JP6278405B2 - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、両側帯波を用いた放送、通信において、上側帯波帯域又は下側帯波帯域の一方の帯域にのみ雑音が重畳される環境において、復調時にこの雑音を除去するようにした信号処理装置及び信号処理方法に関する。
雑音が重畳された所望の放送波から雑音を除去して所望の放送波を復調する方法として、下記特許文献に記載の技術が知られている。下記特許文献1は、他方のアンテナに比べて放送波を強く受信して第1信号を得る第1アンテナと、他方のアンテナに比べて雑音を強く受信して第2信号を得る第2アンテナとを用いて、合成後の信号レベルが小さくなるように、第2信号の振幅と位相とを調整して、第1信号に合成する技術である。この技術では、第2信号の振幅と位相の調整は、所望の放送波の受信レベルがある閾値より小さい場合に行っている。すなわち、雑音電力が放送波の電力よりも大きい場合に、合成信号のレベルが小さくなるように、第2信号の振幅と位相とを調整するものである。両アンテナが同一の雑音源から雑音を受信しているので、両アンテナで受信される雑音の振幅と位相は、雑音源との各アンテナとの距離の差に応じて異なる。これを補償するために、第2信号の振幅を第1信号の振幅と一致させ、第2信号の位相を第1信号の位相に対してπだけ位相を変化させて、第1信号に対して逆相で第2信号を合成している。このように第2信号の増幅率と位相とを調整すれば、所望の放送波を受信できる状態になった場合にも、受信された放送波から雑音がキャンセルされた信号を得ることができる。
また、下記特許文献2の技術は、車両に搭載されたラジオ受信機によるAMラジオ放送波の受信において、AMラジオ放送波に車両の電子機器から発せられるパルス性の雑音が混入するが、このパルス性の雑音を除去する技術である。この技術では、まず、AMラジオ放送波帯域以外の帯域におけるパルス雑音を検出して、そのパルス雑音の周期の大きさやレベルの変動幅を求めることで、雑音源を特定している。そして、その雑音源に応じて、パルス雑音が重畳された放送波において、放送波周波数付近のパルス雑音の高調波の帯域、雑音周期の帯域を、パルス雑音の時間幅に対応した時間だけ、減衰させることで、AMラジオ放送を聞く人に、パルス性雑音による不快感を与えないようにしている。
特開2012−257155 特許第5012246
特許文献1の技術は、2本のアンテナを用いて、雑音のみが受信できるようにして、2つのアンテナの受信信号の合成信号のレベルが小さくなるように、予め調整しておくという技術である。このため、特許文献1の技術は、雑音をキャンセルするために2本のアンテナを必要とし、雑音を除去するための設定は、所望の放送波の受信レベルが雑音除去の調整に影響を与えないように、受信レベルが小さい環境で行う必要がある。また、雑音の周波数特性に関係なく、一律に、第2信号の振幅と位相とを調整しているので、雑音は完全には除去されない。また、PWM方式によるDC−DCコンバータの場合には、基本周期は変わらなくとも、パルス幅の変化により雑音の周波数特性は変化する。このため、特許文献1の方法では、雑音を完全には除去できない。
また、特許文献2の技術は、放送波帯域以外の帯域でパルス雑音を検出して、その検出タイミングで、パルス幅に応じた時間だけ、雑音の種類に応じた適性な周波数帯域を減衰させるという技術である。したがって、本質的には、放送波もパルス雑音の期間だけ減衰されることになる。これが、AMラジオ放送を聞く人に違和感を与える原因となる。
そこで、本発明の目的は、両側帯波を用いた放送、通信において、上側帯波帯域又は下側帯波帯域の一方の帯域にのみ雑音が重畳される環境において、復調時にこの雑音を精密に除去するようにすることである。
上記課題を解決するための本第1の発明は、両側帯波信号を受信して、RF帯域における一方の側帯波にのみ重畳する雑音を除去する信号処理装置において、両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンド信号に復調する復調手段と、復調手段の出力する同相成分のうち正周波数帯域と負周波数帯域のうち一方の周波数帯域の複素数の片帯域信号成分を抽出する同相成分帯域抽出手段と、復調手段の出力する直交成分のうち正周波数帯域と負周波数帯域のうち一方の周波数帯域の複素数の片帯域雑音成分を抽出する直交成分帯域抽出手段と、直交成分帯域抽出手段の出力する片帯域雑音成分に基づいて、同相成分帯域抽出手段の出力する片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する雑音除去手段とを有し、雑音除去手段は、同相成分帯域抽出手段により抽出された片帯域信号成分と直交成分帯域抽出手段により抽出された片帯域雑音成分とにおいて、一方と他方の複素共役との積の移動時間平均の値の符号を求める符号演算手段と、直交成分帯域抽出手段により抽出された片帯域雑音成分を、符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる位相回転手段と、同相成分帯域抽出手段の出力する片帯域信号成分に、位相回転手段の出力する位相回転雑音成分を合成して、片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する合成手段とを有することを特徴とする信号処理装置である。
本発明の要旨は、直交成分には信号成分が含まれず雑音成分のみが現れることに注目して、直交成分から同相成分に重畳された雑音成分を除去することである。雑音成分の除去は時間軸上又は周波数軸上、又は、その両者の組み合わせにより行うことができる。
記本発明において位相の符号は、正周波数帯域、負周波数帯域に係わらず、複素座標系における位相の符号、すなわち、左回転方向を正として定義する。
本発明は、次の原理を用いて、復調後の信号から雑音を除去するものである。直交多重化していない両側帯波(例えば、AM放送波)を直交復調した場合に、ベースバンドの同相成分には信号成分と雑音成分が現れ、直交成分には信号成分が現れず、雑音成分のみが現れる。
1.上側帯波帯域にのみ雑音が重畳され、直交成分の正周波数帯域の雑音成分を抽出する場合。
雑音成分に関して、直交復調後の同相成分も直交成分も実関数であるので、ベースバンドにおける雑音成分のスペクトルは、正周波数帯域と負周波数帯域とで、互いに複素共役の関係にある。すなわち、同相成分の雑音成分について、スペクトルの周波数ωでの振幅A(ω)と位相φr (ω)は、周波数(−ω)での振幅A(−ω)と位相{−φr (−ω)}に等しい。また、直交成分の雑音成分のスペクトルに関して、振幅は同相成分の雑音成分の振幅に等しく、周波数ωでの振幅A(ω)と位相φi (ω)は、周波数(−ω)での振幅A(−ω)と位相{−φi (−ω)}に等しい。そして、RF帯域において上側帯波帯域にのみ雑音が重畳される場合には、直交成分の雑音成分は、同相成分の雑音成分に対して、正周波数帯域も負周波数帯域も、時間軸上において、位相がπ/2だけ遅れている。すなわち、次式が成立する。
φi (ω)=φr (ω)−π/2、
−φi (−ω)=−φr (−ω)−π/2、
φi (−ω)=φr (−ω)+π/2=−φr (ω)+π/2
ただし、位相φは、複素座標系における左回転方向を正としている。正周波数領域では波動ベクトルは正方向に回転し、負周波数帯域では、波動ベクトルは負方向に回転していると定義する。
この関係は、全正周波数帯域の周波数に対して成立する。したがって、正周波数帯域の直交成分の雑音成分A(ω)exp(j φi (ω))の時間波形(複素関数)fi + (t)が分かれば、その雑音成分の各周波数成分の位相をπ/2だけ進めた時間波形を、正周波数帯域の同相成分(信号成分+雑音成分)から、減算すれば、同相成分の雑音成分A(ω)exp(j φr (ω))の時間波形(複素関数)fr + (t)を除去できる。具体的には、正周波数帯域の同相成分(すなわち、信号成分F+ (t)+雑音成分fr + (t))から、jfi + (t)を減算すれば、同相成分の信号成分F+ (t)が得られる。両側帯波では、片帯域の成分だけでも、信号を復調できるので、F+ (t)の実部により、上記の処理により信号の復調が可能となる。
