JP2001047367A - 金属被覆砥粒及びその製法と、レジンボンド砥石及びその製法 - Google Patents

金属被覆砥粒及びその製法と、レジンボンド砥石及びその製法

Info

Publication number
JP2001047367A
JP2001047367A JP11226923A JP22692399A JP2001047367A JP 2001047367 A JP2001047367 A JP 2001047367A JP 11226923 A JP11226923 A JP 11226923A JP 22692399 A JP22692399 A JP 22692399A JP 2001047367 A JP2001047367 A JP 2001047367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
resin
abrasive grains
coated
coated abrasive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11226923A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Nakamura
正人 中村
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP11226923A priority Critical patent/JP2001047367A/ja
Publication of JP2001047367A publication Critical patent/JP2001047367A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 砥粒の保持強度を向上させる。 【解決手段】 超砥粒1の表面をニッケルからなる金属
被覆層11で被覆し、金属被覆層11の表面を酸化させ
て多数の微細な外部に開口した細孔12a…を有する表
面層12を形成し、細孔12a…の内面および表面層1
2の外表面にシランカップリング剤13を被覆して、金
属被覆砥粒10を構成する。樹脂結合相7中に金属被覆
砥粒10を分散配置させて、細孔12a…の内面および
表面層12の外表面と、樹脂結合相7とをシランカップ
リング剤13を介したシランカップリング反応によって
化学的に結合し、レジンボンド砥石20とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジンボンド砥石
などにおいて結合相中に分散固定されてなる金属被覆砥
粒及びその製法、そしてこの金属被覆砥粒を備えたレジ
ンボンド砥石及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばレジンボンド砥石は、フェ
ノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂の原料粉末
とダイヤモンドやCBN等の超砥粒とを混合し、単独で
或いは必要に応じて合金と共に型込めした上、プレス成
形及び焼結してレジンボンド砥粒層を形成したものであ
る。レジンボンド砥石は超砥粒を保持する樹脂結合相が
比較的軟質で強度が低いために、比較的堅い被削材に対
して研削を行った場合、超砥粒の先端が摩耗して切れ味
が低下するより早く、超砥粒を支える樹脂結合相が破
砕、摩耗または変形して超砥粒が脱落する。レジンボン
ド砥石ははげしい摩耗を生じたり砥粒の脱落により切れ
味が低下する傾向がある。そのため、樹脂結合相への超
砥粒の保持力と耐熱性を向上させるために、例えば図1
0に示すように超砥粒1の表面に銅またはニッケル等の
金属を無電解めっき等によって被覆して金属被覆層2を
形成して金属被覆砥粒3を構成した技術が採用されてい
る。このような金属被覆砥粒3を用いたレジンボンド砥
石が図11に示されており、このレジンボンド砥石4で
は台金5上に砥粒層6が装着され、この砥粒層6は熱可
塑性樹脂からなる樹脂結合相7中に金属被覆砥粒3が分
散配置されて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
レジンボンド砥石4で研削を行う場合、軽研削では金属
被覆砥粒3の脱落を抑制できるが、重研削の場合には負
荷が大きくなるために砥粒層6の表面で金属被覆砥粒3
の脱落が起こってしまい発熱も高く研削熱を十分抑えら
