JP6274029B2 - 圧力センサ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、形成容易であり信頼性の高い圧力センサ装置に関するものである。
圧力センサ装置として、導電性粒子をシリコーンゴム等の絶縁樹脂内に分散させた感圧樹脂を使用したものが知られている。
感圧樹脂は、圧力を加えると絶縁樹脂内において導電性粒子同士が接触し、導電経路が形成されて抵抗値が低下する。このため、感圧樹脂を介して電極を接続した場合には、感圧樹脂に加えられた圧力に応じて電流量を変動させることができる。そして、この電流量の変動を検知することにより、感圧樹脂に加えられた圧力を検知できる。
また、電極としてマトリクス状に形成された薄膜トランジスタを用いることにより、面内の圧力分布を検出することが試みられている。例えば、特許文献1〜5では、ゲート電極とゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極を有する薄膜トランジスタと、感圧樹脂と、共通電極と、がこの順で積層された圧力センサ装置が開示されている。
特開昭60−211986号公報 特開2005−150146号公報 特開2012−053050号公報 特開2013−068562号公報 特開2013−068563号公報
しかしながら、このような圧力センサ装置の製造方法としては、薄膜トランジスタ、感圧樹脂および共通電極を準備した後、これらを接着剤を介して接着する方法が一般的に用いられる。このため、薄膜トランジスタに含まれるドレイン電極等の電極の形成とは別に共通電極を形成する工程、感圧樹脂および共通電極間を接着剤を介して接着する工程等が必要になる。さらには、感圧樹脂およびドレイン電極間の接続のため、半導体層を覆うパッシベーション層および薄膜トランジスタが形成される基板等に貫通孔を形成する工程が必要になる。このようなことから、工程が煩雑であるといった問題がある。
また、一般的に感圧樹脂と共通電極とは密着性が低いことから、共通電極を介して感圧樹脂に圧力が付与される構造である場合、感圧樹脂および共通電極間が剥離し、圧力を感圧樹脂に安定的に伝達することが困難となる場合がある。このため、圧力センサ装置としての信頼性が低いといった不具合がある。
本発明は、形成容易であり信頼性の高い圧力センサ装置を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有する薄膜トランジスタと、上記基板の上記薄膜トランジスタが形成された側の表面上に形成された共通電極と、上記共通電極上に上記ドレイン電極および上記共通電極を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、を有することを特徴とする圧力センサ装置を提供する。
本発明によれば、基板、薄膜トランジスタ、共通電極および感圧層の順に積層された構造を有するため、共通電極を薄膜トランジスタに含まれるドレイン電極等の電極と同時形成することが可能となる。このため、共通電極を形成する工程ならびに感圧層および共通電極間を接着する工程、半導体層を覆うパッシベーション層、薄膜トランジスタが形成される基板等に感圧層およびドレイン電極間の接続のための貫通孔を形成する工程等が不要となり、圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができる。
また、共通電極上に感圧層が形成されることにより、共通電極を介さず感圧層に圧力を付与することが可能となる。このため、圧力センサ装置を、感圧層に安定的に圧力を伝達することができ、信頼性が高いものとすることができる。
本発明においては、上記薄膜トランジスタが、上記基板上に形成された上記ゲート電極、上記ゲート電極上に形成された上記ゲート絶縁層、上記ゲート絶縁層上に形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極を有するボトムゲート型であり、上記共通電極が上記ゲート絶縁層上に形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極と同一平面上に形成されていることが好ましい。
薄膜トランジスタがボトムゲート型であることにより、薄膜トランジスタに含まれるゲート電極の形成後に感圧層を形成することができる。このため、感圧層がゲート電極をパターン状に形成するためのエッチング処理時の薬液等に触れることのないものとすることができ、感圧層の劣化の少ないものとすることができるからである。
また、共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されていることにより、感圧層およびドレイン電極間の接続のためのゲート絶縁層のパターニングを不要とすることができる。このため、圧力センサ装置を、より形成容易なものとすることができるからである。
本発明は、基板と、上記基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有する薄膜トランジスタと、上記基板の上記薄膜トランジスタが形成された側の表面上に形成された共通電極と、上記共通電極上に上記ドレイン電極および上記共通電極を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、を有する圧力センサ装置の製造方法であって、上記共通電極を上記ゲート電極と同時または上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に形成する共通電極同時形成工程を有することを特徴とする圧力センサ装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記共通電極を上記ゲート電極と同時または上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に形成する共通電極同時形成工程を有することにより、基板、薄膜トランジスタ、共通電極および感圧層の順に積層された構造を有する圧力センサ装置を容易に形成することができる。
本発明においては、上記薄膜トランジスタが、上記基板上に形成された上記ゲート電極、上記ゲート電極上に形成された上記ゲート絶縁層、上記ゲート絶縁層上に形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極を有するボトムゲート型であり、上記共通電極同時形成工程が、上記共通電極を上記ゲート絶縁層上に上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に形成するものであることが好ましい。
