JP4275657B2 - Ssb信号受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は振幅歪を含む単側帯波(SSB)信号の受信装置に関し、特に、中波放送、短波放送、業務用連絡無線などの受信装置に適用して有効な技術に関するものである。
従来、特許文献1の「SSB受信装置」にあるように、搬送波付きのSSB信号を振幅情報からではなく位相情報から復調する方式があった。この方式は、図1に示すように位相検波を行った後、歪除去回路により受信信号を得る方法であった。
特公平6−18333号公報
しかし特許文献1の方法では、原理的に近似解しか得られないため、実用に供するのに十分な復調信号を取り出すためには演算が複雑であるという欠点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来よりも簡易かつ正確にSSB信号を直交検波して正確な受信信号を得ることが可能なSSB受信装置を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)搬送波が付加されたSSB信号を復調するSSB受信装置において、前記搬送波が付加されたSSB信号を搬送波出力および2つの信号出力に分離する搬送波/信号分離手段と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記搬送波出力を2つに分けて互いに符号が反転するようにした2つの搬送波出力と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記2つの信号出力と、をそれぞれ合成する搬送波・信号再合成手段と、前記搬送波・信号再合成手段の2つの出力をそれぞれ直交検波する直交検波手段と、前記直交検波手段から出力された2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る検波信号演算手段と、を備えることを特徴とするものである。
(2)搬送波が付加されたSSB信号を復調するSSB受信装置において、前記搬送波が付加されたSSB信号を搬送波出力および2つの信号出力に分離する搬送波/信号分離手段と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記搬送波出力を2つに分けて互いに振幅が異なるようにした2つの搬送波出力と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記2つの信号出力と、をそれぞれ合成する搬送波・信号再合成手段と、前記搬送波・信号再合成手段の2つの出力をそれぞれ直交検波する直交検波手段と、前記直交検波手段から出力された2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る検波信号演算手段と、を備えることを特徴とするものである。
(3)搬送波が付加されたSSB信号を復調するSSB受信装置において、前記搬送波が付加されたSSB信号を搬送波出力および2つの信号出力に分離する搬送波/信号分離手段と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記搬送波出力を2つに分けて互いに位相が異なるようにした2つの搬送波出力と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記2つの信号出力と、をそれぞれ合成する搬送波・信号再合成手段と、前記搬送波・信号再合成手段の2つの出力をそれぞれ直交検波する直交検波手段と、前記直交検波手段から出力された2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る検波信号演算手段と、を備えることを特徴とするものである。
(4)前記(1)〜(3)のSSB信号受信装置において、前記搬送波・信号再合成手段と前記直交検波手段との間に、前記搬送波・信号再合成手段の出力の振幅を制限して出力する振幅制限手段を備え、前記直交検波手段は、前記振幅制限手段によって振幅が制限された前記搬送波・信号再合成回路の2つの出力をそれぞれ直交検波することを特徴とするものである。
本発明では、図2に示すように、さまざまな周波数で受信される受信信号を一定の中間周波信号に変換するための周波数変換のあと、搬送波/信号分離手段(搬送波/信号分離回路)30が搬送波が付加されたSSB信号から搬送波出力(搬送波成分)31および2つの信号出力(信号成分)32、33を分離して出力する。搬送波出力31を2つに分けて互いに異なる符号または振幅または位相となるような2つの搬送波出力42、51を生成する。その上でこれら2つの符号または振幅または位相の異なる搬送波出力42、51を、搬送波成分を除去した2つの信号出力32、33に再合成し、2つのSSB再合成信号61、71を生成する。2つのSSB再合成信号61、71をそれぞれ独立に直交検波回路100、110により直交検波し、得られた直交検波出力I、Qおよび直交検波出力I、Qを検波信号演算手段(検波信号演算回路)200による簡単な四則演算を行うことで、2つのSSB再合成信号61、71の振幅成分を用いず、位相成分のみから正確な受信信号を得る。なお、前記直交検波回路100、110のダイナミックレンジを少なくするため、図3に示すように前記2つのSSB再合成信号を直交検波する前に振幅制限手段(リミッタ)80、90を設けてもよい。
本発明により、従来よりも簡易かつ正確にSSB信号を直交検波して正確な受信信号を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(第一の実施形態)
図4に本発明の第一の実施形態のSSB信号受信装置を示す。図4において、20は搬送波が付加されたSSB受信信号10を周波数変換する周波数変換回路であり、30は周波数変換回路20のIF信号出力21から搬送波成分31と信号成分32、33を分離する搬送波/信号分離回路である。40は搬送波/信号分離回路30の搬送波出力31を増幅する増幅器であり、450は増幅器40の出力41を180°位相回転すなわち符号反転させる移相器であり、60は搬送波/信号分離回路30の2つの信号出力のうちの一方の信号出力32と増幅器40の出力41を合成する合成器であり、70は搬送波/信号分離回路30の2つの信号出力のうちの他方の信号出力33と180°移相器450の出力451とを合成する合成器である。80は合成器60から出力された合成信号61の振幅を制限するリミッタであり、90は合成器70から出力された合成信号471の振幅を制限するリミッタである。100はリミッタ80の出力81を直交検波して直交検波出力I101、Q102を出力する直交検波回路であり、110はリミッタ90の出力491を直交検波して直交検波出力I111、Q112を出力する直交検波回路である。直交検波回路100、110には増幅器40の出力41も入力される。400は直交検波回路100の直交検波出力I101、Q102と直交検波回路110の直交検波出力I111、Q112とが入力され復調信号191を出力する検波信号演算回路である。
