JP5398103B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石式回転電機に関する。
一般に、永久磁石モータは大きく分けて2種類のタイプがある。回転子鉄心の外周に永久磁石を貼り付けた表面磁石型永久磁石モータと永久磁石を回転子鉄心の中に埋め込んだ埋め込み型永久磁石モータである。可変速駆動用モータとしては、埋め込み型永久磁石モータが適している。
図19を用いて、埋め込み型永久磁石モータの回転子の構成を説明する。図19において、11は回転子、12は回転子鉄心、14は高保磁力永久磁石を示している。回転子鉄心12の外周部に長方形の空洞を等配で極数の数だけ設ける。図19は4極の回転子11であり、4個の空洞を設けて永久磁石14を挿入する。永久磁石14は回転子の半径方向、又は、永久磁石14の断面の長方形におけるエアギャップ面に対向する辺に直角方向に磁化される。永久磁石14は負荷電流により減磁しないように保磁力の高いNdFeB永久磁石等が主に適用される。回転子鉄心12は空洞を打抜いた電磁鋼板を積層して形成する。このような従来例は、「埋込磁石同期モータの設計と制御」、武田洋次・他、オーム社発行(非特許文献1)に記載され、また埋め込み型の変形例は特開平7−336919号公報(特許文献1)に記載されている。また、可変速特性に優れて高出力のモータとしては特開平11−27913号公報(特許文献2)、特開平特開平11−136912号公報(特許文献3)に記載されている永久磁石式リラクタンス型回転電機がある。
永久磁石式回転電機では、永久磁石の鎖交磁束が常に一定で発生しているので永久磁石による誘導電圧は回転速度に比例して高くなる。低速から高速まで可変速運転する場合は、高速回転では永久磁石による誘導電圧が極めて高くなり、永久磁石による誘導電圧がインバータの電子部品に印加し、電子部品の耐電圧以上になると部品が絶縁破壊する。そのため、永久磁石の磁束量が耐電圧以下になるように削減された設計が行うことが考えられるが、永久磁石式回転電機の低速域での出力及び効率が低下する。
低速から高速まで定出力に近い可変速運転を行う場合、永久磁石の鎖交磁束は一定であるので、高速回転域では回転電機の電圧が電源電圧上限に達して出力に必要な電流が流れなくなる。その結果、高速域では出力が大幅に低下し、さらには高速までの広範囲で駆動できなくなるため、最近では可変速範囲を拡大する方法として弱め磁束制御(非特許文献1参照)が適用されはじめた。弱め磁束制御は、d軸電流による減磁界を高保磁力永久磁石4に作用させ、可逆の範囲で永久磁石の磁気的な動作点を移動させて磁束量を変化させる。このため、永久磁石は減磁界により不可逆減磁しないように高保磁力のNdFeB磁石を適用する。
d軸電流の減磁界により永久磁石の鎖交磁束が減少するので、鎖交磁束の減少分が電圧上限値に対する電圧の余裕分をつくる。そして、電流を増加できるので高速域での出力が増加する。また、電圧余裕分だけ回転速度を上昇させることができ、可変速運転の範囲が拡大される。
しかし、永久磁石に減磁界を与え続ける必要があり、出力には寄与しないd軸電流を常時流し続けるため銅損が増加して効率は悪化する。さらに、d軸電流による減磁界は高調波磁束を生じ、高調波磁束等で生じる電圧の増加は弱め磁束制御による電圧低減の限界をつくる。これらより埋め込み型永久磁石式回転電機に弱め磁束制御を適用しても基底速度の3倍以上の可変速運転は困難である。さらに、前記の高調波磁束により鉄損が増加し、高調波磁束による電磁力で振動を発生する。
また、ハイブリッド自動車用駆動モータに埋め込み型永久磁石モータを適用した場合、エンジンのみで駆動される状態ではモータは連れ回される。中・高速回転ではモータの永久磁石による誘導電圧が電源電圧以上になり、弱め磁束制御でd軸電流を流し続ける。この状態では、モータは損失のみを発生するので総合運転効率が悪化する。
電車用駆動モータに埋め込み型永久磁石モータを適用した場合、電車は惰行運転する状態があり、前記と同様に永久磁石による誘導電圧を電源電圧以下にするため弱め磁束制御でd軸電流を流し続ける。モータは損失のみを発生するので総合運転効率が悪化する。
特開平7−336919号公報 特開平11−27913号公報 特開平11−136912号公報 「埋込磁石同期モータの設計と制御」、武田洋次、他、オーム社発行
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、低速から高速までの広範囲で可変速運転を可能とし、低速回転域の高トルク化と中・高速回転域での高出力化、効率の向上、信頼性向上を提供することのできる永久磁石式回転電機を提供することを目的とする。
本発明の永久磁石式回転電機は、固定子巻線を設けた円筒状の固定子と、前記固定子内にエアギャップを介して挿入され、回転子鉄心中に前記固定子巻線の電流で作る磁界により不可逆的に磁束密度が変化する程度の保磁力を有する低保磁力永久磁石と前記低保磁力永久磁石の2倍以上の保磁力を有する高保磁力永久磁石とを配置した回転子とを備え、前記低保磁力永久磁石は前記回転子鉄心の中に埋め込まれ、かつ、磁極間の中心軸になるq軸と一致する前記回転子のほぼ半径方向に沿って配置され、半径方向に対して直角方向に磁化されており、前記高保磁力永久磁石は前記回転子鉄心の中に埋め込まれ、かつ、隣接する2個の低保磁力永久磁石により前記回転子の内周側において挟まれ、前記回転子のほぼ周方向に配置され、前記回転子の周方向に対してほぼ直角方向に磁化され、前記回転子の径方向断面において、前記低保磁力永久磁石と前記高保磁力永久磁石とが磁極部となる回転子鉄心部分を取り囲む配置であり、前記低保磁力永久磁石は前記固定子巻線にパルス的な電流を流すことにより、磁化方向と着磁力が変化し、当該低保磁力永久磁石の鎖交磁束量を前記高保磁力永久磁石の鎖交磁束と同方向の最大値から0まで、さらに逆方向の最大値まで変化し、かつ変化した後の磁力を保持するものであり、当該永久磁石式回転電機の駆動電圧が供給電源の最大電圧近傍では、前記低保磁力永久磁石と前記高保磁力永久磁石とによる全鎖交磁束量が減じるように前記固定子巻線のパルス的な電流が形成する磁界により前記低保磁力永久磁石を前記高保磁力永久磁石の磁化方向と同方向で減磁するよう磁化し、若しくは0となるように磁化し、若しくは前記高保磁力永久磁石の磁化方向と逆方向に増磁するように磁化し、前記永久磁石式回転電機の駆動電圧を前記供給電源の最大電圧よりも低くすることを特徴とするものである。
本発明によれば、低速から高速までの広範囲で可変速運転を可能とし、低速回転域の高トルク化と中・高速回転域での高出力化、効率の向上、信頼性向上を実現した永久磁石式回転電機を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形態の永久磁石式回転電機における回転子の断面図である。本実施の形態の回転子1は、回転子鉄心2、8個の低保磁力永久磁石3、8個の高保磁力永久磁石4から構成されており、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部を示している。回転子鉄心2は珪素鋼板を積層して構成し、低保磁力永久磁石3はアルニコ磁石、又はFeCrCo磁石であり、高保磁力磁石4はNdFeB磁石とする。
図2は、本実施の形態に適用する低保磁力永久磁石としてのアルニコ磁石(AlNiCo)、低保磁力永久磁石としてのFeCrCo磁石、高保磁力永久磁石としてのNdFeB磁石の磁気特性を示す図である。アルニコ磁石の保磁力(磁束密度が0になる磁界)は60〜120kA/mであり、NdFeB磁石の保磁力950kA/mに対して1/15〜1/8になる。また、FeCrCo磁石の保磁力は約60kA/mであり、NdFeB磁石の保磁力950kA/mに対して1/15になる。アルニコ磁石とFeCrCo磁石は、NdFeBの高保磁力磁石と比較してかなり低保磁力であることがわかる。本実施の形態では、低保磁力永久磁石3の8〜15倍の保磁力を有する高保磁力永久磁石4を適用しており、これにより優れた特性の回転電機を得ることができる。
