JP6286376B2 - 電子機器の筐体からケーブルを引き出すための器具、および電子機器 - Google Patents

電子機器の筐体からケーブルを引き出すための器具、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器の筐体からケーブルを引き出すための器具、および該器具を備える電子機器に関する。
電子機器の筐体に形成されたケーブル引き出し孔を封止しつつ、該ケーブル引き出し孔からケーブルを引き出すための種々の器具が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2001−195941号公報 特開2011−239530号公報 特開2012−243860号公報
このような器具においては、筐体内部の気密性を確保することに加えて、器具の取り付けを容易とすることや、部品点数を削減すること等が求められている。
本発明の一態様において、電子機器の筐体に形成されたケーブル引き出し孔から、該ケーブル引き出し孔を封止しつつ、ケーブルを引き出すための器具は、筐体に固定されるフランジと、ケーブルが挿通される第1の貫通孔を有し、筐体とフランジとの間に配置されるケーブルクランプと、ケーブルが挿通される第2の貫通孔を有し、筐体とケーブルクランプとの間に配置される弾性体とを備える。
フランジは、該フランジの外周縁にて開口し、ケーブルを受容するケーブル孔を有する。弾性体は、フランジが筐体に固定されたときに、ケーブルクランプと筐体との間で挟みこまれて第2の貫通孔を狭めるように弾性変形し、ケーブルを第2の貫通孔内に保持するとともに、ケーブル引き出し孔を封止する。
ケーブルクランプは、複数のセグメントに分割されてもよい。複数のセグメントの各々は、第1の貫通孔を画定する壁面の一部を構成する面を有してもよい。フランジは、筐体に面する端面から内方へ凹むように形成され、ケーブルクランプを受容する第1の凹部を有してもよい。
フランジは、筐体に面する端面から筐体に向かって突出する突起部をさらに有してもよい。突起部は、フランジが筐体に固定されたときに、ケーブル引き出し孔に隣接して筐体に形成された第2のケーブル引き出し孔に嵌入可能に構成されてもよい。
本発明の他の態様において、電子機器は、ケーブルを外部へ引き出すためのケーブル引き出し孔を有し、内部に電子部品を収容する筐体と、筐体に設置される上述の器具とを備える。
ケーブル引き出し孔は、フランジに面する筐体の第1の端面から、該筐体の内方へ凹むように形成された第2の凹部と、第2の凹部の底面から、第1の端面とは反対側の筐体の第2の端面まで延びる孔部とを有してもよい。弾性体は、第2の凹部に受容されてもよい。
本発明の一実施形態に係る電子機器の図である。 図1に示す電子機器を、図1中のx−z平面に沿って切断して左側から見た断面図である。 図1に示す電子機器の分解図である。 図1に示すフランジを説明するための図であって、(a)はフランジを後側から見た図であり、(b)は(a)中のb−bにおける断面図であり、(c)は、フランジを前側から見た図である。 図3に示すケーブルクランプの図である。 図3に示す弾性体の図である。 他の実施形態に係るケーブルクランプの図である。 さらに他の実施形態に係るケーブルクランプの図である。 本発明の他の実施形態に係る電子機器の分解図である。 図9に示す電子機器を、図9中のx−y平面に沿って切断して上側から見た断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子機器の分解図である。 図11に示す電子機器を、図11中のx−y平面に沿って切断して上側から見た断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る電子機器の分解図である。 図13に示す電子機器を、図13中のx−y平面に沿って切断して上側から見た断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る電子機器10について説明する。なお、以下の説明においては、図中の直交座標系に示すように方向を定義し、説明の便宜上、x軸プラス方向を前方、y軸プラス方向を右方、z軸プラス方向を上方とする。
電子機器10は、例えば、ロボットや工作機械のサーボモータに内蔵されるエンコーダ等の電子機器である。電子機器10は、筐体12と、該筐体12の内部に収容された電子部品(図示せず)と、該電子部品を筐体12の外部に設置された外部機器(図示せず)に電気的に接続するためのケーブル14と、器具50とを備える。