2.上側帯波帯域にのみ雑音が重畳され、直交成分の負周波数帯域の雑音成分を抽出する場合。
直交成分の雑音成分の抽出は、負周波数帯域について行っても良い。すなわち、負周波数帯域の直交成分の雑音成分A(−ω)exp(j φi (−ω))の時間波形(複素関数)fi - (t)が分かれば、その雑音成分の各周波数成分の位相をπ/2だけ進めた時間波形を、負周波数帯域の同相成分(信号成分+雑音成分)から、減算すれば、同相成分の雑音成分A(−ω)exp(j φr (−ω))の時間波形(複素関数)fr - (t)を除去できる。具体的には、負周波数帯域の同相成分(すなわち、信号成分F- (t)+雑音成分f- (t))から、−jfi - (t)を減算すれば、同相成分の信号成分F- (t)が得られる。このように、直交成分の雑音成分の抽出は、正周波数帯域、負周波数帯域の何れか一方の帯域で行うことができる。
3.上側帯波帯域に雑音が重畳された場合において、抽出した直交成分の帯域とは別の帯域の同相成分を補正する場合
直交成分の雑音成分の負周波数帯域を抽出して、同相成分の正周波数帯域の信号を補正するようにしても良い。φr (ω)=−{φi (−ω)−π/2}の関係があるので、負周波数帯域の直交成分の雑音成分A(−ω)exp(j φi (−ω))の時間波形fi - (t)の各周波数成分の位相をπ/2だけ進めた時間波形の複素共役を、正周波数帯域の同相成分から、減算すれば、同相成分の雑音成分の時間波形(複素関数)fr + (t)を除去できる。具体的には、正周波数帯域の同相成分(すなわち、信号成分F+ (t)+雑音成分f+ (t))から、{−jfi - (t)}* を減算すれば、同相成分の信号成分F+ (t)が得られる。ただし、*は、複素共役演算を表す。
逆に、直交成分の雑音成分の正周波数帯域を抽出して、同相成分の負周波数帯域の信号を補正するようにしても良い。φr (−ω)=φi (−ω)−π/2=−{φi (ω)+π/2}の関係があるので、正周波数帯域の直交成分の雑音成分A(ω)exp(j φi (ω))の時間波形fi + (t)の各周波数成分の位相をπ/2だけ進めた時間波形の複素共役を、負周波数帯域の同相成分(信号成分+雑音成分)から、減算すれば、同相成分の雑音成分A(−ω)exp(j φr (−ω))の時間波形(複素関数)fr - (t)を除去できる。具体的には、負周波数帯域の同相成分から、{jfi + (t)}* を減算すれば、同相成分の信号成分F- (t)が得られる。
このように、直交成分の雑音成分の抽出は、正周波数帯域、負周波数帯域の何れか一方の帯域で行い、π/2の位相を進ませた直交成分を同一符号の帯域の同相成分に、又は、π/2位相を進ませた直交成分の複素共役を異符号の帯域の同相成分に、それぞれ合成することで同相成分に重畳された雑音が除去できる。
4.下側帯波帯域にのみ雑音が重畳され、直交成分の正周波数帯域の雑音成分を抽出する場合。
上側帯波にのみ雑音が重畳される場合と比較して、正周波数帯域と負周波数帯域との関係が逆になるだけである。したがって、上式のωを−ωに置換して、次の式が成立する。
−φi (−ω)=−φr (−ω)+π/2、
φi (ω)=φr (ω)+π/2、
φi (ω)=φr (ω)+π/2=−φr (−ω)+π/2
そして、RF帯域において下側帯波帯域にのみ雑音が重畳される場合には、直交成分の雑音成分は、同相成分の雑音成分に対して、正周波数帯域も負周波数帯域も、時間軸上において、位相がπ/2だけ進んでいる。したがって、上側帯波帯域に雑音が重畳した場合に比べて、抽出した直交成分に掛ける因子(j)、(−j)が逆になるだけで、同様に、同相成分に重畳した雑音を除去できる。
正周波数帯域の直交成分の雑音成分の時間波形fi + (t)が分かれば、その雑音成分の各周波数成分の位相をπ/2だけ遅らせた時間波形を、正周波数帯域の同相成分から、減算すれば、同相成分の雑音成分の時間波形(複素関数)fr + (t)を除去できる。具体的には、正周波数帯域の同相成分から、−jfi + (t)を減算すれば、同相成分の信号成分F+ (t)が得られる。
5.下側帯波帯域にのみ雑音が重畳され、直交成分の負周波数帯域の雑音成分を抽出する場合。
直交成分の雑音成分の抽出は、負周波数帯域について行っても良い。この場合も、直交成分の雑音成分は、同相成分の雑音成分に対して、時間軸上において、位相がπ/2だけ進んでいるので、上側帯波帯域に雑音が重畳した場合に比べて、抽出した直交成分に掛ける因子(j)、(−j)が逆になるだけで、同様に、同相成分に重畳した雑音を除去できる。負周波数帯域の直交成分の雑音成分の時間波形(複素関数)fi - (t)が分かれば、その雑音成分の各周波数成分の位相をπ/2だけ遅らせた時間波形を、負周波数帯域の同相成分から、減算すれば、同相成分の雑音成分の時間波形(複素関数)fr - (t)を除去できる。具体的には、負周波数帯域の同相成分から、jfi - (t)を減算すれば、同相成分の信号成分F- (t)が得られる。このように、直交成分の雑音成分の抽出は、正周波数帯域、負周波数帯域の何れか一方の帯域で行うことができる。
6.下側帯波帯域に雑音が重畳された場合において、抽出した直交成分の帯域とは別の帯域の同相成分を補正する場合
上側帯波に雑音が重畳した場合と同様に、直交成分の雑音成分の負周波数帯域を抽出して、同相成分の正周波数帯域の信号を補正するようにしても良い。φr (ω)=−{φi (−ω)+π/2}の関係があるので、負周波数帯域の直交成分の雑音成分の時間波形(複素関数)fi - (t)の各周波数成分の位相をπ/2だけ遅らせた時間波形の複素共役を、正周波数帯域の同相成分から、減算すれば、同相成分の雑音成分の時間波形(複素関数)fr + (t)を除去できる。具体的には、正周波数帯域の同相成分から、{jfi - (t)}* を減算すれば、同相成分の信号成分F+ (t)が得られる。
逆に、直交成分の雑音成分の正周波数帯域を抽出して、同相成分の負周波数帯域の信号を補正するようにしても良い。φr (−ω)=−φi (ω)+π/2の関係があるので、正周波数帯域の直交成分の雑音成分の時間波形fi + (t)の各周波数成分の位相をπ/2だけ遅らせた時間波形の複素共役を、負周波数帯域の同相成分から、減算すれば、同相成分の雑音成分の時間波形fr - (t)を除去できる。具体的には、負周波数帯域の同相成分から、{−jfi + (t)}* を減算すれば、同相成分の信号成分F- (t)が得られる。
このように、直交成分の雑音成分の抽出は、正周波数帯域、負周波数帯域の何れか一方の帯域で行い、π/2の位相を遅らせた直交成分を同一符号の帯域の同相成分に、又は、π/2位相を遅らせた直交成分の複素共役を異符号の帯域の同相成分に、それぞれ合成することで同相成分に重畳された雑音が除去できる。
7.位相回転処理と合成処理を周波数空間で行う場合。
次のように、位相回転処理と合成処理は、周波数空間で行って、結果をフーリエ逆変換することで、雑音が除去された時間軸上の復調信号を得るようにしても良い。
直交成分の正周波数帯域における雑音成分をフーリエ変換してスペクトルを求めて、直交成分のスペクトルを求めることができる。このスペクトルにj、又は、−jを掛ければ、雑音成分の同相成分のスペクトルが得られる。正周波数帯域における同相成分(信号+雑音)をフーリエ変換して、同相成分のスペクトルを求めることができる。同相成分のスペクトルから同相成分の雑音成分のスペクトルを減算して、フーリエ逆変換すれば、雑音が除去された正周波数帯域の信号波形を得ることができる。負周波数帯域においても同様である。
本発明は上記の原理に基づくものである。
本発明において、同相成分の雑音成分と直交成分の雑音成分の相互相関の結果は、j、又は、−jとなる。同相成分の雑音成分を、検出された直交成分の雑音成分から除去するに当たり、π/2の位相の符号を決定するものである。上述したように、正周波数帯域の同相成分の雑音成分の位相は、直交成分の位相、負周波数帯域における直交成分の位相、負周波数帯域の同相成分の雑音成分の位相とは、一意的関係にある。したがって、相互相関値の演算は、必ずしも、同一符号の周波数帯域間で行う必要はない。
