JP6508517B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、ツースロック機構を備える構成において、二次衝突時の離脱荷重のばらつきを抑制できるステアリング装置を提供することを目的とする。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るステアリング装置1の概略側面図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2が一端(軸方向上端)に連結されたステアリングシャフト3と、インターミディエイトシャフト4等を介してステアリングシャフト3と連結された転舵機構5とを備える。
ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持する中空のコラムジャケット6を備える。コラムジャケット6は、筒状のアッパージャケット7と、アッパージャケット7に嵌合したロアージャケット8とを備える。
ステアリング装置1は、車体13に固定される取付板24を含むブラケット17と、ロアージャケット8の軸方向Xの上部に一体に設けられた一対の被締付部19を締め付けることによりチルトロックおよびテレスコロックを達成する締付機構18とを備える。
図2に示すように、ロアージャケット8は、軸方向Xの上端から下方に延びるスリット26を含む。一対の被締付部19は、スリット26の両側に配置されている。一対の被締付部19をクランプすることにより、ロアージャケット8は、弾性的に縮径可能である。
ロアージャケット8の一対の被締付部19は、一対の側板22間に配置され、対応する側板22の内側面22aにそれぞれ沿う板状をなしている。各側板22の内側面22aが、それぞれ対応する被締付部19の外側面19aに対向している。
締付軸21は、ブラケット17の両側板22のチルト用長孔23およびロアージャケット8の両被締付部19の第1挿通孔29に挿通するボルトからなる。締付軸21の一端に設けられた大径の頭部21aは、操作レバー20と一体回転可能に固定されている。締付機構18は、締付軸21の頭部21aと一方の側板22との間に介在し、操作レバー20の操作トルクを締付軸21の軸力(一対の側板22を締め付けるための締付力)に変換する力変換機構30をさらに備える。
締付機構18は、締付軸21の他端のねじ部21bに螺合したナット33と、他方の側板22を締め付ける他方の締付部材34と、他方の締付部材34とナット33との間に介在する介在部材35とをさらに備える。介在部材35は、ワッシャ36と針状ころ軸受37とを含む。
一方の締付部材32(非回転カム)および他方の締付部材34は、それぞれ対応する側板22を締め付ける締付板部32a,34aと、それぞれ対応するチルト用長孔23に嵌合したボス部32b,34bとを有している。各ボス部32b,34bと対応するチルト用長孔23との嵌合によって、各締付部材32,34の回転が規制されている。
操作レバー20のロック方向への回転に伴って、回転カム31が一方の締付部材32(非回転カム)の間で、ブラケット17の一対の側板22がクランプされて締め付けられる。
図4は、ツースロック機構40周辺の分解斜視図である。図5は、ツースロック機構40の周辺をチルト方向Yの上方から見た図である。図5では、説明の便宜上、ブラケット17の図示を省略している。
ロアージャケット8の各被締付部19には、支持軸43が挿通される第1支持孔46が形成されている(図5参照)。図4では、一方の被締付部19の第1支持孔46のみを図示している。第1支持孔46は、軸方向Xに長手の長孔である。支持軸43は、第1支持孔46内で軸方向Xに移動できるようにロアージャケット8(一対の被締付部19)によって支持されている。
また、第2歯形成部材42は、対応する腕部49の先端部に設けられた一対の連結部50と、腕部49が延びる方向に沿って並ぶ複数の第2歯42Tによってそれぞれ構成される一対の第2歯列42Lとをさらに含む。本体部48と、一対の腕部49と、一対の連結部50と、一対の第2歯列42Lとは、単一の部材で一体に形成されている。
各第1連結孔51は、対応する連結部50を貫通する貫通孔であるが、一方の第1連結孔51のみが貫通孔であって、他方の第1連結孔51は、対応する連結部50を貫通していなくてもよい。また、各第1連結孔51は、対応する連結部50を貫通していなくてもよい。