薄膜トランジスタがボトムゲート型であることにより、薄膜トランジスタに含まれるゲート電極の形成後に感圧層を形成することができる。このため、感圧層がゲート電極をパターン状に形成するためのエッチング処理時の薬液等に触れることのないものとすることができ、感圧層の劣化の少ないものとすることができるからである。
また、共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されることにより、感圧層およびドレイン電極間の接続のためのゲート絶縁層のパターニングを不要とすることができる。このため、圧力センサ装置を、より形成容易なものとすることができるからである。
本発明においては、形成容易であり信頼性の高い圧力センサ装置を提供できるといった作用効果を奏する。
本発明の圧力センサ装置の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略平面図である。 本発明の圧力センサ装置の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の圧力センサ装置の製造方法の他の例を示す工程図である。 従来の圧力センサ装置の一例を示す概略断面図である。 従来の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。
本発明は、圧力センサ装置およびその製造方法に関するものである。
以下、本発明の圧力センサ装置および圧力センサ装置の製造方法について説明する。
A.圧力センサ装置
まず、本発明の圧力センサ装置について説明する。
本発明の圧力センサ装置は、基板と、上記基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有する薄膜トランジスタと、上記基板の上記薄膜トランジスタが形成された側の表面上に形成された共通電極と、上記共通電極上に上記ドレイン電極および上記共通電極を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の圧力センサ装置について図を参照して説明する。図1は本発明の圧力センサ装置の一例を示す概略平面図である。図2は図1のA−A線断面図である。また、図3、図4および図5は、本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。
図1〜図5に例示するように、本発明の圧力センサ装置30は、基板1と、上記基板1上に形成されたゲート電極11、上記ゲート電極11とゲート絶縁層14を介して形成されたソース電極12およびドレイン電極13、ならびに上記ソース電極12および上記ドレイン電極13間に形成された半導体層15を有する薄膜トランジスタ10と、上記基板1の薄膜トランジスタ10が形成された側の表面上に形成された共通電極21と、上記共通電極21上に上記ドレイン電極13および上記共通電極21を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層22と、を有するものである。
なお、図1では説明の容易のため、基板、オーバーコート層、ゲート絶縁層およびパッシベーション層(保護層)の記載を省略するものである。図1において、ゲート電極11、ソース電極12および共通電極21は、それぞれ、ゲート配線11X、ソース配線12Xおよび共通電極配線21Xに接続されるものであり、ゲート配線11Xとソース配線12Xおよび共通電極配線21Xと、が直交するように配置されるものである。また、上記薄膜トランジスタ10は、上記基板1上に形成される上記共通電極21および感圧層22と共に複数用いられ、マトリクス状に形成されるものである。
また、図1〜図5において、薄膜トランジスタ10は、基板1上に形成されたオーバーコート層17を有するものであり、圧力センサ装置20は感圧層22を覆うように形成された保護層23を有するものである。
また、図1および図2は、上記薄膜トランジスタ10が、上記基板1上に形成されたゲート電極11、上記ゲート電極11上に形成された上記ゲート絶縁層14、上記ゲート絶縁層14上に形成された上記ソース電極12および上記ドレイン電極13を有するボトムゲート型であり、共通電極21が上記ゲート絶縁層14上に形成された上記ソース電極12および上記ドレイン電極13と同一平面上に形成されている例を示すものである。また、この例において、保護層23は、半導体層15を覆うように形成されるパッシベーション層16としても用いられるものである。
図3は、上記薄膜トランジスタ10がボトムゲート型であり、共通電極21が上記基板1上に形成された上記ゲート電極11と同一平面上に形成されている例を示すものである。また、この例において、保護層23は、半導体層15を覆うように形成されるパッシベーション層16としても用いられるものである。
図4は、上記薄膜トランジスタ10が、上記基板1上に形成された上記ソース電極12および上記ドレイン電極13、上記ソース電極12および上記ドレイン電極13上に形成された上記ゲート絶縁層14、および上記ゲート絶縁層14上に形成された上記ゲート電極11を有するトップゲート型であり、共通電極21が上記基板1上に形成された上記ソース電極12および上記ドレイン電極13と同一平面上に形成されている例を示すものである。
図5は、上記薄膜トランジスタが、トップゲート型であり、共通電極21が上記ゲート絶縁層14上に形成された上記ゲート電極11と同一平面上に形成されている例を示すものである。
ここで、図9および図10に例示するような薄膜トランジスタ、感圧層122および共通電極121がこの順で積層した構造を有する従来の圧力センサ装置100では、上述のように、通常、薄膜トランジスタ、感圧樹脂および共通電極を準備した後、これらを接着剤を介して接着する方法が一般的に用いられる。このため、薄膜トランジスタに含まれるゲート電極111、ソース電極112およびドレイン電極113の電極の形成とは別に、共通電極121を形成する工程、感圧層122および共通電極121を接着剤を介して接着する工程等が必要になる。
これに対して、本発明によれば、基板、薄膜トランジスタ、共通電極および感圧層の順に積層された構造を有するため、共通電極を薄膜トランジスタに含まれるドレイン電極等の電極と同時形成することが可能となる。このため、ドレイン電極等の電極の形成とは別に共通電極を形成する工程、感圧層および共通電極を接着する工程等を不要とすることができる。このため、圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができる。
