JP6277108B2 - 粒状乾燥食品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状乾燥食品及びその製造方法に関し、詳細には、果物及び/又は野菜を含む粒状乾燥食品及びその製造方法に関する。
果物や野菜は、保存性を高めるために乾燥して、粉末状や粒状の乾燥品として用いられることが多い。イチゴをはじめとする果物の乾燥品は、通常、果物原料をすり潰した後、目的とする着味を施したのち凍結乾燥することで製造する。凍結乾燥後の乾燥品は板状に仕上がっており、粒状の乾燥食品を得ようとする場合、造粒工程にて、粉末の発生が多く、目的とする粒度帯の粒状乾燥品の製品化率が低い。そこで、ゲル化剤等を用いて一度ゲル状物を作成し、チョッピングなどの整粒工程により所定の大きさにすることで、目的とする粒度帯の粒状乾燥品の製品化率を上げることが提案されている。しかし、ゲル化剤を用いる場合は、ゲル化剤を溶かす機械を用意する必要があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、ゲル化剤を用いず、粉末の発生を少なくした、粒状乾燥食品及びその製造方法を提供する。
本発明は、粒状澱粉と、上記粒状澱粉に含浸されている食品成分を含む粒状乾燥食品であり、上記食品成分は、果物及び野菜からなる群から選ばれる一種以上であり、上記粒状乾燥食品が、粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含むことを特徴とする粒状乾燥食品に関する。
上記粒状乾燥食品が、粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過せず、且つ目開き8mmのふるいを通過する粒子を75質量%以上含むことが好ましい。また、上記食品成分は、果物であることが好ましい。
本発明は、また、上記の粒状乾燥食品の製造方法であって、粒状澱粉に、果物及び野菜からなる群から選ばれる一種以上の食品成分を含む半液状物を混合して食品組成物を得る工程と、上記食品組成物を凍結乾燥し、粉砕して粒状乾燥食品を得る工程を含むことを特徴とする粒状乾燥食品の製造方法に関する。
上記粒状澱粉は、粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含むことが好ましく、粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過せず、且つ目開き8mmのふるいを通過する粒子を75質量%以上含むことがより好ましい。上記食品組成物は、さらに、甘味料、酸味料、乳化剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる一種以上の添加物を含むことが好ましい。上記食品組成物において、上記粒状澱粉と上記半液状物の質量比は1:2〜1:7であることが好ましい。上記食品組成物において、上記粒状澱粉と上記食品成分の質量比は1:2〜1:5であることが好ましい。
本発明は、粒状澱粉に果物及び野菜からなる群から選ばれる一種以上の食品成分を含浸させることにより、ゲル化剤を用いることなく、粉末の発生を少なくし、粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含む粒状乾燥食品を提供することができる。また、本発明によると、粒状澱粉に、果物及び野菜からなる群から選ばれる一種以上の食品成分を含む半液状物を混合し、得られた食品組成物を凍結乾燥し、粉砕することで、ゲル化剤を用いることなく、粉末の発生を少なくし、粒状乾燥食品を作製することができる。
図1は、本発明の粒状乾燥食品の模式的説明図である。
本発明者らは、果物及び/又は野菜を含む粒状乾燥食品を製造する際に、驚くことに、粒状澱粉を用い、該粒状澱粉に果物及び/又は野菜を含浸させることで、ゲル化剤を使用しなくても、粉末の発生を少なくし、粒状の乾燥食品が得られることを見出し、本発明に至った。また、粒状澱粉を用いることで、果物及び/又は野菜自体の風味や色調を害することなく、良好な風味と色調を有し、カリカリもしくはサクサクしたとして適度な歯ごたえがある食感の粒状の乾燥食品が得られることを見出した。
上記粒状乾燥食品は、粒状乾燥食品全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含めばよく、形状は特に限定されない。図1に示しているように、粒状乾燥食品1は、形状は特に限定されず、不定形であってよい。また、粒状乾燥食品1は、多孔質であり、表面及び/又は内部に空隙10が形成されていることが好ましい。以下において、「ふるい」とは、特に指摘がない場合、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいを意味する。
