JP2013129302A - 位置調整式操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングコラムの姿勢を確実に保持できる位置調整式操舵装置を提供する。
【解決手段】操作レバー21の回転操作に伴って、締付軸20によって、アッパー固定ブラケット19の挟持側板29,30を介して、アッパーコラムブラケット18(可動ブラケット)の被挟持側板26,27を締め付ける。アッパーコラムブラケット18の一対の被挟持側板間26,27の距離D1が短縮し、各押圧部材50,60が締付軸20の軸方向Y1に移動する。各押圧部材50,60の押圧片部52,62が、アッパーチューブ11の対応する挿通孔11a,11bを通してロアーチューブ12を押圧する。締付軸20の軸力の全体を、ステアリングコラム8の姿勢を保持する保持力に用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は位置調整式操舵装置に関する。
車体取付ブラケットを締め付けることにより、一対のクランプ部材を介して、軸方向スリットを有するアウターコラム(アウターチューブ)を縮径させて、アウターコラムに対してインナーコラム(インナーチューブ)をクランプするステアリングコラム装置が提案されている(例えば特許文献1、2、3を参照)。
また、車体に固定されたチルトブラケット(固定ブラケット)の板部によって、スリットを有するコラム保持部材を押圧し、コラム保持部材の内径を縮径させて、インナーコラムの外周面を押圧することで、テレスコピック方向の変位を阻止するステアリング装置が提案されている(例えば特許文献4を参照)。
また、アッパーブラケット(固定ブラケット)に固定されたロックプレートと、コラムジャケットを固定したディスタンスブラケット(可動ブラケット)に固定されたロックプレートとに、互いに噛み合う歯部を設け、両歯部の噛合により、コラムジャケットの軸方向移動を阻止する車両用ステアリング装置が提案されている(例えば特許文献5を参照)。
特許第4609203号公報 特開2010−105662号公報 特開2010−189003号公報 WO05/037627号公報 特開平7−117685号公報
特許文献1〜3では、アウターコラム(アウターチューブ)の縮径によって、インナーコラムを保持し、また、特許文献4では、コラム保持部材の縮径によって、インナーコラムを保持するので、寸法精度のばらつき等の影響で十分な保持力が得られないおそれがある。
特許文献5では、両ロックプレートの歯部が、頂部どうしで対向している状態で締め付けられてロックされる場合がある。その場合、何らかの衝撃で、一方の歯部と他方の歯溝が対向する状態に両ロックプレートが変位したときに、締付軸の軸力が弱まり、ステアリングコラムの姿勢の保持が不十分になるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、ステアリングコラムの姿勢を確実に保持することができる位置調整式操舵装置を提供することである。
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、テレスコピック調整のために軸方向(X1)に相対摺動可能に嵌合され、ステアリングシャフト(4)を回転可能に支持するアウターチューブ(11)およびインナーチューブ(12)を含むステアリングコラム(8)と、一対の挟持側板(29,30)を有し車体(14)に固定された固定ブラケット(19)と、前記一対の挟持側板の内側面(29a,30a)に沿う一対の被挟持側板(26,27)を有し前記アウターチューブに固定された可動ブラケット(18)と、前記挟持側板および前記被挟持側板を貫通した締付軸(20)を含み、前記操作レバーの回転操作に伴って前記締付軸によって挟持側板を介して被挟持側板を締め付けてテレスコロックを達成する締付機構(17)と、前記可動ブラケットに固定された本体部(51,61)および前記本体部から延設された押圧片部(52,62)を有する押圧部材(50,60)と、を備え、前記押圧部材の押圧片部は、前記締付機構による締め付けに伴って、前記アウターチューブに設けられた挿通孔(11a,11b)を通して前記インナーチューブを押圧可能に構成されている位置調整式操舵装置(1)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、前記押圧部材として、前記一対の被挟持側板にそれぞれ固定された第1押圧部材(50)および第2押圧部材(60)が設けられ、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材のそれぞれの押圧片部(52,62)は、鉛直面(P1)に対して互いに逆向きに傾斜しており、各押圧片部は、前記アウターチューブの対応する挿通孔(11a,11b)を通して前記インナーチューブを押圧可能に構成されていてもよい。