れなかった。本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、重研削にも耐えられるよう砥粒保持強度を向上させ
て砥粒の耐熱性を向上できるようにした金属被覆砥粒及
びその製造方法と、この金属被覆砥粒を備えたレジンボ
ンド砥石及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して係る
目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の金属
被覆砥粒は、砥粒の表面に金属被覆層が被覆されてなる
金属被覆砥粒において、この金属被覆層の表面層に外部
に開口した微細な細孔が形成されていて、前記表面層の
表面上にシランカップリング剤が配置されており、前記
表面層の原子と、前記シランカップリング剤とが結合し
ていることを特徴としている。上記構成の金属被覆砥粒
では、表面層を構成する原子と、シランカップリング剤
との間に結合状態が形成されており、この金属被覆砥粒
を例えば樹脂からなる樹脂結合相中に分散配置した場
合、従来の金属被覆砥粒に比べて表面層の細孔に樹脂が
入り込んでアンカー効果が大きくなり機械的結合力が向
上すると共に、シランカップリング剤によるシランカッ
プリング反応によって金属被覆砥粒の表面層と、樹脂結
合相との間に化学的な結合状態が形成されて一層結合力
が向上される。これによって、樹脂結合相による金属被
覆砥粒の保持力を強化することができ、砥石寿命の延命
化に資することができる。
【0005】また、請求項2記載の本発明の金属被覆砥
粒の製造方法は、砥粒の表面に金属被覆層を被覆し、こ
の金属被覆層に加熱処理を施して酸化させて外部に開口
した微細な細孔を有する表面層を形成し、この表面層の
表面上にシランカップリング剤を被覆することを特徴と
している。上記の金属被覆砥粒の製造方法では、砥粒の
表面に無電解めっき等で金属被覆層を被覆形成し、その
後で金属被覆層の表面を酸化することによって多数の外
部に開口した微細な細孔を有する表面層を形成し、金属
被覆砥粒の表面積を大きくすることができる。次に、こ
の金属被覆砥粒を例えばシランカップリング剤の水溶液
中に浸漬してシランカップリング剤を被覆するだけで、
樹脂結合相との結合強度の大きい表面層を得ることがで
きて製造が容易である。
【0006】また、請求項3記載の本発明のレジンボン
ド砥石は、上述した金属被覆砥粒が樹脂結合相中に分散
固定されてなることを特徴としている。上記構成のレジ
ンボンド砥石では、金属被覆砥粒の表面層に形成された
多数の外部に開口した微細な細孔に樹脂結合相の樹脂が
入り込んでアンカー効果が大きくなり機械的結合力が向
上すると共に、シランカップリング剤によるシランカッ
プリング反応によって金属被覆砥粒の表面層と、樹脂結
合相との間に化学的な結合状態が形成されて一層結合力
が向上される。これによって、従来の金属被覆砥粒に比
べて、樹脂結合相による金属被覆砥粒の保持力を強化す
ることができ、重研削時等に大きな負荷が金属被覆砥粒
に作用しても金属被覆砥粒の脱落がよく抑えられる。ま
た、金属被覆砥粒の表面積が大きいために研削熱に対し
て高い放熱性を有し耐熱性を向上させることができる
【0007】また、請求項4記載の本発明のレジンボン
ド砥石の製造方法は、砥粒の表面に金属被覆層を被覆
し、この金属被覆層に加熱処理を施して酸化させて外部
に開口した微細な細孔を有する表面層を形成し、この表
面層にシランカップリング剤を被覆してなる金属被覆砥
粒を樹脂結合相中に分散配置し、前記表面層と前記樹脂
結合相とをシランカップリング反応を介して化学的に結
合することを特徴としている。上記のレジンボンド砥石
の製造方法では、外部に開口した微細な細孔を有する表
面層を有する金属被覆砥粒を、例えばシランカップリン
グ剤の水溶液中に浸漬して撹拌することによって、細孔
の内面を含む表面層の全面にシランカップリング剤を被
覆することができて、シランカップリング反応による樹
脂結合相との化学的な結合状態を表面層の全面に形成す
ることができ、容易に結合力を向上することができる。
【0008】また、請求項5記載の本発明のレジンボン
ド砥石の製造方法は、砥粒の表面に金属被覆層を被覆
し、この金属被覆層に加熱処理を施して酸化させて外部
に開口した微細な細孔を有する表面層を形成してなる金
属被覆砥粒と、シランカップリング剤とを樹脂結合相中
に分散配置し、前記表面層と前記樹脂結合相とをシラン
