JP6282849B2 - 乳化型エアゾール組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、乳化型エアゾール組成物に関する。さらに詳しくは、水性原液および液化ガスからなる乳化型エアゾール組成物であって、製造時の水性原液と液化ガスとの乳化が容易であり、長期間静置されてもパウダーのケーキングが起こりにくく再乳化しやすい乳化型エアゾール組成物に関する。
従来から乳化型エアゾール組成物における乳化のしやすさ、乳化安定性、再乳化性などを向上させることを目的として、種々のパウダーを乳化補助剤として含有するエアゾール組成物が検討されている。
例えば、特許文献1には、特定の平均一次粒子径を有するパウダーと液化ガスとを特定の重量比で含有するエアゾール組成物が記載されている。特許文献2には、比表面積の異なる2種のパウダーを含有する乳化型エアゾール組成物が記載されている。また、特許文献3には球状粉体を用いることで充填状態の均一性が促進され、吐出時の均一性が向上され、さらに、球状粉体を中空の球状粉体とすることでガスの気散を抑制できることが記載されている。
しかしながら、特許文献1および2のエアゾール組成物が含有するパウダーは真比重が大きいパウダーであるため、長期間静置した場合にパウダーが沈降して容器の底部で固まり(ケーキング)、使用するためにはパウダーを再分散させるために激しく振とうする必要があるという問題や、分散しきれずに固まったパウダーがエアゾールバルブなどの通路の途中で詰まり噴射出来なくなるという問題がある。また、特許文献3には真比重についての記載はなく、ケーキングを抑制することについては考慮されていない。
また、パウダーを含有するエアゾール組成物をポリエチレンテレフタレートなどの透明な合成樹脂製のエアゾール容器に充填した場合は、底部に沈降したパウダーが目立ちやすく、特に、エアゾール容器の耐圧強度を確保するために底部をペタロイド構造にした場合は、底部の凹部にパウダーが固く凝集し、攪拌球を入れても再乳化しにくいという問題がある。
特開2011−178685号公報 特開2013−112798号公報 特開平11−100308号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、製造時の水性原液と液化ガスとの乳化が容易であって取り扱いが容易であり、さらに長期間静置されてもパウダーのケーキングが起こりにくく再乳化しやすい乳化型エアゾール組成物を提供することを目的とする。
本発明は、界面活性剤およびパウダーを含有する水性原液ならびに液化ガスを含有し、水性原液と液化ガスとが乳化する乳化型エアゾール組成物であって、前記パウダーが、水性原液と液化ガスとが分離している状態では、水性原液と液化ガスとの間に存在する乳化型エアゾール組成物に関する。
前記パウダーの真比重が0.10〜0.80g/mlであることが好ましい。
前記パウダーが親水性であり、真比重が前記液化ガスの比重よりも小さいことが好ましい。
前記パウダーが中空構造であることが好ましい。
前記パウダーの比表面積が0.1〜70m/gであることが好ましい。
前記水性原液を10〜60質量%、前記液化ガスを40〜90質量%含有することが好ましい。
本発明によれば、パウダーを水性原液中に含有し、水性原液と液化ガスとが分離している状態ではパウダーを水性原液と液化ガスとの間に存在させることにより、水性原液と液化ガスとの乳化が容易となり製造しやすく、長期間静置してもケーキングが起こりにくく再乳化しやすい乳化型エアゾール組成物を提供することができる。
本発明の乳化型エアゾール組成物は、界面活性剤およびパウダーを含有する水性原液ならびに液化ガスを含有する乳化型エアゾール組成物である。
前記界面活性剤は、パウダーを分散させて水性原液と液化ガスとを乳化させる目的で用いられる。
前記界面活性剤としては、たとえば、POEモノラウレート、POEモノステアレート、POEモノオレエートなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、PEG−20ソルビタンココエート、POEソルビタンモノラウレート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリルモノステアレート、POEグリセリルモノオレエートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットテトラステアレート、POEソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEイソセチルエーテル、POEイソステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノミリステート、デカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルモノオレエート、デカグリセリルジオレエート、ヘキサグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルモノオレエートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン系界面活性剤、サーファクチンナトリウム、シクロデキストリン、水添酵素大豆レシチンなどの天然系界面活性剤、
などがあげられる。
前記界面活性剤の含有量は、水性原液中0.1〜15質量%であることが好ましく、さらには0.3〜10質量%であることが好ましい。前記界面活性剤の含有量が0.1質量%よりも少ない場合は水性原液と液化ガスとが乳化しにくくなる傾向があり、15質量%よりも多い場合は界面活性剤が皮膚上に残りやすく、べたつくなど使用感が悪くなる傾向がある。