検波信号演算回路400は、乗算器130、140、加算器170、減算器180、除算器190を備える。乗算器130は、直交検波回路100の同相出力I101と直交検波回路110の直交出力Q112を乗算し出力131を得る。乗算器140は、直交検波回路100の直交出力Q102と直交検波回路110の同相出力I111を乗算し出力141を得る。加算器170は乗算器130の出力131と乗算器140の出力141を加算し出力171を得る。減算器180は乗算器130の出力131から乗算器140の出力141を減算し出力181を得る。除算器190は加算器170の出力171を減算器180の出力181で除算し、復調信号191を出力する。
従って、周波数変換回路20に入力された搬送波が付加されたSSB受信信号10は、IF信号に周波数変換されIF信号出力21として搬送波/信号分離回路30に出力される。搬送波/信号分離回路30に入力されたIF信号出力21は、搬送波成分31と位相および振幅が同じ2つの信号成分32、33に分離される。
搬送波/信号分離回路30で分離された搬送波成分31は、送出時の搬送波抑圧度により決まる搬送波の送出時の振幅を調整するために増幅器40で増幅され、増幅された搬送波成分41は2つの搬送波成分に分配される。分配された片方の搬送波成分42は合成器60に入力され、搬送波/信号分離回路30からの信号成分32と合成されて合成信号61が生成される。一方、分配されたもう片方の搬送波成分は180゜移相器450で符号反転され、符号反転された搬送波成分451が合成器70に入力され、搬送波/信号分離回路30からの信号成分33と合成されて合成信号471が生成される。
合成器60で生成された合成信号61はリミッタ80で振幅が制限され、直交検波回路100で直交検波され、直交検波出力I101、Q102が検波信号演算回路400に入力される。また、合成器70で生成された合成信号471はリミッタ90で振幅が制限され、直交検波回路110で直交検波され、直交検波出力I111、Q112が検波信号演算回路400に入力される。
検波信号演算回路400は、直交検波回路100の直交検波出力I101、Q102と直交検波回路110の直交検波出力I111、Q102に簡単な四則演算を行うことで、正確な復調信号を出力する。
次に、第一の実施形態のSSB信号受信装置の動作を、数式を用いて説明する。以下、数式に、図に示した信号の符号と同一の番号を付けて説明する。
SSB受信信号10は、周波数変換回路20によりIF信号出力21となって出力される。IF信号21における搬送波角周波数をω、搬送波の振幅をc、ベースバンド信号をg(t)、変調指数をm、ベースバンド信号のヒルベルト変換をg(t)とすると、SSB信号を受信した場合のIF信号出力21は、
{c+mg(t)}cosωct+mgh(t)sinωct (21)
で表される。IF信号出力21は、搬送波/信号分離回路30により、搬送波成分31
c cosωct (31)
および信号成分32および33
mg(t)cosωct+mgh(t)sinωct (32,33)
に分離される。搬送波成分31は、増幅器40により2/c倍になるよう増幅され、増幅された搬送波成分41
2cosωct (41)
として出力される。この信号は4分配され、
cosωct (42)
となり、さらに180°移相器450により180°位相回転、すなわち符号反転された搬送波成分451
-cosωct (451)
となる。搬送波/信号分離回路30により分離された信号成分32は、合成器60により、増幅された搬送波成分42と合成され、合成信号61
{1+mg(t)}cosωct+mgh(t)sinωct
=√[{1+mg(t)}2+{mgh(t)}2]cos(ωct+φ1)
=A1cos(ωct+φ1) (61)
ただし、
φ1=arctan[-mgh(t)/{1+mg(t)}] (61)'
A1=√[{1+mg(t)}2+{mgh(t)}2] (61)''
となる。一方、搬送波/信号分離回路30により分離された信号成分33は、合成器70により、増幅および符号反転された搬送波成分451と合成され、合成信号471
{-1+mg(t)}cosωct+mgh(t)sinωct
=√[{1-mg(t)}2+{mgh(t)}2]cos(ωct+φ2)
=A2cos(ωct+φ2) (471)
ただし、
φ2=arctan[mgh(t)/{1-mg(t)}] (471)'
A2=√[{1-mg(t)}2+{mgh(t)}2] (471)''
となる。合成信号61および471は、リミッタ80および90により振幅が1となるよう振幅制限され、それぞれ
cos(ωct+φ1) (81)
cos(ωct+φ2) (491)
となる。直交検波回路100および110により、それぞれの同相・直交出力101、102および111、112は
I1=cosφ1 (101)
Q1=-sinφ1 (102)
I2=cosφ2 (111)
Q2=-sinφ2 (112)
となる。これらが検波信号演算回路400に入力される。
