completely revised edition, VCH 1995に記載されている。原則として、その基構造を1個以上のスルホンアミド基で変性することのできる発色団は、全て適切である。発色団は、通常、1−アミノ−アントラキノン、アントラキノン、アントラピリミジン、アゾ、アゾメチン、ベンゾジフラノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、フラバントロン、インダントロン、インジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ペリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピラントロン又はチオインジゴシリーズから選択される。
【0060】
本発明のスルホンアミド塩の出発化合物として使用することができ、上記の顔料の類に属する顔料(及びその置換されている誘導体)の例は、W. Herbst, K. Hunger, Industrielle Organische Pigmente, 2nd completely revised edition, VCH 1995に記載されており、1−アミノ−アントラキノン顔料が、503〜511頁、アントラキノン顔料が、504〜506頁、513〜521頁及び521〜530頁、アントラピリミジンが、513〜415頁、アゾ顔料が、219〜324頁及び380〜398頁、アゾメチン顔料が402〜411頁、キナクリドン顔料が、462〜481頁、キナクリドンキノン顔料が、467〜468頁、キノフタロン顔料が、567〜570頁、ジケトピロロピロール顔料が、570〜574頁、ジオキサジン顔料が、531〜538頁、フラバントロン顔料が、517〜519頁、521頁、インダントロン顔料が、515〜517頁、イソインドリン顔料が、413〜429頁、イソインドリノン顔料が、413〜429頁、イソビオラントロン顔料が、528〜530頁、ペリノン顔料が、482〜492頁、ペリレン顔料が、482〜496頁、フタロシアニン顔料が、431〜460頁、ピラントロン顔料が、522〜526頁、チオインジゴ顔料(インジゴ顔料)が、497〜500頁に記載されており、固溶体を含む、このような顔料の混合物の使用も可能である。
【0061】
意図される使用に応じて、一般的に、幾つかのスルホンアミド基のみが塩形態に変換されることができる。木材の着色では、分子に存在する事実上全てのスルホンアミド基を塩形態に変換すること、すなわち、式(I)及び(II)において、n及びn′が0であることが本発明にとって好ましい、陽極酸化アルミニウムの着色では、適切なpH値を得るために、幾つかのスルホンアミド基のみを塩形態に変換すること、すなわち、式(I)及び(II)において、n及びn′が≧1であることが好都合でありうる。
【0062】
式(I)の着色剤が式(II)のものよりも好ましい。
【0063】
式(I)の着色剤のうち、好ましくは、Bが、上記と同義であり、そしてCatが、アルカリ金属カチオン、特に、好ましいものとして上述されているナトリウム若しくはカリウムカチオン、非置換アンモニウム又はアンモニウムカチオンである、以下のものである。
式(X)又は(XI):
【0064】
【化52】
【0065】
(式中、X1は、下記式:
【0066】
【化53】
【0067】
の基であり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を示す)で示される1−アミノアントラキノン及びアントラキノン顔料の塩、
式(XII):
【0068】
【化54】
【0069】
(式中、R11及びR12は、相互に独立して、水素、ハロゲン、C1〜C24アルキル、C1〜C6アルコキシ又はフェニルであり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を示す)で示されるキナクリドン顔料の塩、
式(XIII):
【0070】
【化55】
【0071】
〔式中、Ar1及びAr2は、相互に独立して、下記式:、
【0072】
【化56】
【0073】
(式中、Tは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−又は−NR13−(ここで、R13は、水素又はC1 〜 6アルキル、特にメチル若しくはエチルであり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を意味する)の基である〕で示されるピロロ〔3,4−c〕ピロールの塩、
式(XIV)、(XV)又は(XV):
【0074】
【化57】
【0075】
(式中、X2は、C1 〜 4アルコキシ基、特にエトキシであり、X3は、C1 〜 4アシルアミノ基、特にアセチルアミノ基又はベンゾイルアミノ基であり、X4は、塩素原子又は基NHC(O)CH3であり、X7は、水素原子、C1 〜 8アルキル基、置換又は非置換フェニル、ベンジル、ベンズアニリド若しくはナフチル基、C5 〜 7シクロアルキル基又は下記式:
【0076】
【化58】
【0077】
であり、X8は、水素原子又はC1 〜 4アルキル基であり、そしてmは、1〜4の値を示す)で示されるジオキサジンの塩、
式(XVI):
【0078】
【化59】
【0079】
(式中、mは、1〜4、特に2〜3の値を示す)で示されるフラバントロンの塩、
式(XVII):
【0080】
【化60】
【0081】
(式中、X5は、水素又は塩素原子であり、そしてmは、1〜4、好ましくは2〜3の値を示す)で示されるインダントロンの塩、
式(XVIII):
【0082】
【化61】
【0083】
(式中、R14は、水素、CN、C1 〜 6アルキル、C1 〜 6アルコキシ又はハロゲンであり、そしてmは、1〜3の値を示す)で示されるインジゴ誘導体の塩、
式(XIX):
【0084】
【化62】
【0085】
(式中、mは、1〜4の値を意味する)で示されるイソビオラントロンの塩、
式(XX)及び/又は(XXI):
【0086】
【化63】
【0087】
(式中、mは、1〜4の値を意味する)で示されるペリノン顔料の塩、
式(XXII):
【0088】
【化64】
【0089】
〔式中、X6は、O又はNR15(ここで、R15は、H、CH3あるいは非置換若しくは置換フェニル又はC7 〜 11アラルキル、例えば、ベンジル又は2−フェニルエチルである)であり、そしてmは、1〜4、特に2〜3の値を示す(ここで、フェニル環は、メチル、メトキシ、エトキシ又は−N=N−Phで置換されることが可能である)〕で示されるペリレンの塩、
式(XXIII):
【0090】
【化65】
【0091】
(式中、Mは、H2、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Sn(II)、Co(II)及びPb(II)の群から選択される二価金属又はV(O)、Mn(O)及びTiOの群から選択される二価オキソ金属であり、そしてmは、2〜6、特に3〜5の値を示す)で示されるフタロシアニンの塩、
式(XXIV):
【0092】
【化66】
【0093】
で示されるピラントロン顔料の塩、並びに基本構造をブロモ−、クロロ−、又はブロモ及びクロロ−ハロゲン化した誘導体、例えば、2,10−ジクロロ、4,6−及び6,14−ジブロモ誘導体(ここで、mは、2〜4の値を示す)、
式(XXV):
【0094】
【化67】
【0095】
(式中、R16は、水素、CN、C1 〜 6アルキル、特にメチル、C1 〜 6アルコキシ、特にメトキシ又はハロゲン、特に塩素であり、そしてmは、1〜3の値を示す)で示されるチオインジゴ誘導体の塩、
式(XXVIa):
【0096】
【化68】
【0097】
(式中、mは、1〜4の値を示す)で示されるモノアゾイエロー及びオレンジ顔料の塩、
式(XXVIb):
【0098】
【化69】
【0099】
(式中、mは、2〜4の値を示す)で示されるジアリールイエロー顔料の塩、
式(XXVIc):
【0100】
【化70】
【0101】
(式中、mは、2〜6の値を示し、