低保磁力永久磁石3は回転子鉄心2の中に埋め込まれ、低保磁力永久磁石3の両端部には第1の空洞5が設けられている。低保磁力永久磁石3は磁極間の中心軸になるq軸と一致する回転子の半径方向に沿って配置され、半径方向に対して直角方向に磁化される。高保磁力永久磁石4は回転子鉄心2内に埋め込まれ、高保磁力永久磁石4の両端部には第2の空洞6が設けられている。高保磁力永久磁石4は、2個の低保磁力永久磁石3により回転子1内周側で挟まれるように回転子1のほぼ周方向に配置されている。高保磁力永久磁石4は回転子1の周方向に対してほぼ直角方向に磁化されている。
回転子鉄心2の磁極部7は2個の低保磁力永久磁石3と1個の高保磁力永久磁石4で取り囲まれるようにして形成されている。図3に示すように、回転子鉄心2の磁極部7の中心軸方向がd軸、磁極間の中心軸方向がq軸となる。したがって、低保磁力永久磁石3は磁極間の中心軸となるq軸方向に配置され、低保磁力永久磁石3の磁化方向はq軸に対して90°、又は−90°方向となっている。隣り合う低保磁力永久磁石3において、互いに向かい合う磁極面は同極になるようにしてある。また、高保磁力永久磁石4は磁極部7の中心軸となるd軸に対して直角方向に配置され、その磁化方向はd軸に対して0°、又は180°の方向となっている。隣り合う高保磁力永久磁石4において、互いに磁極部7の向きは逆極性にしてある。
このように構成された本実施の形態の回転子1を採用する永久磁石式回転電機20は図18に示す構成である。回転子1における低保磁力永久磁石3であるFeCrCo磁石又はアルニコ磁石の保磁力は60〜120kA/mで小さく、これらの低保磁力の永久磁石は200〜300kA/mの磁界で磁化できる。高保磁力永久磁石4であるNdFeB磁石の保磁力は950kA/mと高く、約2400kA/mの磁界で磁化できる。つまり、低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の約1/10の磁界で着磁できる。本実施の形態の回転子1を採用した永久磁石式回転電機20では、固定子巻線に通電時間が極短時間(100μs〜1ms程度)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、低保磁力永久磁石3に磁界を作用させる。着磁磁界を250kA/mとすると、理想的には低保磁力永久磁石3には十分な着磁磁界が作用し、高保磁力永久磁石4には着磁による不可逆減磁はない。
図3は、本実施の形態のd軸電流による着磁磁界を作用させる前の初期状態における永久磁石の磁束を示す図であり、図4は着磁磁界を作用させたときの永久磁石の磁束を示す図である。尚、図3、図4での磁束分布は1極のみを示している。着磁磁界を形成するパルス電流は固定子の電機子巻線のd軸電流成分である。図4では低保磁力永久磁石を減磁させる場合であり、負のd軸電流による磁界は永久磁石にとっては減磁界となり、回転子1の磁極中心から低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4に対して磁化方向とほぼ逆方向に作用している。本実施の形態の回転子1を採用した永久磁石式回転電機においては、d軸電流による磁界は高保磁力永久磁石4では永久磁石2個分(N極とS極の2個の永久磁石)に作用することになり、高保磁力永久磁石4に作用する磁界は低保磁力永久磁石3に作用する磁界の約半分になる。したがって、本実施の形態の回転子1を採用した永久磁石式回転電機では、d軸電流による磁界は低保磁力永久磁石3を磁化し易くなる。
図5は本実施の形態の回転子1の着磁後の磁束を示す図である。低保磁力永久磁石3は保磁力が高保磁力永久磁石4の1/10程度であり、さらに前述のように低保磁力永久磁石3には高保磁力永久磁石4の2倍の着磁磁界が作用することになる。図5では、低保磁力永久磁石3は着磁磁界の方向に磁化され、図3の初期の磁化方向とは逆方向に磁化されている。そして、d軸電流の大きさを変えて着磁磁界の強さを変化させることにより、低保磁力永久磁石3の磁化状態を調整することが可能となる。すなわち、低保磁力永久磁石3の磁力を低下させる状態、低保磁力永久磁石3の磁束を0にさせる状態、低保磁力永久磁石3の磁束を逆方向にさせる状態の3つの状態を作り出すことができる。一方、高保磁力永久磁石4は保磁力が低保磁力永久磁石3より10倍以上大きく、また、本実施の形態では高保磁力永久磁石4に作用する着磁磁界は低保磁力永久磁石3の1/2になる。したがって、低保磁力永久磁石3を着磁する程度の磁界であれば高保磁力永久磁石4は可逆減磁状態であり、着磁後でも高保磁力永久磁石4は初期の状態の磁束を維持できる。
以上のような構成により、本実施の形態の回転子1を採用した永久磁石式回転電機20では、回転子1のd軸電流により低保磁力永久磁石3の鎖交磁束量を最大から0まで大きく変化でき、また磁化方向も正逆の両方向にできる。すなわち、高保磁力永久磁石4の鎖交磁束を正方向とすると、低保磁力永久磁石3の鎖交磁束を正方向の最大値から0、さらには逆方向の最大値まで広範囲に調整することができる。したがって、本実施の形態の回転子では、低保磁力永久磁石3をd軸電流で着磁することにより低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4を合わせた全鎖交磁束量を広範囲に調整することができる。
例えば、低速域では低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の鎖交磁束と同方向(初期状態)で最大値になるようにd軸電流で磁化することにより、永久磁石によるトルクは最大値になるので、回転電機のトルク及び出力は最大にすることができる。
また、中・高速域では、図5に示すように低保磁力永久磁石3の磁束量を低下させ、全鎖交磁束量を下げることにより、回転電機の電圧は下がるので、電源電圧の上限値に対して余裕ができ、回転速度(周波数)をさらに高くすることが可能となる。
さらに、最高速度を著しく高くするとき(可変速範囲をさらに拡大、例えば基底速度の5倍以上の可変速範囲のとき)は、低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の鎖交磁束と逆方向になるように磁化させる(磁束の向きは図5の状態で磁化は最大とする)。永久磁石の全鎖交磁束は、高保磁力永久磁石4と低保磁力永久磁石3の鎖交磁束の差となり最も小さくでき、回転電機の電圧も最小となるので回転速度(周波数)を最高値まで上げることができる。
本実施の形態の回転子1によれば、これを図18に示す回転電機20に採用することによって高出力で低速から高速まで広範囲の可変速運転を実現でき、また鎖交磁束を変化させるときの着磁電流は極短時間のみ流すので損失を著しく低減できるので高効率にすることができる。尚、図18において21は固定子巻線、22はエアギャップである。
上記の回転電機が出力を発生するときは、固定子巻線にq軸電流を流すことにより、このq軸電流と回転子1の永久磁石の磁束との磁気作用でトルクを発生させる。このときq軸電流による磁界が発生する。しかし、低保磁力永久磁石3はq軸方向に配置され、磁化方向はq軸方向とは直角方向であり、低保磁力永久磁石3の磁化方向とq軸電流による磁界とは直交する方向になるのでq軸電流による磁界の影響はわずかとなる。
次に、第1の空洞5及び第2の空洞6の作用について述べる。空洞5、6は、永久磁石による遠心力が回転子鉄心2に作用した時の回転子鉄心2への応力集中と減磁界を緩和する。図1にあるように空洞5,6を設けることにより鉄心は曲率のついた形状にでき、応力が緩和される。また、電流による磁界が永久磁石の角部に集中して減磁界が作用し、角部が不可逆減磁する場合があるが、本実施の形態の回転子1では磁石端部に空洞5、6を設けているため、永久磁石端部での電流による減磁界が緩和される。
以上のような本実施の形態の回転子1は、次のような作用、効果を奏する。高保磁力永久磁石4の鎖交磁束を正方向とすると、低保磁力永久磁石3の鎖交磁束を正方向の最大値から0、さらには逆方向の最大値まで広範囲に調整することができ、したがって、低保磁力永久磁石3をd軸電流で着磁することにより低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4を合わせた全鎖交磁束量を広範囲に調整することができる。
