JP5025522B2 - 多孔食品の製造方法 - Google Patents

多孔食品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5025522B2
JP5025522B2 JP2008035200A JP2008035200A JP5025522B2 JP 5025522 B2 JP5025522 B2 JP 5025522B2 JP 2008035200 A JP2008035200 A JP 2008035200A JP 2008035200 A JP2008035200 A JP 2008035200A JP 5025522 B2 JP5025522 B2 JP 5025522B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
mass
pulverized
porous
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008035200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009189328A (ja
Inventor
愛 川内田
和夫 有竹
Original Assignee
株式会社福井
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社福井 filed Critical 株式会社福井
Priority to JP2008035200A priority Critical patent/JP5025522B2/ja
Publication of JP2009189328A publication Critical patent/JP2009189328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5025522B2 publication Critical patent/JP5025522B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Edible Seaweed (AREA)
  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Description

本発明は、多孔食品の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、海苔等の海藻類などの食材を裁断又は粉砕してなる粉砕食材と、砕氷とを混合し、これを凍結乾燥させる多孔食品の製造方法に関する。
従来、海藻類等を乾燥させた味付け海苔などの食材は、そのまま食した場合、食感がよくないことがある。また、乾燥前の特性を活かして調理に使用する際には、長時間水に浸漬する等の多大の手間を必要とする。更に、今日の消費者の本物志向により、本物に近い風味及び食感を有する乾燥食材が求められているため、常温保管が可能で、復元したときにボルューム感が感じられる良好な復元性を備え、且つ優れた風味、色調及び食感を有する、型崩れしない成型乾燥食材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−218442号公報
しかし、特許文献1に記載された乾燥食材の製造方法は、凍結乾燥処理に供する押圧成型処理済み食材に熱風乾燥処理を施す工程を必須の工程として備え、製造工程が煩雑であるとともに、熱風処理により食材が本来有する風味、色調、食感等が損なわれることがある。
本発明は上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、海苔等の海藻類などの食材を裁断又は粉砕してなる粉砕食材と、砕氷とを混合し、これを凍結乾燥させる多孔食品の製造方法を提供することを目的とする。
適度な寸法に加工した海藻類等の食材と、適度な粒度の砕氷とを混合し、これを凍結乾燥させることにより、砕氷等の水分を除去して食材を乾燥させた場合、乾燥食品に適度な空隙を形成させることができ、食感に優れた食品にすることができ、且つ水に容易に再分散可能な食品とし得ることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
本発明は以下のとおりである。
1.粉砕食材と砕氷とを混合して混合物を調製し、その後、該混合物を凍結乾燥させることを特徴とする多孔食品の製造方法。
2.上記粉砕食材が海藻類の粉砕物である上記1.に記載の多孔食品の製造方法。
3.上記海藻類が、あまのり属、ひとえぐさ属、あおさ属、あおのり属、こんぶ属、とろろこんぶ属及びわかめ属のうちの少なくとも1種である上記2.に記載の多孔食品の製造方法。
4.上記海藻類を100質量%とした場合に、該海藻類に含有される水分の含有量が1〜20質量%である上記2.又は3.に記載の多孔食品の製造方法。
5.上記粉砕食材を篩により分級したとき、該粉砕食材を100質量%とした場合に、5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上である上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
