JP2929366B2 - デジタルam復調器とその方法 - Google Patents

デジタルam復調器とその方法

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JP2929366B2 JP11709396A JP11709396A JP2929366B2 JP 2929366 B2 JP2929366 B2 JP 2929366B2 JP 11709396 A JP11709396 A JP 11709396A JP 11709396 A JP11709396 A JP 11709396A JP 2929366 B2 JP2929366 B2 JP 2929366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルAM復調器
とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、無線通信機等の受信機におい
て、AM信号を復調する場合、包絡線検波や2乗検波等の
復調方式があった。これらの検波回路は、ダイオード等
のアナログ素子で構成されているため、周囲の温度や湿
度の変化及び経年変化によって回路の動作が不安定にな
り、定量的に変調信号を検波するのが困難となる場合が
あった。そこで、昨今、デジタル信号処理技術の発達に
伴い、デジタル処理によるAM信号の復調器やその方法が
種々提案されている。
【0003】デジタルAM復調の従来技術(1)として、
2乗和平方根処理を施して、キャリヤの包絡線に比例し
た変調信号を取り出す包絡線検波方式がある。図2に示
すこの方式によれば、まず、入力するアナログAM信号を
アナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器とい
う。)でデジタルAM信号Xinに変換し端子20よりデジタ
ルAM復調器に入力するが、一般的にA/D変換器に入力
する信号及びD/A変換器に入力する信号等と、標本化
周波数(以下、サンプリング周波数とも言う。)fsと
が、式(1)の関係を満足している必要がある。但し、
tsをサンプリング時間、tcを搬送波周期、fcを搬送波周
波数とする。 fc≦2fs ∴ ts≦tc/2 ・・・(1)
【0004】また、式(1)の関係が満足し、式(2)
で示すサンプリング周波数でサンプリングしている時、
乗算器22でデジタルAM信号Xinを自乗した信号と、他
方、レジスタDで構成されたデジタル移相器21でデジタ
ルAM信号Xinをπ/2移相処理し乗算器23で自乗した信
号とが、デジタルAM信号のπ/2位相差のあるq個のサ
ンプル点となる。但し、qは整数である。 4fc=fs(1+2q) ・・・(2)
【0005】そして、この2つの信号を加算器24で加算
することで、搬送波fcの振幅の2乗値となる信号Yinを
生成することができる。次に、この2乗和信号Yinを平
方根関数器25で平方根演算し開平することで、デジタル
AM信号の搬送波の振幅を得ることができ、開平後の信号
の直流成分をデジタルハイパスフィルタ26で除去し端子
27から出力し、デジタル/アナログ変換器(以下、D/
A変換器という。)でアナログ信号に変換することで、
AM信号波の振幅レベルに比例した信号を取り出すことが
でき、搬送波の包絡線に比例した変調信号を得ることが
できる。
【0006】しかし、上記の従来技術(1)では、原理
的には十分であるものの実用的ではなく、例えば、平方
根関数器25の平方根開平演算でROMテーブルや専用の
デジタル平方根開平器等を使用するが、ROMテーブル
の場合、平方根展開の演算精度を上げるために、膨大な
容量のROMが必要となる問題点があり、また、専用の
デジタル平方根開平器を使用する場合は、平方根開平器
の演算が所定の精度まで収束するのに長時間を要すると
いう問題点もあり、何れの場合も平方根の演算精度が、
復調特性に大きく影響するものであった。
【0007】また、従来技術(2)として、従来技術
(1)の問題点の起因となっていた平方根開平の演算を
改良した、特公平6−18291号公報に開示されてい
るデジタルAM復調方式がある。図3で示すように、この