カップリング反応を介して化学的に結合することを特徴
としている。上記のレジンボンド砥石の製造方法では、
樹脂結合相をなす樹脂中にシランカップリング剤を予め
分散配置しておいたり、シランカップリング剤と金属被
覆砥粒とをほぼ同時に樹脂結合相中に分散させるため、
金属被覆砥粒に予めシランカップリング剤を被覆してお
く必要が無く、レジンボンド砥石の製造工程を簡略化す
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て添付図面を参照しながら説明する。なお、上述した従
来技術と同一部分には同じ符号を配して説明を簡略また
は省略する。図1は本実施の形態による超砥粒の拡大断
面図であり、図2は図1で示す超砥粒を含む砥粒層が台
金に装着されたレジンボンド砥石の一部縦断面図であ
り、図3(a),(b),(c),(d)は本実施の形
態による金属被覆砥粒の製造過程を示す図であり、図4
は熱酸化処理後の金属被覆砥粒の表面を示す図であり、
図5は金属被覆砥粒の表面を示すもので、(a)本実施
の形態の図、(b)従来例の図であり、図6は実施例と
従来例による金属被覆砥粒の抗折強度を示す図であり、
図7乃至図9は実施例によるレジンボンド砥石と従来例
によるレジンボンド砥石との試験結果を示すものであ
り、図7は法線研削抵抗、図8は接線研削抵抗、図9は
研削比の各測定値をそれぞれ示す図である。図1に示す
金属被覆砥粒10はダイヤモンドやcBN等の超砥粒1
を内部に備え、その外表面には例えば1〜10μm程度
の厚みの金属被覆層11が形成されており、この金属被
覆層11は例えばニッケルまたはニッケル合金等のニッ
ケルコート層からなっている。金属被覆層11の外表面
には更にこのニッケルまたはニッケル合金等からなる金
属被覆層11の外表面を加熱処理して酸化させることで
得られる多数の微細な細孔12a…の形成された厚さ
0.01μm程度の表面層12がポーラスな酸化皮膜と
して形成されている。この細孔12aは外部に開口して
おり、細孔12aの内面および表面層12の外表面には
例えば有機ケイ素化合物からなるシランカップリング剤
13が被覆されており、表面層12を構成する原子と、
シランカップリング剤13との間に強固な結合が形成さ
れている。
【0010】図5(a)に示すように、表面層12はニ
ッケルの金属被覆層11の表面が空気中で加熱処理され
て酸化されることでその外表面に例えば深さ0.005
μm、内径0.2μm程度の微細な多数の細孔12aが
全面に形成されてなるものである。これに対して、超砥
粒1に金属被覆層2(11)としてニッケルを被覆した
だけの金属被覆砥粒3は図5(b)に示すようになり表
面が比較的滑らかである。図2は本実施の形態によるレ
ジンボンド砥石20を示すものであり、このレジンボン
ド砥石20は台金5上に砥粒層21が設けられており、
砥粒層21は、熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂例えば
フェノール樹脂或いはポリイミド樹脂等の樹脂結合相7
中に金属被覆砥粒10が分散配置されて固定されてい
る。この金属被覆砥粒10は金属被覆層11の外表面を
被覆する表面層12に多数の微細な細孔12a…が形成
されているために樹脂結合相7が細孔12a…に入り込
んだ状態で結合され、従来の金属被覆層2を備えた超砥
粒1と比較してその機械的結合強度が高くされている。
さらに、表面層12に多数の微細な細孔12a…が外部
に開口するように形成されているために樹脂結合相7と
接触する表面積が増大していると共に、細孔12aの内
面および表面層12の外表面と、樹脂結合相7とはシラ
ンカップリング剤13を介したシランカップリング反応
により化学的に結合されている。このため、金属被覆砥
粒10と樹脂結合相7の結合度が一層向上して重研削に
も耐え得る高い砥粒の保持力を備え、しかも表面層12
の表面積が大きいために研削時の金属被覆砥粒10の放
熱効果が高くなる。
【0011】次に、本実施の形態による金属被覆砥粒1
0及びこの砥粒10を用いたレジンボンド砥石20の製
造方法について説明する。まず、図3(a)で示す超砥
粒1の外表面に無電解めっきによってニッケルを被覆す
る。この場合、超砥粒1と金属被覆層としてニッケル被
覆層11Aを構成するニッケルとは重量比で例えば1:
1の割合で用いるものとし、これによって得られた図3
(b)で示す超砥粒は従来技術の金属被覆砥粒3と同様
の構成となり、これをニッケルコート砥粒10Aとす