6.砕氷を100質量%とした場合に、粒度が0.5〜2.0mmである砕氷の質量割合が80質量%以上である上記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
7.上記混合時の温度が−5〜5℃である上記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
8.上記粉砕食材を水蒸気と接触させる上記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
9.上記水蒸気の温度が60〜120℃である上記8.に記載の多孔食品の製造方法。
10.上記粉砕食材を100質量%とした場合に、該粉砕食材に含有される水分の含有量が10〜30質量%である上記8.又は9.に記載の多孔食品の製造方法。
11.上記粉砕食材に含有される水分の質量(M)及び上記砕氷の質量(M)の合計(M)と、該粉砕食材から該粉砕食材に含有される該水分を除いた乾物の質量(M)との質量比(M/M)が1〜20である上記10.に記載の多孔食品の製造方法。
12.上記粉砕食材に、該粉砕食材を100質量部とした場合に、5〜30質量%の増粘剤を配合する上記1.乃至9.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
13.上記粉砕食材が、乳製品、野菜類及びその加工品、鳥卵の加工品、肉類及びその加工品並びに穀類及びその加工品のうちの少なくとも1種の食材の粉砕物を含有する上記2.乃至12.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
14.上記食材の上記粉砕物の砕片の最大寸法が2〜10mmであり、且つ上記海藻類の上記粉砕物の砕片の最大寸法より大きい上記13.に記載の多孔食品の製造方法。
15.上記粉砕食材に調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方が添加された上記1.乃至14.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
本発明の多孔食品の製造方法によれば、食材を裁断又は粉砕してなる粉砕食材と、砕氷とを混合し、これを凍結乾燥させるため、食品に適度な空隙を形成されることができ、ソフトな優れた食感を有する多孔食品とすることができる。また、凍結乾燥した食品であるため、乾燥状態で長期間保存することができる。更に、この多孔食品は任意の形状に賦形することができるため、スナック菓子等としてそのまま食することができる。また、水に再分散させた場合、分散性が良好で短時間のうちに食材が本来有する食感に戻すことができるため、吸い物、みそ汁及びスープ等の具材として好適である。
また、粉砕食材が海藻類の粉砕物である場合は、板のり等、従来、薄片状の食品としてのみ提供されていた食材であっても、より厚い所定形状の食品として提供することができる。
更に、海藻類が、あまのり属、ひとえぐさ属、あおさ属、あおのり属、こんぶ属、とろろこんぶ属及びわかめ属のうちの少なくとも1種である場合は、従来、ほぼ収穫したままの食品、又は薄片状に加工した食品としてのみ提供されていた食材を、より厚い所定形状の食品として提供することができる。
また、海藻類を100質量%とした場合に、海藻類に含有される水分の含有量が1〜20質量%である場合は、裁断又は粉砕が容易であり、粉砕食材の調製が容易である。
更に、粉砕食材を篩により分級したとき、粉砕食材を100質量%とした場合に、5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上である場合は、砕氷との混合が容易であり、且つより均一に分散、混合させることができ、均質な多孔食品とすることができる。
また、砕氷を100質量%とした場合に、粒度が0.5〜2.0mmである砕氷の質量割合が80質量%以上である場合は、粉砕食材との混合が容易であり、且つより均一に分散、混合させることができ、均質な多孔食品とすることができる。
更に、混合時の温度が−5〜5℃である場合は、砕氷が容易に融解することがなく、適度な空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
また、粉砕食材を水蒸気と接触させる場合は、粉砕食材に含有される水分量を容易に調整することができ、所定の空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
更に、水蒸気の温度が60〜120℃である場合は、この水蒸気により粉砕食材を殺菌することができるとともに、粉砕食材に所定量の水分を容易に含有させることができる。
また、粉砕食材を100質量%とした場合に、粉砕食材に含有される水分の含有量が10〜30質量%である場合は、砕氷量と併せた水分量によって、適度な空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
更に、粉砕食材に含有される水分の質量(M)及び砕氷の質量(M)の合計(M)と、粉砕食材から粉砕食材に含有される水分を除いた乾物の質量(M)との質量比(M/M)が1〜20である場合は、上記のように、砕氷量と併せた水分量によって、適度な空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
