JP6284591B2 - 防水扉の止水構造 - Google Patents
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Description
この種の防水扉装置は、平常時に出入口の床面や路面等の通路面下に収納しておき、大雨や洪水が発生した時に防水扉を起立させ、出入口を塞ぐようにした起上式のものがある。
防水扉の起立回動操作を駆動源にて自動操作する自動タイプと、人が起立回動させる手動タイプの2種類がある。
出入口の間口幅が広くなると防水扉が大きく、重量も重くなり、人が起立回動させるのが大変である。
また、電動による自動タイプにあっては、停電が発生するとハンドル操作等にて起立動作をさせなければならない。
そこで複数の扉に分割し、個々の扉を人力で起立させ、それらの扉間を別の閉塞手段で塞ぐ構造が提案されている。
扉は収納時にパネル状の表面となり、起立状態ではパネル表面の基部側となる下部の側面(パネル表面の基部側)から底部側に亘って下部止水部材を配設するにあたって、下部止水部材を両側の扉の側面から下面に亘って接するように断面略L字形状にした点に特徴がある。
なお、下部止水部材の扉の下部の側面に位置する部分は、扉のパネル部の下部を止水するベルト状のシール材の間に納まり連装される。
この浮き上がり境界部には断面三角形状の小さなへこみ部が生じ、この部分から漏水するのを抑えるのが防水の信頼性向上につながる。
そこで本発明は、前記隣接する扉の両側の底部で前記下部止水部材を押圧した際に生ずる浮き上がり境界部を前記連装部材の止水突部が押圧するようにするのが好ましい。
この場合に本発明において、連装部材が着脱式なので扉の起立順序に制限がなく、どの扉からでも複数の人員で起立作業が可能であり、作業時間を短縮できる。
図1は、本発明に係る連装構造を適用した防水扉の構造例を示す。
通常は、扉10,扉20を収納部1に倒し込み、水平状態に収納してある。
なお、扉の数は出入口の間口の広さに合せて設定され、その数に制限はない。
図1では、収納部1の前壁1a側から後壁1b側に向けて雨水等が流れ込むことになる。
人が扉を起立方向に回動させる際に、コイルバネ等からなる弾性復元装置2にて回動アーム3が扉を起立方向に押圧し、扉の起立をアシストする。
扉が起立方向に回動する際に、下端側が後壁1bの内側に干渉しないように、扉を手前にスライドさせて起立させ、最後には扉の下部を後壁1bの内側に取り付けたベルト状のシール部材(弾性パッキン)に向けて押圧するようにスライドさせる、スライド支持カム装置5を有する。
後壁1bの内側に横方向に取り付けてある弾性パッキン1cを図6では2点鎖線で示してある。
扉の起立させた状態を維持するのにリンク状のアームからなる起立保持装置4を設けてある。
その状態の正面図を図3に示す。
扉を起立させると、両側の扉10,20の下端コーナー部は、図4に示すように下部止水部材40に設けた断面L字形状のパッキン45を押圧し、次に連装部材30を両扉の間に取り付けると、図5に示すように連装部材30の下端部に設けた止水突部36がパッキン45の底部止水部45aを押圧する。
その位置関係を図6に示す。
隣接する扉10,20の下部コーナー部間に亘って、下部止水部材40を配置してある。
扉10,20は、パネル部10a,20aと、フレーム部10b,20bとからなり、フレーム部に沿って上側にカンヌキ13の受け部11,21を有し、下側に後述する連装部材30に設けた差込みピン33をガイドするガイド部12,22を有する。
カンヌキ13は、端部を一方の扉に回動自在に軸支部13aにて軸着してあり、つまみ13bを持って、他方に扉側に回動すると、図2(b)に示すようにカンヌキ13が連装部材30の上側に設けた受け部32に嵌まり込み、連装部材30の上端側が手前に倒れ込むのを防止している。
取手35の上側には、受け部32を有し、下側に支持部34を介して差込みピン33を固定してある。
連装部材30の下端部は、下部止水部材40のパッキン45を上側から押圧する突辺状の止水突部36を有する。
その構造例を図8に示す。
ベースプレート41に、パッキン45を装着するケース体42をボルト42fにて固定してある。
ケース体42の両側には、固定プレート43,44の固定部42dをアーム状に設けある。
ケース体42は、パッキン45の載置面42aの両側に立接した側壁42cと、パッキン45のストッパーとなる前壁42bを有するケース体42に、断面略L字形状のパッキン45を収容する。