R17〜R21は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル、C1 〜 6アルコキシ、ニトロ基又はアセチル基であり、
R22は、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル又はC1 〜 6アルコキシである)で示されるナフトールAS顔料の塩、
式(XXVII):
【0102】
【化71】
【0103】
(式中、R23は、水素、ハロゲン、C1 〜 4アルキル、C1 〜 4アルコキシカルボニル、C1 〜 4アルキルカルボニル、C1 〜 4アルカノイルアミノである)で示されるモノアゾキノロン顔料(モノアゾキノロン顔料の調製はEP01/12178に記載されている)の塩、
式(XXVIII):
【0104】
【化72】
【0105】
〔式中、R41は、水素原子、メチル若しくはエチルのようなC1 〜 4アルキル基、トリフルオロメチルのようなペルフルオロ−C1 〜 4アルキル基、ヒドロキシ−C1 〜 4アルキル基、CH2CH2CH2−O−CH(CH3)2のような−O−で1回以上中断されているC1 〜 8アルキル基、フェニルのようなC6 〜 10アリール基、又はベンジルのようなC7 〜 12アラルキル基であり、
R42は、水素原子又はシアノ若しくはカルボンアミド基であり、
R43は、水素原子、カルボン酸基若しくはその塩、又はC1 〜 4アルキル基であり、
R44及びR45は、メチル若しくはエチルのようなC1 〜 4アルキル基、トリフルオロメチルのようなペルフルオロ−C1 〜 4アルキル基、メトキシ若しくはエトキシのようなC1 〜 4アルコキシ基、ニトロ基、塩素のようなハロゲン原子、COOR46(ここでR46は、C1 〜 4アルキル基である)、フェニル若しくは1,4−ジクロロフェニルのような、非置換若しくは置換(例えば1若しくは2個の塩素原子で置換されている)C6 〜 10アリール基、ベンジルようなC7 〜 12アラルキル基、CONHR47(ここで、R47は、C1 〜 4アルキル基である)、フェニルのようなC6 〜 10アリール基、又はベンジルのようなC7 〜 12アラルキル基を示し、そしてmは、1〜2の値を示す〕で示されるアゾ顔料の塩、
式(XXIX):
【0106】
【化73】
【0107】
〔式中、X9、X10、X11及びX12は、CN、CONH−C1 〜 8アルキル又はCONH−C6 〜 10アリールであるか、あるいはX9とX10及び/又はX11とX12は、それぞれ下記式:
【0108】
【化74】
【0109】
(式中、X13は、水素原子又はC6 〜 10アリール基である)のような複素環の員であり、そしてmは、1〜4の値を示す〕で示されるイソインドリン顔料の塩、
式(XXX):
【0110】
【化75】
【0111】
〔式中、X14は、芳香族又は複素環式芳香族ジアミンの基、例えば、下記式:
【0112】
【化76】
【0113】
(式中、p1及びp2は、0又は1であり、X18及びX19は、水素原子、C1 〜 4アルキル基、C1 〜 4アルコキシ基又は塩素原子であり、X17は、基−CH2−、−CH=CH−又は−N=N−であり、X15及びX16は、水素原子、C1 〜 4アルキル基、C1 〜 4アルコキシ基、ニトロ基又は塩素原子であり、そしてmは、1〜3の値を示す)である〕で示されるイソインドリン顔料の塩
(ここで、B及びCatは、上記と同義である)。
【0114】
好ましい着色剤は、下記である。
式(III):
【0115】
【化77】
【0116】
(式中、Ar1は下記式:
【0117】
【化78】
【0118】
の基である)で示されるピロロ〔3,4−c〕ピロール誘導体、
式(IV):
【0119】
【化79】
【0120】
(式中、Mは、Cu(II)又はZn(II)であり、そしてmは、3〜5の値を示す)で示されるフタロシアニン誘導体、
式(V):
【0121】
【化80】
【0122】
(式中、X5は、水素又は塩素原子であり、そしてmは、2〜4の値を示す)で示されるインダントロン誘導体、及び
式(VI):
【0123】
【化81】
【0124】
(式中、R11及びR12は、相互に独立して、水素、塩素原子又はメチル基であり、mは、1〜4の値を示す)で示されるキナクリドン顔料であり、そしてBは、基−(CH2)e−E又は下記式:
【0125】
【化82】
【0126】
(ここで、eは、1〜6、特に2又は3の整数であり、Eは、水素原子、又は基OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6若しくは−C(O)OR3であり、そしてX、Y及びZは、相互に独立して、水素原子、基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−NR5R6及び−C(O)OR3(ここで、R1、R2及びR3は、相互に独立して、C1 〜 4アルキル基、特にメチル又はエチルであり、そしてR5及びR6は、基−(CH2)oOH(ここで、oは、2〜6、特に2又は3の整数である)を示す)から選択される)であり、そしてCatは、好ましいものとして上述されているナトリウム若しくはカリウムカチオン、又は非置換アンモニウム若しくはアンモニウムカチオン、特に、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム若しくは下記式:
【0127】
【化83】
【0128】
モノ−、ジ−若しくはトリ−エタノールアンモニウム又はモノ−、ジ−若しくはトリ−イソプロパノールアンモニウム、N−メチル−N−エタノールアンモニウムあるいは2−、3−又は4−ヒドロキシメチルアンモニウムである。
【0129】
上記式(III)〜(VI)及び(X)〜(XXX)において、1〜3個の基−SO2NBCatは、基−SO2NHBで置き換えられることができるが、但し、少なくとも1個の基−SO2NBCatが存在するものとする。そのように変性された化合物の例は、下記式(IVa)、(Va)及び(Xa)と下記式(IVb):
式(IVa):
【0130】
【化84】
【0131】
(式中、M、Cat及びBは、式(IV)で定義されたとおりであり、そしてm1及びn1は、1〜4、特に1〜3の値を示し、m1とn1の合計は、3〜5、特に4である)
式(Va):
【0132】
【化85】
【0133】
(式中、B及びCatは、式(V)で定義されたとおりである)、及び
式(Xa):
【0134】
【化86】
【0135】
(式中、B及びCatは、式(X)で定義されたとおりである)で示される、スルホンアミド塩である。
【0136】
−SO2NHB/−SO2NBが、−SO2NH2/−SO2NH、又は−SO2NH2/−SO2NHと−SO2NHB/−SO2NBの混合物のいずれかである、スルホンアミド誘導体が、アルミニウムの着色に特に適している。そのような誘導体の例は、式(IVb):
【0137】
【化87】
【0138】
〔式中、MはCu(II)又はZn(II)であり、m1は、0〜3の値を示し、m2は、1〜4の値を示し、m1とm2の合計は、3〜5、特に4であり、nは、1〜8の値を示し、Bは、基−(CH2)e−E又は下記式:
【0139】
【化88】
【0140】
(ここで、eは、2又は3の整数であり、Eは、水素原子、基−OH、−SH、−OR1、−SR2、−NR5R6又は−C(O)OR3である)であり、そしてCatは、好ましいものとして上述されているナトリウム若しくはカリウムカチオン、又は非置換アンモニウム若しくはアンモニウムカチオンである〕で示されるフタロシアニン誘導体である。
【0141】
着色剤は、特に、C. I. Pigment Yellow 138、139、185、C.I. Pigment Brown 38、C.I. Pigment Orange 66、69、C.I. Pigment Red 260;C. I. Pigment Red 123、149、178、179、190、224、C.I. Pigment Violet 29、C.I. Pigment Black 31、32;C.I. Pigment Blue 15:6;C.I. Pigment Violet 19、C.I. Pigment Red 122、192、202、207及び209;C.I. Pigment Red 254、C.I. Pigment Red 255、C.I. Pigment Red 264、C.I. Pigment Red 272、C.I. Pigment Orange 71、C.I. Pigment Orange 73;C.I. Pigment Blue 60及び64;C.I. Pigment Violet 29、C.I. Pigment Red 123、179、190又はC.I. Pigment Violet 23若しくは37から誘導される。