筐体12は、底壁16と、底壁16の後端縁から上方へ立ち上がる後壁18と、底壁16の前端縁から上方へ立ち上がる前壁20と、底壁16の右端縁から上方へ立ち上がる右壁22と、底壁16の左端縁から上方へ立ち上がる左壁24と、底壁16と対向する頂壁26とを有する。
これらの底壁16、後壁18、前壁20、右壁22、左壁24、および頂壁26によって内部空間Sが画定され、該内部空間S内に、上述の電子部品が収容される。後壁18には、該後壁18の後面28から該後壁18の前面30まで延在するケーブル引き出し孔32が形成されている。
ケーブル引き出し孔32は、後面28から後壁18の内方へ凹む凹部34(第2の凹部)と、凹部34の底面34aから前面30まで延在する孔部36とを含む。孔部36は、凹部34よりも小さな半径を有する。
本実施形態においては、後壁18には、左右方向に並ぶように計3個のケーブル引き出し孔32が形成されており、これらケーブル引き出し孔32の各々を通して、計3本のケーブル14が筐体12の内部から後側へ引き出されている。
器具50は、ケーブル引き出し孔32を封止しつつ、該ケーブル引き出し孔32からケーブル14を引き出すためのものである。器具50は、フランジ52、ケーブルクランプ54、および弾性体56を有する。
フランジ52は、ボルト等の締結具によって、後壁18に固定される。ケーブルクランプ54は、後壁18とフランジ52との間に配置されている。また、弾性体56は、後壁18(より具体的には、底面34a)とケーブルクランプ54との間に配置されている。
次に、図4を参照して、フランジ52の構成について説明する。フランジ52は、予め定められた前後方向の厚みを有する、略矩形の板状部材である。フランジ52は、前面60、該前面60とは反対側の後面62、前面60と後面62との間で延在し、フランジ52の周囲に亘って延在する外周面(外周縁)64とを有する。
外周面64は、左右方向に延びる下面64a、下面64aの左端縁から上方へ立ち上がる左面64b、下面64aの右端縁から上方へ立ち上がる右面64c、および、下面64aに対向し、左面64bから右面64cまで右方へ延在する上面64dを含む。フランジ52は、その前面60が、筐体12の後壁18の後面28に面する(具体的には、当接する)ように、筐体12に固定される。
フランジ52は、左右方向へ略等間隔に配列された計3個のケーブル孔66を有する。ケーブル孔66の各々は、下面64aから上方へ凹むように形成され、前面60から後面62まで延在している。
より具体的には、ケーブル孔66の各々は、第1の孔部66aおよび第2の孔部66bを含む。第1の孔部66aは、半径Rを有する略円形の孔であって、フランジ52の上下方向の中央部に配置されている。第2の孔部66bは、第1の孔部66aから下方へ延び、下面64aの上に形成された開口端66cにて外部に開口する。
フランジ52は、前面60からフランジ52の内方へ凹むように形成された凹部68(第1の凹部)をさらに有する。凹部68は、第1の孔部66aと略同心状に形成された、半径Rを有する略円柱状の凹みである。半径Rは、半径Rよりも大きく設定される。また、凹部68は、前後方向の深さdを有している。
次に、図5を参照して、ケーブルクランプ54の構成について説明する。本実施形態においては、ケーブルクランプ54は、剛性を有する円環状の部材である。より具体的には、ケーブルクランプ54は、前面70と、該前面70とは反対側の後面72と、前面70と後面72との間で延在する内周面74および外周面76とを有する。
内周面74は、半径Rを有する円筒面であって、該内周面74によって、ケーブル14が挿通される貫通孔(第1の貫通孔)が画定される。一例として、半径Rは、ケーブル14の外径以上となるように設定される。一方、外周面76は、半径Rを有する円筒面である。一例として、半径Rは、凹部68の半径R以下となるように設定される。
また、ケーブルクランプ54は、前後方向の厚みtを有する。一例として、この厚みtは、フランジ52に形成された凹部68の深さd以上となるように設定される。
次に、図6を参照して、弾性体56の構成について説明する。弾性体56は、例えばゴムのような弾性材料から作製された円環状の部材である。具体的には、弾性体56は、前面78と、該前面78とは反対側の後面80と、前面78と後面80との間で延在する内周面82および外周面84とを有する。