また、図9および図10に例示するような従来の圧力センサ装置100では、共通電極121を感圧層122を介してドレイン電極113と接続するために、半導体層を覆うパッシベーション層116または薄膜トランジスタが形成される基板101に貫通孔を形成し、その貫通孔内に接続ビア123を形成し、さらに接続ビア123と接続された接続パッド124が形成される。
これに対して、本発明によれば、共通電極をゲート電極と、またはソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成可能となることから、半導体層を覆うパッシベーション層および薄膜トランジスタが形成される基板等に感圧層およびドレイン電極間の接続のための貫通孔を形成する工程が不要となり、圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができる。
さらに、共通電極上に感圧層が形成されることにより、共通電極を介さず感圧層に圧力を付与することが可能となる。このため、感圧層に安定的に圧力を伝達することができ、圧力センサ装置を、信頼性の高いものとすることができる。
以上のことから、形成容易であり信頼性の高い圧力センサ装置とすることができる。
本発明の圧力センサ装置は、基板、薄膜トランジスタ、共通電極および感圧層を有するものである。
以下、本発明の圧力センサ装置の各構成について詳細に説明する。
1.薄膜トランジスタ
本発明における薄膜トランジスタは、上記基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有するものである。
また、通常、面内の圧力分布を検出するため、上記薄膜トランジスタは、上記基板上に形成される上記共通電極および感圧層と共に複数用いられ、マトリクス状に形成されるものである。
ここで、マトリクス状とは、行列状に二次元配列されている状態をいうものである。
このような薄膜トランジスタの構造としては、上記基板上に形成されたゲート電極、上記ゲート電極上に形成された上記ゲート絶縁層、上記ゲート絶縁層上に形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極を有するボトムゲート型であっても良く、上記基板上に形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成された上記ゲート絶縁層、および上記ゲート絶縁層上に形成された上記ゲート電極を有するトップゲート型であっても良い。
本発明においては、なかでも、上記構造が、ボトムゲート構造であることが好ましい。薄膜トランジスタがボトムゲート型であることにより、薄膜トランジスタに含まれるゲート電極の形成後に感圧層を形成することができる。このため、感圧層がゲート電極をパターン状に形成するためのエッチング処理時の薬液等に触れることのないものとすることができ、感圧層の劣化の少ないものとすることができるからである。
(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極
本発明におけるソース電極およびドレイン電極は、ゲート電極とゲート絶縁層を介して形成されるものである。
このようなゲート電極、ソース電極およびドレイン電極(以下、これらの各電極を単に電極と称する場合がある。)を構成する材料としては、所望の導電性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に薄膜トランジスタに用いられる導電性材料を用いることができる。このような導電性材料の例としては、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Ag合金、Cu、Cu合金、Al合金、Pt、Mo−Ta合金、W−Mo合金、ITO、IZO等の無機材料、および、PEDOT/PSS等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。
なお、上記電極はそれぞれ異なる材料からなるものであっても良く、全てが同一材料からなるものであっても良いが、通常、ソース電極およびドレイン電極は同一材料を用いて形成されるものである。
本発明における電極の厚みとしては、所望の電極特性を備える電極とすることができれば特に限定されないが、それぞれ、50nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記電極を所望の電極特性を有するものとすることができるからである。
上記電極の幅としては、所望の電極特性を備える電極とすることができれば特に限定されなく、本発明の圧力センサ装置の用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記電極の形成方法としては、所望の電極特性、パターン形状、および厚みを有するように電極を形成することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的な電極の形成方法と同様とすることができる。
上記形成方法は、具体的には、金属マスクを用いて、蒸着法、スパッタ法等を用いて直接パターン状に形成する方法、蒸着法、スパッタ法等を用いて導電材料膜を形成し、導電材料膜上に感光性樹脂層をフォトリソグラフィー法を用いてパターニングした後、エッチングすることによりパターン状に形成する方法、および、印刷法を用いる方法等を挙げることができる。
(2)半導体層
本発明における半導体層は、上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成されるものである。また、ゲート電極とゲート絶縁層を介して形成されるものである。
このような半導体層を構成する材料としては、所望のスイッチング特性を示すものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、酸化物半導体、有機半導体を用いることができる。
本発明においては、なかでも、有機半導体であること、すなわち、上記半導体層が有機半導体層であることが好ましい。半導体層を付与される圧力による破損の少ないものとすることができ、圧力センサ装置を信頼性の高いものとすることができるからである。
