JP6283788B2 - Ipmモータのロータ構造、ロータおよびipmモータ - Google Patents

Ipmモータのロータ構造、ロータおよびipmモータ Download PDF

Info

Publication number
JP6283788B2
JP6283788B2 JP2013085319A JP2013085319A JP6283788B2 JP 6283788 B2 JP6283788 B2 JP 6283788B2 JP 2013085319 A JP2013085319 A JP 2013085319A JP 2013085319 A JP2013085319 A JP 2013085319A JP 6283788 B2 JP6283788 B2 JP 6283788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
ipm motor
rotor structure
pole
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013085319A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014207830A (ja
Inventor
西田 茂
茂 西田
純 金田一
純 金田一
啓太 坂
啓太 坂
泰司 志村
泰司 志村
和司 細沢
和司 細沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamagawa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Tamagawa Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamagawa Seiki Co Ltd filed Critical Tamagawa Seiki Co Ltd
Priority to JP2013085319A priority Critical patent/JP6283788B2/ja
Publication of JP2014207830A publication Critical patent/JP2014207830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6283788B2 publication Critical patent/JP6283788B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明はIPMモータのロータ構造、ロータおよびIPMモータに係り、特に、コストアップすることなくコギングトルクを解消することのできる、IPMモータのロータ構造、ロータおよびIPMモータに関するものである。
従来、モータにおけるロータの磁石配置方法には、セグメント磁石をロータ表面に貼り付けることで構成したり、あるいはリング磁石を用いることで構成する、いわゆるSPM(Surfacial Permanent Magnet)構造による場合と、磁石をロータ内に埋め込むことで構成する、いわゆるIPM(Internal Permanent Magnet)構造による場合とがある。
従来のモータにおけるロータの磁石配置構成方法としては、瓦状に形成したセグメント磁石をロータ表面に貼り付ける方法、および、リング磁石を用いこれをロータ表面に取り付ける方法がある。しかし前者の方法では、それぞれの材料であるセラミックス等と金属の熱膨張率の違いにより、セグメント磁石の割れや剥がれが生じて特性が低下し、さらにこれが飛散することによってモータが故障する場合がある。
そこで、セグメント磁石飛散防止のために、ガラスバンドやガラス線等による緊縛固定が必要となる。この措置を行うことで、たとえセグメント磁石の割れや剥がれが生じた場合でも、その飛散やそれによる故障の発生を低減することができる。しかし、かかる固定措置によってエアギャップが広くなってしまい(ギャップ損)、結局、性能低下を招くことになる。もとより割れや剥がれによる特性低下は免れない。
一方、リング磁石を用いる後者の方法では、セグメント磁石を用いる場合のような割れや剥がれ、飛散が生じることもなく、飛散防止にガラスバンド等を別途用いることもなく、したがってギャップ損による性能低下を招くこともない。しかしながら、リング磁石をロータに取り付けるには特殊な工程が必要であり、高コストとなる。なお、磁石をロータの中に埋め込む形態で配置させるIPM構造としては、ハルバッハ配列による磁石配置が用いられており、後掲特許文献はそれに関するものである。
特開2012−50179号公報「ハルバッハ配列磁石、その製造方法、及びハルバッハ配列磁石を備えた回転電機」
