JP6314687B2 - 圧力センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、形成が容易であり、平面性に優れ、信頼性の高い圧力センサ装置に関するものである。
圧力センサ装置として、導電性粒子をシリコーンゴム等の絶縁樹脂内に分散させた感圧樹脂を使用したものが知られている。
感圧樹脂は、圧力を加えると絶縁樹脂内において導電性粒子同士が接触し、導電経路が形成されて抵抗値が低下する。このため、感圧樹脂を介して電極を接続した場合には、感圧樹脂に加えられた圧力に応じて電流量を変動させることができる。そして、この電流量の変動を検知することにより、感圧樹脂に加えられた圧力を検知できる。
また、電極としてマトリクス状に形成された薄膜トランジスタ(以下、単にTFTと称する場合がある。)を用いることにより、面内の圧力分布を検出することが試みられている。例えば、特許文献1〜5では、TFTと、感圧樹脂と、共通電極と、がこの順で積層された圧力センサ装置が開示され、共通電極側から印加された圧力を検出することができる。
特開昭60−211986号公報 特開2005−150146号公報 特開2012−053050号公報 特開2013−068562号公報 特開2013−068563号公報
ところで、圧力センサ装置に印加された圧力の検出のため、TFTに含まれるゲート電極等と接続された外部接続端子を設置側基板上に設け、この外部接続端子を介してドライバ集積回路、およびフレキシブルプリント配線基板を用いた接続回路等の回路部が接続される。
しかしながら、圧力センサ装置として、設置側基板の外部接続端子が形成された表面上に配置された加圧側基板に印加された圧力を検出する場合、印加された圧力により加圧側基板、感圧樹脂および共通電極等の構成部材が変形し、変形した構成部材が設置側基板上に配置された回路部に接触し、回路部が破損する不具合が生じる。
また、回路部の圧力印加側に配置される加圧側基板等の構成部材の変形防止のため、圧力センサ装置の加圧側基板表面上の回路部と平面視上重なる領域に、圧力の印加により変形しない額縁部等を設けた場合、額縁部の形成により圧力印加側表面の平面性が低下するという問題がある。
さらに、変形した構成部材が回路部に接触することの防止のため、設置側基板の感圧樹脂、共通電極および加圧側基板が配置される側とは反対側表面上に、TFT、外部接続端子および回路部を配置する場合、ドレイン電極と感圧樹脂とを接続するための貫通孔を設置側基板に設ける必要がある。このため、製造工程が煩雑になるといった問題がある。
本発明は、形成が容易であり、平面性に優れ、信頼性の高い圧力センサ装置を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、設置側基板と、上記設置側基板上に形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、ゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有し、上記感圧層上に形成された薄膜トランジスタと、上記薄膜トランジスタ上に形成された加圧側基板と、上記加圧側基板および上記設置側基板間に形成され、上記感圧層を介して上記ドレイン電極と接続された共通電極と、上記加圧側基板の上記設置側基板側表面上に形成され、上記ゲート電極、上記ソース電極および上記共通電極の少なくとも一つと接続された外部接続端子と、上記外部接続端子上に形成され、上記外部接続端子と接続された上記ゲート電極、上記ソース電極および上記共通電極を制御する回路部と、を有することを特徴とする圧力センサ装置を提供する。
本発明によれば、設置側基板、回路部および加圧側基板がこの順で積層され、回路部が加圧側基板の設置側基板側に配置される構造を有することにより、加圧側基板等の構成部材が変形した場合でも、変形した構成部材が回路部に接触することを防止することができる。このため、回路部の破損がなく、上記圧力センサ装置を、信頼性の高いものとすることができる。
また、圧力印加側表面上に額縁部等の設置が不要となるため、上記圧力センサ装置を、圧力印加側表面の平面性に優れたものとすることができる。
さらに、上記構造を有するため、設置側基板にドレイン電極および感圧層を接続するための貫通孔の形成を不要とすることができる。このため、上記圧力センサ装置を、形成容易なものとすることができる。
本発明においては、上記加圧側基板から上記設置側基板までの厚みが、上記加圧側基板から上記回路部の上記設置側基板側表面までの厚みよりも厚いことが好ましい。
上記回路部の上記設置側基板側表面上に空隙領域を設けることができ、上記加圧側基板側から圧力が印加されることによって加圧側基板等の構成部材が変形した場合であっても、上記加圧側基板等の構成部材の変形に追随して移動した回路部が上記回路部の設置側基板上に配置された他の構成部材と接触することを防ぐことができる。このため、上記圧力センサ装置を、上記回路部の破損のより少ないものとすることができるからである。
本発明においては、形成が容易であり、平面性に優れ、信頼性の高い圧力センサ装置を提供できるといった作用効果を奏する。