有機半導体としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。上記有機半導体は、より具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンを用いることができる。
酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgZn1−xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdZn1−xO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウム(In)、酸化ガリウム(Ga)、酸化スズ(SnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化タングステン(WO)、InGaZnO系、InGaSnO系、InGaZnMgO系、InAlZnO系、InFeZnO系、InGaO系、ZnGaO系、InZnO系を用いることができる。
上記半導体層の厚みとしては、所望のスイッチング特性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、半導体層を構成する材料の種類等に応じて異なるものであるが、例えば、上記半導体層が有機半導体層である場合には、1nm〜1000nmの範囲内とすることができる。
なお、半導体層の厚みとは、半導体層の基板側表面から圧力が付与される側の表面、すなわち、上記半導体層の基板とは反対側の表面までの距離のうち最大の距離をいうものである。
上記半導体層の形成方法としては、一般的な半導体層の形成方法と同様とすることができ、半導体層を構成する材料の種類等に応じて異なるものであるが、例えば、上記半導体層が有機半導体層である場合には、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびフレキソ印刷法等の種々の印刷法を挙げることができる。
(3)ゲート絶縁層
本発明におけるゲート絶縁層は、上記ゲート電極と、上記ソース電極、上記ドレイン電極および上記半導体層との間に形成されるものである。
このようなゲート絶縁層を構成する材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的な半導体層の形成方法と同様とすることができる。
上記材料は、具体的には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の絶縁性無機材料、および、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の絶縁性有機材料を用いることができる。
本発明においては、なかでも絶縁性有機材料を好ましく用いることができる。圧力センサ装置を、付与される圧力による破損の少ないものとすることができ、信頼性の高いものとすることができるからである。
上記ゲート絶縁層の厚みとしては、上記ゲート電極と、上記ソース電極等との間を安定的に絶縁することができるものであれば良く、一般的な薄膜トランジスタと同様とすることができる。
(4)薄膜トランジスタ
本発明における薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極、ドレイン電極および半導体層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成としては、本発明における薄膜トランジスタがボトムゲート構造である場合、半導体層を覆うように形成され、空気中に存在する水分や酸素の作用による上記半導体層の劣化を防止するパッシベーション層、基板上に形成され、電極が形成される基板表面を平坦面とするオーバーコート層、ゲート電極およびソース電極に接続されるゲート配線およびソース配線等を挙げることができる。
(a)パッシベーション層
上記パッシベーション層を構成する材料としては、空気中の水分や酸素を透過しにくく、上記半導体層の劣化を所望の程度に防止できるものであれば特に限定されるものではない。
このような材料としては、例えば、上記「(3)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料を用いることができる。
上記パッシベーション層は遮光性を有していることが好ましい。半導体層への光の入射による誤作動を抑制でき、薄膜トランジスタのスイッチ特性に優れたものとすることができるからである。
上記パッシベーションの厚みは、パッシベーション層を構成する材料等に依存して決定されるものであるが、通常、0.1μm〜100μmの範囲内とすることができる。
(b)オーバーコート層
上記オーバーコート層は基板上に平坦面を形成するものである。
このようなオーバーコート層を構成する材料としては、所望の平坦面を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記「(3)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料を用いることができる。
上記オーバーコート層の厚みは、基板表面の段差を平坦化することが可能な厚みであればよく、0.5μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記オーバーコート層の形成方法としては、上述した材料を含むオーバーコート層形成用塗工液を、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、上記材料が光硬化型樹脂の場合は紫外線照射後に必要に応じて光硬化させ、熱硬化型樹脂の場合は成膜後そのまま熱硬化させる方法を挙げることができる。
(c)ゲート配線およびソース配線
ゲート配線およびソース配線は、それぞれゲート電極およびソース電極に接続されるものである。
このようなゲート配線およびソース配線としては、既に説明した図2および図4に示すように共通電極、ソース電極およびドレイン電極が同一平面上に形成される場合には、既に説明した図1に示すように、ゲート配線がソース配線および共通電極配線と直交するように形成されるものとすることができる。また、既に説明した図3および図5に示すように、共通電極およびゲート電極が同一平面上に形成される場合には、ソース配線が、ゲート配線および共通電極配線と直交するように形成されるものとすることができる。
また、ゲート配線およびソース配線を構成する材料および厚さについては、通常、それぞれゲート電極およびソース電極と同一であり、ゲート電極およびソース電極と同時に形成されるものである。