内周面82は、半径Rを有する円筒面であって、該内周面82によって、ケーブル14が挿通される貫通孔(第2の貫通孔)が画定される。一例として、半径Rは、ケーブル14の外径以下となるように設定される。一方、外周面84は、半径Rを有する円筒面である。一例として、半径Rは、筐体12に形成された凹部34の半径R(図2)以上となるように設定される。
また、弾性体56は、前後方向の厚みtを有する。一例として、この厚みtは、筐体12の後壁18に形成された凹部34の前後方向の深さd(図2)以上となるように設定される。
次に、図1〜図6を参照して、器具50の取り付け構造について説明する。図3に示すように、本実施形態に係る器具50は、1個のフランジ52と、計3個のケーブルクランプ54と、計3個の弾性体56とを有する。器具50を筐体12に設置する場合、使用者は、まず、弾性体56の各々を、ケーブル14の各々に嵌め込み、筐体12の後壁18に形成された凹部34に嵌入させる。
次いで、使用者は、ケーブルクランプ54の各々を、ケーブル14の各々に嵌め込み、該ケーブルクランプ54を弾性体56の後側に配置させる。次いで、使用者は、ケーブルクランプ54の後側にフランジを配置させ、ケーブル14の各々を、フランジ52に形成された開口端66cから第2の孔部66bへ挿入し、次いで第1の孔部66aに嵌入させる。
そして、使用者は、ケーブルクランプ54をフランジ52の凹部68に受容するように、フランジ52を筐体12の後壁18に固定する。その結果、器具50は、図2に示すように筐体12に対して設置される。
フランジ52が筐体12の後壁18に固定されると、ケーブルクランプ54の前面70が弾性体56の後面80に押し付けられ、これにより、弾性体56は、凹部34の底面34aと、ケーブルクランプ54の前面70との間で挟み込まれて、前後方向に圧縮される。
そうすると、弾性体56は、径方向に膨張しようとする。しかしながら、弾性体56の外周面84と、凹部34を画定する内周面34bとが当接することによって、弾性体56の径方向外側に向かう膨張が規制される。このため、弾性体56は、主に径方向内側に向かって膨張し、内周面82を狭めて縮径させる。その結果、内周面82とケーブル14の外周面とが密に接触し、ケーブル14が、内周面82によって保持されることになる。
一方、弾性体56の78と凹部34の底面34aとは、互いに密に接触し、且つ、弾性体56の外周面84と凹部34の内周面34bとは、互いに密に当接することになる。これにより、弾性体56は、ケーブル引き出し孔32を気密に封止することができる。
本実施形態においては、ケーブルクランプ54は、環状部材であって、ケーブル14の外周面の全周に亘って延在している。したがって、ケーブルクランプ54の前面70は、ケーブル14の全周に亘って、弾性体56の後面80に押圧されることになる。
このため、ケーブルクランプ54は、フランジ52の第2の孔部66bに相当する領域においても、弾性体56を押圧することができるので、弾性体56を後壁18との間で均一に圧縮させることができる。これにより、ケーブル引き出し孔32を確実に封止することができるので、筐体12の気密性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、フランジ52のケーブル孔66が開口端66cを有するので、使用者は、ケーブル14を開口端66cからケーブル孔66内へ容易に挿入することができる。したがって、フランジ52を筐体12に固定する作業を簡単とすることができる。
また、本実施形態によれば、フランジ52の前面60に凹部68を形成し、ケーブルクランプ54を該凹部68に受容させている。この構成によれば、フランジ52を後壁18に固定するときに、ケーブルクランプ54を弾性体56に対して適切に位置決めできる。これにより、ケーブルクランプ54によって、より確実に、弾性体56を均一に圧縮できる。
また、使用者は、図2に示すフランジ52を前後逆に配置させ、フランジ52の後面62をケーブルクランプ54の後面72に当接させるように、フランジ52を後壁18に取り付けることもできる。この場合、ケーブルクランプ54によって弾性体56を押圧する力が変化することになり、これにより、筐体12の気密性が変化することになる。
このように、使用者は、フランジ52を取り付ける向きを変えるだけで、弾性体56による筐体12の気密性を変化させることができるので、要求される気密性が異なる複数のバリエーションの機器の間で、部品を共通化することが可能になる。
