JP6291804B2 - 重合性インク組成物、該インク組成物を含むインクカートリッジ、及び、インクジェットプリンタ - Google Patents

重合性インク組成物、該インク組成物を含むインクカートリッジ、及び、インクジェットプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、重合性インク組成物、該インク組成物を含むインクカートリッジ、及び、インクジェットプリンタに関する。
インクジェット印刷の分野、特に産業用インクジェット印刷の分野では、速乾性、幅広い被印刷基材選択性、VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)フリー等の観点から硬化型インクジェットインクが広がりつつある。
硬化型インクジェットインクは、例えば、電子線照射により、または、光重合開始剤の存在下で紫外光の照射により、重合する不飽和有機化合物を含有する。硬化型インクジェットインクは、エネルギーが照射されるとラジカルを生成し、このラジカルにより不飽和有機化合物がラジカル反応により高分子化し、硬化または固化し定着される。この反応はエネルギー照射後、瞬時に進行するため、速乾性という特性を有する。
また、硬化型インクジェットインクは、インク全体が瞬時に固化するため、金属、ガラス、陶磁器、プラスチックフィルム等のインクを吸収しない非インク吸収性の被印刷基材にも画質が劣化することなく印刷することが可能であり、使用可能な被印刷基材種が多い。
さらに、不飽和有機化合物全体が高分子化するため、硬化後はVOCフリーという特性を与える。
硬化型インクジェットインクの不飽和有機化合物(以下モノマーということがある)としては、一般的に(メタ)アクリル酸エステル化合物が用いられるが、(メタ)アクリル酸エステル化合物は粘稠なものが多い。特に、重合性官能基を多数有する多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いたインクは、架橋密度が高く強靭な画像を形成できる一方、高粘度なインク組成物となり易いため、硬化型インクジェットインクの低粘度化とインク硬化性の向上とを両立させることは困難である。
これらの課題に対し、特許文献1の特表2010−509426号公報には、カチオンにより硬化するエポキシ基を備えるモノマーとカチオン性光開始剤と水とを含むことにより、酸素による硬化阻害を防止でき、かつ接着性が向上したとされる硬化性インクジェット用組成物が開示されている。
特許文献2の特表2008−507598号公報には、エチレン性不飽和モノ官能単量体、エチレン性二官能不飽和単量体、エチレン性不飽和多官能単量体、及び、エチレン性不飽和ウレタンオリゴマー、それぞれの含有量を特定範囲にすることで、硬化速度が速くなり、高速印刷しても高い解像度が得られるとされるインクが開示されている。
特許文献3の特開2009−272609号公報には、インクの硬化によるノズル詰りを防止できるとされるメタクロイル基またはアクロイル基を含む化合物、水酸基、カルボキシル基等の熱硬化官能基を有する化合物、ビニルエーテル類、エチレン誘導体等の希釈剤を含む硬化性組成物が開示されている。
特許文献4の特表2010−530922号公報には、インク層の可撓性を改善するガラス転移温度(Tg)を有するモノアクリレートを含有させることにより、ポリプロピレン又は非多孔性で表面張力の低い他の基体への付着性が向上したとされるUV硬化可能なインクが開示されている。
特許文献5の特開2007−231230号公報、特許文献6の特開2007−231232号公報、特許文献7の特開2008−68516号公報には、(メタ)アクリル酸のエステル若しくはアミド、又は炭化水素基を有するビニルエーテルと重合開始剤を含有し、被記録媒体とインクとの密着性が向上したとされるインク組成物が記載されている。
特許文献8の特許第3672651号公報には、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、及び光重合開始剤の量比を特定の範囲内にし、接着用樹脂層を形成しなくても紙やプラスチック基材上に画像を形成できるとするインクジェット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物が開示されている。
特許文献9の特開2009−62541号公報、特許文献10の特開2005−532445号公報、特許文献11の特開2004−526820号公報には、α、β−不飽和エーテルを(メタ)アクリレートモノマーと共に用いることで硬化速度が速くかつ低粘性のインクを得られることが開示されている。
また、(メタ)アクリル酸エステル化合物は、皮膚に触れることでアレルギーを引き起こす皮膚感作性(遅延性過敏反応の一つで、化学物質により過剰な免疫反応により皮膚にかぶれが起こる現象)について毒性を有するものが多く、印刷物に未硬化のモノマー成分が残存すると、手指等で触れたときにアレルギーを引き起こすことがあり、アレルギーを引き起こすことのない安全な印刷物を形成できるインクが望まれる。
しかし、上記のように、硬化型インクジェットインクの低粘度化と硬化性の向上とを両立させること自体困難であるのに加えて、さらに皮膚感作性の問題がない、または、皮膚感作性の問題が少ない硬化型インクジェットインクとするのは非常に困難で、前記特許文献に記載されるものは、皮膚感作性について考慮するに至っていない。
本発明者らは、先に、特許文献12の特開2012−251123号公報において、(メタ)アクリレート化合物及び/または(メタ)アクリアミド化合物と、ビニルエーテルとを含み、皮膚感作性の問題がなく、硬化性に優れ、かつ低粘度な光重合性インクジェットインクを提案しているが、該重合性インクジェットインクは、保存安定性が不十分であることが、その後、判明した。
したがって、本発明は前記特願2011−107318号明細書に記載される硬化型インクジェットインクを改良するものであり、皮膚感作性の問題を排除することも可能であり、硬化性に優れ、かつ、保存安定性に優れる低粘度な重合性インクの提供を目的とする。
本発明者らは、前記重合性インクジェットインクの保存安定性を向上させるべく鋭意検討したところ、(メタ)アクリレート化合物を含む光重合性インクジェットインク用の重合開始剤として従来から広く使用されている、一般的なラジカル重合禁止剤であるハイドロキノンやメトキノンなどの代表的なフェノール・キノン系化合物を添加しても十分な保存安定性を得ることはできなかった。
そこで鋭意検討の結果、水または3級アミン化合物の添加が有効であることを見いだし、特願2011−178202号として出願した。その際の保存安定性としては70℃での加促試験条件下で4日間、外観上変化がないというものであった。