なお、このようなゲート配線およびソース配線の幅等については一般的な薄膜トランジスタと同様とすることができる。
2.共通電極
本発明における共通電極は、上記基板の上記薄膜トランジスタが形成された側の表面上に形成されるものである。すなわち、薄膜トランジスタおよび共通電極が基板の同一平面側に形成されるものである。
また、感圧層がこの上に形成されるものである。
なお、感圧層が共通電極上に形成されるとは、上記共通電極の基板側表面が、上記感圧層の圧力が付与される側の表面、すなわち、上記感圧層の基板とは反対側の表面よりも基板側に位置していることをいうものである。
このような共通電極の形成箇所としては、上記感圧層を介して上記ドレイン電極に接続可能なものであれば特に限定されるものではないが、既に説明した図2および図4に示すように、ソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されたもの、または、既に説明した図3および図5に示すようにゲート電極と同一平面上に形成されたものであることが好ましい。共通電極を薄膜トランジスタに含まれるドレイン電極等の電極と同時形成することが可能となる。このため、ドレイン電極等の電極を形成する工程とは別に共通電極を形成する工程が不要となり、圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができるからである。また、共通電極をゲート電極と、またはソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成するため、半導体層を覆うパッシベーション層、ドレイン電極が形成される基板等に感圧層およびドレイン電極間の接続のための貫通孔を形成する工程が不要となり、圧力センサ装置を形成容易なものとすることができるからである。
本発明においては、なかでも、共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されたものであることが好ましい。共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されていることにより、感圧層およびドレイン電極間の接続のためのゲート絶縁層のパターニングを行うことなく、感圧層をドレイン電極および共通電極を接続するように配置することができるからである。
上記共通電極の平面視形状としては、上記感圧層と安定的に接続できるものであれば特に限定されるものではなく、四角形等の矩形状であっても、円形状であっても良い。
上記共通電極の平面視上の形成箇所としては、上記ゲート電極ならびにソース電極およびドレイン電極と直接接触しない箇所であれば特に限定されるものではなく、本発明の圧力センサ装置の用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記共通電極の構成材料および厚みとしては、所望の導電性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極」の項に記載の構成材料および厚みと同様の内容とすることができる。
本発明においては、上記共通電極がゲート電極と同一平面上に形成される場合、ゲート電極と同一材料および厚みであることが好ましい。また、上記共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成される場合には、ソース電極およびドレイン電極と同一材料および厚みであることが好ましい。上記共通電極を、ゲート電極と、またはソース電極およびドレイン電極と同時形成することが可能となり、圧力センサ装置を形成容易なものとすることができるからである。
上記共通電極の形成方法としては、所望の形状とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な電極の形成方法と同様とすることができる。上記形成方法は、より具体的には、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極」の項に記載の電極の形成方法と同様の方法とすることができる。
本発明においては、なかでも、上記共通電極を上記ゲート電極と同時または上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に形成するものであることが好ましい。圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができるからである。
3.感圧層
本発明における感圧層は、上記共通電極上に上記ドレイン電極および上記共通電極を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含むものである。
上記絶縁性樹脂としては、上記導電性粒子を分散することができ、本発明の圧力センサ装置に対して加えられた圧力に応じて変形する弾性を有し、絶縁樹脂内において導電性粒子同士が接触し、感圧層内の電気抵抗を低下させることができるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
このような絶縁性樹脂としては、具体的には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン−オレフィン共重合体およびスチレン−ブチレン−オレフィン共重合体、ならびに、オレフィン−エチレン共重合体、オレフィン−ブチレン共重合体およびオレフィン−オレフィン共重合体等が挙げられる。中でも、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。優れた絶縁性を有し、経時安定性に優れているからである。また、上記絶縁性樹脂は、2種以上の材料を混合させて用いても良い。
上記導電性粒子を構成する材料としては、所望の導電性を有するものであれば良く、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
上記材料は、具体的には、グラファイト、導電性カーボン、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉、金属酸化物である導電性酸化スズおよび導電性酸化チタン、ならびに有機樹脂の炭化物等の炭素系粒子を挙げることができ、なかでも、グラファイトを好ましく用いることができる。
上記導電性粒子の平均粒子径および含有量としては、所望の感圧性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。上記平均粒子径および含有量としては、具体的には、導電性粒子の材料の種類および求められる感度等に応じて適宜設定されるものである。
例えば、平均粒子径は、0.1μm〜500μmの範囲内とすることができる。また、感圧層中の含有量は、1質量%〜99質量%の範囲内とすることができ、なかでも、10質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、特に、20質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、平均粒子径は、顕微鏡観察による平均粒子径である。顕微鏡観察による平均粒子径は、例えば、100倍で顕微鏡観察を行い、画像処理ソフト等により任意の導電性粒子の粒径を100個測定して個数平均することにより得られる。なお、粒径とは導電性粒子の長軸径と短軸径の平均値を指す。
上記感圧層は、絶縁性樹脂および導電性粒子を含むものであるが、必要に応じて、シリカ系粉体充填材等の硬度調整剤を含むものであっても良い。
上記感圧層の厚みとしては、所望の感圧性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
上記厚みは、具体的には、1μm〜10mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、1μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、特に、5μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
なお、感圧層の厚みとは、感圧層の基板側表面から圧力が付与される側の表面までの距離のうち最大の距離をいうものである。
上記感圧層の平面視形状としては、ドレイン電極および共通電極を接続可能な形状であれば特に限定されるものではなく、四角形等の矩形状であっても、円形状であっても良い。
上記感圧層は、ドレイン電極および共通電極とのみ接し、ソース電極およびゲート電極とは接しないように形成されるものである。
このような感圧層の平面視上の形成箇所としては、上記ドレイン電極および上記共通電極間の領域にのみに形成されるものであっても良いが、なかでも本発明においては、上記ドレイン電極および共通電極の両者を平面視上覆うように形成されるものであることが好ましい。上記ドレイン電極および上記共通電極を安定的に接続することができるからである。
また、上記感圧層は、少なくとも1組のドレイン電極および共通電極を接続するように形成されるものであれば良いが、複数組のドレイン電極および共通電極を接続するものであっても良い。
なお、1組のドレイン電極および共通電極とは、感圧層を介して直列に接続されるドレイン電極および共通電極をいうものである。
また、既に説明した図1は、感圧層が1組のドレイン電極および共通電極を接続するように形成される例を示すものであり、図6は、感圧層が複数組のドレイン電極および共通電極を接続するように形成される例を示す概略平面図である。また、図6中の符号については、図1および図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記感圧層の形成方法としては、所望のパターンの感圧層を精度良く形成できるものであれば特に限定されるものではないが、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびフレキソ印刷法等の種々の印刷法を挙げることができる。
4.基板
本発明における基板は、薄膜トランジスタ、感圧層および共通電極を支持するものである。
このような基板を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリエーテルイミド(PEI)等を挙げることができる。
また、上記基板の厚さとしては、上記ゲート電極等を安定的に支持できるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の圧力センサ装置の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、50μm〜1000μmの範囲内とすることが好ましい。圧力センサ装置を、フレキシブル性を有するものとすることが容易だからである。
5.圧力センサ装置
本発明の圧力センサ装置は、基板、薄膜トランジスタ、共通電極および感圧層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成としては、例えば、薄膜トランジスタ、共通電極および感圧層を覆うように形成され、これらの構成を保護する保護層、共通電極に接続される共通電極配線を挙げることができる。
上記保護層を構成する材料としては、絶縁性を有し、上記薄膜トランジスタ等を保護することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(3)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料を用いることができる。
上記保護層の厚さとしては、所望の保護機能を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、100μm〜1mmの範囲内とすることができる。
また、上記薄膜トランジスタがボトムゲート構造である場合、保護層は、パッシベーション層と兼用するものであっても良い。この場合、保護層は、遮光性を有するものであることが好ましい。
上記共通電極配線は、共通電極に接続されるものである。このような共通電極配線としては、共通電極と安定的に接続されるものであれば特に限定されるものではなく、既に説明した図1に示すように、ゲート配線と直交し、ソース配線と平行となるように形成されるものとすることができる。
また、上記共通電極配線を構成する材料および厚さについては、通常、上記共通電極と同一であり、上記共通電極と同時に形成されるものである。
なお、このような共通電極配線の幅等については、所望の導電性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の圧力センサ装置の用途等に応じて適宜設定されるものである。
B.圧力センサ装置の製造方法
次に、本発明の圧力センサ装置の製造方法について説明する。