一対の第1歯列41Lが締付軸方向Jの両側に配置され、歯筋方向Dが軸方向Xおよび締付軸方向Jに対して直交しているので、二次衝突時に第2歯42Tと第1歯41Tとの間で歯とびが発生することを抑制できる。
第2挿通孔53の内周には、締付軸21に形成された雄スプライン21cとスプライン嵌合する雌スプライン53aが形成されている。そのため、駆動部材44は、締付軸21とスプライン嵌合することによって、締付軸21と一体回転可能である。
図5を参照して、連結軸45は、一対の連結部50の第1連結孔51に挿通連結した一対の第1部分45aと、収容空間Sに配置され駆動部材44の第2連結孔52に挿通連結された第2部分45bと、収容空間Sにおいて第2部分45bの両側に配置され二次衝突時に破断する一対の第3部分45cとを含む。
次に、ツースロック機構40によるテレスコロックの動作について説明する。
図3に示す締付機構18が両ジャケット7,8間の摩擦によってテレスコロックを達成した状態(ステアリング装置1のロック状態)では、図6に示すように、第1歯形成部材41の各第1歯列41Lの第1歯41Tと、第2歯形成部材42の対応する第2歯列42Lの第2歯42Tとが噛み合っている。このように、ツースロック機構40は、第1歯41Tと第2歯42Tとを噛み合わせてテレスコロックを達成している。
図7は、図6の状態から締付軸21を回転操作した後の状態を示した図であり、第1歯41Tと第2歯42Tとの噛み合いを解除した状態を示した図である。
締付軸21の回転は、雄スプライン21cおよび雌スプライン53aを介して駆動部材44に伝達される。駆動部材44は、連結軸45によって第2歯形成部材42と連結されているため、駆動部材44に伝達された回転は、連結軸45を介して第2歯形成部材42に伝達される。第2歯形成部材42の一対の連結部50は、締付軸21の中心軸線C1回りに(図7に示す白抜き矢印の方向に)回転する。
図5を参照して、二次衝突時には、操舵部材2からの荷重がアッパージャケット7に伝達されるので、コラムジャケット6が縮むようにアッパージャケット7とロアージャケット8とが相対移動しようとする。アッパージャケット7に固定された第1歯形成部材41は、アッパージャケット7と軸方向Xに一体移動しようとする。
第2歯形成部材42を支持する支持軸43が第1支持孔46内を軸方向Xに移動できるため、第2歯形成部材42は、二次衝突時の衝撃によって、第1歯形成部材41とともに軸方向Xへ移動しようとする。そのため、二次衝突時の衝撃が、第2歯形成部材42の一対の連結部50の第1連結孔51に挿通連結された連結軸45の一対の第1部分45aに伝達される。一方、駆動部材44の第2連結孔52に挿通連結された連結軸45の第2部分45bは、駆動部材44および締付軸21を介してロアージャケット8によって支持されている。一対の第1部分45aが第2部分45bに対して軸方向Xに移動しようとするため、収容空間Sにおいて第2部分45bの両側に配置された一対の第3部分45cが、図8に示すように、二次衝突時の衝撃を受けて破断する。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態のツースロック機構40Pの要部を示す平面図である。図9の第2実施形態のツースロック機構40Pが、図5の第1実施形態のツースロック機構40と異なるのは下記である。
駆動部材44Pと第2歯形成部材42Pとを回転可能に連結する45Pが、一対の連結部50Pの第1連結孔51Pに挿通連結された一対の第1部分45Paと、収容空間SPに配置され第2歯形成部材42Pの腕部49Pの先端部に設けられた第2連結孔52Pに挿通連結された第2部分45Pbとを含む。また、連結軸45Pは、収容空間SPにおいて第2部分45Pbの両側に配置され二次衝突時に破断する一対の第3部分45Pcを含む。
第2実施形態においても、第1実施形態と同じく、二次衝突時に一対の第3部分45cが破断するタイミングのずれを抑制することにより、前記タイミングのずれに起因する離脱荷重のばらつきを抑制することができる。
例えば、第1歯41Tと第2歯42Tとは、歯筋方向Dに直交する方向(歯丈方向)から噛み合うように構成されていてもよい。
また、第2歯形成部材42の第2歯42Tは、対応する腕部49に1つずつ設けられていてもよい。この場合、各第2歯42Tは、第2歯列42Lを構成していない。