請求項3のように、前記可動ブラケットは、前記一対の被挟持側板間を連結する連結板(28)を含み、前記一対の被挟持側板のそれぞれは、前記アウターチューブに固定された第1端部(261,271)と、前記連結板の対応する端部(281,282)に連結された第2端部(262,272)と、を有し、前記連結板は、前記一対の被挟持側板間の距離を短縮するように弾性変形可能な可撓部(28a)を有していてもよい。
請求項4のように、前記可動ブラケットとして、第1可動ブラケット(18P)および第2可動ブラケット(18Q)が設けられ、前記第1可動ブラケットおよび前記第2可動ブラケットのそれぞれは、前記固定ブラケットの対応する挟持側板に沿う被挟持側板としての第1側板(71,81)と、前記第1側板に対向する第2側板(72,82)と、前記第1側板および前記第2側板間を連結する連結板(73,83)と、を含み、前記第1側板および前記第2側板のそれぞれは、前記アウターチューブに固定された第1端部(711,811;721,821)と、前記連結板の対応する端部(731,732;831,832)に連結された第2端部(712,812;722,822)と、を有し、前記アウターチューブに、軸方向に延びるスリット(11c)が形成され、前記第1可動ブラケットの第1側板および第2側板のそれぞれの第1端部と、前記第2可動ブラケットの第1側板および第2側板のそれぞれの第1端部とが、前記スリットを挟んだ両側で、前記アウターチューブに固定されていてもよい。
請求項1の発明によれば、操作レバーの回転操作に伴って締付軸によって固定ブラケットの挟持側板を介して可動ブラケットの被挟持側板を締め付けると、両ブラケットが互いにロックされるとともに、可動ブラケットの一対の被挟持側板間の距離が短縮する。これに伴って、押圧部材が締付軸の軸方向に移動し、押圧部材の押圧片部が、アウターチューブの挿通孔を通してインナーチューブを押圧する。その結果、インナーチューブがアウターチューブに押圧され、両チューブが確実にロックされる。締付軸の軸力の全体を、ステアリングコラムの姿勢を保持する保持力に用いることができるので、操作レバーの操作力が従来と同等であっても、前記保持力を高くすることができる。したがって、車両の二次衝突に際して、両チューブの収縮前にステアリングコラムの姿勢が変化することを抑制することができるので、衝撃吸収時に、両チューブを良好に収縮させて所要の衝撃吸収機能を発揮することができる。
請求項2の発明によれば、両押圧部材の押圧片部とが、鉛直面に対して互いに逆向きに傾斜している。したがって、締付機構による締付時に、両押圧片部が共同してインナーチューブを例えば押し上げてアウターチューブへ押圧することにより、ステアリングコラムの姿勢を安定して保持することができる。
請求項3の発明によれば、締付機構による締付時に、可動ブラケットの一対の被挟持側板間を連結する連結板の可撓部が弾性変形することにより、一対の被挟持側板間の距離を短縮させる。これにより、締付軸の軸方向に関する押圧部材の移動量を確保して、両チューブを確実にロック状態にすることができる。
請求項4の発明によれば、各可動ブラケットが、2カ所で(第1側板および第2側板の第1端部で)アウターチューブに固定されるので、各可動ブラケットとアウターチューブとの連結部分に応力が集中することを抑制することができる。締付機構による締付時に、スリットを有するアウターチューブが縮径することにより、スリットの両側に配置された両可動ブラケットを締付軸の軸方向に近づけることができる。これにより、締付軸の軸方向に関する押圧部材の移動量を確保して、両チューブを確実にロック状態にすることができる。
本発明の一実施形態の位置調整式操舵装置の模式図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 押圧部材の斜視図である。 本発明の別の実施形態の位置調整式操舵装置の模式図である。
添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態の位置調整式操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、位置調整式操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2の操舵に連動して転舵輪(図示せず)を転舵するステアリング機構3とを備えている。ステアリング機構3としては、例えばラックアンドピニオン機構が用いられている。
