JP6285775B2 - 研磨用金属担持金属酸化物粒子および研磨剤 - Google Patents

研磨用金属担持金属酸化物粒子および研磨剤 Download PDF

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Description

本発明は、金属が金属酸化物粒子に担持されてなる研磨用金属担持金属酸化物粒子および該粒子を含む研磨剤に関する。
半導体の集積回路付基板の製造においては、例えば、シリコンウェハー上にアルミ配線を形成し、この上に絶縁膜としてシリカ等の酸化膜を設けると配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。このような基板の研磨においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であることが求められており、また研磨速度が速いことも必要である。
研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどが用いられている。
化学的機械的研磨(CMP)で使用される研磨材は、通常、シリカ、アルミナ、セリア等の金属酸化物からなる平均粒子径が200nm程度の研磨用粒子と、配線・回路用金属の研磨速度を早めるための酸化剤、有機酸等の添加剤及び純水などの溶媒から構成されている。
例えば、特開2001−150334号公報(特許文献1)には、水ガラスなどのアルカリ金属珪酸塩の水溶液を脱陽イオン処理することにより得られるSiO濃度2〜6重量% 程度の活性珪酸の酸性水溶液に、アルカリ土類金属、例えば、Ca、Mg、Baなどの塩をその酸化物換算で上記活性珪酸のSiOに対し100〜1500ppmの重量比に添加し、更にこの液中SiO/MO(Mは、アルカリ金属原子、NH又は第4級アンモニウム基を表す。) モル比が20〜150となる量の同アルカリ物質を添加することにより得られる液を当初ヒール液とし、同様にして得られる2〜6重量%のSiO濃度と20〜150 のSiO/MO(Mは、上記と同じ) モル比を有する活性珪酸水溶液をチャージ液として、60〜150℃で前記当初ヒール液に前記チャージ液を、1時間当たり、チャージ液SiO /当初ヒール液SiOの重量比として0. 05〜1. 0の速度で、液から水を蒸発除去しながら( 又はせずに)、添加してなる歪な形状を有するシリカゾルの製造方法が記載されている。
特開平8−279480号公報(特許文献2)には、(1)珪酸アルカリ水溶液を鉱酸で中和しアルカリ性物質を添加して加熱熟成する方法、(2)珪酸アルカリ水溶液を陽イオン交換処理して得られる活性珪酸にアルカリ性物質を添加して加熱熟成する方法、(3)エチルシリケート等のアルコキシシランを加水分解して得られる活性珪酸を加熱熟成する方法、または、(4)シリカ微粉末を水性媒体中で直接に分散する方法等によって製造されるコロイダルシリカ水溶液は、通常、4〜1,000nm(ナノメートル)、好ましくは7〜500nmの粒子径を有するコロイド状シリカ粒子が水性媒体に分散したものであり、SiOとして0.5〜50重量% 、好ましくは0.5〜30重量%の濃度を有する。上記シリカ粒子の粒子形状は、球状、いびつ状、偏平状、板状、細長い形状、繊維状等が挙げられることが記載されている。
特表2003−529662号公報(特許文献3)には、互いにボンドによって連結していない球形の、分離したシリカ粒子を含む研磨剤であって、a )寸法5−50nmのシリカ粒子5−95重量% 、及びb)寸法50−200nmのシリカ粒子95−5重量%を含む、但し粒子の全体がバイモーダルな粒径分布を有する研磨剤が高い研磨速度を与えることが開示されている。
また、本願出願人は異形度が1.55〜4の範囲にあり、動的光散乱法による粒子径分布において30〜70nmの粒子径範囲と71〜150nmの粒子径範囲に粒子径分布のピークがあり、両ピークの粒子径差が50〜100nmの範囲にある研磨用シリカゾルを用いると優れた研磨レートが達成されることを開示している(特開2007−137972号公報:特許文献4)。
さらに、本願出願人は真球度が0.9以上の球状粒子とこの球状粒子に該当しない非球状粒子を所定重量比で含む研磨用組成物は被研磨面が凹凸を有していても研磨後の表面が平坦性に優れ、長時間の研磨に供しても研磨性能の低下が抑制できることを開示している(特開2006−80406号公報:特許文献5)。
また、本願出願人は非球状シリカ微粒子と、その表面に形成されたシリカ以外の金属酸化物から形成される複数の突起とからなり、動的散乱法により測定される平均粒子径が3〜150nmの範囲、短径/長径比が0.01〜0.8の範囲、比表面積が10〜800m/gの範囲にある非球状複合シリカ微粒子が分散媒に分散したゾルとその製造方法を開示しており、研磨剤と有用であることを開示している(特開2009−137791号公報:特許文献6)。
また、本願出願人は球状シリカ系微粒子の表面に複数の疣状突起を有し、表面粗度が1.7〜10の範囲にある金平糖状シリカ系微粒子と、該微粒子を含む研磨剤を開示している(特開2013−47180号公報:特許文献7)。
さらに、特開2010−188487号公報(特許文献8)には、遷移金属微粒子と酸化物微粒子と過酸化水素をベースとした配合研磨液を用いるとSiC基板等の非加工物の表面平滑性を損なうことなく研磨速度が大きく向上することが開示されている。
特開2001−150334号公報 特開平8−279480号公報 特表2003−529662号公報 特開2007−137972号公報 特開2006−80406号公報 特開2009−137791号公報 特開2013−47180号公報 特開2010−188487号公報
しかしながら、特許文献7の金平糖状シリカ系微粒子等の異形粒子を研磨用粒子として用いた場合、表面が平滑な球状粒子に比べて研磨速度は向上するものの、表面の凹凸によりスクラッチが発生したり表面の平滑性の欠ける場合があった。また、製造する際に少量ではあるが粒子径の大きな凝集粒子が生成し、スクラッチの原因となることがあった。また、この凝集粒子を除去すると、生産性、経済性が低下する問題があった。
そこで、前記した異形粒子(非球状粒子)と特許文献8のように遷移金属微粒子とを混合して用いたところ、確かに研磨速度は向上したものの、遷移金属微粒子と球状粒子とを混合した場合と同程度の研磨速度となり、異形粒子(非球状粒子)を混合して用いた効果が得られなかった。