この永久磁石の全鎖交磁束量を広範囲に調整できることは、当該回転子1を採用する回転電機の電圧を広範囲に調整することを可能とし、着磁は極短時間のパルス電流で行うので常時弱め磁束電流を流し続ける必要もないので損失を大幅に低減できる。また、従来のように弱め磁束制御を行う必要がないので高調波磁束による鉄損も発生しない。以上より、本実施の形態の回転子によれば、これを採用する回転電機を高出力で低速から高速までの広範囲の可変速運転を可能なものにし、高効率化が図れる。
また、永久磁石による誘導電圧に関しては、低保磁力永久磁石3をd軸電流で着磁して永久磁石の全鎖交磁束量を小さくできるので永久磁石の誘導電圧によるインバータ電子部品の破損がなくなり、信頼性の向上が図れる。さらに、回転電機が無負荷で回される時に、低保磁力永久磁石3をd軸電流で着磁して永久磁石の全鎖交磁束量を小さくでき、これより、誘導電圧を著しく低くし、誘導電圧を下げるための弱め磁束電流を常時通電する必要をほとんどなくし、総合効率の向上が図れる。尚、本実施の形態では8極の場合を説明したが、他の極数に代えても同様に適用できる。
(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態の回転電機20は、回転子1の最高回転速度時に当該回転子の高保磁力永久磁石4の発生する逆起電圧を回転電機の電源であるインバータ電子部品の耐電圧以下にすることを特徴とする。
永久磁石による逆起電圧は回転速度に比例して高くなり、この逆起電圧がインバータの電子部品に印加し電子部品の耐電圧以上になると電子部品が絶縁破壊する。そのため従来の永久磁石式回転電機では設計時に耐電圧で制限されて永久磁石の磁束量が削減され、モータの低速域での出力及び効率が低下していた。
上記の回転電機20では、高速回転時になると負のd軸電流により減磁方向の着磁磁界を永久磁石に作用させて低保磁力永久磁石3の磁束を0近傍まで小さくできるので、低保磁力永久磁石3による逆起電圧はほぼ0にできる。そして、磁束量を調整できない高保磁力永久磁石4による逆起電圧を最高回転速度で耐電圧以下にすればよい。すなわち、高保磁力永久磁石4のみの磁束量を耐電圧以下までになるまで小さくすることになる。一方、低速回転時では、最大の磁束量となるように着磁された低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束量は従来の永久磁石式回転電機よりも大幅に増加できる。
以上より、本実施の形態の永久磁石式回転電機20では、低速回転時での高出力と高効率を維持しながら高速回転時の逆起電圧を抑制でき、インバータを含めたシステムの信頼性を高めることができる。
(第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態の永久磁石式回転電機20は、その最大トルクを発生するときの永久磁石の磁束量が最大となる状態で、高保磁力永久磁石4による磁束量が低保磁力永久磁石3の最大磁束量よりも少なくすることを特徴とする。
回転電機が最大トルクを発生するときは当該回転子の低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4の磁束量を最大の状態にすることにより、必要な電流が少なくなり高効率になる。最高回転時には、d軸電流の着磁磁界により低保磁力永久磁石3の磁束量は0近傍に小さくすることができるので、低保磁力永久磁石3による逆起電圧はほぼ0にできる。そして、磁束量を調整できない高保磁力永久磁石4による逆起電圧を最高回転速度でインバータの電子部品の耐電圧以下にすればよい。本実施の形態では、高保磁力永久磁石4の磁束を低保磁力永久磁石3の磁束よりも小さくするので、高保磁力永久磁石4による回転速度当たりの逆起電圧は小さくなり、さらに高い回転速度まで回転させることができる。
(第4の実施の形態)図6は、本発明の第4の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示してある。図6において1は回転子、2は回転子鉄心、3は低保磁力永久磁石、4は高保磁力永久磁石、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は鉄心の窪み部である。
本実施の形態の回転子1は、磁極間の中心軸になるq軸と一致する回転子1の半径方向に低保磁力永久磁石3を配置し、低保磁力永久磁石3の端部の鉄心を除いた低保磁力永久磁石3の端部近傍のエアギャップ側鉄心を回転子鉄心2の最外周より窪ませ、窪み部8を形成してある。
次に、本実施の形態の回転子1の作用について説明する。当該回転子1を採用する永久磁石式回転電機20は図18と同様の構成となる。そしてそのような回転電機では、d軸方向の電流の磁束(d軸磁束)は回転子1の低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4を横断することになり、永久磁石は空気の透磁率とほぼ等しいのでd軸インダクタンスは小さくなる。一方、q軸方向の磁束は回転子鉄心2の磁極部7を低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4の長手方向に沿うように流れる。鉄心の磁極部7の透磁率は永久磁石の1000〜10000倍あるので、q軸方向の回転子鉄心2に窪みがなく回転子鉄心2の外径が周方向で均一であれば、q軸インダクタンスは大きくなる。そして、電流と磁束の磁気的作用でトルクを発生するためにq軸電流を流すが、q軸インダクタンスは大きいのでq軸電流で生じる電圧は大きくなる。すなわち、q軸インダクタンスが大きくなることにより、力率が悪くなる。
本実施の形態では、低保磁力永久磁石3の端部近傍のエアギャップ22側の鉄心は回転子鉄心2の最外周より窪んだ窪み部8としているので、鉄心2の窪み部8を通る磁束は減少する。すなわち、窪み部8はq軸方向にあるのでq軸インダクタンスを小さくすることができる。これより、力率を向上できる。また、鉄心2の窪み部8により低保磁力永久磁石3の端部近傍では等価的にエアギャップ長が長くなるので、低保磁力永久磁石3の端部近傍の平均的な磁界は低くなる。これより、トルクを発生するために必要なq軸電流による低保磁力永久磁石3への減磁界の影響を小さくできる。
また、低保磁力永久磁石3の端部にある永久磁石を保持する鉄心部分のみは窪んでないため、低保磁力永久磁石3の径方向長さはできるだけ長くでき、よって、同一の外径の回転子において永久磁石体積を大きく取れる。すなわち、永久磁石の磁束量が増加でき、同一の回転子体積当りの出力を大きくとることができる。
(第5の実施の形態)図7は、本発明の第5の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。図7において、1は回転子、2は回転子鉄心、3は低保磁力永久磁石、4は高保磁力永久磁石、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は回転子鉄心2の窪み部を示している。
磁極間の中心軸になるq軸と一致する半径方向に低保磁力永久磁石3を配置している。そして、低保磁力永久磁石3の端部と回転子鉄心2の磁極部7の中央までの間において、回転子鉄心2の磁極部7の中央部が回転子1の最外周部分となり、磁極部7の中央部から低保磁力永久磁石3の端部の外周側鉄心部分に至るにつれて、回転子1の軸中心からの回転子鉄心2の外周までの距離が短くしてある。
次に、上記構成の回転子1の作用について述べる。当該回転子1を採用した永久磁石式回転電機20は図18に示したものと同様の構成である。そしてその回転電機20では、d軸方向の電流の磁束(d軸磁束)は回転子1の低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4を横断することになり、永久磁石は空気の透磁率とほぼ等しいのでd軸インダクタンスは小さくなる。一方、q軸方向の磁束は回転子鉄心の磁極部7を低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4に長手方向沿うように流れる。磁極の鉄心部7は透磁率が磁石の1000〜10000倍あるので、q軸方向の回転子鉄心に窪みがなく回転子鉄心外径が周方向で均一であれば、q軸インダクタンスは大きくなる。そして、電流と磁束の磁気的作用でトルクを発生するためにq軸電流を流すが、q軸インダクタンスは大きいのでq軸電流で生じる電圧は大きくなる。すなわち、インダクタンスが大きくなるので力率が悪くなる。