操舵部材2とステアリング機構3とは、ステアリングシャフト4および中間軸5等を介して機械的に連結されている。操舵部材2の回転は、ステアリングシャフト4および中間軸5等を介してステアリング機構3に伝達されるようになっている。また、ステアリング機構3に伝達された回転は、図示しないラック軸の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪が転舵される。
ステアリングシャフト4は、例えばスプライン嵌合やセレーション嵌合によって相対摺動可能に嵌合された筒状のアッパーシャフト6およびロアーシャフト7を有している。操舵部材2は、アッパーシャフト6の一端に連結されている。また、ステアリングシャフト4は、その軸方向X1に伸縮可能である。ステアリングシャフト4は、筒状のステアリングコラム8内に挿通されており、複数の軸受9,10を介してステアリングコラム8によって回転可能に支持されている。
ステアリングコラム8は、アウターチューブであるアッパーチューブ11と、インナーチューブであるロアーチューブ12とを有している。両チューブ11,12は、軸方向に相対摺動可能に嵌合されている。これにより、ステアリングコラム8は、その軸方向に伸縮可能となり、後述するテレスコピック調整が可能となっている。
アッパーチューブ11は、軸受9を介してアッパーシャフト6を回転可能に支持している。また、アッパーチューブ11は、軸受9を介してステアリングシャフト4の軸方向X1に同行移動可能にアッパーシャフト6に連結されている。
また、ロアーチューブ12の外周には、ロアーコラムブラケット13が固定されている。ロアーコラムブラケット13は、車体14に固定されたロアー固定ブラケット15に、チルト中心軸16を介して回動可能に支持されている。ステアリングコラム8およびステアリングシャフト4は、チルト中心軸16の回りに回動可能である。
チルト中心軸16の回りに、ステアリングシャフト4およびステアリングコラム8を回動させることで、操舵部材2の高さ方向の位置を調整できるようになっている(いわゆるチルト調整)。また、ステアリングシャフト4およびステアリングコラム8を軸方向X1に伸縮させることで、操舵部材2の軸方向の位置および高さ方向の位置を調整できるようになっている(いわゆるテレスコピック調整)。
位置調整式操舵装置1は、高さ調整された操舵部材2の位置を固定するべくチルトロックおよびテレスコロックを達成するための締付機構17を備えている。具体的には、アッパーチューブ11(アウターチューブ)には、可動ブラケットとしてのアッパーコラムブラケット18が固定されている。そのアッパーコラムブラケット18が、車体14に固定された固定ブラケットとしてのアッパー固定ブラケット19に、締付機構17によって連結されることで、チルトロックおよびテレスコロックが達成される。その結果、ステアリングコラム8の位置が車体14に対して固定されて、操舵部材2の位置が固定されるようになっている。
締付機構17は、両ブラケット18,19の側板(被挟持側板26,27および挟持側板29,30)を貫通した締付軸20の軸線C1の回りに回転可能な操作レバー21の回転操作に応じて、アッパーコラムブラケット18の一対の被挟持側板26,27(図1では一方の被挟持側板26のみを示してある。)とアッパー固定ブラケット19の対応する挟持側板29,30(図1では一方の挟持側板29のみを示してある)とを圧接するカム機構22を含んでいる。
図2は、図1におけるII−II線に沿う位置調整式操舵装置1の図解的な断面図である。図2に示すように、締付機構17のカム機構22は、操作レバー21と一体回転可能なカム23と、アッパー固定ブラケット19の挟持側板29の縦長孔37によって回転を規制されたカムフォロア24とを備えている。カム23およびカムフォロワ24は互いの接触面にカム突起(図示せず)を形成している。
カム23およびカムフォロワ24の相対回転に伴って、カム23が、カムフォロワ24を軸方向に移動させて、アッパー固定ブラケット19の挟持側板29(30)をアッパーコラムブラケット18の被挟持側板26(27)に押圧する機能を果たす。これにより、両ブラケット18,19がロックされ、チルトロックおよびテレスコロックが達成される。
本実施形態の特徴とするところは、締付機構17の締付時に、締付軸20の軸方向Y1に移動して、アッパーチューブ11(アウターチューブ)の挿通孔を通してロアーチューブ12(インナーチューブ)を押圧可能な押圧部材を設け、これにより両チューブ11,12のテレスコロックを確実にした点にある。前記押圧部材として、第1押圧部材50および第2押圧部材60が設けられている。各押圧部材50,60は、アッパーコラムブラケット18(可動ブラケット)に固定されている。