前記パウダーは、製造時にエアゾール容器内で水性原液と液化ガスとを乳化しやすくする(初期乳化)、長期間静置されて水性原液と液化ガスとが分離しても、消費者が使用する前に簡単に振るだけで乳化する(再乳化)、吐出物中に液化ガスを長く保持させて氷結しやすくする、パチパチと泡が弾ける感触や音を強くするなど、吐出物の性能を高くするなどの目的で用いられる。
また、前記パウダーとして水性原液と液化ガスとが分離している状態では、水性原液と液化ガスとの間に存在するパウダーを用いることにより、エアゾール容器に充填された状態で長期間静置されて水性原液と液化ガスとが分離した場合であっても、容器の底部に沈降しない、つまりケーキングが起こりにくく再乳化しやすい乳化型エアゾール組成物とすることができる。
さらに、本発明の乳化型エアゾール組成物においては、前記パウダーとして表面が親水性であるパウダーを用いることにより、水性原液中に分散しやすく、液化ガスを充填するときの攪拌作用で乳化し始め、その後の水性原液と液化ガスとを乳化させる振とう工程を簡略化でき、乳化後エアゾール製品が倉庫などで長期保管された後でも再乳化しやすい乳化型エアゾール組成物とすることができる。
水性原液と液化ガスとが分離している状態において水性原液と液化ガスとの間に前記パウダーを存在させるためには、水性原液(パウダーを除く)および液化ガスの比重ならびにパウダーの真比重が、下記の式(1)または(2)の関係を満たすように組み合わせることが考えられる。
(1)液化ガスの比重<パウダーの真比重<水性原液(パウダーを除く)の比重
(2)水性原液(パウダーを除く)の比重<パウダーの真比重<液化ガスの比重
また、本発明によれば、前記の関係が、
パウダーの真比重<液化ガスの比重<水性原液(パウダーを除く)の比重
となる場合であっても、所定の真比重の範囲を満たす親水性パウダーを用いることで、水性原液と液化ガスとが分離しても、上層にある液化ガス中を浮上しようとするパウダーの浮力と、下層にある水性原液中に分散しようとするパウダー表面の親水基による親和力とのバランスにより、パウダーは液化ガスの上面に浮遊せずに水性原液と液化ガスとの界面に存在しやすくなるため、再乳化しやすい乳化型エアゾール組成物とすることができる。
前記パウダーの真比重は0.10〜0.80g/mlが好ましく、0.15〜0.70g/mlがより好ましい。真比重が0.10g/mlより小さい場合は、水性原液や液化ガスに比べて比重が小さ過ぎるために、水性原液と液化ガスとが分離したときに液化ガスの上面に浮遊してしまい再乳化しにくくなる傾向がある。また、0.80g/mlより大きい場合はエアゾール組成物の比重によっては容器の底部に沈降してしまうためケーキングが起きやすく、再乳化しにくくなる傾向がある。
前記パウダーの比表面積は0.1〜70m/gが好ましく、0.5〜60m/gがより好ましい。比表面積が0.1m/gよりも小さい場合は、接触面積が小さすぎるため、前述の効果が得られにくい傾向があり、70m/gよりも大きい場合は、パウダーの表面に他の成分が吸着しやすく、分散性が悪化する傾向、乳化しにくくなる傾向がある。なお、本発明における比表面積は、窒素を用いたBET法により測定される比表面積とする。
前記パウダーとしては、シリカビーズ、ガラスビーズ、樹脂ビーズなどがあげられ、なかでも、前記真比重に調整しやすい点から中空構造であることが好ましく、特に親水性に優れる点から中空シリカビーズや中空ガラスビーズが好ましい。
前記パウダーの含有量は、水性原液中0.01〜10質量%が好ましく、0.50〜5質量%がより好ましい。前記パウダーの含有量が0.01質量%よりも少ない場合はパウダーを含有する効果が得られにくくなる傾向がある。また、10質量%よりも多い場合は含有量が多くなり過ぎケーキングしやすくなる傾向がある。
前記水性原液には、製品の性能や目的などに応じて、有効成分、アルコール、水溶性高分子、pH調整剤、油分、その他のパウダーなどを含有することができる。
前記有効成分は、皮膚などに付着あるいは揮発して効果を発揮するもの、空間に放出されて効果を発揮するものであり、たとえば、l−メントール、カンフル、ミントオイルなどの清涼剤、クロタミトン、d−カンフルなどの鎮痒剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤、オキシコナゾール、クロトリマゾール、スルコナゾール、ビフォナゾール、ミコナゾール、イソコナゾール、エコナゾール、チオコナゾール、ブテナフィン、およびこれらの塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩などの抗真菌剤、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、リドカイン、塩酸リドカインなどの局所麻酔剤、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤、塩化カルプロニウム、トコフェロールおよび酢酸トコフェロールなどの誘導体、トウガラシチンキ、カンタリスチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ニコチン酸ベンジル、ミノキシジル、ベタメタゾン−17、21−ジプロピオネート、プロスタグランジンE2などの血行促進剤、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、アロエ抽出液、イチョウエキス、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、DL−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキスル、サリチル酸エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル、オクトクリレン、オキシベンゾン−3、オキシベンゾン−4、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリシリコン−15、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールなどの紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化亜鉛などの紫外線散乱剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤、グリシン、アラニン、ロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウムなどのビタミン類、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ハーブエキスなどの害虫忌避剤、緑茶エキス、柿タンニン、銀などの消臭成分、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルベタイン、ヤシ酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、などの脂肪酸アミドプロピルベタインなどのベタイン型、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルイミダゾール型;、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンなどのアミノ酸型、ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシドなどのアミンオキシド型などの両性界面活性剤、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などのアニオン系界面活性剤、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムおよびN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸などのN−アシルグルタミン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミンなどのN−アシルアラニン塩などのアミノ酸系界面活性剤などの洗浄剤、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などのトリートメント剤、香料などがあげられる。
前記有効成分を含有する場合の含有量は、水性原液中0.01〜30質量%であることが好ましく、さらには0.10〜25質量%であることが好ましい。前記有効成分の含有量が0.01質量%よりも少ない場合は有効成分の効果が得られにくく、30質量%よりも多い場合は乳化を阻害する場合がある。
前記アルコールは水に溶解しない有効成分の溶媒、吐出物の状態を調整するなどの目的で用いられ、たとえば、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数が2〜3個の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリンなどの2〜3価のポリオールなどがあげられる。
前記アルコールを含有する場合の含有量は、水性原液中0.1〜40質量%であることが好ましく、さらには0.3〜30質量%であることが好ましい。前記アルコールの含有量が0.1質量%よりも少ない場合はアルコールの効果が得られにくく、40質量%よりも多い場合は乳化しにくくなる傾向がある。
前記水溶性高分子は水性原液の粘性を高くし、パウダーを長く分散させる、吐出物中に液化ガスを長く保持させて水性原液を氷結しやすくする、パチパチと弾ける感触や音を強くするなどの目的で用いられる。
前記水溶性高分子としては、たとえば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどのガム質、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、アルギン酸ナトリウム、変性ポテトスターチ、カルボキシビニルポリマーなどがあげられる。
前記水溶性高分子を含有する場合の含有量は、水性原液中0.01〜5質量%であることが好ましく、さらには0.05〜3質量%であることが好ましい。前記水溶性高分子の含有量が0.01質量%よりも少ない場合は水溶性高分子の効果が得られにくく、5質量%よりも多い場合は粘度が高くなり乳化しにくくなる傾向、使用感が悪くなる傾向がある。
前記pH調整剤は、水性原液のpHを調整して皮膚への刺激を低減させ、金属製のエアゾール容器を腐食しにくくするなどの目的で用いられる。
前記pH調整剤としては、たとえば、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン(DEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)などの有機アルカリ、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリコール酸、乳酸、リン酸などの有機酸、塩酸などの無機酸などがあげられる。
前記pH調整剤を含有する場合、原液のpHが5〜9、さらには6〜8となるように含有することが好ましい。原液のpHが5よりも低い場合は容器が腐食されやすくなる傾向があり、pHが9よりも高くなると皮膚への刺激が強くなりやすくなる傾向がある。