本発明の圧力センサ装置の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1のC−C線断面図である。 従来の圧力センサ装置を説明する説明図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略平面図である。 本発明における回路部を説明する説明図である。 本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図である。
本発明は、圧力センサ装置に関するものである。
以下、本発明の圧力センサ装置について説明する。
本発明の圧力センサ装置は、設置側基板と、上記設置側基板上に形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、ゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有し、上記感圧層上に形成された薄膜トランジスタと、上記薄膜トランジスタ上に形成された加圧側基板と、上記加圧側基板および上記設置側基板間に形成され、上記感圧層を介して上記ドレイン電極と接続された共通電極と、上記加圧側基板の上記設置側基板側表面上に形成され、上記ゲート電極、上記ソース電極および上記共通電極の少なくとも一つと接続された外部接続端子と、上記外部接続端子上に形成され、上記外部接続端子と接続された上記ゲート電極、上記ソース電極および上記共通電極を制御する回路部と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の圧力センサ装置について図を参照して説明する。図1は本発明の圧力センサ装置の一例を示す概略平面図である。図2は図1のA−A線断面図であり、図3は図1のB−B線断面図であり、図4は図1のC−C線断面図である。
図1〜図4に例示するように、本発明の圧力センサ装置20は、設置側基板1と、上記設置側基板1上に形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層2と、ゲート電極11、ゲート絶縁層14、上記ゲート電極11と上記ゲート絶縁層14を介して形成されたソース電極12およびドレイン電極13、ならびに上記ソース電極12および上記ドレイン電極13間に形成された半導体層15を有し、上記感圧層2上に形成されたTFT10と、上記TFT10上に形成された加圧側基板3と、上記加圧側基板3および上記設置側基板1間に形成され、上記感圧層2を介して上記ドレイン電極13と接続された共通電極4と、上記加圧側基板3の上記設置側基板1側表面上に形成され、上記ゲート電極11、上記ソース電極12および上記共通電極4の少なくとも一つと接続された外部接続端子5と、上記外部接続端子5上に形成された回路部6(ドライバ集積回路6a、接続回路との貼合部6b)と、を有するものである。
なお、この例においては、加圧側基板3上に保護層21が形成され、保護層21および設置側基板1の外周端に沿って固定部22が形成されるものである。
TFT10は、加圧側基板を基準としてゲート電極11、ゲート絶縁層14、ソース電極12およびドレイン電極13、ソース電極12およびドレイン電極13間に形成された半導体層15、および半導体層15を覆うように形成されたパッシベーション層16を有するボトムゲート型である。
ドレイン電極13および感圧層2は、感圧層2上およびパッシベーション層16に設けられた貫通孔内に形成され、ドレイン電極13と接続される接続パッド23を介して接続されるものである。また、共通電極4は、感圧層2の設置側基板3側表面上に形成されるものである。
回路部6は、外部接続端子に接続するドライバ集積回路(以下、単にドライバICと称する場合がある。)6a、および隣接する外部接続端子5間を接続するフレキシブルプリント配線基板(以下、単にFPCと称する場合がある。)である接続回路7の外部接続端子5との貼合部6bを有するものである。
また、図1は、本発明の圧力センサ装置を設置側基板側から観察した概略平面図であり、説明の容易のため、保護層、ゲート絶縁層、パッシベーション層、接続パッド、感圧層、共通電極、設置側基板および固定部の記載を省略するものである。
図5に例示するように、従来の圧力センサ装置100は、設置側基板1、回路部6および加圧側基板3がこの順で積層され、回路部が設置側基板の加圧側基板側に配置される構造を有するため、圧力Pの印加により加圧側基板3、感圧層2および共通電極4等の構成部材が変形し、加圧側基板3等の構成部材が回路部6に接触することで回路部6に破損が生じることがある。
これに対して、本発明によれば、設置側基板、回路部および加圧側基板がこの順で積層され、回路部が加圧側基板の設置側基板側に配置される構造を有することにより、印加された圧力により加圧側基板等の構成部材が変形した場合でも、加圧側基板等の構成部材の変形に追随して回路部も移動することができる。その結果、変形した構成部材が回路部に接触することを防止でき、さらにはこれらの構成部材の接触時に生じる衝撃が回路部に加わることのないものとすることができる。
このため、圧力センサ装置の使用時に回路部の破損がなく、圧力センサ装置を、信頼性の高いものとすることができる。
また、回路部の加圧側基板上に、圧力の印加により変形しない額縁部等の設置が不要となるため、上記圧力センサ装置を、圧力の印加面を平面性に優れたものとすることができる。