方式は、平方根開平演算の演算精度を入力される信号の
信号レベルによらず一定の精度で演算を実施する方式で
あり、平方根開平演算をする前段で2乗和信号Yinのレ
ベルをレベル検出器30で検出し、そのレベルを平方根開
平を施す多項式演算器32の許容誤差範囲に入るように、
上方ビットシフタ31でレベル補正した後、多項式演算器
32で2乗和平方根に開平し、下方ビットシフタ33で元の
信号レベルに戻して変調信号を得る方式であった。
【0008】しかし、上記の従来技術(2)では、平方
根の演算精度を上げるために、多項式演算器32の許容誤
差範囲内に入るように、2乗和信号Yinのレベルを補正
することが必要とされるが、例えば、2乗和信号Yinの
レベルがゼロに限りなく近い、つまり、100%変調に
近い信号を多項式演算器32の許容誤差範囲内に入れるの
は原理的に不可能であり、また、レベル補正したゼロに
限りなく近い2乗和信号Yinを精度よく平方根開平演算
するには相当量の計算量を必要とし、実際にクオリティ
の高い変調信号を得るためには、ゼロに限りなく近い2
乗和信号Yinをも高い精度で復調する必要があり、結果
的に相当量の計算が必要となる問題点があった。
【0009】一方、従来技術(3)として、上記の従来
技術(1)及び(2)の平方根開平演算方式によるデジ
タルAM復調方式とは異なる、PSN(Phase Shift Networks
の略)方式のデジタルSSB 復調方式がある。図4に示す
この方式は、SSB変調信号の検波に用いられ、搬送波の
上または下の周波数にある側波帯(以下、サイドバンド
とも言う。)成分をDCに移相することで検波するもので
ある。
【0010】しかし、上記の従来技術(3)では、PSN
によって移相処理することができる帯域が限定され、こ
の帯域を越えると、復調信号の帯域に目的外の側波帯
(イメージ)の移相が生じ、つまり、エイリアシングが
起こり復調信号のサイドバンドサプレッションレベルが
悪化する。後段のフィルタで、この悪化を抑えるような
最適なPSN 帯域を選択できるようにするが、その分、群
遅延特性が悪化する。従って、これらを適当にトレード
オフしても、S/Nが高くクオリティの良い変調信号を
得るのは困難となる。
【0011】また、従来技術(4)として、上記従来技
術(3)を応用したPSN 方式のデジタルAM復調方式があ
る。図5に示すこの方式は、上記従来技術(3)のSSB
信号とは異なり、搬送波に対して側波帯が正負対称にあ
るため、従来技術(3)のPSN で移相処理を行った後、
絶対値をとることで検波するものである。
【0012】このPSN 絶対値検波方式は、上記従来技術
(1)及び(2)のデジタルAM復調方式に比べて、変調
度の大きいAM信号でも演算器の演算量によらず精度良く
復調できるものである。
【0013】しかし、従来技術(4)は、A/D変換器
に入力する信号が式(1)の条件を満たしていても、内
部での絶対値加算した際に生成される信号が、式(1)
の条件を満足せずにD/A変換器に入力されるため、エ
イリアシングが発生し、振幅性の歪み信号が復調信号に
重畳する問題が生じていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上述した種々
のデジタルAM復調方式の問題点に鑑みて、本発明では従
来技術(4)のPSN 絶対値検波方式を改良し、絶対値加
算して生成した信号等が、式(1)の条件を満たさずD
/A変換されても、極めて小さなレベルの歪みで復調信
号を得ることができるようなデジタルAM復調器を提案す
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】アナログ/デジタル変換
器と、移相器と、第1の位相係数発生器と、該第1の位
相係数発生器と接続される第1の乗算器と、第2の位相
係数発生器と、該第2の位相係数発生器と接続される第
2の乗算器と、前記第1の乗算器の出力と前記第2の乗
算器の出力とを加算する第1の加算器と、該第1の加算
器と接続する絶対値化器とで構成されるn個のPSN回
路と、該n個のPSN回路の夫々の出力を加算する第2
の加算器と、レベル補正器と、デジタルハイパスフィル
タと、デジタル/アナログ変換器とが、縦列接続してい
