JP6288424B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明はステアリング装置に関する。
ブラケットのチルト用長溝の周辺に固定歯列を設け、チルト用長溝を挿通する締付軸によって保持されてチルト用長溝によって案内される可動部材に可動歯列を設け、両歯列を互いに噛み合わせてチルトロックを達成するステアリング装置が提案されている(例えば特許文献1,2を参照)。
固定歯列の歯頂部と可動歯列の歯頂部とが当接した状態でロックされる、いわゆるハーフロックの発生を抑制するために、特許文献1では、可動部材に、可動歯列の歯の高さよりも高く突出した山部を有する可撓性部材を設けることが提案されている。
特許文献2では、ハーフロックの発生を抑制するために、各歯列の歯の形状を円弧状とすることが提案されている。
特開2008−239085号公報 特開2006−117196号公報
しかしながら、部品点数が多くなったり、歯形状が複雑になったりして、構造が複雑になるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造でハーフロックの発生を抑制することができるステアリング装置を提供することである。
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、操舵部材(2)が連結されたステアリングシャフト(3)と、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持しチルト中心(CC)回りに揺動可能な中空のステアリングコラム(8)と、第1側板(22)を含み、車体(13)に固定される第1ブラケット(17)と、前記第1側板に対向する第2側板(24)を含み、前記ステアリングコラムに固定された第2ブラケット(18)と、前記第1側板の第1挿通溝としてのチルト用長溝(23)および第2側板の第2挿通溝(25)を挿通する締付軸(21)と、前記締付軸と一体回転可能な操作レバー(20)と、締付部材(33,38)を含み前記操作レバーのロック方向(Z1)への回転操作に伴って前記締付部材によって前記第1側板を前記第2側板に締め付ける締付機構(31)と、を含むロック機構(19)と、を備え、前記締付機構は、前記第1側板のチルト用長溝に近接して設けられチルト方向(Y)に並ぶ平行歯からなる第1歯列(51)を含み、前記締付部材は、前記第1側板を締め付ける締付板(36,40)と、前記締付板に設けられ前記第1歯列と噛み合う平行歯からなる第2歯列(52)と、前記締付板から延び前記チルト用長溝に所定の遊びを有して挿通されて回転規制されるとともにチルト調節時に前記チルト用長溝によって案内されるボス(37,41)と、を含み、前記ロック方向(Z1)は、前記操作レバーを前記締付軸の中心軸線回りに押し下げる方向であり、前記チルト用長溝は、チルト方向上方の第1端部(231)と、チルト方向下方の第2端部(232)と、を含み、前記第2端部における溝幅(W2)が、前記第1端部における溝幅(W1)よりも狭くされているステアリング装置(1)を提供する。
請求項2の発明は、操舵部材(2)が連結されたステアリングシャフト(3)と、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持しチルト中心(CC)回りに揺動可能な中空のステアリングコラム(8)と、第1側板(22)を含み、車体(13)に固定される第1ブラケット(17)と、前記第1側板に対向する第2側板(24)を含み、前記ステアリングコラムに固定された第2ブラケット(18)と、前記第1側板の第1挿通溝としてのチルト用長溝(23A)および第2側板の第2挿通溝(25)を挿通する締付軸(21)と、前記締付軸と一体回転可能な操作レバー(20)と、締付部材(33,38)を含み前記操作レバーのロック方向(Z1A)への回転操作に伴って前記締付部材によって前記第1側板を前記第2側板に締め付ける締付機構(31)と、を含むロック機構(19A)と、を備え、前記締付機構は、前記第1側板のチルト用長溝に近接して設けられチルト方向(Y)に並ぶ平行歯からなる第1歯列(51)を含み、前記締付部材は、前記第1側板を締め付ける締付板(36,40)と、前記締付板に設けられ前記第1歯列と噛み合う平行歯からなる第2歯列(52)と、前記締付板から延び前記チルト用長溝に所定の遊びを有して挿通されて回転規制されるとともにチルト調節時に前記チルト用長溝によって案内されるボス(37,41)と、を含み、前記ロック方向は、前記操作レバーを前記締付軸の中心軸線回りに押し上げる方向であり、前記チルト用長溝は、チルト方向上方の第1端部(231A)と、チルト方向下方の第2端部(232A)と、を含み、前記第1端部における溝幅(W1A)が、前記第2端部における溝幅(W2A)よりも狭くされているステアリング装置(1A)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項1の発明によれば、チルト調節時において、締付部材のボスが、チルト用長溝のチルト方向下方の第2端部付近に変位する第1の状態では、締付軸の中心軸線回りのボスの遊びが小さく、第2歯列が第1歯列に整合する。