さらなる検討を重ねた結果、これらの材料に代えてまたはこれらに加えて、強アルカリ成分を含有させることで重合性インクジェットインクの保存安定性をさらに向上できることを見出した。
本発明は係る知見に基いてなされたものであり、上記課題は、本発明の下記(1)〜(10)によって解決される。
(1)「少なくとも重合性モノマーを含む重合性インク組成物であって、該重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸エステル化合物または(メタ)アクリルアミド化合物、及び、ビニルエーテル化合物であり、さらに水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウムを含む重合性インク組成物」。
(2)「さらに水を含むことを特徴とする前記第(1)項に記載の重合性インク組成物」。
(3)「さらに、N−メチルジエタノールアミンを含む前記第(1)項または第(2)項に記載の重合性インク組成物」。
(4)「前記(メタ)アクリル酸エステル化合物または(メタ)アクリルアミド化合物は、1官能以上6官能以下の多官能化合物を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の重合性インク組成物」。
(5)「前記重合性インク組成物に使用する重合性モノマーの皮膚感作性試験(LLNA法)における感作性の程度を示すStimulation Index(SI値)が、3未満であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の重合性インク組成物」。
(6)「前記SI値が3未満である重合性モノマーが、CH=CO−(OC)n−OCO−CH=CH(n=9〜14、nは平均重合度)で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、CH=CH−CO−(OC)n−OCO−CH=CH(n=12、nは平均重合度)で示されるポリプロピレングリコールジアクリレート、下記式(A)で示されるカプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート(m+n=4、m、nは平均重合度)、ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、及びヒドロキシエチルアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種以上の化合物である前記インク組成物;
(7)「前記ビニルエーテル化合物が、トリエチレングリコールジビニルエーテルであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の重合性インク組成物」。
(8)「光ラジカル重合開始剤をさらに含むものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項に記載の重合性インク組成物」。
(9)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の重合性インク組成物を含むことを特徴とするインクカートリッジ」。
(10)「印刷ユニット及び線源照射ユニットを有し、前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の重合性インク組成物、または、前記第(9)項に記載のインクカートリッジを装着したインクジェットプリンタ」。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、硬化性に優れ、選定する材料によっては皮膚感作性の問題がなく、かつ、保存安定性に優れる低粘度な重合性インクを提供できる。
インクカートリッジのインク袋の一例を示す概略図である。 インク袋を収容したインクカートリッジの一例を示す概略図である。 インクジェット記録装置(印刷装置)の一例を示す概略図である。
本発明の重合性インクについて詳細に説明する。
本発明の重合性インク組成物は、少なくとも重合性モノマーを含むものである。該重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸エステル化合物もしくは(メタ)アクリルアミド化合物及びビニルエーテル化合物である。さらに強アルカリ成分を含むものである。前記(メタ)アクリル酸エステル化合物もしくは(メタ)アクリルアミド化合物は、1官能以上6官能以下の化合物を含むことが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル化合物または(メタ)アクリルアミド化合物としては、従来公知のものを使用できるが、LLNA法による皮膚感作性試験において感作性の程度を示すSI値が3未満であるものが好ましい。
ここで、皮膚感作性試験LLNA法とは、OECDテストガイドライン429として定められる皮膚感作性試験であり、例えば「機能材料」2005年9月号、Vol.25、No.9、P55)に示されるように、皮膚感作性の程度を示すStimulation Index(SI値)が3未満の場合に皮膚感作性について問題なしと判断されるものである。なお、材料安全性データシート(MSDS)において皮膚感さ性が「なし」あるいは「陰性」と記載されるものは当然ながら前記のSI値3未満を満たすものであるため、これらのものは一律に皮膚感さ性に問題ないものとみなせる。
本発明の重合性インク組成物は、重合性モノマーの前記SI値が3以下であることが好ましく、それにより皮膚感作性において安全な重合性インクとすることができる。これにより、仮に、印刷物に未硬化のモノマー成分が残存したとしても皮膚感作性において安全であり、手指等で触れたとしても皮膚感作性を引き起こすことのない安全な印刷物を提供できる。
皮膚感作性の問題がなく、安価で容易に調達可能な(メタ)アクリル酸エステル化合物、又は(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、下記式(1)で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート;
(但しn≒=9〜14、nは平均重合度。)、
γ−ブチロラクトンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
下記式(2)で示されるポリプロピレングリコールジアクリレート;

(但しn=12、nは平均重合度。)、
カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジアクリレート、ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ステアリルアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。
また、単体では皮膚感作性に多少問題があるが、インクとして問題が生じない範囲で、以下のような(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドを併用することもできる。
前記皮膚感作性の問題がない(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドと併用できる(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート〔CH=CH−CO−(OC)n−OCOCH=CH(n=4)〕、同(n=9)、同(n=14)、同(n=23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)−CO−(OC)n−OCOC(CH)=CH(n=7)〕、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、メタアクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、エチレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
皮膚感作性の問題のないビニルエーテル化合物としては、トリエチレングリコールジビニルエーテルなどが挙げられる。このビニルエーテル化合物が低粘度であることによって、ビニルエーテル化合物を併用しない場合よりも、皮膚感作性に問題ない特長を有したまま低粘度化と硬化性向上を達成できる。
しかし、後述のように、本発明のインクには、光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましいものである。ビニルエーテル自体はラジカル重合反応性がそれほど高いわけではないため、低粘度化を目的にビニルエーテル化合物を過剰に配合してしまうと、低粘度化は達成できるものの、硬化性を大きく損なう場合がある。そのため、低粘度化と硬化性とのバランスから、ビニルエーテル化合物の含有量は、重合性モノマー中5重量%以上60重量%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは30重量%以上50重量%以下である。
本発明の重合性インクは、強アルカリ成分を含む。
前記強アルカリ成分の含有量は、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムとで種々の材料に対する溶解度が異なる。そのため、使用する(メタ)アクリル酸エステル化合物もしくは(メタ)アクリルアミド化合物、そして配合するビニルエーテル化合物の配合比にもよるが、エネルギー照射後の硬化速度と保存性のバランスから、重合性モノマー100重量部に対して、0.0001重量部以上0.5重量部以下であることが好ましい。0.001重量部以上0.1重量部であることがさらに好ましい。
また、前記SI値が3未満の重合性モノマーは、必ずしも水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを迅速に溶解せしめるものばかりではない。そのため、例えば前記トリエチレングリコールビニルエーテルや、その他親水性の化学構造を有する前記(メタ)アクリル酸エステル化合物もしくは(メタ)アクリルアミド化合物においては、親水性が高く、水を溶解せしめる性質を持つため、前記水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを迅速に溶解させる目的で、あらかじめこれらを水溶液としてから添加する方法が効率的である。
なお、本発明においては、溶解したか否かを、顔料等の色材を含まない状態において均一透明になった状態を目視により確認した。
重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤を使用できるが、光ラジカル重合開始剤であることが必要である。その理由としては次のようなものである。(メタ)アクリル酸エステル化合物は、一般にラジカル重合性だけでなく、カチオン重合性をも有するが、光カチオン重合開始剤は、一般的に高価であるだけでなく、光の照射を受けなくても徐々に強酸を発生する。そのため、プリンタ内のインク供給路等のインクと接する部材の選定に耐酸性を考慮しなければならないなどの制約が生じたりする。また近年、省エネルギーな硬化用光源として注目されているUV−LEDには今のところ実用化されているものとしては365nmあるいはさらに長波長のものしかないが、このような長波長領域に十分な感度を持つものが存在しないという問題点がある。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン−〔4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、〔エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)〕、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエイト、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、フェニルベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントンなどが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、重合性モノマー100重量部に対して1〜20重量部であることが好ましい。
また、本発明の重合性インクは、汎用のラジカル重合禁止剤を含むことができる。
前記重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシ−1−ナフトール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,2‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、p−ベンゾキノン、9,10−ジ−n−ブトキシシアントラセン、4,4’−[1,10−ジオキソ−1,10−デカンジイルビス(オキシ)]ビス[2,2,6,6−テトラメチル]−1−ピペリジニルオキシ等の従来から汎用的に使用されているラジカル重合禁止剤が挙げられる。
