JP2013244521A - 板状部材の締結体及び板状部材の締結方法並びに画像形成装置 - Google Patents

板状部材の締結体及び板状部材の締結方法並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接合面に出っ張りを作らずに締結することが可能な板状部材の締結体及び板状部材の締結方法と、板状部材の締結体を用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2の板状部材1,2が接合された板状部材の締結体であって、貫通孔3が形成された前記第1の板状部材1と、前記第2の板状部材2が重ね合わされ、前記貫通孔3に対応する前記第2の板状部材2の部位を前記貫通孔方向に押圧して塑性変形させた突起部7が、前記第1の板状部材1の前記貫通孔3に充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状部材の締結体及び板状部材の締結方法並びに前記板状部材の締結体を用いる画像形成装置に関するものである。
プレス部品において、金属板接合はなくてはならない技術である。一般的な接合方法としては溶接やねじ締結などが挙げられるが、それらに変わる低コストな接合技術として、従来よりバーリングカシメやTOXカシメなど多くの塑性締結工法が開発され既に知られている。また、近年様々な材質の鋼板が使用されるようになってきており、異種材同士の締結が可能な方法としても塑性締結工法の需要は高まって来ている。
しかし、今までの塑性締結は、構成上の制約や高価な専用治具が必要、工程数が多いなどの各種課題があり、採用できない場合や場所毎に使い分ける必要があるのが現状である。このことは、生産コストの増大や管理面の複雑化にも繋がるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、接合面に出っ張りを作らずに締結することが可能な板状部材の締結体及び板状部材の締結方法と、板状部材の締結体を用いた画像形成装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明は、第1及び第2の板状部材が接合された板状部材の締結体であって、貫通孔が形成された前記第1の板状部材と、前記第2の板状部材が重ね合わされ、前記貫通孔に対応する前記第2の板状部材の部位を前記貫通孔方向に押圧して塑性変形させた突起部が、前記第1の板状部材の前記貫通孔に充填されていることを特徴とする。
本発明によれば、接合面に出っ張りを作らずに締結することが可能であるので、構成上の制約を受けづらい。また、専用治具を使用せずに1工程での締結が可能であるため、金型費用をかけずにどこにでも汎用的に適用できる。
図1は、本発明の板状部材の締結方法を説明する図であり、(a)は締結前の断面図、(b)は締結後の断面図、(c)は完成した板状部材の締結体の断面図である。(第1の実施形態) 板状部材の締結体の締結時の状態を説明する断面図である。(第2の実施形態) 締結に使用されるパンチの形状例を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図である。(第3の実施形態) 板状部材の締結体の締結時の状態を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。(第3の実施形態) 板状部材の締結体の締結時の状態を説明する図であり、(a)〜(c)は、それぞれダイ及びパンチの先端形状の変形例を示す断面図である。(第4の実施形態) 第1の板状部材の貫通孔の内壁形状の変形例を示す断面図である。(第5の実施形態) 第1の板状部材の貫通孔の穴形状の変形例を示す平面図である。(第6の実施形態)
本発明は、板状部材の締結手法に際して、以下の特徴を有する。要するに、本発明では、第1の板状部材に開けられた貫通孔を充填するように、パンチの押圧によって第2の板状部材から塑性変形による突起部を突き出させる。同時に、第1の板状部材の貫通孔表面を覆うように配置されたダイによって行き場をなくした突起部の材料が、貫通孔の中心から離れる方向に流動することで、突起部の外周が貫通孔の内壁に食い付き、1工程のみで板状部材同士が締結される。この時、突起部の充填によって貫通孔は塞がり、かつ、ダイで貫通孔を密閉しているので、締結後ダイ側の貫通孔から突起部の出っ張りができないことが特徴になっている。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)図1は、本発明の板状部材の締結方法を説明する図であり、(a)は締結前の断面図、(b)は締結後の断面図、(c)は完成した板状部材の締結体の断面図である。
まず、例えば真円形状の貫通孔3を開けた第1の板状部材としての金属板1と、貫通孔を開けていない第2の板状部材としての金属板2の2枚を重ね合わせて、ダイ4及びストリッパ10間に挟み込む。金属板1の表面に接するダイ4の表面はフラットになっており、貫通孔3の一方の開口部を塞いでいる。