チルト調節時において、締付部材のボスが、チルト用長溝のチルト方向上方の第1端部付近に変位する第2の状態における第2歯列の姿勢は、第1の状態における第2歯列の姿勢に対して、チルト中心回りの回転方向上方へ姿勢変化している。
第2の状態では、締付軸の中心軸線回りのボスの遊びが大きいので、チルトロック時に、操作レバーのロック方向への押し下げロック動作で、締付軸の中心軸線回りの回転方向下方へ第2歯列の姿勢を矯正して、第2歯列を第1歯列に整合させることができる。したがって、各歯列として平行歯を用いてチルト用長溝の両端部の溝幅を単に異ならせる簡単な構造で、ハーフロックの発生を抑制することができる。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2の発明によれば、チルト調節時において、締付部材のボスが、チルト用長溝のチルト方向上方の第1端部付近に変位する第1の状態では、締付軸の中心軸線回りのボスの遊びが小さく、第2歯列が第1歯列に整合する。
チルト調節時において、締付部材のボスが、チルト用長溝のチルト方向下方の第2端部付近に変位する第2の状態における第2歯列の姿勢は、第1の状態における第2歯列の姿勢に対して、チルト中心回りの回転方向下方へ姿勢変化している。
第2の状態では、締付軸の中心軸線回りのボスの遊びが大きいので、チルトロック時に、操作レバーのロック方向への押し上げロック動作で、締付軸の中心軸線回りの回転方向上方へ第2歯列の姿勢を矯正して、第2歯列を第1歯列に整合させることができる。したがって、各歯列として平行歯を用いてチルト用長溝の両端部の溝幅を単に異ならせる簡単な構造で、ハーフロックの発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態のステアリング装置の模式的断面図である。 第1実施形態のステアリング装置の要部の概略断面図であり、図1のII−II線に沿って切断した断面に相当する。 第1実施形態において、締付機構の非回転カムを構成する一方の締付部材の斜視図である。 第1実施形態において、他方の締付部材の斜視図である。 第1実施形態において、チルト用長溝の両側の第1歯列と、第2歯列を有する締付部材との位置関係を示す模式図である。(a)は、チルト調節時に、締付軸がチルト用長溝の溝幅の狭い第2端部付近に変位した状態を示し、(b)は、チルト調節時に、締付軸がチルト用長溝の溝幅の広い第1端部付近に変位した状態を示す。(c)は、締付軸が第1端部付近に変位した位置でチルトロックが達成された状態を示す。 本発明の第2実施形態のステアリング装置の模式的断面図である。 本発明の第2実施形態において、チルト用長溝の両側の第1歯列と、第2歯列を有する締付部材との位置関係を示す模式図である。(a)は、チルト調節時に、締付軸がチルト用長溝の溝幅の狭い第1端部付近に変位した状態を示し、(b)は、チルト調節時に、締付軸がチルト用長溝の溝幅の広い第2端部付近に変位した状態を示す。(c)は、締付軸が第1端部付近に変位した位置でチルトロックが達成された状態を示す。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態のステアリング装置の概略構成を示す一部破断模式的側面図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2が軸方向Xの一端に連結されたステアリングシャフト3と、インターミディエイトシャフト4等を介してステアリングシャフト3と連結されたステアリング機構5と備える。
ステアリング機構5は、操舵部材2の操舵に連動して転舵輪(図示せず)を転舵する例エバラックアンドピニオン機構である。操舵部材2の回転は、ステアリングシャフト3およびインターミディエイトシャフト4等を介してステアリング機構5に伝達される。また、ステアリング機構5に伝達された回転は、図示しないラック軸の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪が転舵される。