本発明の重合性インクは、着色剤を含んでもよく、該着色剤としては公知の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
ブラック顔料としては、例えば、ファーネス法あるいはチャネル法で製造されたカーボンブラック等が使用できる。
白色顔料としては、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が使用できる。
イエロー顔料としては、例えば、Pig.Yellow系の顔料、例えばピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー129、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180等が使用できる。
マゼンタ顔料としては、例えば、Pig.Red系の顔料、例えばピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57(Ca)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202,ピグメントバイオレット19等が使用できる。
シアン顔料としては、例えば、Pig.Blue系の顔料、例えばピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、バットブルー60等が使用できる。
その他にも、必要に応じて物理特性などを考慮して、種々の無機顔料や有機顔料が使用できる。
本発明の重合性インクは25℃での粘度が、3〜200mPa・sであることが好ましいが、例えば市販のインクジェット吐出ヘッドとしてリコープリンティングシステムズ社製GEN4などにおいては、60℃まで加温でき、20mPa・s以下であれば吐出可能であることから、加温することにより十分に低粘度化するのであればこの限りでない。
本発明のインクは容器に収容してインクカートリッジとして用いることができる。これにより、インク交換などの作業において、インクに直接触れる必要がなく、手指や着衣の汚れなどの心配がなく、またインクへのごみ等の異物混入を防止できる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
上記インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジのインク袋(241)の一例を示す概略図であり、図2は図1のインク袋(241)をカートリッジケース(244)内に収容したインクカートリッジ(200)を示す概略図である。
図1に示すように、インク注入口(242)からインクをインク袋(241)内に充填し、該インク袋中に残った空気を排気した後、該インク注入口(242)を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口(243)に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク袋(241)は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成する。
そして、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース(244)内に収容し、インクカートリッジ(200)として各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いる。
本発明のインクカートリッジは、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることが特に好ましい。これにより、インクの補充や交換を簡素化でき作業性を向上させることができる。
本発明に係るインクジェット記録装置(印刷装置)の一例を図3の概略図に示す。本発明のインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)は、印刷ユニット及び線源照射ユニットを有する。なお、この例によって印刷装置の形態や構成が限定されるものではない。
図3の構成例では、印刷ユニット(3)[各色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の印刷ユニット3a、3b、3c、3dからなる]のそれぞれにより、被印刷基材供給ロール(1)から供給された被印刷基材(2)(図の左から右へ搬送)に吐出された各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)が印刷される。その後印刷毎に、線源照射ユニットの1例としての紫外線光源(硬化用光源)(4a、4b、4c、4d)から光照射(UV光)して硬化し、カラー画像を形成する例を示している。
印刷ユニット(3a、3b、3c、3d)は、インク吐出部分においては必要に応じてインクを低粘度化するために加温する機構を設けてもよい。印刷後の様々な加工のために、必要に応じてミシン目、マージナルパンチ、ファイル穴、コーナーカットなどの加工を行うために加工ユニット(5)を設けてもよい。
被印刷基材(2)としては、紙、フィルム、金属、あるいはこれらの複合材料等が用いられる。また、図3では被印刷基材(2)はロール状である場合を示しているが、シート状であってもよい。さらに、片面印刷だけでなく両面印刷してもよい。印刷の高速化には各色印刷する毎に紫外線を照射するとより高い硬化性が得られるが、例えば、紫外線光源(4a、4b、4c)を微弱なものとしたり省略したりして、複数色を印刷後にまとめて(4d)により十分量の紫外線を照射して硬化することで省エネ、低コスト化を図ることも可能である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[比較例1]
次の材料を混合してインクジェットインクを得た。
ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート 20重量部
(東亞合成社製M−405 感作性データなし)
トリメチロールプロパントリアクリレート 10重量部
(東亞合成社製M−309 MSDSに感作性物資であるとの記載)
プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート 20重量部
(サートマー社製SR9003 SI値=3.7)
ネオペンチルグリコールジメタクリレート 10重量部
(新中村化学社製NPG SI値=2.0)
トリエチレングリコールジビニルエーテル 40重量部
(BASF社製DVE3 MSDSに感作性なしの記載)
光ラジカル重合開始剤 10重量部
(2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(MSDSに感作性なしの記載))