検波信号演算回路400は、直交検波信号出力101、102および111,112を演算して、復調信号191を出力する。直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102は式(101)、式(102)に示すようにφの関数であり、φは式(61)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。また、直交検波回路110から出力される同相・直交出力111、112は式(111)、式(112)に示すようにφの関数であり、φは式(471)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。したがって、直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102も直交検波回路110から出力される同相・直交出力111、112も変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。したがって、検波信号演算回路400は、直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102と直交検波回路110から出力される同相・直交出力111、112から、変調されたヒルベルト変換mg(t)を消去し、変調されたベースバンド信号すなわち復調信号mg(t)を得る演算を行えばよい。
図4に示す検波信号演算回路400では次のように演算して復調信号mg(t)を出力する。信号101、112および102、111は乗算器130および140により乗算され、出力131および141を得る。
I1Q2=-cosφ1sinφ2 (131)
Q1I2=-sinφ1cosφ2 (141)
信号131および141は加算器170および減算器180により加算および減算され、出力171および181
I1Q2+Q1I2=-sin(φ21) (171)
I1Q2-Q1I2=-sin(φ21) (181)
を得る。信号171および181は除算器190により除算され、出力信号191
(I1Q2+Q1I2)/(I1Q2-Q1I2)
=sin(φ21)/sin(φ21)
=(tanφ2+tanφ1)/(tanφ2-tanφ1)
=[mgh(t)/{1-mg(t)}-mgh(t)/{1+mg(t)}]/[mgh(t)/{1-mg(t)}+mgh(t)/{1+mg(t)}]
=2mg(t)mgh(t)/2mgh(t)
=mg(t) (191)
を得る。式(191)より、出力信号191には、変調されたベースバンド信号そのものが得られることがわかる。これにより振幅情報を使用しなくても正確なSSBの復調信号が得られる。なお、式(191)の除算にあたっては、mg(t)=0のとき分子、分母とも0となり除算する際に不定となるが、この場合、前後の値から補完することなどで対処可能である。
したがって、上記の式による計算を回路として具体化した図4の検波信号演算回路400は2つの直交検波出力を演算して正確な復調信号mg(t)を得ることができる。また、検波信号演算回路400は、変調されたヒルベルト変換mg(t)を消去し、変調された復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよいので、検波信号演算回路400の内部の回路は、上記の計算を回路として具体化した図4に示す回路だけに限定されず、直交検波回路100、110の直交検波出力を演算して復調信号を得る回路であればよい。
(第二の実施形態)
図5にSSB信号受信装置の第二の実施形態を示す。図5に示す第二の実施形態は、図4に示す第一の実施形態からリミッタ80、90を取り除いたSSB信号受信装置である。したがって、合成器60、70までの動作は第一の実施形態と同じであるので説明を省略する。
第二の実施形態のSSB信号受信装置の動作を、第一の実施形態と異なる部分について、数式を用いて説明する。第一の実施形態で説明したように、合成器60の出力61は、
A1cos(ωct+φ1) (61)
ただし、
φ1=arctan[-mgh(t)/{1+mg(t)}] (61)'
A1=√[{1+mg(t)}2+{mgh(t)}2] (61)''
である。一方、合成器70の出力471は、
A2cos(ωct+φ2) (471)
ただし、
φ2=arctan[mgh(t)/{1-mg(t)}] (471)'
A2=√[{1-mg(t)}2+{mgh(t)}2] (471)''
である。合成信号61および471は、直交検波回路100および110により、それぞれの同相・直交出力501、502および511、512
I1=A1cosφ1 (501)
Q1=-A1sinφ1 (502)
I2=A2cosφ2 (511)
Q2=-A2sinφ2 (512)
となる。
検波信号演算回路400は、直交検波回路100および110の直交検波出力501、502および511、512を演算して復調信号191を出力する。直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502は式(501)、式(502)に示すようにφとAの関数であり、φとAは式(61)'、式(61)''に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。また、直交検波回路110から出力される同相・直交出力511、512は式(511)、式(512)に示すようにφとAの関数であり、φとAは式(471)'、式(471)''に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。したがって、直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502も直交検波回路110から出力される同相・直交出力511、512も変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。したがって、第一の実施形態と同じように、検波信号演算回路400は変調されたヒルベルト変換mg(t)を消去し、復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよい。
図5に示す検波信号演算回路400では次のように演算して復調信号mg(t)を出力する。信号501、512および502、511は乗算器130および140により乗算され、出力531および541を得る。
I1Q2=-A1A2cosφ1sinφ2 (531)
Q1I2=-A1A2sinφ1cosφ2 (541)
信号531および541は加算器170および減算器180により加算および減算され、出力571および581
I1Q2+Q1I2=-A1A2sin(φ21) (571)
I1Q2-Q1I2=-A1A2sin(φ21) (581)
を得る。信号571および581は除算器190により除算され、それぞれの振幅成分Aが除去されて出力信号191
(I1Q2+Q1I2)/(I1Q2-Q1I2)
=sin(φ21)/sin(φ21)
=(tanφ2+tanφ1)/(tanφ2-tanφ1)