また、本発明において、相互相関演算手段は、同相成分帯域抽出手段の出力する片帯域信号成分と直交成分帯域抽出手段により抽出された片帯域雑音成分とにおいて、一方と他方の複素共役との積の移動時間平均により相互相関値を演算するようにしても良い。複素演算による相互相関演算の具体例である。
また、本発明において、合成手段は、位相回転雑音成分と、同相成分帯域抽出手段により抽出された片帯域信号成分とを合成するようにしても良い。すなわち、正周波数帯域と負周波数帯域の何れか一方の帯域について、雑音を除去する。この場合には雑音の除去されたSSBが得られる。
また、第2の発明は、両側帯波信号を受信して、RF帯域における一方の側帯波にのみ重畳する雑音を除去する信号処理装置において、両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンド信号に復調する復調手段と、復調手段の出力する同相成分の正周波数帯域と負周波数帯域のうち一方の周波数帯域を第1片帯域信号成分として抽出する第1同相成分帯域抽出手段と、復調手段の出力する同相成分において、第1片帯域信号成分に対して、他方の周波数帯域第2片帯域信号成分として抽出する第2同相成分帯域抽出手段と、復調手段の出力する直交成分のうち正周波数帯域と負周波数帯域のうち一方の周波数帯域を片帯域雑音成分として抽出する直交成分帯域抽出手段と、直交成分帯域抽出手段の出力する片帯域雑音成分に基づいて、第1同相成分帯域抽出手段の出力する第1片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第1雑音除去手段と、直交成分帯域抽出手段の出力する片帯域雑音成分に基づいて、第2同相成分帯域抽出手段の出力する第2片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第2雑音除去手段とを有し、第1雑音除去手段は、直交成分帯域抽出手段により抽出された片帯域雑音成分と第1同相成分帯域抽出手段により抽出された第1片帯域信号成分との相互相関値の符号を演算する符号演算手段と、直交成分帯域抽出手段により抽出された片帯域雑音成分を、符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる位相回転手段と、第1同相成分帯域抽出手段の出力する第1片帯域信号成分に、位相回転手段の出力する位相回転雑音成分を合成して、第1片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第1合成手段とを有し、第2雑音除去手段は、位相回転手段の出力する位相回転雑音成分の複素共役を演算する位相反転手段と、第2同相成分帯域抽出手段の出力する第2片帯域信号成分に、位相反転手段の出力する位相反転雑音成分を合成して、第2片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第2合成手段と、を有し、第1合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第1片帯域信号成分と第2合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第2片帯域信号成分とを合成する第3合成手段とを有するとを特徴とする信号処理装置である。
片帯域雑音成分と、同相成分の正周波数帯域の雑音成分と負周波数帯域の雑音成分とは、π/2の位相回転や、位相回転後の複素共役(すなわち、位相反転)で、一意的に決定される。したがって、この態様では、直交成分において、正周波数帯域又は負周波数帯域のうちの一方の帯域から抽出された片帯域雑音成分に基づいて、同相成分の片帯域又は両帯域の信号から雑音を除去することができる。
また、第3の発明は、両側帯波信号を受信して、RF帯域における一方の側帯波にのみ重畳する雑音を除去する信号処理装置において、両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンド信号に復調する復調手段と、復調手段の出力する同相成分の正周波数帯域と負周波数帯域のうち一方の周波数帯域を第1片帯域信号成分として抽出する第1同相成分帯域抽出手段と、復調手段の出力する同相成分において、第1片帯域信号成分に対して他方の周波数帯域第2片帯域信号成分として抽出する第2同相成分帯域抽出手段と、復調手段の出力する直交成分の正周波数帯域と負周波数帯域のうち、第1片帯域信号成分と同一符号の周波数帯域第1片帯域雑音成分として抽出する第1直交成分帯域抽出手段と、復調手段の出力する直交成分において、第1片帯域雑音成分に対して他方の周波数帯域第2片帯域雑音成分として抽出する第2直交成分帯域抽出手段と、第1直交成分帯域抽出手段の出力する第1片帯域雑音成分に基づいて、第1同相成分帯域抽出手段の出力する第1片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第1雑音除去手段と、第2直交成分帯域抽出手段の出力する第2片帯域雑音成分に基づいて、第2同相成分帯域抽出手段の出力する第2片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第2雑音除去手段と、を有し、第1雑音除去手段は、第1直交成分帯域抽出手段により抽出された第1片帯域雑音成分と第1同相成分帯域抽出手段により抽出された第1片帯域信号成分との相互相関値の符号を演算する第1符号演算手段と、第1直交成分帯域抽出手段により抽出された第1片帯域雑音成分を、第1符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる第1位相回転手段と、第1同相成分帯域抽出手段の出力する第1片帯域信号成分に、第1位相回転手段の出力する第1位相回転雑音成分を合成して、第1片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第1合成手段とを有し、第2雑音除去手段は、第2直交成分帯域抽出手段により抽出された第2片帯域雑音成分と第2同相成分帯域抽出手段により抽出された第2片帯域信号成分との相互相関値の符号を演算する第2符号演算手段と、第2直交成分帯域抽出手段により抽出された第2片帯域雑音成分を、第2符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる第2位相回転手段と、第2同相成分帯域抽出手段の出力する第2片帯域信号成分に、第2位相回転手段の出力する第2位相回転雑音成分を合成して、第2片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第2合成手段と、第1合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第1片帯域信号成分と第2合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第2片帯域信号成分とを合成する第3合成手段とを有することを特徴とする信号処理装置である。
この場合には、正周波数帯域と負周波数帯域の同相成分から、雑音を共に除去することができる。したがって、雑音が除去された両側帯波として復調することができるので、受信感度が向上する。
また、第1位相回転手段及び第2位相回転手段による回転位相の符号は、一方の位相回転手段による位相回転の符号により、他方の位相回転手段による位相回転の符号も決定しても良い。すなわち、ベースバンドにおける一方の周波数帯域の直交成分の雑音成分により決定された位相の回転符号は、他方の周波数帯域の直交成分の雑音成分により決定された位相の回転符号とは異付号であるので、一方の周波数帯域の信号処理により位相の回転符号を決定することができる。
本発明において、復調手段は、直交復調後の直交成分に含まれる、変調搬送波に対する復調搬送波の誤差周波数のビート信号が零となるように、復調搬送波の周波数と位相を制御するフェーズロックドループ部を有することが望ましい。同期検波を実行でき、雑音を確実に除去することができる。
