JP6289090B2 - 冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、解凍後も衣のサクサク感を保持してなる冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法に関する。また、本発明は、当該製造方法で得られた冷凍パン粉付きフライ食品及びその解凍物に関する。さらに、本発明は当該製造方法に使用する打ち粉に関する。
エビフライ、トンカツ、コロッケ等のパン粉付きフライ食品は、まず具材に打ち粉をし、次いでその表面にバッター液、及びパン粉を、順次、均一に付着させて油調することにより製造される。通常、打ち粉は、小麦粉、澱粉で構成され、バッター液は小麦粉、でん粉、加工でん粉、増粘多糖類、粉末油脂、乳化剤、または卵等の蛋白質素材で構成されている。
従来のパン粉付きフライ食品は、油調した後、揚げたてはサクサクとした衣の食感を有するものの、時間経過と共に衣から油が分離したり、具材からの離水により衣が軟らかくなってサクサクとした食感が失われる。また、最近、電子レンジ等で加熱解凍したり自然解凍することによって食することが可能になる冷凍パン粉付きフライ食品が開発され注目されている。しかしながら、当該冷凍パン粉付きフライ食品は、電子レンジ等による加熱により具材から発生する蒸気や、自然解凍によって生じる離水によって、時間経過と共に衣の食感が軟らかくなるという問題がある。
このようなパン粉付きフライ食品の問題を解決する方法として、従来から多くの提案がなされている。例えば、特許文献1〜4は、フライの衣を形成するバッター液に改良を加えフライ食品の食感を改善する方法が提案されている。具体的には、特許文献1には、バッター液にα化澱粉とゼラチンを配合することで、打ち粉を使用することなく、クリスピーな食感の衣を有するフライや天ぷらが調製できること;特許文献2には、小麦粉を含まず、架橋澱粉とグルコマンナンを含むバッター液を用いることで、衣を薄く均一に形成でき、衣と具材(揚げ種)との間のヌメリの発生が解消できること;特許文献3には、α化澱粉以外のデンンプン、蛋白素材、コラーゲン及び/又はゼラチン、寒天、及びグルコマンナンを含むバッター液を用いることで、パン粉の付着性、衣と具材との結着性、及び食感が改善できること;特許文献4には、α化澱粉、デキストリン、グルコマンナン、及びアルカリ凝固剤を含むバッター液を用いることで、電子レンジ加熱によっても破損破裂しない水分不透過性のカリッとした食感の衣が形成できることが記載されている。また、特許文献5には、具材(揚げ種)に衣を付着させる前に、予め具材の表面を、油脂、水及び卵黄に加えて、ゼラチン、寒天、グルコマンナン、ジェランガム、及びペクチンからなる群からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合した水中油型乳化物で被覆することで、製造時に衣付け作業が容易に行うことができ、フライ時に中身がパンクして飛び出すことなく、また冷凍後に電子レンジ加熱したときに油が流出することなく、食感も油っぽくなくクリーミーな食感を有する新食感のフライ食品が提供できることが記載されている。
しかしながら、これらの文献には、油調冷凍したパン粉付きフライ食品を解凍した直後のみならず、解凍した後も引き続き衣のサクサクとした食感を維持したフライ食品が製造できることまでは記載されていない。
特開2002−142701号公報 特開2004−173574号公報 特開2002−315527号公報 特開2000−125795号公報 特開2000−201658号公報
本発明は、解凍、特に電子レンジによる急速解凍や自然解凍した後に生じる具材(揚げ種)と衣との離脱、及び衣の軟化を抑制し、衣のサクサク感が保持されて、フライの風味及び食感が良好な冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、当該製造方法で得られた冷凍パン粉付きフライ食品及びその解凍物を提供することを課題とする。さらに、本発明は当該製造方法に使用する打ち粉を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題、特に冷凍パン粉付きフライ食品における電子レンジ解凍及び自然解凍による衣と具材(揚げ種)との付着性の低下(衣剥がれ)、及び衣のサクサク感の低下(衣の軟化)という問題を解決すべく、鋭意検討をしていたところ、パン粉付きフライ食品を製造する際に使用する打ち粉にゼラチンを配合し、且つバッター液にマンナンを配合することで、上記問題が解決できること、とりわけ、冷凍後、電子レンジ解凍または自然解凍直後のみならず、解凍後も引き続き、衣剥がれや衣のサクサク感の低下が有意に抑えられ、サクサクとしたフライ特有の食感を有する美味なパン粉付きフライ食品が製造できることを見出した。また本発明者らは、打ち粉にゼラチンを配合し、且つバッター液にマンナンを配合することで、電子レンジによる解凍時間を短縮できることを見出した。本件発明は、かかる知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を備えるものである。