具体的には、第1押圧部材50は、アッパーコラムブラケット18の一方の被挟持側板26の内側面26aに沿って固定された本体部51と、本体部51から傾斜状(斜め上向き)に延設された押圧片部52とを有している。
図2および図3に示すように、本体部51は、被挟持側板26に平行に延びるウェブ53と、ウェブ53の両端に設けられた一対のフランジ54とを有する溝形をなしている。各フランジ54の端面54aが、被挟持側板26の内側面26aに、溶接またはプレス接合により固定されている。本体部51のウェブ53には、テレスコピック方向(軸方向X1)に平行に延びる横長孔55が形成されている。横長孔55には、カムフォロワ24の後述する第2部分242が挿通される。押圧片部52は、本体部51のウェブ53の上縁から折り曲げられ、テレスコピック方向(軸方向X1)に平行な方向に長い長尺板により構成されている。
再び図2を参照して、また、第2押圧部材60と第1押圧部材50とは、共通化されている。すなわち、第1押圧部材50と第2押圧部材60とは、締付軸20の軸方向Y1に関して、互いに向きを逆にして用いられている。第2押圧部材60は、アッパコラムブラケット18の他方の被挟持側板27の内側面27aに沿って固定された本体部61と、本体部61から傾斜状(斜め上向き)に延設された押圧片部62とを有している。本体部61のウェブ63には、第1介在部材41の第2部分412が挿通される横長孔65が形成されている。本体部61のフランジ64の端面が、他方の被挟持側板27の内側面27aに、溶接またはプレス接合により固定されている。
第1押圧部材50の押圧片部52は、アッパーチューブ11に設けられた挿通孔11aを通してロアーチューブ12を押圧可能である。第2押圧部材60の押圧片部62は、アッパーチューブ11に設けられた挿通孔11bを通してロアーチューブ12を押圧可能である。第1押圧部材50の押圧片部52と第2押圧部材60の押圧片部62とは、鉛直面P1に対して互いに逆向きに傾斜している。
本実施形態では、両押圧片部52,62間において、アッパーチューブ11に、軸方向X1(図2において、紙面に直交する方向)に延びるスリット11cが形成されている。ただし、スリット11cは廃止されていてもよい。
締付機構17による締付時に、両押圧部材50,60が締付軸20の軸方向Y1の互いに近接する方向に移動することにより、両押圧部材50,60の押圧片部52,62が共同して、ロアーチューブ12を上方へ押し上げる。これにより、ロアーチューブ12の外周面の上端が、アッパーチューブ11の内周面に押圧され、両チューブ11,12がテレスコピック方向(軸方向Y1)にロックされる。
可動ブラケットとしてのアッパーコラムブラケット18は、上向きに開放する溝形の部材であり、左右対称に形成されている。アッパーコラムブラケット18は、一対の被挟持側板26,27と、連結板28とを備えている。各被挟持側板26,27の第1端部261,271は、アッパーチューブ11の外周に固定されている。連結板28は、一対の被挟持側板26,27の第2端部262,272間を連結している。すなわち、各被挟持側板26,27の第2端部262,272は、連結板28の対応する端部281,282に連結されている。
連結板28の途中部には、一対の被挟持側板26,27間の距離D1を短縮するように弾性変形可能な可撓部28aを有している。可撓部28aは、図2に示すような山形部であってもよいし、波形部(図示せず)であってもよい。
アッパー固定ブラケット19は、下向きに開放する全体として溝形の部材であり、左右対称に形成されている。すなわち、アッパー固定ブラケット19は、左右方向に相対向する一対の挟持側板29,30と、一対の挟持側板29,30の上端同士を連結する連結板31と、この連結板31の上面に固定され概ね上記左右方向に延びる板状の取付ステー32とを含む。
アッパーコラムブラケット18の一対の被挟持側板26,27は、アッパー固定ブラケット19の一対の挟持側板29,30の間に配置されている。また、アッパー固定ブラケット19は、取付ステー32に連結された一対の取付体33を介して車体14に固定されている。
各取付体33と取付ステー32とは、それぞれ取付ステー32を上下方向に貫通する破断可能な合成樹脂製のピン34によって連結されており、各取付体33は、固定ボルト35によって車体14に固定されている。