ステアリングシャフト3は、例えばスプライン嵌合やセレーション嵌合によって相対摺動可能に嵌合された筒状のアッパーシャフト6とロアーシャフト7とを有している。操舵部材2は、アッパーシャフト6の一端に連結されている。また、ステアリングシャフト3は、軸方向Xに伸縮可能である。
ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持する中空のステアリングコラム8を備える。ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム8内に挿通されており、複数の軸受9,10を介してステアリングコラム8によって回転可能に支持されている。
ステアリングコラム8は、相対摺動可能に嵌合された例えばアウタージャケットであるアッパージャケット11と例えばインナージャケットであるロアージャケット12とを有している。ステアリングコラム8は、軸方向Xに伸縮可能である。アッパージャケット11は、軸受9を介してアッパーシャフト6を回転可能に支持している。また、アッパージャケット11は、軸受9を介して、ステアリングシャフト3の軸方向Xに同行移動可能にアッパーシャフト6に連結されている。
ステアリング装置1は、車体13に固定される固定ブラケット14と、固定ブラケット14によって支持されたチルト中心軸15と、ロアージャケット12の外周に固定され、チルト中心軸15によって回転可能に支持されたコラムブラケット16とを備える。ステアリングコラム8およびステアリングシャフト4は、チルト中心軸15の中心軸線であるチルト中心CCを支点にしてチルト方向Yに回動可能(チルト可能)となっている。
チルト中心CC回りにステアリングシャフト4およびステアリングコラム8を回動(チルト)させることで、操舵部材2の位置を調整できるようになっている(いわゆるチルト調整)。また、ステアリングシャフト4およびステアリングコラム8を軸方向Xに伸縮させることで、操舵部材2の位置を調整できるようになっている(いわゆるテレスコ調整)。
ステアリング装置1は、車体13に固定される第1ブラケット17と、ステアリングコラム8のアッパージャケット11に固定された第2ブラケット18(ディスタンスブラケットに相当)と、ロック機構19とを備える。ロック機構19によって、両ブラケット17,18がロックされることにより、ステアリングコラム8の位置が車体13に対して固定されて、操舵部材2の位置が固定される。
ロック機構19は、運転者が回転操作する操作レバー20と、操作レバー20と一体回転可能であって両ブラケット17,18を挿通する締付軸21とを備える。締付軸21の中心軸線C1が、操作レバー20の回転中心に相当する。
締付軸21は、第1ブラケット17の一対の第1側板22(図1では一方の第1側板22のみを示してある)にそれぞれ設けられチルト方向Yに延びる第1挿通溝としてのチルト用長溝23と、第2ブラケット18の一対の第2側板24(図1では一方の第2側板24のみを示してある)にそれぞれ設けられテレスコ方向(軸方向Xに相当)に延びる第2挿通溝としてのテレスコ用長溝25とを挿通している。
ロック機構19のロック方向Z1は、操作レバー20を締付軸21の中心軸線C1回りに押し下げる方向である。ロック解除方向Z2は、ロック方向Z1の反対方向である。
図2に示すように、第1ブラケット17は、図示しないカプセル機構を介して車体13に離脱可能に支持された取付板26と、取付板26に沿って固定された天板27と、天板27の両端からチルト方向Yの下方に延びる一対の第1側板22とを備えている。
第2ブラケット18は、第1ブラケット17の一対の支持側板22にそれぞれ対向する一対の第2側板24と、一対の第2側板24のチルト方向Yの下端間を連結する連結板28とを備えた溝形をなしている。
締付軸21は、第1ブラケット17の両第1側板22のチルト用長溝23およびコラムブラケット17の両第2側板24のテレスコ用長溝25を貫通するボルトからなる。締付軸21の一端の頭部29は、操作レバー20と一体回転可能に固定されている。締付軸21の他端には、ナット30がねじ係合されている。
ロック機構19は、操作レバー20と、締付軸21と、操作レバー20の回転操作に伴って、チルトロックおよびテレスコロックを達成する締付機構31とを備える。締付機構31は、操作レバー20と一体回転する回転カム32と、回転カム32に対してカム係合する非回転カムを構成し一方の第1側板22を締め付ける一方の締付部材33と、他方の第1側板22を締め付ける他方の締付部材38と、ナット30と、他方の締付部材38とナット30との間に介在した介在部材39とを含む。