本発明の圧力センサ装置の製造方法は、基板と、上記基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有する薄膜トランジスタと、上記基板の上記薄膜トランジスタが形成された側の表面上に形成された共通電極と、上記共通電極上に上記ドレイン電極および上記共通電極を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、を有する圧力センサ装置の製造方法であって、上記共通電極を上記ゲート電極と同時または上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に形成する共通電極同時形成工程を有することを特徴とする圧力センサ装置の製造方法を特徴とするものである。
このような本発明の圧力センサ装置の製造方法を図を参照して説明する。図7は本発明の圧力センサ装置の製造方法の一例を示す工程図である。図7(a)に例示するように、本発明の圧力センサ装置の製造方法は、上記基板1、ゲート電極11およびゲート絶縁層14がこの順で積層した積層体を準備し、積層体におけるゲート絶縁層14上に導電材料膜33を形成し、導電材料膜33上に感光性樹脂層31をパターン状に形成する。そして、感光性樹脂層31の開口部に対して、エッチング液32を塗布して導電材料膜33をエッチングし、上記共通電極21を、上記ソース電極12および上記ドレイン電極13と同時に形成する(図7(b))。
次いで、図7(c)に示すように、半導体層15、感圧層22およびパッシベーション層16(保護層23)をこの順で形成することにより、圧力センサ装置30を得るものである。
なお、図7(a)および(b)が共通電極同時形成工程である。
また、図7中の符号については、図1および図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
図8は本発明の圧力センサ装置の製造方法の他の例を示す工程図である。図8(a)に例示するように、本発明の圧力センサ装置の製造方法は、上記基板1上に導電材料膜33を形成し、導電材料膜33上に感光性樹脂層31をパターン状に形成する。そして、感光性樹脂層31の開口部に対して、エッチング液32を塗布して、導電材料膜33をエッチングし、上記共通電極21を、上記ゲート電極11と同時に形成する(図8(b))。
次いで、図8(c)に示すように、パターン状のゲート絶縁層14、ソース電極12およびドレイン電極13を形成した後、半導体層15、感圧層22および保護層23をこの順で形成することにより、圧力センサ装置30を得るものである(図8(d))。
なお、図8(a)および(b)が共通電極同時形成工程である。
また、図8中の符号については、図1および図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上記共通電極を上記ゲート電極と同時または上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に形成する共通電極同時形成工程を有することにより、基板、薄膜トランジスタ、共通電極および感圧層の順に積層された構造を有する圧力センサ装置を容易に形成することができる。
また、共通電極を薄膜トランジスタに含まれるドレイン電極等の電極と同時形成することにより、共通電極を形成する工程ならびに感圧層および共通電極間を接着剤を介して接着する工程、半導体層を覆うパッシベーション層および薄膜トランジスタが形成される基板等に感圧層およびドレイン電極間の接続のための貫通孔を形成する工程等が不要となり、圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができる。
本発明の圧力センサ装置の製造方法は、共通電極同時形成工程を有するものである。
以下、本発明の圧力センサ装置の製造方法における各工程について詳細に説明する。
1.共通電極同時形成工程
本発明における共通電極同時形成工程は、上記共通電極を上記ゲート電極と同時または上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に形成する工程である。
なお、同時に形成するとは、同一材料を用い、かつ、同一タイミングで形成されることをいうものである。
本工程において共通電極と同時に形成される電極は、ゲート電極、またはソース電極およびドレイン電極であるが、なかでも本発明においては、ソース電極およびドレイン電極であることが好ましい。圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができるからである。
本工程における共通電極を他の電極と同時に形成する方法としては、薄膜トランジスタの形成に一般的に用いられる方法を使用することができ、例えば、上記「A.圧力センサ装置」の「1.薄膜トランジスタ」の項に記載の電極の形成方法と同様の方法を用いることができる。
上記方法は、具体的には、金属マスクを用いて、蒸着法、スパッタ法または印刷法等を用いて上記共通電極を、上記ゲート電極とまたは上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時に直接パターン状に形成する方法、および、既に説明した図6および図7に示すように、蒸着法、スパッタ法等を用いて導電材料膜を形成し、導電材料膜上に感光性樹脂層をフォトリソグラフィー法を用いてパターニングした後、エッチングすることにより上記共通電極を、上記ゲート電極とまたは上記ソース電極および上記ドレイン電極と同時にパターン状に形成する方法等を挙げることができる。
本工程により形成される共通電極、ゲート電極、またはソース電極およびドレイン電極としては、上記「A.圧力センサ装置」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明を省略する。
2.圧力センサ装置の製造方法
本発明の圧力センサ装置の製造方法は、上記共通電極同時形成工程を少なくとも有するものであるが、通常、共通電極同時形成工程により形成される電極以外のゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を形成して薄膜トランジスタを形成する薄膜トランジスタ形成工程、感圧層を上記共通電極上に上記ドレイン電極および上記共通電極を接続するように形成する感圧層形成工程等を有するものである。