なお、上述の実施形態においては、ケーブルクランプ54が円環状の単一部材である場合について述べた。しかしながら、これに限らず、例えば、ケーブルクランプは、複数に分割可能な形態であってもよい。
このようなケーブルクランプの例について、図7および図8を参照して説明する。図7に示すケーブルクランプ90は、2個のセグメント92および94に分割されている。セグメント92および94の各々は、略C字状の部材である。具体的には、セグメント92および94は、それぞれ、半円状の内周面96および98を有する。
図7に示すようにセグメント92および94が互いに組み合わされたとき、内周面96および98によって、ケーブルクランプ90を貫通する貫通孔100(第1の貫通孔)が画定される。すなわち、内周面96および98は、貫通孔100を画定する壁面の一部を構成する。
ケーブルクランプ90は、上述のケーブルクランプ54と同様に、フランジ52に形成された凹部68内に受容されるように配置され得る。このとき、ケーブル14は、貫通孔100に挿通される。
図8に示すケーブルクランプ110は、略四角形の外形を有しており、2個のセグメント112および114に分割されている。セグメント112および114は、それぞれ、半円状の内周面116および118を有する。
図8に示すようにセグメント112および114が互いに組み合わされたとき、内周面116および118によって、ケーブルクランプ110を貫通する貫通孔120(第1の貫通孔)が画定される。すなわち、内周面116および118は、貫通孔120を画定する壁面の一部を構成する。
ケーブルクランプ110を用いる場合、フランジ52に形成された凹部68を、ケーブルクランプ110の外形に対応するように四角形状に形成し、ケーブルクランプ110は、このような四角形状の凹部68内に受容されるように配置されてもよい。このとき、ケーブル14は、貫通孔120に挿通される。
図7および図8に示すようなケーブルクランプ90、110によれば、複数に分割可能であることから、ケーブル14を外部機器へ接続させた後に、ケーブルクランプ90、110をケーブル14に後付けで嵌着させることができる。
次に、図9および図10を参照して、他の実施形態に係る電子機器130について説明する。なお、以下に述べる種々の実施形態において、上述の実施形態と同様の要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。電子機器130は、筐体12と、該筐体12の内部に収容された電子部品(図示せず)と、ケーブル14と、器具150とを備える。
本実施形態においては、計3個のケーブル引き出し孔32のうち、左端および右端の2個のケーブル引き出し孔32を通して、計2本のケーブル14が引き出されている。一方、計3個のケーブル引き出し孔32のうち、左右方向中央に形成されたケーブル引き出し孔32からは、ケーブル14が引き出されていない。
器具150は、1個のフランジ152、計2個のケーブルクランプ54、および計3個の弾性体56を有する。フランジ152は、本体部154と、該本体部154から突出する突起部156を有する。
本体部154は、略矩形の板状部材であって、前面60、後面62、外周面64、および計2個のケーブル孔66を有する。上述の実施形態と同様に、ケーブル孔66の各々は、本体部154の下面64aから上方へ凹むように形成され、本体部154の前面60から後面62まで延在している。
突起部156は、本体部154の前面60から前方へ突出するように形成されている。より具体的には、突起部156は、本体部154の前面60から前方へ突出する円柱状の第1部分156aと、第1部分156aの前面156cから前方へ突出する円柱状の第2部分156bとを有する。
第1部分156aは、第2部分156bよりも大きな外径を有する。一例として、第1部分156aの外径および前後方向の厚さは、それぞれ、ケーブルクランプ54の外径および前後方向の厚さと略同じとなるように、設定される。一方、第2部分156bは、弾性体56の内周面82の半径Rよりも大きく、且つ、ケーブル引き出し孔32の孔部36よりも小さな半径を有する。
フランジ152が筐体12の後壁18に固定されたとき、突起部156の第2部分156bは、図10に示すように、弾性体56と、計3個のケーブル引き出し孔32のうち左右方向中央に形成されたケーブル引き出し孔32とに、嵌入される。