ることを特徴とするデジタルAM復調器を提供する。
【0016】また、請求項1のデジタルAM復調器におい
て、入力したAM信号をアナログ/デジタル変換器で第1
のデジタル信号に変換し、前記第1のデジタル信号から
移相器で、π/2の位相差を持つ第2及び第3のデジタ
ル信号を生成し、前記第2のデジタル信号に、前記第1
の位相係数発生器より出力される各々がπ/nの位相差を
持つcos(0)からcos((n-1)π/n)までのn個の位相係数を
n個の第1の乗算器でそれぞれ乗じ、前記第3のデジタ
ル信号に、前記第2の位相係数発生器より出力される各
々がπ/n の位相差を持つsin(0)からsin((n-1)π/n) ま
でのn個の位相係数をn個の第2の乗算器でそれぞれ乗
じ、前記n個の第1の乗算器の出力と前記n個の第2の
乗算器の出力とをそれぞれn個の第1の加算器でベクト
ル合成し、前記n個の絶対値化器でそれぞれ絶対値をと
ることでn個の第4のデジタル信号を生成し、前記n個
の第4のデジタル信号を第2の加算器で全て加算し、レ
ベル補正器でレベル補正した後、デジタルハイパスフィ
ルタで直流成分を除去し、デジタル/アナログ変換器で
アナログ信号に変換して、復調信号を得ることを特徴と
するデジタルAM復調器の復調方法を提供する。但し、n
は自然数とする。
【0017】
【実施の形態】本発明のデジタルAM復調器とその方法を
示す実施の形態を図面を基に説明する。図1は本発明の
実施の形態を示すブロック図であり、1は入力端子、2
はA/D変換器、3はデジタル移相器、4はデジタル加
算器、5はレベル補正器、6はデジタルハイパスフィル
タ、7はD/A変換器、8は出力端子、9はPSNマト
リックス、10a,10b,10cは位相係数発生器、
11a,11b,11cは位相係数発生器、12a,1
2b,12cはデジタル乗算器、13a,13b,13
cはデジタル乗算器、14a,14b,14cはデジタ
ル加算器、15a,15b,15cは絶対値化器であ
る。尚、以下の説明において、10a,10b,10c
の位相係数発生器を位相係数発生器10とし、11a,
11b,11cの位相係数発生器を位相係数発生器11
とし、12a,12b,12cのデジタル乗算器をデジ
タル乗算器12とし、13a,13b,13cのデジタ
ル乗算器をデジタル乗算器13とし、14a,14b,
14cのデジタル加算器をデジタル乗算器14とし、1
5a,15b,15cの絶対値化器を絶対値化器15と
する。
【0018】無線通信機において、受信したアナログAM
信号x(式(3))は、フロント・エンド回路及びIF回
路等で信号処理された後、所望のIF周波数となって、本
発明の入力端子1から入力し、A/D変換器2において
サンプリング周波数fsで標本化され量子化しデジタルAM
信号xd となる。尚、vsを変調信号とする。 x=(1+vs)cos(ωt−ψ) ・・・(3)
【0019】デジタルAM信号xd は、デジタル移相器3
で式(4)及び(5)で示すπ/2の位相差をもつ2つ
のデジタルAM信号I及びQになる。ここで便宜的に、ψ
を零とする。 I=(1+vs)cosωt ・・・(4) Q=(1+vs)cos(ωt-π/2)=(1+vs)sinωt ・・・(5)
【0020】この信号I及びQを用いて、デジタルAM信
号xd の1周期をπ/nの位相差で等分割したn個のデ
ジタルAM信号xdnを生成する。式(6)で示す如く、こ
のn個のデジタルAM信号xdnは、先の2つの直交するデ
ジタルAM信号I及びQと、後段に位置する位相係数発生
器10及び11からの所望の位相差を導き出す位相係数
信号とをそれぞれ乗算器12及び13で乗算し、加算器
14でそれらをベクトル合成することで生成される。 xd1 = (1+vs)cos(ωt-0) =Icos(0)π + Qsin(0)π xd2 = (1+vs)cos(ωt-(π/n)) =Icos(π/n) + Qsin(π/n) xd3 = (1+vs)cos(ωt-(2π/n)) =Icos(2π/n) + Qsin(2π/n) xd4 = (1+vs)cos(ωt-(3π/n)) =Icos(3π/n) + Qsin(3π/n) ・・・・・・・・・・・・・・・ xdn = (1+vs)cos(ωt-((n-1)π/n)) =Icos((n-1)π/n) + Qsin((n-1)π/n) ・・・(6)