【0142】
式(I)の着色剤として特に好ましいものは、実施例で示されている、化合物A1、A2、B1〜B5、C1〜C8、D1〜D55、E1〜E8、F1及びG1〜G3であり、化合物D4、D39、D53及びE1〜E8が、木材の着色に特に適切であり、一方、化合物D54及びD55が、アルミニウムの着色において極めて良好な結果をもたらしている。
【0143】
色彩の調和のため又は中間色を作り出すためには、式(I)及び/又は(II)の着色剤の混合物を着色のために使用することも可能である。色の効果を作り出すため、式(I)又は(II)の複数の着色剤を多孔質材料の孔の中へ連続して堆積させることが可能である。
【0144】
好ましくは、本発明の着色剤は、脱プロトン化されうるカルボン酸基、又はスルホン酸基、又はベンゾイミダゾール基を含有しない。
【0145】
本発明の式(I)及び(II)の着色剤は、対応するスルホンアミドをアルカリ金属水酸化物又は水酸化アンモニウム又はアミンと反応させることにより、得ることができる。出発材料として使用されるスルホンアミドは、既知であるか(例えば、GB−A−1198501、US−A−4234486、US−A−6066203等を参照)、又は既知の方法(例えば、US−A−6066203、第3欄、第36行目から第50行目を参照)に従って調製することができる。式(I)の着色剤の場合、有利には顔料をクロロスルホン酸/塩化チオニルと反応させて顔料塩化スルホニルを形成し、次にそれを対応するアミンと反応させて、スルホンアミドを形成する。
【0146】
式(II)の着色剤は、例えば、出発顔料をニトロ化し、得られたニトロ基を還元し、得られたアミノ基を対応するスルホン酸クロリドと反応させるか、又はそれ自体既知の方法を使用して、アミノメチル基を出発顔料に導入し(EP−A−311562参照)、アミノ基を対応するスルホン酸クロリドと反応させることによって得ることができる。
【0147】
本発明は、また、多孔材料の着色、特に、多孔の木材及び陽極酸化アルミニウムの着色のため、及びインクジェットプリントにおける、一般式(I)及び(II)の着色剤の使用に関する。
【0148】
本発明の着色剤は、個別に、又は他の着色剤若しくは、例えば当該用途に慣用の染料との混合物として使用することができる。
【0149】
本発明の着色剤は、一般的に、着色するために有効な量、すなわち、観察角10°で標準光型D65を使用して、着色された材料を未着色の材料と比較したとき、色差をΔE*(CIE−L*a*b*)≧2にするのに十分な量で使用される。量は、着色材料の重量に基づき、好ましくは0.01〜30重量%、特に0.1〜15重量%である。
【0150】
多孔質材料は、天然又は合成由来であってよく、無機質又は有機質であってよい。多孔質材料の例は、周期表の2、3、4、12、13及び14族の元素の酸化物のような多孔質酸化物であり、例えば、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム及びそれらの混合物の酸化物、特に陽極酸化軽金属、特にアルミニウム又はその合金、並びに多孔質合成材料、例えば、多孔質ポリアミド充填剤、特にポリアミド−12、ポリアミド−6又はコ−ポリアミド−6/12充填剤であり、それらの製造は、US−A−4831061、FR−A−2619385及びEP−A−303530に記載されており、商品名Orgasol(登録商標)でAtofinaにより販売されている。多孔質材料の更なる例は、白亜、軽石、焼成クレー、素焼きセラミック、石膏、コンクリート、キーゼルグール、シリカゲル、ゼオライト、木材、紙、皮革、擬革及び毛である。本発明の着色剤は、特に、木材及び陽極酸化アルミニウムの着色に適している。
【0151】
ここで本発明の原理を、木材及びアルミニウムを例にとって記載する。しかし、僅かな変更により、原理を他の任意の多孔質材料に移転できることが明白である。
【0152】
木材は特にあらゆる種類の堅木又は軟材であり、例えば、アオギリ科の木、トネリコ、カバノキ、ポプラ、マツ、トウヒ、モミ、ユリノキ、カエデ、鳥木目カエデ、スズカケノキ、オーク、ブナ、マホガニー、ギンバイカ、アニグレ、テイ(コト)〔tay (koto)〕、マッパバール(mappa burl)、ニレ、ゼブラノ、カルバロ、ヴァボナ又はダニエラ(daniela)である。木材及び木材製品の処理方法及び条件は、専門的な文献により既知であり、本明細書において、特に参照とする。例えば、溶液による処理方法及び条件が、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A28, 305-393 (5th edition 1996)及びKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Vol. 24, 579-611 (3rd edition 1978)で詳細に記載されている。塗布温度を上昇させることもできるが、塗布に必要な最低限の時間内に着色剤の分解が起きないか、又はごく僅かしか起きないため、温度を十分に低くすることが有利である。適切であれば、材料の処理用に知られている更なる物質、例えば、殺菌剤、抗生物質、難燃剤又は撥水剤を、着色剤溶液に加えることも可能である。
【0153】
木材を着色において、着色剤を混合物で使用する場合は、混合物の成分は、好ましくは、顔料形態の成分の色が赤色、黄色、青色、緑色、茶色又は黒色である成分である。特に自然な外観を持つ茶色の色彩を製造することができる。また、これに加える任意の着色剤は、好ましくは、赤色、黄色、青色、緑色、茶色又は黒色である。
【0154】
本発明によると水が溶媒として使用される。適切であれば、アルコール、例えばエタノール若しくはプロパノール、エーテル、例えばジエチルエーテル若しくはメトキシプロパノール、又はケトン、例えばアセトン若しくはメチルエチルケトンのような共溶媒を使用することができ、その量は、一般的に15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。溶媒として水のみを使用することが特に好ましい。
【0155】
着色剤の水中の濃度は、慣用的に0.01重量%から飽和濃度の約99%であるが、塩の早期沈殿を起こさずに、過飽和溶液を使用することが可能な場合もある。多くの着色剤では、最適濃度は、水に基づき、着色剤約0.05〜10重量%、多くの場合約0.1〜5重量%である。式(I)の化合物の溶液は、一般的に、pH6〜11を有する。pHは、とりわけ、着色される材料に左右され、例えば、木材では、好ましくは8〜10であり、アルミニウムでは、好ましくは6〜8である。
【0156】
スルホンアミド塩の水溶液のpHは、下記のパラメータについて、特定の選択をすることにより調整できる。
基B及びB′の性質、
基〔SO2−N−B〕及び/又は〔N−SO2−B〕の数、並びに
カチオンCatの性質。
【0157】
例えば、化合物D17、D46、D54及びD55は、pH6〜7を有し、したがってアルミニウムの着色に特に適している。
【0158】
6〜11の範囲内の望ましいpHを得るために、例えば、ホウ砂、Tris緩衝剤〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン〕、NaHCO3、KH2PO4及びNa2HPO4に基づく緩衝液を使用してもよい。
【0159】
着色a)は、好ましくは高温、例えば、40〜160℃で実施される。着色の間の温度は、特に60〜140℃、更に特別に80〜120℃である。次に、場合により着色に続いて40〜160℃で乾燥させる。
【0160】