ラジカル重合禁止剤(t−ブチルハイドロキノン) 0.1重量部
[比較例2]
比較例1のインクにN−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、比較例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[比較例3]
比較例1のインクにN−メチルジエタノールアミンを2重量部加える他は、比較例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[比較例4]
比較例1のインクにN−メチルジエタノールアミンを5重量部加える他は、比較例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例1]
比較例1のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を0.5重量部(水酸化カリウムとして0.03重量部)加えるほかは、比較例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例2]
比較例1のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を1重量部(水酸化カリウムとして0.06重量部)加えるほかは、比較例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例3]
比較例1のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を0.5重量部(水酸化カリウムとして0.02重量部)加えるほかは、比較例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例4]
比較例1のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を1重量部(水酸化カリウムとして0.04重量部)加えるほかは、比較例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例5]
実施例1のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例1と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例6]
実施例2のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例2と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例7]
実施例3のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例3と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例8]
実施例4のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例4と同様にしてインクジェットインクを得た。
[比較例5]
次の材料を混合してインクジェットインクを得た。
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20重量部
(日本化薬社製DPCA60 MSDSに陰性の記載)
エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート 10重量部
(第一工業製薬社製BPE10 SI値=1.2)
ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート 5重量部
(新中村化学社製ATM35E SI値=1.7)
カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート
(日本化薬社製HX620 SI値=0.9) 5重量部
ヒドロキシエチルアクリルアミド 2重量部
(興人社製HEAA MSDSに感作性なしの記載)
ポリプロピレングリコール(n=12)ジアクリレート 5重量部
(東亞合成社製M−270 SI値=1.5)
ポリエチレングリコール(n=14)ジメタクリレート 1重量部
(共栄社化学社製ライトエステル14EG SI値=1.6)
ポリエチレングリコール(n=9)ジメタクリレート 1重量部
(共栄社化学社製ライトエステル9EG SI値=1.3)
トリメチロールプロパントリメタクリレート 2重量部
(サートマー社製SR350 SI値=1.9)
γ−ブチロラクトンメタクリレート 1重量部
(大阪有機化学社製GBLMA SI値=2.1)
ステアリルアクリレート 2重量部
(大阪有機化学社製STA 2.7)
ネオペンチルグリコールジメタクリレート 2重量部
(新中村化学社製NPG SI値=2.0)
1,4,―ブタンジオールジメタクリレート 2重量部
(サートマー社製SR214 SI値=2.6)
トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート 2重量部
(新中村化学社製DCP SI値=1.3)
トリエチレングリコールジビニルエーテル 40重量部
(BASF社製DVE3 MSDSに感作性なしの記載)
光ラジカル重合開始剤 10重量部
(2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(MSDSに感作性なしの記載))
ラジカル重合禁止剤(t−ブチルハイドロキノン) 0.1重量部
[比較例6]
比較例5のインクにN−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、比較例5と同様にしてインクジェットインクを得た。
[比較例7]
比較例5のインクにN−メチルジエタノールアミンを2重量部加える他は、比較例5と同様にしてインクジェットインクを得た。
[比較例8]
比較例5のインクにN−メチルジエタノールアミンを5重量部加える他は、比較例5と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例9]
比較例5のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を0.5重量部(水酸化カリウムとして0.03重量部)加えるほかは、比較例5と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例10]