前記油分は吐出物の状態を調整する、皮膚にうるおいを与えるなど、使用感を向上させる、水に溶解しにくい有効成分の溶媒としてなどの目的で用いられる。
前記油分としては、メドウフォーム油、オリーブ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジ−2−エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのなどのエステル油、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、流動パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素、およびこれらの混合物などがあげられる。
前記油分を含有する場合の含有量は、水性原液中0.1〜20質量%であることが好ましく、さらには0.2〜10質量%であることが好ましい。前記油分の含有量が0.1質量%よりも少ない場合は前記油分の効果が得られにくくなる傾向があり、20質量%よりも多い場合は乾燥性が悪くなる、べたつきやすくなるなど使用感が低下する傾向がある。
前記その他のパウダー(水性原液と液化ガスとが分離している状態で水性原液と液化ガスとの間に存在しないパウダー)は、皮膚に塗布する際にすべりを良くする、サラサラ感を付与するなど使用感を向上させる目的で本願発明の効果を阻害しない程度であれば配合してもよい。
水性原液と液化ガスとが分離している状態で水性原液と液化ガスとの間に存在しないパウダーとしては、水性原液と液化ガスの比重によるが、例えば真比重が0.10g/ml未満の各種パウダーや、真比重が0.80g/mlを超えるパウダーなどがあげられ、たとえば、タルク、カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、真比重が0.10g/ml未満のシリカ、真比重が0.80g/mlよりも大きいシリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、炭粉末、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、シリコーンパウダー、ポリエチレンパウダー、シリカビーズ、ガラスビーズ、樹脂ビーズなどがあげられる。
前記水性原液は、界面活性剤および必要に応じて含有する有効成分や、水溶性高分子などを水に添加して混合し、これにパウダーを添加して分散させることにより調製することができる。なお、水性原液(パウダーを除く)の20℃における比重は0.85〜1.0g/mlであることが好ましい。
前記水の含有量は水性原液中50〜99.5質量%であることが好ましく、さらには55〜99.0質量%であることが好ましい。水の含有量が50質量%よりも少ない場合は液化ガスと乳化しにくくなる傾向があり、99.5質量%よりも多い場合は界面活性剤やパウダーを必要量含有しにくくなる。
前記水性原液の含有量は、エアゾール組成物中10〜60質量%であり、15〜55質量%であることが好ましい。水性原液の含有量が10質量%よりも少ない場合は水性原液と液化ガスとが分離しやすくなり、60質量%よりも多い場合はエアゾール組成物(乳化物)の比重が大きくなって、パウダーとの比重差が大きくなり、パウダーが浮遊しやすくなる傾向がある。
前記液化ガスはエアゾール容器内では蒸気圧を有する液体であり、水性原液と乳化している。エアゾール容器から外部に吐出されると気化し、吐出物を冷却して氷結する、または吐出物を発泡、破泡させてパチパチと弾ける感触を付与する、破泡音を発する、など、所望の吐出形態にする。
前記液化ガスとしては、例えば、プロパン(20℃における液比重:0.50g/ml)、ノルマルブタン(20℃における液比重:0.58g/ml)、イソブタン(20℃における液比重:0.56g/ml)、イソペンタン(20℃における液比重:0.62g/ml)、ノルマルペンタン(20℃における液比重:0.63g/ml)などの炭素数が3〜5個の炭化水素;ジメチルエーテル(20℃における液比重:0.66g/ml);トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(20℃における液比重:1.19g/ml)などのハイドロフルオロオレフィン;およびこれらの混合物;などがあげられる。なかでも、水性原液と乳化しやすい点から炭素数が3〜5個の炭化水素、ハイドロフルオロオレフィンなどの親油性液化ガスを用いることが好ましく、特に、比重が小さく、パウダーの真比重との差が小さい炭素数が3〜5個の炭化水素を用いることが好ましい。なお、液化ガスの20℃における比重は0.50〜0.70g/mlが好ましい。
前記液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中40〜90質量%が好ましく、さらには45〜85質量%が好ましい。液化ガスの含有量が40質量%よりも少ない場合はエアゾール組成物(乳化物)の比重が大きくなり、パウダーの真比重との差が大きくなってパウダーが浮遊しやすくなり、90質量%よりも多い場合は水性原液と液化ガスとが分離しやすくなる傾向がある。
また、前記液化ガス以外に、容器内の圧力の調整、吐出状態の調整などを目的として圧縮ガスを含有することができる。圧縮ガスとしては、例えば、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、窒素ガス、圧縮空気などを含有することができる。
本発明の乳化型エアゾール組成物は、水性原液を耐圧容器に充填し、液化ガスをアンダーカップ充填した後、耐圧容器にエアゾールバルブを固着して密封し、エアゾール容器を振盪して水性原液と液化ガスとを乳化させることにより製造することができる。なお、水性原液を充填したのちにディップチューブ付きのエアゾールバルブを耐圧容器に固着し、エアゾールバルブから液化ガスを充填しても良い。この場合、液化ガスの充填により水性原液とエアゾール容器内で混合されて乳化が進むため、振盪工程をさらに容易または不要とすることができる。