=[mgh(t)/{1-mg(t)}-mgh(t)/{1+mg(t)}]/[mgh(t)/{1-mg(t)}+mgh(t)/{1+mg(t)}]
=2mg(t)mgh(t)/2mgh(t)
=mg(t) (191)
を得る。式(191)より、出力信号191には、変調されたベースバンド信号そのものが得られることがわかる。これにより振幅情報を使用せずに正確なSSBの復調信号が得られる。なお、式(191)の除算にあたっては、mg(t)=0のとき分子、分母とも0となり除算する際に不定となるが、この場合、前後の値から補完することなどで対処可能である。
したがって、上記の式による計算を回路として具体化した図5の検波信号演算回路400は2つの直交検波出力を演算して正確な復調信号mg(t)を得ることができる。また、検波信号演算回路400の内部の回路は、第一の実施形態と同様に、上記の計算を回路で具体化した図5に示す回路だけに限定されず、直交検波回路100、110の2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る回路であればよい。
(第三の実施形態)
図6にSSB信号受信装置の第三の実施形態を示す。図6に示す第三の実施形態は、第一の実施形態の180°移相器450の代わりに増幅器650を用い、検波信号演算回路600内で、加算器170の代わりに減算器662を用い、加算器130と減算器662の間に増幅器660を設けたものである。したがって、図6の上半分については、直交検波回路100の直交検波出力101、102までは第一の実施形態と同じであり、図6の下半分については、増幅器40の出力41までが第一の実施形態と同じである。
第三の実施形態のSSB信号受信装置の動作を、第一の実施形態と異なる部分について、数式を用いて説明する。増幅器40により増幅された搬送波成分41は、
2cosωct (41)
である。この信号は4分配され、
cosωct (42)
となり、そのうちの一つが増幅器650によりc(≠1)倍になるよう増幅され、増幅された搬送波成分651
c2 cosωct (651)
として出力される。搬送波/信号分離回路30により分離された信号成分33は増幅された搬送波成分651と合成器70により合成され、合成信号671
{c2+mg(t)}cosωct+mgh(t)sinωct
=√[{c2+mg(t)}2+{mgh(t)}2]cos(ωct+φ2)
=A2cos(ωct+φ2) (671)
ただし、
φ2=arctan[-mgh(t)/{c2+mg(t)}] (671)'
A2=√[{c2+mg(t)}2+{mgh(t)}2] (671)''
となる。合成信号671は、リミッタ90により振幅制限され、
cos(ωct+φ2) (691)
となる。直交検波回路100および110により、それぞれの同相・直交出力101、102および611、612は
I1=cosφ1 (101)
Q1=-sinφ1 (102)
I2=cosφ2 (611)
Q2=-sinφ2 (612)
となる。これらが検波信号演算回路600に入力される。
検波信号演算回路600は、直交検波回路100および110の直交検波出力101、102および611、612を演算して復調信号191を出力する。直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102は式(101)、式(102)に示すようにφの関数であり、φは式(61)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。また、直交検波回路110から出力される同相・直交出力611、612は式(611)、式(612)に示すようにφの関数であり、φは式(671)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と増幅器650の増幅率cの関数である。したがって、直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102は、変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数であり、直交検波回路110から出力される同相・直交出力611、612は変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と増幅器650の増幅率cの関数である。検波信号演算回路400は、直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102と直交検波回路110から出力される同相・直交出力611、612から、変調されたヒルベルト変換mg(t)と増幅器650の増幅率cを消去し、変調されたベースバンド信号すなわち復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよい。
図6に示す検波信号演算回路600では次のように演算して復調信号mg(t)を出力する。信号101、612および102、611は乗算器130および140により乗算され、出力631および641を得る。
I1Q2=-cosφ1sinφ2 (631)
Q1I2=-sinφ1cosφ2 (641)
信号631は増幅器660によりc倍に増幅され信号661となる。減算器662により信号641から信号661が減算され、出力663
Q1I2-c2I1Q2=-sinφ1cosφ2+c2cosφ1sinφ2 (663)
となる。また減算器180により信号631から信号641が減算され、出力681
I1Q2-Q1I2=-cosφ1sinφ2+sinφ1cosφ2 (681)
となる。信号663および681は除算器190により除算され、出力信号191
(Q1I2-c2I1Q2)/(I1Q2-Q1I2)
=(-sinφ1cosφ2+c2cosφ1sinφ2)/(-cosφ1sinφ2+sinφ1cosφ2)
=(tanφ1-c2tanφ2)/(tanφ2-tanφ1)
=[-mgh(t)/{1+mg(t)}+c2mgh(t)/{c2+mg(t)}]/[-mgh(t)/{c2+mg(t)}+mgh(t)/{1+mg(t)}]
={(-1+c2)mg(t)mgh(t)}/{(-1+c2)mgh(t)}
=mg(t) (191)
