JP5025522B2 - 多孔食品の製造方法 - Google Patents
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本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.粉砕食材と砕氷とを混合して混合物を調製し、その後、該混合物を凍結乾燥させることを特徴とする多孔食品の製造方法。
2.上記粉砕食材が海藻類の粉砕物である上記1.に記載の多孔食品の製造方法。
3.上記海藻類が、あまのり属、ひとえぐさ属、あおさ属、あおのり属、こんぶ属、とろろこんぶ属及びわかめ属のうちの少なくとも1種である上記2.に記載の多孔食品の製造方法。
4.上記海藻類を100質量%とした場合に、該海藻類に含有される水分の含有量が1〜20質量%である上記2.又は3.に記載の多孔食品の製造方法。
5.上記粉砕食材を篩により分級したとき、該粉砕食材を100質量%とした場合に、5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上である上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
6.砕氷を100質量%とした場合に、粒度が0.5〜2.0mmである砕氷の質量割合が80質量%以上である上記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
7.上記混合時の温度が−5〜5℃である上記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
8.上記粉砕食材を水蒸気と接触させる上記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
9.上記水蒸気の温度が60〜120℃である上記8.に記載の多孔食品の製造方法。
10.上記粉砕食材を100質量%とした場合に、該粉砕食材に含有される水分の含有量が10〜30質量%である上記8.又は9.に記載の多孔食品の製造方法。
11.上記粉砕食材に含有される水分の質量(Mc)及び上記砕氷の質量(Mi)の合計(Ma)と、該粉砕食材から該粉砕食材に含有される該水分を除いた乾物の質量(Md)との質量比(Ma/Md)が1〜20である上記10.に記載の多孔食品の製造方法。
12.上記粉砕食材に、該粉砕食材を100質量部とした場合に、5〜30質量%の増粘剤を配合する上記1.乃至9.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
13.上記粉砕食材が、乳製品、野菜類及びその加工品、鳥卵の加工品、肉類及びその加工品並びに穀類及びその加工品のうちの少なくとも1種の食材の粉砕物を含有する上記2.乃至12.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
14.上記食材の上記粉砕物の砕片の最大寸法が2〜10mmであり、且つ上記海藻類の上記粉砕物の砕片の最大寸法より大きい上記13.に記載の多孔食品の製造方法。
15.上記粉砕食材に調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方が添加された上記1.乃至14.のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
また、粉砕食材が海藻類の粉砕物である場合は、板のり等、従来、薄片状の食品としてのみ提供されていた食材であっても、より厚い所定形状の食品として提供することができる。
更に、海藻類が、あまのり属、ひとえぐさ属、あおさ属、あおのり属、こんぶ属、とろろこんぶ属及びわかめ属のうちの少なくとも1種である場合は、従来、ほぼ収穫したままの食品、又は薄片状に加工した食品としてのみ提供されていた食材を、より厚い所定形状の食品として提供することができる。
また、海藻類を100質量%とした場合に、海藻類に含有される水分の含有量が1〜20質量%である場合は、裁断又は粉砕が容易であり、粉砕食材の調製が容易である。
更に、粉砕食材を篩により分級したとき、粉砕食材を100質量%とした場合に、5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上である場合は、砕氷との混合が容易であり、且つより均一に分散、混合させることができ、均質な多孔食品とすることができる。
また、砕氷を100質量%とした場合に、粒度が0.5〜2.0mmである砕氷の質量割合が80質量%以上である場合は、粉砕食材との混合が容易であり、且つより均一に分散、混合させることができ、均質な多孔食品とすることができる。
更に、混合時の温度が−5〜5℃である場合は、砕氷が容易に融解することがなく、適度な空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