次に着色剤の顔料形態への変換は、スルホンアミドの塩の基をスルホンアミド基へ変換することにより実施される。これは、着色される基材自体が十分に酸性でない限り、酸を加えることにより実施される。適切な酸は、原則的にあらゆる有機及び無機の酸である。好ましくは、有機C1 〜 6カルボン酸の使用であり、その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸及びクエン酸が含まれる。酸による処理は、好ましくは室温で実施される。酸の濃度は、塩形態で存在するスルホンアミド基の数により決定される。有利には、酸は過剰量で使用される。
【0161】
本発明のスルホンアミドの塩は、着色された後でのみ加工される複合木材材料の着色に特に適している。着色剤が完全に浸透した薄い木材パネルを積み重ね、造形し、次に多様な角度で切断すると、木目のおかげで芸術的な効果が得られる。そのような材料は、特にデザイン物品の製造又は装飾目的で使用することができる。耐光堅ロウ度及び浸透性に関するニーズは、慣用のベニヤ板よりもこの用途において著しく高い。個々の木材パネルの極めて均一な浸透性は、芸術のための切断によって厚さが相対的に厚い場合であっても、そのコアが露出するため、特に重要である。その点において、特に良好な結果が、化合物A1、B3及びD12により得られる。化合物A1は、全色調(full tone)では、20時間の外気への曝露(weathering)後、着色剤C.I. Acid Red 194及び361よりも約4倍優れた安定性を示し、パステル色調(pastel tone)では、50時間の外気への曝露後、着色剤C.I. Acid Red 194及び361よりも2倍低いΔE*を示す。
【0162】
120時間の外気への曝露後、化合物B3は、全色調で、C.I. Acid Red 194及び361よりも約4倍低いΔE*を示し、パステル色調では、20時間の外気への曝露後、着色剤C.I. Acid Red 194及び361よりも約2倍低いΔE*を示す。木材母材への浸透は良好である。幾つかの化合物の塗布後の色のシフトが興味深い点である。例えば、化合物A1は、赤色の色合いになり、化合物B4は、茶色を帯びた赤色の色合いになり、化合物B5は、橙色−赤色の色合いになる。
【0163】
化合物D12は全色調において、120時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示し、共溶媒として10%メトキシプロパノールを使用すると、木材母材への許容されうる浸透性を示す。600時間の外気への曝露後、全色調において僅か5のΔE*を示す、化合物D12の耐光堅ロウ度は、特に言及されるべきである。パステル色調において、化合物D12は、50時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示す。
【0164】
本発明の着色剤は、また、インクジェットプリントにおいて極めて良好な結果をもたらす。化合物D17及び化合物D46(2.5重量%濃度インク溶液)は、バブルジェットプリンター、また圧電式プリンターを使用するプリントにおいて、良好なプリントの結果を示しており、とりわけ極めて良好な耐水性が、特に言及されるべきである。
【0165】
また、陽極酸化アルミニウム又はその合金の着色において、驚くべきことに、本発明の着色剤を使用して良好な結果、すなわち、特に均質な色合い及び極めて良好な耐光堅ロウ度が得られる。
【0166】
アルミニウム合金として特に適切なものは、大部分がアルミニウムで占められているもの、特に、マグネシウム、ケイ素、亜鉛及び/又は銅との合金、例えば、Al/Mg、Al/Si、Al/Mg/Si、Al/Zn/Mg、Al/Cu/Mg及びAl/Zn/Mg/Cuであり、好ましくは、アルミニウム含有量が、少なくとも90重量%、マグネシウム含有量が、好ましくは≦6重量%、ケイ素含有量が、好ましくは≦6重量%、亜鉛含有量が、好ましくは≦10重量%及び銅含有量が、有利には≦2重量%、特に≦0.2重量%であるものである。
【0167】
金属アルミニウム上又はアルミニウム合金上に形成される酸化皮膜は、化学酸化により又は好ましくは陽極酸化によってガルバニ的に製造することができる。アルミニウム又はアルミニウム合金を不動態化し、多孔質皮膜を形成するための陽極酸化は、直流及び/又は交流電流を使用し、例えば、硫酸、シュウ酸、クロム酸、クエン酸あるいはシュウ酸とクロム酸、又は硫酸とシュウ酸を組み合わせて加えた、適切な電解浴を使用する、既知の方法に従って実施することができる。そのような陽極酸化の方法は、当該技術において既知であり、DS法(直流;硫酸)、DSX法(直流;硫酸にシュウ酸を加える)、DX法(直流;シュウ酸)、クロム酸を加えるDX法、AX法(交流;シュウ酸)、AX−DX法(シュウ酸;最初に交流、次に直流)、AS法(交流;硫酸)及びクロム酸による方法(直流;クロム酸)である。電圧は、一般的に、5〜80ボルト、好ましくは8〜50ボルトの範囲であり、温度は、一般的に、5〜50℃の範囲であり、陽極の電流密度は、一般的に0.3〜5A/dm2、好ましくは0.5〜4A/dm2の範囲であり、一般的に、≦2A/dm2の低さの電流密度が、多孔質の酸化皮膜を製造するために適切であり、より高い電圧と電流密度、例えば100〜150ボルト及び≧2A/dm2、特に2〜3A/dm2の範囲で、かつ80℃までの温度で、例えば、チタン及びジルコニウム塩の存在下、シュウ酸を使用する"Ematal"法に従って、特に硬質で、微細孔の酸化皮膜を製造することが可能である。次に、実際にそれ自体慣用である好ましい手順に従って、式(I)の着色剤を使用して、吸着的、電解的、又は直接、着色される酸化皮膜の製造において、電圧は、12〜20ボルトの範囲であり、電流密度は、好ましくは1〜2A/dm2である。そのような陽極酸化方法は、一般的に当該技術において既知であり、専門的な文献、例えば、Ullmanns "Enzyklopaedie der Technischen Chemie", 4th edition, volume 12, pages 196 to 198又はthe Sandoz brochures "Sanodal(登録商標)" (Sandoz AG, Basle, Switzerland, Publication No. 9083.00.89)又は"Ratgeber fur das Adsorptive Faerben von Anodisiertem Aluminium" [Guide to the adsorptive colouring of anodised aluminium] (Sandoz, Publication No. 9122.00.80)に詳細に記載されている。多孔質酸化皮膜の皮膜厚は、有利には、2〜35μm、好ましくは5〜30μm、特に15〜25μmの範囲である。
【0168】
式(I)又は(II)の着色剤を使用して酸化皮膜を着色するため、それ自体慣用の着色方法、特に吸着法(実質的に電圧を用いない)を使用することが可能であり、着色剤溶液は、例えば、吹付け若しくはローラー塗布(基材の形状に応じて)によるか、又は好ましくは着色される物品を染浴に浸漬することにより、酸化物の表面に塗布される。
【0169】
着色は、液体の沸点未満の温度、有利には15〜80℃の範囲、好ましくは15〜70℃の範囲、特に20〜60℃の温度で有利に実施される。染料液のpHは、酸性から弱塩基性の範囲、一般的には3〜8の範囲のpH、好ましくは弱酸性から実質的に中性状態、特に4〜6の範囲のpHである。着色剤の濃度及び着色の時間は、基材及び所望の着色効果に応じて極めて広範囲に変更することができる。例えば、0.01〜20g/l、有利には0.1〜10g/l、特に0.2〜2g/lの範囲の着色剤の濃度が適している。着色の時間は、一般的に30秒から1時間、好ましくは5〜40分間の範囲である。
【0170】
この方法で得られる着色を、場合により適切な添加剤を使用して、慣用の方法に従って高温及び/又は常温のシーリングに付すことができ、シーリングする前に着色を水ですすぐことが有利である。
【0171】