締付軸21の頭部29と一方の第1側板22と間に、操作レバー20と、回転カム32と、非回転カムである一方の締付部材33とが介在している。ナット30と第1ブラケット17の他方の第1側板22との間に、他方の締付部材38と、介在部材39とが介在している。回転カム32、一方の締付部材33(非回転カム)、他方の締付部材38および介在部材39は、締付軸21の外周によって支持されている。各締付部材33,38は、締付軸21の軸方向Jに移動可能に支持されている。
回転カム32は、操作レバー20と一体回転可能に連結され、締付軸21に対する軸方向Jの移動が規制されている。すなわち、操作レバー20は締付軸21の頭部に対する回転が規制されている。回転カム32は、環状板34と、環状板34の中心孔の周囲に設けられて操作レバー20の挿通孔に一体回転可能に挿通されたボス35とを備える。
また、ロック機構19は、チルト用長溝23に近接して各第1側板22の外側面に設けられた第1歯列51と、各締付部材33,38に設けられ、対応する第1歯列51に噛み合う第2歯列52とを含む。
第1歯列51は、図2に示すように、第1側板22の外側面に固定されたブロック状の第1歯列形成部材に形成されていてもよいし、また、図示していないが、第1側板22に直接形成されてもよい。
図1に示すように、第1歯列51は、チルト用長溝23の両側に一対が配置されている。各第1歯列51は、チルト方向Yに並ぶ平行歯である。一対の第1歯列51は、チルト用長溝23の長手方向(チルト方向Y)とは直交する方向に対向している。チルト用長溝23は、チルト中心CCを中心とする円弧溝である。しかしながら、チルト中心CCからチルト用長溝23までの距離(円弧溝の半径に相当)が、チルト用長溝23の長手方向の長さと比較して格段に大きいため、チルト用長溝23は、実質的に直線状の溝に近い。
図3に示すように、非回転カムである一方の締付部材33は、一方の面が回転カム32の環状板34と対向し、他方の面に一方の第1側板22の一対の第1歯列51とそれぞれ噛み合う一対の第2歯列52を形成した締付板36と、締付板36から延びるボス37とを備えている。各第2歯列52は、チルト方向Yに並ぶ平行歯である。一対の第2歯列52は、ボス37を挟んだ両側に配置されており、チルト方向Yとは直交する方向に対向している。
図2に示すように、一方の締付部材33のボス37が、第1ブラケット17の一方の第1側板22のチルト用長溝23に挿入されている。ボス37が、チルト用長溝23に所定の遊びを有して挿入されることにより、一方の締付部材33の回転が、締付軸21の中心軸線C1回りの所定の角度範囲内に規制されている。ボス37は、チルト調節時にチルト用長溝23によって案内される。
図5(a)に示すように、チルト用長溝23は、チルト方向上方Y1の第1端部231と、チルト方向下方Y2の第2端部232とを含む。チルト用長溝23は、円弧溝であるが、簡略化のため、直線的に示してある。本実施形態のように、ロック機構19のロック方向Z1が、図1に示すように、操作レバー20を締付軸21の中心軸線C1回りに押し下げる方向である場合、図5(a)に示すように、第2端部232における溝幅W2が、第1端部231における溝幅W1よりも狭くされる(W1>W2)。例えば、チルト中心CCを中心とする理想中心軌道(円弧軌道)を溝幅中心として、溝幅が、第1端部231と第2端部232との間で連続的に変化されている。
図4に示すように、締付部材38は、第1ブラケット17の他方の第1側板22の一対の第1歯列51にそれぞれ噛み合う一対の第2歯列52を形成した締付板40と、締付板40から延びるボス41とを備える。各第2歯列52は、チルト方向Yに並ぶ平行歯である。一対の第2歯列52は、ボス41を挟んだ両側に配置されており、チルト方向Yとは直交する方向に対向している。
図2に示すように、他方の締付部材38のボス41が、第1ブラケット17の他方の第1側板22のチルト用長溝23に挿入されている。ボス41が、チルト用長溝23に所定の遊びを有して挿入されることにより、他方の締付部材38の回転が、締付軸21の中心軸線C1回りの所定の角度範囲内に規制されている。ボス41は、チルト調節時にチルト用長溝23によって案内される。
介在部材39は、ナット30と締付部材38との間に介在するワッシャ42と、ワッシャ42と締付部材38の締付板40との間に介在する針状ころ軸受43とを備えている。 締付軸21の軸部の外周には、例えばセレーション嵌合により締付軸21と一体回転するスリーブ44が嵌合している。スリーブ44の外周には、押上カム45が一体回転可能に設けられている。
