JP4046524B2 - 油調食品用品質改良剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油調食品用品質改良剤及びこれを用いた油調食品に関する。さらに詳しくは、衝撃により粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を含有する油調食品用品質改良剤及び該油調食品用品質改良剤を含有することを特徴とする油調食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天ぷら、フライ、唐揚げ等の油調食品は、畜肉、魚介類、野菜等の具材の表面に衣を付着させ、食用油中でフライ調理して製造される。近年の食生活の変化に伴い、油調食品は家庭でフライ調理するよりもスーパーやコンビニエンスストアにおいて提供されているテイクアウトの惣菜、弁当や電子レンジで加熱するだけで食べることができる冷凍食品等の需要が増えている。通常油調食品は、フライ調理直後においては衣はサクサクとしており、中の具材は柔らかくジューシーであり、好ましい食感であるが、テイクアウトの惣菜では消費者が食するまでに長時間経過するため、具材の水分が衣に移行し衣のサクサク感、具材のジューシー感が経時的に低下する。また、電子レンジで加熱して食する場合は、加熱中に具材から水蒸気が発生し衣が吸湿するため衣のサクサク感、具材のジューシー感が低下し、更に加熱後時間の経過と共に衣のべとつきや具材のぱさつきがひどくなるという問題があった。
この問題を解決するために、α化澱粉、生澱粉、食用油脂及び水からなり、小麦粉を含まない揚げ物用バッターを使用する方法(特開2000−333633)、具材表面にヘミセルロース、ガム類等の水溶性高分子物質を付着させる方法(特開平9−163940号公報)、具材に蛋白分解酵素を含有する調理用素材を付着させ所定時間放置した後調理する方法(特開平5−252911、特開平7−313085号公報)、加工澱粉を主材とし、それにアルギン酸プロピレングリコールエステル、有機酸塩、卵白、カゼインカルシウム、ホエー蛋白分離物、蛋白分解物の1種又は2種以上を併用したバッター又は打ち粉を使用する方法(特開2000−342210)、95重量%以上が粒径20μm以上である馬鈴薯澱粉を使用する方法(特開2000−350561)等多くの提案がなされているが、製造工程が複雑化したり、十分な効果が得られていないのが現状である。また、油調食品の衣に穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を添加することについては公知であるが、従来より用いられている穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を使用するだけでは、食感改良、レンジ耐性等のすべてのニーズに応えることは困難であった。
そこで、油調食品用品質改良剤及び前記の油調食品用品質改良剤を含有することを特徴とする油調食品の確立が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フライ調理後又は電子レンジ加熱後に時間が経過しても衣のサクサク感を持続させると共に、具材のジューシー感を保持することができる油調食品用品質改良剤及びこれを用いた油調食品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の実状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、油調食品の製造に際し、衝撃により粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を含有する油調食品用品質改良剤をバッター又は打ち粉に添加することにより、非常に優れた効果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明における穀粉類とは、特に限定されるものではないが、小麦、小麦粉、小麦胚芽、全粒粉、小麦ふすま、デュラム粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、ハトムギ粉等のことであり、好ましくは、小麦粉、全粒粉、大豆粉、米粉が良く、より好ましくは、小麦粉が良く、中でも、薄力粉が最も好ましい。
本発明における澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物とは、特に限定されるものではないが、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、ヤシ澱粉等及びこれらの加工品及びこれらの分解物のことであり、好ましくは、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉及びこれらの加工品及びこれらの分解物が良く、より好ましくは、馬鈴薯澱粉及びその加工品が良い。
本発明において、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物の中でも、澱粉類及びその加工品が好ましく、より好ましくは、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ及びこれらの加工品であり、最も好ましくは、馬鈴薯澱粉及びその加工品である。
本発明において、粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物は、それぞれ単独もしくは2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いる粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を得る方法は、特に限定されるものではないが、一般的な穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物の粉末をボールミルやジェットミル等の乾式粉砕機、又は液体窒素を利用する凍結粉砕機等、レーザー回折型粒度分布測定により平均粒子径20μm以下の微粉末化ができる性能のものを使用して微粉末化する方法等が挙げられる。特に、一般的な穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物の粉末を気流粉砕(ジェットミル)、凍結粉砕により微粉末化する方法が目的とする平均粒子径を得やすく、衝撃熱が出にくいため好ましい。なお、平均粒子径20μm以下の微粉末を得る方法として、篩いを用いた分級による方法も考えられるが、この方法のみでは、得られた粉末が凝集しやすく、目的とする効果が得られないため、衝撃による粉砕が必要となる。