(I)冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法
(I−1)(a)具材(揚げ種)に、穀粉、でん粉及びゼラチンを含む打ち粉;バッターミックス、マンナン、及び水を含むバッター液;及びパン粉を順次付けて油調する工程、及び
(b)上記で得られたパン粉付きフライを冷凍する工程
を有する冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法。
(I−2)上記バッターミックスが、穀粉、でん粉、加工でん粉、増粘多糖類、粉末油脂、及び乳化剤を含有する混合物である、(I−1)記載の製造方法。
(I−3)上記ゼラチンが粉末状のゼラチンである、(I−1)または(I−2)に記載する製造方法。
(I−4)上記打ち粉がゼラチンを0.5〜5質量%の割合で含有するものである、(I−1)乃至(I−3)のいずれかに記載する製造方法。
(I−5)上記バッター液に配合するマンナンが、水に分散させて調製されたマンナンゲルである、(I−1)乃至(I−4)のいずれかに記載する製造方法。
(I−6)上記バッター液が、バッター液固形分100質量%あたりマンナンを固形換算0.2〜0.6質量%の割合で含有するものである、(I−1)乃至(I−5)のいずれかに記載する製造方法。
(I−7)具材が、魚介類、肉、野菜、またはこれらの混合物である、(I−1)乃至(I−6)のいずれかに記載する製造方法。
(II)冷凍パン粉付きフライ食品及びその解凍物
(II−1)(I−1)乃至(I−7)のいずれかの製造方法で得られる冷凍パン粉付きフライ食品またはその解凍物。
(II−2)上記解凍物が、(I−1)乃至(I−7)のいずれかの製造方法で得られる冷凍パン粉付きフライ食品を電子レンジ解凍または自然解凍したものである、(II−1)に記載する冷凍パン粉付きフライ食品またはその解凍物。
(III)冷凍パン粉付きフライ食品用の打ち粉
(III−1)ゼラチンを含むことを特徴とする、冷凍パン粉付きフライ食品用の打ち粉。
(III−2)ゼラチンが粉末状のゼラチンである、(III−1)に記載する打ち粉。
(III−3)ゼラチンを0.5〜5質量%の割合で含むことを特徴とする、(III−1)または(III−2)に記載する打ち粉。
(III−4)(I−1)乃至(I−7)のいずれかの製造方法に用いられる打ち粉である、(III−1)乃至(III−3)のいずれかに記載する打ち粉。
本発明の製造方法によれば、解凍、特に電子レンジによる急速解凍や自然解凍した後に生じる具材(揚げ種)と衣との剥がれ及び衣の軟化を抑制し、衣のサクサク感が保持されて、フライの風味及び食感が良好な冷凍パン粉付きフライ食品を製造することができる。当該方法によって製造される冷凍パン粉付きフライ食品は、冷凍後、電子レンジ解凍または自然解凍直後のみならず、解凍後も引き続き、衣剥がれや衣のサクサク感の低下が有意に抑えられ、サクサクとしたフライ特有の食感を有し美味である。さらに、当該方法によって製造される冷凍パン粉付きフライ食品は、ゼラチンを配合しない打ち粉を用いて、且つマンナンを配合しないバッター液で製造される冷凍パン粉付きフライ食品と比べて、電子レンジによる加熱効率が高く、短時間で解凍することができる。
(I)冷凍パン粉付きフライ食品
本発明が対象とする冷凍パン粉付きフライ食品は、油調した(油で揚げた)パン粉付きフライ食品を冷凍したものであって、加熱若しくは自然解凍などにより解凍して食されるものである。
その具材(揚げ種)は、一般にパン粉付きフライとして調理される具材であればよく、魚介類、肉、野菜、これらの混合物(総菜を含む)を広く例示することができる。
上記魚介類の中には、制限されないが、魚(アジ、イワシ、ハマチ、ブリ、マグロ、シシャモ)、イカ、エビ、かに、ホテタ、及び牡蠣が含まれる。これらの魚介類は、内臓、骨、皮または殻などの除去、及び必要に応じて食べやすい大きさに切るなど、通常、本発明の製造方法に供する前に、予め下処理が施される。また、油調により身が収縮して具材の歩留まりが低下することを抑制するために、歩留まり改善剤で前処理をしてもよい。歩留まり改善剤としては、当業界で通常使用されるものを広く挙げることができるが、具体的には、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、竹灰、木灰、鹹水等のアルカリ性を示す添加物を例示することができる。ここで塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好適に例示される。