本実施の形態では、磁極部7の外周の中央部から低保磁力永久磁石3の端部の外周側鉄心部分に至るにつれて、回転子1の軸中心からの回転子鉄心2の外周までの距離が短くなる形状としてある。これにより、当該回転子1を採用した永久磁石式回転電機におけるエアギャップ側鉄心は磁極部7の中央から低保磁力永久磁石3の端部に至るにつれて窪み部8の窪みが深くなる形状となる。このような形状の窪み部8があることによりエアギャップ長は長くなるので、窪みが深くなるほどその窪み部8を通る磁束は減少する。すなわち、窪み部8はq軸方向にあるのでq軸インダクタンスを小さくすることができる。これより、q軸インダクタンスを小さくできるので、力率を向上できる。特にq軸上にある低保磁力永久磁石3の端部近傍の鉄心部では窪みが最も深くなるので、効果的にq軸インダクタンスを低下させることができる。
また、窪み部8によって低保磁力永久磁石3の端部では上記回転電機のエアギャップ長が最も長くなるので、低保磁力永久磁石3の端部近傍の磁界は低くなる。これにより、トルクを発生するためのq軸電流による低保磁力への減磁界の影響を小さくできる。
(第6の実施の形態)図8は、本発明の第6の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6、図7と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。図8において、1は回転子、2は回転子鉄心、3は低保磁力永久磁石、4は高保磁力永久磁石、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は窪み部、αは磁極中央部の円弧の中心角を示している。
回転子鉄心2の磁極部7の中央部は回転子の最大半径(回転子中心軸から回転子外周までの長さが最大)の円弧で形成され、磁極中央部の円弧の中心角αは電気角で90〜140度の範囲とする。中心角αを外れた領域の回転子1では、回転子1の最大半径の円弧よりも内周側に回転子鉄心2の外周が窪んだ形状とし、ここを窪み部8としている。
当該回転子1を採用した永久磁石式回転電機20は図18に示した構成とほぼ同様である。そしてそのような回転電機20では、低・中速域で電源電圧の最大値以下で駆動する場合、高効率を得るため永久磁石の磁束を最大限に利用する。本実施の形態では中心角αで範囲が示される回転子鉄心2の磁極部7の中央部分は回転子1の最大半径の円弧で形成されるので、回転電機のd軸近傍のエアギャップ長が最小となる。したがって、中心角αのd軸近傍の磁極中央部分では、高保磁力永久磁石4と低保磁力永久磁石3の鎖交磁束量を多くできる。
低保磁力永久磁石3があるq軸近傍の回転子1では、回転子1の最大半径の円弧よりも内周側に回転子鉄心2の外周が窪んだ形状であるので、q軸電流による磁界は弱くなる。したがって、トルクを発生させるためにq軸電流を与えたとき、低保磁力永久磁石3がq軸電流による磁界で減磁するのを防ぐことができる。
以上の構成により、本実施の形態の回転子1を採用した永久磁石式回転電機20では、d軸近傍に生じる永久磁石の磁束量を多くすることにより高出力と高トルクを確保するとともに、同時にq軸電流による低保磁力永久磁石3の減磁の影響を大幅に緩和できる。
図9は、本実施の形態を適用した永久磁石式回転電機の磁極中心角αに対するトルクの変化を示した図である。磁極中央部の円弧の中心角αが電気角で90〜140度の範囲のときに、大きなトルクが得られることがわかる。
(第7の実施の形態)本発明の第7の実施の形態の永久磁石式回転電機20は、図18に示した構成で、低保磁力永久磁石3の磁化方向厚みが高保磁力永久磁石4の磁化方向厚みよりも薄くすることを特徴とする。永久磁石を着磁する磁界の強さは磁化方向厚みにほぼ比例する。そのため、低保磁力永久磁石3の磁化方向厚みを高保磁力永久磁石4の磁化方向厚みよりも薄くすることで、低保磁力永久磁石3を着磁する磁界を低くでき、着磁電流を少なくできる。
また、一般に高保磁力永久磁石4は高磁気エネルギー積になるにつれて温度特性が悪くなり100℃以上の高温度状態で保磁力が小さくなり、より小さな減磁界で永久磁石が不可逆減磁するようになる。ところが、本実施の形態では、低保磁力永久磁石3を着磁する磁界を小さくできるので、永久磁石が高温状態において着磁磁界を作用させても高保磁力永久磁石4が不可逆減磁することを防ぐことができる。
(第8の実施の形態)図10は、本発明の第8の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6〜図8と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。図10において、1は回転子、2は回転子鉄心、3は低保磁力永久磁石、4は高保磁力永久磁石、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は回転子鉄心2の窪み部である。本実施の形態の回転子1は、低保磁力永久磁石3の磁化方向厚みが一定でなく、回転子1の外周側になるにつれて厚みを徐々に増す形状にしている。
着磁磁界を低保磁力永久磁石3に作用させた場合、回転子1内の低保磁力永久磁石3に作用する着磁磁界は一様に分布してなくて、磁界の強さが永久磁石内で偏る。一部に磁界が偏ると、着磁電流量による低保磁力永久磁石3の磁束量の調整が難しくなる。また、着磁磁界の変動及び駆動時の温度状態によっても永久磁石の磁束量が変わるので、着磁したときの磁束量の少ないばらつきの範囲での再現性を得ることが難しくなる。そこで、本実施の形態は、永久磁石の着磁に必要な磁化力は永久磁石の磁化方向厚みにより大きく変化する特性を応用している。
そこで本実施の形態の回転子1は、低保磁力永久磁石3の磁化方向厚みが一定でなく、厚みを変えている。そのため、着磁磁界を作用させたときに各厚みの永久磁石部分で発生する磁束量を変えることができ、着磁磁界の強さは永久磁石の厚みによる影響に大きく依存させることができる。これにより、磁界の集中等による偏り、着磁磁界の変動等の外部条件変動による影響を小さくすることができ、着磁電流に対する磁束量の調整も容易になり、外部条件変動による磁束量のばらつきを少なくできる。
図11は、本実施の形態の低保磁力永久磁石3の長手方向の断面図である。図11では、低保磁力永久磁石3の磁化方向厚みを階段状に異なる厚みにしている。この形状により永久磁石の厚みの変化幅と同様に永久磁石の磁束量の変化幅を段階的に大きくできる。したがって、外乱や雰囲気条件による着磁磁界の変動幅よりも永久磁石の厚みの変化幅による磁束量への影響を極めて大きくすることができる。すなわち、低保磁力永久磁石3を磁化させて磁束量を変化させる場合、着磁磁界の変動による磁束量のばらつきを少なくでき、同じ着磁電流における低保磁力永久磁石3の磁束量の再現性も高いものが得られる。
(第9の実施の形態)図12は、本発明の第9の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6〜図8、図10と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。図12において、1は回転子、2は回転子鉄心、3は低保磁力永久磁石、4は高保磁力永久磁石、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は回転子鉄心2の窪み部を示している。
本実施の形態においては、低保磁力永久磁石3は回転子1の外周側になるにつれて磁化方向厚みが薄くなるテーパー状の形状としている。このように回転子1の外周側になるにつれて低保磁力永久磁石3の厚みを薄くすることで、低保磁力永久磁石3と接する回転子鉄心面で低保磁力永久磁石3の遠心力を受けることにより回転子鉄心2が低保磁力永久磁石3を保持できる。また、低保磁力永久磁石3の磁化方向厚みの寸法精度が粗くても、寸法に応じた径方向位置で低保磁力永久磁石3が回転子鉄心2に接することで永久磁石を固定できる。本実施の形態を成型による永久磁石の製造法とともに適用すると、型製造の欠点でもある成型後の寸法精度の悪い永久磁石を適用することが可能となり、低保磁力永久磁石の型製造により量産性が向上する。