本発明者等はさらなる研磨速度の向上および表面の平滑性の向上を求めて鋭意検討した結果、金属を担持した粒子を用いたところ研磨速度がさらに向上するとともに表面平滑性も向上することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の課題は、アルミニウムディスク、珪素半導体ウェハー、化合物半導体ウェハー等の研磨に好適に用いることのできる金属酸化物粒子およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る研磨用金属担持金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子に金属が担持されてなることを特徴としている。
平均粒子径(D)が7〜600nmの範囲にあることが好ましい。
前記金属がAg、Pd、Au、Pt、Cu、Feから選ばれる少なくとも一種であり、該金属の担持量が金属酸化物粒子100重量部に対し金属として0.01〜1200重量部の範囲にあることが好ましい。
前記金属酸化物粒子の形状が異形状粒子(非球状)であることが好ましい。
前記金属の少なくとも一部が金属酸化物粒子の外部表面に担持されていることが好ましい。
前記金属酸化物粒子がSiO、Al、Sb、ZrO、TiO、Fe、CeOおよびこれらの複合酸化物から選ばれる少なくとも1種あるいはこれらの混合物であることが好ましい。
本発明に係る研磨剤は、前記いずれかの研磨用金属担持金属酸化物粒子を含んでなることを特徴としている。
研磨剤はさらに酸化剤を含むことが好ましい。
研磨対象がSi、SiC、GaN、Al、AlN、Cu、TiN、SiNのいずれかから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
本発明の研磨用金属担持金属酸化物粒子は研磨性能および表面平滑性に優れており、この研磨用金属担持金属酸化物粒子を含む研磨剤は、アルミニウムディスク、珪素半導体ウェハー、化合物半導体ウェハー等の研磨に好適に用いることができる。
以下、先ず本発明に係る金属が金属酸化物粒子に担持されてなる研磨用金属担持金属酸化物粒子について説明する。
[研磨用金属担持金属酸化物粒子]
本発明に係る研磨用金属担持金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子に金属が担持されてなることを特徴としている。
金属酸化物粒子
金属酸化物粒子としては、後述する研磨に有効な金属を担持することができれば特に制限はなく従来公知の金属酸化物粒子を用いることができ、SiO、Al、Sb、ZrO、TiO、Fe、CeOおよびこれらの複合酸化物から選ばれる少なくとも1種あるいはこれらの混合物であることが好ましい。
これらの金属酸化物粒子は硬度が高く、化学的に安定で研磨性能に優れているので好適に用いることができる。
本発明に用いる金属酸化物粒子の形状は、研磨性能を有していれば特に制限はなく、球状であってもよいが、非球状あるいは表面に凹凸を有する異形粒子であることが好ましい。
ここで、異形粒子としては、繊維状、鎖状、板状、サイコロ状、金平糖状、ヒマワリ状、クラスター状等種々の形状の粒子が挙げられる。
鎖状粒子は一次粒子が鎖状に連結した粒子であり、金平糖状粒子、ヒマワリ状粒子、クラスター状粒子は粒子の外部表面に微細な疣状突起(凸部)を有した粒子である。
金平糖状粒子はとして、例えば、本出願人の出願による特開2009−78935号公報に開示した金平糖状複合シリカ微粒子等が挙げられる。
金平糖状金属酸化物粒子の製造方法としては、例えば、粒子径が3〜140nmのシリカ粒子が溶媒に分散してなるシード粒子分散液のpHを8〜12、温度を概ね60〜200℃の範囲に調整し、シリカを除く金属酸化物の前駆体または該金属酸化物の前駆体と珪酸液の所定量を連続的にまたは断続的に添加することにより調製することができる。
金平糖状金属酸化物粒子の別の製造方法としては、シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHおよび温度を所定の範囲に調整し、金属過酸化物または金属過酸化物と珪酸液の所定量を一時に一括して全量添加することによっても調製することができる。
クラスター状粒子とは、金属酸化物粒子の一次粒子が多数集合した二次粒子であり、金平糖状粒子と類似した構造を有している。
クラスター状粒子の製造方法としては、例えば、平均一次粒子径が概ね10〜150nmの範囲にある金属酸化物粒子の水分散液を塩の存在下で水熱処理する方法が挙げられる。
このとき、塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の塩が好適に用いることができる。また、このときの金属酸化物粒子水分散液の濃度は概2〜20重量%の範囲にあり、水熱処理温度は概80〜120℃の範囲にあることが好ましい。
また、ヒマワリ状粒子とは、粒子径の大きな基体用金属酸化物粒子の外部表面に粒子径の小さい被覆用金属酸化物粒子が単層で被覆した金属酸化物粒子を意味している。
ヒマワリ状粒子の製造方法としては、正または負の表面電位を有し、平均粒子径が概ね40〜600nmの範囲にある基体用金属酸化物粒子と、これと異なる正または負の表面電位を有し、平均粒子径が概ね4〜60nmの範囲にある被覆用金属酸化物粒子との混合分散液を調製し、ついで、陰イオン交換樹脂で処理して混合分散液のpHを6〜10に調整して基体用粒子表面に被覆用粒子を付着させ、ついで、加熱熟成して被覆用金属酸化物粒子を基体用金属酸化物粒子へ接合させ、必要に応じて、乾燥、加熱処理することによって調製することができる。
このような外部表面に微細な疣状突起(凸部)を有する異形粒子であると、後述する金属が凹部に担持されるが、金属が凹部に微細な粒子として担持され、この金属がOHラジカルの発生に有効に寄与し、一方、金属酸化物粒子の凸部が被研磨基板との衝突による研磨能を発揮、この両者が有効に寄与すると考えられる。
金属酸化物粒子の平均粒子径(D)は7〜600nm、さらには10〜400nm、特に10〜100nmの範囲にあることが好ましい。
金属酸化物粒子の平均粒子径(D)が7nm未満の場合は、金属を担持できない場合があり、できたとしても充分な研磨性能が得られない場合がある。
金属酸化物粒子の平均粒子径(D)が600nmを超えると、研磨時にスクラッチ傷が入り面精度、表面平滑性等が不充分となる場合がある。
本発明では、金属酸化物粒子の平均粒子径(D)はレーザー方式粒度分布測定装置(日機装(株)製:マイクロトラックUPA)で測定する。
金属