上記野菜の中には、制限されないが、タマネギ、ジャガイモ、カボチャ、にんじん、ピーマン、インゲン豆、アスパラガス、ナスビ等が含まれる。これらの野菜も、皮や種などを除去して、必要に応じて食べやすい大きさに切るなど、通常、本発明の製造方法に供する前に、予め下処理が施される。魚介類と野菜の混合物(総菜を含む)には、制限されないが、コロッケ、クリームコロッケ、ミンチカツ、トンカツ等の各種カツ類が含まれる。
(II)冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法
上記冷凍パン粉付きフライ食品は、下記(a)及び(b)の工程を経て調製されることを特徴とする。
(a)具材に、穀粉、でん粉及びゼラチンを含む打ち粉;バッターミックス、マンナン及び水を含むバッター液;及びパン粉を順次付けて油調する工程、及び
(b)上記で得られたパン粉付きフライを冷凍する工程。
以下、これらの工程について説明する。
(a)工程
(a-1)具材に打ち粉を付ける工程
当該工程は、前述する具材の表面に打ち粉を付着させる工程である。打ち粉は具材の表面全体に均一に付着させることが好ましい。
打ち粉は、穀粉及びでん粉に加えてゼラチンを含むことを特徴とする。
本発明が対象とするゼラチンには顆粒と粉体が含まれるが、好ましくは粉末である。この場合、本発明の打ち粉は穀粉、でん粉及びゼラチン粉末の粉体混合物であるといえる。
ゼラチンは、その由来を特に制限せず、例えばサメ軟骨、豚骨、豚皮、牛骨、及び牛皮などから調製されたものを制限なく使用することができる。
打ち粉100質量%中に含まれるゼラチンの割合は、本発明の効果を奏する範囲であればよく、特に制限はされないものの、通常0.5〜5質量%の範囲を挙げることができる。好ましくは0.5〜3質量%、より好ましくは1〜2質量%である。
穀粉とは、穀物を挽いて作った粉であり、小麦、米、大麦、ライ麦、トウモロコシ、及びヒエ等のイネ科穀物の挽き粉;大豆、エンドウ豆、及び緑豆などの豆類の挽き粉;蕎麦等の擬穀類の挽き粉;葛、タピオカ、及び馬鈴薯等の芋類及び根菜類の挽き粉;栗等の木の実の挽き粉が含まれる。なお、上記穀物は生であっても、焙煎などの加熱処理を施したものであってもよい。好ましくは、イネ科穀物の挽き粉、豆類の挽き粉、並びに芋類及び根菜類の挽き粉を挙げることができる。これらの穀粉は1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。組み合わせの態様は、制限はされないものの、好ましくは小麦粉、及び大豆粉(きな粉を含む。以下、同じ。)であり、より好ましくは小麦粉、大豆粉、米粉である。なお、小麦粉は薄力粉でも中力粉でもよいが、好ましくは薄力粉である。
でん粉は、その由来を特に制限するものではなく、例えば馬鈴薯澱粉(片栗粉)、コーン澱粉(コーンスターチ)、ワキシーコーンスターチ、サゴ椰子澱粉、及びタピオカ澱粉を挙げることができる。これらは1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。でん粉は、好ましくはβ状態の生デン粉であるが、α状態のα化でん粉が含まれていてもよい。なお、必要に応じて、でん粉に加えて、さらにエーテル化澱粉でん粉、エステル化でん粉、及び架橋化澱粉などの加工でん粉を用いてもよい。
打ち粉に含まれるでん粉(炭水化物)と蛋白質は、打ち粉層の形成成分であるとともに、打ち粉の具材への付着性、バッター液の付着量、油調後のフライ食品の衣と具材との剥離抑制、具材からの離水による衣の軟化抑制に関係する成分である。このうち、打ち粉中に含まれるでん粉の含量は、穀粉中に内在するでん粉の量を含めて、70〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは73〜78質量%、さらに好ましくは75〜76質量%である。でん粉含有量が少なすぎるとサクサクとした適度な硬さを維持できず、多すぎると不必要に硬く脆くなる。又、打ち粉中に含まれる蛋白質は、ゼラチンに加えて穀粉中に内在する蛋白質の量を含めて4〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは7〜10質量%、さらに好ましくは8〜10質量%である。打ち粉に含まれる蛋白質有量が少なすぎると油調後に具材と剥離し易く、又、弾性や強度が弱く再加熱で破裂し易くなる。しかし逆に多すぎると打ち粉層は強固になるがベタついた打ち粉層になる。
穀粉とでん粉との好ましい組み合わせ態様は、小麦粉、大豆粉、及びでん粉;並びに小麦粉、大豆粉、米粉及びでん粉の組み合わせである。ここででん粉として、片栗粉とその他のでん粉を組み合わせて使用してもよい。