また、復調手段は、ベースバンド信号の移動平均から、変調搬送波に対する復調搬送波の誤差周波数のビート信号を求め、そのビート信号に基づいてベースバンド信号のビート信号による変動を補正した信号を新たにベースバンド信号とする同期手段を有することが望ましい。ベースバンドにおけるスペクトルは、同相成分も直交成分も、ビート周波数だけ周波数がシフトするので、これ周波数シフトを補正することで、信号成分の復調と、雑音の除去を確実に実行することができる。
また、明細書には方法発明も開示されている。両側帯波信号を受信して、RF帯域における一方の側帯波にのみ重畳する雑音を除去する信号処理方法において、両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンド信号に復調し、復調された直交成分に基づいて、復調された同相成分に含まれる雑音成分を除去することを特徴とする信号処理方法である。さらに、復調された直交成分のうち正周波数帯域と負周波数帯域のうち一方の周波数帯域の雑音成分を片帯域雑音成分として抽出し、抽出された雑音成分を−π/2又はπ/2だけ位相を回転させ、復調された同相成分であるベースバンドの信号成分を、位相回転された位相回転雑音成分に基づいて、信号成分に重畳された雑音を除去することができる。また、同相成分における正周波数帯域と負周波数帯域のうち一方の周波数帯域の信号成分を片帯域信号成分として抽出し、位相の回転の符号は、片帯域信号成分と片帯域雑音成分との相互相関値に基づいて決定しても良い。要するに、信号の復調には直交復調する必要がないところ、直交復調して得られる直交成分から、同相成分に含まれる雑音を消去するようにしたことが特徴である。
本発明によると、上側帯波帯域又は下側帯波帯域の一方の帯域にのみ雑音が重畳される環境において、復調時にこの雑音を精度よく除去することができるので、所望信号の検出精度、復調精度を向上させることができる。
本発明の具体的な実施例1に係る信号処理装置の構成図。 実施例1の信号処理装置の入力信号及び復調後の信号の周波数特性図。 実施例1の信号処理装置の復調後のベースバンドにおける同相成分と直交成分の周波数特性図。 実施例1の信号処理装置の復調後のベースバンドの正周波数帯域での、同相成分、直交成分、雑音が除去される出力信号の周波数特性図。 実施例1の信号処理装置の作用を説明するための説明図。 本発明の具体的な実施例2に係る信号処理装置の構成図。 本発明の具体的な実施例3に係る信号処理装置の構成図。 本発明の具体的な実施例4に係る信号処理装置の構成図。 本発明の具体的な実施例4の変形例に係る信号処理装置の構成図。 本発明の具体的な実施例5に係る信号処理装置の構成図。 本発明の具体的な実施例6に係る信号処理装置の構成図。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
本発明の具体的な一実施例に係る信号処理装置1の構成を図1に示す。本実施例は、HV(ハイブリッド車)におけるAMラジオ受信機に混入する雑音を抑制する信号処理装置である。HVには、100kHzのキャリア周波数で制御されるDC−DCコンバータが搭載されていると仮定する。AMラジオ放送波は、531kHzから1602kHzの周波数帯域が割り当てられている。DC−DCコンバータから発生するスイッチング雑音は、基本的には、周波数空間では、基本周波数100kHzの整数倍の線スペクトル列となる。この雑音が、AMラジオ放送帯域に入り込み、AMラジオ放送波に雑音を与える。このような雑音の場合に、雑音のスペクトルは、100kHzの間隔が存在するので、AMラジオ放送の上側帯波帯域と下側帯波帯域とに、共に、雑音が存在することはない。本実施例は、AMラジオ放送帯域に入り込むこの種の雑音をキャンセルする信号処理装置である。しかしながら、本発明は、このような雑音に限定されることなく、直交多重化されていない両側帯波伝送において、上側帯波帯域と下側帯波帯域との一方の帯域にのみ雑音が混入する全ての環境において用いることができる。また、スペクトルが互いに複素共役の関係にある両側帯波伝送であれば、各帯域の信号は、AM変調、FM変調、位相変調、その他の変調方式であっても良い。
本実施例の信号処理装置1は、アンテナ11により受信されたAMラジオ放送信号が増幅器12により増幅され、A/Dコンバータ13により、一定の周期Δtでサンプリングされて、ディジタル値に変換された後、CPUにより処理される装置である。図1の構成は、ディジタル処理の各機能部毎にブロックで表現されている。A/Dコンバータ13の出力する信号は実数であるが、直交復調部20及びその後段のデータ処理は全て複素数で行われる。復調手段である直交復調部20は、ミキサー21と復調搬送波発生部22と同相成分抽出部23と直交成分抽出部24とを有している。直交復調部20によりベースバンド信号が得られる。複素信号で取り扱う関係上、このベースバンドは、上側帯波帯域に対応する正周波数帯域と下側帯波帯域に対応する負周波数帯域とを有する。フィルタ部30は同相成分のベースバンド信号を入力して、正周波数帯域を抽出するフィルタ31と、直交成分のベースバンド信号を入力して、正周波数帯域を抽出するフィルタ32とを有している。フィルタ31は、同相成分の片周波数帯域を抽出する同相成分帯域抽出手段を、フィルタ32は直交成分の片周波数帯域を抽出する直交成分帯域抽出手段を構成している。
また、位相回転手段を構成する位相回転部40は、フィルタ32の出力する直交成分の正周波数帯域のベースバンド信号に、切換スイッチ42の設定に応じて、−j又はjを掛ける乗算器41を有している。すなわち、この乗算は、全周波数、一律に−π/2又はπ/2だけ位相を回転することに相当する。そして、合成手段を構成する合成部60により、フィルタ31の出力する同相成分の正周波数帯域のベースバンド信号と、位相回転部40の出力信号(位相回転雑音成分)とを加算合成する。フィルタ31、32は、正周波数帯域を抽出するフィルタで、ヒルベルトフィルタと全域通過遅延回路との並列回路である。すなわち、このフィルタは、実関数I(t)から、I(t)+jQ(t)={(δ(t)+jh(t)}*I(t)を得るフィルタである。ただし、h(t)はヒルベルトフィルタのインパルス応答、*は、畳み込み積分を意味する。δ(t)+jh(t)の伝達関数は、ωが負では0、ωが正では2となる、正帯域通過フィルタである。雑音除去手段は、フィルタ32、位相回転部40、合成部60とで構成されている。
なお、本実施例では、受信信号を直接、サンプリングしているが、帯域をシフトさせる復調部は、アナログ回路で構成して、一旦、中間周波数帯域に落として、IF信号をサンプリングするようにしても良い。また、直交復調は、数値演算で行い、実部と虚部を抽出することで実行しているが、直交復調は、cos(ωc t)、sin(ωc t)を用いた復調であっても良い。
次に本装置の作用を説明する。
雑音は、放送局から受信装置に至る間に上側帯波帯域に重畳されるものとする。アンテナ11の出力する受信信号r(t)は、(1)式で表される。
Figure 0006278405
この受信信号r(t)のフーリエ変換であるスペクトルは図2(a)に示すようになり、上側帯波帯域と下側帯波帯域とを有している。S- は下側帯波のスペクトル、S+ は上側帯波のスペクトルであり、Aは搬送波の振幅、ρは、放送局から受信装置までにおいて、RF帯域やIF帯域の復調に至る前の伝送路で重畳された雑音のスペクトルである。Aは実数、S- 、S+ 、ρは角周波数ω(以下、単に、「周波数」と記す)に関する複素関数である。ωに関して、S- 、S+ の絶対値は等しく、位相は反転関係にある。したがって、S- 、S+ は相互に複素共役関数である。S- (t)、S+ (t)は、それぞれ、S- 、S+ のフーリエ逆変換であり、時間に関する複素関数である。また、S- (t)、S+ (t)は、相互に複素共役の関係にあり、したがって、S- (t)+S+ (t)は実関数である。ωc は、変調時の搬送波の周波数、ωc +ωn は上側帯波に重畳した雑音の周波数である。