を得る。式(191)より、出力信号191には、変調されたベースバンド信号そのものが得られることがわかる。これにより振幅情報を使用しなくても正確なSSBの復調信号が得られる。なお、式(191)の除算にあたっては、mg(t)=0のとき分子、分母とも0となり除算する際に不定となるが、この場合、前後の値から補完することなどで対処可能である。
したがって、上記の式による計算を回路として具体化した図6の検波信号演算回路600は2つの直交検波出力を演算して正確な復調信号mg(t)を得ることができる。また、検波信号演算回路600は、変調されたヒルベルト変換mg(t)と増幅器650の増幅率cを消去し、復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよいので、検波信号演算回路600の内部の回路は、上記の計算を回路で具体化した図6に示す回路だけに限定されず、直交検波回路100、110の2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る回路であればよい。
(第四の実施形態)
図7にSSB信号受信装置の第四の実施形態を示す。図7に示す第四の実施形態は、図6に示す第三の実施形態からリミッタ80、90を取り除いたSSB信号受信装置である。したがって、合成器60、70までの動作は第三の実施形態と同じであるので説明を省略する。
第四の実施形態のSSB信号受信装置の動作を、第三の実施形態と異なる部分について、数式を用いて説明する。既に説明したように、合成器60の出力61は、
A1cos(ωct+φ1) (61)
ただし、
φ1=arctan[-mgh(t)/{1+mg(t)}] (61)'
A1=√[{1+mg(t)}2+{mgh(t)}2] (61)''
である。一方、合成器70の出力671は、第三の実施形態で説明したように、
A2cos(ωct+φ2) (671)
ただし、
φ2=arctan[-mgh(t)/{c2+mg(t)}] (671)'
A2=√[{c2+mg(t)}2+{mgh(t)}2] (671)''
である。合成信号61および671は、直交検波回路100および110により、それぞれの同相・直交出力501、502および711、712
I1=A1cosφ1 (501)
Q1=-A1sinφ1 (502)
I2=A2cosφ2 (711)
Q2=-A2sinφ2 (712)
となる。これらが検波信号演算回路600に入力される。
検波信号演算回路600は、直交検波回路100および110の直交検波出力501、502および711、712を演算して復調信号191を出力する。直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502は式(501)、式(502)に示すようにφとAの関数であり、φとAは式(61)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。また、直交検波回路110から出力される同相・直交出力711、712は式(711)、式(712)に示すようにφとAの関数であり、φとAは式(671)'、式(671)''に示すようにベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と増幅器650の増幅率cの関数である。したがって、直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502は、変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数であり、直交検波回路110から出力される同相・直交出力711、712は変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と増幅器650の増幅率cの関数である。検波信号演算回路600は、直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502と直交検波回路110から出力される同相・直交出力711、712から、変調されたヒルベルト変換mg(t)と増幅器650の増幅率cを消去し、変調されたベースバンド信号すなわち復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよい。
図7に示す検波信号演算回路600では次のように演算して復調信号mg(t)を出力する。信号501、512および702、711は乗算器130および140により乗算され、出力731および741を得る。
I1Q2=-A1A2cosφ1sinφ2 (731)
Q1I2=-A1A2sinφ1cosφ2 (741)
信号731は増幅器660によりc倍に増幅され信号761となる。減算器662により信号741から信号761が減算され、出力763
Q1I2-c2I1Q2=A1A2(-sinφ1cosφ2+c2cosφ1sinφ2) (763)
となる。また減算器180により信号731から信号741が減算され、出力781
I1Q2-Q1I2=A1A2(-cosφ1sinφ2+sinφ1cosφ2) (781)
となる。信号763および781は除算器190により除算され、それぞれの振幅成分Aが除去されて出力信号191
(Q1I2-c2I1Q2)/(I1Q2-Q1I2)
=(-sinφ1cosφ2+c2cosφ1sinφ2)/(-cosφ1sinφ2+sinφ1cosφ2)
=(tanφ1-c2tanφ2)/(tanφ2-tanφ1)
=[-mgh(t)/{1+mg(t)}+c2mgh(t)/{c2+mg(t)}]/[-mgh(t)/{c2+mg(t)}+mgh(t)/{1+mg(t)}]
={(-1+c2)mg(t)mgh(t)}/{(-1+c2)mgh(t)}
=mg(t) (191)
を得る。式(191)より、出力信号191には、変調されたベースバンド信号そのものが得られることがわかる。これにより振幅情報を使用せずに正確なSSBの復調信号が得られる。なお、式(191)の除算にあたっては、mg(t)=0のとき分子、分母とも0となり除算する際に不定となるが、この場合、前後の値から補完することなどで対処可能である。
したがって、上記の式による計算を回路として具体化した図7の検波信号演算回路600は2つの直交検波出力を演算して正確な復調信号mg(t)を得ることができる。また、検波信号演算回路600の内部の回路は、第三の実施形態と同様に、上記の計算を回路で具体化した図7に示す回路だけに限定されず、直交検波回路100、110の2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る回路であればよい。