金属としては、過酸化水素と反応しOHラジカルを発生することができれば特に制限はないが、Ag、Pd、Au、Pt、Cu、Feから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
なかでも、Ag、Au、Pt、Pd活性が高く、ラジカル発生能が高いので好適に採用することができる。
このような金属の担持量は、金属酸化物粒子100重量部に対し金属として0.01〜1200重量部、さらには0.1〜800重量部、特に0.1〜600重量部の範囲にあることが好ましい。
金属の担持量が、金属酸化物粒子100重量部に対し金属として0.01重量部未満の場合は、金属の触媒作用が充分発現できずに充分な研磨特性が得られない場合がある。
金属の担持量が、金属酸化物粒子100重量部に対し金属として1200重量部を超えてもさらに研磨性能が向上することもなく、高価な金属の使用量の増加により経済性が低下する。
特に、金属の担持量が、金属酸化物粒子100重量部に対して0.1〜600重量部の範囲にあれば、金属の種類、金属酸化物粒子の形状、粒子径等によっても異なるが、金属酸化物粒子が完全に被覆されることもなく、金属の触媒作用と表面に露出した金属酸化物粒子の研磨作用の相乗効果により研磨性能に優れた研磨用金属担持金属酸化物粒子が得られる。
このような金属の少なくとも一部は金属酸化物粒子の外部表面に担持されていることが好ましい。
金属が金属酸化物粒子の外部表面、特に異形粒子の場合は凹部に存在していると、前記したように、金属によるOHラジカルの生成が促進され、同時に凸部と被研磨基板との衝突による研磨能との相乗効果により研磨性能に優れた研磨用金属担持金属酸化物粒子が得られる。
金属の担持方法としては、前記金属酸化物粒子に金属を所定量担持することができれば特に制限はなく、金属の種類、金属酸化物粒子の種類によっても異なるが、例えば、特開2012−116699号公報に開示した金属被覆金属酸化物微粒子の製造方法を採用することができる。
具体的には、金属酸化物粒子分散液に、金属錯化剤を固形分として、金属酸化物微粒子の重量の所定量の範囲となるように添加して金属酸化物微粒子にポリビニルピロリドン等の金属錯化剤を吸着させ、ついで、金属塩水溶液を添加し、ついで、水素、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を添加して金属塩を還元する方法が挙げられる。
また、特開2012−30149号公報に開示した金属粒子担持触媒の製造方法を採用することもできる。
具体的には、イオン交換体を含む一次粒子径が1〜500nmの担体物質を溶媒に分散させた懸濁液に、所定の1種以上の金属イオンを添加して担持する方法が挙げられる。
また、特開2009−96661号公報に開示した導電性シリカ粒子の製造方法に準じた方法を採用することもできる。
また、特開2010−103109号公報に開示した棒状導電性微粒子群の製造方法に準じた方法を採用することもできる。
例えば、アルミナ等の繊維状金属酸化物粒子を水・アルコール混合溶媒に分散させ、これに硝酸銀、硝酸パラジウムなどの金属塩を添加した後、所定量のクエン酸3ナトリウム、硫酸第1鉄等の還元剤を加え、窒素雰囲気下で撹拌することによって製造することができる。
つぎに、本発明に係る研磨剤について説明する。
[研磨剤]
本発明に係る研磨剤は、前記した研磨用金属担持金属酸化物粒子を含んでなることを特徴としている。
研磨用金属担持金属酸化物粒子
研磨用金属担持金属酸化物粒子としては、前記した研磨用金属担持金属酸化物粒子を用いる。
さらに、本発明の研磨剤には、酸化剤が含まれており、酸化剤としては過酸化水素、オゾン、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩等が挙げられる。なかでも、過酸化水素はOHラジカルが生成しやすく、研磨砥粒の凝集を伴うこともないので好適に用いることができる。
研磨剤に添加する酸化剤はPt、Au以外の金属を担持させたものを使用する場合は、研磨剤中に酸化物が存在すると酸化による金属イオン化が進み金属が溶解するので、研磨時に基材上に別添加すると金属が溶解せず、研磨が可能となる。
この理由は、さだかでないが、酸化剤が金属から電子を引き抜きイオン化させようとするが、金属は基材から電子を奪い酸化されないようにしていると推定している。基材は電子を奪われ、イオン化(研磨される)し酸化剤により酸化物として基材外に析出する。この原理(触媒作用)で基板は研磨され平滑性の高い基材が得られていると推定している。
また、本発明の研磨剤の研磨対象はSi、SiC、GaN、Al、AlN、Cu、TiN、SiNのいずれかから選ばれる少なくと1種以上であることが好ましい。
これらの研磨対象に対しては、研磨速度が高く、平滑で高精細な研磨面を得ることができる。
さらに、本発明の研磨剤に、本発明の研磨用金属担持金属酸化物粒子、酸化剤とともに使用される他の成分の例を以下に列挙するが、これらに限定されるものではない。
研磨促進剤として、アルカリ系では、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の金属炭酸塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ピペラジン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム水酸化物等、酸化物系では、塩素化合物、フッ化水素酸などが挙げられる。とりわけフッ化水素酸は、研磨時の触媒反応で生成したSiO2面の溶解を促進するために好適に使用することができる。フッ化水素酸は金属酸化物としてシリカを利用した場合、金属担持量が少ない場合は、研磨剤に混合した際に溶解が生じる場合がある。そのため研磨剤に添加するのではなく、研磨時に基材上に別添加して使用することが好適である。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の界面活性剤を使用
することができる。
緩衝剤として利用されるイオンとしては、調整するpH範囲にもよるが、陽イオンが第四級アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンの少なくとも1種以上であり、陰イオンが炭酸イオン、炭酸水素イオン、ホウ酸イオン、及びフェノールの少なくとも1種以上であることが好ましい。特に好適なのは炭酸イオンと炭酸水素イオンの混合物、あるいはホウ酸イオンなどを挙げることができる。