Claims (2)
- 軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
スリットと前記スリットの両側に配置された一対の被締付部とを含むロアージャケットと、前記ロアージャケットに嵌合されたアッパージャケットとを含み、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持する前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
前記一対の被締付部を締め付ける締付軸と前記締付軸を回転操作する操作レバーとを含み、両ジャケット間の摩擦によってテレスコロックを達成する締付機構と、
第1歯と第2歯とを噛み合わせてテレスコロックを達成するツースロック機構と、を備え、
前記ツースロック機構は、
前記第1歯を含み前記アッパージャケットと前記軸方向に一体移動する第1歯形成部材と、
前記一対の被締付部によって支持された支持軸と、
前記支持軸を介して前記一対の被締付部によって支持された本体部と、前記支持軸から離れるように前記本体部から延び前記一対の被締付部間に配置された一対の連結部と、前記一対の連結部に形成された前記第2歯とを有し、前記支持軸の中心軸線回りに回転可能な第2歯形成部材と、
前記締付軸に固定された基端部と、前記締付軸から離れるように前記基端部から延びる先端部とを有し、前記締付軸と一体回転する駆動部材と、
前記駆動部材と前記第2歯形成部材とが相対回転できるように、前記先端部が前記一対の連結部の間に入り込んだ状態で前記先端部と前記一対の連結部とを連結する連結軸と、を含み、
前記連結軸は、前記一対の連結部に設けられた第1連結孔に挿通された一対の第1部分と、前記先端部に設けられた第2連結孔に挿通された第2部分と、各前記第1部分と対応する前記第2部分との間に配置され二次衝突時に破断する一対の第3部分と、を有し、
前記締付軸の回転により前記第2歯形成部材が前記支持軸回りに回転することによって、前記一対の連結部が前記第1歯形成部材に対して接離する、ステアリング装置。 - 軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
スリットと前記スリットの両側に配置された一対の被締付部とを含むロアージャケットと、前記ロアージャケットに嵌合されたアッパージャケットとを含み、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持する前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
前記一対の被締付部を締め付ける締付軸と前記締付軸を回転操作する操作レバーとを含み、両ジャケット間の摩擦によってテレスコロックを達成する締付機構と、
第1歯と第2歯とを噛み合わせてテレスコロックを達成するツースロック機構と、を備え、
前記ツースロック機構は、
前記第1歯を含み、前記アッパージャケットと前記軸方向に一体移動する第1歯形成部材と、
前記一対の被締付部によって支持された支持軸と、
前記支持軸を介して前記一対の被締付部によって支持された本体部と、前記支持軸から離れるように前記本体部から延びる延設部と、前記延設部に形成された前記第2歯とを有し、前記支持軸の中心軸線回りに回転可能な第2歯形成部材と、
前記締付軸に固定された基端部と、前記締付軸から離れるように前記基端部から延び前記一対の被締付部間に配置された一対の連結部とを有し、前記締付軸と一体回転する駆動部材と、
前記駆動部材と前記第2歯形成部材とが相対回転できるように、前記延設部が前記一対の連結部の間に入り込んだ状態で前記延設部と前記一対の連結部とを連結する連結軸と、を含み、
前記連結軸は、前記一対の連結部に設けられた第1連結孔に挿通された一対の第1部分と、前記延設部に設けられた第2連通孔に挿通された第2部分と、各前記第1部分と対応する前記第2部分との間に配置され二次衝突時に破断する一対の第3部分と、を有し、
前記締付軸の回転により前記第2歯形成部材が前記支持軸回りに回転することによって、前記一対の連結部が前記第1歯形成部材に対して接離するステアリング装置。
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