また、粉砕食材を水蒸気と接触させる場合は、粉砕食材に含有される水分量を容易に調整することができ、所定の空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
更に、水蒸気の温度が60〜120℃である場合は、この水蒸気により粉砕食材を殺菌することができるとともに、粉砕食材に所定量の水分を容易に含有させることができる。
また、粉砕食材を100質量%とした場合に、粉砕食材に含有される水分の含有量が10〜30質量%である場合は、砕氷量と併せた水分量によって、適度な空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
更に、粉砕食材に含有される水分の質量(Mc)及び砕氷の質量(Mi)の合計(Ma)と、粉砕食材から粉砕食材に含有される水分を除いた乾物の質量(Md)との質量比(Ma/Md)が1〜20である場合は、上記のように、砕氷量と併せた水分量によって、適度な空隙を有する多孔食品を容易に製造することができる。
また、粉砕食材に、粉砕食材を100質量部とした場合に、5〜30質量%の増粘剤を配合する場合は、特に、多糖類等の増粘剤の含有量が少ない粉砕食材であるときでも、所定形状の多孔食品を容易に製造することができる。
更に、粉砕食材が、乳製品、野菜類及びその加工品、鳥卵の加工品、肉類及びその加工品並びに穀類及びその加工品のうちの少なくとも1種の食材の粉砕物を含有する場合は、これらの各種の食材の粉砕物と海藻類の粉砕物との混合食材とすることができ、風味、食感等の異なる多孔食品とすることができる。
また、食材の粉砕物の砕片の最大寸法が2〜10mmであり、且つ海藻類の粉砕物の砕片の最大寸法より大きい場合は、相対的に海藻類の粉砕物より大きい食材片が散在する多孔食品とすることができ、風味、食感がよいばかりでなく、海藻類を除く他の食材の砕片が目立ち、特有の外観を有する多孔食品とすることができる。
更に、粉砕食材に調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方が添加された場合は、より風味、食感等に優れた多孔食品を容易に製造することができる。
本発明の多孔食品の製造方法は、粉砕食材と砕氷とを混合して混合物を調製し、その後、この混合物を凍結乾燥させることを特徴とする。
尚、砕氷の粒度とは砕氷の砕片の最大寸法を意味し、この粒度は氷が容易に融解しない温度、例えば、−5〜5℃の温度範囲に冷却した篩等により測定することができる。
砕氷の調製方法も特に限定されず、切断、破砕、空気圧等を利用して加工する各種の粉砕機などを用いることができる。
多孔食品は、本発明の多孔食品の製造方法により製造することができる。
この多孔食品は、本発明の多孔食品の製造方法により製造されるため、ソフトな優れた食感を有し、スナック菓子等としてそのまま食することができる。また、水に容易に再分散させることができるため、吸い物、みそ汁及びスープ等の具材としても好適である。更に、乾燥状態で長期間保存することもできる。また、この多孔食品の形状、寸法は特に限定されないが、スナック菓子の場合、形状は直方体、板状、棒状等とすることができ、寸法は、例えば、直方体であれば、10×20×7mm程度とすることができる。更に、吸い物、みそ汁及びスープ等の具材の場合、形状はスナック菓子のときと同様であり、寸法は少し大きいものが好ましい。
実施例1[板のり(すさびのり)を用いた多孔食品の製造]
(1)粉砕食材の調製
すさびのりを板のりに加工した水分の含有量が6.4質量%の原料100gを、粉砕機(パワーミル、昭和技研株式会社製、型式「P−3」、5mmφ網付設)により粉砕し、粉砕食材を調製した。粉砕食材の砕片は不定形であり、砕片を篩により分級したところ、5mmオンが0.14g(0.14質量%)、4mmオンが21.65g(21.65質量%)、3mmオンが59.26g(59.26質量%)、2mmオンが15.92g(15.92質量%)、1mmオンが2.52g(2.52質量%)及び1mmパスが0.51g(0.51質量%)(合計で100g、100質量%、5mmパス、且つ1mmオンの砕片の質量割合は99.35質量%)であった。その後、粉砕食材を蒸し器を用いて、100℃の水蒸気と15分接触させ殺菌した。次いで、粉砕食材を−1℃に調温された冷凍庫に収容して冷却した。冷却後の粉砕食材の質量は114gであり、原料は14gの水分を吸収していた。即ち、吸水率[14/114×100(%)]は12.3%であった。
−1℃に調温された冷凍庫内で氷を砕氷機(株式会社ドウシシャ製、型式「氷削器IS−037」)により粉砕し、氷を100質量%とした場合に、0.5〜1.0mmの粒度の砕片が80質量%以上含有される砕氷を調製した。