安定剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース類、ポリビニルアルコールのような水溶性高分子類、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンのような水溶性アルコール類、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダなどの界面活性剤、ポリアクリル酸塩のような有機系ポリアニオン系物質、塩化マグネシウム、酢酸カリウムのような無機塩等を挙げることができる。
研磨剤における、金属担持金属酸化物粒子の濃度は、通常は1〜20重量%で使用されるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
また、酸化剤の濃度は、酸化剤の種類、金属担持金属酸化物粒子の濃度、他の添加剤の種類および量等によっても異なるが概ね0.1〜30重量%の範囲であるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
参考例1]
研磨用金属酸化物粒子(1)の調製
金属酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積61m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液7.01gを添加した。この時の金属塩/金属錯化剤モル比(MMS)/(MMC)は3.95であった。なお、ポリビニルピロリドンはポリマーであるためN-ビニル−2−ピロリドンの分子量:111.14を使用してモル比(MMS)/(MMC)を計算した。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液17.21gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄し、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(1)分散液を調製した。
得られた研磨用金属酸化物粒子(1)について、平均粒子径を測定し、結果を表に示す。また、被覆状態は走査電子顕微鏡(日立製作所製:S-2000型)にて観察し、完全被覆状態か、部分被覆状態か確認した。
研磨用スラリー(1)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(1)分散液に、濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、全固形分濃度10.0重量%、濃度35%の過酸化水素を酸化水素濃度5%になるように調整したpH5.0の研磨用スラリー(1)を調製した。
被研磨基板(SiC)
直径2インチの4H-SiC単結晶ウェハー表面の仕上げ研磨を実施した。ウェハー表面の方位は、Si(0001)面から(1-210)方向に8°傾けたSi面である。SiCウェハーの表面状態は、ダイヤモンド遊離砥粒で機械研磨した状態で、ウェハー表面の凹凸は、AFMで測定した結果、Ra=0.8nmであった。
研磨試験
上記被研磨基板を、研磨装置( 日本エギンス株式会社 EJ-380IN)にセットし、研磨パッドとして、ニッタ・ハース社製「Suba800」を使用し、基板荷重26KPa、テーブル回転速度60rpmで研磨用スラリー(1)を10g/分の速度で、濃度3重量%のHF水溶液を10g/分の速度で別々に4時間供給して研磨を行った。研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。また、表面の平滑性を原子間力顕微鏡(AFM)((株)日立ハイテクサイエンス社製)でRaを測定した。結果を表に示す。
[実施例2]
研磨用金属酸化物粒子(2)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液3.17gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(MMS)/(MMC)は1.8であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液7.82gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(2)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(2)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(2)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(2)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(2)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例3]
研磨用金属酸化物粒子(3)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液0.11gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(MMS)/(MMC)は0.06であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.26を30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(3)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(3)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(3)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(3)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(3)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例4]