なお、このような各工程における薄膜トランジスタを形成する方法、および感圧層を形成する方法等については、圧力センサ装置の製造に一般的に用いられる方法を使用することができる。上記方法は、具体的には、上記「A.圧力センサ装置」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本発明の製造方法により製造される圧力センサ装置については、上記「A.圧力センサ装置」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明を省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げてより詳細に説明する。
[実施例1]
ガラス基材上の全面にAlを厚み200nmでスパッタ蒸着した。続いて、Alスパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位のAlスパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ゲート電極を形成した。
次に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてゲート絶縁層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ゲート絶縁層のパターニングを行った。この際、ゲート絶縁層にコンタクトホールが形成されるようにパターニングした。次いで、150℃のオーブンにて加熱硬化させ、膜厚1μmのゲート絶縁層を形成した。
次に、ゲート絶縁層まで形成された基材上に、銀を厚み40nmでスパッタ蒸着した。次に、銀スパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。次いで、エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位の銀スパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ソース電極、ドレイン電極および共通配線を形成した。
次に、チオフェン系ポリマーをキシレンに固形分濃度1wt%にて溶解させた有機半導体のキシレン溶液を準備し、ソース電極、ドレイン電極およびソース配線を形成した基材表面にスピンコートにて塗布し、膜厚50nmの有機半導体層を基材全面に形成した。次いで、ポジ型レジストを有機半導体層上にスピンコートしてレジスト層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、レジスト層をパターニングした。
次に、大気下で、波長172nm、照度3mW/cmの真空紫外線を60秒間照射し、レジスト層で覆われている部位以外の有機半導体層をエッチング除去し、有機半導体層のパターニングを行った。その後、レジスト層を除去した。
次に、ドレイン電極と共通配線の間に感圧ゴムをスクリーン印刷法にてパターン状に形成した。
次に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてパッシベーション層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、パッシベーション層のパターニングを行った。次いで、150℃のオーブンにて加熱硬化させ、膜厚20μmのパッシベーション層を形成した。
このようにして、圧力センサ装置を形成した。
得られた圧力センサ装置を用いて圧力の検出を行ったところ、圧力を良好に検出できることが確認できた。
1 … 基板
11 … ゲート電極
12 … ソース電極
13 … ドレイン電極
14 … ゲート絶縁層
15 … 半導体層
16 … パッシベーション層
17 … オーバーコート層
10 … 薄膜トランジスタ
21 … 共通電極
22 … 感圧層
23 … 保護層

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁層、前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに前記ソース電極および前記ドレイン電極間に形成された半導体層を有する薄膜トランジスタと、
    前記基板の前記薄膜トランジスタが形成された側の表面上に形成された共通電極と、
    前記共通電極上に前記ドレイン電極および前記共通電極を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、
    を有することを特徴とする圧力センサ装置。
  2. 前記薄膜トランジスタが、前記基板上に形成された前記ゲート電極、前記ゲート電極上に形成された前記ゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ソース電極および前記ドレイン電極を有するボトムゲート型であり、
    前記共通電極が前記ゲート絶縁層上に形成された前記ソース電極および前記ドレイン電極と同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ装置。
  3. 基板と、
    前記基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁層、前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに前記ソース電極および前記ドレイン電極間に形成された半導体層を有する薄膜トランジスタと、
    前記基板の前記薄膜トランジスタが形成された側の表面上に形成された共通電極と、
    前記共通電極上に前記ドレイン電極および前記共通電極を接続するように形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、
    を有する圧力センサ装置の製造方法であって、
    前記共通電極を前記ゲート電極と同時または前記ソース電極および前記ドレイン電極と同時に形成する共通電極同時形成工程を有することを特徴とする圧力センサ装置の製造方法。
  4. 前記薄膜トランジスタが、前記基板上に形成された前記ゲート電極、前記ゲート電極上に形成された前記ゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ソース電極および前記ドレイン電極を有するボトムゲート型であり、
    前記共通電極同時形成工程が、前記共通電極を前記ゲート絶縁層上に前記ソース電極および前記ドレイン電極と同時に形成するものであることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ装置の製造方法。
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