制限はされないものの、組み合わせとして小麦粉、大豆粉、及びでん粉を用いる場合、小麦粉100質量部に対する大豆粉の割合として、1〜6質量部、好ましくは1.5〜3質量部;でん粉の割合として、20〜60質量部、好ましくは30〜55質量部を挙げることができる。また上記でん粉として片栗粉とその他のでん粉を組み合わせて使用する場合、小麦粉100質量部に対する片栗粉の割合として35〜55質量部、好ましくは29〜50質量部;その他のでん粉の割合として、0〜18質量部、好ましくは0〜15質量部を挙げることができる。
打ち粉は上記の穀粉、でん粉及びゼラチンが均一に分散するように粉体混合することで調製される。また打ち粉は、60メッシュパス/80メッシュオン、好ましくは60メッシュパス/70メッシュオンの粒径を有するように調製されることが好ましい。
斯くして調製される打ち粉の具材への付着方法は、制限はされず、通常の方法を採用することができる。例えば、打ち粉を具材の表面に振り掛ける方法、トレイの中にいれた打ち粉の中に具材を埋没または回転させながら付着させる方法等を挙げることができる。なお、具材に付着した余分な打ち粉は、具材を軽く振ることで落とすことができ、斯くして具材表面に打ち粉を均一に付着させることができる。なお、制限はされないものの、打ち粉の付着量は、具材100質量部に対して好ましくは8〜9質量部の割合を例示することができる。
(a-2)バッター液を付ける工程
当該工程は、(a-1)で打ち粉を付着させた具材の表面にバッター液を付着させる工程である。バッター液は具材の表面全体に均一に付着させることが好ましい。
バッター液は、バッターミックス及び水に加えてマンナンを含むことを特徴とする。
マンナンは、マンノースを主成分とする多糖類である。ゾウゲヤシの実、緑藻のミル、紅藻のアサクサノリには、ほぼD−マンノースのみがβ-1,4結合したものからなるマンナンが含まれている。好ましいマンナンとして、グルコマンナンを挙げることができる。グルコマンナンは、サトイモ科に属するこんにゃく芋の塊茎(芋)に含まれる多糖類であり、グルコースとマンノースとが結合してなるものである。
バッター液中に含まれるマンナンの割合としては、制限されないが、バッター液の固形分100質量%あたり、固形換算で0.2〜0.6質量%、好ましくは0.3〜0.5質量%、より好ましくは0.3〜0.4質量%を挙げることができる。
なお、マンナンは、これを後述するバッターミックス及び水と混合する際、予め水に分散させてマンナンゲルの状態に調製しておくことが好ましい。制限されないものの、かかるマンナンゲルは、マンナンが1〜5質量%の濃度範囲、好ましくは2〜4質量%程度の濃度になるように調製することが望ましい。
バッターミックスは、マンナンやゼラチンを含有しない市販のバッターミックスを用いることができる。バッターミックスは通常、穀粉、でん粉、及び加工でん粉を主体とする粉体混合物であり、その他の成分として、増粘多糖類、粉末油脂、及び乳化剤、並びに必要に応じて蛋白素材などが配合されている。
バッターミックスに使用する穀粉としては、上記(a-1)に記載する穀粉を広く挙げることができる。これらは一種単独で使用してもよいし、二種以上の穀粉を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは、イネ科穀物の挽き粉、及び豆類の挽き粉の挽き粉を挙げることができる。より好ましくは小麦粉、米粉、及び大豆粉である。これらの穀粉は1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。組み合わせの態様としては、制限はされないものの、好ましくは小麦粉、及び大豆粉であり、より好ましくは、小麦粉、大豆粉及び米粉である。なお、小麦粉は薄力粉でも中力粉でもよいが、好ましくは薄力粉である。
上記穀粉には、でん粉の総量が30質量%以上になるように、さらにでん粉(粉末)を配合してもよい。でん粉は、その由来を特に制限するものではなく、例えば馬鈴薯澱粉、コーン澱粉(コーンスターチ)、ワキシーコーンスターチ、サゴ椰子澱粉、及びタピオカ澱粉を挙げることができる。これらのでん粉は一種単独で使用しても、二種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、及びタピオカ澱粉であり、より好ましくは馬鈴薯澱粉、コーンスターチである。
加工でん粉としては、エーテル化でん粉、エステル化でん粉、及び架橋化澱粉等を挙げることができる。これらの加工でん粉は一種単独で使用しても、二種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。かかる加工でん粉は、バッター液の増粘多糖類と共に、バッター液の粘度を調整し、具材に適切な量を付着させ、またパン粉の付着を助ける働きと、油調後又は解凍後の保存中にでん粉の老化による衣の脆化や硬化を防ぐ働きがある。加工でん粉はα状態の加工でん粉であってもよい。