そして、第1部分156aの前面156cによって、弾性体56が押圧される。ここで、上述したように、第1部分156aは、ケーブルクランプ54と略同じ外径および前後方向の厚さを有している。
この構成によれば、フランジ152が筐体12の後壁18に固定されたときに、計3個の弾性体56を押圧する力を略一定とすることができる。このようにして、突起部156は、ケーブル14が引き出されていないケーブル引き出し孔32を気密に閉塞することができる。
本発明によれば、使用者は、筐体12から引き出されるケーブル14の数に応じて、上述のフランジ52とフランジ152を使い分けることによって、筐体12を共通化することができる。これにより、部品点数を増大させることなく、機器のバリエーション展開を容易とすることができる。
次に、図11および図12を参照して、さらに他の実施形態に係る電子機器160について説明する。電子機器160は、筐体162と、該筐体162の内部に収容された電子部品(図示せず)と、ケーブル14と、器具170とを備える。
筐体162は、後壁18に形成された計2個のケーブル引き出し孔32と、前壁20に形成された計3個のケーブル引き出し孔32とを有する。これらケーブル引き出し孔32を通して、計5本のケーブル14が、筐体162の内部から外部へ引き出されている。
また、筐体162は、後壁18に形成された穴164をさらに有する。この穴164は、後壁18の後面28から前方へ凹むように形成されており、後壁18に形成された2つのケーブル引き出し孔32の間に配置されている。
器具170は、フランジ52、フランジ152、計5個のケーブルクランプ54、および、計5個の弾性体56を有する。フランジ52は、筐体162の前壁20に固定される。フランジ52に形成された凹部68の各々には、ケーブルクランプ54が受容される。
筐体162の前壁20に形成されたケーブル引き出し孔32の凹部34の各々には、弾性体56が受容されている。フランジ52が前壁20に固定されたとき、ケーブルクランプ54によって弾性体56が押圧され、これにより、前壁20に形成されたケーブル引き出し孔32の各々を気密に封止することができる。
一方、フランジ152は、筐体162の後壁18に固定される。フランジ152と筐体162の後壁18との間には、2個のケーブルクランプ54が配置され、これらケーブルクランプ54の各々には、筐体162の後側に引き出された2本のケーブル14の各々が挿通される。
筐体162の後壁18に形成されたケーブル引き出し孔32の凹部34の各々には、弾性体56が受容されている。フランジ152の突起部156は、後壁18に形成された穴164に嵌入される。
次に、図13および図14を参照して、さらに他の実施形態に係る電子機器180について説明する。電子機器180は、筐体162と、該筐体162の内部に収容された電子部品(図示せず)と、ケーブル14と、器具190とを備える。
本実施形態においては、筐体162の前壁20に形成された計3個のケーブル引き出し孔32のうち、左端と右端の2つのケーブル引き出し孔32を通して、計2本のケーブル14が筐体162の前側へ引き出されている。
器具190は、フランジ52、フランジ152、計4個のケーブルクランプ54、および、計5個の弾性体56を有する。フランジ52は、筐体162の後壁18に固定される。
一方、フランジ152は、筐体162の前壁20に固定される。このとき、フランジ152の突起部156は、前壁20に形成されたケーブル引き出し孔32のうち、左右方向中央に形成されたケーブル引き出し孔32に嵌入される。これにより、突起部156は、このケーブル引き出し孔32を封止することができる。
図11〜図14に示すように、フランジ52とフランジ152の異なる2つの種類のフランジを組み合わせることによって、電子機器の出荷後でも筐体162から引き出されるケーブル14の本数を変更することが可能となる。
より具体的に述べると、仮に、電子機器160から電子機器180へ、筐体162の前方へ引き出されるケーブル14の本数を減少させる必要が生じたとする。この場合、使用者は、電子機器160のフランジ52とフランジ152を前後逆となるように筐体162に取り付けるだけで、電子機器180のように、突起部156によって、ケーブル14が引き出されなくなったケーブル引き出し孔32を、封止することができる。これにより、製品の種々のバリエーションに柔軟に対応することが可能となる。