また、粉砕食材に、粉砕食材を100質量部とした場合に、5〜30質量%の増粘剤を配合する場合は、特に、多糖類等の増粘剤の含有量が少ない粉砕食材であるときでも、所定形状の多孔食品を容易に製造することができる。
更に、粉砕食材が、乳製品、野菜類及びその加工品、鳥卵の加工品、肉類及びその加工品並びに穀類及びその加工品のうちの少なくとも1種の食材の粉砕物を含有する場合は、これらの各種の食材の粉砕物と海藻類の粉砕物との混合食材とすることができ、風味、食感等の異なる多孔食品とすることができる。
また、食材の粉砕物の砕片の最大寸法が2〜10mmであり、且つ海藻類の粉砕物の砕片の最大寸法より大きい場合は、相対的に海藻類の粉砕物より大きい食材片が散在する多孔食品とすることができ、風味、食感がよいばかりでなく、海藻類を除く他の食材の砕片が目立ち、特有の外観を有する多孔食品とすることができる。
更に、粉砕食材に調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方が添加された場合は、より風味、食感等に優れた多孔食品を容易に製造することができる。
[1]多孔食品の製造方法
本発明の多孔食品の製造方法は、粉砕食材と砕氷とを混合して混合物を調製し、その後、この混合物を凍結乾燥させることを特徴とする。
上記「粉砕食材」は特に限定されず、裁断又は粉砕により砕片とすることができる各種の食材からなる粉砕食材を用いることができる。この粉砕食材としては、海藻類、野菜、肉類、穀類等を裁断又は粉砕した粉砕食材が挙げられる。また、粉砕食材としては、従来、固形食品として板のり等の薄片状の食品のみが提供されていた海藻類を裁断又は粉砕してなる粉砕食材が好ましい。本発明の製造方法によれば、海藻類を裁断又は粉砕してなる粉砕食材であっても、所定厚さを有する所定形状の多孔食品を容易に製造することができる。
海藻類の種類は特に限定されず、食用に供されている全ての海藻類を用いることができる。この海藻類としては、あまのり属、ひとえぐさ属、あおさ属、あおのり属、こんぶ属、とろろこんぶ属、わかめ属のうちの少なくとも1種を用いることができる。海藻類としては、より具体的には、あさくさのり、すさびのり、うっぷるいのり、おにあまのり、くろのり、こすじのり、まるばあまのり、ひとえぐさ、あおさ、あなあおさ、すじあおのり、ひらあおのり、ぼうあおのり、うすばあおのり、まこんぶ、りしりこんぶ、ほそめこんぶ、みついしこんぶ、ながこんぶ、おにこんぶ、とろろこんぶ、わかめ、あおわかめ及びひろめ等が挙げられる。
裁断又は粉砕されて粉砕食材とされる海藻類の部位は特に限定されず、食用可能であれば海藻類全体を用いることもでき、茎、根等の特定の部位のみを用いることもできる。
海藻類に含有される水分の含有量は特に限定されず、海藻類を裁断又は粉砕して粉砕食材とすることができればよい。水分の含有量は、水分を含有する海藻類を100質量%とした場合に、90質量%以下、特に60質量%以下、更に30質量%以下であることが好ましい。また、水分の含有量は、20質量%以下とすることができ、1〜20質量%、特に1〜15質量%、更に3〜10質量%であることが好ましい。海藻類における水分の含有量が90質量%を越えると、裁断又は粉砕が容易ではなく、粉砕食材とすることができない場合がある。また、水分の含有量が20質量%以下であれば、裁断、粉砕がよりし易く、容易に所定寸法の砕片からなる粉砕食材とすることができる。
粉砕食材が海藻類を除く他の食材の粉砕物である場合、この他の食材に含有される水分の含有量も特に特に限定されず、他の食材を裁断又は粉砕して粉砕食材とすることができればよい。水分の含有量は、他の食材を100質量%とした場合に、90質量%以下、特に60質量%以下、更に30質量%以下であることが好ましい。
粉砕食材は食材が裁断又は粉砕可能であれば、そのまま裁断又は粉砕してもよいが、特に食材の水分量が多いときは、必要に応じて乾燥させ、上記のように水分量を低減させてから裁断又は粉砕することが好ましい。これにより、粉砕食材の砕片をより均一な寸法とすることができ、より均質な多孔食品とすることができる。
粉砕食材の砕片の寸法も特に限定されないが、粉砕食材を篩により分級したとき、粉砕食材を100質量%とした場合に、5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上、特に90質量%以上、更に95質量%以上であることが好ましい。この質量割合は99質量%以上とすることもでき、より多くの砕片の寸法が1mm以上、5mm未満であることが好ましい。5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上であれば、適度な空隙を有し、且つ均質な多孔食品を容易に製造することができる。
食材を裁断又は粉砕する方法も特に限定されず、食材の加工に一般に用いられる方法により裁断又は粉砕することができる。例えば、切断、破砕、摩擦、空気圧、水圧等を利用して加工する各種の裁断機及び粉砕機を用いることができる。より具体的には、気流式粉砕器、パワーミル、フェザーミル、ピンミル及びボールミル等が挙げられる。