本発明の乳化型エアゾール組成物は、パウダーを含有し、水性原液と液化ガスとが分離している状態で、パウダーが水性原液と液化ガスとの間に存在するため初期乳化しやすく、長期間静置してもパウダーが容器底部に沈降して固まる(ケーキング)ことがなく、消費者が使用するときに軽く振るだけで製造直後の乳化状態に戻り、設計通りの吐出物の効果が得られることから、やけど治療薬、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、皮膚保護剤、抗真菌剤、制汗剤、収斂剤、ほてり止め、冷却剤、日焼け止め、忌避剤、シャンプー、ヘアトリートメント、育毛剤などの皮膚や毛髪に塗布する人体用製品、芳香剤、消臭剤、花粉除去剤などの空間用製品などに好適に用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレートなどの透明な合成樹脂製の容器に充填しても外観を損なわないため、エアゾール組成物の外観を利用したデザインにすることができ、残量を目視で確認することができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
評価方法を下記に示す。
(1)乳化前のエアゾール組成物の状態
透明なガラス製耐圧容器(満注量100ml)を用いた試験用エアゾール製品を25℃の恒温室内に1日静置し、外観を下記基準で評価した。
○:パウダーが水性原液と液化ガスとの間に存在していた。
△:パウダーが水性原液中に浮遊し、一部が容器底部に沈降していた。
×:パウダーが容器底部に沈降していた。
(2)初期乳化
アルミニウム製耐圧容器(満注量100ml)を用いた各試験用エアゾール製品および各基準品を手で持ち、30cmの幅で上下に振り、1往復を1回として乳化するまでの回数を数え、各基準品の回数と各実施例および比較例の回数とを比較し、下記基準で評価した。
○:基準品の40%以下
△:基準品の41〜60%
×:基準品の61%以上
(3)再乳化
初期乳化試験に供したエアゾール製品を45℃の恒温室内に3箇月間静置し、このエアゾール製品を手に持ち、30cmの幅で上下に振り、1往復を1回として乳化するまでの回数を数え、下記基準で評価した。
○:3回振ると乳化した。
△:4〜10回振ると乳化した。
×:10回振っても乳化しなかった。
(4)再分散性(ケーキングの有無)
透明なガラス製耐圧容器(満注量100ml)を用いた試験用エアゾール製品を、水性原液と液化ガスとを乳化させた後、40℃の恒温室内に3箇月間静置し、このエアゾール製品を手に持ち、30cmの幅で上下に振り、1往復を1回としてパウダーが分散するまでの回数を数え、下記基準で評価した。
○:3回振るとパウダーが均一に分散した。
△:4〜10回振るとパウダーが均一に分散した。
×:10回振っても均一に分散しなかった。
実施例1〜5、比較例1〜3および基準品1<氷結タイプ>
表1に示す各水性原液を調製し、得られた水性原液を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量100ml)に10g(25質量%)ずつ充填し、エアゾールバルブを固着した。次いでチューブを備えていないエアゾールバルブから液化ガスを30g(75質量%)ずつ充填し、水性原液と液化ガスとが分離している試験用エアゾール製品を製造した。また、パウダーを精製水に置き換えたパウダーを配合しない水性原液を用いたエアゾール製品を基準品1(アルミニウム製耐圧容器使用)として製造した。得られた試験用エアゾール製品について前記(1)〜(4)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0006282849
*1:ノルマルブタンとイソブタンの混合物、20℃での蒸気圧:0.15MPa
*2:NIKKOL PBC−44(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
*3:HEC SE850(商品名)、ダイセルファインケム株式会社製
*4:SILICA MICRO BEAD BA−1(商品名)、日揮触媒化成株式会社製(真比重:0.5g/ml、比表面積:1m/g、親水性、中空シリカビーズ)
*5:3MグラスバブルズK20(商品名)住友スリーエム株式会社製
(真比重:0.2g/ml、比表面積:60m/g、親水性、中空ガラスビーズ)
*6:3MグラスバブルズS38(商品名)住友スリーエム株式会社製
(真比重:0.38g/ml、比表面積:40m/g、親水性、中空ガラスビーズ)
*7:3MグラスバブルズS60HS(商品名)住友スリーエム株式会社製
(真比重:0.6g/ml、比表面積:24m/g、親水性、中空ガラスビーズ)
*8:マツモトマイクロスフェアー M−600(商品名)、松本油脂製薬株式会社製(真比重:0.9g/ml、比表面積:8m/g、親水性、中空樹脂ビーズ)
*9:クラウンタルクPP(商品名)、松村産業株式会社製
(真比重:2.7g/ml、比表面積:1.5m/g、親水性)
*10:サイリシア710(商品名)、富士シリシア化学株式会社製
(真比重:2.2g/ml、比表面積:700m/g、親水性、多孔質シリカ)
*11:アエロジル#200(商品名)、日本アエロジル株式会社製
(真比重:2.2g/ml、比表面積:200m/g、親水性、多孔質シリカ)
Figure 0006282849
実施例6〜8、比較例4〜6および基準品2<弾ける泡タイプ>