さて上述のように、SPM構造のモータとしてリング磁石やセグメント磁石を用いる構成では、充分な磁気特性を備えた磁石配置のモータを低コストで実現することは困難である。そこで本願発明者は、磁石の割れ・剥がれ・飛散・それによる故障発生の生じることがなく、低コストで高い磁気特性を備えたモータを実現するために、IPM構造のモータ(IPMモータ)における磁石配置構成について鋭意研究を進めた。すなわち磁石をIPM構造とし、ハルバッハ配列による磁石配置も参考にしつつも高い磁束収束効果を高めることを主眼とした配置方法を研究した。その結果、低コストで性能(磁気特性)をリング磁石以上に高められる方法を発明し、これについて既に特許出願した(特願2013−017943)。
当該出願に係る発明(以下、既願発明)は次のとおりである。
〔既願発明〕
〔1〕 モータのロータにおける磁石配置構造であって、該モータはIPM(Internal Permanent Magnet)モータであり、該磁石配置構造は、複数の片状の磁石(以下、「セグメント磁石」という。)により囲繞形態に形成される極が連続配置されて構成されており、かかる構成により該極からの磁束の漏れが軽減されることを特徴とする、モータの磁石配置構造。
〔2〕 前記極は、一の底部とその両端部に設けられた二の壁部とからなることを特徴とする、〔1〕に記載のモータの磁石配置構造。
〔3〕 前記極の空隙部に磁束が収束するように各セグメント磁石が配置されていることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載のモータの磁石配置構造。
〔4〕 前記壁部は隣接する二の前記極の間で共用されていることを特徴とする、〔2〕または〔3〕に記載のモータの磁石配置構造。
〔5〕 前記極は三片のセグメント磁石により構成されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載のモータの磁石配置構造。
〔6〕 前記磁石配置構造は、前記底部を構成するセグメント磁石による環状磁石部と、前記壁部を構成するセグメント磁石による放射状磁石部とからなっていることを特徴とする、〔2〕ないし〔5〕のいずれかに記載のモータの磁石配置構造。
〔7〕 前記環状磁石部を構成する各セグメント磁石はロータの径方向に着磁されており、前記放射状磁石部を構成する各セグメント磁石はロータの周方向に着磁されていることを特徴とする、〔6〕に記載のモータの磁石配置構造。
〔8〕 前記セグメント磁石の形状は、直方体、立方体またはかまぼこ形のいずれかであることを特徴とする、〔1〕ないし〔7〕のいずれかに記載のモータの磁石配置構造。
〔9〕 前記セグメント磁石には同一仕様の磁石が用いられることを特徴とする、〔1〕ないし〔8〕のいずれかに記載のモータの磁石配置構造。
〔10〕 前記同一仕様の磁石の形状は立方体であることを特徴とする、〔9〕に記載のモータの磁石配置構造。
〔11〕 〔1〕ないし〔10〕のいずれかに記載の磁石配置構造を備えていることを特徴とする、モータのロータ。
〔12〕 〔11〕に記載のロータを備えていることを特徴とする、IPMモータ。
図8〜11は、既願発明を説明する図であり、 図8はモータの磁石配置構造を備えたモータの構成例を示す断面図、図9は図8に係るモータの磁石配置構造を示す断面図、図10は図9の磁石配置構造における作用を示す説明図、そして図11は磁石配置構造の着磁構成例を示す断面図である。なお、各図では10極モータの例を示しているが、これは一例であり、既願発明はモータの極数には限定されない。これは、後述する本願発明でも同様である。
(なお、IPMモータにおける磁石配置に関するものとして検索された特許文献1は、ハルバッハ配列を参考にしつつも独自の配列構成を提示した既願発明とは相違するものである)
かかる既願発明によって、磁石の割れ・剥がれ・飛散およびそれによる故障発生の生じることがなく、低コストで、リング磁石を用いたもの以上の高い磁気特性を備えたIPMモータを得ることができ、しかもモータのコスト低減および小型軽量化も可能となり、さらに磁石使用量の削減効果も十分に期待でき、従来技術の問題点を解決することができた。
しかし、既願発明にかかるIPMモータにはコギングトルク(非励磁状態でロータを動かした際に発生する磁気吸引力の変化がウネリとなって現れる現象)が発生するという問題が残されていた。コギングトルクは制御を行う上での外乱となり、またトルクリップル(電流中に含まれている脈動の成分)の原因ともなるものであるため、極力小さくする必要があり、性能改善が求められていた。
かかるコギングトルク改善策としては従来、ロータまたはステータにおけるスキューがある。スキューは、コギングトルクやトルクリップルを解消・軽減するために、コアもしくは着磁を軸方向に対して斜めになるように配置することである。つまり、磁気回路を軸方向に斜めになるよう配置することで、急激な磁束の変化を抑制し、コギングトルクやトルクリップルを抑制するというものである。しかしスキューの採用は、トルク定数が犠牲となる、軸方向への推力が発生する、さらに製造コストアップにつながるという問題がある。