砕氷の粒度も特に限定されないが、適度な空隙を有し、且つ風味、食感に優れた多孔食品とするためには、砕氷を100質量%とした場合に、粒度が0.5〜2.0mmである砕氷の質量割合が80質量%以上、特に90質量%以上、更に95質量%であることが好ましい。この砕氷の粒度は0.5〜1.5mm、特に0.5〜1.0mmであることが特に好ましく、この範囲の粒度の砕氷の質量割合が80質量%以上、特に90質量%以上、更に95質量%であることがより好ましい。また、粒度が2.0mmを越える砕氷は含有されていないことが好ましいが、含有される場合、その最大粒度は5.0mm以下であることが好ましい。
尚、砕氷の粒度とは砕氷の砕片の最大寸法を意味し、この粒度は氷が容易に融解しない温度、例えば、−5〜5℃の温度範囲に冷却した篩等により測定することができる。
砕氷の調製方法も特に限定されず、切断、破砕、空気圧等を利用して加工する各種の粉砕機などを用いることができる。
粉砕食材と砕氷とは、砕氷が融解しない温度範囲で混合する必要があり、粉砕食材と砕氷との混合時の温度は−5〜5℃、特に−5〜3℃、更に−5〜1℃であることが好ましい。混合時の温度が−5〜5℃であれば、混合時の砕氷の融解を十分に抑えることができ、適度な空隙を有する均質な多孔食品とすることができる。更に、粉砕食材と砕氷との混合方法は特に限定されないが、攪拌手段を備える容器、即ち、ミキサー等に少量の粉砕食材と砕氷とを攪拌しつつ交互に投入し、混合する方法が好ましい。粉砕食材と砕氷のいずれを先に投入するかは特に問題にはならないが、通常、砕氷を先に投入し、その後、交互に投入し、混合する。
粉砕食材は、食材を、そのまま何ら処理せず、又は必要に応じて乾燥し、その後、裁断又は粉砕することにより調製されるが、食材を粉砕食材とした後、粉砕食材に含有される水分量を調整することもできる。この水分量の調整方法は特に限定されないが、粉砕食材を水蒸気と接触させる方法が好ましい。また、粉砕食材と接触させる水蒸気の温度が60〜120℃、特に90〜110℃であれば、粉砕食材を十分に殺菌することができ、特に好ましい。このように殺菌を目的として粉砕食材と水蒸気とを接触させる場合、接触時間は特に限定されず、水蒸気の温度にもよるが、5〜25分、特に10〜20分とすることが好ましい。接触時間が5〜25分であれば、粉砕食材を十分に殺菌することができ、25分を越えて長時間接触させる必要はない。
上記のように、特に、殺菌を目的として粉砕食材と水蒸気とを接触させた場合、粉砕食材に含有される水分の含有量は特に限定されないが、粉砕食材を100質量%とした場合に、10〜30質量%、特に10〜25質量%、更150〜20質量%とすることができる。粉砕食材に含有される水分の含有量が10〜30質量%であれば、粉砕食材と砕氷との質量割合を、適度な空隙を有する多孔食品とするための好ましい範囲に容易に設定することができ、粉砕食材と砕氷との混合が容易であるとともに、適度な空隙を有し、風味、食感等に優れた多孔食品とすることができる。
また、適度な空隙を有する多孔食品とするためには、粉砕食材に含有される水分の質量(M)及び砕氷の質量(M)の合計(M)と、粉砕食材から粉砕食材に含有される水分を除いた乾物の質量(M)との質量比(M/M)を1〜20とすることが好ましく、1〜15、特に2〜10、更に2〜6とすることがより好ましい。質量比(M/M)が1〜20、特に2〜10であれば、粉砕食材と砕氷との混合がより容易であるとともに、適度な空隙を有し、風味、食感等に特に優れた多孔食品とすることができる。
粉砕食材と砕氷との上記「混合物」は、多孔食品を製造するための所定の形状及び寸法を有する容器に投入される。用いる容器の形状、寸法は特に限定されず、多孔食品の形状、寸法によって適宜の形状、寸法を有する容器を用いることができる。容器の材質も特に限定されず、粉砕食材と砕氷との混合時、及び凍結乾燥時などの低温時に、低温脆化により亀裂を生じたり、変形したりすることのない材質からなる容器であればよい。
容器に投入された混合物は、その後、凍結乾燥される。上記「凍結乾燥」は、凍結乾燥に用いられる通常の装置により、一般的な条件で実施することができ、装置及び条件等は特に限定されない。また、混合物はミキサー等により調製した後、直ちに容器に投入し、その後、凍結乾燥させてもよく、低温下、保管してから容器に投入し、凍結乾燥させてもよいが、通常、混合物を調製した後、直ちに容器に投入し、凍結乾燥させる。更に、容器に投入した混合物は、直ちに凍結乾燥させてもよく、低温下、保管してから凍結乾燥させてもよいが、通常、容器に投入した後、直ちに凍結乾燥させる。
本発明の多孔食品の製造方法では、多孔食品は、粉砕食材と砕氷とを混合し、その後、凍結乾燥させて製造されるが、粉砕食材及び砕氷の他に増粘剤を配合することもできる。特に、粉砕食材の砕片がそれ自体で相互に十分に付着せず、多孔食品が形成されない場合は、粉砕食材に増粘剤を配合することができる。食材が、例えば、海藻類のように多糖類を含有しておれば、増粘剤の配合は必要ないが、海藻類のうちでも多糖類の含有量には差があり、必要に応じて増粘剤を配合することが好ましい。増粘剤の配合量は特に限定されないが、粉砕食材を100質量部とした場合に、5〜30質量部、特に5〜20質量部、更に10〜20質量部であることが好ましい。増粘剤の配合量が5〜30質量部であれば、粉砕食材の砕片を相互に十分に付着させることができる。