次に、貫通孔3に対応する金属板2の部位に、先端がフラットで全周縁に切刃を有する円柱状のパンチ5を配置して、金属板2から貫通孔3方向に向かってパンチ5を押込むことによって金属板2を押圧し、金属板2の塑性変形により突起部7を形成して金属板1の貫通孔3の他方の開口部から貫通孔3の内部へ充填させる。このとき、ダイ4及びパンチ5と貫通孔3は、それぞれ、同軸線上に配置されているのが望ましい。また、パンチ5の径は、貫通孔3の径よりも小さく、突起部7と金属板2の連結部7cが切れずに残る程度とする。
形成された突起部7の先端7aは、金属板1の表面よりも出っ張らないように貫通孔3を塞いでいるダイ4によって、その端面が金属板1の表面と面一になると共に、その厚みが金属板2の元々の板厚よりも薄くなり、薄くなった分の材料が、貫通孔3の中心から離れる方向に流動する。それにより、金属板1の貫通孔3の内壁と、内壁に接触する金属板2の突起部7の外周7bとの間で食い付き力が発生し、金属板1及び2が締結される。その後、ダイ4、パンチ5及びストリッパ10が取り外され、図1(c)に示すように、第1の金属板1及び第2の金属板2を貫通孔3のある部位で接合させた締結体が完成する。
(第2の実施形態)第2の実施形態は、噛合い(アンダーカット)による締結力向上策を講じた実施形態である。図2は、第2の実施形態に係る板状部材の締結体の締結時の状態を説明する断面図である。
すなわち、上述の第1の実施形態の締結時よりもパンチ5をより深く押込むと、突起部7の先端7aはさらに薄くなり、貫通孔3の中心から離れる方向へ流動する材料が増える。これにより、金属板2の突起部7の外周7bは、根元側よりも先端側の径が大きく膨張し、それに応じて、金属板1の貫通孔3の内径が大きくなる部分が生じるように塑性変形し、アンダーカット形状になる。このアンダーカット形状により、金属板1の貫通孔3の内壁と、内壁に接触する金属板2の突起部7の外周7bとの間で噛合いが生じ、第1の実施形態における食い付き力だけの時よりもさらに強い締結力が得られる。
(第3の実施形態)第3の実施形態は、ブリッジ形状部の追加による破断防止と締結力向上策を講じた実施形態である。すなわち、第3の実施形態は、溝部付きの先端を有するパンチを用いて板状部材の締結を行うものである。
図3は、締結に使用されるパンチの形状例を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図である。図4は、板状部材の締結体の締結時の状態を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
図3(a)及び(b)に示すように、円柱状のパンチ5は、その先端周縁の切刃を4箇所で分断するように溝部6が形成されている。金属板の締結時、この溝部6付きパンチ5を用いると、突起部7の裏側に、金属板2における貫通孔3に対応していない部位と突起部7とを連結する4個のリブ状部9が形成される。この溝部6付きパンチ5を用いれば、パンチ5を金属板2の板厚以上に押込んだとしても、溝部6のある部分だけは、リブ状部9により突起部7と金属板2が繋がった状態になっているため、突起部7が破断して抜け落ちることがない。また、連結部7cの体積を確保できるので、締結力が向上する。
(第4の実施形態)第4の実施形態は、突起部7の材料を貫通孔3の中心から離れる方向に、より効率的に移動させる策を講じた実施形態である。すなわち、第4の実施形態は、ダイ4及びパンチ5の先端形状を変えて板状部材の締結を行うものである。
図5は板状部材の締結体の締結時の状態を説明する図であり、(a)〜(c)は、それぞれダイ及びパンチの先端形状の変形例を示す断面図である。
図5(a)に示す第1の変形例では、ダイ4は、貫通孔3の径よりわずかに小さい径を有する円柱状であって先端側が円錐形の円錐状部4aを有する。ダイ4は、ダイホルダ11で支持され、円錐状部4aが貫通孔3の内部に入るように配置されている。円柱状のパンチ5は、その先端周縁にRがつけられたR状周縁部6を有している。金属板の締結時、このような形状のダイ4及びパンチ5を用いると、突起部7の先端7aには、ダイ4の円錐状部4aの外形に合った円錐形凹部が形成される。
図5(b)に示す第2の変形例では、ダイ4は、貫通孔3の径よりわずかに小さい径を有する円柱状であって先端のフラットな端面における中央付近に任意の曲率の凸部4bが形成されている。ダイ4は、ダイホルダ11で支持され、凸部4bが貫通孔3の内部に入るように配置されている。円柱状のパンチ5は、その先端周縁にRがつけられたR状周縁部6を有している。金属板の締結時、このような形状のダイ4及びパンチ5を用いると、突起部7の先端7aには、ダイ4の凸部4bの外形に合った曲率を有する凹部が形成される。
図5(c)に示す第3の変形例では、ダイ4は、貫通孔3の径よりわずかに小さい径を有する円柱状であって先端のフラットな端面における周縁付近に任意の曲率の環状凸部4cが形成されている。ダイ4は、ダイホルダ11で支持され、凸部4bが貫通孔3の内部に入るように配置されている。円柱状のパンチ5は、その先端周縁にRがつけられたR状周縁部6を有している。金属板の締結時、このような形状のダイ4及びパンチ5を用いると、突起部7の先端7aには、ダイ4の環状凸部4cの外形に合った曲率を有するリング状凹部が形成される。