(第五の実施形態)
図8にSSB信号受信装置の第五の実施形態を示す。図8に示す第五の実施形態は、第一の実施形態の180°移相器450の代わりに位相を任意の角度ψ(≠0)移相する移相器850を用い、検波信号演算回路800内で、加算器170の代わりに減算器805を用い、乗算器801、増幅率sinψの増幅器802、増幅率cosψの増幅器803を図8に示すように設けたものである。したがって、図8の上半分については、直交検波回路100の直交検波出力101、102までは第一の実施形態と同じであり、図8の下半分については、増幅器40の出力41までが第一の実施形態と同じである。
第五の実施形態のSSB信号受信装置の動作を、第一の実施形態と異なる部分について、数式を用いて説明する。増幅器40により増幅された搬送波成分41は、
2cosωct (41)
である。この信号は4分配され、
cosωct (42)
となり、さらにそのうちの一つが移相器850によりψ(≠0)だけ移相され、移相された搬送波成分851
cos(ωct+ψ) (851)
として出力される。搬送波/信号分離回路30により分離された信号成分33は移相された搬送波成分851と合成器70により合成され、合成信号871
{cosψ+mg(t)}cosωct+{-sinψ+mgh(t)}sinωct
=√[{cosψ+mg(t)}2+{sinψ-mgh(t)}2]cos(ωct+φ2)
=A2cos(ωct+φ2) (871)
ただし、
φ2=arctan[{sinψ-mgh(t)}/{cosψ+mg(t)}] (871)'
A2=√[{cosψ+mg(t)}2+{sinψ-mgh(t)}2] (871)''
となる。合成信号871は、リミッタ90により振幅制限され、
cos(ωct+φ2) (891)
となる。直交検波回路100および110により、同相・直交出力101、102および811、812は
I1=cosφ1 (101)
Q1=-sinφ1 (102)
I2=cosφ2 (811)
Q2=-sinφ2 (812)
となる。これらが検波信号演算回路800に入力される。
検波信号演算回路800は、直交検波回路100および110の直交検波出力101、102および811、812を演算して復調信号191を出力する。直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102は式(101)、式(102)に示すようにφの関数であり、φは式(61)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。また、直交検波回路110から出力される同相・直交出力811、812は式(811)、式(812)に示すようにφの関数であり、φは式(871)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と移相器850の移相量ψの関数である。したがって、直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102は、変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数であり、直交検波回路110から出力される同相・直交出力811、812は変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と移相器850の移相量ψの関数である。検波信号演算回路800は、直交検波回路100から出力される同相・直交出力101、102と直交検波回路110から出力される同相・直交出力811、812から、変調されたヒルベルト変換mg(t)と移相器850の移相量ψを消去し、変調されたベースバンド信号すなわち復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよい。
図8に示す検波信号演算回路800では次のように演算して復調信号mg(t)を出力する。信号101、811は乗算器801により乗算され、出力821を得る。
I1I2=cosφ1cosφ2 (821)
また信号101、812および102、811は乗算器130および140により乗算され、出力831および841を得る。
I1Q2=-cosφ1sinφ2 (831)
Q1I2=-sinφ1cosφ2 (841)
信号821は増幅器802によりsinψ倍に振幅調整されて信号804となる。信号831は増幅器803によりcosψ倍に振幅調整され信号861となる。減算器805により信号804および信号861を加算した信号から信号841が減算され、出力806
sinψI1I2-Q1I2+cosψI1Q2
=sinψcosφ1cosφ2+sinφ1cosφ2-cosψcosφ1sinφ2 (806)
となる。また減算器180により信号841から信号831が減算され、出力881
-I1Q2+Q1I2=cosφ1sinφ2-sinφ1cosφ2 (881)
となる。信号806および881は除算器190により除算され、出力信号191
(sinψI1Q2-Q1I2+cosψI1Q2)/(-I1Q2+Q1I2)
=(sinψcosφ1cosφ2+sinφ1cosφ2-cosψcosφ1sinφ2)/(cosφ1sinφ2-sinφ1cosφ2)
=(sinψ+tanφ1-cosψtanφ2)/(tanφ2-tanφ1)
=[sinψ-mgh(t)/{1+mg(t)}-cosψ{sinψ-mgh(t)}/{cosψ+mg(t)}]/[{sinψ-mgh(t)}/{cosψ+mg(t)}+mgh(t)/{1+mg(t)}]
=mg(t)[{1+mg(t)}sinψ-(1-cosψ)mgh(t)]/[{1+mg(t)}sinψ-(1-cosψ)mgh(t)]
=mg(t) (191)
を得る。式(191)より、出力信号191には、変調されたベースバンド信号そのものが得られることがわかる。これにより振幅情報を使用せずに正確なSSBの復調信号が得られる。なお、式(191)の除算にあたっては、[{1+mg(t)}sinψ−(1−cosψ)mg(t)]=0のとき分子、分母とも0となり除算する際に不定となるが、この場合、前後の値から補完することなどで対処可能である。