増粘剤は特に限定されず、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、デキストラン、カラギーナン、ペクチン及びデンプン等の多糖類、並びにゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ケラチン及びフィブロイン等のタンパク質などを用いることができる。増粘剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもでき、多糖類とタンパク質とを併用することもできる。
粉砕食材としては、海藻類を裁断又は粉砕した粉砕食材と、その他の食材を裁断又は粉砕した粉砕食材とを混合し、併用することもできる。この他の食材としては、チーズ等の乳製品、野菜類及びその加工品、鶏卵等の鳥卵の加工品、肉類及びその加工品並びに米、麦等の穀類及びその加工品のうちの少なくとも1種の食材の粉砕物を用いることができる。また、わさび、ショウガ、唐辛子、各種西洋ハーブ等の香辛料・ハーブ類からなる粉砕食材を併用することもできる。これらの併用する粉砕食材は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
また、その他の食材の粉砕物の砕片の最大寸法は特に限定されないが、2〜10mm、特に5〜10mm、更に7〜10mmであり、且つ海藻類の粉砕物の砕片の最大寸法により大きいことが好ましい。このように、他の食材の粉砕物の砕片が海藻類の粉砕物の砕片より大きければ、風味、食感がよいばかりでなく、海藻類を除く他の食材の砕片が目立ち、特有の外観を有する多孔食品とすることができる。
粉砕食材には、調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方を添加することもできる。調味料としては、塩、砂糖、酢、醤油、味噌、胡椒等が挙げられる。また、保存剤としては、安息香酸、アスコルビン酸、ソルビン酸等が挙げられる。更に、粉砕食材には、γ−アミノ酪酸、ビタミンC等の各種ビタミンなどの機能性成分を添加し、多孔食品の栄養価を高めることもできる。これらの各種の添加剤は、粉砕食材と水蒸気とを接触させるときに添加してもよく、粉砕食材と砕氷とを混合するときに添加してもよく、粉砕食材と砕氷との混合物を凍結乾燥させる際に添加してもよい。
[2]多孔食品
多孔食品は、本発明の多孔食品の製造方法により製造することができる。
この多孔食品は、本発明の多孔食品の製造方法により製造されるため、ソフトな優れた食感を有し、スナック菓子等としてそのまま食することができる。また、水に容易に再分散させることができるため、吸い物、みそ汁及びスープ等の具材としても好適である。更に、乾燥状態で長期間保存することもできる。また、この多孔食品の形状、寸法は特に限定されないが、スナック菓子の場合、形状は直方体、板状、棒状等とすることができ、寸法は、例えば、直方体であれば、10×20×7mm程度とすることができる。更に、吸い物、みそ汁及びスープ等の具材の場合、形状はスナック菓子のときと同様であり、寸法は少し大きいものが好ましい。
多孔食品には、調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方を添加することができ、より風味、食感等に優れた多孔食品とすることができる。この調味料及び保存剤としては、前記[1]において多孔食品を製造するときに添加して用いる調味料及び保存剤として例示した各種の調味料及び保存剤を使用することができる。また、多孔食品の包装、保存については湿度を低く保つことが好ましく、これによって、より長期間保存することができる。更に、多孔食品の品質を長期間保持するため真空パックとすることができ、遮光できる材質からなる包装材を用いることもできる。また、多孔食品は、他の凍結乾燥食品と混合した食品として提供することもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1[板のり(すさびのり)を用いた多孔食品の製造]
(1)粉砕食材の調製
すさびのりを板のりに加工した水分の含有量が6.4質量%の原料100gを、粉砕機(パワーミル、昭和技研株式会社製、型式「P−3」、5mmφ網付設)により粉砕し、粉砕食材を調製した。粉砕食材の砕片は不定形であり、砕片を篩により分級したところ、5mmオンが0.14g(0.14質量%)、4mmオンが21.65g(21.65質量%)、3mmオンが59.26g(59.26質量%)、2mmオンが15.92g(15.92質量%)、1mmオンが2.52g(2.52質量%)及び1mmパスが0.51g(0.51質量%)(合計で100g、100質量%、5mmパス、且つ1mmオンの砕片の質量割合は99.35質量%)であった。その後、粉砕食材を蒸し器を用いて、100℃の水蒸気と15分接触させ殺菌した。次いで、粉砕食材を−1℃に調温された冷凍庫に収容して冷却した。冷却後の粉砕食材の質量は114gであり、原料は14gの水分を吸収していた。即ち、吸水率[14/114×100(%)]は12.3%であった。
(2)砕氷の調製
−1℃に調温された冷凍庫内で氷を砕氷機(株式会社ドウシシャ製、型式「氷削器IS−037」)により粉砕し、氷を100質量%とした場合に、0.5〜1.0mmの粒度の砕片が80質量%以上含有される砕氷を調製した。
(3)粉砕食材と砕氷との混合物の調製