研磨用金属酸化物粒子(4)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液8.50gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(MMS)/(MMC)は4.8であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液20.9gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(4)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(4)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(4)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(4)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(4)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例5]
研磨用金属酸化物粒子(5)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、表面電位−60mV、SiO濃度20重量%、pH10.2)750gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。
ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。
ついで、精製シリカゾル750gにポリ塩化アルミニウム(多木化学(株)製:タキバイン#1000、Al濃度23.55重量%)5.1gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2903gを添加して希釈してSiO濃度4.1重量%のシリカからなる基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液3659gを調製した。基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液のpHは3.7であった。
ついで、SiO濃度4.1重量%のシリカからなる基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液
3659gに、被覆用金属酸化物粒子(B-1)としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO濃度16.6重量%、pH3.7)367gを混合した。このとき、混合分散液のSiO濃度4.8重量%、pHは3.5であった。ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO濃度10重量%のシリカからなる分散液を調製した。その分散液のpHは9.0であった。(工程(b))
ついで、93℃で3時間熟成して、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮してSiO濃度10重量%の分散液を調製した。分散液のpHは9.0であった。(工程(c))
ついで、濃度3重量%の酢酸水溶液を添加して分散液のpHを5.5に調整し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮してSiO濃度10重量%のシリカからなる分散液を調製した。(工程(d))
得られた分散液を120℃で15時間乾燥し、その後、1000℃で2時間焼成してシリカからなる金属酸化物粒子を調製した。(工程(f))
ついで、金属酸化物粒子を純水に分散させ、SiO濃度10重量%の分散液とし、サンドミル(シンマルエンタープライゼス(株)製:ガラスビーズ0.5mmφ1100g)にて2160rpmで180分間解砕して金属酸化物粒子分散液を調製した。(工程(g))
ついで、ビーズを分離した分散液を遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、2000rpmで3分間分離して、ロータリーエバポレーターにて濃縮しSiO濃度40重量%の金属酸化物粒子(5)分散液を製造した。
得られた金属酸化物粒子(5)について平均粒子径、比表面積を表に、SEM写真を図1に示す。
ついで金属酸化物粒子(5)分散液を用いた以外は実施例2と同様にして 、全固形分濃度20重量%の金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(5)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(5)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(5)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(5)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(5)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例6]
研磨用金属酸化物粒子(6)の調製
硫酸セリウム(III)八水和物37.5gおよび蒸留水1765.8gを5L容器に入れ、攪拌して溶解した。引き続き攪拌しながら温度を93℃に昇温し、1.0%水酸化ナトリウム水溶液1255gの全量を一度に加え、攪拌しながら温度93℃で6時間維持した。次に30℃以下に冷却したところ、白色沈殿が得られた。この溶液のpHは10.0であった。この溶液を遠心分離装置を用いて、14000rpmで10分間処理した後、上澄み液を除去した。白色沈殿に蒸留水2884.5gを加え、更に遠心分離装置で、14000rpmで10分間処理した。この操作を合計3回行って、沈殿物を洗浄してセリア微粒子分散液(CeO濃度2.1重量%、pH10.0)を調製した。得られたセリア微粒子は単分散で平均粒子径は13nmであった。
ついで、セリア微粒子分散液3571.4gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)75.0gを混合し、0.5時間撹拌し、被覆用金属酸化物粒子(B-2)分散液を調製した。
被覆用金属酸化物粒子(B-2)分散液のpHは3.0であった。
ついで、実施例5と同様にして調製したSiO濃度4.1重量%のシリカからなる基体用金属酸化物粒子(A-1)分散液3659gに、被覆用金属酸化物粒子(B-2)分散液3571.4gを混合した。このとき、混合分散液のpHは3.2であった。(工程(a))
以下、実施例5と同様に工程(b)〜工程(g)を実施してSiO濃度40重量%の金属酸化物粒子(6)分散液を製造した。