さらに、上記構造を有し、設置側基板上にTFTおよび感圧層を有するため、設置側基板の両面にそれぞれTFTおよび感圧層を配置した場合に必要となるドレイン電極および感圧層を接続するための貫通孔の形成を不要とすることができる。このため、上記圧力センサ装置を形成容易なものとすることができる。
なお、図5中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明の圧力センサ装置は、設置側基板、感圧層、TFT、加圧側基板、外部接続端子、回路部および共通電極を有するものである。
以下、本発明の圧力センサ装置の各構成について詳細に説明する。
1.薄膜トランジスタ
本発明における薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁層、上記ゲート電極と上記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成された半導体層を有し、上記感圧層上に形成されるものである。
上記TFTは、通常、面内の圧力分布を検出するため、上記加圧側基板上に複数、マトリクス状に形成されるものである。
ここで、マトリクス状とは、行列状に二次元配列されている状態をいうものである。
上記TFTの構造としては、上記加圧側基板上に形成されたゲート電極、上記ゲート電極上に形成された上記ゲート絶縁層、上記ゲート絶縁層上に形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極を有するボトムゲート型であっても良く、上記加圧側基板上に形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成された上記ゲート絶縁層、および上記ゲート絶縁層上に形成された上記ゲート電極を有するトップゲート型であっても良い。
本発明においては、なかでも、上記構造がボトムゲート型であることが好ましい。共通電極およびドレイン電極間を感圧層を介して接続することが容易だからである。
なお、既に説明した図1〜図4は、上記構造が、ボトムゲート型である場合の一例を示すものである。
図6および図7は、上記構造が、ボトムゲート型である場合の一例を示すものであり、それぞれ共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成される場合と、ゲート電極と同一平面上に形成される場合と、を示すものである。
また、図8および図9は、上記構造が、トップゲート型である場合の一例を示すものであり、それぞれ共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成される場合と、ゲート電極と同一平面上に形成される場合と、を示すものである。
なお、図6は、図10に示す本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略平面図のD−D線断面図を示すものである。また、図10は設置側基板側から観察した概略平面図であり、説明の容易のため、加圧側基板、ゲート絶縁層、パッシベーション層および設置側基板の記載を省略するものである。
また、図6〜図10中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極
本発明におけるソース電極およびドレイン電極は、ゲート電極とゲート絶縁層を介して形成されるものである。
このようなゲート電極、ソース電極およびドレイン電極(以下、これらの電極を単に電極と称する場合がある。)を構成する材料としては、所望の導電性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にTFTに用いられる導電性材料を用いることができる。このような導電性材料の例としては、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Ag合金、Cu、Cu合金、Al合金、Pt、Mo−Ta合金、W−Mo合金、ITO、IZO等の無機材料、および、PEDOT/PSS等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。
なお、上記電極は、それぞれ異なる材料からなるものであっても良く、全てが同一材料からなるものであっても良いが、通常、ソース電極およびドレイン電極は同一材料を用いて形成されるものである。
本発明における電極の厚みとしては、所望の電極特性を備える電極とすることができれば特に限定されないが、それぞれ、50nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記電極を所望の電極特性を有するものとすることができるからである。
上記電極の幅としては、所望の電極特性を備える電極とすることができれば特に限定されなく、本発明の圧力センサ装置の用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記電極の形成方法としては、所望の電極特性、パターン形状、および厚みを有するように電極を形成することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的な電極の形成方法と同様とすることができる。