バッターミックス中に含まれるでん粉及び加工でん粉の総量(穀粉中に内在するでん粉の量を含む)は、炭水化物換算でバッターミックス100質量%あたり、固形換算で60質量%以上、好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上を挙げることができる。上限は特に制限されないものの、通常85質量%以下、好ましくは80質量%以下である。
穀粉、でん粉及び加工でん粉の好ましい組み合わせ態様は、小麦粉、大豆粉、でん粉、及び加工でん粉;または小麦粉、大豆粉、米粉、でん粉、及び加工でん粉である。
本発明が使用するバッターミックス中には、上記穀粉、でん粉及び加工でん粉に加えて、増粘多糖類、粉末油脂、及び乳化剤が含まれており、その他、必要に応じて蛋白素材、香辛料、調味料、及び色素からなる群から選択される少なくとも1種の成分が含まれていてもよい。なお蛋白素材の配合により衣に弾性を与えることができ、また香辛料、調味料、及び/または色素の配合により、衣に香味や揚げ色を付与することができる。
ここで粉末油脂としては、食用の油脂(植物性油脂、動物性油脂)であればよく、制限されないが、好ましくは動物性油脂である。かかる動物性油脂には精製ラードを主原料とした油脂、及びバターを主原料とした油脂が含まれる。油脂として好ましくは水分散性の粉末動物性油脂(ラード)である。粉末動物性油脂は常温では固形で分散しているため、分離することがなく、油調時、バッター液内で加熱溶解し、バッター液全体に均一に分散するため、衣が均一に油調されることを助ける。
バッターミックス中に配合される粉末油脂の割合としては、制限されないものの、バッターミックス100質量%あたり、通常0.05〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.1〜2質量%を挙げることができる。
乳化剤としては、食用の乳化剤であればよく、特に制限されないが、例えば卵白や大豆に含まれるレシチン、グリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル類等を挙げることができる。バッターミックス中に配合される乳化剤の割合としては、制限されないものの、バッターミックス100質量%あたり、通常0.1〜1.5質量%、好ましくは0.2〜1質量%、より好ましくは0.3〜0.6質量%を挙げることができる。
増粘多糖類としては、制限はされないものの、グアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、及びタマリンドガムを例示することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。増粘多糖類は、最終的に調製するバッター液が所定の粘度になるように微調整するために配合され、この目的が達成できる限り、その配合割合は特に制限されない、例えば0.2〜1質量%の範囲で適宜設定調製することができる。
ここでバッター液の粘度としては、B型回転粘度計No.3ローターで25℃で1分間測定した場合の粘度として1000〜4000mPa.s程度の範囲を挙げることができる。
本発明で用いるバッター液は、上記成分を含むバッターミックスに、水、好ましくは冷水を加えてよく撹拌分散した後、これにマンナン(マンナンゲル)を配合し、混合することで調製することができる。
バッターミックスに配合する水の割合は、制限されないものの、バッターミックス100質量部に対して、水300〜500質量部、好ましくは350〜450質量部の範囲を挙げることができ、かかる範囲から適宜設定することができる。
マンナン(マンナンゲル)の配合割合は、前述する通りであり、バッター液の固形分100質量%中に含まれるマンナンの量が固形換算で0.2〜0.6質量%の範囲になるような割合である。
斯くして調製されるバッター液の具材への付着方法は、制限はされず、通常の方法を採用することができる。例えば、トレイの中にいれたバッター液の中に具材を浸漬し、その中で反転・回転させながら付着させる方法を挙げることができる。
(a-3)パン粉を付ける工程
当該工程は、(a-2)でバッター液を付着させた具材の表面にパン粉を付着させる工程である。パン粉は具材の表面全体に均一に付着させることが好ましい。
パン粉は、生のパン粉でも乾燥したパン粉でもよく、またマンナンを含有したパン粉であってもよい。好ましくはマンナンを含有した乾燥パン粉である。なお、マンナンを含有したパン粉として、例えば特開2009−291105号の公開特許公報に記載のパン粉を使用することができる。使用するパン粉の粒径(粗目、中目、細目の別)は、具材やフライの種類に応じて、適宜選択することができる。
パン粉の具材への付着方法は、制限はされず、通常の方法を採用することができる。例えば、トレイの中にいれたパン粉の中に具材を埋設または反転・回転させながら付着させる方法を挙げることができる。
