JP6277010B2 - 絶縁膜の検査方法 - Google Patents

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本発明は、半導体基板内に形成された貫通電極の周囲を被覆する絶縁膜の検査方法に関する。
近年新たな三次元実装技術として、ワイヤの代わりに貫通電極(Through−Silicon Via:TSV)を用いた積層技術が注目されている。積層技術としては、複数の半導体チップを積層し、積層した半導体チップを貫く貫通電極を形成して半導体チップ同士を接続する技術や、複数の半導体ウェーハを積層し、積層した半導体ウェーハを貫く貫通電極を形成して半導体ウェーハ同士を接続する技術が開発されつつある(例えば、特許文献1参照)。このような貫通電極を形成する場合、先ず、複数の半導体ウェーハを積層した状態で、半導体デバイス上にレジストを塗布後、貫通電極形成用マスクを介してドライエッチングを施すことで、所定箇所に貫通孔を形成する(例えば、特許文献2参照)。次いで、各貫通孔の内周面にCVD法によってSiN膜又はSiO膜からなる絶縁膜を形成し、その後、各貫通孔内(絶縁膜の内側)に銅を充填することで、貫通電極が形成される。
特開2004−241479号公報 特開2012−134231号公報
上記のように貫通電極が形成された積層デバイスでは、貫通孔内に形成した絶縁膜の形成が不十分になる場合がある。この場合、半導体デバイスの回路動作の不良を招いたり、銅イオンが半導体デバイス(シリコン)内に進入しデバイス特性を悪化してしまうという問題がある。かかる問題を解消するため、絶縁膜での電流のリークを検査したいという要望があるが、かかる検査方法については確立したものがない。
本発明は、上記要望に鑑みてなされたものであり、その目的は、貫通電極の周囲を被覆する絶縁膜での電流のリークを容易に検査することができる絶縁膜の検査方法を提供することである。
本発明の絶縁膜の検査方法は、半導体基板内に複数形成された貫通電極のそれぞれの周囲を被覆する絶縁膜の検査方法であって、半導体基板内の任意の貫通電極と、該貫通電極以外の貫通電極又は半導体基板との2箇所に端子をそれぞれ当接させて、端子間に電圧を印加するとともに端子間に光を照射した場合と照射していない場合とで、端子間に流れる電流をそれぞれ測定し、光の照射の有無により、端子間に流れる電流値に半導体基板の内部光電効果によって変化がある場合に、端子が当接した貫通電極の絶縁膜にリーク箇所が存在することを検出することを特徴とする。
この方法では、内部光電効果により半導体基板を通電する電流に対する抵抗値が変化する性質を利用している。具体的には、半導体基板への光照射の有無によって、端子間に流れる電流値に変化があるか否かを比較しており、その比較の結果から、端子が当接した貫通電極の絶縁膜にリーク箇所が存在するか否かを容易に検査することができる。
本発明によれば、貫通電極の周囲を被覆する絶縁膜での電流のリークを容易に検査することができる。
実施の形態に係る半導体基板の製造工程説明図であり、図1Aは薄化工程、図1Bは貼合工程、図1Cは剥離工程の一例を示す図である。 実施の形態に係る半導体基板の製造工程説明図であり、図2Aは孔形成工程、図2Bは絶縁膜形成工程、図2Cは電極形成工程の一例を示す図である。 半導体基板の一例を模式的に示す斜視図である。 図3のA−A切断面の模式図であり、実施の形態に係る絶縁膜の検査方法の説明図である。 絶縁膜の検査における電圧と電流との関係の一例を示すグラフである。 変形例に係る絶縁膜の検査方法の図4と同様の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る絶縁膜の検査方法ついて説明する。先ず、図1及び図2を参照して、絶縁膜が形成される半導体基板の加工方法の流れについて説明する。図1及び図2は、半導体基板の製造方法における各工程の説明図である。なお、図1及び図2に示す各工程は、あくまでも一例に過ぎず、この構成に限定されるものではない。