そこで本発明が解決しようとする課題は、出願人による既願発明においてなお存在していた上記問題点をなくし、コストアップすることなくコギングトルクやトルクリップルを大幅に軽減することのできる、IPMモータのロータ構造、ロータおよびIPMモータを提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、IPMモータのロータ形状を、極ごとに外方に膨らんだ円弧状、いわばかまぼこ形を備えたものとし、かつ各かまぼこ形における最外点の位置を円弧の中心からずらすという特殊な構造とすることにより、課題を解決できることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。いわばこれは、cPS(cogging Phase Shift)と称すべき発明である。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
<1> IPM(Internal Permanent Magnet)モータのロータ構造であって、ロータにおける磁石配置構造は複数の片状の磁石(以下、「セグメント磁石」ともいう。)により囲繞形態に形成される極が連続配置されて構成されており、該極は一の底部とその両端部に設けられた二の壁部とからなり、かつ、該ロータの断面形状中における全ての二の該壁部間の外縁が、軸心を中心とし該外縁の最外点を通る円よりも曲率の大きい円弧により形成されており、かかる構成により、該極からの磁束の漏れが軽減されるとともに、コギングトルクが軽減され、また、該外縁をなす円弧の最外点が該円弧の中心からずれをもつよう形成されており、該ずれの角度は、該極数とステータのスロット数の最小公倍数をGとするとき、(90/G)°を中心として、(30/G)°以上(150/G)°以下のいずれの角度でもよいことを特徴とする、IPMモータのロータ構造。
<2> IPMモータのロータ構造であって、ロータにおける磁石配置構造は複数の片状の磁石(セグメント磁石)により囲繞形態に形成される極が連続配置されて構成されており、該極は一の底部とその両端部に設けられた二の壁部とからなり、かつ、該ロータの断面形状中における全ての二の該壁部間の外縁が、軸心を中心とし該外縁両端を通る円よりも外方に膨らみを有した形状(以下、「かまぼこ形」という。)にて形成されており、かかる構成により、該極からの磁束の漏れが軽減されるとともに、コギングトルクが軽減され、また、該外縁をなす円弧の最外点が該円弧の中心からずれをもつよう形成されており、該ずれの角度は、該極数とステータのスロット数の最小公倍数をGとするとき、(90/G)°を中心として、(30/G)°以上(150/G)°以下のいずれの角度でもよいことを特徴とする、IPMモータのロータ構造。
<3> 前記ずれの方向が正と逆の二種類あることを特徴とする、<1>または<2>に記載のIPMモータのロータ構造。
> 前記正の方向のずれ(以下、「正のずれ」という。)と逆の方向のずれ(以下、「逆のずれ」という。)は同数存在することを特徴とする、<>に記載のIPMモータのロータ構造。
> 前記正のずれのある前記極が連続して形成されている一方領域と、前記逆のずれのある該極が連続して形成されている他方領域との二の領域によって形成されていることを特徴とする、<>または<>に記載のIPMモータのロータ構造。
> 前記極の空隙部に磁束が収束するように各セグメント磁石が配置されていることを特徴とする、<1>ないし<>のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
> 前記壁部は隣接する二の前記極の間で共用されていることを特徴とする、<1>ないし<>のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
> 前記極は三片のセグメント磁石により構成されていることを特徴とする、<1>ないし<>のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
> 前記底部を構成する各セグメント磁石はロータの径方向に着磁されており、前記壁部を構成する各セグメント磁石はロータの周方向に着磁されていることを特徴とする、<1>ないし<>のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
10> 前記セグメント磁石の形状は、直方体、立方体またはかまぼこ形のいずれかであることを特徴とする、<1>ないし<>のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
11> 前記セグメント磁石には同一仕様の磁石が用いられることを特徴とする、<1>ないし<10>のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
12> 前記同一仕様の磁石の形状は立方体であることを特徴とする、<11>に記載のモータのIPMモータのロータ構造。
13> <1>ないし<12>のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造を備えていることを特徴とする、モータのロータ。