空間を伝搬する波は、r(t)の実部で表される。したがって、A/Dコンバータ13から出力されるサンプリングされた受信信号(データ)は、実数列である。次に、この受信信号を直交復調する。信号成分の直交成分は存在しないので、複素空間では、直交復調は、(1)式で表される複素関数の実部の受信信号にexp(−jωc t)掛ける演算を行うことに等しい。したがって、復調した後のベースバンドの信号は、(2)式で表される。なお、復調結果には1/2の係数が係るので、表現を簡単にするために、x(t)は、直交復調の結果の2倍で定義する。すなわち、ミキサー21の出力信号x(t)は、(2)式で表現でき、そのスペクトルは図2(b)に示すようになり、ベースバンドの正周波数帯域と負周波数帯域とを有している。雑音は正周波数帯域にのみ存在する。
Figure 0006278405
(2)式の実部が直交復調における同相成分、虚部が直交復調における直交成分である。
同相成分は、(3)式で、直交成分は、(4)式で表される。
Figure 0006278405
Figure 0006278405
すなわち、同相成分抽出部23の出力信号xr (t)が(3)式で、直交成分抽出部24の出力信号xi (t)が(4)式で、表現される。同相成分には信号成分と雑音成分が存在するが、直交成分には、信号成分が存在せず、雑音成分のみが存在する。同相成分(3)式のスペクトルは、図3(a)に示すようになる。正周波数帯域には、信号成分のスペクトルS+ と雑音成分のスペクトル(ρ/2)が現れ、負周波数帯域には、信号成分のスペクトルS- と雑音成分のスペクトル(ρ* /2)が現れている。ρ* はρの複素共役で、ρの位相を反転したスペクトルである。同相成分xr (t)も、直交成分xi (t)も実関数である。
(4)式の直交成分xi (t)のスペクトルは図3(b)に示すようになる。正周波数帯域には、直交成分の雑音成分のスペクトル(−jρ/2)が現れている。すなわち、この雑音成分は、同相成分の雑音成分と振幅は等しいが、同相成分に対して、位相が−π/2だけ回転している(時間軸上ではπ/2だけ遅れている)。負周波数帯域には、直交成分の雑音成分のスペクトル(jρ* /2)が現れている。すなわち、この雑音成分は、同相成分の雑音成分と振幅は等しいが、同相成分に対して位相がπ/2だけ回転している(時間軸上ではπ/2だけ遅れている)。また、同相成分も、直交成分も、正周波数帯域と負周波数帯域のスペクトルは、相互に、複素共役の関係、すなわち、位相が反転した関係にある。
次に、フィルタ31により、ベースバンドの正周波数帯域における同相成分xr + (t)(片帯域信号成分)が抽出される。xr + (t)は、(5)式で表され、そのスペクトルは図4(a)に示すようになる。また、フィルタ32により、ベースバンドの正周波数帯域における直交成分の雑音成分xi + (t)(片帯域雑音成分)が抽出される。xi + (t)は、(6)式で表され、そのスペクトルは図4(b)に示すようになる。xr + (t)とxi + (t)は複素関数である。
Figure 0006278405
Figure 0006278405
次に、位相回転部40の乗算器41により、フィルタ32の出力する雑音成分xi + (t)に、−jが掛け算されて、位相回転雑音成分(−jxi + (t))が出力される。この処理は、直交成分の正周波数帯域の雑音成分の位相をπ/2だけ遅延させ(−π/2だけ回転させ)、同相成分の正周波数帯域の雑音成分との位相差がπとなるように位相が制御されることを意味する。すなわち、直交雑音成分が、同相雑音成分の反転波形となるように制御される。そして、合成部60において、正周波数帯域の同相成分xr + (t)に、位相回転雑音成分(−jxi + (t))が加算される。合成部60の出力は、(7)式となる。
Figure 0006278405
すなわち、図4(a)、(c)のスペクトルで示すように、正周波数帯域の同相雑音成分(ρ/2)が消去されて、同相成分の信号成分A+S+ (t)が得られる。A+S+ (t)は複素関数である。両側帯波放送は、片帯域だけで復調できるので、この信号成分S+ (t)の実部により、AM放送の復調が可能となる。
上側帯波帯域にのみ雑音が重畳された場合における上記の処理手順は、図5において示された、各処理部での入力信号、出力信号の数式及びスペクトルにより、理解が容易である。
RF帯域において、雑音が、下側帯波帯域にのみ重畳した場合には、xr (t)とxi (t)は、(3)式と(4)式において、ωn =−ωn と置いた式で表される。しかし、上側帯波帯域に雑音が重畳した場合と(3)、(4)式の表現を同一にするために、ωn =−ωn とおき、さらに、ρをρ* 、ρ* をρに置換する。すなわち、下側帯波帯域に雑音が重畳した場合の(1)式のρをρ* とする。このように雑音のスペクトルを定義することで、同相成分の雑音成分は、図3(a)と同一になり、負周波数帯域では、ρ* /2となり、正周波数帯域では、ρ/2となり、相互に複素共役の関係にある。
直交成分の雑音成分は、正周波数帯域では、スペクトル(jρ/2)、負周波数帯域では、スペクトル(−jρ* /2)となる。すなわち、正周波数帯域及び負周波数帯域において、直交成分の雑音成分は、同相成分の雑音成分に対して、時間軸上において位相がπ/2だけ進んでいる。したがって、正周波数帯域において、同相成分の雑音成分(ρ/2)を除去するためには、正周波数帯域の直交成分の雑音成分(jρ/2)に(j)を掛けて、同相成分に加算する必要がある。この場合には、乗算器41による演算は、(j)の掛け算となる。このように、上側帯波帯域に雑音が重畳した場合と下側帯波帯域に雑音が重畳した場合とで、乗算器41による掛け算因子(j)の符号が異なる。切換スイッチ42は、AM放送の聴者が再生音声における雑音の混入度を判断して聴者により雑音が消去される側に操作される。
以上、正周波数帯域の直交成分の雑音成分を抽出する場合を説明したが、負周波数帯域の直交成分を抽出して、負周波数帯域の同相成分から、同相成分の雑音成分を除去するようにしても良い。上側帯波帯域に雑音が重畳される場合には、負周波数帯域の直交成分の雑音成分のスペクトルは(jρ* /2)であるので、乗算器41での掛け算因子は(j)となる。また、下側帯波帯域に雑音が重畳される場合には、負周波数帯域の直交成分の雑音成分のスペクトルは(−jρ* /2)であるので、乗算器41での掛け算因子は(−j)となる。これにより、合成部60からは、A+S- (t)が出力され、その実部からAM音声信号を得ることができる。
なお、(1)〜(6)式における雑音成分の項は、単一のスペクトルで表現されているが、実際には周波数ωn の積分で表されるものである。
実施例1では、乗算器41における乗算因子(j)の符号を、設定スイッチ42で切り換える方式である。実施例2は、正周波数帯域における同相成分(信号成分+雑音成分)と、直交成分の雑音成分との相互相関演算により、乗算器41における乗算因子(j)の符号を自動的に決定するようにした装置である。本実施例の信号処理装置は、図6に示すように構成されている。実施例1の図1と同一の機能を果たす部分には、同一の符号が付されている。図1に対して、位相回転部40の構成が異なるだけである。複素共役演算部43において、フィルタ31の出力する(5)式の正周波数帯域の同相成分xr + (t)の複素共役が演算され、乗算器44において、その複素共役と、フィルタ32の出力する(8)式の正周波数帯域の直交成分の雑音成分xi + (t)との積が演算される。
Figure 0006278405
i + (t)は、上側帯波帯域にのみ雑音が重畳した場合と、下側帯波帯域にのみ雑音が重畳した場合とで符号が異なるので、(8)式では、両者を含めて±の符号を付けて表現されている。(+)は上側帯波帯域、(−)は下側帯波帯域に雑音が重畳された場合を表している。
乗算器44の出力信号は、(9)式で表される。
Figure 0006278405