カリカリもしくはサクサクとして適度な歯ごたえがある食感を有し、良好な風味の粒状乾燥食品が得られやすい観点から、上記粒状乾燥食品は、粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過しない粒子を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。カリカリもしくはサクサクとして適度な歯ごたえがある食感になりやすく、良好な風味の粒状乾燥食品が得られやすい観点から、上記粒状乾燥食品は、粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過せず、且つ目開き8mmのふるいを通過する粒子を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。
上記粒状乾燥食品は、粒状澱粉と、該粒状澱粉に含浸されている果物及び野菜からなる群から選ばれる食品成分を含む。上記果物としては、特に限定されず、例えば、イチゴ、ブルーベリー、ブドウ、メロン、バナナ、ナシ、ミカン、オレンジ、マンゴ、リンゴ、ライチ、キューイ、パイナップル、ラズベリーなどが挙げられる。上記野菜としては、特に限定されず、トマト、ホウレン草、ニンジン、ブロッコリ、抹茶などが挙げられる。これらの食品成分は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。粒状澱粉に含浸しやすい観点から、上記食品成分は、果物であることが好ましく、イチゴ、ブルーベリー、メロン、バナナ、ラズベリー及びマンゴからなる群から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
上記粒状澱粉は、粒状であればよく、その形状は特に限定されない。カリカリもしくはサクサクとして適度な歯ごたえがある食感を有し、良好な風味の粒状乾燥食品が得られやすい観点から、上記粒状澱粉は、粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがさらに好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。カリカリもしくはサクサクとして適度な歯ごたえがある食感を有し、良好な風味の粒状乾燥食品が得られやすい観点から、上記粒状澱粉は、粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過せず、且つ目開き8mmのふるいを通過する粒子を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。上記粒状澱粉としては、例えば、J−オイルミルズ社製の「ネオトラスト(登録商標)W−100」などの市販品を用いてもよい。
上記粒状澱粉は、例えば、粒状澱粉の全体質量に対して、澱粉を40質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは50質量%以上含み、さらに好ましくは55質量%以上含み、さらに好ましくは60質量%以上含む。また、例えば、粒状澱粉の全体質量に対して、澱粉を100質量%以下含んでもよく、99質量%以下含んでもよく、98質量%以下含んでもよく、95質量%以下含んでもよく、90質量%以下含んでもよく、85質量%以下含んでもよい。上記粒状澱粉は、澱粉に加えて、他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、炭酸カルシウムなどの不溶性塩や乳化剤などが挙げられる。上記粒状澱粉は、多孔質であり、表面及び/又は内部に空隙を有することが好ましい。
上記粒状乾燥食品は、さらに、必要に応じて、甘味料、酸味料、乳化剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる一種以上の添加物を含んでもよい。上記甘味料としては、例えば、砂糖、液状の果糖、ブドウ糖、水飴、糖アルコールなどの天然甘味料や合成甘味料などが挙げられ、味覚的観点から、砂糖であることが好ましい。上記酸味料としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸などが挙げられ、味覚的観点から、クエン酸であることが好ましい。上記乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを用いることができる。或いは、上記乳化剤にて水と油脂を乳液状にしてした乳化油脂を使用してもよい。上記油脂としては、菜種油、米油、キャノーラ油、パーム油などの油脂を用いることができる。上記酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどが挙げられる。