14> <13>に記載のロータを備えていることを特徴とする、IPMモータ。
本発明のモータの磁石配置構造、ロータおよびIPMモータは上述のように構成されるため、これによれば、コストアップすることなくコギングトルクやトルクリップルを大幅に軽減することができる。
本発明のIPMモータのロータ構造の基本構成を示す断面図である。 図1に係るロータ構造の要部拡大図である。 図2の要部拡大図である。 10極モータにおける本発明のIPMモータのロータ構造例を示す断面図である。 正逆のずれを同数有する本発明のIPMモータのロータ構造の構成例を示す断面図である。 正逆のずれを同数有する本発明のIPMモータのロータ構造の別の構成例を示す断面図である。 正逆のずれを同数有する本発明のIPMモータのロータ構造のまた別の構成例を示す断面図である。 既願発明のモータの磁石配置構造を備えたモータの構成例を示す断面図である。 図8に係るモータの磁石配置構造を示す断面図である。 図8の磁石配置構造における作用を示す説明図である。 図9等に示した磁石配置構造の着磁構成例を示す断面図である。
以下、図面により本発明(cPS;cogging Phase Shift)を詳細に説明する。
図1は、本発明のIPMモータのロータ構造の基本構成を示す断面図である。また、図2は図1に係るロータ構造の要部拡大図、図3は図2の要部拡大図である。これらに図示するように本発明のIPMモータのロータ構造50は、ロータRにおける磁石配置構造が複数の片状の磁石(セグメント磁石)52、53により囲繞形態に形成される極59が連続配置されて構成されており、各極59は一の底部592とその両端部に設けられた二の壁部593、593とからなり、かつ、ロータRの断面形状中における全ての二の壁部593−593間の外縁58が、軸心Oを中心とし外縁58の最外点581を通る円の円弧589よりも曲率の大きい円の円弧弧583により形成されていることを、主たる構成とする。
かかる構成により本ロータ構造50を備えたIPMモータにおいては、極59からの磁束の漏れが軽減されるとともに、コギングトルクが大幅に軽減され、かつトルクリップルも大幅に軽減される。しかもかかる作用効果を、従来一般的な技術であるスキューを採用する場合と比べて、コストアップすることなく得ることができる。
なお、本発明ロータ構造50の特徴であるところのロータ外縁58の形態は、かつ、該ロータRの断面形状中における全ての二の壁部593−593間の外軸心Oを中心として外縁58両端を通る円の円弧583よりも外方に膨らみを有した形状(かまぼこ形)によって形成されている、と認識することもできる。つまり、従来技術および上記既願発明においては、各ロータ外縁の形態は、単一の円周上にある円弧であるところ、本願発明においては、より外方に膨らみを有したかまぼこ形である。
各図に示すように本発明ロータ構造50においては、さらに、外縁58をなす円弧の最外点581が、円弧の長さの中心582から一定のずれ584をもって形成されていることを、特徴的構成とする。最外点を中心と一致させた形態(最もストレートな最外点の位置を備えた形態)とした場合には、最大のトルクを得ることができるものの、磁気特性がなまる、すなわち精度低下の生じるきらいがある。しかし本発明のように、ずれ584をもたせた形態とすることによって、かかる磁気特性のなまりを解消し、かつコギングトルクおよびトルクリップルの大幅な軽減を実現することができる。
ずれ584の角度は、図示するようにごくわずかなものでよい。たとえばこのずれ584の角度は、次のようにして決めることができる。すなわち;
極数とステータのスロット数の最小公倍数をGとするとき、
{(90/G)−(60/G)}°以上(90/G)+(60/G)}°以下
すなわち、(30/G)°以上(150/G)°以下 ・・・<式1>
の範囲内の角度とする。
極数:m スロット数:n mとnの最小公倍数:G とするとき、Gはすなわち磁気特性を示すサインカーブにおける周期数であり、
360/G により一周期の角度が求められ、さらに、
(360/G)/4 すなわち 90/G により 1/4周期の角度が得られる。上記式は、これに基づいて求められたものである。
たとえば、極数10、スロット数12のとき、G=60 であるから、90/G=1.5° である。したがってこの場合のずれの角度範囲は、1.5°を中心として、0.5°以上2.5°以下、となる。
同様に、極数8、スロット数12のときは、G=24 であるから、90/G=3.75° である。したがってこの場合のずれの角度範囲は、3.75°を中心として、1.25°以上6.25°以下、となる。
また、極数8、スロット数9のときは、G=72 であるから、90/G=1.25° である。したがってこの場合のずれの角度範囲は、1.25°を中心として、0.41°以上2.09°以下、となる。
また、極数4、スロット数6のときは、G=12 であるから、90/G=7.5° である。したがってこの場合のずれの角度範囲は、7.5°を中心として、2.5°以上12.5°以下、となる。