シーリングは、例えば、金属塩若しくは酸化物(例えば、酢酸ニッケル又は酢酸コバルト)を使用するか、又はクロム酸塩を使用して、4.5〜8のpH値で、一工程又は二工程により実施することができる。更に、DE−A−3327191で記載されているように、シーリング処理は、有機シーリング剤、例えば、有機ホスホン酸塩及びジホスホン酸塩、又は水溶性(シクロ)脂肪族ポリカルボン酸若しくは芳香族オルトヒドロキシカルボン酸を4.5〜8の範囲のpH値で使用して実施することができる。
【0172】
常温でのシーリングでは、特にニッケル又はコバルト塩を、NaFのようなアルカリ金属フッ化物と組み合わせて使用することが可能である。本発明によると、例えばEP−A−1087038で記載されているように、ニッケルイオンNi2+及びフッ化物イオンF-を含有するシーリング剤を使用して、常温でのシーリングを実施することが可能である。適切であれば、シーリング剤は、例えば、基材及び/又は着色により規定されるシーリング助剤、例えば、10重量%までの少量のコバルト化合物を含むことができる。シーリング剤は、(陰イオン性)界面活性剤、特にスルホ基含有界面活性剤、好ましくはスルホ基含有芳香族化合物とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、スルホン化ナフタレン若しくは/及びスルホン化フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物のような更なる補助剤と一緒に使用して、界面活性剤の特性を有するオリゴマー縮合物を形成することができる)、並びに/又は、例えば、有機酸の塩及び非イオン性界面活性剤、例えばP3-almeco seal(登録商標)1 (Henkel)を含有する、汚れ防止剤(例えば、DE−A−3900169又はDE−C−3327191を参照)と一緒に使用することができる。常温でのシーリングは、一般的に、45℃未満、好ましくは18〜40℃、特に20〜40℃の範囲の温度で実施される。シーリング浴中のNi2+の濃度は、有利には、0.05〜10g/lの範囲、好ましくは0.1〜5g/lの範囲である。シーリング浴のpH値は、例えば、酸性から弱塩基性の範囲、有利には4.5〜8の範囲のpHである。シーリング時間は皮膜厚に左右され、例えば、基材の酸化皮膜1μmの厚み当たり、0.4〜2分間、好ましくは0.6〜1.2分間であり、シーリングは、有利には、5〜60分間、好ましくは10〜30分間実施される。外面用建築部材として特に適切である、少なくとも15μm厚、好ましくは15〜30μm厚の好ましい酸化皮膜では、10〜30分間のシーリング時間が適している。
【0173】
高温処理は、水を用いて、80℃から沸騰温度、好ましくは90〜100℃の範囲の温度で有利に実施され、又は適切であれば、例えば1〜4バールの範囲の超過圧力下、95〜150℃の温度で蒸気によっても実施される。水によるアフターシーリングの時間は、一般的に、15〜60分間の範囲である。
【0174】
第1の工程において、常温でのシーリングを、場合によりP3-almeco seal(登録商標)1 (Henkel)のような汚れ防止剤の存在下、酢酸ニッケルのような少なくとも1種のシーリング剤を脱イオン水中で使用して実施し、第2の工程において、高温アフターシーリングを脱イオン水中で実施する、二工程のシーリングを実施することが有利であることができる。
【0175】
特に、第1工程において、常温でのシーリングを、P3-almeco seal(登録商標)1 (Henkel)のような汚れ防止剤1〜3g/lの存在下、酢酸ニッケル0.1〜5g/l、特に1.5〜2.5g/lを使用して、脱イオン水中、約40℃で5〜60分間、好ましくは10〜30分間実施し、第2工程において、高温アフターシーリングを、沸騰している脱イオン水中、15〜60分間、特に30〜45分間実施する、二工程のシーリングが使用される。
【0176】
シーリングされたアルミニウム基材を硝酸、塩酸又はリン酸のような強い無機酸で処理すると、着色アルミニウム基材の耐光堅ロウ度の向上及び/又は色の変化を得ることができる。
【0177】
本発明の式(I)及び/又は(II)の着色剤は、また、平面平行フレーク(plane-parallel flakes)(効果顔料)を使用する着色に適している。平面平行フレークは、表面被覆及びプリントインクにおける顔料として使用され、粉砕顔料と対照的に、非常に薄くできるということにより特徴付けられる。表面被覆を施した後、その平面の表面が基材の表面と平行に伸長するため、これらは、(光を多少とも拡散するように反射する粉砕顔料と対照的に)入射光の有向反射を生ずる。
【0178】
したがって本発明の更なる実施態様は、金属酸化皮膜で被覆されている板状のアルミニウム基材を含む着色アルミニウム顔料であって、金属酸化皮膜が式(I′)及び/又は(II′)の顔料を含み、金属酸化皮膜の金属が、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素及びホウ素から選択される、着色アルミニウム顔料に関する。
【0179】
フレークの厚さと直径の比率は、形状ファクターと称され、一般的に1:50〜1:500である。製造工程に応じて、アルミニウム顔料の粒度分布は、幾分統計的であり、5〜50μmのd50を有する。
【0180】
それぞれアルミニウム基材に基づき、着色剤の量は、一般的に5〜40重量%であり、金属酸化物の量は3〜95重量%である。
【0181】
アルミニウム顔料は、1種以上の本発明の着色剤の存在下、場合により有機溶媒の存在下、及び場合により塩基性触媒の存在下、1種以上の金属酸エステルの制御された加水分解によるゾル−ゲル法を用いて金属酸化皮膜を製造する、DE−A−19501307に記載されている方法と同様にして得ることができる。
【0182】
適切な塩基性触媒は、例えば、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン及びメトキシプロピルアミンのようなアミン類である。
【0183】
適切なアルミニウム顔料は、装飾用被覆に使用することができるあらゆる慣用のアルミニウム顔料、及びDE−A−19520312で記載されている酸化着色アルミニウム顔料である。好ましくは円形アルミニウムフレーク(いわゆる1ドル銀貨)である。
【0184】
有機溶媒は、C1 〜 4アルコール、特にイソプロパノールのような水混和性有機溶媒である。
【0185】
適切な金属酸エステルは、アルキル及びアリールアルコラート、カルボキシラート並びにバナジウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム及びホウ素のカルボキシル−、アルキル−若しくはアリール−置換アルキルアルコラート又はカルボキシレートからなる群より選択される。好ましくは、アルミン酸トリイソプロピル、チタン酸テトライソプロピル、ジルコン酸テトライソプロピル、オルトケイ酸テトラエチル及びホウ酸トリエチルの使用である。上記金属のアセチルアセトナート及びアセトアセチルアセトナートの使用も可能である。この種の金属酸エステルの好ましい例は、ジルコニウム、アルミニウム及びチタンアセチルアセトナート、並びにジイソブチルオレイルアセトアセチルアルミナート又はジイソプロピルオレイルアセトアセチルアセトナートであり、金属酸エステルの混合物、例えば、混合アルミニウム−ケイ素金属酸エステルであるDynasil(登録商標)(Huels社製)である。
【0186】
更にアルミニウム顔料はEP−A−0380073に記載の方法と同様にして調製することができる。少なくとも500nmに相当する厚さを有する陽極的に酸化されうる金属の皮膜を、場合により分離剤が被覆されている担体に塗布し、それを、電解質中、0.5〜100Vの電圧で陽極的に酸化する。次に多孔質の金属酸化皮膜を本発明の着色剤を使用して着色し、シーリングする。次に分離剤を適切な溶媒に溶解し、アルミニウム顔料を粗いフレークの形状で沈殿させ、それを、溶媒を分離し、乾燥させ、磨砕することにより更に加工できる(例えば、WO01/25500A1を参照)
【0187】