(9)式の第1行における雑音成分は、周波数ωn の単一周波数の雑音を示しているが、実際には雑音成分のスペクトルρはωn の関数ρ(ωn )である。雑音成分は一定幅の帯域を有しているので、正確には、(9)式の積のそれぞれの雑音成分は、ωn に関する積分表示となる。したがって、(9)式の最終行の第2項は、正確には、ωn に関する積分表示となる。また、(9)式の|ρ|2 は、スペクトルの振幅の2乗のωn に関する積分であり、実数で正の値である。
乗算器44の出力する(9)式の信号は、移動平均演算部45に入力する。移動平均により周波数の異なる雑音の積は、0となるので、同一周波数の雑音成分の積だけが残る。(9)式の最終行の第2項は、単一周波数のスペクトルで見ると、雑音の周波数ωn の正弦波を正周波数帯域の同相成分の共役A+S+ (t)* で振幅変調した波形となる。したがって、周波数ωn 及び同相成分の最大周波数で決定される最短周期よりも十分長い時間での移動平均を演算することで、周波数ωn の雑音成分は消去される。雑音が一定の帯域を有する場合には、この第2項はωn の積分表示となるだけであるので、第2項の雑音の周波数により変動する成分は消去できる。この結果、移動平均演算部45の出力信号は、(10)式で表される。
Figure 0006278405
(10)式は、純虚数であり、その符号が(+)の場合には、雑音が上側帯波帯域に重畳された場合であり、符号が(−)の場合には、雑音が下側帯波帯域に重畳されていることを意味する。そこで、位相検出部46において、(10)式が、(−j)か(j)かが判定される。すなわち、直交成分の雑音成分の位相は、同相成分の雑音成分の位相に対してπ/2遅れている遅れ位相にあるか、π/2進んでいる進み位相にあるかが判定される。そして、位相決定部47において、(10)式の符号が(+)であれば、(−j)を、符号が(−)であれば、(j)を乗算器41に出力して、乗算器41から位相回転雑音成分を出力して、合成器40において、(5)式の同相成分xr (t)に加算する。これにより、上側帯波帯域と下側帯波帯域の何れか一方の帯域に雑音が重畳された場合でも、自動的に、正周波数帯域における同相成分の雑音成分(ρ/2)を除去することができる。なお、フィルタ31、32の構成要素の一つであるヒルベルトフィルタのインパルス応答が、有限項で近似する関係上、帯域分離が完全ではなく、(9)式に直流の実部が存在したとしても、(9)式の虚部の符号により、直交成分の位相回転方向を決定することができる。
上記の処理は、負周波数帯域の直交成分の雑音成分を抽出した場合も同様である。図6のフィルタ31を同相成分の負周波数帯域を抽出するフィルタ、フィルタ32を直交成分の負周波数帯域を抽出するフィルタとすれば良い。
上記実施例1、2は、正周波数帯域又は負周波数帯域の一方について、雑音の除去と復調を行うものである。本実施例3は、図7に示すように、正周波数帯域と、負周波数帯域とを、それぞれ、独立して、信号処理を行うものである。すなわち、実施例1における正周波数帯域での処理と同様に、負周波数帯域の直交成分の雑音成分を抽出して、同相成分に重畳された雑音成分を除去している。図7において、正周波数帯域での雑音を除去する上側帯波処理部Uと、下側帯波処理部Lとを有している。上側帯波処理部Uは図1と同一構成であり、下側帯波処理部Lは、図1の構成において、フィルタ31Lが同相成分の負周波数帯域を抽出し、フィルタ32Lが直交成分の負周波数帯域を抽出する点のみが相違する。そして、上側帯波処理部Uの出力するSU (t)と、下側帯波処理部Lが出力するSL (t)が、合成部61により合成されて、両側帯波S(t)が得られる。
上側帯波処理部Uの出力するSU (t)は、実施例2で説明したように、上側帯波又は下側帯波に雑音が重畳した場合を含めて、(11)式で表される。
Figure 0006278405
負周波数帯域について、上側帯波に雑音が重畳されても、下側帯波に雑音が重畳されても、同相成分の波形は等しく、フィルタ31Lの出力xr - (t)は、(12)式で与えられる。
Figure 0006278405
一方、直交成分の雑音成分は、上側帯波にのみ雑音が重畳される場合には、同相成分の雑音成分に対して、π/2の遅れ位相にあり、下側帯波にのみ雑音が重畳される場合には、同相成分の雑音成分に対して、π/2の進み位相にある。したがって、直交成分の負周波数帯域を抽出するフィルタ32Lの出力xi - (t)は、(13)式で表される。
Figure 0006278405
よって、(13)式の符号が(−)であれば直交成分の雑音成分はπ/2の遅れ位相にあるので、xi - (t)に(j)を乗算して(π/2回転させて)、同相成分の雑音成分に対してπの遅れ位相にして、同相成分の雑音成分xr - (t)に加算すれば、負周波数帯域の同相成分から雑音を除去することができる。
一方、(13)式の符号が(+)であれば直交成分の雑音成分はπ/2の進み位相にあるので、xi - (t)に(−j)を乗算して(−π/2回転させて)、同相成分の雑音成分に対してπの進み位相にして、同相成分の雑音成分xr - (t)に加算すれば、負周波数帯域の同相成分から雑音を除去することができる。この処理が位相回転部40Lと合成部60Lとで実現される。すなわち、(14)式により、負周波数帯域の信号SL (t)が得られる。
Figure 0006278405
そして、(15)式に示すように、合成部61により、合成部60Uの出力SU (t)と合成部60Lの出力SL (t)を加算することで、雑音の除去された両側帯波信号S(t)を得ることができる。
Figure 0006278405
本実施例の場合に、位相回転部40Uと位相回転部40Lにおける位相回転は、実施例1と同様に共通の切換スイッチ42により、位相回転の符号を反転させて、AM放送の聴者が雑音の少ない方に設定することになる。
本実施例3において、回転位相の符号を自動検出する実施例2を用いても良い。すなわち、実施例3の図7における上側帯波処理部Uの位相回転部40Uと、下側帯波処理部Lの位相回転部40Lに、実施例2の図6に示す位相回転部40を用いても良い。この構成によると、同相成分から雑音が自動的に除去されたベースバンドの両側帯波を得ることができる。なお、正周波数帯域に関して決定された位相回転の符号と、負周波数帯域に関して決定された位相回転の符号は、互いに異なる符号となるだけであるので、一方の周波数帯域で決定された位相回転の符号を用いて、その符号に(−1)を乗算して他方の周波数帯域での位相回転符号とすることができる。この場合には、図6の位相回転部40は、一方の周波数帯域の処理系統にのみ存在すれば良い。
本実施例において、xr + (t)、xr - (t)は、それぞれ、第1片帯域信号成分、第2片帯域信号成分、xi + (t)、xi - (t)は、それぞれ、第1片帯域雑音成分、第2片帯域雑音成分に相当する。また、フィルタ31U、31Lは、第1同相成分帯域抽出手段、第2同相成分帯域抽出手段に相当し、フィルタ32U、32Lは、第1直交成分帯域抽出手段、第2直交成分帯域抽出手段に相当する。また、位相回転部40Uが第1位相回転手段、位相回転部40Lが第2位相回転手段に相当する。合成部60Uが第1合成手段、合成部60Lが第2合成手段に相当する。
上記実施例1〜3においては、復調時には、復調搬送波は、変調搬送波と同期しているものとして説明した。本実施例は同期誤差による雑音除去への影響を排除する実施例である。図8は、実施例1の信号処理装置において、同期復調を実現した装置の構成を示している。図8において、直交復調部20に、位相同期処理部70を設けたのが、本実施例の特徴である。位相同期処理部70はベースバンド信号を入力してその移動平均を演算する移動平均演算部71と、その出力の複素共役を演算する複素共役演算部72と、その出力の振幅を規格化する振幅規格化部73と、その出力とベースバンド信号x(t)とを乗算する乗算部74とを有している。
復調搬送波発生部22の出力する復調搬送波の周波数は、変調搬送波の周波数ωc に対してΔωだけ大きいとする。すなわち、復調搬送波波L(t)は(16)式で表される。
Figure 0006278405