したがって、上記の式による計算を回路として具体化した図8の検波信号演算回路800は2つの直交検波出力を演算して正確な復調信号mg(t)を得ることができる。また、検波信号演算回路800は、変調されたヒルベルト変換mg(t)と移相器850の移相量ψを消去し、復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよいので、検波信号演算回路800の内部の回路は、上記の計算を回路で具体化した図8に示す回路だけに限定されず、直交検波回路100、110の2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る回路であればよい。
(第六の実施形態)
図9にSSB信号受信装置の第六の実施形態を示す。図9に示す第六の実施形態は、図8に示す第五の実施形態からリミッタ80、90を取り除いたSSB信号受信装置である。したがって、合成器60、70までの動作は第五の実施形態と同じであるので説明を省略する。
第六の実施形態のSSB信号受信装置の動作を、第五の実施形態と異なる部分について、数式を用いて説明する。既に説明したように、合成器60の出力61は、
A1cos(ωct+φ1) (61)
ただし、
φ1=arctan[-mgh(t)/{1+mg(t)}] (61)'
A1=√[{1+mg(t)}2+{mgh(t)}2] (61)''
となる。一方、合成器70の出力871は、第五の実施形態で説明したように、
A2cos(ωct+φ2) (871)
ただし、
φ2=arctan[{sinψ-mgh(t)}/{cosψ+mg(t)}] (871)'
A2=√[{cosψ+mg(t)}2+{sinψ-mgh(t)}2] (871)''
である。合成信号61および871は、直交検波回路100および110により、それぞれの同相・直交出力501、502および911、912
I1=A1cosφ1 (501)
Q1=-A1sinφ1 (502)
I2=A2cosφ2 (911)
Q2=-A2sinφ (912)
となる。これらが検波信号演算回路800に入力される。
検波信号演算回路800は、直交検波回路100および110の直交検波出力501、502および911、912を演算して復調信号191を出力する。直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502は式(501)、式(502)に示すようにφとAの関数であり、φとAは式(61)'に示すように変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数である。また、直交検波回路110から出力される同相・直交出力911、912は式(911)、式(912)に示すようにφとAの関数であり、φとAは式(871)'、式(871)''に示すようにベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と移相器850の移相量ψの関数である。したがって、直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502は、変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)の関数であり、直交検波回路110から出力される同相・直交出力911、912は変調されたベースバンド信号mg(t)とヒルベルト変換mg(t)と移相器850の移相量ψの関数である。検波信号演算回路800は、直交検波回路100から出力される同相・直交出力501、502と直交検波回路110から出力される同相・直交出力911、912から、変調されたヒルベルト変換mg(t)と移相器850の移相量ψを消去し、変調されたベースバンド信号すなわち復調信号mg(t)を得る演算を行うものであればよい。
図9に示す検波信号演算回路800では次のように演算して復調信号mg(t)を出力する。信号501、911は乗算器801により乗算され、出力921を得る。
I1I2=A1A2cosφ1cosφ2 (921)
また信号501、912および502、911は乗算器130および140により乗算され、出力931および941を得る。
I1Q2=-A1A2cosφ1sinφ2 (931)
Q1I2=-A1A2sinφ1cosφ2 (941)
信号921は増幅器802によりsinψ倍に振幅調整されて信号904となる。信号931は増幅器803によりcosψ倍に振幅調整され信号961となる。減算器805により信号904および信号961を加算した信号から信号941が減算され、出力906
sinψI1I2-Q1I2+cosψI1Q2
=A1A2(sinψcosφ1cosφ2+sinφ1cosφ2-cosψcosφ1sinφ2) (906)
となる。また減算器180により信号941から信号931が減算され、出力981
-I1Q2+Q1I2=A1A2(cosφ1sinφ2-sinφ1cosφ2) (981)
となる。信号906および981は除算器190により除算され、それぞれの振幅成分Aが除去され、出力信号191
(sinψI1Q2-Q1I2+cosψI1Q2)/(-I1Q2+Q1I2)
=(sinψcosφ1cosφ2+sinφ1cosφ2-cosψcosφ1sinφ2)/(cosφ1sinφ2-sinφ1cosφ2)
=(sinψ+tanφ1-cosψtanφ2)/(tanφ2-tanφ1)
=[sinψ-mgh(t)/{1+mg(t)}-cosψ{sinψ-mgh(t)}/{cosψ+mg(t)}]/[{sinψ-mgh(t)}/{cosψ+mg(t)}+mgh(t)/{1+mg(t)}]
=mg(t)[{1+mg(t)}sinψ-(1-cosψ)mgh(t)]/[{1+mg(t)}sinψ-(1-cosψ)mgh(t)]
=mg(t) (191)
を得る。式(191)より、出力信号191には、変調されたベースバンド信号そのものが得られることがわかる。これにより振幅情報を使用しなくても正確なSSBの復調信号が得られる。なお、式(191)の除算にあたっては、[{1+mg(t)}sinψ−(1−cosψ)mg(t)]=0のとき分子、分母とも0となり除算する際に不定となるが、この場合、前後の値から補完することなどで対処可能である。