ついで金属酸化物粒子粒子(6)分散液を用いた以外は実施例2と同様にして 、全固形分濃度20重量%の金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(6)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(6)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(6)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(6)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(6)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例7]
研磨用金属酸化物粒子(7)の調製
純水100gに、繊維状アルミナ微粒子(平均長さが50nm、断面の平均径が10nm)と硝酸銀水溶液および硝酸パラジウム水溶液を、全固形分が1.0重量%となり、Ag:Pd:Al=60:20:20となるように混合して繊維状アルミナ微粒子分散金属塩水溶液を調製した。
この水溶液に、Ag・Pd金属1重量部あたり、0.01重量部となるような量でクエン酸3ナトリウム(有機安定化剤および還元剤)を含む水溶液に、硝酸銀および硝酸パラジウムの合計モル数と等モル数の硫酸第一鉄(還元剤)水溶液を加え、窒素雰囲気下で1時間攪拌して複合金属微粒子の分散液を得た。
得られた分散液は遠心分離機により分離した後、濃度1重量%のHCl水溶液で酸洗浄し、ついで、純水に分散させ、ついで、ポリアクリル酸を複合金属1重量部当たり0.0128重量部となるように加え、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮して全固形分濃度が20重量%の分散液を調製した。ついで、得られた分散液をナノマイザーシステム(ナノマイザー(株):LA-33-S)にて処理して、研磨用金属酸化物粒子(7)分散液を得た。
研磨用スラリー(7)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(7)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(7)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(7)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
参考例8]
研磨用金属酸化物粒子(8)の調製
金属酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積61m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液12.75gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(MMS)/(MMC)は7.18であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液31.23gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(8)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(8)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(8)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(8)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(8)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
参考例9]
研磨用金属酸化物粒子(9)の調製
金属酸化物微粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積61m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
この時の金属錯化剤/金属酸化物微粒子重量割合は0.95であった。
つぎに、金属塩水溶液として濃度6.65重量%の塩化白金酸水溶液1.06gを添加した。
この時の金属塩/金属錯化剤モル比(MMS)/(MMC)は0.6であった。
つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液2.61を30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
この時の還元剤/金属塩モル比は0.4であった。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(9)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(9)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(9)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(9)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(9)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例10]
研磨用スラリー(10)の調製
実施例2と同様にして調製した研磨用スラリー(2)に、HF濃度が0.5重量%となるようにHF水溶液を混合して研磨用スラリー(10)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(10)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例11]
研磨用金属酸化物粒子(11)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