【0021】次に、絶対値化器15でn個のデジタルAM
信号xdnをそれぞれ絶対値にし、この絶対値をとったn
個のデジタルAM信号|xdn|をデジタル加算器4で、式
(7)及び(8)で示す如く全て加算する。 |xd1|+|xd2|+|xd3|+|xd4|+・・・+|xdn| =(1+vs)Σ|Icos(i/n)π + Qsin(i/n)π| (但し、i=0 〜 n-1) ・・・ (7) =(1+vs)Σ|cos(ωt-(i/n)π)| (但し、i=0 〜 n-1) ・・・ (8)
【0022】ここで、式(8)のΣ|cos (ωt-(i/n)
π)|の項について、f(ωt)=Σ|cos (ωt-(i/n)π)
| として式を展開すると、nが偶数の時と奇数の時と
で、関数f(ωt)の展開式が相違してくる。nが偶数の
時、関数f(ωt) の展開式は、以下に示すようになる。 [ 0<ωt≦ π/n] f(ωt)=Cmax1・cos(ωt-( π/2n)) [ π/n<ωt≦2π/n] f(ωt)=Cmax1・cos(ωt-(3π/2n)) [2π/n<ωt≦3π/n] f(ωt)=Cmax1・cos(ωt-(5π/2n)) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [(n-1)π/n<ωt≦nπ/n] f(ωt)=Cmax1・cos(ωt-((n-1)π/2n)) (但し、Cmax1=2・Σ|cos((2j-1)π/2n)| (j=0〜n/2)) ・・・(9)
【0023】また、nが奇数の時は、以下に示すように
なる。 [-π/2n<ωt≦ π/2n] f(ωt)=Cmax2・cos(ωt) [ π/2n<ωt≦3π/2n] f(ωt)=Cmax2・cos(ωt-( π/n)) [3π/2n<ωt≦5π/2n] f(ωt)=Cmax2・cos(ωt-(2π/n)) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [(2n-3)π/2n<ωt≦(2n-1)π/2n] f(ωt)=Cmax2・cos(ωt-((n-1)π/n)) (但し、Cmax2=1+2・Σ|cos(2jπ/2n)| (j=1〜(n-1)/2)) ・・・(10)
【0024】関数f(ωt)は、nが偶数の時、式(9)か
らωt=π/(2n),3π/(2n),5π/(2n),・・・・で式(11)に
示す最大値を、ωt=0,π/n,2π/n,3π/n,・・・・ で式(1
2)に示す最小値をとる。 f(π/(2n))=Cmax1 ・・・(11) f(π/n) =Cmax1・cos(π/(2n)) ・・・(12)
【0025】同様に、nが奇数の時、 式(10)から
ωt=0,π/n,2π/n,3π/n,・・・・で式(13)に示す最大
値を、ωt=π/(2n),3π/(2n),5π/(2n),・・・・で式(1
4)に示す最小値をとる。 f(0) =Cmax2 ・・・(13) f(π/(2n)) =Cmax2・cos(π/(2n)) ・・・(14)
【0026】nを無限大にすると、式(12)のcos(π
/(2n))の項は1に収束し、最小値は最大値Cmax1に近づ
くことがわかる。つまり、nを大きくすると、関数f(ω
t)は時間tに関係なく、ある一定の値Cmax1に近づく。
式(14)においても同様である。
【0027】上述より、f(ωt)が、ある一定の値Cmax1
及びCmax2に近づくということは、式(8)は、式(1
5)及び(16)で示すような式となり、変調波成分と
直流成分だけが残るような形になることがわかる。つま
り、絶対値加算で生成した信号は、変調信号の包絡線に
ほぼ近くなることが言える。 (1+vs)・Cmax1 ・・・(15) (1+vs)・Cmax2 ・・・(16)
【0028】式(15)及び(16)から推察できる通
り、nを増加すると、これらの直流成分が増加するた
め、加算器4の後段にあるデジタル乗算器5で、式(1
1)及び(13)で示す最大値の逆数を下記に示す補正
係数Cとして乗じ、元のデジタルAM信号の振幅レベルに