さらに、低保磁力永久磁石3の保持と量産性の向上と同時に次の作用と効果も得られる。低保磁力永久磁石3の厚みが一定である場合、低保磁力永久磁石3において着磁磁界の偏りが生じて低保磁力の永久磁石の一部分のみの磁束量が偏って変化することと、磁界変化幅に対する永久磁石の磁束量の変化幅が急峻である問題がある。永久磁石の着磁磁界は永久磁石の厚みに大きく依存し、着磁したときに厚みによってその部分の永久磁石の磁束量が大きく変化する。本実施の形態では低保磁力永久磁石3の厚みが異なるため、それぞれの厚みに応じた着磁磁界でその該当部分磁束量が大きく変化する。すなわち、永久磁石の厚みにより永久磁石の磁束が大きく変化する磁界の強さが異なる。これにより低保磁力永久磁石3の磁束量の変化幅に対する着磁磁界の変化幅を広く取ることができる。つまり、回転電機において着磁電流を調整することにより任意の永久磁石の磁束量を容易に調整でき、着磁を繰り返したときの低保磁力の永久磁石の磁束量のばらつきが少なく(良好な再現性)、着磁電流の変動、温度等の周条件の変動による着磁時の永久磁石の磁束量の変動幅を小さくすることができる。
(第10の実施の形態)図13は、本発明の第10の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6〜図8、図10、図12と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。図13において、1は回転子、2は回転子鉄心、3は低保磁力永久磁石、4は高保磁力永久磁石、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は回転子鉄心2の窪み部、9は磁気障壁、10は突起を示している。
本実施の形態の回転子1では、低保磁力永久磁石3のエアギャップ側端部近傍の回転子鉄心2に低保磁力永久磁石3の磁化方向の厚みよりも回転子の周方向に長い磁気障壁9を設けている。磁気障壁9は穴であり、空気があることになる。また、低保磁力の永久磁石3の外周側(エアギャップ側)端部に突起10を設けている。突起10は低保磁力永久磁石3の遠心力を受けて永久磁石を保持する。
本実施の形態の回転子1を採用した図18に示すような永久磁石式回転電機20に対してトルクを発生するためにq軸電流を流すと、q軸上にある低保磁力永久磁石3にq軸電流による磁界が生じる。本実施の形態の回転子1では低保磁力永久磁石3の端部近傍に磁気障壁9が設けてあるため、磁気障壁9の空気層により低保磁力永久磁石3の端部に作用するq軸電流の磁界を小さくすることができ、これによりq軸電流による低保磁力永久磁石3の減磁と増磁を抑制できる。また、磁気障壁9は低保磁力永久磁石3の磁化方向厚みより周方向に長いので、低保磁力永久磁石3の端部の角部に集中するq軸電流による磁界を緩和でき、q軸電流の磁界の回り込みによる低保磁力永久磁石3の減磁と増磁を防ぐことができる。さらに、磁気障壁9はq軸を中心にして回転子の周方向に長く存在するので、q軸方向の磁気抵抗が高くなりq軸電流による磁束量を低減できる。したがって、q軸インダクタンスが小となるので、力率を高くすることができる。
(第11の実施の形態)図14は、本発明の第11の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6〜図8、図10、図12、図13と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。図14において、1は回転子、2は回転子鉄心、3は低保磁力永久磁石、4は高保磁力永久磁石、5は低保磁力永久磁石3の空洞である第1の空洞、6は高保磁力永久磁石4の空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は窪み部、9は磁気障壁、10は突起、11はスリットを示している。
本実施の形態では、隣り合う低保磁力永久磁石3の間の鉄心の磁極部7でd軸の中心軸と一致する位置にスリット11を設けている。このスリット11はd軸上にあるのでd軸磁束の磁気的な障壁にはならなく、q軸磁束の磁気的な障壁となる。したがって、d軸を中心に分布する永久磁石の磁束への影響は僅かとしながら、q軸の磁束を減少させることができる。すなわち、永久磁石によるトルクを維持しながら力率を向上させることができる。
(第12の実施の形態)図15は、本発明の第12の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6〜図8、図10、図12〜図14と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。図15において、1は回転子、2は回転子鉄心、3Aは高保磁力永久磁石、4Aは低保磁力永久磁石、5は高保磁力永久磁石3Aの空洞である第1の空洞、6は低保磁力永久磁石4Aの空洞である第2の空洞、7は回転子鉄心2の磁極部、8は回転子鉄心2の窪み部を示している。
尚、本実施の形態の回転子1は、他の実施の形態と同様、図18に示すような永久磁石式回転電機20の固定子の中央部に配置し、固定子コイルの作る磁界によって回転駆動させる。
本実施の形態の永久磁石式回転電機は、第1〜第11の実施の形態とは異なり、高保磁力永久磁石3Aを回転子1の径方向に配置し、回転子鉄心2の内周側に周方向に平行に低保磁力永久磁石4Aを配置したことを特徴としている。
径方向に配置した高保磁力永久磁石3Aに作用する固定子電流による磁界に関しては、次のような磁路となる。固定子鉄心→エアギャップ20→回転子磁極7→径方向に位置した高保磁力永久磁石3A(横断)→隣りの回転子磁極7→固定子鉄心。一方、内周側の周方向に配置した低保磁力永久磁石4Aに作用する固定子電流による磁界に関しては、次のような磁路となる。固定子鉄心→エアギャップ20→回転子磁極7→周方向に位置した低保磁力永久磁石4A(横断〉→回転子鉄心2の最内周部分→隣りの回転子鉄心2の最内周部分→隣りの周方向に位置した低保磁力永久磁石4A(横断)→隣りの回転子磁極7→固定子鉄心。
したがって、電流による磁界は、2個の周方向に配置した低保磁力永久磁石4Aに作用し、1個の径方向に配置した高保磁力永久磁石3Aに作用する。これより、高保磁力永久磁石3Aと低保磁力永久磁石4Aとの厚みが同一とすると、径方向に配置した高保磁力永久磁石3Aに作用する電流による磁界は、周方向に配置した低保磁力永久磁石4Aより2倍強くなる。
固定子を水冷却や油冷却で行って比電気装荷(単位周長当りのアンペアターン)を大きくすることにより高出力化した回転電機では、負荷電流による磁界が大きく、この負荷電流による強い磁界により部分的に減磁が生じる。このような高出力密度の回転電機の場合でも、本実施の形態の永久磁石式回転電機では、磁界の影響を受けやすい低保磁力永久磁石4Aは内周側に配置することにより、部分的な減磁の影響を小さくすることができる。これにより、本実施の形態の永久磁石式回転電機によれば、回転子1のd軸電流で永久磁石を磁化することにより永久磁束の鎖交磁束量を可変できると同時に負荷電流による永久磁石の特性変化を抑制して高出力化も維持できる。
尚、本実施の形態にあっては、鉄心窪み部8は必要に応じて形成することができるものであり、図1に示した第1の実施の形態のように回転子鉄心2の外周面が真円断面となる構成であってもよく、また図6、図8に示す形状であってもよい。また、第1の空洞5は図13、図14に示す形状にしてもよい。さらに、外周側の永久磁石となる高保磁力永久磁石3Aについても、図11、図12あるいは図13の形状にすることができる。
(第13の実施の形態)図16は、本発明の第13の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子1の断面図である。尚、図1、図6〜図8、図10、図12〜図15と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。本実施の形態の永久磁石式回転電機は、回転子鉄心2の径方向の永久磁石として高保磁力永久磁石3Bを配置し、回転子鉄心2の内周側の周方向の永久磁石としても高保磁力永久磁石4Bを配置したことを特徴とする。その他の構成は、図15に示した第12の実施の形態と同様である。