なお、本式によりずれの角度を設定する場合、角度範囲中、(90/G)°とすることが、本発明の効果を最大に得ることができる。
また、ずれ584の角度は、次のようにして決めてもよい。すなわち;
極数とステータのスロット数の最小公倍数をGとするとき、
{(90/G)−1}°以上{(90/G)+1}°以下 ・・・<式2>
の範囲内の角度とする。つまり、(90/G)°±1° の範囲内である。なお、本式も、極数:m スロット数:n mとnの最小公倍数:G としたときのGに基づいて求められたものである。
たとえば、極数10、スロット数12のとき、90/G=1.5° である。したがってこの場合のずれの角度(90/±1)°は、(1.5±1)°となる。
同様に、極数8、スロット数12のときは、(3.75±1)°となり、極数8、スロット数9のときは、(1.25±1)°となる。また、極数4、スロット数6のときは、(7.5±1)°となる。
なお、本式によりずれの角度を設定する場合、角度範囲中、(90/G)°とすることが、本発明の効果を最大に得られることは、式1による場合と同様である。
図4は、10極モータにおける本発明のIPMモータのロータ構造例を示す断面図である。ここでは、ずれを全て1.5°としている。10極―12スロットのパターンにおいては、1.5°が最適である。なお、図4以外の各図においても10極モータの例を示しているが、これらは一例であり、本発明がモータの極数等に限定されないことはいうまでもない。
本発明ロータ構造50においてはさらに、ずれ584の方向として正と逆の二種類を設けるものとすることができる。つまり、各外縁58における円弧の中心582に対する最外点581のずれ584の方向として、一方方向のものと、その逆方向のもの、その二種類を設けることができる。かかる構成により、本発明の効果をより十分に得ることができる。これに加えて、正の方向のずれ(正のずれ)と逆の方向のずれ(逆のずれ)を、同数設けるものとすることもできる。
図5は、正逆のずれを同数有する本発明のIPMモータのロータ構造の構成例を示す断面図である。図示するように本ロータ構造60は、正のずれのある極が複数連続して形成されている一方領域と、逆のずれのある極が複数連続して形成されている他方領域との二の領域によって形成された構成とすることができる。本図の例では、最上部に示した極から連続して5つの極において、ずれ684は右方向に形成されており、その他の5つの極におけるずれ684は左方向に形成された構成である。
図6、7はそれぞれ、正逆のずれを同数有する本発明のIPMモータのロータ構造の別の構成例を示す断面図である。図6に示した例は、最上部に示した極から順に、右、左、右、左、・・・・と、ずれ784の方向が1極ごとに異なる構成とした例である。また図7に示した例は、ずれ884の方向を、右、右、右、左、左、右、右、左、左、左と構成した例である。
なお、本願発明IPMモータのロータ構造においても上記既願発明と同様に、下記の各特徴的構成の一または適宜の複数を備えたものとすることができる。
・極の空隙部に磁束が収束するように各セグメント磁石が配置される構成。
・壁部は隣接する二の極の間で共用される構成。
・極は三片のセグメント磁石によりなる構成。
・底部を構成する各セグメント磁石はロータの径方向に着磁されており、前記壁部を構成する各セグメント磁石はロータの周方向に着磁されている構成。
・セグメント磁石の形状は、直方体、立方体またはかまぼこ形のいずれかである構成。
・セグメント磁石には同一仕様の磁石が用いられる構成。
・当該同一仕様の磁石の形状は立方体である構成。
また、以上説明したいずれかに記載のIPMモータのロータ構造を備えているロータや、当該ロータを備えているIPMモータ自体もまた、本発明の範囲内である。
本発明のモータの磁石配置構造、ロータおよびIPMモータ(cPS;cogging Phase Shift)によれば、コストアップすることなくコギングトルクやトルクリップルを大幅に軽減することができる。したがってモータを用いる全分野において、産業上利用性が高い発明である。
2、3、32、33…セグメント磁石
8…ロータの外縁
9…極
92…底部
93…壁部
10、310…磁石配置構造
34…環状磁石部
35…放射状磁石部
B…磁束
O…軸心
R、3R…ロータ
S…ステータ
V…空隙部
50、60、70、80…IPMモータのロータ構造
52、53、62、63、72、73、82、83…セグメント磁石
57…セグメント磁石を被覆する部位
58、68、78、88…外縁
581、681、781、881…外縁の最外点
582、682、782、882…外縁をなす円弧の中心
583…外縁の最外点を通る円よりも曲率の大きい円弧(軸心Oを中心とし外縁両端を通る円の円弧)
584、684、784、884…ずれ
589…外縁の最外点を通る円の円弧
59…極
592…底部
593…壁部
O…軸心
R…ロータ

Claims (14)