固定部42dに対して、後端側を軸部43a,44aにて回動自在に軸着し、先端側に膨らみ部43c,44cを形成した固定プレート43,44を取り付けてある。
ケース体42にパッキン45を収容し、固定プレート43,44の膨らみ部43c,44cでパッキン45を前壁42b側に押圧した状態で、この固定プレート43,44の取付孔43b,44bを介して、ボルト46を用いて固定部42dに設けためねじ部42eに螺着する。
これにより、下部止水部材40を収納部1から取り外し、パッキン45を取り替えることができる。
パッキン45は、両側の扉コーナー側下面が押圧する底部止水部45aと、これから断面R形状のコーナー止水部45dを介して立ち上げた下部側面止水部45bを形成してある。
この下部側面止水部45bの扉側(前方)の押圧部45cは図6に示す弾性パッキン1cのシール部と同じ高さに位置する平面状になっている。
下部止水部材40に取り付けたパッキン45は、図6に示すように両側の扉の下部に横方向に取り付けたベルト状のシール部材(弾性パッキン)1c,1cの間に下部側面止水部45bが両側から圧縮された状態で配置されている。
この状態で扉を起立させると、図4(e)の状態から(d)の状態になるように、扉10,20の下面のコーナー側がパッキン45の底部止水部45aを上側から下方向に向けて押圧しつつ、扉のスライドによりパネル20a(10a)の下部側の側面でパッキンの押圧部45cを押圧するとともに、断面R形状の凹状に形成したコーナー止水部45dをパネルのコーナー部で押圧する。
この状態では、図7(b)に示すようにパッキンの底部止水部45aに押圧されない部分が浮き上がる凸部aと境界部bに断面小さな三角形状の隙間が出現する場合がある。
そこで、図5に示すように連装部材30を取り付けることで、両側の扉の間を閉塞するとともに、この境界部bを止水する。
連装部材30の差込みピン33を扉側のガイド部12,22に差し込む。
図5は、扉20を代表に示してある。
ガイド部22は、傾斜部22aと、収容凹部22bとを有し、連装部材30をガイド部22に沿って押込むと、差込みピン33がガイド部22の傾斜部22aに沿って下方に移動しながら扉側に引き寄せられ、収容凹部22bに差込みピン33が納まる際にはコツンと音がし、差込み完了を確認することができる。
この動きにより、連装部材30の下端側に設けた止水突部36が図7(c),(d)に示すように、境界部bを止水する。
この状態では、図5(c)に示すように連装部材30は、上部が前方に傾いた状態になるので、カンヌキ13を図2(b)の状態に廻して連装部材30を起立させ、シール部材37にて扉の間を閉塞する。
1a 前壁
1b 後壁
2 弾性復元装置
3 回動アーム
4 起立保持装置
5 スライド支持カム装置
10 扉
10a パネル部
10b フレーム部
11 受け部
12 ガイド部
13 カンヌキ
13b つまみ
20 扉
20a パネル部
20b フレーム部
21 受け部
30 連装部材
31 ベース部材
32 受け部
33 差込みピン
34 支持部
35 取手
36 止水突部
37 シール部材
40 下部止水部材
41 ベースプレート
42 ケース体
43 固定プレート
44 固定プレート
45 パッキン
45a 底部止水部
45b 下部側面止水部
45c 押圧部
45d コーナー止水部
Claims (3)
- 防水扉における隣接する扉間の起立状態における止水構造であって、
隣接する扉の両側の下部に亘って配設した下部止水部材と、隣接する扉の両側の間を閉塞する連装部材とを有し、
前記下部止水部材は前記両側の扉の側面から下面に亘って配設した断面略L字形状であり、
前記連装部材は下端側に止水突部を有し、前記止水突部が前記下部止水部材に押圧接触していることを特徴とする防水扉の止水構造。 - 前記隣接する扉の両側の底部で前記下部止水部材を押圧した際に生ずる浮き上がり境界部を前記連装部材の止水突部が押圧することを特徴とする請求項1記載の防水扉の止水構造。
- 前記下部止水部材は、取り替え可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の防水扉の止水構造。
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