永久磁石3B,4Bはd軸電流による着磁磁界で磁化状態を変化できる磁化方向厚みにする。あるいは、径方向の高保磁力永久磁石3Bか、周方向の高保磁力永久磁石4Bのみがd軸電流による着磁磁界で磁化状態を変化できる磁化方向厚みにする。
本実施の形態の永久磁石式回転電機では、回転子鉄心2の径方向の永久磁石3Bにも回転子鉄心2の内周側の周方向の永久磁石4Bにも、共に高保磁力永久磁石を配置したので、負荷電流による磁界など外乱に対して安定した特性が得られる。
水や油で固定子を冷却することにより回転電機は比電気装荷(単位周長当りのアンペアターン)を大きくして高出力化できる。しかし、負荷電流による磁界が大きくなるため、負荷電流による強い磁界により周囲の永久磁石にも部分的な減磁が生じる。このような高出力密度の回転電機の場合では、高保磁力永久磁石を適用することにより負荷電流による磁界の影響を小さくし、安定した永久磁石特性が得られる。ただし、永久磁石はd軸電流による着磁磁界でも十分に磁化できる厚みとする。例えば、径方向永久磁石3Bは周方向永久磁石4Bよりも薄くしてより小さな着磁磁界(少ないd軸電流)で永久磁石の磁化量を調整できるようにする。
尚、本実施の形態にあっても、鉄心窪み部8は必要に応じて形成することができるものであり、図1に示した第1の実施の形態のように回転子鉄心2の外周面が真円断面となる構成であってもよく、また図6、図8に示す形状であってもよい。また、第1の空洞5は図13、図14に示す形状にしてもよい。さらに、外周側の永久磁石となる高保磁力永久磁石3Aについても、図11、図12あるいは図13の形状にすることができる。
(第14の実施の形態)本発明の第14の実施の形態の永久磁石式回転電機について、図17を用いて説明する。尚、図1、図6〜図8、図10、図12〜図16と同一又は均等の要素には同一の符号を用いて示す。
本実施の形態の特徴は、図17に示したように、永久磁石による減磁界防止用のスリット12を回転子鉄心2に設けた点にある。回転子鉄心2の外周側に径方向に低保磁力永久磁石3を配置し、回転子鉄心2の内周側に周方向に高保磁力永久磁石4を配置している。そして、永久磁石による減磁界防止用のスリット12を回転子鉄心2の磁極部7に設け、低保磁力永久磁石3による磁束と高保磁力永久磁石4による磁束をこのスリット12が遮断するようにしている。
低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4とは同じ磁極鉄心部内の配置しているために互いに減磁界が作用するが、本実施の形態ではスリット12を相互間に介在させているため、他の永久磁石による減磁界の影響をほとんど受けないほどに小さくできる。したがって、低保磁力永久磁石3が負荷時に高保磁力永久磁石4による減磁界と負荷電流とによる減磁界で減磁することはない。また、d軸電流の着磁磁界による低保磁力永久磁石3の磁束の増減も、高保磁力永久磁石4の影響を受けなくて容易となる。尚、回転子鉄心2内の永久磁石3,4を全て高保磁力永久磁石にしても同様の効果を得ることはできる。
(第15の実施の形態)以上の第1〜第14の実施の形態それぞれにおいて、固定子巻線の電流が作る磁界で低保磁力永久磁石の磁化方向を両方向に反転させる構成とすることができる。
d軸電流による着磁磁界により回転子1の径方向、または周方向に配置させた永久磁石の磁束量を低減させる。磁束を減少させるだけでは、着磁する永久磁石の磁束量が0になったときに全永久磁石による総鎖交磁束量は最小になる。そこで、本実施の形態ではさらに着磁する永久磁石を逆方向に磁化することで他の永久磁石の磁束と差し引くことになり、さらに全永久磁石による総鎖交磁束量を小さくすることができる。理想的には総鎖交磁束量を0にできる。これにより無負荷状態で高速回転で駆動されても誘導電圧は極めて小さく、鉄損の少ない回転電機が得られる。
(第16の実施の形態)本発明の第16の実施の形態は、図18に示したような構成の永久磁石式回転電機20において、その電圧が供給電源の最大電圧の近傍、又は最大電圧を超える高速回転時には、低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束が減じるように固定子巻線の電流が形成する磁界を用いて低保磁力永久磁石3を磁化させ、永久磁石の全鎖交磁束量を調整することを特徴とする。本実施の形態に用いる低保磁力永久磁石3はFeCrCo磁石、又はアルニコ磁石を使用しており、高保磁力永久磁石4にはNdFeB磁石を使用する。
永久磁石式回転電機では、永久磁石の磁束量は一定であるので、回転子1の回転速度に比例して永久磁石の鎖交磁束による電圧は高くなる。したがって、電源電圧に上限があり、回転電機を低速から高速までに広範囲で運転する場合は、電源電圧の上限値に達するとそれ以上の回転速度では運転できないことになる。そこで、回転電機の電圧は巻線インダクタンスと永久磁石による鎖交磁束でその大きさが決定されるので、高速回転時の電圧の上昇を抑制するためには永久磁石の鎖交磁束量を低減することが考えられる。
本実施の形態に用いる低保磁力永久磁石3であるFeCrCo磁石、アルニコ磁石は、保磁力が60〜200kA/mで小さく、200〜300kA/mの磁界で磁化できる。高保磁力永久磁石4であるNdFeB磁石は、保磁力が950kA/mと高く、2400kA/mの磁界で磁化できる。したがって、低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の1/10程度の磁界で着磁できる。本実施の形態では、固定子巻線21に通電時間が極短時間(100μs〜1ms程度)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、低保磁力永久磁石3に磁界を作用させる。着磁磁界を250kA/mとすると、理想的には低保磁力永久磁石3には十分な磁界が作用し、高保磁力永久磁石4には着磁による不可逆減磁はない。
初期状態では、低保磁力永久磁石3の鎖交磁束と高保磁力永久磁石4の鎖交磁束は同方向で加えあわせで増加する状態にある。そして、回転電機の電圧が供給電源の最大電圧の近傍、又は最大電圧を超える高速回転時になったときは、負のd軸電流をパルス的に流して図4に示すように低保磁力永久磁石3の磁化方向とは逆方向の磁界をかける。低保磁力永久磁石3は減磁するか、図5に示すように逆方向に磁化される。これにより、低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4の総和である鎖交磁束を減少させることができる。鎖交磁束量が減少するので回転電機の電圧は電源電圧上限よりも低くなり、電源電圧の上限値になるまでさらに高速回転で運転することが可能となる。
そして、d軸電流の大きさを変えて着磁磁界の強さを変化させることにより、低保磁力永久磁石3の磁化状態を変化させて、電圧を調整することができる。このとき、低保磁力永久磁石3は、磁力を低下させる状態、低保磁力の永久磁石の磁束を0にさせる状態、低保磁力の永久磁石の磁束を逆方向にさせる状態の3つの状態にすることができる。
一方、高保磁力永久磁石4は保磁力が低保磁力永久磁石3より10倍以上大きく、また本実施の形態では高保磁力永久磁石4に作用する着磁磁界は低保磁力永久磁石3の1/2になる。したがって、低保磁力永久磁石3を着磁する程度の磁界であれば、高保磁力永久磁石4は可逆減磁状態であり、着磁後でも高保磁力の永久磁石は初期の状態の磁束を維持できる。
出力を発生するときは、固定子巻線にq軸電流を流すことにより、q軸電流と永久磁石の磁束との磁気作用でトルクを発生させる。このとき、q軸電流による磁界が発生する。しかし、低保磁力永久磁石3はq軸方向に配置され、磁化方向はq軸方向とは直角方向であるので、低保磁力の永久磁石の磁化方向とq軸電流による磁界とは直交する方向になる。したがって、q軸電流による磁界の影響はわずかとなる。