上記形成方法は、具体的には、金属マスクを用いて、蒸着法、スパッタ法等を用いて直接パターン状に形成する方法、蒸着法、スパッタ法等を用いて導電材料膜を形成し、導電材料膜上に感光性樹脂層をフォトリソグラフィー法を用いてパターニングした後、エッチングすることによりパターン状に形成する方法、および印刷法を用いる方法等を挙げることができる。
(2)半導体層
本発明における半導体層は、上記ソース電極および上記ドレイン電極間に形成されるものである。また、ゲート電極とゲート絶縁層を介して形成されるものである。
このような半導体層を構成する材料としては、所望のスイッチング特性を示すものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、酸化物半導体、有機半導体を用いることができる。
本発明においては、なかでも、上記材料が、有機半導体であること、すなわち、上記半導体層が有機半導体層であることが好ましい。上記半導体層を印加された圧力による破損の少ないものとすることができ、上記圧力センサ装置を信頼性の高いものとすることができるからである。
有機半導体としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。上記有機半導体は、より具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンを用いることができる。
酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgZn1−xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdZn1−xO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウム(In)、酸化ガリウム(Ga)、酸化スズ(SnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化タングステン(WO)、InGaZnO系、InGaSnO系、InGaZnMgO系、InAlZnO系、InFeZnO系、InGaO系、ZnGaO系、InZnO系を用いることができる。
上記半導体層の厚みとしては、所望のスイッチング特性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、半導体層を構成する材料の種類等に応じて異なるものであるが、例えば、上記半導体層が有機半導体層である場合には、1nm〜1000nmの範囲内とすることができる。
なお、半導体層の厚みとは、半導体層の設置側基板側表面から加圧側基板側表面までの距離のうち最大の距離をいうものである。
上記半導体層の形成方法としては、一般的な半導体層の形成方法と同様とすることができ、半導体層を構成する材料の種類等に応じて異なるものであるが、例えば、上記半導体層が有機半導体層である場合には、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびフレキソ印刷法等の種々の印刷法を挙げることができる。
(3)ゲート絶縁層
本発明におけるゲート絶縁層は、上記ゲート電極と、上記ソース電極および上記ドレイン電極との間に形成されるものである。
このようなゲート絶縁層を構成する材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的な半導体層の形成方法と同様とすることができる。
上記材料は、具体的には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の絶縁性無機材料、および、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の絶縁性有機材料を用いることができる。
本発明においては、なかでも絶縁性有機材料を好ましく用いることができる。印加された圧力による破損の少ないものとすることができ、圧力センサ装置を、信頼性の高いものとすることができるからである。
上記ゲート絶縁層の厚みとしては、上記ゲート電極と、上記ソース電極等との間を安定的に絶縁することができるものであれば良く、一般的なTFTと同様とすることができる。
上記ゲート絶縁層の形成方法としては、所望の厚みおよびパターンのゲート絶縁層を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記ゲート絶縁層を構成する材料が絶縁性有機材料である場合には、上述した材料を含むゲート絶縁層形成用塗工液を、スピンコート、ロールコートおよびキャストコート等の方法で塗布して成膜し、上記材料が光硬化型樹脂の場合は紫外線照射後に必要に応じて光硬化させ、熱硬化型樹脂の場合は成膜後そのまま熱硬化させる方法を挙げることができる。
(4)薄膜トランジスタ
本発明におけるTFTは、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極、ドレイン電極および半導体層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成としては、本発明におけるTFTがボトムゲート構造である場合、半導体層を覆うように形成され、空気中に存在する水分および酸素等の作用による上記半導体層の劣化を防止するパッシベーション層、加圧側基板上に形成され、電極が形成される加圧側基板表面を平坦面とするオーバーコート層、ゲート電極およびドレイン電極に接続されるゲート配線およびデータ配線、および、TFTがトップゲート構造である場合、ゲート電極を覆うように形成され、ゲート電極の保護およびTFTのゲート電極側表面を平坦面とする平坦化層等を挙げることができる。