陽極的に酸化されうる金属で被覆されている担体は、既知の方法に従って得ることができる。スパッタリング、又は化学的方法、又は真空下での蒸着により薄金属皮膜が施されている担体の使用が有利である。金属の皮膜厚は、陽極酸化の後、残留している金属皮膜が、少なくとも10nm、好ましくは少なくとも100nmの厚さの金属酸化皮膜で覆われているように選択されることが有利である。金属の皮膜厚は、一般的に、500nm〜5μm、好ましくは1μm〜2μmである。
【0188】
適切な電解質は既知であり、例えば、J. Elektrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 122,1, p. 32 (1975)に記載されている。例えば、適切には、希薄水溶液(例えば、20重量%まで)であり、無機酸若しくはカルボン酸(硫酸、リン酸、クロム酸、ギ酸、シュウ酸)、無機酸若しくはカルボン酸のアルカリ金属塩(硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム)、及びアルカリ金属水酸化物(KOH、NaOH)のものである。
【0189】
陽極酸化は、0〜60℃の温度、好ましくは室温で実施することができる。選択される電圧は、使用される電解質に実質的に左右され、一般的に0.5〜100Vである。電解は、交流電流を使用するか、好ましくは直流電流を使用して実施することができる。
【0190】
担体は、金属、ガラス、エナメル、セラミック又は有機材料の表面を有し、任意の形状であることができ、箔、フィルム及びプレートが好ましい。担体は、例えば、ガラス、鉱物(石英、サファイア、ルビー、ベリル又はケイ酸塩)、セラミック材料、ケイ素又は合成材料(セルロース、ポリメタクリラート、ポリカルボナート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン)であることができる。
【0191】
分離剤は、塩化物、ホウ酸塩、フッ化物若しくは水酸化物のような、真空下で蒸発しうる分離剤のような無機分離剤であるか、又は例えば、US−A−5156720及びUS−A−3123489に記載されている他の無機分離剤であるか、あるいは表面被覆用のステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、脂肪アルコール若しくはCxHyO(ここで、15<C<30)型のワックスアルコール、パラフィンワックス、分岐鎖状若しくは非分岐鎖状脂肪酸(ここで、C>15)又は熱可塑性ポリマーのような有機分離剤である。
【0192】
金属皮膜は、アルミニウム自体、又は例えば、Mg若しくはZnとのアルミニウム合金で形成される。皮膜厚の好ましい下限は、500nmである。皮膜厚の上限は、最大5.0μmである。厚さは、好ましくは0.5〜3.0μm、特に1.0〜2.0μmである。
【0193】
酸化皮膜の厚さは、金属皮膜の初期厚に実質的に左右される。酸化皮膜は、例えば、10nm〜500nmであることができる。好ましい皮膜厚は、100nm〜500nmの範囲である。
【0194】
金属酸化皮膜の孔の直径は、電解中の製造条件、特に使用される電解質に実質的に左右される。直径は、例えば、2nm〜500nmであることができる。
【0195】
本発明のアルミニウム顔料は、塗料、コーティング、プラスチック、プリントインク及び化粧品用調製物に特別な効果を与えるために使用することができる。
【0196】
下記の実施例は本発明を説明する。
【0197】
実施例
合成例1:化合物A1の合成
スルホ塩素化
クロロスルホン酸230gを、撹拌機、温度計及び冷却器を備えた0.5リットルの丸底フラスコ中に入れた。C.I. Pigment Red 264(0.1mol)45gを室温で少量ずつ導入した。得られた溶液を140℃までゆっくりと加熱し、4時間撹拌した。溶液を冷却し、塩化チオニル85gを75℃でゆっくりと滴加した。次に撹拌を還流下、更に4時間実施した。室温で、溶液を氷2.5kgに注ぎ、得られた懸濁液を濾過し、水で十分に洗浄した。
【0198】
アミノ化
エタノールアミン(2mol)122gを、1リットルの丸底フラスコに入れ、氷を加えて0℃に冷却した。湿潤水性フィルターケーキを少量ずつ導入し、更に氷を加えて温度を0℃に維持した。懸濁液を0℃で1時間、室温で14時間、80℃で1時間撹拌した。懸濁液を冷却し、32%塩酸溶液350gを滴加した。室温で、懸濁液を濾過し、3%塩酸溶液で洗浄した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物A1′ 70gを得た。
【0199】
1H−NMRは、化合物A1′が、構造異性体の混合物、及び二重から三重にスルホ塩素化されている分子とアミド化されている分子(比率:三重にスルホ塩素化されている類25%、二重にスルホ塩素化されている類75%)の混合物、の両方であることを示した。
元素分析(理論値):C:57.33%(57.94%)、H:4.18%(4.36%)、N:7.65%(8.28%)、S:10.32%(9.98%)。
【0200】
化合物A1′の化合物A1への変換
化合物A1′ 20gを、1リットルの丸底フラスコ中の水200gに懸濁した。室温で、30%水酸化ナトリウム溶液7.5gを滴加した。得られた溶液を60℃で2時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を最大80℃及び減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物A1 21gを得た。
二重にスルホ塩素化された分子と三重にスルホ塩素化された分子の1:3混合物に基づく元素分析(理論値):C:53.33%(54.10%)、H:3.78%(4.10%、N:7.15%(7.73%)、S:9.72%(9.30%)、Na:6.98%(6.67%)。
【0201】
【化89】
【0202】
合成例2:化合物A2の合成
合成例1と同様にして化合物A2を調製した。
【0203】
【化90】
【0204】
合成例1と同様にして化合物B1〜B5を調製した。
【0205】
【化91】
【0206】
合成例8〜15:化合物C1〜C8の合成
C.I. Pigment Blue 60から出発して、合成例1と同様にして化合物C1〜C8を調製した。
【0207】
【化92】
【0208】
合成例17:化合物D1の合成
化合物D1′(この調製はWO98/45756の実施例1を参照)10gを、500mlの丸底フラスコ中の水150gに懸濁した。室温で、30%水酸化ナトリウム溶液5.4gを滴加した。得られた溶液を60℃で3時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を、最大80℃で、ロータリーエバポレーターを使用して、減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物D1 21gを得た。
元素分析(理論値):C:41.37%(41.54%)、H:2.96%(2.79%)、N:14.14%(14.53%)、Cu:5.36%(5.49%)、Na:8.26%(7.95%)、S:10.91%(11.09%)。
【0209】
合成例17と同様にして化合物D2〜D55を調製した。
【0210】
【化93】
【0211】
合成例33:化合物D17の合成
750mlのスルホン化フラスコ中、3−アミノフェノール(0.026mol)2.03g及び25%水酸化アンモニウム溶液(0.078mol)5.31gを、水9.4gとメタノール16.6gの混合物に導入し、氷を加えて0℃に冷却した。銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロリド0.026molを少量ずつ導入し、更に氷を加えて、温度を0℃に維持した。懸濁液を0℃で30分間、室温で14時間撹拌した。懸濁液を冷却し、32%塩酸溶液10gを滴加した。室温で、懸濁液を濾過し、3%塩酸溶液で洗浄した。真空下、70℃で乾燥させて、スルホンアミドD8′ 23.7gを得た。
【0212】