上記(2)の砕氷の調製に引き続いて、同じ冷凍庫内で、且つ同温度(−1℃)で、ケーキミキサーに上記(2)で調製した砕氷を少量投入し、その後、上記(1)で調製した粉砕食材と、上記(2)で調製した砕氷とを、攪拌しながら、且つ均一な分散を目視で確認しながら交互に投入した。粉砕食材に含有される水分の質量(M=6.4+14=20.4g)及び砕氷の質量(M=380g)の合計(M=400.4g)と、粉砕食材(114g)から粉砕食材に含有される水分(20.4g)を除いた乾物の質量(M=93.6g)との質量比(M/M=400.4/93.6)は約4.3であった。
(4)凍結乾燥
上記(3)で調製した混合物を、同じ冷凍庫内で、且つ同温度(−1℃)で、ケーキミキサーから角形の食品用トレー(縦50mm、横50mm、高さ20mmの凹部を複数有する。)に投入し、凍結させた後、この凍結した混合物を凍結乾燥させ、上記の凹部と略同寸法の多孔食品を製造した。この多孔食品1gを容量200mlの90℃の温水に投入したところ、ほぼ瞬時に分散し、スープ等の具材に好適な素材であることが確認された。
実施例2(青のりを用いた多孔食品の製造)
水分の含有量が6.5質量%のあおさのりの乾燥粉末20gと、増粘剤としてデキストリン3gとを使用し、砕氷75gと混合した他は、実施例1と同様にして、縦10mm、横20mm、高さ7mmの直方体形状の多孔食品を製造した。この多孔食品1個に0.1gの食塩を振りかけることにより、おやつとして好適なスナック菓子を製造することができた。
尚、実施例1と同様にして算出した質量比(M/M)は約5.3であった。
本発明は、スナック菓子等、及び吸い物、みそ汁、スープ等の具材などの製品分野において利用することができる。多孔食品は適度な空隙を有し、風味、食感に優れ、本発明は、従来、板のり等の薄片状の食品としてのみ提供されていた食品分野において特に好適に利用することができる。

Claims (15)

  1. 粉砕食材と砕氷とを混合して混合物を調製し、その後、該混合物を凍結乾燥させることを特徴とする多孔食品の製造方法。
  2. 上記粉砕食材が海藻類の粉砕物である請求項1に記載の多孔食品の製造方法。
  3. 上記海藻類が、あまのり属、ひとえぐさ属、あおさ属、あおのり属、こんぶ属、とろろこんぶ属及びわかめ属のうちの少なくとも1種である請求項2に記載の多孔食品の製造方法。
  4. 上記海藻類を100質量%とした場合に、該海藻類に含有される水分の含有量が1〜20質量%である請求項2又は3に記載の多孔食品の製造方法。
  5. 上記粉砕食材を篩により分級したとき、該粉砕食材を100質量%とした場合に、5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
  6. 上記砕氷を100質量%とした場合に、粒度が0.5〜2.0mmである砕氷の質量割合が80質量%以上である請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
  7. 上記混合時の温度が−5〜5℃である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
  8. 上記粉砕食材を水蒸気と接触させる請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
  9. 上記水蒸気の温度が60〜120℃である請求項8に記載の多孔食品の製造方法。
  10. 上記粉砕食材を100質量%とした場合に、該粉砕食材に含有される水分の含有量が10〜30質量%である請求項8又は9に記載の多孔食品の製造方法。
  11. 上記粉砕食材に含有される水分の質量(M)及び上記砕氷の質量(M)の合計(M)と、該粉砕食材から該粉砕食材に含有される該水分を除いた乾物の質量(M)との質量比(M/M)が1〜20である請求項10に記載の多孔食品の製造方法。
  12. 上記粉砕食材に、該粉砕食材を100質量部とした場合に、5〜30質量%の増粘剤を配合する請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
  13. 上記粉砕食材が、乳製品、野菜類及びその加工品、鳥卵の加工品、肉類及びその加工品並びに穀類及びその加工品のうちの少なくとも1種の食材の粉砕物を含有する請求項2乃至12のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
  14. 上記食材の上記粉砕物の砕片の最大寸法が2〜10mmであり、且つ上記海藻類の上記粉砕物の砕片の最大寸法より大きい請求項13に記載の多孔食品の製造方法。
  15. 上記粉砕食材に調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方が添加された請求項1乃至14のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
JP2008035200A 2008-02-15 2008-02-15 多孔食品の製造方法 Active JP5025522B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008035200A JP5025522B2 (ja) 2008-02-15 2008-02-15 多孔食品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008035200A JP5025522B2 (ja) 2008-02-15 2008-02-15 多孔食品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009189328A JP2009189328A (ja) 2009-08-27