(a)パッシベーション層
上記パッシベーション層を構成する材料としては、空気中の水分および酸素等を透過しにくく、上記半導体層の劣化を所望の程度に防止できるものであれば特に限定されるものではない。
このような材料としては、例えば、上記「(3)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料を用いることができる。
上記パッシベーション層は遮光性を有していることが好ましい。半導体層への光の入射による誤作動を抑制でき、TFTのスイッチ特性に優れたものとすることができるからである。
上記パッシベーション層の厚みは、パッシベーション層を構成する材料等に依存して決定されるものであるが、通常、0.1μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記パッシベーション層の形成方法としては、所望の厚みのパッシベーション層を形成できる方法であれば良く、例えば、上記「(3)ゲート絶縁層」の項に記載の形成方法を用いることができる。
(b)オーバーコート層
上記オーバーコート層は基板上に平坦面を形成するものである。
このようなオーバーコート層を構成する材料としては、所望の平坦面を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記「(3)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料を用いることができる。
上記オーバーコート層の厚みは、基板表面の段差を平坦化することが可能な厚みであればよく、0.5μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記オーバーコート層の形成方法としては、所望の平坦面を有するオーバーコート層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、上記「(a)パッシベーション層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(c)ゲート配線およびデータ配線
ゲート配線およびデータ配線は、それぞれゲート電極およびソース電極に接続されるものである。
このようなゲート配線およびデータ配線としては、既に説明した図1に示すように、ゲート配線11Xおよびデータ配線12Xが直交するように形成されるものとすることができる。
共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成される場合には、既に説明した図10に示すように、ゲート配線11Xは、データ配線12Xおよび共通電極配線21Xと直交するように形成されるものとすることができる。
また、既に説明した図7および図9に示すように、共通電極およびゲート電極が同一平面上に形成される場合には、データ配線は、ゲート配線および共通電極配線と直交するように形成されるものとすることができる。
また、ゲート配線およびデータ配線を構成する材料および厚さについては、通常、それぞれゲート電極およびソース電極と同一であり、ゲート電極およびソース電極と同時に形成されるものである。
なお、このようなゲート配線およびデータ配線の幅等については一般的なTFTと同様とすることができる。
(d)平坦化層
上記平坦化層は、TFTがトップゲート構造である場合、ゲート電極を覆うように形成され、ゲート電極の保護およびTFTのゲート電極側表面を平坦面とするものである。
上記平坦化層を構成する材料、厚み、および形成方法等については、所望の平坦性を有する平坦化層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、上記「(a)パッシベーション層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.外部接続端子
本発明における外部接続端子は、上記加圧側基板の上記設置側基板側表面上に形成され、上記ゲート電極、上記ソース電極および上記共通電極の少なくとも一つと接続されるものである。
上記外部接続端子の厚み方向の形成箇所としては、上記加圧側基板の上記設置側基板側表面上に形成され、回路部と接続可能なものであれば特に限定されるものではなく、上記加圧側基板上に直接形成されるものであっても良く、上記加圧側基板上に形成された他の部材を介して形成されるものであっても良い。
本発明においては、なかでも、上記形成箇所が外部接続端子の接続される電極、すなわち、ゲート電極、ソース電極または共通電極と同一平面上であることが好ましい。外部接続端子を、接続される電極と同時に形成することができ、圧力センサ装置を形成容易なものとすることができるからである。