アッパー固定ブラケット19の各挟持側板29,30の内側面29a,30aに、アッパーコラムブラケット18の対応する被挟持側板26,27の外側面が沿わされている。アッパーコラムブラケット18の一対の被挟持側板26,27には、紙面と直交する方向(図1における軸方向X1に相当)に延びる、テレスコ用の横長孔36が形成されている。アッパー固定ブラケット19の一対の挟持側板29,30には、チルト用の縦長孔37が形成されている。
締付機構17は、アッパー固定ブラケット19の挟持側板29,30の縦長孔37およびアッパーコラムブラケット18の被挟持側板26,27の横長孔36に挿通された締付軸20と、締付軸20の一端部に形成されたねじ部に螺合するナット38と、締付軸20の他端部近傍の外周に嵌合された前記したカム23およびカムフォロワ24とを備えている。カム23およびカムフォロワ24により、カム機構22が構成されている。
締付軸20の他端部には、頭部201が設けられている。締付軸20の頭部201およびカム23は、操作レバー21に一体回転可能に連結されている。
すなわち、操作レバー21の操作によって、両押圧部材50,60が、その押圧片部52,62でロアーチューブ12(インナーチューブ)を押し上げる。これにより、ロアーチューブ12がアッパーチューブ11(アウターチューブ)に径方向に押し付けられて、アッパーチューブ11に対するロアーチューブ12の径方向のガタつきが抑制されるようになっている。
カムフォロワ24は、第1部分241と第2部分242とを有している。カムフォロワ24の第1部分241は、アッパ固定ブラケット19の一方の挟持側板29の外側面29bに沿わされている。カムフォロワ24の第2部分242は、アッパー固定ブラケット19の一方の挟持側板29の縦長孔37およびアッパーコラムブラケット18の一方の被挟持側板26の横長孔36に、各長孔37,36の延びる方向に沿って移動可能に嵌合されている。また、第2部分242は、挟持側板29の縦長孔37に嵌合する部分に二面幅等を形成することで、縦長孔37によって、その回転が規制されている。
締付軸20の一端部に螺合されたナット38とアッパー固定ブラケット19の他方の挟持側板30との間には、第1介在部材41と第2介在部材42とが介在している。第1介在部材41は、第1部分411と第2部分412とを有している。第1介在部材41の第1部分411は、アッパー固定ブラケット19の他方の挟持側板30の外側面30bに沿わされている。
第1介在部材41の第2部分412は、アッパー固定ブラケット19の他方の挟持側板30の縦長孔37およびアッパーコラムブラケット18の他方の被挟持側板27の横長孔36に、各長孔37,36の延びる方向に沿って移動可能に嵌合されている。また、第2部分412は、他方の挟持側板30の縦長孔37に嵌合する部分に二面幅等を形成することで、縦長孔37によって、その回転が規制されている。
第2介在部材42は、第1介在部材41の第1部分411とナット38との間に介在するスラストワッシャ43と、スラストワッシャ43と第1介在部材41の第1部分411との間に介在するスラスト用の針状ころ軸受44とを備えている。針状ころ軸受44を含む第2介在部材42の働きで、ナット38が締付軸20とともにスムーズに回転できるようになっている。
本実施の形態によれば、操作レバー21の回転操作に伴って締付軸20によってアッパー固定ブラケット19の挟持側板29,30を介してアッパーコラムブラケット18の被挟持側板26,27を締め付ける。これにより、両ブラケット18,19がロックされる。また、締付軸20による締め付けにより、アッパーコラムブラケット18の一対の被挟持側板間26,27の距離D1が短縮する。これに伴って、各押圧部材50,60が締付軸20の軸方向Y1に移動し、各押圧部材50,60の押圧片部52,62が、アッパーチューブ11(アウターチューブ)の対応する挿通孔11a,11bを通してロアーチューブ12(インナーチューブ)を押圧する。その結果、ロアーチューブ12がアッパーチューブ11に押圧され、両チューブ11,12が確実にロックされる。
締付軸20の軸力の全体を、ステアリングコラム8の姿勢を保持する保持力に用いることができるので、操作レバー21の操作力が従来と同等であっても、前記保持力を高くすることができる。したがって、車両の二次衝突に際して、両チューブ11,12の収縮前にステアリングコラム8の姿勢が変化することを抑制することができるので、衝撃吸収時に、両チューブ11,12を良好に収縮させて所要の衝撃吸収機能を発揮することができる。
また、両押圧部材50,60の押圧片部52,62とが、鉛直面P1に対して互いに逆向きに傾斜している。したがって、締付機構17による締付時に、両押圧片部52,62が共同してロアーチューブ12を例えば押し上げてアッパーチューブ11へ押圧することにより、ステアリングコラム8の姿勢を安定して保持することができる。