JP5025522B2 true JP5025522B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=41071982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008035200A Active JP5025522B2 (ja) 2008-02-15 2008-02-15 多孔食品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5025522B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023037376A1 (en) 2021-09-13 2023-03-16 Redefine Meat Ltd. Whole-muscle meat analogues with fluid accommodating spaces and method of producing the same

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003024026A (ja) * 2001-07-12 2003-01-28 Morinaga & Co Ltd 易復元性凍結乾燥食品の製造方法及び易復元性凍結乾燥食品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023037376A1 (en) 2021-09-13 2023-03-16 Redefine Meat Ltd. Whole-muscle meat analogues with fluid accommodating spaces and method of producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009189328A (ja) 2009-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101410761B1 (ko) 건조한 김치 양념 재료 및 그의 제조방법
JP2005348731A (ja) 惣菜食品用組成物及び惣菜食品またはその製造方法もしくはその品質改良方法
JP2014128237A (ja) 食品用トッピング材、それを含有するふりかけ及び食品用トッピング材の製造方法
PT96121B (pt) Processo para a preparacao dos produtos de carne de baixas calorias
CA2160369A1 (en) Food binder matrix for formed food products
KR20130061462A (ko) 육류대체 조리용 콩고기 및 그 제조방법
WO2021100766A1 (ja) 成形食品の加工用組成物
KR100795591B1 (ko) 신규한 고기만두소 및 그 제조방법
JP5025522B2 (ja) 多孔食品の製造方法
KR101506938B1 (ko) 건과일을 이용한 돈까스 타입의 두류 가공식품 제조방법
JP2011036172A (ja) ふりかけの製造方法
WO2014002180A1 (ja) 乾燥蛋白質加工品及びその製造法
JP4046524B2 (ja) 油調食品用品質改良剤
JP4909806B2 (ja) だし入り味噌、即席みそ汁及びその製造方法
JP6374916B2 (ja) 顆粒状の凍結乾燥食品の製造方法
CN113080376A (zh) 方便营养型谷物粥及其制备方法
KR20130061463A (ko) 콩고기 육포 및 그 제조방법
JP5162287B2 (ja) 海藻食品の製造方法
KR101871971B1 (ko) 대추가 함유된 쌀돈까스
JP2013243980A (ja) 食品の加工方法
CN111867395A (zh) 制备汤羹片的方法
Para et al. Evaluation of black bean flour as enrobing material on the quality characteristics of chicken nuggets
JP7349707B2 (ja) 調味顆粒及びその製造方法
US20230091180A1 (en) Bouillon tablet
KR101089251B1 (ko) 호박고구마를 이용한 선식 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120619

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5025522

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250