なるように補正する。 C=1/Cmax1=1/(2・Σ|cos(2j-1)π/2n)|) (nが偶数:j=0〜n/2) ・・・(17) C=1/Cmax2=1/(1+2・Σ|cos(2j)π/2n)|) (nが奇数:j=1〜(n-1)/2) ・・・(18)
【0029】補正係数発生器16とデジタル乗算器5と
で補正された信号は、デジタルハイパスフィルタで直流
分を除去され、デジタルAM信号の包絡線そのものとな
る。その後、デジタル/アナログ変換器(以下、D/A
変換器という。)でアナログ信号に変換し搬送波の包絡
線に比例したAM復調信号yを出力端子8に出力する。
【0030】しかし、nは有限であるため、関数f(ωt)
は多少なりとも、時間と共に変動し、絶対値加算で生成
した信号は、わずかながら包絡線から変化する。関数f
(ωt)は、式(8)で明らかのように、無変調の時の絶
対値加算で生成した信号として考えられる。包絡線から
変化する幅は、関数f(ωt)の変動する幅に依存するた
め、後述からは便宜的に無変調として考える。
【0031】そこで、サンプリング条件が満足されなか
った場合等に生じる、エイリアシング信号をその振幅と
周波数に分けて導出する。まず、図6に、上述のn個の
デジタルAM信号を絶対値加算したときの波形図を示す。
図6より、絶対値加算した波形は、搬送波周波数fcの2
n倍の周波数fbで繰り返す半波正弦波であり、この振幅
レベルは上述した最大値、最小値の比より、補正係数C
で補正されていることを考慮して、つまり、復調した時
の信号の最大振幅レベルを1となるように正規化するも
のとし、半波正弦波の振幅レベルをαとすると、αは式
(19)のようになる。 α=(最大値−最小値)・補正係数 =1−cos(π/(2n)) ・・・(19)
【0032】今、nを無限大にすると、式(19)に示
すαは零に収束し、絶対値加算で生成した信号は、デジ
タルAM信号の包絡線そのものとなって検波されているこ
とが分かる。しかし、デジタルAM信号を無限個加算する
ことは非現実的で、実用上問題の無いレベルにαがあれ
ば良いと考えられる。
【0033】一方、絶対値加算で生成された半波正弦波
の周波数は、搬送波周波数の2n倍となり、式(1)の
条件を満たすことができなくなる。これは、半波正弦波
において、その2分の1周期に1つ以上のサンプル点が
存在しないような形となる。これより、サンプリング周
波数fsに対し、絶対値加算で生成された半波正弦波の周
波数が、fs/(4n) を越える周波数となるため、復調信号
にエイリアシングのような現象が生じる。また、図6で
示すこの標本点の軌跡がエイリアシング信号になると考
えられるが、図6より、そのエイリアシング信号の振幅
は式(19)で示すα以下の値になる。
【0034】一方、半波正弦波の周期tbは、搬送波周期
tcの1/2n倍であるから、tbは式(20)のようになり、
サンプリング時間tsと半波正弦波の周期tbの差をΔt と
すると、Δtは式(21)になる。 tb=2ntc ・・・(20) Δt=|ts-tb| ・・・(21)
【0035】また、半波正弦波において、サンプル点
は、m周期おきに1個表れるので、サンプル点mは式
(22)のようになり、それにともないΔt は、式(2
3)のようになる。 m={(ts/tb)+0.5} (但し、{ }は整数部を示す。) ・・・(22) Δt=|ts-mtb| ・・・(23)
【0036】以上より、エイリアシング信号の周期tu
は、式(24)で示す形となるから、その周波数fuは、
式(25)のようになる。 tu=(tb/Δt)ts ・・・(24) fu=fs/(tb/Δt)=2nfcfs|(1/fs)-(m/(2nfc))| ・・・(25)
【0037】また、このエイリアシング信号が半波正弦
波の1周期分を跨ぐ位置で極が反転するため、復調信号
の歪み成分には、式(25)で示す周波数の高調波成分
もが重畳される。また、この高調波の振幅レベルは、式
(19)で求めたαを乗じた値以下になると考えられ
る。
【0038】以上より、復調信号の歪み成分は、エイリ
アシング信号とその高調波のみで構成されており、式
(19)や式(25)からその歪みレベルは、変調度に
は依存せず、例えば100%の変調度であっても、歪み