D8′ 2gを、500mlの丸底フラスコ中の水200gに懸濁した。30%水酸化ナトリウム溶液0.8gを室温で滴加した。得られた溶液を60℃で2時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を最大80℃で、減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、化合物D17 2.1gを得て、それはpH値7を示した。
【0213】
合成例62:化合物D46の合成
合成例17と同様にして化合物D46を調製した。2当量の水酸化ナトリウムを最後の工程で使用して塩を形成した。アルミニウムを着色するために適切なpH値を確立するために、幾つかのアミド官能基しか塩に変換しなかった(応用例7を参照)。
【0214】
合成例72:化合物E1の合成
クロロスルホン酸44.8gを、撹拌器、温度計及び冷却器を備えた250mlのスルホン化フラスコに導入した。4,4′−ジアミノ−1,1′−ビスアントラキノン−3,3′−ジナトリウムスルホナート10.0g(0.0154mol)を室温で少量ずつ加えた。得られた赤色の溶液をゆっくりと40℃に加熱し、塩化チオニル13.2g(0.11mol)を撹拌しながら滴加した。次に混合物を70℃に加熱し、この温度で2時間保持した。溶液を冷却した後、水50gと氷190gの混合物に注ぎ、得られた懸濁液を濾過し、水で十分に洗浄した。湿潤フィルターケーキを、水8gとメタノール27gの混合物中の3−アミノフェノール5.0gの溶液に0℃で少量ずつ加えた。懸濁液を0℃で1時間、室温で14時間、80℃で1時間撹拌した。懸濁液を冷却し、32%塩酸溶液6gを滴加した。室温で、懸濁液を濾過し、3%塩酸溶液で洗浄した。真空下、80℃で乾燥させて、ジスルホンアミドE1′ 10gを得た。
【0215】
ジスルホンアミドE1′ 2gを、250mlの丸底フラスコ中の水100gに懸濁した。室温で、30%水酸化ナトリウム溶液0.67gを滴加した。得られた溶液を60℃で2時間撹拌し、温かいうちに濾過し、濾液を最大80℃で、減圧下で蒸発させて、濃縮した。真空下、80℃で乾燥させて、E1 1.87gを得た。
元素分析(理論値):C:57.66%(57.83%)、H:3.29%(2.91%)、N:6.55%(6.74%)、S:7.73%(7.72%)、Na:5.97%(5.53%)。
【0216】
【化94】
【0217】
合成例72と同様にして化合物E2〜E8を調製した。
【0218】
【化95】
【0219】
合成例80:F1の合成
合成例62と同様にして化合物F1を得た。
【0220】
【化96】
【0221】
合成例81〜83:G1〜G3の合成
合成例62と同様にして化合物G1〜G3を得た。
【0222】
【化97】
【0223】
全色調の着色
全色調の着色には0.5〜2%溶液を使用した。塗布時間は、オートクレーブ中、110℃で6時間であった。その後、木材を80℃で30分間乾燥させ、5%クエン酸に室温で1時間浸漬し、最後に130℃で30分間乾燥させた。
【0224】
パステル色調の着色
パステル色調の着色には0.05〜0.2%溶液を使用した。塗布時間は、オートクレーブ中、110℃で6時間であった。その後、木材を80℃で30分間乾燥させ、5%クエン酸に室温で1時間浸漬し、最後に130℃で30分間乾燥させた。
【0225】
耐候装置(ATLAS WOM 6500Wキセノン放射装置)による外気への曝露試験
着色したサンプルをフレーム(幅44〜66mm)に取り付け、下記のパラメータで耐候装置により600時間まで照射した。
フィルターシステム:内部フィルタ:石英/外部フィルタ:ホウケイ酸塩であり、下記に対応する。
0.35W/m2で340nm又は0.126J/cm2/h
340〜420nm:17〜18J/cm2/h
340〜700nm:122〜125J/cm2/h
ブラックパネル温度:63℃
相対湿度:60%
明度(L)、彩度(C)及び色相(h)を、照射前と25、50、120、240、360、480及び600時間の外気への曝露後に、分光光度計を使用して測定した。対応する色差及び全体的な色差ΔE*をそれらから計算した。
【0226】
応用例1:木材の着色
1〜5個の黒アオギリ(dark obeche)の木片(115×30×1mm)を、密閉容器(L=130mm、直径36mm)中、脱イオン水中の1.0%化合物A1+0.15%NaHCO3+0.1%Invadinの溶液に浸漬し、連続して回転しながら110℃で6時間着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一の浸透を示す暗赤色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。
【0227】
応用例2:木材の着色
1〜5個の漂白したアオギリの木片を、応用例1と同様に、脱イオン水中の0.05%化合物A1+0.1%NaHCO3+0.1%Invadinの溶液に110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一の浸透を示す明赤色の木片を得た。
【0228】
応用例3:木材の着色
1〜5個の黒アオギリの木片(115×30×1mm)を、応用例1と同様に、脱イオン水中の0.55%化合物D1+0.15%NaHCO3+0.1%Invadinの溶液中、110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、良好な浸透を示す暗青色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。処理の後、着色剤は水に不溶性であった(ブリーディングがなかった)。
【0229】
応用例4:木材の着色
1〜5個の黒アオギリの木片(115×30×1mm)を、応用例1と同様に、温脱イオン水中の0.5%化合物F4+0.35%Na2CO3+0.1%Invadinの溶液中、110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一な浸透を示す黄色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。処理の後、着色剤は水に不溶性であった(ブリーディングがなかった)。
【0230】
応用例5:インクジェットプリント
化合物D9(4当量の水酸化テトラメチルアンモニウム)及び化合物D10(8当量の水酸化テトラメチルアンモニウム)をインク(2.5重量%濃度溶液)で試験した。これらは、バブルジェットプリンター及び圧電式プリンターを使用するプリントにおいて、良好なプリントの結果を示した。色度及び色相は、スルホンアミド基で置換されていない化合物の色度及び色相により予想される範囲内であった。耐水性は極めて良好であった。
【0231】
応用例6:木材の着色
1〜5個の黒アオギリの木片(115×30×1mm)を、応用例1と同様に、温脱イオン水中の0.05%化合物E1+0.15%Na2CO3+0.1%Invadinの溶液中、110℃で6時間、浸漬し、十分に着色した。100℃で15分間乾燥させて、均一な浸透を示す黄色の木片を得て、それを、水中の5%クエン酸+0.5%Invadinに1時間浸漬し、次に160℃で5分間乾燥させた。処理の後、着色剤は水に不溶性であった(ブリーディングがなかった)。
【0232】
応用例7:陽極酸化アルミニウムの着色
脱脂し、脱酸素した、純粋なアルミニウムシートを、100部当たり硫酸18〜22部及び硫酸アルミニウム1.2〜7.5部を含む水溶液中、18〜20℃の温度、電圧15〜16ボルト、密度1.5A/dm2の直流電流により、30〜40分間、陽極的に酸化した。約18〜20μm厚の酸化皮膜が、多孔率17%を有して形成された。水ですすいだ後、陽極酸化アルミニウムシートを、脱イオン水100部当たり着色剤D−54 0.5部を含有する溶液(酢酸及び酢酸ナトリウムによりpHを5.5に調製した)中、60℃で40分間着色した。次にalox皮膜を、脱イオン水中の酢酸ニッケル2g/リットル及びP3-almeco seal(登録商標)(Henkel)2g/リットルの溶液中、40℃で20分間シーリングし、次に沸騰している脱イオン水中、40分間再びシーリングした。次にサンプルをAtlas-Weather-O-meter Ci 65 Aで外気への曝露した。1500時間後に得られた色差ΔEは、5.0であった。同様の結果が着色剤D−55で得られた。