(a-4)油調する工程
当該工程は、(a-1)〜(a-3)で打ち粉、バッター液及びパン粉を順に付着した具材を、油調して(油で揚げて)パン粉付きフライを製造する工程である。
油は食用油であればよく、フライの種類や嗜好に応じて適宜選択することができる。例えば、食用植物油(大豆油、菜種油、ゴマ油、太白ゴマ油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、コーンオイル、綿実油、米油、椰子油、パーム油、及びこれらの混合物)を挙げることができるが、好みによって、これにラードやなどの動物性の食用油を配合してもよい。
油調条件は、特に制限されず、フライに使用する通常の条件(温度、時間)を挙げることができる。具材の種類に応じて、変動するものの、通常160〜180℃で30秒〜5分、好ましくは165℃〜175℃で1分〜4分の条件を例示することができる。
この条件はフライの具材中心温度が80℃以下であり、好ましくは60℃〜70℃になるように微調整する。
(b)冷凍工程
当該工程は、上記で得られた油調済みのパン粉付きフライを冷凍する工程である。
冷凍条件としては、−18℃以下の温度条件、好ましくは−30〜−20℃の温度条件を挙げることができる。具体的には、上記パン粉付きフライを一旦、室温程度まで冷やした後、品温が−20℃以下、好ましくは―30℃以下になるように急速冷凍し、その後、上記−18℃以下、好ましくは−30〜−20℃の条件下で冷凍保存する方法を挙げることができる。凍結時間は2時間、好ましくは1時間でフライの中心温度が所定の温度に達するような条件で冷凍でする。
以上の工程を経ることにより、本発明の冷凍パン粉付きフライ食品を製造することができる。斯くして製造される冷凍パン粉付きフライ食品は、解凍してから食される冷凍食品として市場に流通販売される。
(III)冷凍パン粉付きフライ食品の解凍方法、及び解凍物
上記(II)の方法で製造される冷凍パン粉付きフライ食品は、解凍することで食べられる状態になる。
解凍方法は、特に制限されず、緩慢解凍であってもよいし、また強制的に解凍する急速解凍法であってもよい。
緩慢解凍としては、好ましくは、冷凍フライ食品を冷蔵庫又は室温(7〜30℃)で解凍する方法である「自然解凍」、及び冷凍フライ食品を熱伝導率の高い素材でできた解凍プレートに乗せて解凍する方法である「解凍プレート・解凍」を挙げることができる。より好ましくは自然解凍である。対象とする冷凍パン粉付きフライ食品の大きさや具材の種類によっても相違するものの、自然解凍に要する時間として20分〜1時間程度を挙げることができる。
また急速解凍としては、再度、油調したり、オーブンなどで再加熱する方法(加熱解凍)を挙げることができるが、好ましくはマイクロ波を照射して解凍する方法である「電子レンジ解凍」を挙げることができる。対象とする冷凍パン粉付きフライ食品の大きさや具材の種類によっても相違するものの、電子レンジ解凍に要する時間として、例えば500Wの電子レンジを使用する場合、20秒〜1分程度を挙げることができる。この場合、具材中心温度は80℃以下が良い。好ましくは70℃以下に調節されると具材の熱収縮を抑える事ができ剥離がなくジューシーで軟らかい具材のフライが解凍できる。
このように解凍された冷凍パン粉付きフライ食品(解凍物)は、解凍後も、具材から衣が剥がれず、また長時間にわたり衣のサクサクとしたフライ特有の食感(風味)を維持しているという特徴・効果を備えている。
特に、後述する実験例に示すように、本発明の冷凍パン粉付きフライ食品は24時間自然解凍した後でも衣のサクサクとしたフライ特有の食感(風味)を維持しているため、コンビニやスーパーで販売される総菜や弁当、また家庭で作る弁当のおかずとして有用である。特に後者の場合、前日から翌日の弁当のおかずを作ることができるため、忙しいときの弁当作りに特に有用である。
以下、本発明の理解をより容易にするために、本発明の一態様として実施例及び実験例を記載する。但し、本発明はこれらの実施例及び実験例によって制限されるものではない。
実験例1
(1)材料
(1-1)具材
エビ(バナメイ種)(20〜10g/匹)を使用した。前処理として、殻及び背わたを取り除き、3.0%のリン酸塩及び2.0%食塩を含有する水溶液(エビ歩留まり向上剤)に、30分間漬け込んだ。
(1-2)対照打ち粉
下記成分からなる粉体混合物を、対照の打ち粉(対照打ち粉1及び2)として使用した。小麦粉及び大豆粉に含まれるでん粉を含めると、対照打ち粉1及び2に含まれるでん粉の総量は、それぞれ75.3質量%及び75.8質量%である。
[対照打ち粉1] でん粉含有割合75.3質量%
蛋白質含有割合8.2質量%
小麦粉(薄力粉) 87.0質量%
でん粉(コーンスターチ) 11.5質量%
大豆粉 1.5質量%
合 計 100.0質量%
[対照打ち粉2] でん粉含有割合76.5質量%