上記(2)の砕氷の調製に引き続いて、同じ冷凍庫内で、且つ同温度(−1℃)で、ケーキミキサーに上記(2)で調製した砕氷を少量投入し、その後、上記(1)で調製した粉砕食材と、上記(2)で調製した砕氷とを、攪拌しながら、且つ均一な分散を目視で確認しながら交互に投入した。粉砕食材に含有される水分の質量(Mc=6.4+14=20.4g)及び砕氷の質量(Mi=380g)の合計(Ma=400.4g)と、粉砕食材(114g)から粉砕食材に含有される水分(20.4g)を除いた乾物の質量(Md=93.6g)との質量比(Ma/Md=400.4/93.6)は約4.3であった。
上記(3)で調製した混合物を、同じ冷凍庫内で、且つ同温度(−1℃)で、ケーキミキサーから角形の食品用トレー(縦50mm、横50mm、高さ20mmの凹部を複数有する。)に投入し、凍結させた後、この凍結した混合物を凍結乾燥させ、上記の凹部と略同寸法の多孔食品を製造した。この多孔食品1gを容量200mlの90℃の温水に投入したところ、ほぼ瞬時に分散し、スープ等の具材に好適な素材であることが確認された。
水分の含有量が6.5質量%のあおさのりの乾燥粉末20gと、増粘剤としてデキストリン3gとを使用し、砕氷75gと混合した他は、実施例1と同様にして、縦10mm、横20mm、高さ7mmの直方体形状の多孔食品を製造した。この多孔食品1個に0.1gの食塩を振りかけることにより、おやつとして好適なスナック菓子を製造することができた。
尚、実施例1と同様にして算出した質量比(Ma/Md)は約5.3であった。
Claims (15)
- 粉砕食材と砕氷とを混合して混合物を調製し、その後、該混合物を凍結乾燥させることを特徴とする多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材が海藻類の粉砕物である請求項1に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記海藻類が、あまのり属、ひとえぐさ属、あおさ属、あおのり属、こんぶ属、とろろこんぶ属及びわかめ属のうちの少なくとも1種である請求項2に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記海藻類を100質量%とした場合に、該海藻類に含有される水分の含有量が1〜20質量%である請求項2又は3に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材を篩により分級したとき、該粉砕食材を100質量%とした場合に、5mmパスから1mmオンの砕片の質量割合が80質量%以上である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記砕氷を100質量%とした場合に、粒度が0.5〜2.0mmである砕氷の質量割合が80質量%以上である請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記混合時の温度が−5〜5℃である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材を水蒸気と接触させる請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記水蒸気の温度が60〜120℃である請求項8に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材を100質量%とした場合に、該粉砕食材に含有される水分の含有量が10〜30質量%である請求項8又は9に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材に含有される水分の質量(Mc)及び上記砕氷の質量(Mi)の合計(Ma)と、該粉砕食材から該粉砕食材に含有される該水分を除いた乾物の質量(Md)との質量比(Ma/Md)が1〜20である請求項10に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材に、該粉砕食材を100質量部とした場合に、5〜30質量%の増粘剤を配合する請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材が、乳製品、野菜類及びその加工品、鳥卵の加工品、肉類及びその加工品並びに穀類及びその加工品のうちの少なくとも1種の食材の粉砕物を含有する請求項2乃至12のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記食材の上記粉砕物の砕片の最大寸法が2〜10mmであり、且つ上記海藻類の上記粉砕物の砕片の最大寸法より大きい請求項13に記載の多孔食品の製造方法。
- 上記粉砕食材に調味料及び保存剤のうちの少なくとも一方が添加された請求項1乃至14のうちのいずれか1項に記載の多孔食品の製造方法。
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