つぎに、金属塩水溶液として濃度10重量%の硝酸銀水溶液1.58gを添加した。つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液9.0gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(11)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(11)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(11)分散液に、濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、SiO濃度10.0重量%になるように調整したpH5.0の研磨用スラリー(11)を調製した。
研磨試験
参考例1で用いたSiC被研磨基板を、研磨装置(日本エギンス株式会社製:EJ−380IN)にセットし、研磨パッドとして、ニッタ・ハース社製「Suba800」を使用し、基板荷重26KPa、テーブル回転速度60rpmで研磨用スラリー(1)を10g/分の速度で、濃度5重量%の過酸化水素水を10g/分の速度で、濃度3重量%のHF水溶液を10g/分の速度で別々に4時間供給して研磨を行った。研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。また、表面の平滑性を原子間力顕微鏡(AFM)((株)日立ハイテクサイエンス社製)でRaを測定した。結果を表に示す。
[実施例12]
研磨用金属酸化物粒子(12)の調製
金属酸化物微粒子として金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m/g)0.084gを水400gに分散させ、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液400.08gを調製した。
別途、金属錯化剤としてポリビニルピロリドン(ARDRICH(株)製:MW55000)0.032gを水42.45gに溶解して、濃度0.075重量%のポリビニルピロリドン水溶液42.77gを調製した。
ついで、固形分濃度0.0084重量%のシリカ微粒子分散液に金属錯化剤(ポリビニルピロリドン)水溶液42.77gを添加し、20℃で 1時間撹拌してシリカ微粒子に金属錯化剤を吸着させた。
つぎに、金属塩水溶液として濃度10重量%の硝酸銀水溶液0.79gと10重量%の硝酸パラジウム水溶液を0.80g添加した。この時のAg:Pd=1:1であった。つぎに、還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液9.0gを30秒で添加し、その後、50℃で1時間撹拌を継続した。この時、黒色に変色した。
ついで、限外濾過膜法により充分なイオン交換水を用いて洗浄して、全固形分濃度20重量%まで濃縮して金属被覆シリカ粒子である研磨用金属酸化物粒子(12)分散液を調製した。
以下参考例1と同様に平均粒子径の測定、被覆状態の観察を行った。結果を表に示す。
研磨用スラリー(12)の調製
全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(12)分散液を使用した以外は実施例11と同様に研磨用スラリー(12)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(12)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例13]
研磨用スラリー(13)の調製
実施例2と同様にして調製した全固形分濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(2)分散液を使用した以外は実施例12と同様に研磨用スラリー(13)を調製した。
被研磨基板(Si)
直径4インチの4 H-Siウェハ表面の仕上げ研磨を実施した。ウェハ表面の凹凸は、AFMで測定した結果、Ra=1.2nmあった。
研磨試験
研磨用スラリー(13)を用い、上記被研磨基板(Siウエハー)を用いた以外は実施例12と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[実施例14]
研磨試験
実施例11と同様にして調製した研磨用スラリー(11)を用い、被研磨基板(Si)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例1]
研磨用金属酸化物粒子(R1)の調製
研磨用金属酸化物粒子(R1)としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI-45P、平均粒子径45nm、固形分濃度48重量%)をSiO濃度20重量%に純水で希釈し研磨用金属酸化物粒子(R1)分散液を得た。
研磨用スラリー(R1)の調製
SiO濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R1)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(R1)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R1)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例2]
研磨用金属酸化物粒子(R2)の調製
金平糖状シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドCO45A、平均粒子径45nm、固形分濃度40重量%、比表面積67m/g)をSiO濃度20重量%に純水で希釈して研磨用金属酸化物粒子(R2)分散液を得た。
研磨用スラリー(R2)の調製
SiO濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R2)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(R2)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R2)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例3]
研磨用金属酸化物粒子(R3)の調製
実施例5と同様にしてヒマワリ状粒子であるSiO濃度40重量%の金属酸化物粒子(5)分散液をSiO濃度20重量%になるように純水で希釈し研磨用金属酸化物粒子(R3)分散液を得た。
研磨用スラリー(R3)の調製
SiO濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R3)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(R3)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R3)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例4]