操作レバー20の回転に伴って、回転カム32が一方の締付部材33(非回転カム)に対して回転することにより、一方の締付部材33が締付軸21の軸方向Jに移動されて、一方の締付部材33の締付板36および他方の締付部材38の締付板40間で、第1ブラケット17の両第1側板22が挟持されて締め付けられる。
これにより、第1ブラケット17の各第1側板22が、第2ブラケット18の対応する第2側板24に圧接されて、チルトロックおよびテレスコロックが達成される。両締付部材33,38の締付と同時に、各締付部材33,38の第2歯列52が対応する第1歯列51と噛み合うので、強固なチルトロックが達成される。また、押上カム45がロアージャケット12を押し上げることにより、両ジャケット11,12間のロックが達成される。
本実施形態によれば、チルト調節時において、図5(a)に示すように、締付部材33のボス37が、チルト用長溝23のチルト方向下方Y2の第2端部232付近に変位する第1の状態では、締付軸21の中心軸線C1回りのボス37の遊びが小さく、第2歯列52が第1歯列51に整合する(すなわち、両歯列51,52の歯すじが概ね平行になる)。
チルト調節時において、図5(b)に示すように、締付部材33のボス37が、チルト用長溝23のチルト方向上方Y1の第2端部231付近に変位する第2の状態における第2歯列52の姿勢は、第1の状態における第2歯列52の姿勢に対して、チルト中心CC回りの回転方向上方へ、例えば回転角度θで姿勢変化している。
第2の状態では、締付軸21の中心軸線C1回りのボス37の遊びが大きいので、チルトロック時に、操作レバー20のロック方向Z1への押し下げロック動作で、図5(c)に示すように、締付軸21の中心軸線C1回りの回転方向下方へ、第2歯列52の姿勢を矯正して、第2歯列52を第1歯列51に整合させることができる。
したがって、各歯列51,52として平行歯を用いてチルト用長溝23の両端部231,232の溝幅W1,W2を単に異ならせる簡単な構造で、ハーフロックの発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態のステアリング装置1Aの模式的断面図である。図7の第2実施形態が、図1の第1実施形態と主に異なるのは、下記である。すなわち、ロック機構19Aのロック方向Z1Aが、操作レバー20を締付軸21の中心軸線C1回りに押し上げる方向である。また、ロック機構19Aのロック解除方向Z2Aが、操作レバー20を締付軸21の中心軸線C1回りに押し下げる方向である。
また、図7(a)に示すように、チルト用長溝23Aが、チルト方向上方Y1の第1端部231Aと、チルト方向下方Y2の第2端部232Aとを含む。第1端部231Aにおける溝幅W1Aが、第2端部232Aにおける溝幅W2Aよりも狭くされている(W1A<W2A)。
図6および図7の第2実施形態の構成要素において、図1および図5の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図1および図5の第1実施形態の構成要素と同じ参照符号を付してある。
本実施形態によれば、チルト調節時において、図7(a)に示すように、締付部材33のボス37が、チルト用長溝23Aのチルト方向上方Y1の第1端部231A付近に変位する第1の状態では、締付軸21の中心軸線C1回りのボス37の遊びが小さく、第2歯列52が第1歯列51に整合する(すなわち、両歯列51,52の歯すじが概ね平行になる)。
チルト調節時において、図7(b)に示すように、締付部材33のボス37が、チルト用長溝23Aのチルト方向下方Y2の第2端部232A付近に変位する第2の状態における第2歯列52の姿勢は、第1の状態における第2歯列52の姿勢に対して、チルト中心CC回りの回転方向下方へ、例えば回転角度θAで姿勢変化している。
第2の状態では、締付軸21の中心軸線C1回りのボス37の遊びが大きいので、チルトロック時に、操作レバー20のロック方向Z1Aへの押し上げロック動作で、図7(c)に示すように、締付軸21の中心軸線C1回りの回転方向上方に第2歯列52の姿勢を矯正して、第2歯列52を第1歯列51に整合させることができる。
したがって、各歯列51,52として平行歯を用いてチルト用長溝23Aの両端部231A,232Aの溝幅W1A,W2Aを単に異ならせる簡単な構造で、ハーフロックの発生を抑制することができる。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、第2歯列52が、締付部材33,38に単一の材料で一体に形成されているが、これに限らず、第2歯列を形成した第2歯列形成部材を、各締付部材に保持するようにしてもよい。