したがって、上記の式による計算を回路として具体化した図9の検波信号演算回路800は2つの直交検波出力を演算して正確な復調信号mg(t)を得ることができる。また、検波信号演算回路800の内部の回路は、第五の実施形態と同様に、上記の計算を回路で具体化した図9に示す回路だけに限定されず、直交検波回路100、110の2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る回路であればよい。
以上説明した各実施形態では、検波信号演算回路は、変調されたヒルベルト変換mg(t)を消去して、変調されたベースバンド信号mg(t)を復調信号として得ているが、復調信号として変調されたヒルベルト変換mg(t)でも問題がない場合は、逆に、変調されたベースバンド信号mg(t)を消去して、変調されたヒルベルト変換mg(t)を復調信号としてもよい。その場合も計算式から検波信号演算回路を得ることができる。
また、各実施形態では、増幅器40が出力した搬送波成分のうち一方に対して符号または振幅または位相を変えているが、これに限定されず、2つの分けた搬送波成分の符号または位相または増幅率が互いに異なるようにすればよい。また、各実施形態において、増幅器40の増幅率は2/cであるが、任意の増幅率でもよく、また増幅器40を省略してもよい。これらの場合も、各実施形態における計算と同様な計算を行い、最終的にmg(t)またはmgh(t)の式を得て、その計算式に基づいて回路を構成することができる。
また、各実施形態では、単側波帯信号として下側波帯信号の場合について説明したが、これに限定されることはなく上側波帯信号にも適用可能なことはいうまでもない。
また、各実施形態のSSB信号受信装置は回路で構成しているが、各実施形態のSSB信号受信装置を構成する回路の一部または全部を、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)またはCPUと記憶装置に格納したプログラムで構成してもよい。
また、SSB−AM信号やDSB−AM信号等の振幅変調信号から搬送波付きのSSB信号を生成する回路を用いることによって、これらの振幅変調信号を復調する場合であっても位相検波することができるので、フェージングなどの影響を軽減することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
位相検波による従来のSSB信号受信装置 本発明によるSSB信号受信装置の第一の基本構成 本発明によるSSB信号受信装置の第二の基本構成 本発明によるSSB信号受信装置の第一の実施形態 本発明によるSSB信号受信装置の第二の実施形態 本発明によるSSB信号受信装置の第三の実施形態 本発明によるSSB信号受信装置の第四の実施形態 本発明によるSSB信号受信装置の第五の実施形態 本発明によるSSB信号受信装置の第六の実施形態
符号の説明
20…周波数変換回路、30…搬送波/信号分離回路、40…増幅器、50…増幅/移相器、60、70…合成器、80、90…リミッタ、100、110…直交検波回路、400…検波信号演算回路、130、140…乗算器、170…加算器、180…減算器、190…除算器、450…180°移相器、600…検波信号演算回路、650…増幅器、660…増幅器、662…減算器、800…検波信号演算回路、801…乗算器、802…増幅器、803…増幅器、805…減算器、850…移相器

Claims (4)

  1. 搬送波が付加されたSSB信号を復調するSSB受信装置において、
    前記搬送波が付加されたSSB信号を搬送波出力および2つの信号出力に分離する搬送波/信号分離手段と、
    前記搬送波/信号分離手段から出力された前記搬送波出力を2つに分けて互いに符号が反転するようにした2つの搬送波出力と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記2つの信号出力と、をそれぞれ合成する搬送波・信号再合成手段と、
    前記搬送波・信号再合成手段の2つの出力をそれぞれ直交検波する直交検波手段と、
    前記直交検波手段から出力された2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る検波信号演算手段と、
    を備えることを特徴とするSSB信号受信装置。
  2. 搬送波が付加されたSSB信号を復調するSSB受信装置において、
    前記搬送波が付加されたSSB信号を搬送波出力および2つの信号出力に分離する搬送波/信号分離手段と、
    前記搬送波/信号分離手段から出力された前記搬送波出力を2つに分けて互いに振幅が異なるようにした2つの搬送波出力と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記2つの信号出力と、をそれぞれ合成する搬送波・信号再合成手段と、
    前記搬送波・信号再合成手段の2つの出力をそれぞれ直交検波する直交検波手段と、
    前記直交検波手段から出力された2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る検波信号演算手段と、
    を備えることを特徴とするSSB信号受信装置。
  3. 搬送波が付加されたSSB信号を復調するSSB受信装置において、
    前記搬送波が付加されたSSB信号を搬送波出力および2つの信号出力に分離する搬送波/信号分離手段と、
    前記搬送波/信号分離手段から出力された前記搬送波出力を2つに分けて互いに位相が異なるようにした2つの搬送波出力と、前記搬送波/信号分離手段から出力された前記2つの信号出力と、をそれぞれ合成する搬送波・信号再合成手段と、
    前記搬送波・信号再合成手段の2つの出力をそれぞれ直交検波する直交検波手段と、
    前記直交検波手段から出力された2つの直交検波出力を演算して復調信号を得る検波信号演算手段と、
    を備えることを特徴とするSSB信号受信装置。
  4. 請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のSSB信号受信装置において、
    前記搬送波・信号再合成手段と前記直交検波手段との間に、前記搬送波・信号再合成手段の出力の振幅を制限して出力する振幅制限手段を備え、
    前記直交検波手段は、前記振幅制限手段によって振幅が制限された前記搬送波・信号再合成回路の2つの出力をそれぞれ直交検波することを特徴とするSSB信号受信装置。
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