【0006】
本発明における凍結粉砕の条件は、液体窒素を用いて予備冷却を行い、粉砕した粉末が平均粒子径20μm以下となる条件であれば良く、粉砕機の種類、形式を限定するものではない。液体窒素を予備冷却として用いる理由としては液体窒素が−196℃の極低温であり、これを冷媒とする場合は、極めて短時間の内に穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物の凍結が可能であり、凍結による変性がほとんど生じないことの他に、ハンマーミルのような粉砕機を用いた時に発生する衝撃熱が出ることなく、酸化を伴わない粉砕が可能となる等の利点を有することにあるが、冷却の方式については、浸漬法、散布法等の何れの方法でも良い。また、粉砕温度は、−100℃〜−50℃で行うのが経済性、粉砕効率、粉末の粒子径の面からも良く、粉砕温度が高い場合には、目的とする平均粒径20μm以下までの微粉末化が不十分となるため好ましくない。
【0007】
本発明における気流粉砕とは、通称ジェットミルと呼ばれ、粉粒体原料を圧縮した空気又は窒素等の不活性ガスによって高速度に加速し、原料同士又は原料を別に設けた衝突板等に衝突させて粉砕するものである。なお、形式を限定するものではないが、一般的なジェットミルの形式としては、原料を加速し噴射する加速管を対向配置させて原料同士を衝突させる形式のもの、加速管から噴射した原料を衝突板等に衝突させる形式のもの、原料が循環する容器内に加速管を挿入配置させたもの等がある。このような気流粉砕法によれば、粉砕刃や圧縮ロール等による衝撃・剪断・圧縮・磨砕等の機械的な力がかからず、ガスを用いるため冷却効果もあり原料の発熱が少なく、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物の熱による変性や酸化を起こすことなく、原料の粉砕が可能となる等の利点を有する。
本発明における穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物は、上述のごとく衝撃により粉砕されたものであればよいが、効果の面から平均粒子径20μm以下が良く、さらに好ましくは平均粒子径10μm以下が良い。
本発明における平均粒子径とは、レーザー回折型粒度分布測定等により得られた数値のことであり、正規分布又は正規分布に近い粒度分布を示すものである。
【0008】
本発明の油調食品では、例えば衝撃により粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を配合すれば良いが、必要に応じて他の品質改良剤と併用することができる。他の品質改良剤としては、通常用いられる油調食品用の品質改良剤であれば特に限定されるものではないが、好ましくは卵白、卵黄、鶏卵(全卵)、ホエー蛋白、カゼイン、カゼインナトリウム、乳蛋白、コラーゲン、ゼラチン、血漿蛋白、小麦蛋白、グルテニン、グリアジン、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白より選ばれる蛋白素材及びこれらの加水分解物、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カードラン、ペクチン、タマリンドシードガム、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、タラガム、プルラン、結晶セルロース、CMC、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、大豆多糖類より選ばれる多糖類及びこれらの分解物、さらにグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチンより選ばれる乳化剤、融点が20℃以上の牛脂、豚脂等の動物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる動物性粉末油脂、パーム油、ヤシ油、大豆油、綿実油等の植物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂等が挙げられ、さらに好ましくは、卵白、卵黄、全卵、乳蛋白、ホエー蛋白、カゼインナトリウム、小麦蛋白、グルテニン、グリアジンより選ばれる蛋白素材及びこれらの加水分解物、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カードラン、サイリウムシードガム、ペクチン、タラガムより選ばれる多糖類及びそれらの分解物、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチンより選ばれる乳化剤、融点が20℃以上の牛脂又は豚脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる動物性粉末油脂、パーム油又はヤシ油又は大豆油を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂が良い。さらに、これらの品質改良剤の1種又は2種以上を本発明の油調食品に使用することが出来るものである。
【0009】
また、本発明の油調食品用品質改良剤として、粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を添加配合する際に、単独で粉砕したものを添加配合しても良いし、2種以上を混合した後、粉砕したものを添加配合しても良いし、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物と上記の併用できる品質改良剤を混合した後、粉砕したものを添加配合しても良いし、2種以上の粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物と未粉砕の穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を混合したものを添加混合しても良い。