レベルの小さいクオリティの高い変調信号を検波するこ
とが可能となる。
【0039】
【実施例1】サンプリング周波数fsが48.441kHz、搬送
波周波数fcが12kHzで、本発明のデジタルAM復調を実施
した場合の搬送波に対する歪みレベルを表1に示す。
【0040】
【実施例2】サンプリング周波数fsが48.441kHz、搬送
波周波数fcが15.138kHzで、本発明のデジタルAM復調を
実施した場合の搬送波に対する歪みレベルを表2に示
す。
【0041】
【実施例3】サンプリング周波数fsが48.441kHz、搬送
波周波数fcが1.892 kHzで、本発明のデジタルAM復調を
実施した場合の搬送波に対する歪みレベルを表3に示
す。
【0042】
【発明の効果】本発明で示すデジタルAM復調器によれ
ば、近年のデジタル技術やICの製造技術の進歩に鑑み
ると、アナログAM復調器に比べて、回路等の構成が簡単
で、かつ、安定してクオリティの高い変調信号が検波で
き、また、IC化することで安価にデジタルAM復調器を
実現することができる。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示すブロック図。
【図2】 従来技術(1)を示すブロック図。
【図3】 従来技術(2)を示すブロック図。
【図4】 従来技術(3)を示すブロック図。
【図5】 従来技術(4)を示すブロック図。
【図6】 本発明の実施の形態を示す波形図。
【符号の説明】
1 入力端子 2 A/D変換器 3 デジタル移相器 4 デジタル加算器 5 レベル補正器 6 デジタルハイパスフィルタ 7 D/A変換器 8 出力端子 9 PSNマトリックス 10a〜10c 位相係数発生器 11a〜11c 位相係数発生器 12a〜12c デジタル乗算器 13a〜13c デジタル乗算器 14a〜14c デジタル加算器 15a〜15c 絶対値化器
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ/デジタル変換器と、移相器
    と、第1の位相係数発生器と、該第1の位相係数発生器
    と接続される第1の乗算器と、第2の位相係数発生器
    と、該第2の位相係数発生器と接続される第2の乗算器
    と、前記第1の乗算器の出力と前記第2の乗算器の出力
    とを加算する第1の加算器と、該第1の加算器と接続す
    る絶対値化器とで構成されるn個のPSN回路と、該n
    個のPSN回路の夫々の出力を加算する第2の加算器
    と、レベル補正器と、デジタルハイパスフィルタと、デ
    ジタル/アナログ変換器とが、縦列接続していることを
    特徴とするデジタルAM復調器。
  2. 【請求項2】 請求項1のデジタルAM復調器において、
    入力したAM信号をアナログ/デジタル変換器で第1のデ
    ジタル信号に変換し、前記第1のデジタル信号から移相
    器で、π/2の位相差を持つ第2及び第3のデジタル信
    号を生成し、前記第2のデジタル信号に、前記第1の位
    相係数発生器より出力される各々がπ/nの位相差を持つ
    cos(0)からcos((n-1)π/n)までのn個の位相係数をn個
    の第1の乗算器でそれぞれ乗じ、前記第3のデジタル信
    号に、前記第2の位相係数発生器より出力される各々が
    π/n の位相差を持つsin(0)からsin((n-1)π/n) までの
    n個の位相係数をn個の第2の乗算器でそれぞれ乗じ、
    前記n個の第1の乗算器の出力と前記n個の第2の乗算
    器の出力とをそれぞれn個の第1の加算器でベクトル合
    成し、前記n個の絶対値化器でそれぞれ絶対値をとるこ
    とでn個の第4のデジタル信号を生成し、前記n個の第
    4のデジタル信号を第2の加算器で全て加算し、レベル
    補正器でレベル補正した後、デジタルハイパスフィルタ
    で直流成分を除去し、デジタル/アナログ変換器でアナ
    ログ信号に変換して、復調信号を得ることを特徴とする
    デジタルAM復調の復調方法。
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