上記粒状乾燥食品において、粒状澱粉と食品成分の質量比(粒状澱粉:食品成分)は、1:2〜1:5であることが好ましく、1:2〜1:4であることがより好ましい。カリカリもしくはサクサクとして適度な歯ごたえがある食感を有するとともに、食品成分の本来の風味と色調を有することになりやすい。
上記粒状乾燥食品は、上記粒状澱粉に、上記果物及び野菜からなる群から選ばれる一種以上の食品成分を含む半液状物を混合して得られた食品組成物を凍結乾燥し、粉砕することで製造することが好ましい。粉末の発生を少なくして、粒状乾燥食品を得ることができる。本発明において、半液状物とは、固形物と液状物の混合物をいう。
上記半液状物は、食品成分として、上記果物及び/又は野菜の破砕物を含むことができる。上記果物及び/又は野菜の破砕物は、上記果物及び/又は野菜を破砕して得ることができる。上記果物及び/野菜の破砕は、特に限定されないが、例えば、チョッパーによりチョッピングすることで行うことができる。上記半液状物は、食品成分として、上記果物及び/又は野菜の破砕物に加えて、天然果汁、濃縮果汁、天然野菜ジュース又は濃縮野菜ジュースを含んでもよい。また、上記半液状物は、必要に応じて、上記甘味料、酸味料、乳化剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる一種以上の添加物を含んでもよい。また、上記半液状物は、必要に応じて、水を含んでもよい。
上記半液状物は、ペースト状であってもよく、ピューレ状であってもよい。
上記果物及び野菜からなる群から選べる一種以上の食品成分の破砕物に、天然果汁、濃縮果汁、天然野菜ジュース又は濃縮野菜ジュース、上述した添加剤や水などを添加し、ニ―ダーなどにて混合することで、半液状物を得る。
上記食品組成物において、上記粒状澱粉と上記半液状物の質量比(粒状澱粉:半液状物)は1:2〜1:7であることが好ましく、1:2〜1:6であることがより好ましく、1:2〜1:5であることがさらに好ましい。上記粒状澱粉は、吸水性が高く、上記範囲内であれば、半液状物を効果的に含浸させることができる。
上記食品組成物において、上記粒状澱粉と上記食品成分の質量比(粒状澱粉:食品成分)は1:2〜1:5であることが好ましく、1:2〜1:4であることが好ましい。上記粒状澱粉は、多孔質であり、表面及び/又は内部に空隙を有しているため、高濃度の食品成分を含浸させても、凍結乾燥が良好に行われる。
上記半液状物と上記粒状澱粉をニ―ダーなどにて混合することで、食品組成物を得る。得られた食品組成物を凍結乾燥する。凍結乾燥の前に、上記食品組成物を、70〜90℃の温度範囲内で、30〜60分間加熱してもよい。上記粒状澱粉への上記果物及び野菜からなる群から選べる一種以上の食品成分を含む半液状物の含浸を促進することができる。凍結のための温度は特に限定されないが、一般的に、−10℃〜−100℃、好ましくは、−20℃〜−70℃の範囲内である。凍結後、常用の真空凍結乾燥機で凍結乾燥する。凍結乾燥条件は特に限定されないが、真空度10〜200Pa、品温30〜80℃、時間は15〜40時間であることが好ましく、真空度30〜100Pa、品温40〜50℃、時間は20〜30時間であることがより好ましい。凍結乾燥後、所定の大きさに破砕する。破砕には、所定の粒度帯の粒状に破砕し得る装置を用いればよく、特に限定されない。例えば、網式造粒機などを用いることができる。網式造粒機の穴のサイズを調整することで、目的の粒度帯の粒状乾燥食品を得ることができる。粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含む粒状乾燥食品を得る観点から、網式造粒機の穴のサイズは、6〜12mmであることが好ましく、7〜11mmであることがより好ましく、7〜10mmであることがさらに好ましく、7〜9mmであることが特に好ましい。本発明の製造方法によると、粒状澱粉、好ましくは粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含む粒状澱粉を用いることにより、粉末の発生を少なくし、高い造粒歩留りで、所定の粒度を有する粒状乾燥食品を得ることができる。なお、粉砕後、必要に応じて、目開き2mm以下のふるいによって、粉末を取り除いてもよい。
上記粒状乾燥食品は、カリカリもしくはサクサクとして適度な歯ごたえがある食感を有するとともに、食品成分の本来の風味及び色調を有しており、粒状の果物や野菜を含む食品、例えば、シリアル、ヨーグルト、アイスクリームのトッピングなどに好適に用いることができる。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