本発明における、粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物の油調食品用品質改良剤中に有効成分として添加される量は、特に限定するものではなく、従来の小麦粉、澱粉等の粉体原料に対して全量を置き換えても良いし、小麦粉、澱粉等の粉体原料に対して0.01〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%を添加するのが油調食品の製造コストの面から良い。0.01%未満では、油調食品の品質改良効果が不十分であるため好ましくない。
本発明における油調食品とは、野菜類、肉類、魚介類等の具材(種)に衣(バッター液)を付けてフライ調理したものであり、例えば天ぷら、フライ、コロッケ、カツ、唐揚げ、ナゲット等のいずれであっても良い。油調食品の形態は特に限定されるものではないが、焼成後すぐに食されるもの、冷蔵流通されるもの、冷凍流通されるもののいずれであってもよい。
【0010】
本発明の油調食品は、常法により具材の表面に、必要に応じて打ち粉をまぶし、バッター液を付着させ、必要に応じてパン粉をまぶし、食用油脂中でフライ調理する工程において、本発明の油調食品用品質改良剤を油調食品の衣に使用するものであり、打ち粉又はバッター液に添加すれば良い。また、打ち粉及びバッター液の両方に添加しても良い。
本発明における、粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物の油調食品への使用方法は、特に限定されるものではないが、バッター液を調製する際に、加える水に分散させ添加する方法、打ち粉又はバッターに使用する粉末に該当粉末を添加・混合する方法等を適宜選択出来るが、作業効率の面から打ち粉又はバッター液に使用する粉末に該当粉末を添加混合する方法が好ましい。
本発明における、粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を添加する油調食品の製造工程は、特に限定されるものではなく、添加時期についても特に限定されるものではない。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
実施例1
25kgの薄力粉(平均粒子径50.7μm)をジェットミル粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製)を用いノズル半径5mm、ノズル元圧5.5kg/cmG、セパレータ回転数3000rpmの条件で粉砕を行い、平均粒子径4.45μmの本発明品1を24.9kg得た。
【0012】
実施例2
25kgの馬鈴薯澱粉(平均粒子径35.3μm)をジェットミル粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製)を用いノズル半径5mm、ノズル元圧5.5kg/cmG、セパレータ回転数3000rpmの条件で粉砕を行い、平均粒子径6.27μmの本発明品2を24.9kg得た。
【0013】
実施例3
実施例1で用いた粉砕する前の薄力粉25kgを凍結粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製)を用い粉砕温度−100℃にてローター周速93m/sの条件で粉砕を行い、平均粒子径16.32μmの本発明品3を24.9kg得た。
【0014】
実施例4
実施例2で用いた粉砕する前の馬鈴薯澱粉を凍結粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製)を用い粉砕温度−100℃にてローター周速73m/sの条件で微粉末化を行い、平均粒子径18.46μmの本発明品4を24.9kg得た。
【0015】
比較例1
実施例1及び3で用いた粉砕する前の薄力粉を比較品1とした。
【0016】
比較例2
実施例2及び4で用いた粉砕する前の馬鈴薯澱粉を比較品2とした。
試験例1
0.5gの本発明品1〜4及び比較品1、2に対して、それぞれ小麦粉(薄力粉)61.5g、タピオカ澱粉31g、食塩5g、香辛料2g、水110gを撹拌混合してバッター液をそれぞれ調製した。鶏モモ肉を25〜30g/個に切断し、バッター液を付けて170〜175℃のコーン油で3分間フライ調理し、本発明品1〜4及び比較品1、2の鶏唐揚げをそれぞれ得た。
(評価方法)
上記で得られた鶏唐揚げのフライ調理直後及び常温で5時間経過後の衣及び具材(鶏肉)の食感、食味を20名の専門パネラーにて評価した。評価方法は、衣の食感(サクサク感)、具材の食感(柔らかさ、ジューシー感)、食味の影響(異味の有無)について、極めて良いものを10点、かなり良いものを9点、やや良いものを8点、普通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いものを5点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均値で示した。
その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
Figure 0004046524
【0018】
表1の結果から明らかなように、本発明品は比較例に比べてフライ調理後長時間が経過しても衣と肉の食感が低下せず良好に保たれており、食味についても良好であった。
試験例2
1gの本発明品1〜4及び比較品1、2に対して、それぞれ小麦粉(薄力粉)89g、コーンスターチ9g、ベーキングパウダー1g、水150gを撹拌混合してバッター液をそれぞれ調製した。エビを殻剥き、筋切りし、バッター液を付けて170〜175℃のコーン油で2分間フライ調理し、本発明品1〜4及び比較品1、2のエビ天ぷらをそれぞれ得た。
(評価方法)
得られたエビ天ぷらを10℃,24時間冷蔵保存し、電子レンジで加熱して加熱直後及び常温で5時間経過後の衣及び具材(エビ)の食感、食味を20名の専門パネラーにて評価した。評価方法は、衣の食感(サクサク感)、具材の食感(柔らかさ、ジューシー感)、食味の影響(異味の有無)について、極めて良いものを10点、かなり良いものを9点、やや良いものを8点、普通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いものを5点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均値で示した。
その結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