受信信号r(t)は(1)式の実部で表されるので、ミキサー21の出力するベースバンド信号x(t)は、(2)式と同様にして、(17)式で表される。すなわち、ベースバンド信号に、exp(Δωt)の因子が現れる。
Figure 0006278405
このベースバンド信号x(t)が移動平均演算部71によりその移動平均が演算される。移動平均の結果は、(18)式で与えられる。
Figure 0006278405
すなわち、移動平均により、(17)式の最終項の周波数は大きいので、移動平均により、この項は0となる。
次に、複素共役演算部72により、(18)式の複素共役が求められ、振幅規格化部73により、(19)式の規格化信号が得られる。(18)式におけるA+S+ (t)+S- (t)は実数であるので、(18)式から、−jωt=tan-1(実部/虚部)により−jωtが得られるので、exp(jωt)を得ることができる。
次に、乗算部74により、ベースバンド信号に規格化信号を乗算して、(20)式の同期ベースバンド信号xsync(t)を得ることができる。
Figure 0006278405
Figure 0006278405

この処理により、復調搬送波の周波数が変調搬送波の周波数に対して偏差Δωを有していても、その偏差による影響を排除することができる。
なお、上記の説明では、受信信号に含まれる復調搬送波と、変調搬送波との位相差Δφは、明示していないが、(16)〜(18)式におけるjΔωtをjΔω+jΔφとおいて、位相誤差Δφを考慮して、(20)式を演算すると、Δφは消去されるので、Δφが存在しても、(20)式が得られる。すなわち、周波数誤差だけでなく位相誤差も、補償されることになる。
本実施例4の装置は、位相同期処理部70を、実施例1の図1の構成に用いた例であるが、実施例2の図6の直交復調部20に、図8の位相処理部70を設けても良い。その構成を図9に示す。
また、同期復調に関して、同相成分はcos[(ωc +Δω)t+φ]で復調し、直交成分はsin[(ωc +Δω)t+φ]で復調して、直交成分が0(極小)となるように復調搬送波の周波数ωc +Δωと位相φを、VOCを用いたPLL回路、すなわち、コスタスループにより同期復調をするようにしても良い。
本実施例は、図7に示す実施例3の構成において、直交復調部20に、図8に示す実施例4の位相同期処理部70を設けて、さらに、上側帯波と下側帯波に雑音が重畳した場合とで、異なる位相回転の符号を、実施例2の自動検出するようにした構成を採用した例である。その構成を図10に示す。すなわち、図10の上側帯波処理部U、下側帯波処理部Lにおいて、図6の位相回転部40と同一構成を、位相回転部40U、位相回転部40Lとして用いた例である。本実施例では、正周波数帯域において同相成分と直交成分との相互相関により、正周波数帯域での直交成分の位相回転符号を決定し、負周波数帯域において同相成分と直交成分との相互相関により、負周波数帯域での直交成分の位相回転符号を決定している。もちろん、一方の帯域から決定された位相回転符号を反転した符号を他の帯域における位相回転符号としても良い。
本実施例は、一方の周波数帯域で得られた同相成分の雑音成分の複素共役を演算して、それを他方の周波数帯域の同相成分に合成することで、両周波数帯域の同相成分に重畳した雑音を除去する例である。その構成を図11に示す。
上側帯波処理部Uにおける正周波数帯域に関する位相回転部の構成は、実施例5の図10の上側帯波処理部Uの位相回転部40Uと同一である。下側帯波処理部Lは、負周波数帯域に関する位相回転部に代わる位相反転部401Lと合成部60Lが設けられている。そして、位相反転部401Lは、複素共役演算部43Lを有している。上側帯波処理部Uの乗算部41Uの出力が複素共役演算部43Lに入力している。上側帯波帯域にのみ雑音が重畳した場合について説明すると、乗算部41Uの出力xia + (t)は、(6)式に−jを掛けた(21)式で表される。
Figure 0006278405
複素共役演算部43Lの出力(xia + (t))* は、xia + (t)の複素共役であり、(22)式で表される。
Figure 0006278405
合成部60Lで、複素共役演算部43Lの出力である(22)の(xia + (t))* と、フィルタ31Lから出力される(12)式のxr - (t)を加算合成すれば、負周波数帯域の同相雑音が除去される。すなわち、(23)式により、SL (t)を得ることができる。
Figure 0006278405
したがって、合成部61の出力は、(15)式のS(t)となり、同相成分から雑音が除去されたDSB信号が得られる。
下側帯波帯域にのみ雑音が重畳した場合には、上述したように同相成分xr (t)は、上側帯波帯域にのみ雑音が重畳した場合の同相成分と同一であるので、(3)式で表される。また、直交成分については、上側帯波帯域にのみ雑音が重畳した場合の(4)式の直交成分の符号を反転した式となる。したがって、直交成分xi (t)は、(24)式で表される。
Figure 0006278405
したがって、乗算部41Uでの乗算は(j)となり、乗算部41Uの出力xia + (t)は、上側帯波帯域に雑音が重畳した場合の(21)式と同一となる。よって、複素共役演算部43Lの出力(xia + (t))* は、(22)式と同一となる。同相成分については、上側帯波帯域にのみ雑音が重畳した場合と同一であるから、フィルタ31Lの出力xr - (t)も(12)式と同一である。したがって、合成部60Lの出力SL (t)も、(23)式となり、合成部61の出力S(t)も(15)式となる。このようにして、下側帯波帯域にのみ雑音が重畳された場合にも、同相成分から雑音が除去されたDSB信号が得られる。
本発明は、入力信号から周期性雑音を除去する装置に用いることができる。
20…直交復調部
23…同相成分抽出部
24…直交成分抽出部
31,32…フィルタ
U…上側帯波処理部
L…下側帯波処理部

Claims (8)

  1. 両側帯波信号を受信して、RF帯域における一方の側帯波にのみ重畳する雑音を除去する信号処理装置において、
    前記両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンド信号に復調する復調手段と、
    前記復調手段の出力する同相成分のうち前記正周波数帯域と前記負周波数帯域のうち一方の周波数帯域の複素数の片帯域信号成分を抽出する同相成分帯域抽出手段と、
    前記復調手段の出力する直交成分のうち前記正周波数帯域と前記負周波数帯域のうち一方の周波数帯域の複素数の片帯域雑音成分を抽出する直交成分帯域抽出手段と、
    前記直交成分帯域抽出手段の出力する前記片帯域雑音成分に基づいて、前記同相成分帯域抽出手段の出力する前記片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する雑音除去手段と
    を有し、
    前記雑音除去手段は、
    前記同相成分帯域抽出手段により抽出された前記片帯域信号成分と前記直交成分帯域抽出手段により抽出された前記片帯域雑音成分とにおいて、一方と他方の複素共役との積の移動時間平均の値の符号を求める符号演算手段と、
    前記直交成分帯域抽出手段により抽出された前記片帯域雑音成分を、前記符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる位相回転手段と、
    前記同相成分帯域抽出手段の出力する前記片帯域信号成分に、前記位相回転手段の出力する位相回転雑音成分を合成して、前記片帯域信号成分に含まれる前記雑音成分を除去する合成手段とを有する
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 両側帯波信号を受信して、RF帯域における一方の側帯波にのみ重畳する雑音を除去する信号処理装置において、
    前記両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンド信号に復調する復調手段と、
    前記復調手段の出力する同相成分の前記正周波数帯域と前記負周波数帯域のうち一方の周波数帯域を第1片帯域信号成分として抽出する第1同相成分帯域抽出手段と、