冷凍イチゴ(チリ産)500gをチョッパー(南常鉄工製、型番「M−22E」)でチョッピングした。次いで、チョッピングしたイチゴに、イチゴ濃縮果汁(SVZ社製、品名「ストロベリー7倍透明濃縮果汁」)150g、水225g、砂糖300g、乳化油脂(理研ビタミン製、品名「エマテックS−500」)50g、クエン酸20g、酸化防止剤(ビタミンE)0.5gを添加して混合ニ―ダー(品川工業所製、型番「60NQVP」)で均一に混合して半液状物を得た。得られて半液状物に、粒状澱粉(商品名「ネオトラスト(登録商標)W−100」、J−オイルミルズ社製、粒状澱粉全体質量に対する目開き1mmのJIS Z 8801の規定の標準ふるいを通過しない粒子の含有量80質量%)200gを添加し、混合用ニ―ダー(品川工業所製、型番「60NQVP」)で均一に混ぜあわせて食品組成物を得た。得られた食品組成物をトレーに充填し、−30℃の冷凍庫で16時間以上凍結した。その後、真空凍結乾燥機(大川原製作所製、型番「SF−20」)を用い、真空度200Pa以下、品温50℃以下の条件で、約20時間乾燥した。乾燥後の食品組成物を、8mm穴の網式造粒機(畑鉄工所製、型番「HU」)にて粉砕し、乾燥食品を得た。
(実施例2)
冷凍イチゴに代えて冷凍ブルーベリー(チリ産)を500g用い、イチゴ濃縮果汁に代えてブルーベリー濃縮果汁(DKSHジャパン製、品名「BLUEBERRY JUICE CONCENTRATE」)を150g用い、粒状澱粉の添加量を300gにした以外は、実施例1と同様にして、乾燥食品を得た。
(比較例1)
冷凍イチゴ(チリ産)500gをチョッパー(南常鉄工製、型番「M−22E」)でチョッピングした。次いで、チョッピングしたイチゴに、イチゴ濃縮果汁(SVZ社製、品名「ストロベリー7倍透明濃縮果汁」)150g、砂糖300g、乳化油脂(理研ビタミン製、品名「エマテックS−500」)50g、クエン酸20g、酸化防止剤(ビタミンE)0.5gを添加して混合ニ―ダー(品川工業所製、型番「60NQVP」)で均一に混合して半液状物を得た。また、寒天(伊那食品工業製、品名「S−6」)33gを水550gに添加し、溶解用ニ―ダー(品川工業所製、型番60NQV)にて溶解した。上記で得られた半液体状物に、上記で得られた寒天の溶解物を添加し、混合用ニ―ダー(品川工業所製、型番60NQVP)で均一に混ぜあわせて食品組成物を得た。得られた食品組成物をトレーに充填し、5℃の冷蔵庫で12時間冷却し、ゲル化した食品組成物を得た。次いで、ゲル化した食品組成物をチョッパー(南常鉄工製、型番「M−22E」)でチョッピングし、チョッピング後の食品組成物を冷却用トレーに積載し、−30℃の冷凍庫で16時間以上凍結した。その後、真空凍結乾燥機(大川原製作所製、型番SF−20)を用い、真空度200Pa以下、品温50℃以下の条件で、約20時間乾燥した。乾燥後の食品組成物を、8mm穴の網式造粒機(畑鉄工所製、型番HU)にて粉砕し、乾燥食品を得た。
(比較例2)
粒状澱粉に代えて、デキストリン(松谷化学製、品名「パインデックス#2」)を用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥食品を得た。
(比較例3)
粒状澱粉に代えて、粒状脱脂大豆蛋白(不二製油社製、品名「ニューフジニック29」)を用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥食品を得た。
実施例及び比較例の乾燥食品の粒度を、下記のようにJIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けで測定評価した。また、実施例及び比較例の乾燥食品の色調、食感、風味を下記のように官能評価し、その結果を下記表1に示した。また、実施例及び比較例の乾燥食品の造粒歩留りを下記のように測定・算出して、その結果を下記表1に示した。なお、下記表1には、実施例及び比較例における各組成成分の配合量も示した。
<ふるいわけ>
(1)乾燥食品100g(乾燥食品の全体質量W0)を計り、JIS Z 8801に規定されている標準ふるい(目開き2mm)によりふるい分けした。
(2)目開き2mmのふるいを通過しなかった残留分の質量を計り、残留分の質量をW1とした。
(3)目開き2mmのふるいを通過しなかった残留分をJIS Z 8801に規定されている標準ふるい(目開き8mm)にてふるい分けした。
(4)目開き8mmのふるいを通過した通過分の質量を計り、通過分の質量をW2とした。