る。次に、このニッケルコート砥粒10Aを空気中で加
熱して酸化処理する。ニッケルコート砥粒10Aを40
0〜600℃の温度、例えば500℃で2時間加熱する
と、ニッケル被覆層11Aの外表面が酸化され、図3
(c)及び図4に示すように、多数の微細な細孔12a
…が形成される。これにより、例えば従来技術の金属被
覆砥粒3に比べて、約3倍の表面積を有する金属被覆砥
粒10を得ることができる。なお、ニッケルコート砥粒
10Aの加熱温度が400℃未満であるとニッケル被覆
層11Aに細孔12aが形成されないために所望の効果
を挙げることができず、また600℃を越えると被覆金
属層(ニッケル被覆層11A)の熱酸化が過度に進むの
で好ましくない。
【0012】次に、微細な細孔12aを有する表面層1
2の形成されたニッケルコート砥粒10Aを、例えば有
機ケイ素化合物からなるシランカップリング剤13を含
む水溶液中に浸漬して例えば30分間撹拌することによ
って、図3(d)に示すように、外部に開口した細孔2
1aの内面および表面層12の外表面上をシランカップ
リング剤13の単分子層被膜によって被覆処理する。こ
れによって、細孔21aの内面および表面層12の外表
面を構成する原子と、シランカップリング剤13との間
に強固に結合が形成される。このようにしてニッケル被
覆層11Aの表面に外部に開口した多数の微細な細孔1
2aを有する表面層12が形成され、ニッケル被覆層1
1Aが金属被覆層11と表面層12とになると共に、細
孔12aの内面および表面層12の外表面上にシランカ
ップリング剤13が被覆された図1に示す金属被覆砥粒
10が形成される。次に、この金属被覆砥粒10と、熱
可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂例えばフェノール樹脂或
いはポリイミド樹脂等の原料粉末とを混合し、合金5と
共に或いは単独で型込めした上、プレス成形及び焼成し
てレジンボンド砥石20またはその砥粒層21を形成す
ることができる。
【0013】上述のように本実施の形態によれば、レジ
ンボンド砥石20の砥粒として表面層12が粗面化され
金属被覆砥粒10を樹脂結合相7中に分散混合させたこ
とで、金属被覆砥粒10の表面層12に形成された多数
の外部に開口した細孔12a…に樹脂結合相7が入り込
んで結合されるために機械的結合強度が強い。しかも表
面層12に形成された多数の細孔12a…により、樹脂
結合相7との接触面積が大きくされていると共に、細孔
12aの内面及び表面層12の外表面と、樹脂結合相7
とがシランカップリング剤13を介したシランカップリ
ング反応により化学的に結合されているため、一層樹脂
結合相7による砥粒保持力が向上されており、例えば重
研削の際に金属被覆砥粒10に大きな負荷が作用しても
樹脂結合相7からの脱落を防止してレジンボンド砥石2
0を長寿命化することができる。しかも金属被覆砥粒1
0はその表面層12の表面積が細孔12a…のために大
きいので、放熱性が高く研削時に金属被覆砥粒10に発
生する研削熱を樹脂結合相7を通して効率的に放出で
き、この点においてもレジンボンド砥石20の寿命を向
上できる。
【0014】次に、本発明の実施例による金属被覆砥粒
10及びこれを分散配置したレジンボンド砥石20と従
来例による金属被覆砥粒1及びこれを分散配置したレジ
ンボンド砥石6について研削試験を行った。実施例と従
来例はいずれも超砥粒1がダイヤモンド、金属被覆層1
1,2がニッケル、樹脂結合相7がフェノール樹脂から
なるものとし、超砥粒1の粒径を同一とし、金属被覆層
11及び表面層12の合計厚みと金属被覆層2の厚みを
同一とする実施例による金属被覆砥粒10と従来例によ
る金属被覆砥粒3との抗折強度を比較すると図6に示す
ように、本実施例では12.5kgf程度、従来例では
10.0kgf程度となり、本実施例の方が26%抗折
強度が向上した。また、本実施例によるレジンボンド砥
石20と、従来例によるレジンボンド砥石6とで研削試
験を行った。研削試験条件として、アルミナ(含有率9
0%)のワークに対して、テーブル送り速度を60mm
/minとし、切り込み深さを10mmとし、切り込み
長を100mmとし、切り込み本数を30本とし、本実
施例によるレジンボンド砥石20又は従来例によるレジ
ンボンド砥石6からなるホイールのホイール周速を15
00mm/minとした。法線研削抵抗は、図7に示す
ように、実施例によるレジンボンド砥石20では44.