Figure 0004046524
【0020】
表2の結果から明らかなように、本発明品は比較例に比べて電子レンジ加熱後においても衣と具材の食感が良好に保たれており、更に長時間が経過しても衣と具材の食感が低下せず良好に保たれており、食味についても良好であった。
【0021】
本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下のとおりである。
(1)衝撃により粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物より選ばれる1種又は2種以上の粉末を使用することを特徴とする油調食品用品質改良剤。
(2)衝撃により粉砕された、澱粉類及びその加工品より選ばれる1種又は2種以上の粉末を使用することを特徴とする油調食品用品質改良剤。
(3)ボールミル、気流粉砕(ジェットミル)、凍結粉砕等により粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物を含有するものである(1)又は(2)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(4)穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物が気流粉砕又は凍結粉砕により粉砕されたものである(1)〜(3)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(5)穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物が平均粒子径20μm以下に粉砕されたものである(1)〜(4)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(6)穀粉類が小麦、小麦粉、小麦胚芽、全粒粉、小麦ふすま、デュラム粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、ハトムギ粉等から選ばれる1種又は2種以上からなる(1)又は(3)〜(5)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(7)穀粉類が小麦粉、全粒粉、大豆粉、米粉から選ばれる1種又は2種以上からなる(1)又は(3)〜(5)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(8)澱粉類がタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、ヤシ澱粉及びこれらの加工品及びこれらの分解物から選ばれる1種又は2種以上からなる(1)〜(5)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(9)澱粉類がタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉及びこれらの加工品及びこれらの分解物から選ばれる1種又は2種以上からなる(1)〜(5)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(10)穀粉類又は澱粉類がタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ及びこれらの加工品から選ばれる1種又は2種以上からなる(1)〜(5)いずれか記載の油調食品用品質改良剤。
(11)(1)〜(10)いずれか記載の油調食品類の製造の際に添加する衝撃により粉砕された、穀粉類又は澱粉類及びその加工品並びにこれらの分解物と併用して配合することの出来る他の品質改良剤としては、卵白、卵黄、鶏卵(全卵)、ホエー蛋白、カゼイン、カゼインナトリウム、乳蛋白、コラーゲン、ゼラチン、血漿蛋白、小麦蛋白、グルテニン、グリアジン、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白より選ばれる蛋白素材及びこれらの加水分解物、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カードラン、ペクチン、タマリンドシードガム、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、タラガム、プルラン、結晶セルロース、CMC、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、大豆多糖類より選ばれる多糖類及びこれらの分解物、さらにグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチンより選ばれる乳化剤、融点が20℃以上の牛脂、豚脂等の動物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる動物性粉末油脂、パーム油、ヤシ油、大豆油、綿実油等の植物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂等がある。
(12)(1)〜(10)いずれか記載の油調食品用品質改良剤を添加することを特徴とする油調食品の製造法。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、油調食品の食味を損なうことなく、本発明の技術により、フライ調理後常温に放置しても衣のサクサク感を持続させると共に、具材のジューシー感を保持することができる。更に、フライ調理後冷凍又は冷蔵保存し電子レンジで加熱して食する場合にも、電子レンジ加熱後、又はその後長時間が経過しても衣のサクサク感を持続させると共に、具材のジューシー感を保持した油調食品を提供するものであり、本発明は油調食品の調理適性の改善に効果が大であり、食品産業に大いに貢献できるものである。

Claims (2)

  1. 粉砕された粉末の平均粒子径が10μm以下である小麦粉又は、馬鈴薯澱粉及びその加工品並びにこれらの分解物より選ばれる1種又は2種以上の粉末からなることを特徴とする油調食品用食感改良剤。
  2. 粉砕する方法が、気流粉砕又は凍結粉砕であることを特徴とする請求項1記載の油調食品用食感改良剤。
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