【0233】
化合物A1を全色調の着色及びパステル色調の着色に関して試験した。浸透を測定し、光安定性を標準染料C.I. Acid Red 194及び361の光安定性と比較した。化合物A1は、極めて良好な浸透を示し、ブリーディングを示さなかった。酸処理が化合物Aの着色で省略されている場合、このような方法で得られたアオギリベニヤ板は、軽度のブリーディングを示した。20時間の外気への曝露後、化合物A1は、染料C.I. Acid Red 194及び361より約4倍優れた安定性を示した。酸により処理されていない化合物A1は、僅かに劣る安定性を示した。パステル色調において、50時間の外気への曝露後、化合物A1は、染料C.I. Acid Red 194及び361よりも2倍低いΔE*を示した。
【0234】
化合物B2及びB3を、全色調及びパステル色調において、標準染料C.I. Acid Red 194及び361と比較して試験した。120時間の外気への曝露後、化合物B2は、全色調において、C.I. Acid Red 194及び361よりも約2倍低いΔE*を示し、化合物B3は、C.I. Acid Red 194及び361よりも約4倍低いΔE*を示した。パステル色調において、20時間の外気への曝露後、化合物B2及びB3の両方は、C.I. Acid Red 194及び361よりも約2倍低いΔE*を示した。木材母材への浸透は、化合物B2及びB3の両方が良好であった。幾つかの化合物の塗布後の色違いが、興味深い点であった。化合物A1は、赤色の色合いになり、化合物B4は、茶色を帯びた赤色の色合いになり、化合物B5は、橙色−赤色の色合いになった。
【0235】
化合物D1、D8、D12及びD40の耐光堅ロウ度を、全色調及びパステル色調において、標準染料C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258と比較した。銅フタロシアニン誘導体である化合物D8及びD12は、全色調において、120時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示し、共溶媒として10%メトキシプロパノールを使用すると、木材母材への許容しうる浸透を示した。600時間の外気への曝露後、全色調において僅か5のΔE*を示した化合物D8の耐光堅ロウ度は、特筆すべきである。パステル色調において、化合物D8及びD12は、50時間の外気への曝露後、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも約3〜4倍低いΔE*を示した。亜鉛フタロシアニン誘導体(化合物D40)は、耐光堅ロウ度に関して、C.I. Basic Blue 123及びC.I. Acid Blue 258よりも僅かに良好であることを示し、銅フタロシアニン誘導体よりも良好に木材母材に浸透することを示した。
Claims (11)
- 一般式(I)又は(II):
m及びm′は、1〜8の値を示し、
m+nの合計及びm′+n′の合計は、8以下であり、
zは、1〜5、特に1の整数であり、
Aは、1−アミノアントラキノン、アントラキノン、アントラピリミジン、アゾ、アゾメチン、ベンゾジフラノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、フラバントロン、インダントロン、インジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ペリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピラントロン又はチオインジゴのシリーズの発色団の基であり、
A′は、1−アミノアントラキノンのような1個以上の第一級アミノ基をすでに含有している発色団の基であるか、又はA′は、1〜8個、好ましくは1〜4個のアミノ基で変性されている、Aで示された発色団の基のうちの1個であり、
Catは、アルカリ金属カチオン又はアンモニウムカチオンであり、
B及びB′は、相互に独立して、分岐鎖状若しくは直鎖状C1 〜 8アルキル、C2 〜 8アルケニル、C2 〜 8アルキニル、アリール、N−、O−若しくはS−含有5員又は6員複素環、C1 〜 8アルキルアリーレン、アリール−C1 〜 8アルキレン又はアリール−L−アリーレン基〔これらは、1個以上の基−OH、−OCat、−SH、−SCat、−OR1、−SR2、−C(O)OR3、−C(O)R4及び/又は−NR5R6で置換されていてよく、ここで、C1 〜 8アルキル基は、非中断であるか又は−O−若しくは−S−により1回以上中断されていることができ、
R1、R2、R3及びR4は、相互に独立して、C1 〜 8アルキル基、C7 〜 11アラルキル基又はC6 〜 12アリール基であり、R4は、更に水素原子であることができ、
Lは、結合、−NR7(ここで、R7は、水素原子又はC1 〜 4アルキル基)又は−N=N−基であり、R5及びR6は、相互に独立して、水素原子、C1 〜 8アルキル基、C1 〜 4アルコキシ−C1 〜 4アルキル基、C6 〜 12アリール基、C7 〜 11アラルキル基又は基−(CH2)oOH(ここで、oは、2〜6の整数である)である〕であり、Bは、更に水素原子であることができ、
B及びB′は、発色団A又はA′内で、異なる置換基の意味を有することが可能である}で示される着色剤。 - Bが、水素原子、−(CH2)e−E及び下記式:
- nが0である、請求項1又は2記載の着色剤。
- 式(X)、(Xa)又は(XI):
式(XII):
式(XIII):
式(XIV)、(XVa)又は(XVb):
式(XVI):
式(XVII):
式(XVIII):
式(XIX):
式(XIX)及び/又は(XXI):
式(XXII):
式(XXIII):
式(XXIV):
式(XXV):
式(XXVIa):
式(XXVIb):
式(XXVIc):
R17〜R21は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル、C1 〜 6アルコキシ、ニトロ基又はアセチル基であり、そして
R22は、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル又はC1 〜 6アルコキシである)で示されるナフトールAS顔料誘導体であるか、
式(XXVII):
式(XXVIII):
R42は、水素原子又はシアノ若しくはカルボンアミド基であり、
R43は、水素原子、カルボン酸基若しくはその塩、又はC1 〜 4アルキル基であり、
R44及びR45は、メチル若しくはエチルのようなC1 〜 4アルキル基、トリフルオロメチルのようなペルフルオロ−C1 〜 4アルキル基、メトキシ若しくはエトキシのようなC1 〜 4アルコキシ基、ニトロ基、塩素のようなハロゲン原子、COOR46(ここでR46は、C1 〜 4アルキル基、フェニル若しくは1,4−ジクロロフェニルのような、非置換であるか、例えば1若しくは2個の塩素原子で置換されているC6 〜 12アルキル基、ベンジルのようなC7 〜 11アラルキル基である)、CONHR47(ここで、R47は、C1 〜 4アルキル基、フェニルのようなC6 〜 12アリール基、又はベンジルのようなC7 〜 11アラルキル基である)を示し、そしてmは、1〜2の値を示す〕で示されるアゾ顔料であるか、
式(XXIX):
式(XXX):
(ここで、B及びCatは請求項1と同義である)
請求項1〜3のいずれか1項記載の着色剤。 - 式(III):
式(IV)又は(IVa):
式(V)又は(Va):
式(VI):
Bは、基−(CH2)e−E又は下記式:
- 下記式:
- 多孔質材料の着色、特に、多孔の木材又は陽極酸化アルミニウムの着色用の、及びインクジェットプリント用の、請求項1〜6のいずれか1項記載の一般式(I)又は(II)の着色剤の使用。
- 請求項8記載の方法により得られる多孔質材料。
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