(5)その後、下記式により、乾燥食品の全体質量に対する、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過しなかった残留分の粒子の含有量(以下において、目開き2mm以上の粒子の含有量とも記す。)、及び、目開き2mmのふるいを通過せず、且つ目開き8mmのふるいを通過する粒子の含有量(以下において、単に、「目開き2mm以上8mm以下の粒子の含有量」と記す。)を算出した。
目開き2mm以上の粒子の含有量(質量%)=(W1/W0)×100
目開き2mm以上8mm以下の粒子の含有量(質量%)=(W2/W0)×100
<色調>
良好:原料として用いた食品成分とほぼ同等の色調である。
不良:原料として用いた食品成分とかけ離れた色調である。
<食感>
良好:カリカリもしくはサクサクとして適度な歯ごたえがある。
無し:食べた時に溶けてしまう。
固い:噛み砕くのが容易ではなく、且つ歯に引っ付く。
<風味>
良好:原料として用いた食品成分とほぼ同等の風味である。
<造粒歩留り>
上述したふるい分けにおいて、目開き2mm以上の粒子の含有量を測定算出し、造粒歩留りとした。
Figure 0006277108
上記表1の結果から分かるように、粒状澱粉と、粒状澱粉に含浸されている食品成分を含む実施例1〜2の粒状乾燥食品は、色調、食感及び風味の全てが良好であった。また、実施例1〜2の粒状乾燥食品は、目開き2mm以上の粒子の含有量が80質量%であり、造粒歩留りも80質量%と高く、生産性が高かった。一方、ゲル化剤の寒天を用いた比較例1の乾燥食品は、色調、食感及び風味の全てが良好であるが、目開き2mm以上の粒子の含有量が70質量%であり、また、ゲル化剤の溶かすための機械を必要としており、煩雑であった。また、デキストリンを用いた比較例2の乾燥食品は、粉状であり、目開き2mm以上の粒子の含有量が15質量%であり、造粒歩留りも15質量%と低かった。また、粒状脱脂大豆蛋白を用いた比較例3の乾燥食品は、色調が不良であり、食感が硬く、大豆臭い風味である上、目開き2mm以上の粒子の含有量が35質量%であり、造粒歩留りも35質量%と低かった。

Claims (8)

  1. 粒状澱粉と、前記粒状澱粉に含浸されている食品成分を含む粒状乾燥食品であり、
    前記粒状澱粉が、粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含み、
    前記食品成分は、果物及び野菜からなる群から選ばれる一種以上であり、
    前記粒状乾燥食品が、粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含むことを特徴とする粒状乾燥食品。
  2. 前記粒状乾燥食品が、粒状乾燥食品の全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き2mmのふるいを通過せず、且つ目開き8mmのふるいを通過する粒子を75質量%以上含む請求項1に記載の粒状乾燥食品。
  3. 前記食品成分は、果物である請求項1又は2に記載の粒状乾燥食品。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒状乾燥食品の製造方法であって、
    粒状澱粉に、果物及び野菜からなる群から選ばれる一種以上の食品成分を含む半液状物を混合して食品組成物を得る工程と、
    前記食品組成物を凍結乾燥し、粉砕して粒状乾燥食品を得る工程を含み、
    前記粒状澱粉が、粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過しない粒子を75質量%以上含むことを特徴とする粒状乾燥食品の製造方法。
  5. 前記粒状澱粉が、粒状澱粉全体質量に対して、JIS Z 8801に規定されている標準ふるいによるふるい分けにおいて、目開き1mmのふるいを通過せず、且つ目開き8mmのふるいを通過する粒子を75質量%以上含む請求項4に記載の粒状乾燥食品の製造方法。
  6. 前記食品組成物は、さらに、甘味料、酸味料、乳化剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる一種以上の添加物を含む請求項4又は5に記載の粒状乾燥食品の製造方法。
  7. 前記粒状澱粉と前記食品成分の質量比は1:2〜1:5である請求項4〜のいずれか1項に記載の粒状乾燥食品の製造方法。
  8. 前記粒状澱粉と前記半液状物の質量比は1:2〜1:7である請求項4〜のいずれか1項に記載の粒状乾燥食品の製造方法。
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