表3に示す各水性原液を調製し、得られた水性原液を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量100ml)に12g(30質量%)ずつ充填し、エアゾールバルブを固着した。次いでチューブを備えていないエアゾールバルブから液化ガスを28g(70質量%)ずつ充填し、水性原液と液化ガスとが分離している試験用エアゾール製品を製造した。また、パウダーを精製水に置き換えたパウダーを配合しない水性原液を用いたエアゾール製品を基準品2(アルミニウム製耐圧容器使用)として製造した。得られた試験用エアゾール製品について前記(1)〜(4)の評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0006282849
*12:TL−10(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
*13:TS−10V(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
Figure 0006282849
実施例9〜11、比較例7〜9および基準品3<弾けるジェルタイプ>
表5に示す各水性原液を調製し、得られた水性原液を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量100ml)に16g(40質量%)ずつ充填し、エアゾールバルブを固着した。次いでチューブを備えていないエアゾールバルブから液化ガスを24g(60質量%)ずつ充填し、水性原液と液化ガスとが分離している試験用エアゾール製品を製造した。また、パウダーを精製水に置き換えたパウダーを配合しない水性原液を用いたエアゾール製品を基準品3(アルミニウム製耐圧容器使用)として製造した。得られた試験用エアゾール製品について前記(1)〜(4)の評価を行った。評価結果を表6に示す。
Figure 0006282849
*14:DC 345(商品名)、東レ・ダウコーニング株式会社製
Figure 0006282849
処方例1 冷却剤<氷結タイプ>
下記の原液17.5g(25質量%)をブリキ製耐圧容器(満注量:200ml)に充填し、エアゾールバルブを固着し、エアゾールバルブから液化ガス(*1)52.5g(75質量%)を充填してエアゾール製品を製造した。また、下記の原液8.75g(25質量%)を透明なガラス製耐圧容器(満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着し、エアゾールバルブから液化ガス(*1)26.25g(75質量%)を充填してエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE(20)POP(8)セチルエーテル(*2) 0.5
シリカ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.1
メチルパラベン 0.1
l−メントール 0.1
安息香酸ナトリウム 0.1
精製水 98.6
合計(質量%) 100.0
処方例2 ファンデーション<氷結タイプ>
下記の原液12g(30質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)26g(65質量%)を充填し、さらにジメチルエーテル2g(5質量%)を充填しエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE(20)POP(8)セチルエーテル(*2) 0.5
シリカ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.1
メチルパラベン 0.1
顔料 15.0
パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(*15) 3.0
オリーブ油(*16) 2.0
スクワラン(*17) 1.0
エタノール 5.0
香料 0.1
精製水 72.7
合計(質量%) 100.0
*15:エスカロール507(商品名)、ISPジャパン株式会社製
*16:クロダモル OL(商品名)、クローダジャパン株式会社製
*17:スクワラン(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
処方例3 冷感シャンプー<氷結タイプ>
下記の原液12g(30質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)10g(25質量%)を充填し、さらにジメチルエーテル18g(45質量%)を充填しエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
ラウロイルサルコシンナトリウム(*18) 10.0
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(*19) 5.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(*20) 10.0
シリカ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.5
ポリクオタニウム−10(*21) 0.1
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム(*22) 3.0
ジグリセリン(*23) 2.0
加水分解ハチミツタンパク(*24) 1.0
リンゴ酸(*25) 0.2
メチルパラベン 0.1
精製水 67.6
合計(質量%) 100.0
*18:ソイポンSLE(商品名)、川研ファインケミカル株式会社製