このように第1〜第3の変形例によれば、ダイ4の先端の面には、例えば中心部や外周付近に凸状の出っ張りを設けることで、突起部7の先端7aの厚みが局部的に金属板2の元々の板厚よりも薄くなり、貫通孔3の中心から離れる方向に流れる材料が増えて締結力の向上に繋がる。また、突起部7の先端7aは、貫通孔3の内部に留まり、金属板1の表面より出っ張ることがない。
(第5の実施形態)第5の実施形態は、貫通孔3の内壁形状を変えて締結力の向上策を講じた実施形態である。図6は、金属板1の貫通孔3の内壁形状の変形例を示す断面図である。
図6(a)に示す第1の変形例では、貫通孔3の内壁を凹凸のあるねじ切り状部3aに予め変形させている。また、図6(b)に示す第2の変形例では、貫通孔3の一方の開口部付近の内壁を座ぐり形状の座ぐり状部3bに予め変形させている。
このように第1〜第2の変形例によれば、貫通孔3にねじ切り形状や座ぐり形状を事前に設けておくことで、金属板の締結時、その部分に材料が流れ込み、より確実に金属板同士の噛合い(アンダーカット)が生じる。これにより、締結力が向上するという効果がある。
(第6の実施形態)第6の実施形態は、貫通孔3の形状を変えて回り止め策を講じた実施形態である。図7(a)〜(c)は、それぞれ、金属板1の貫通孔3の穴形状の変形例を示す平面図である。
図7(a)に示す第1の変形例では、貫通孔3の穴形状を多角形状に予め変形させている。また、図7(b)に示す第2の変形例では、貫通孔3の穴形状をDカット形状に予め変形させている。また、図7(c)に示す第3の変形例では、貫通孔3の穴形状を楕円形状に予め変形させている。
このように第1〜第2の変形例によれば、貫通孔3の形状を真円以外の例えば、多角形、Dカット、楕円など)にすることにより、締結部分の回り止めの作用が働き、回転トルクに対して強くなる。
以上の通り、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。かかる変形、応用によってもなお本考案の構成を具備する限り、勿論、本考案の範疇に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態では、板状部材は金属部材としているが、樹脂部材としてもよい。
また、本発明による板状部材の締結体は、接合部分(貫通孔3部分)に出っ張りを作らずに締結されているので、構成上の制約を受けづらく、画像形成装置における筐体やトレイ等に用いることができる。
1 金属板(第1の板状部材)
2 金属板(第2の板状部材)
3 貫通孔
4 ダイ
5 パンチ
7 突起部
9 リブ状部
特開2009−274119号公報

Claims (9)

  1. 第1及び第2の板状部材が接合された板状部材の締結体であって、
    貫通孔が形成された前記第1の板状部材と、前記第2の板状部材が重ね合わされ、前記貫通孔に対応する前記第2の板状部材の部位を前記貫通孔方向に押圧して塑性変形させた突起部が、前記第1の板状部材の前記貫通孔に充填されていることを特徴とする板状部材の締結体。
  2. 請求項1記載の板状部材の締結体において、
    前記突起部が、前記第1の板状部材における前記第2の板状部材と接合する面と反対側の面に面一になるように前記貫通孔に充填されていることを特徴とする板状部材の締結体。
  3. 請求項1記載の板状部材の締結体において、
    前記貫通孔の内径の一部をアンダーカット形状に変形させたことを特徴とする板状部材の締結体。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の板状部材の締結体において、
    前記第2の板状部材における前記貫通孔に対応していない部位と前記突起部とを連結するリブ状部が形成されていることを特徴とする板状部材の締結体。
  5. 請求項1、3または4記載の板状部材の締結体において、
    前記突起部の先端には凹部が形成されていることを特徴とする板状部材の締結体。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の板状部材の締結体において、
    前記貫通孔の形状を真円以外の形状にしたことを特徴とする板状部材の締結体。
  7. 請求項1から6に何れか1項に記載の板状部材の締結体において、
    前記貫通孔の内壁が凹凸を有することを特徴とする板状部材の締結体。
  8. 貫通孔が形成された第1の板状部材と貫通孔が形成されていない第2の板状部材を重ね合わせてダイ及びストリッパ間に挟持し、前記貫通孔に対応する前記第2の板状部材の部位を、前記貫通孔より径の小さいパンチで前記貫通孔方向に押圧して塑性変形させて前記第1の板状部材の前記貫通孔に充填することにより前記第1及び第2の板状部材を締結することを特徴とする板状部材の締結方法。
  9. 請求項1から7の何れか1項に記載の板状部材の締結体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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