    前記復調手段の出力する前記同相成分において、前記第1片帯域信号成分に対して、他方の周波数帯域第2片帯域信号成分として抽出する第2同相成分帯域抽出手段と、
    前記復調手段の出力する直交成分のうち前記正周波数帯域と前記負周波数帯域のうち一方の周波数帯域を片帯域雑音成分として抽出する直交成分帯域抽出手段と、
    前記直交成分帯域抽出手段の出力する前記片帯域雑音成分に基づいて、前記第1同相成分帯域抽出手段の出力する前記第1片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第1雑音除去手段と、
    前記直交成分帯域抽出手段の出力する前記片帯域雑音成分に基づいて、前記第2同相成分帯域抽出手段の出力する前記第2片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第2雑音除去手段と、
    を有し、
    前記第1雑音除去手段は、
    前記直交成分帯域抽出手段により抽出された前記片帯域雑音成分と前記第1同相成分帯域抽出手段により抽出された前記第1片帯域信号成分との相互相関値の符号を演算する符号演算手段と、
    前記直交成分帯域抽出手段により抽出された前記片帯域雑音成分を、前記符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる位相回転手段と、
    前記第1同相成分帯域抽出手段の出力する前記第1片帯域信号成分に、前記位相回転手段の出力する位相回転雑音成分を合成して、前記第1片帯域信号成分に含まれる前記雑音成分を除去する第1合成手段と
    を有し、
    前記第2雑音除去手段は、
    記位相回転手段の出力する前記位相回転雑音成分の複素共役を演算する位相反転手段と、
    前記第2同相成分帯域抽出手段の出力する前記第2片帯域信号成分に、前記位相反転手段の出力する位相反転雑音成分を合成して、前記第2片帯域信号成分に含まれる前記雑音成分を除去する第2合成手段と、
    を有し、
    前記第1合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第1片帯域信号成分と前記第2合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第2片帯域信号成分とを合成する第3合成手段と
    を有する
    ことを特徴とする信号処理装置。
  3. 両側帯波信号を受信して、RF帯域における一方の側帯波にのみ重畳する雑音を除去する信号処理装置において、
    前記両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンド信号に復調する復調手段と、
    前記復調手段の出力する同相成分の前記正周波数帯域と前記負周波数帯域のうち一方の周波数帯域を第1片帯域信号成分として抽出する第1同相成分帯域抽出手段と、
    前記復調手段の出力する前記同相成分において、前記第1片帯域信号成分に対して他方の周波数帯域第2片帯域信号成分として抽出する第2同相成分帯域抽出手段と、
    前記復調手段の出力する直交成分の前記正周波数帯域と前記負周波数帯域のうち、前記第1片帯域信号成分と同一符号の周波数帯域第1片帯域雑音成分として抽出する第1直交成分帯域抽出手段と、
    前記復調手段の出力する前記直交成分において、前記第1片帯域雑音成分に対して他方の周波数帯域第2片帯域雑音成分として抽出する第2直交成分帯域抽出手段と、
    前記第1直交成分帯域抽出手段の出力する前記第1片帯域雑音成分に基づいて、前記第1同相成分帯域抽出手段の出力する前記第1片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第1雑音除去手段と、
    前記第2直交成分帯域抽出手段の出力する前記第2片帯域雑音成分に基づいて、前記第2同相成分帯域抽出手段の出力する前記第2片帯域信号成分に含まれる雑音成分を除去する第2雑音除去手段と、
    を有し、
    前記第1雑音除去手段は、
    前記第1直交成分帯域抽出手段により抽出された前記第1片帯域雑音成分と前記第1同相成分帯域抽出手段により抽出された前記第1片帯域信号成分との相互相関値の符号を演算する第1符号演算手段と、
    前記第1直交成分帯域抽出手段により抽出された前記第1片帯域雑音成分を、前記第1符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる第1位相回転手段と、
    前記第1同相成分帯域抽出手段の出力する前記第1片帯域信号成分に、前記第1位相回転手段の出力する第1位相回転雑音成分を合成して、前記第1片帯域信号成分に含まれる前記雑音成分を除去する第1合成手段と
    を有し、
    前記第2雑音除去手段は、
    前記第2直交成分帯域抽出手段により抽出された前記第2片帯域雑音成分と前記第2同相成分帯域抽出手段により抽出された前記第2片帯域信号成分との相互相関値の符号を演算する第2符号演算手段と、
    前記第2直交成分帯域抽出手段により抽出された前記第2片帯域雑音成分を、前記第2符号演算手段の出力する符号に基づいて決定される−π/2とπ/2のうちの一方の位相角だけ位相を回転させる第2位相回転手段と、
    前記第2同相成分帯域抽出手段の出力する前記第2片帯域信号成分に、前記第2位相回転手段の出力する第2位相回転雑音成分を合成して、前記第2片帯域信号成分に含まれる前記雑音成分を除去する第2合成手段と、
    前記第1合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第1片帯域信号成分と前記第2合成手段の出力する雑音が除去された雑音除去第2片帯域信号成分とを合成する第3合成手段と
    を有する
    ことを特徴とする信号処理装置。
  4. 前記符号演算手段における相互相関値の符号は、前記第1同相成分帯域抽出手段の出力する前記第1片帯域信号成分と前記直交成分帯域抽出手段により抽出された前記片帯域雑音成分とにおいて、一方と他方の複素共役との積の移動時間平均の値の符号であることを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  5. 前記第1符号演算手段における相互相関値の符号は、前記第1同相成分帯域抽出手段の出力する前記第1片帯域信号成分と前記第1直交成分帯域抽出手段により抽出された前記第1片帯域雑音成分とにおいて、一方と他方の複素共役との積の移動時間平均の値の符号であり、
    前記第2符号演算手段における相互相関値の符号は、前記第2同相成分帯域抽出手段の出力する前記第2片帯域信号成分と前記第2直交成分帯域抽出手段により抽出された前記第2片帯域雑音成分とにおいて、一方と他方の複素共役との積の移動時間平均の値の符号である
    ことを特徴とする請求項3に記載の信号処理装置。
  6. 前記第1位相回転手段及び前記第2位相回転手段による回転位相の符号は、一方の位相回転手段による位相回転の符号により、他方の位相回転手段による位相回転の符号も決定することを特徴とする請求項3に記載の信号処理装置。
  7. 前記復調手段は、直交復調後の直交成分に含まれる、変調搬送波に対する復調搬送波の誤差周波数のビート信号が零となるように、復調搬送波の周波数と位相を制御するフェーズロックドループ部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の信号処理装置。
  8. 前記復調手段は、前記ベースバンド信号の移動平均から、変調搬送波に対する復調搬送波の誤差周波数のビート信号を求め、そのビート信号に基づいて前記ベースバンド信号のビート信号による変動を補正した信号を新たにベースバンド信号とする同期手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の信号処理装置。
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