9kgf程度、従来例では43.5kgf程度となり、
接線研削抵抗は、図8に示すように実施例では9.4k
gf程度となり、従来例では9.5kgf程度となっ
た。そして研削比は図9に示すように実施例では773
程度、従来例では696程度であり、約10%砥石寿命
が延びた。これらの結果から、実施例の方が金属被覆砥
粒10の抗折強度が大きくなっている。さらに、実施例
によるレジンボンド砥石20の方が研削比が向上されて
いるものの、従来例に比べて研削抵抗が大きくなり過ぎ
ることがないことから、被削材の加工品位を劣化するこ
となく、樹脂結合相7からの金属被覆砥粒10の脱落が
抑制されていることがわかる。
【0015】なお、本実施形態では、砥粒としては、ダ
イヤモンドやcBN等からなる超砥粒1のみならず、S
iCやAl23等の一般砥粒も使用可能である。また、
超砥粒1に金属被覆層11を被覆する場合、必ずしも無
電解めっきによって被覆しなくてもよく、その他の方
法、例えば電気めっきやPVDやCVD等によって被覆
形成するようにしてもよい。また、本実施形態では、微
細な細孔12aを有する表面層12の形成されたニッケ
ルコート砥粒10Aを、シランカップリング剤13を含
む水溶液中に浸漬して撹拌することによって、外部に開
口した細孔21aの内面および表面層12の外表面をシ
ランカップリング剤13によって被覆処理するとした
が、これに限定されず、ニッケルコート砥粒10Aを、
シランカップリング剤13が分散配置されたフェノール
樹脂等の原料粉末に混合してプレス成形及び焼成してレ
ジンボンド砥石20またはその砥粒層21を形成しても
よい。この場合、表面層12の形成されたニッケルコー
ト砥粒10Aにシランカップリング剤13を被覆する必
要はない。要するに、外部に開口した細孔21aの内面
および表面層12の外表面と、樹脂結合相7とが接する
部分にシランカップリング剤13が配置されていればよ
い。また、本発明の金属被覆砥粒はレジンボンド砥石以
外の砥石に採用することもできる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る金属
被覆砥粒によれば、金属被覆砥粒の表面層を構成する原
子と、シランカップリング剤との間に強固な結合が形成
されており、この金属被覆砥粒を例えば樹脂からなる樹
脂結合相中に分散配置した場合、従来の金属被覆砥粒に
比べて表面層の細孔に樹脂が入り込んでアンカー効果が
大きくなり機械的結合力が向上すると共に、シランカッ
プリング剤によるシランカップリング反応によって金属
被覆砥粒の表面層と、樹脂結合相との間に化学的な結合
状態が形成されて一層結合力が向上される。これによっ
て、樹脂結合相による金属被覆砥粒の保持力を強化する
ことができ、砥石寿命の延命化に資することができる。
【0017】さらに、本発明の金属被覆砥粒の製造方法
によれば、砥粒の表面に金属被覆層を被覆し、この金属
被覆層の表面を熱酸化させるだけで金属被覆層の表面全
体に微細な細孔を有する表面層を形成することができ、
結合相との接触面積を大きくすることができると共に、
例えばこの砥粒をシランカップリング剤水溶液中に浸漬
することによって、細孔の内面および表面層の外表面上
にシランカップリング剤を配置することができて加工が
容易である。
【0018】さらに、本発明のレジンボンド砥石によれ
ば、上述した金属被覆砥粒が樹脂結合相中に分散固定さ
れてなるから、金属被覆砥粒の表面層に形成された多数
の外部に開口した微細な細孔に樹脂結合相の樹脂が入り
込んでアンカー効果が大きくなり機械的結合力が向上す
ると共に、シランカップリング剤によるシランカップリ
ング反応によって金属被覆砥粒の表面層と、樹脂結合相
との間に化学的な結合状態が形成されて一層結合力が向
上される。これによって、従来の金属被覆砥粒に比べ
て、樹脂結合相による金属被覆砥粒の保持力を強化する
ことができ、重研削時等に大きな負荷が金属被覆砥粒に
作用しても金属被覆砥粒の脱落がよく抑えられる。ま
た、金属被覆砥粒の表面積が大きいために研削熱に対し
て高い放熱性を有し耐熱性を向上させることができる
【0019】さらに、本発明のレジンボンド砥石の製造
方法によれば、外部に開口した微細な細孔を有する表面
層を有する金属被覆砥粒に対して、細孔の内面を含む表
面層の全面にシランカップリング剤を配置することがで
きてシランカップリング反応による樹脂結合相との化学
的な結合状態を表面層の全面に形成することができ、容
易に砥粒の保持力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による金属被覆砥粒の拡
大断面図である。
【図2】 図1に示す金属被覆砥粒を備えたレジンボン
ド砥石の一部縦断面図である。
【図3】 本実施の形態による金属被覆砥粒の製造方法
を示す要部説明図である。
【図4】 熱酸化処理後の金属被覆砥粒の表面を示す図
である。
【図5】 金属被覆砥粒の表面を示すもので、(a)は
本実施の形態の図、(b)は従来例を示す図である。
【図6】 本発明の実施例と従来例による金属被覆砥粒
の抗折強度を示す図である。
【図7】 本発明の実施例と従来例によるレジンボンド
砥石の法線研削抵抗を示す図である。