蛋白質含有割合6.6質量%
小麦粉(薄力粉) 69.6質量%
大豆粉 1.2質量%
でん粉(コーンスターチ) 9.2質量%
でん粉(片栗粉) 20.0質量%
合 計 100.0質量%
(1-3)対照バッター液
下記成分からなるバッターミックス(粉体混合物)100重量部に対して冷水を400重量部の割合で添加し、よく混合したものを、対照バッター液(バッターミックス20重量%含有)として使用した。
[対照バッターミックス]でん粉及び加工でん粉総量(炭水化物換算)73.9質量%
蛋白質含有割合 7.26質量%
でん粉(コーンスターチ) 43.5 質量%
小麦粉(薄力粉) 43.0 質量%
大豆粉 8.0 質量%
粉末動物油脂 2.0 質量%
米粉 1.0 質量&
加工でん粉 1.0 質量%
増粘多糖類(キサンタンガム) 0.5 質量%
乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル) 0.5 質量%
安定剤(カゼインナトリウム) 0.5 質量%
合計 100.0 質量%
(1-4)マンナンゲル
粉末状のマンナン2重量部を水98重量部に溶解し、2重量%のマンナンゲルを調製した。
(1-5)パン粉:
パン粉として乾燥パン粉(中目)を使用した。
(2)製造方法
(2-1)油調前処理工程
具材のエビ表面の水分を拭き取った前処理済みのエビの表面全体に、表1に記載する打ち粉を満遍なく付着させ、次いで余分な粉を振り落とした。これを表1に記載するバッター液に漬けて、バッター液をエビ表面全体に均一に付着させた。次いで、バッター液を付けたエビをパン粉の中に入れ、エビ表面全体にパン粉を均一に付着させた。
(2-2)油調工程
上記で調製したパン粉付きフライ用エビを、キャノラー油を使用して、温度170℃で2分間、油調した。
(2-3)凍結工程
上記で油調したエビフライを室温冷却した後、−20℃の冷凍庫に入れて、凍結した。
上記エビフライ(試験サンプル1〜5)の製法に使用した各材料、及び製造条件を下記表1に示す。
Figure 0006289090
上記工程を経て調製し、品温−20℃に凍結冷凍したエビフライ(冷凍エビフライ)を、後述する2通りの方法で解凍(加熱解凍、自然解凍)し、解凍後のエビフライの物性、食感、及び風味等を評価した。
(3)解凍後の評価
(a)加熱解凍後の評価
(a-1)物性評価
加熱解凍として電子レンジ(500W)による解凍方法を採用した。
冷凍エビフライを電子レンジで40秒間加熱した後の衣内温度、並びに冷凍エビフライを電子レンジで加熱し、衣内温度が80℃に達するまでの所要時間を測定した。また加熱前後の被験サンプル(エビフライ)の重量から、加熱後の歩留まり(%)を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0006289090
この結果から、被験サンプル#4a及び#5aは、同じ加熱条件(500Wで40秒間加熱)で、他の被験サンプル#1a〜#3aと比べて衣内での温度が高くなることが確認された。また衣内の温度が80℃に昇温するまでの時間も、被験サンプル#4a及び#5aが最も短かった。このことから、被験サンプル#4a及び#5aの加熱効率が高く、短時間で解凍調理できることが判明した。
(a-2)官能評価
電子レンジ(500W)で80℃30秒間加熱して解凍した被験サンプル#1a〜4aの各エビフライを室温の条件下に30分間放置し、品温が室温になるまで冷却した。これらをパネラー10名(男性5名、女性5名)に食してもらい、(1)衣の食感、(2)衣と具材(エビ)の付着具合、及び(3)エビの風味を評価してもらった。採点評価基準を表3に示す。
Figure 0006289090
表3の基準に従って採点を行い、パネラー10名の平均値を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0006289090
表4に示すように、対照打ち粉と対照バッター液を用いて作製した冷凍エビフライの加熱解凍物(被験サンプル#1a)と比較して、対照バッター液にマンナンゲルを配合して作製した冷凍エビフライの加熱解凍物(被験サンプル#2a)、及び対照打ち粉にゼラチンを配合して作製した冷凍エビフライの加熱解凍物(被験サンプル#3a)のほうが、衣の食感(サクサク感)、及び衣と具材との付着性が向上し、エビフライの風味が強まることが確認された。さらに、これらの効果は、対照バッター液にマンナンゲルを配合し、且つ対照打ち粉にゼラチンを配合することで一層向上し、斯くして作製した冷凍エビフライの加熱解凍物(被験サンプル#4a及び#5b)で、本発明の効果が最も高く得られることが確認された。
なお、エビの肉質感(プリプリした食感)は、被験サンプル#1a〜#4aともいずれも良好であった。