まず、図1Aに示す薄化工程が実施される。この薄化工程を行う前に、図1Aに示すように、半導体ウェーハ1の表面(図1A中上面)に、仮接着剤2を介してサポートガラス3を貼着しておく。ここで、半導体ウェーハ1は、シリコン基板4と、シリコン基板4の表面4a(図1A中上面)に複数配設されたメタルパッド5とを備えている。また、仮接着剤2は、UV照射や薬品処理等を行うことによって、接着力を失う性質を有するものである。薄化工程では、半導体ウェーハ1におけるシリコン基板4の裏面4b側(図1A中下面側)を研削装置(不図示)によって研削し、シリコン基板4を所定の仕上げ厚みに形成する。
薄化工程が実施された後、図1Bに示すように、貼合工程が実施される。貼合工程では、半導体ウェーハ1におけるシリコン基板4の裏面4b側に接着剤9を介してベースウェーハ10を貼合する。接着剤9は、後工程や製品としての使用時においても接着状態を確保できる接着特性を有する。また、ベースウェーハ10は、半導体ウェーハ1と同様の構成とされ、シリコン基板11と、シリコン基板11の表面11a(図1B中上面)に複数配設されたメタルパッド12とを備えている。各メタルパッド12は、上面視で、半導体ウェーハ1のメタルパッド5に対応する位置に配設されている。
貼合工程においては、先ず、薄化された半導体ウェーハ1におけるシリコン基板4の裏面4b側をベースウェーハ10におけるシリコン基板11の表面11aに対面させる。次いで、半導体ウェーハ1及びベースウェーハ10にそれぞれ形成されたアライメントマーク(不図示)を撮像しながら、半導体ウェーハ1及びベースウェーハ10を相対移動する。この相対移動によって、それぞれのアライメントマークを合致させた状態とし、半導体ウェーハ1及びベースウェーハ10の各メタルパッド5,12が上下方向に整列するように位置付ける。その後、半導体ウェーハ1及びベースウェーハ10を接着剤9で貼り合わせて積層させて半導体基板20を形成する。
貼合工程が実施された後、図1Cに示すように、剥離工程が実施される。剥離工程では、仮接着剤2に所定処理を施して接着力を失わせた後、半導体基板20からサポートガラス3を剥離する。これにより、半導体基板20からサポートガラス3と共に仮接着剤2が除去され、半導体基板20において、シリコン基板4の表面4aとメタルパッド5とが露出した状態となる。
剥離工程が実施された後、図2Aに示すように、孔形成工程が実施される。孔形成工程では、スピンコート法等により半導体基板20におけるシリコン基板4の表面4a及びメタルパッド5上にレジスト22を塗布する。レジスト22の塗布後、レジスト22をパターンに従って露光してマスクを形成する。このマスクを介してドライエッチングを施すと、メタルパッド5及びシリコン基板4を貫通する複数の貫通孔24が形成される。
孔形成工程が実施された後、図2Bに示すように、絶縁膜形成工程が実施される。絶縁膜形成工程では、CVD法によって、シリコン基板4の表面4a及びメタルパッド5の上面だけでなく、貫通孔24の内部にもSiN膜又はSiO膜からなる絶縁膜が堆積される。その後、垂直性のドライエッチングを施すことによって、シリコン基板4の表面4a、メタルパッド5の上面及び貫通孔24の底部に堆積された絶縁膜が除去される。これにより、各貫通孔24の内部において上下方向に延びる内周面だけに絶縁膜26が残存して形成される。
絶縁膜形成工程が実施された後、図2Cに示すように、電極形成工程が実施される。電極形成工程では、各貫通孔24内(絶縁膜26の内側)に銅をそれぞれ充填し、上端側を平坦に形成する。これにより、各貫通孔24内の内部において、上端側が露出する貫通電極28が形成され、貫通電極28の周囲は絶縁膜26によって被覆される。なお、半導体基板20において、隣り合う貫通電極28の間の領域には半導体デバイス(不図示)が形成される。図示省略しているが、かかる半導体デバイスのデバイス回路と電気的に接続する貫通電極及びこれを被覆する絶縁膜も、上記貫通電極28及び絶縁膜26と同一工程によって形成される。