また、締付機構17による締付時に、アッパーコラムブラケット18の一対の被挟持側板26,27間を連結する連結板28の可撓部28aが弾性変形することにより、一対の被挟持側板16,27間の距離D1を短縮させる。これにより、締付軸20の軸方向に関する各押圧部材5,60の移動量を確保して、両チューブ11,12を確実にロック状態にすることができる。
また、締付軸と一体回転するスリーブの外周に設けられたカムによって、ロアーチューブを押し上げる従来方式では、前記カムが当接するロアーチューブの軸方向領域が短くなる。これに対して、両押圧部材50,60を締付軸20の軸方向Y1に移動させる本実施形態では、押圧片部52をロアーチューブ12の軸方向X1に長くして、押圧片部52が当接するロアーチューブ11の軸方向X1の領域を長くすることができる。この点からも、両チューブ11,12のロック状態をより確実にすることができる。
なお、本実施形態において、アッパーチューブ11のスリット11cを廃止してもよい。
次いで、図4は本発明の別の実施形態を示している。図4を参照して、本実施形態が図2の実施形態と主に異なるのは下記である。図2の実施形態では、可動ブラケットとして、単一のアッパーコラムブラケット18を用いていたが、本実施の形態では、可動ブラケットとして、第1アッパーコラムブラケット18P(第1可動ブラケット)と第2アッパーコラムブラケット18Q(第2可動ブラケット)を設けた点にある。
第1アッパーコラムブラケット18Pは、アッパー固定ブラケット19の対応する挟持側板29の内側面29aに沿う被挟持側板としての第1側板71と、第1側板71の内側面に対向する第2側板72と、第1側板71および第2側板72間を連結する連結板73とを備えている。第1側板71および第2側板72のそれぞれは、アッパーチューブ11に固定された第1端部711,721と、連結板73の対応する端部731,732に連結された第2端部712,722とを有している。第1押圧部材50は、被挟持側板としての第1側板71の内側面に固定されている。
第2アッパーコラムブラケット18Qは、アッパー固定ブラケット19の対応する挟持側板30の内側面30aに沿う被挟持側板としての第1側板81と、第1側板81の内側面に対向する第2側板82と、第1側板81および第2側板82間を連結する連結板83とを備えている。第1側板81および第2側板82のそれぞれは、アッパーチューブ11の外周に固定された第1端部811,821と、連結板83の対応する端部831,832に連結された第2端部812,822とを有している。第2押圧部材60は、被挟持側板としての第1側板81の内側面に固定されている。
また、アッパーチューブ11には、軸方向X1に延びるスリット11cが形成されている。第1アッパーコラムブラケット18Pの第1側板71および第2側板72のそれぞれの第1端部711,721と、第2アッパーコラムブラケット18Qの第1側板81および第2側板82のそれぞれの第1端部811,821とが、スリット11cを挟んだ両側で、アッパーチューブ11の外周に固定されている。
図4の実施形態の構成要素において、図2の実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図2の実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
本実施形態によれば、可動ブラケットとしての第1アッパーコラムブラケット18Pおよび第2アッパーコラムブラケット18Qのそれぞれが、2カ所でアッパーチューブ11に固定されている。具体的には、第1アッパーコラムブラケット18Pは、第1側板71および第2側板72の第1端部711,721の2カ所でアッパーチューブ11に固定され、第2アッパーコラムブラケット18Qは、第1側板81および第2側板82の第1端部811,821の2カ所でアッパーチューブ11に固定されている。したがって、第1アッパーコラムブラケット18Pおよび第2アッパーコラムブラケット18Qのそれぞれとアッパーチューブ11との連結部分に応力が集中することを抑制することができる。
また、締付機構17による締付時に、スリット11cを有するアッパーチューブ11が縮径することにより、スリット11cの両側に配置された両アッパーコラムブラケット18P,18Qを締付軸20の軸方向Y1に近づけることができる。これにより、締付軸20の軸方向Y1に関する両押圧部材50,60の移動量を確保して、両チューブ11,12を確実にロック状態にすることができる。