また、第1歯列51を一方の第1側板22のみに設け、第2歯列52を一方の第1側板22に対向する締付板36のみに設けて、第1歯列51と第2歯列52との噛み合いによるロックは、一方の第1側板22と対応する締付板36との間でのみ行うようにしてもよい。
その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1;1A…ステアリング装置、2…操舵部材、3…ステアリングシャフト、5…ステアリング機構、8…ステアリングコラム、13…車体、15…チルト中心軸、17…第1ブラケット、18…第2ブラケット、19;19A…ロック機構、20…操作レバー、21…締付軸、22…第1側板、23;23A…チルト用長溝(第1挿通溝)、231;231A…第1端部、232;232A…第2端部、24…第2側板、25…テレスコ用長溝(第2挿通溝)、29…頭部、30…ナット、31…締付機構、32…回転カム、33…締付部材(非回転カム)、36…締付板、37…ボス、38…締付部材、39…介在部材、40…締付板、41…ボス、50…第1歯列形成部材、51…第1歯列、52…第2歯列、C1…(締付軸の)中心軸線、CC…チルト中心、W1;W1A…(第1端部における)溝幅、W2;W2A…(第2端部における)溝幅、Y…チルト方向、Y1…チルト方向上方、Y2…チルト方向下方、Z1;Z1A…ロック方向、Z2;Z2A…ロック解除方向

Claims (2)

  1. 操舵部材が連結されたステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを回転可能に支持しチルト中心回りに揺動可能な中空のステアリングコラムと、
    第1側板を含み、車体に固定される第1ブラケットと、
    前記第1側板に対向する第2側板を含み、前記ステアリングコラムに固定された第2ブラケットと、
    前記第1側板の第1挿通溝としてのチルト用長溝および第2側板の第2挿通溝を挿通する締付軸と、前記締付軸と一体回転可能な操作レバーと、締付部材を含み前記操作レバーのロック方向への回転操作に伴って前記締付部材によって前記第1側板を前記第2側板に締め付ける締付機構と、を含むロック機構と、を備え、
    前記締付機構は、前記第1側板のチルト用長溝に近接して設けられチルト方向に並ぶ平行歯からなる第1歯列を含み、
    前記締付部材は、前記第1側板を締め付ける締付板と、前記締付板に設けられ前記第1歯列と噛み合う平行歯からなる第2歯列と、前記締付板から延び前記チルト用長溝に所定の遊びを有して挿通されて回転規制されるとともにチルト調節時に前記チルト用長溝によって案内されるボスと、を含み、
    前記ロック方向は、前記操作レバーを前記締付軸の中心軸線回りに押し下げる方向であり、
    前記チルト用長溝は、チルト方向上方の第1端部と、チルト方向下方の第2端部と、を含み、
    前記第2端部における溝幅が、前記第1端部における溝幅よりも狭くされているステアリング装置。
  2. 操舵部材が連結されたステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを回転可能に支持しチルト中心回りに揺動可能な中空のステアリングコラムと、
    第1側板を含み、車体に固定される第1ブラケットと、
    前記第1側板に対向する第2側板を含み、前記ステアリングコラムに固定された第2ブラケットと、
    前記第1側板の第1挿通溝としてのチルト用長溝および第2側板の第2挿通溝を挿通する締付軸と、前記締付軸と一体回転可能な操作レバーと、締付部材を含み前記操作レバーのロック方向への回転操作に伴って前記締付部材によって前記第1側板を前記第2側板に締め付ける締付機構と、を含むロック機構と、を備え、
    前記第1側板は、チルト用長溝に近接して設けられチルト方向に並ぶ平行歯からなる第1歯列を含み、
    前記締付部材は、前記第1側板を締め付ける締付板と、前記締付板に設けられ前記第1歯列と噛み合う平行歯からなる第2歯列と、前記締付板から延び前記チルト用長溝に所定の遊びを有して挿通されて回転規制されるとともにチルト調節時に前記チルト用長溝によって案内されるボスと、を含み、
    前記ロック方向は、前記操作レバーを前記締付軸の中心軸線回りに押し上げる方向であり、
    前記チルト用長溝は、チルト方向上方の第1端部と、チルト方向下方の第2端部と、を含み、
    前記第1端部における溝幅が、前記第2端部における溝幅よりも狭くされているステアリング装置。
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