次に、図3及び図4を参照して、半導体基板について説明する。図3は、半導体基板の一例を模式的に示す斜視図を示し、図4は、図3のA−A切断面の模式図を示す。
図3及び図4に示すように、半導体基板20は、上記と同様に、接着剤9(図3では図示省略)を介して半導体ウェーハ1とベースウェーハ10とを積層して形成されている。半導体ウェーハ1におけるシリコン基板4の表面4aには、貫通電極28の上端部が露出している。貫通電極28は、半導体基板20の上面視で直交する2方向に所定間隔毎に複数形成される。また、半導体基板20では、貫通電極28の形成位置を四隅とする矩形領域がデバイス領域Dとされる。デバイス領域Dは、半導体基板20の上面視で直交する2方向に並設される。
デバイス領域D内には、半導体デバイス(不図示)が形成され、この半導体デバイスは、絶縁膜(不図示)で被覆される多数の貫通電極(不図示)と電気的に接続している。上記絶縁膜形成工程でのCVD法の性質上、デバイス領域D内の絶縁膜は、貫通孔24内で貫通電極28を被覆する絶縁膜26と同様に形成される。従って、図4に示した絶縁膜26に電流のリーク箇所が存在するか否かを検査することで、デバイス領域Dの絶縁膜もリーク箇所が存在するか否かを検査することができる。言い換えると、図示した貫通孔24、絶縁膜26及び貫通電極28は、デバイス領域Dの絶縁膜にリーク箇所が存在するか否かを検査するために形成したものである。
続いて、図4を参照して、本実施の形態に係る貫通電極28を被覆する絶縁膜26の検査方法について説明する。先ず、検査方法に用いられる検査装置について説明する。図4は、半導体基板20の断面図に加え、本実施の形態に係る検査装置の概略構成図を示す。
図4に示すように、検査装置30は、貫通電極28に電圧を印加する電圧印加部32を備えている。電圧印加部32は、直流電源34と、直流電源34の+極に第1導線35を介して接続された第1端子36と、直流電源34の−極に第2導線37を介して接続された第2端子38とを備えている。第1導線35には、スイッチ40が設けられ、このスイッチ40によって直流電源34から第1端子36及び第2端子38への電圧印加のオン/オフを切り換え可能となる。また、第2導線37には、第1端子36及び第2端子38間を流れる電流を測定可能な電流計41が設けられている。
検査装置30は、半導体基板20の上面(シリコン基板4の表面4a)側に光を照射する照明装置からなる光照射部43を更に備えている。光照射部43は、スイッチ(不図示)によって光照射のオン/オフを切り換え可能に設けられる。
検査装置30を用いて絶縁膜26を検査する方法にあっては、先ず、光照射部43からの光照射をオフにしておく。この状態で、図4に示すように、半導体基板20において、隣り合う2箇所の任意の貫通電極28に第1端子36及び第2端子38を当接させる。そして、スイッチ40をオンすることで、第1端子36及び第2端子38の間に位置するデバイス領域Dに対し、直流電源34の電圧を印加させる。この印加時の電圧に対し、第1端子36及び第2端子38の間のデバイス領域Dを流れる電流を電流計41で測定する。この際の電圧と電流との関係を一例として挙げると、図5のグラフにおいて、符号C1で示す曲線のようになる。