研磨用金属酸化物粒子(R4)の調製
実施例6と同様にしてヒマワリ状粒子であるSiO濃度40重量%の金属酸化物粒子(6)分散液をSiO濃度20重量%になるように純水で希釈し研磨用金属酸化物粒子(R4)分散液を得た。
研磨用スラリー(R4)の調製
SiO濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R4)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(R4)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R4)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例5]
研磨用金属酸化物粒子(R5)の調製
繊維状アルミナ微粒子(平均長さが50nm、断面の平均径が10nmの繊維状アルミナ微粒子)を純水に分散させてアルミナ濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R5)分散液を得た。
研磨用スラリー(R5)の調製
アルミナ濃度20重量%の研磨用金属酸化物粒子(R5)分散液を使用した以外は参考例1と同様に研磨用スラリー(R5)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R5)を用いた以外は参考例1と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例6]
研磨用金属酸化物粒子(R6)の調製
金属微粒子分散液の調製
塩化白金酸6水和物25g(白金金属換算で9g)を純水16,000gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1,660gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液140gとを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌混合して、水に白金微粒子が分散してなる白金コロイド溶液を得た。ついで、白金コロイド溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製:ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮し、白金金属換算で濃度20.0重量%の白金コロイド溶液(R6-1)とした。得られた白金コロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製:S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
研磨用スラリー(R6)の調製
比較例1と同様にして調製したSiO濃度20重量%の金属酸化物粒子(R1)分散液100gと白金コロイド溶液(R6-1)300gを混合した。ついで濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、全固形分濃度10.0重量% 、pH5.0の研磨用スラリー(R6)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R6)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例7]
研磨用スラリー(R7)の調製
比較例1と同様にして調製したSiO濃度20重量%の金属酸化物粒子(R1)分散液100gとAgナノ粒子(日揮触媒化成((株)製:ELCOM MK−5001SIV、濃度10重量%、平均粒子径10nm、pH4.0)600gを混合し、ロータリーエバポレーターで20重量%まで濃縮した。ついで濃度1重量%の酢酸および超純水を加え、全固形分濃度10.0重量%、pH5.0の研磨用スラリー(R7)を調製した。
研磨試験
研磨用スラリー(R7)を用いた以外は実施例11と同様に研磨試験を行った。結果を表に示す。
[比較例8]
研磨試験
比較例1と同様にして調製した研磨用スラリー(R1)を用いた以外は実施例13と同様にSi基板の研磨試験を行った。結果を表に示す。
実施例5で得られた金属酸化物粒子(5)について撮影したSEM写真である。

Claims (8)

  1. 非球状の金属酸化物粒子に金属が担持されてなる研磨用金属担持金属酸化物粒子であって、前記金属酸化物粒子がSiO 、Al 、CeO およびこれらの複合酸化物から選ばれる少なくとも1種あるいはこれらの混合物であり、前記金属がAg、Pd、Ptから選ばれる少なくとも一種である研磨用金属担持金属酸化物粒子
  2. 平均粒子径(D)が7〜600nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の研磨用金属担持金属酸化物粒子。
  3. 前記金属の担持量が前記金属酸化物粒子100重量部に対し金属として0.01〜1200重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨用金属担持金属酸化物粒子。
  4. 前記金属酸化物粒子の形状が繊維状、鎖状、板状、サイコロ状、金平糖状、ヒマワリ状、またはクラスター状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研磨用金属担持金属酸化物粒子。
  5. 前記金属の少なくとも一部が金属酸化物粒子の外部表面に担持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の研磨用金属担持金属酸化物粒子。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の研磨用金属担持金属酸化物粒子を含んでなる研磨剤。
  7. さらに酸化剤を含むことを特徴とする請求項に記載の研磨剤。
  8. 研磨対象がSi、SiC、GaN、Al、AlN、Cu、TiN、SiNのいずれかから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項またはに記載の研磨剤。
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