  1. IPM(Internal Permanent Magnet)モータのロータ構造であって、ロータにおける磁石配置構造は複数の片状の磁石(以下、「セグメント磁石」ともいう。)により囲繞形態に形成される極が連続配置されて構成されており、該極は一の底部とその両端部に設けられた二の壁部とからなり、かつ、該ロータの断面形状中における全ての二の該壁部間の外縁が、軸心を中心とし該外縁の最外点を通る円よりも曲率の大きい円弧により形成されており、かかる構成により、該極からの磁束の漏れが軽減されるとともに、コギングトルクが軽減され、また、該外縁をなす円弧の最外点が該円弧の中心からずれをもつよう形成されており、該ずれの角度は、該極数とステータのスロット数の最小公倍数をGとするとき、(90/G)°を中心として、(30/G)°以上(150/G)°以下のいずれの角度でもよいことを特徴とする、IPMモータのロータ構造。
  2. IPMモータのロータ構造であって、ロータにおける磁石配置構造は複数の片状の磁石(セグメント磁石)により囲繞形態に形成される極が連続配置されて構成されており、該極は一の底部とその両端部に設けられた二の壁部とからなり、かつ、該ロータの断面形状中における全ての二の該壁部間の外縁が、軸心を中心とし該外縁両端を通る円よりも外方に膨らみを有した形状(以下、「かまぼこ形」という。)にて形成されており、かかる構成により、該極からの磁束の漏れが軽減されるとともに、コギングトルクが軽減され、また、該外縁をなす円弧の最外点が該円弧の中心からずれをもつよう形成されており、該ずれの角度は、該極数とステータのスロット数の最小公倍数をGとするとき、(90/G)°を中心として、(30/G)°以上(150/G)°以下のいずれの角度でもよいことを特徴とする、IPMモータのロータ構造。
  3. 前記ずれの方向が正と逆の二種類あることを特徴とする、請求項1または2に記載のIPMモータのロータ構造。
  4. 前記正の方向のずれ(以下、「正のずれ」という。)と逆の方向のずれ(以下、「逆のずれ」という。)は同数存在することを特徴とする、請求項に記載のIPMモータのロータ構造。
  5. 前記正のずれのある前記極が連続して形成されている一方領域と、前記逆のずれのある該極が連続して形成されている他方領域との二の領域によって形成されていることを特徴とする、請求項またはに記載のIPMモータのロータ構造。
  6. 前記極の空隙部に磁束が収束するように各セグメント磁石が配置されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
  7. 前記壁部は隣接する二の前記極の間で共用されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
  8. 前記極は三片のセグメント磁石により構成されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
  9. 前記底部を構成する各セグメント磁石はロータの径方向に着磁されており、前記壁部を構成する各セグメント磁石はロータの周方向に着磁されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかにに記載のIPMモータのロータ構造。
  10. 前記セグメント磁石の形状は、直方体、立方体またはかまぼこ形のいずれかであることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
  11. 前記セグメント磁石には同一仕様の磁石が用いられることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造。
  12. 前記同一仕様の磁石の形状は立方体であることを特徴とする、請求項11に記載のモータのIPMモータのロータ構造。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載のIPMモータのロータ構造を備えていることを特徴とする、モータのロータ。
  14. 請求項13に記載のロータを備えていることを特徴とする、IPMモータ。
JP2013085319A 2013-04-15 2013-04-15 Ipmモータのロータ構造、ロータおよびipmモータ Active JP6283788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013085319A JP6283788B2 (ja) 2013-04-15 2013-04-15 Ipmモータのロータ構造、ロータおよびipmモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013085319A JP6283788B2 (ja) 2013-04-15 2013-04-15 Ipmモータのロータ構造、ロータおよびipmモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014207830A JP2014207830A (ja) 2014-10-30