【図8】 本発明の実施例と従来例によるレジンボンド
砥石の接線研削抵抗を示す図である。
【図9】 本発明の実施例と従来例によるレジンボンド
砥石の研削比を示す図である。
【図10】 従来の金属被覆砥粒の断面図である。
【図11】 図10に示す金属被覆砥粒を備えたレジン
ボンド砥石の一部断面図である。
【符号の説明】
1 超砥粒 7 樹脂結合相 10 金属被覆砥粒 11 金属被覆層 12 表面層 12a 細孔 13 シランカップリング剤 20 レジンボンド砥石 21 砥粒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 5/12 B24D 5/12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒の表面に金属被覆層が被覆されてな
    る金属被覆砥粒において、この金属被覆層の表面層に外
    部に開口した微細な細孔が形成されていて、 前記表面層の表面上にシランカップリング剤が配置され
    ており、前記表面層の原子と、前記シランカップリング
    剤とが結合していることを特徴とする金属被覆砥粒。
  2. 【請求項2】 砥粒の表面に金属被覆層を被覆し、この
    金属被覆層に加熱処理を施して酸化させて外部に開口し
    た微細な細孔を有する表面層を形成し、この表面層の表
    面上にシランカップリング剤を被覆することを特徴とす
    る金属被覆砥粒の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の前記金属被覆砥粒が樹脂
    結合相中に分散固定されてなることを特徴とするレジン
    ボンド砥石。
  4. 【請求項4】 砥粒の表面に金属被覆層を被覆し、この
    金属被覆層に加熱処理を施して酸化させて外部に開口し
    た微細な細孔を有する表面層を形成し、この表面層にシ
    ランカップリング剤を被覆してなる金属被覆砥粒を樹脂
    結合相中に分散配置し、 前記表面層と前記樹脂結合相とをシランカップリング反
    応を介して化学的に結合することを特徴とするレジンボ
    ンド砥石の製造方法。
  5. 【請求項5】 砥粒の表面に金属被覆層を被覆し、この
    金属被覆層に加熱処理を施して酸化させて外部に開口し
    た微細な細孔を有する表面層を形成してなる金属被覆砥
    粒と、シランカップリング剤とを樹脂結合相中に分散配
    置し、 前記表面層と前記樹脂結合相とをシランカップリング反
    応を介して化学的に結合することを特徴とするレジンボ
    ンド砥石の製造方法。
JP11226923A 1999-08-10 1999-08-10 金属被覆砥粒及びその製法と、レジンボンド砥石及びその製法 Withdrawn JP2001047367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11226923A JP2001047367A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 金属被覆砥粒及びその製法と、レジンボンド砥石及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11226923A JP2001047367A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 金属被覆砥粒及びその製法と、レジンボンド砥石及びその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001047367A true JP2001047367A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16852730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11226923A Withdrawn JP2001047367A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 金属被覆砥粒及びその製法と、レジンボンド砥石及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001047367A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003084717A1 (en) * 2002-04-11 2003-10-16 Showa Denko, K. K. Metal-coated abrasives, grinding wheel using metal-coated abrasives and method of producing metal-coated abrasives
JP2005144653A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Fuji Dies Kk レジンボンドダイヤモンド砥石