なお、打ち粉に配合するゼラチンの量を5質量%よりも多くすると、油調時の衣内の温度が上昇しすぎ、具材であるエビが収縮することがわかった。このことから、具材の種類にもよるが、打ち粉に配合するゼラチンの量は5質量%以下に抑えることが好ましいと思われる。さらに、打ち粉を使用せず、5%濃度のマンナンゲルを5質量%、及びゼラチンを1質量%の割合で含むバッター液を用いて同様に被験サンプルを調製し、同様に試験を行っても、マンナンゲルだけを含む上記被験サンプル#2aと同様の効果しか得られず、ゼラチン配合による効果は得ることができなかった。 以上の物性評価と官能評価の結果を総合すると、冷凍フライ食品の製造にあたり、ゼラチンを添加した打ち粉とマンナンゲルを添加したバッター液を用いることで、これらをいずれか一方または両方とも配合しない打ち粉及びバッター液を用いて調製した冷凍エビフライと比べて、解凍調理に要する加熱時間が短縮され、また加熱温度と加熱時間を同一にした場合でも、衣の食感(サクサク感)、及び衣と具材との付着性が向上し、エビフライの風味が強まることが判明した。特に、この衣の食感(サクサク感)は、加熱直後だけでなく、冷えた後も持続していることが確認された。
(b)自然解凍後の評価
(b-1)官能評価
自然解凍として、20℃の恒温器に24時間放置する方法を採用した。この条件で放置すると、放置から30分程度で、冷凍エビフライは解凍されることが確認されている。
冷凍エビフライを上記方法により解凍後、さらに室温条件下に品温が室温になるまで放置した後、パネラー10名(男性5名、女性5名)に食してもらい、(1)衣の食感、及び(2)衣と具材(エビ)の付着具合を評価してもらった。採点評価基準は上記表3に記載した通りである。
表3の基準に従って採点を行い、パネラー10名の平均値を求めた。結果を表5に示す。
Figure 0006289090
表5に示すように、対照打ち粉と対照バッター液を用いて作製した冷凍エビフライの自然解凍物(被験サンプル#1b)と比較して、対照バッター液にマンナンゲルを配合して作製した冷凍エビフライの自然解凍物(被験サンプル#2b)、及び対照打ち粉にゼラチンを配合して作製した冷凍エビフライの自然解凍物(被験サンプル#3b)のほうが、衣の食感(サクサク感)、及び衣と具材との付着性が向上し、エビフライの風味が強まることが確認された。さらに、これらの効果は、対照バッター液にマンナンゲルを配合し、且つ対照打ち粉にゼラチンを配合して作製した冷凍エビフライの自然解凍物(被験サンプル#4及び#5)で顕著に高く得られることが確認された。なお、エビの肉質感(プリプリした食感)やエビそのものの風味は、被験サンプル#1b〜#4bともいずれも良好であった。
当該官能評価の結果から、冷凍フライ食品の製造にあたり、ゼラチンを添加した打ち粉とマンナンゲルを添加したバッター液を用いることで、これらをいずれか一方または両方とも配合しない打ち粉及びバッター液を用いて調製した冷凍エビフライと比べて、自然解凍した場合でも、衣の食感(サクサク感)、及び衣と具材との付着性が向上し、エビフライの風味が強まることが判明した。特に、この衣の食感(サクサク感)は、解凍直後だけでなく、解凍後も持続していることが確認された。

Claims (8)

  1. (a)具材に、穀粉、でん粉、及びゼラチンを含有する打ち粉;バッターミックス、マンナン、及び水を含むバッター液;並びにパン粉を順次付けて油調する工程、及び
    (b)上記(a)の工程で得られたパン粉付きフライを冷凍する工程
    を有する冷凍パン粉付きフライ食品の製造方法であって、
    前記打ち粉がゼラチンを0.5〜5質量%の割合で含有するものである上記製造方法
  2. 上記バッターミックスが、穀粉、でん粉、加工でん粉、増粘多糖類、粉末油脂、及び乳化剤を含有する混合物である、請求項1記載の製造方法。
  3. 上記バッター液に配合するマンナンが、マンナンゲルである、請求項1または2に記載する製造方法。
  4. 上記バッター液が、バッター液固形分100質量%あたりマンナンを固形換算0.2〜0.6質量%の割合で含有するものである、請求項1乃至3のいずれかに記載する製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの製造方法で得られる冷凍パン粉付きフライ食品またはその解凍物。
  6. 上記解凍物が、請求項1乃至4のいずれかの製造方法で得られる冷凍パン粉付きフライ食品を電子レンジ解凍または自然解凍したものである、請求項5に記載する冷凍パン粉付きフライ食品またはその解凍物。
  7. 穀粉及びゼラチンを含む冷凍パン粉付きフライ食品用の打ち粉であって、ゼラチンの含有量が0.5〜5質量%であることを特徴とする、上記打ち粉。
  8. でん粉を含有するものである、請求項7に記載する打ち粉。
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