JP6283788B2 true JP6283788B2 (ja) 2018-02-28

Family

ID=52120962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013085319A Active JP6283788B2 (ja) 2013-04-15 2013-04-15 Ipmモータのロータ構造、ロータおよびipmモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6283788B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003023740A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Mitsubishi Electric Corp 永久磁石型電動機の永久磁石型回転子
JP5398103B2 (ja) * 2005-03-01 2014-01-29 株式会社東芝 永久磁石式回転電機
JP4626405B2 (ja) * 2005-06-01 2011-02-09 株式会社デンソー ブラシレスモータ
US7808143B2 (en) * 2007-10-24 2010-10-05 Rechi Precision Co., Ltd. Permanent magnet motor
EP2211442B1 (en) * 2007-11-15 2020-04-29 Mitsubishi Electric Corporation Permanent magnet type rotating electrical machine and electric power steering device
JP5493663B2 (ja) * 2009-10-01 2014-05-14 信越化学工業株式会社 Ipm型永久磁石回転機用回転子の組立方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014207830A (ja) 2014-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5547924B2 (ja) ブラシレスモータ
JP5813254B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP5385077B2 (ja) 回転電動機
JP2007104819A (ja) 回転電機
JP5805334B2 (ja) 永久磁石式回転電機
TWI555307B (zh) Permanent magnet motor
JP2005051979A (ja) 自励式永久磁石同期モータの回転子装置
US9397526B2 (en) Electric motor having structure for reducing cogging torque
JP2008067474A (ja) 回転子
JP2008245336A (ja) 回転子及び永久磁石回転電機
JP2009201269A (ja) 埋込磁石モータおよびその製造方法
JP2008160939A (ja) ステータコア
CN104716760A (zh) 旋转电机
JP2011078283A (ja) 永久磁石埋込型モータの回転子及び送風機及び圧縮機
US10153673B2 (en) Production method for rotating electrical machine
JP5307849B2 (ja) 電動機
JP6413788B2 (ja) リラクタンスモータ用のロータコア
JP2005094845A (ja) 永久磁石式回転電機の回転子
US9748807B2 (en) Motor
JP2013118788A (ja) ブラシレスモータ
JP6013269B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP2005348552A (ja) アキシャルギャップ型回転電機のステータ構造
JP5549355B2 (ja) 回転電機の回転子
JP6283788B2 (ja) Ipmモータのロータ構造、ロータおよびipmモータ
WO2014119022A1 (ja) モータの磁石配置構造、ロータおよびipmモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161003

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170905

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6283788

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250