また、本実施形態では、ナット38と締付軸20と操作レバー21とが一体回転する構造であるが、これに代えて、締付軸20およびナット38が回転せずに操作レバー21が回転する構造を採用してもよい。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではく、請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…位置調整式操舵装置、2…操舵部材、4…ステアリングシャフト、11…アッパーチューブ(アウターチューブ)、11a,11b…挿通孔、11c…スリット、12…ロアーチューブ(インナーチューブ)、17…締付機構、18…アッパーコラムブラケット(可動ブラケット)、19…アッパー固定ブラケット(固定ブラケット)、20…締付軸、21…操作レバー、22…カム機構、23…カム、24…カムフォロワ、26,27…被挟持側板、261,271…第1端部、262,272…第2端部、28…連結板、281,282…端部、28a…可撓部、29,30…挟持側板、29a,30a…内側面、50…第1押圧部材、51…本体部、52…押圧片部、53…ウェブ、54…フランジ、55…横長孔、60…第2押圧部材、61…本体部、62…押圧片部、63…ウェブ、64…フランジ、65…横長孔、18P…第1アッパーコラムブラケット(第1可動ブラケット)、第2アッパーコラムブラケット、71,81…第1側板(被挟持側板)、711,811…(第1側板の)第1端部、712,812…(第1側板の)第2端部、72,82…第2側板、721,821…(第2側板の)第1端部、722,822…(第2側板の)第2端部、73,83…連結板、731,732…端部、831,832…端部、D1…(一対の被挟持側板間の)距離、X1…(ステアリングシャフトの)軸方向、Y1…(締付軸の)軸方向、P1…鉛直面

Claims (4)

  1. テレスコピック調整のために軸方向に相対摺動可能に嵌合され、ステアリングシャフトを回転可能に支持するアウターチューブおよびインナーチューブを含むステアリングコラムと、
    一対の挟持側板を有し車体に固定された固定ブラケットと、
    前記一対の挟持側板の内側面に沿う一対の被挟持側板を有し前記アウターチューブに固定された可動ブラケットと、
    前記挟持側板および前記被挟持側板を貫通した締付軸を含み、前記操作レバーの回転操作に伴って前記締付軸によって挟持側板を介して被挟持側板を締め付けてテレスコロックを達成する締付機構と、
    前記可動ブラケットに固定された本体部および前記本体部から延設された押圧片部を有する押圧部材と、を備え、
    前記押圧部材の押圧片部は、前記締付機構による締め付けに伴って、前記アウターチューブに設けられた挿通孔を通して前記インナーチューブを押圧可能に構成されている位置調整式操舵装置。
  2. 請求項1において、前記押圧部材として、前記一対の被挟持側板にそれぞれ固定された第1押圧部材および第2押圧部材が設けられ、
    前記第1押圧部材および前記第2押圧部材のそれぞれの押圧片部は、鉛直面に対して互いに逆向きに傾斜しており、
    各押圧片部は、前記アウターチューブの対応する挿通孔を通して前記インナーチューブを押圧可能に構成されている位置調整式操舵装置。
  3. 請求項1または2において、前記可動ブラケットは、前記一対の被挟持側板間を連結する連結板を含み、
    前記一対の被挟持側板のそれぞれは、前記アウターチューブに固定された第1端部と、前記連結板の対応する端部に連結された第2端部と、を有し、
    前記連結板は、前記一対の被挟持側板間の距離を短縮するように弾性変形可能な可撓部を有している位置調整式操舵装置。
  4. 請求項1または2において、前記可動ブラケットとして、第1可動ブラケットおよび第2可動ブラケットが設けられ、
    前記第1可動ブラケットおよび前記第2可動ブラケットのそれぞれは、前記固定ブラケットの対応する挟持側板に沿う被挟持側板としての第1側板と、前記第1側板に対向する第2側板と、前記第1側板および前記第2側板間を連結する連結板と、を含み、
    前記第1側板および前記第2側板のそれぞれは、前記アウターチューブに固定された第1端部と、前記連結板の対応する端部に連結された第2端部と、を有し、
    前記アウターチューブに、軸方向に延びるスリットが形成され、
    前記第1可動ブラケットの第1側板および第2側板のそれぞれの第1端部と、前記第2可動ブラケットの第1側板および第2側板のそれぞれの第1端部とが、前記スリットを挟んだ両側で、前記アウターチューブに固定されている位置調整式操舵装置。
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