*19:NIKKOL BO−20V(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
*20:エマール270J(商品名)、花王株式会社製
*21:マーコート10(商品名)、ナルコジャパン株式会社製
*22:ヒアロベール(商品名)、キューピー株式会社製
*23:ジグリセリン 801(商品名)、阪本薬品工業株式会社製
*24:ハニーテイン(商品名)、片倉チッカリン株式会社製
*25:リンゴ酸フソウM(商品名)、扶桑化学化学工業株式会社製
処方例4 ボディ用化粧水<弾けるジェルタイプ>
下記の原液16g(40質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)24g(60質量%)を充填し、さらにエアゾールバルブから、炭酸ガスを平衡圧で0.6MPaとなるように充填してエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
PEG−20ソルビタンココエート(*12) 0.5
シリカ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.5
メチルパラベン 0.1
シクロペンタシロキサン(*14) 5.0
グリセリン 3.0
l−メントール 0.1
ヒアルロン酸 0.5
エタノール 20.0
精製水 69.8
合計(質量%) 100.0
処方例5 ヘアトリートメント<弾ける泡タイプ>
下記の原液12g(30質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)28g(70質量%)を充填し、さらにエアゾールバルブから、炭酸ガスを平衡圧で0.6MPaとなるように充填してエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE(20)セチルエーテル(*26) 2.0
POE硬化ヒマシ油(*27) 2.0
シリカ(*4) 0.5
メチルパラベン 0.1
ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール(*28) 3.0
ジメチコン(*29) 1.0
プロピレングリコール 3.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム(*30) 0.5
l−メントール 0.1
香料 0.1
エタノール 10.0
精製水 77.7
合計(質量%) 100.0
*26:NIKKOL BC−20(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
*27:NIKKOL HCO−60(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
*28:Neosolue MP(商品名)、日本精化株式会社製
*29:SH 200(商品名)、東レ・ダウコーニング株式会社製
*30:カチナールCTC−70ET(商品名)、東邦化学工業株式会社製
処方例6 育毛剤<弾ける泡タイプ>
下記の原液12g(30質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)28g(70質量%)を充填してエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE(20)POP(8)セチルエーテル(*2) 1.0
シリカ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.5
メチルパラベン 0.1
プロピレングリコール 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
l−メントール 0.1
センブリエキス 0.1
イチョウエキス 0.1
アロエ抽出液 0.1
ミノキシジル 1.0
ヒアルロン酸 0.1
香料 0.1
エタノール 20.0
精製水 73.8
合計(質量%) 100.0
処方例7 育毛剤<弾ける泡タイプ>
下記の原液12g(30質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)22g(55質量%)を充填し、さらにジメチルエーテル6g(15質量%)を充填しエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE(20)POP(8)セチルエーテル(*2) 0.5
シリカ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.5
メチルパラベン 0.1
プロピレングリコール 3.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
l−メントール 0.1
センブリエキス 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
香料 0.1
エタノール 20.0
精製水 74.5
合計(質量%) 100.0
処方例8 害虫忌避剤<弾ける泡タイプ>
下記の原液12g(30質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)22g(55質量%)を充填し、さらにジメチルエーテル6g(15質量%)を充填しエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE(20)POP(8)セチルエーテル(*2) 0.5
シリカ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.3
ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール(*28) 3.0