比較例5のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を1重量部(水酸化カリウムとして0.06重量部)加えるほかは、比較例5と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例11]
比較例5のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を0.5重量部(水酸化カリウムとして0.02重量部)加えるほかは、比較例5と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例12]
比較例5のインクに、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を1重量部(水酸化カリウムとして0.04重量部)加えるほかは、比較例5と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例13]
実施例9のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例9と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例14]
実施例10のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例10と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例15]
実施例11のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例11と同様にしてインクジェットインクを得た。
[実施例16]
実施例12のインクに、N−メチルジエタノールアミンを1重量部加える他は、実施例12と同様にしてインクジェットインクを得た。
上記インクをサンプル瓶に密封し、70℃に加温し14日間静置する加速試験を行い、初期状態からの粘度変化を確認することに保存安定性評価を行った。なお、粘度測定は、東機産業社製コーンプレート型回転粘度計により、恒温循環水の温度を25℃に設定して測定し、初期状態に対する粘度の変動値(%)を示した。変動値が小さいほど保存安定性が良好である。
評価結果を表1、2に示す。
1 被印刷基材供給ロール
2 被印刷基材
3a 各色の印刷ユニット
3b 各色の印刷ユニット
3c 各色の印刷ユニット
3d 各色の印刷ユニット
4a 紫外線光源
4b 紫外線光源
4c 紫外線光源
4d 紫外線光源
5 加工ユニット
6 印刷物巻き取りロール
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特表2010−509426号公報 特表2008−507598号公報 特開2009−272609号公報 特表2010−530922号公報 特開2007−231230号公報 特開2007−231232号公報 特開2008−68516号公報 特許第3672651号公報 特開2009−62541号公報 特開2005−532445号公報 特開2004−526820号公報 特開2012−251123号公報

Claims (10)

  1. 少なくとも重合性モノマーを含む重合性インク組成物であって、該重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸エステル化合物または(メタ)アクリルアミド化合物、及び、ビニルエーテル化合物であり、さらに水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウムを含むことを特徴とする重合性インク組成物。
  2. さらに水を含むことを特徴とする請求項1に記載の重合性インク組成物。
  3. さらに、N−メチルジエタノールアミンを含む請求項1または請求項2に記載の重合性インク組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル酸エステル化合物または(メタ)アクリルアミド化合物は、2官能以上6官能以下の多官能化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の重合性インク組成物。
  5. 前記重合性インク組成物に使用する重合性モノマーの皮膚感作性試験(LLNA法)における感作性の程度を示すStimulation Index(SI値)が、3未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の重合性インク組成物。
  6. 前記SI値が3未満である重合性モノマーが、CH=C(CH)CO−(OC−OCO−C(CH)=CH(n=9〜14、nは平均重合度)で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、CH=CH−CO−(OC−OCO−CH=CH(n=12、nは平均重合度)で示されるポリプロピレングリコールジアクリレート、下記式(A)で示されるカプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート(m+n≒4、m、nは平均重合度)、ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ステアリルアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及びヒドロキシエチルアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項5に記載の重合性インク組成物
  7. 前記ビニルエーテル化合物が、トリエチレングリコールジビニルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の重合性インク組成物。
  8. 光ラジカル重合開始剤をさらに含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の重合性インク組成物。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の重合性インク組成物を含むことを特徴とするインクカートリッジ。
  10. 印刷ユニット及び線源照射ユニットを有し、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の重合性インク組成物、または、請求項9に記載のインクカートリッジを装着したことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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