続いて、2箇所の貫通電極28と、第1端子36及び第2端子38との当接を維持して電圧を印加したまま、光照射部43から半導体基板20の上面への光照射をオンする。そして、この状態で印加されている電圧に対し、第1端子36及び第2端子38の間のデバイス領域Dを流れる電流を電流計41で測定する。ここで、光照射がオンの場合、光照射がオフの場合に比べ、シリコンの内部光電効果によってデバイス領域Dに電流が流れやすくなり、デバイス領域Dを流れる電流に対する抵抗値が小さくなる。従って、絶縁膜26に電流のリーク箇所があると、同じ電圧を印加する条件下では、光照射がオフの場合に比べてオンの方が、電流計41で測定する電流値が増大するよう変化する。このため、電圧と電流との関係は、図5のグラフにおいて、符号C2で示す曲線のように、符号C1で示す曲線より大きい電流値として検出される。一方、絶縁膜26に電流のリーク箇所が存在しない場合には、光照射がオフの場合とオンの場合とで電流値の変化が起こらない。従って、光照射の有無により、電流値の検出結果の変化を確認することで、絶縁膜26に電流のリーク箇所が存在するか否かを検出することができる。
上記のように2箇所の貫通電極28を被覆する絶縁膜26の検査を終えた後、他の貫通電極28を被覆する絶縁膜26についても同様に検査を行い、これを繰り返すことによって半導体基板20全ての絶縁膜26について検査を行う。この検査の結果により、半導体基板20において、どの領域での絶縁膜26の形成が不十分になるかを検査することができる。
以上のように、本実施の形態に係る検査方法によれば、光照射のオン/オフの条件を変えて2箇所の貫通電極28間に流れる電流を測定し、測定結果の電流値を比較することで、絶縁膜26におけるリーク有無の検査を容易に行うことができる。これにより、図3等で示した貫通電極28を被覆する絶縁膜26の検査結果を通じ、デバイス領域D内の半導体デバイス(不図示)の貫通電極における絶縁膜が十分に形成されているか否かも同時に検査できる。この検査結果に基づき、半導体基板20から半導体デバイスを製造することで、半導体デバイスにて回路動作が不良となったり、半導体デバイス内に銅イオンが進入しデバイス特性が悪化したりすることを未然に防ぐことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、検査対象となる半導体基板20は、上記の実施の形態と同様に絶縁膜26の検査を行える限りにおいて変更してもよく、貫通電極28の配設位置を適宜変えてもよい。図6は、変形例に係る検査方法の説明図である。図6に示すように、各デバイス領域Dの外周寄りとなるシリコン基板4の表面4a側にメタル層50を形成した半導体基板20を検査することができる。この場合、第1端子36をメタル層50に、第2端子38を貫通電極28に当接して上記の実施の形態と同様の手順で検査を行う(当接する第1端子36及び第2端子38は逆にしてもよい)。この検査では、第1端子36及び第2端子38が接触する貫通電極28は1箇所となるので、その貫通電極28を被覆する絶縁膜26だけのリーク箇所の有無を検査することができる。従って、半導体デバイス(不図示)の貫通電極における絶縁膜の形成の検査について、その範囲をより絞り込むことができる。
以上説明したように、本発明は、貫通電極の周囲を被覆する絶縁膜での電流のリークを検査する際に有用であり、半導体デバイスの回路における動作不良やデバイス特性の悪化を防止できるという効果を有する。
20 半導体基板
26 絶縁膜
28 貫通電極
36 第1端子(端子)
38 第2端子(端子)

Claims (1)

  1. 半導体基板内に複数形成された貫通電極のそれぞれの周囲を被覆する絶縁膜の検査方法であって、
    該半導体基板内の任意の貫通電極と、該貫通電極以外の貫通電極又は該半導体基板との2箇所に端子をそれぞれ当接させて、該端子間に電圧を印加するとともに該端子間に光を照射した場合と照射していない場合とで、該端子間に流れる電流をそれぞれ測定し、
    該光の照射の有無により、該端子間に流れる電流値に該半導体基板の内部光電効果によって変化がある場合に、該端子が当接した貫通電極の絶縁膜にリーク箇所が存在することを検出する絶縁膜の検査方法。
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