なお、上述の実施形態においては、フランジ52、およびフランジ152の本体部154が、略矩形の板部材である場合について述べた。しかしながら、これに限らず、フランジ(または、本体部)は、例えば、円形、楕円形、半球形等、如何なる形状を有してもよい。この場合においても、フランジに形成されたケーブル孔は、該フランジの外周縁にて開口するように形成することができる。
また、上述の実施形態においては、ケーブル孔66は、第1の孔部66aおよび第2の孔部66bを含む場合について述べた。しかしながら、これに限らず、ケーブル孔は、フランジ52または本体部154の外周面(外周縁)64にて開口し、その内部にケーブル14を受容可能であれば、如何なる形状に形成されてもよい。例えば、ケーブル孔は、フランジの外周縁から凹む多角形、半円形、または楕円形の切り欠きによって構成されてもよい。
以上、発明の実施形態を通じて本発明を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、本発明の実施形態の中で説明されている特徴を組み合わせた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得るが、これら特徴の組み合わせの全てが、発明の解決手段に必須であるとは限らない。さらに、上述の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることも当業者に明らかである。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、工程、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10,130,160,180 電子機器
12,162 筐体
14 ケーブル
32 ケーブル引き出し孔
50,150,170,190 器具
52,152 フランジ
54,90,110 ケーブルクランプ
56 弾性体

Claims (5)

  1. 電子機器の筐体に形成されたケーブル引き出し孔から、該ケーブル引き出し孔を封止しつつ、ケーブルを引き出すための器具であって、
    前記筐体に固定されるフランジであって、該フランジの外周縁にて開口し、前記ケーブルを受容するケーブル孔、および、前記筐体に面する端面から内方へ凹むように形成され、ケーブルクランプを受容する第1の凹部を有する、フランジと、
    前記ケーブルが挿通される第1の貫通孔を有し、前記第1の凹部に受容されて前記筐体と前記フランジとの間に配置される前記ケーブルクランプであって、前記第1の凹部の深さ以上となる厚みを有する、前記ケーブルクランプと、
    前記ケーブルが挿通される第2の貫通孔を有し、前記筐体と前記ケーブルクランプとの間に配置される弾性体であって、前記フランジが前記筐体に固定されたときに、前記ケーブルクランプと前記筐体との間で挟みこまれて前記第2の貫通孔を狭めるように弾性変形し、前記ケーブルを前記第2の貫通孔内に保持するとともに、前記ケーブル引き出し孔を封止する、弾性体と、を備える、器具。
  2. 前記ケーブルクランプは、複数のセグメントに分割され、
    前記複数のセグメントの各々は、前記第1の貫通孔を画定する壁面の一部を構成する面を有する、請求項1に記載の器具。
  3. 前記フランジは、前記筐体に面する端面から前記筐体に向かって突出する突起部をさらに有し、
    前記突起部は、前記フランジが前記筐体に固定されたときに、前記ケーブル引き出し孔に隣接して前記筐体に形成された第2のケーブル引き出し孔に嵌入可能に構成される、請求項1または2に記載の器具。
  4. ケーブルを外部へ引き出すためのケーブル引き出し孔を有し、内部に電子部品を収容する筐体と、
    前記筐体に設置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の器具と、を備える、電子機器。
  5. 前記ケーブル引き出し孔は、
    前記フランジに面する前記筐体の第1の端面から、該筐体の内方へ凹むように形成された第2の凹部と、
    前記第2の凹部の底面から、前記第1の端面とは反対側の前記筐体の第2の端面まで延びる孔部と、を有し、
    前記弾性体は、前記第2の凹部に受容される、請求項4に記載の電子機器。
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