KR100599349B1 (ko) * 2002-04-11 2006-07-12 쇼와 덴코 가부시키가이샤 금속 피복 연삭재, 금속 피복 연삭재를 이용한 연삭 휠,및 금속 피복 연삭재의 제조 방법
JP2011218492A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Noritake Co Ltd ワイヤー工具
CN104114665A (zh) * 2011-12-30 2014-10-22 圣戈本陶瓷及塑料股份有限公司 具有金属涂层的包含超级研磨材料的研磨微粒材料
JP2015193486A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 日揮触媒化成株式会社 研磨用金属担持金属酸化物粒子および研磨剤
CN109676540A (zh) * 2019-01-27 2019-04-26 西南交通大学 用于铁路钢轨修磨的铜基结合剂锆刚玉砂轮及其制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003084717A1 (en) * 2002-04-11 2003-10-16 Showa Denko, K. K. Metal-coated abrasives, grinding wheel using metal-coated abrasives and method of producing metal-coated abrasives
KR100599349B1 (ko) * 2002-04-11 2006-07-12 쇼와 덴코 가부시키가이샤 금속 피복 연삭재, 금속 피복 연삭재를 이용한 연삭 휠,및 금속 피복 연삭재의 제조 방법
JP2005144653A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Fuji Dies Kk レジンボンドダイヤモンド砥石
JP2011218492A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Noritake Co Ltd ワイヤー工具
CN104114665A (zh) * 2011-12-30 2014-10-22 圣戈本陶瓷及塑料股份有限公司 具有金属涂层的包含超级研磨材料的研磨微粒材料
JP2015503460A (ja) * 2011-12-30 2015-02-02 サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド 金属コーティングを有する超研磨材を含む粒状研磨材
JP2015193486A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 日揮触媒化成株式会社 研磨用金属担持金属酸化物粒子および研磨剤
CN109676540A (zh) * 2019-01-27 2019-04-26 西南交通大学 用于铁路钢轨修磨的铜基结合剂锆刚玉砂轮及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100623900B1 (ko) 다공성 연마 공구 및 그 제조 방법
EP1459847A2 (en) Corrosion resistant abrasive article and method of making
JP2001047367A (ja) 金属被覆砥粒及びその製法と、レジンボンド砥石及びその製法
KR100407227B1 (ko) 복합본드숫돌 및 수지결합상을 보유하는 숫돌
JP3791254B2 (ja) 複合ボンド砥石
JPH0215977A (ja) ダイヤモンド砥石とその製造方法
JP2000141230A (ja) メタルボンド砥石およびその製造方法
JP5841438B2 (ja) 切断用ブレード
JP5841437B2 (ja) 切断用ブレード及びその製造方法
JP2006082187A (ja) 薄刃砥石
JP3119098B2 (ja) ダイヤモンド砥粒、砥石及びそれらの製造方法
JPH03264263A (ja) 多孔質メタルボンド砥石およびその製造方法
JP2987485B2 (ja) 超砥粒砥石及びその製造方法
JPS6334069A (ja) 砥石
KR100599349B1 (ko) 금속 피복 연삭재, 금속 피복 연삭재를 이용한 연삭 휠,및 금속 피복 연삭재의 제조 방법
JP2007054905A (ja) ビトリファイドダイヤモンドホイール
JPS6339381B2 (ja)
JPS6334073A (ja) メタルボンド砥石
JP2000334663A (ja) 金属被覆砥粒及びその製法とレジンボンド砥石
JP2005144653A (ja) レジンボンドダイヤモンド砥石
JP2001047366A (ja) 金属被覆砥粒及びその製法とレジンボンド砥石
JP7430382B2 (ja) 有気孔砥石、及びその製造方法
JP2006255821A (ja) 砥石製造方法
JP5651045B2 (ja) 切断用ブレード
JPH0457473B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061107