(第17の実施の形態)本発明の第17の実施の形態は、図18に示したような構成の永久磁石式回転電機において、その電圧が供給電源の最大電圧以下となる低速回転時には、低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束が増加するように固定子巻線の電流が形成する磁界により低保磁力永久磁石3を磁化させ、回転電機の電圧が供給電源の最大電圧近傍又は超える高速回転時には、低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束が減じるように固定子巻線の電流が形成する磁界により低保磁力永久磁石3を磁化させ、永久磁石の鎖交磁束量を調整することを特徴とする。
本実施の形態に用いる低保磁力永久磁石3はFeCrCo磁石、又はアルニコ磁石を使用しており、高保磁力永久磁石4にはNdFeB磁石を使用する。本実施の形態で用いる低保磁力永久磁石3であるFeCrCo磁石、アルニコ磁石は、保磁力が60〜200kA/mで小さく、200〜300kA/mの磁界で磁化できる。高保磁力永久磁石4であるNdFeB磁石は、保磁力が950kA/mと高く、2400kA/mの磁界で磁化できる。したがって、低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の1/10の磁界で着磁できる。本実施の形態では、固定子巻線に通電時間が極短時間(100μs〜1ms程度)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、低保磁力永久磁石3に磁界を作用させる。着磁磁界を250kA/mとすると、理想的には低保磁力永久磁石3には十分な磁界が作用し、高保磁力永久磁石4には着磁による不可逆減磁はない。
低速回転時等で電源電圧の最大値に対して回転電機の電圧に余裕がある場合は、正のd軸電流による着磁磁界を発生させ、低保磁力永久磁石3を磁化させる。低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の鎖交磁束と同方向とし、加えあわせで増加する方向に磁化させる状態にする。永久磁石の鎖交磁束とq軸電流によりトルクが発生するので、永久磁石の鎖交磁束の増加によりトルクを増加することができる。
回転電機の電圧が電源の最大電圧近傍又は超える高速回転時には、第16の実施の形態と同様にして低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束が減じるように固定子巻線の電流が形成する磁界により低保磁力永久磁石3を磁化させ、永久磁石の鎖交磁束量を調整する。鎖交磁束量が減少するので回転電機の電圧は電源電圧最大値よりも低くなり、電源電圧の最大値になるまでさらに高速回転まで運転することが可能となる。
以上より、d軸電流を着磁電流として磁界を発生させ、d軸電流により低保磁力永久磁石3の鎖交磁束量を調整することにより、低速時に高トルクを発生さ、高出力で高速回転駆動を可能とし、高出力で低速から高速までの広範囲の可変速運転が可能な回転電機が得られる。
(第18の実施の形態)本発明の第20の実施の形態は、図18に示したような構成の永久磁石式回転電機20において、固定子巻線21のd軸電流が作る磁界で低保磁力永久磁石3の磁束量を調整し、低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束量を0にすることを特徴とする。
本実施の形態に用いる低保磁力永久磁石3はFeCrCo磁石、又はアルニコ磁石を使用しており、高保磁力永久磁石4にはNdFeB磁石を使用する。本実施の形態に用いる低保磁力永久磁石3であるFeCrCo磁石、アルニコ磁石は、保磁力が60〜200kA/mで小さく、200〜300kA/mの磁界で磁化できる。高保磁力永久磁石4であるNdFeB磁石は、保磁力が950kA/mと高く、2400kA/mの磁界で磁化できる。したがって、低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の1/10程度の磁界で着磁できる。
本実施の形態では、固定子巻線に通電時間が極短時間(100μs〜1ms程度)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、低保磁力永久磁石3に磁界を作用させる。着磁磁界を250kA/mとすると、理想的には低保磁力永久磁石3には十分な磁界が作用して着磁されるが、高保磁力永久磁石4は磁化されずにパルス電流が0になると可逆変化して元の状態に戻る。すなわち、低保磁力永久磁石3の鎖交磁束量は調整され、高保磁力永久磁石4の鎖交磁束量は一定になる。
そして、d軸電流による着磁磁界により低保磁力永久磁石3の磁束量を調整し、低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束量を0にする。永久磁石による鎖交磁束は0なので、外部から回転電機が連れ回された場合、永久磁石の鎖交磁束による鉄損が発生しない。さらに、ハイブリッド自動車や電車用駆動システムに従来の永久磁石モータを適用した場合、高速回転時に永久磁石による誘導電圧がインバータの電子部品の耐電圧以上になって電子部品を破損する。また、モータの電圧を電源電圧以下に保つため無負荷でも高速回転領域では常時弱め磁束電流を流し続ける必要があり、モータの総合効率が悪化する。
本実施の形態の永久磁石式回転電機をハイブリッド自動車や電車用駆動システムに適用した場合、永久磁石による鎖交磁束を0に調整できるので永久磁石の誘導電圧によるインバータの電子部品を破損することはなく、高速回転領域において無負荷で弱め磁束電流を常時流し続ける必要はない。
したがって、本実施の形態の回転電機を適用すれば、適用システムの信頼性が向上し、同時に高効率も得ることができる。
(第19の実施の形態)本発明の第19の実施の形態は、図18に示したような構成の永久磁石式回転電機20において、d軸電流で着磁されて最大の磁束量が得られたときの前記低保磁力永久磁石3が作る磁束量と、高保磁力永久磁石4が作る磁束量を同一とすることを特徴とする。
本実施の形態に用いる回転子1の低保磁力永久磁石3はFeCrCo磁石、又はアルニコ磁石を使用しており、高保磁力永久磁石4にはNdFeB磁石を使用する。
本実施の形態に用いる低保磁力永久磁石3であるFeCrCo磁石、アルニコ磁石は、保磁力が60〜200kA/mで小さく、200〜300kA/mの磁界で磁化できる。高保磁力永久磁石4であるNdFeB磁石は、保磁力が950kA/mと高く、2400kA/mの磁界で磁化できる。したがって、低保磁力永久磁石3は高保磁力永久磁石4の1/10の磁界で着磁できる。
本実施の形態では、固定子巻線に通電時間が極短時間(100μs〜1ms程度)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、低保磁力永久磁石3に磁界を作用させる。着磁磁界を250kA/mとすると、理想的には低保磁力永久磁石3には十分な磁界が作用して着磁されるが、高保磁力永久磁石4は磁化されずにパルス電流が0になると可逆変化して元の状態に戻る。すなわち、低保磁力永久磁石3の鎖交磁束量は調整され、高保磁力永久磁石4の鎖交磁束量は一定になる。
そして、第18の実施の形態に述べたように永久磁石の鎖交磁束量を0にできると回転電機の適用システムの信頼性が向上し、同時に高効率も得る大きな効果がある。これより、d軸電流による着磁磁界により低保磁力永久磁石3の磁束量を調整し、低保磁力永久磁石3と高保磁力永久磁石4による鎖交磁束量を0にする。
第19の実施の形態では保磁力の永久磁石3が作る磁束量と高保磁力永久磁石4が作る磁束量を同一としている。したがって、低保磁力永久磁石3の磁化方向は高保磁力永久磁石4の鎖交磁束と逆方向に鎖交磁束が生じる向きとして、低保磁力永久磁石3に250kA/m以上の着磁磁界をかけて完全着磁すればよい。つまり、250kA/m以上の着磁磁界とするのみで着磁電流の変動、着磁時の温度などの雰囲気条件を影響受けることなく、永久磁石の全鎖交磁束量を0にすることが確実に容易にできる。
尚、上記の第2以降の実施の形態における永久磁石の着磁方向については、図1に示した第1の実施の形態と同様である。