N,N−ジメチルトルアミド 5.0
エタノール 10.0
精製水 80.7
合計(質量%) 100.0
処方例9 日焼け防止剤<弾けるジェルタイプ>
下記の原液16g(40質量%)をポリエチレンテレフタレート製耐圧容器(満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)24g(60質量%)を充填してエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品を用いて上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE−20ソルビタンココエート(*12) 1.0
シリカ(*4) 3.0
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.5
メチルパラベン 0.1
シクロペンタシロキサン(*31) 3.0
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(*32) 6.0
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル/
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(*33) 4.0
微粒子酸化チタン(*34) 2.0
微粒子酸化亜鉛(*35) 2.0
架橋ポリメタクリル酸メチル(*36) 0.5
l−メントール 0.1
ヒアルロン酸 0.1
エタノール 20.0
精製水 57.7
合計(質量部) 100.0
*31:SH 245(商品名)、東レ・ダウコーニング株式会社製
*32:パルソールMCX(商品名)、DSMニュートリションジャパン株式会社製
*33:Uvinul A plus B(商品名)、BASFジャパン株式会社製
*34:MT−100AQ(商品名)、テイカ株式会社製
*35:MZ−500HP(商品名)、テイカ株式会社製
*36:テクポリマーMBP−8(商品名)、積水化成品工業株式会社製
処方例10 消炎鎮痛剤<弾ける泡タイプ>
下記の原液16g(40質量%)をポリエチレンテレフタレート製の耐圧容器(満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)24g(60質量%)を充填してエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品を用いて上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE−20ソルビタンココエート(*12) 1.0
POE硬化ヒマシ油(*27) 1.0
POE(20)セチルエーテル(*20) 1.0
POE(2)ラウリルエーテル(*37) 1.0
シリカ(*4) 1.0
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.2
メチルパラベン 0.1
l−メントール 2.0
サリチル酸メチル 4.0
香料 0.1
エタノール 15.0
精製水 73.6
合計(質量部) 100.0
*37:NIKKOL BL−2(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
処方例11 冷却剤<氷結タイプ>
下記の原液15g(30質量%)を透明なガラス製耐圧容器およびアルミニウム製耐圧容器(いずれも満注量:100ml)に充填し、エアゾールバルブを固着した。そして、エアゾールバルブから液化ガス(*1)17.5g(35質量%)を充填し、さらにハイドロフルオロオレフィン(*38)17.5g(35質量%)を充填しエアゾール製品を製造した。得られたエアゾール製品について上記の評価を行った。評価結果を表7に示す。なお、下記原液からパウダーを抜いた原液を用いたものを基準品として評価した。
<原液>
POE(20)POP(8)セチルエーテル(*2) 0.5
中空シリカビーズ(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(*3) 0.1
メチルパラベン 0.1
エタノール 2.0
精製水 96.8
合計(質量%) 100.0
*38:トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(HFO−1234Ze(e))
Figure 0006282849

Claims (4)

  1. 界面活性剤およびパウダーを含有する水性原液ならびに液化ガスを含有し、
    水性原液と液化ガスとが乳化する乳化型エアゾール組成物であって、
    前記パウダーは、親水性であり、中空構造であり、かつ、シリカビーズまたはガラスビーズを含み、
    前記パウダーの真比重は、0.10〜0.70g/mlであり、
    前記界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記パウダーが水性原液と液化ガスとが分離している状態では、水性原液と液化ガスとの間に存在する乳化型エアゾール組成物。
  2. 前記パウダー真比重が前記液化ガスの比重よりも小さい請求項記載の乳化型エアゾール組成物。
  3. 前記パウダーの比表面積が0.1〜70m2/gである請求項1または2記載の乳化型エアゾール組成物。
  4. 前記水性原液を10〜60質量%、前記液化ガスを40〜90質量%含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の乳化型エアゾール組成物。
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