本発明の第1の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第1の実施の形態に使用した低保磁力永久磁石と高保磁力永久磁石の磁気特性を示す図。 本発明の第1の実施の形態における回転子の初期状態の永久磁石の磁束を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態における回転子のd軸電流による着磁磁界の磁束を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態における回転子のd軸電流による着磁磁界が作用した後の磁束を示す断面図。 本発明の第4の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第5の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第6の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第6の実施の形態における磁極の中心角αに対するトルクの変化を示した図。 本発明の第8の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第8の実施の形態の低保磁力永久磁石の長手方向の断面図。 本発明の第9の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第10の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第11の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第12の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第13の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第14の実施の形態の永久磁石式回転電機の回転子の断面図。 本発明の第1の実施の形態の回転子を採用した永久磁石式回転電機の断面図。 従来の埋め込み型永久磁石モータの回転子の断面図。
符号の説明
1 回転子
2 回転子鉄心
3 低保磁力永久磁石
3A 高保磁力永久磁石
3B 高保磁力永久磁石
4 高保磁力永久磁石
4A 低保磁力永久磁石
4B 高保磁力永久磁石
5 第1の空洞
6 第2の空洞
7 鉄心の磁極部
8 窪み部
9 磁気障壁
10 突起
11 スリット
12 スリット

Claims (16)

  1. 固定子巻線を設けた円筒状の固定子と、
    前記固定子内にエアギャップを介して挿入され、回転子鉄心中に前記固定子巻線の電流で作る磁界により不可逆的に磁束密度が変化する程度の保磁力を有する低保磁力永久磁石と前記低保磁力永久磁石の2倍以上の保磁力を有する高保磁力永久磁石とを配置した回転子とを備え、
    前記低保磁力永久磁石は前記回転子鉄心の中に埋め込まれ、かつ、磁極間の中心軸になるq軸と一致する前記回転子のほぼ半径方向に沿って配置され、半径方向に対して直角方向に磁化されており、
    前記高保磁力永久磁石は前記回転子鉄心の中に埋め込まれ、かつ、隣接する2個の低保磁力永久磁石により前記回転子の内周側において挟まれ、前記回転子のほぼ周方向に配置され、前記回転子の周方向に対してほぼ直角方向に磁化され、
    前記回転子の径方向断面において、前記低保磁力永久磁石と前記高保磁力永久磁石とが磁極部となる回転子鉄心部分を取り囲む配置であり、
    前記低保磁力永久磁石は前記固定子巻線にパルス的な電流を流すことにより、磁化方向と着磁力が変化し、当該低保磁力永久磁石の鎖交磁束量を前記高保磁力永久磁石の鎖交磁束と同方向の最大値から0まで、さらに逆方向の最大値まで変化し、かつ変化した後の磁力を保持するものであり、
    当該永久磁石式回転電機の駆動電圧が供給電源の最大電圧近傍では、前記低保磁力永久磁石と前記高保磁力永久磁石とによる全鎖交磁束量が減じるように前記固定子巻線のパルス的な電流が形成する磁界により前記低保磁力永久磁石を前記高保磁力永久磁石の磁化方向と同方向で減磁するよう磁化し、若しくは0となるように磁化し、若しくは前記高保磁力永久磁石の磁化方向と逆方向に増磁するように磁化し、前記永久磁石式回転電機の駆動電圧を前記供給電源の最大電圧よりも低くすることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 前記低保磁力永久磁石は前記回転子の磁極間の中心軸となるq軸に対して45°〜135°方向、又は−45°〜−135°方向に磁化されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
  3. 前記回転子が最高回転速度になったときの前記高保磁力永久磁石による逆起電圧を、当該永久磁石式回転電機の電源であるインバータ電子部品の耐電圧以下にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石式回転電機。
  4. 前記低保磁力永久磁石と高保磁力永久磁石との磁束量が最大の状態における前記高保磁力永久磁石による磁束量を、前記低保磁力永久磁石の最大磁束量よりも少なくしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  5. 前記回転子鉄心は、前記回転子の磁極中心軸となるd軸方向の磁気抵抗を小さくし、磁極間の中心軸になるq軸方向の磁気抵抗を大きくする形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  6. 前記回転子における前記低保磁力永久磁石の径方向外端部の磁気抵抗を高くしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  7. 前記低保磁力永久磁石の径方向外端部を除き、当該低保磁力永久磁石の前記外端部近傍のエアギャップ側鉄心部分を窪ませたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  8. 前記回転子鉄心の磁極中央部は前記回転子の最大半径の円弧で形成され、前記磁極中央部の円弧の中心角は電気角で90〜140度の範囲としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  9. 前記低保磁力永久磁石の磁化方向厚みは、前記高保磁力永久磁石の磁化方向厚みよりも薄くしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  10. 前記低保磁力永久磁石の磁化方向厚みは一定でないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  11. 前記低保磁力永久磁石の磁化方向厚みは段階的に異なることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  12. 前記低保磁力永久磁石はその回転子外周側の厚みが回転子内周側の厚みよりも薄くなる形状にしたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  13. 前記低保磁力永久磁石の径方向外端部に当該永久磁石の厚みよりも周方向に長い磁気障壁を設けたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  14. 前記回転子における磁極間の中心軸になるq軸方向の磁気抵抗を大きくするように当該回転子における磁極部の鉄心部分にスリットを設けたことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  15. 前記固定子巻線の電流が作る磁界で前記低保磁力永久磁石の磁束量を調整し、前記低保磁力永久磁石と前記高保磁力永久磁石による鎖交磁束量を0にしたことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  16. 前記低保磁力永久磁石及び高保磁力永久磁石は互いに作用する減磁界が小さくなるように前記回転子鉄心にスリットを設けたことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
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