例えば、外部接続端子がボトムゲート型またはトップゲート型のTFTに含まれるゲート電極と接続される場合、外部接続端子は、加圧側基板上またはゲート絶縁層上において、ゲート電極と同一平面上に形成されるものであることが好ましい。
外部接続端子がボトムゲート型またはトップゲート型のTFTに含まれるソース電極と接続されるものである場合、外部接続端子は、ゲート絶縁層上または加圧側基板上において、ソース電極と同一平面上に形成されるものであることが好ましい。
外部接続端子が、ボトムゲート型またはトップゲート型のTFTに含まれるゲート電極と同一平面上に形成された共通電極と接続される場合、外部接続端子は、加圧側基板上またはゲート絶縁層上において、ゲート電極および共通電極と同一平面上に形成されるものであることが好ましい。
また、外部接続端子が、ボトムゲート型またはトップゲート型のTFTに含まれるソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成された共通電極と接続される場合、外部接続端子は、上記ゲート絶縁層上または上記加圧側基板上において、上記ソース電極、ドレイン電極および共通電極と同一平面上に形成されるものであることが好ましい。
上記外部接続端子の平面視上の形成箇所としては、回路部と接続可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的な圧力センサ装置と同様とすることができる。
上記形成箇所は、具体的にはTFTの周囲に形成されるものとすることができる。
上記外部接続端子の平面視形状としては、回路部と安定的に接続できるものであれば特に限定されるものではなく、四角形等の矩形状であっても、円形状であっても良い。
上記外部接続端子の構成材料および厚みとしては、所望の導電性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極」の項に記載の構成材料および厚みと同様の内容とすることができる。
本発明においては、なかでも、上記構成材料および厚みは、上記外部接続端子と接続される電極と同一平面上に形成される場合には、外部接続端子と接続される電極と同一材料および厚みであることが好ましい。外部接続端子の形成の容易なものとすることができるからである。
例えば、上記外部接続端子がゲート電極と同一平面上に形成され、ゲート電極と接続される場合、上記構成材料および厚みは、ゲート電極と同一材料および厚みであることが好ましい。
上記外部接続端子がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成され、ソース電極と接続される場合には、上記構成材料および厚みは、ソース電極およびドレイン電極と同一材料および厚みであることが好ましい。
上記外部接続端子が共通電極と同一平面上に形成され、共通電極と接続される場合には、上記構成材料および厚みは、共通電極と同一材料および厚みであることが好ましい。
上記外部接続端子の形成方法としては、所望の形状とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な電極の形成方法と同様とすることができる。上記形成方法は、より具体的には、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極」の項に記載の電極の形成方法と同様の方法とすることができる。
3.回路部
本発明における回路部は、上記外部接続端子上に形成され、上記外部接続端子と接続された上記ゲート電極、上記ソース電極および上記共通電極を制御するものであり、上記加圧側基板の設置側基板側表面上に配置されるものである。
ここで、上記外部接続端子と接続された上記ゲート電極、上記ソース電極および上記共通電極を制御するとは、印加された圧力およびその面内分布を検知するための電気信号のやり取りを行うことをいうものである。
また、上記外部接続端子上に形成されるとは、上記外部接続端子を介して上記外部接続端子と接続された電極を制御できる状態であることをいうものであり、上記外部接続端子と電気的に接続されていることをいうものである。
上記回路部としては、例えば、上記TFTの駆動を制御する駆動回路が組み込まれたドライバIC、接続回路の外部接続端子との貼合部等を挙げることができる。
ドライバICは衝撃に弱く、容易に破損するものである。また、FPC等の接続回路自体は比較的衝撃に強いものの、接続回路の外部接続端子との貼合部は衝撃により外部接続回路からの剥離等の破損が生じる。このため、上記回路部が上述の部材であることにより、圧力センサ装置の使用時に回路部の破損がなく、圧力センサ装置を信頼性の高いものとすることができるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
上記ドライバICとしては、圧力センサ装置に一般的に用いられるものと同様のものを使用することができる。
このようなドライバICとしては上記外部接続端子上に直接配置されるものであっても良いが、ドライバICが無機シリコン等を用いて形成されるものである場合にはFPC等の接続回路上に形成されたものを用いることができる。接続回路上に形成される場合、ドライバICは、外部接続端子とは接続回路を介して接続されることになる。
接続回路としては、圧力センサ装置およびディスプレイ装置等に一般的に用いられるものと同様のものを使用することができ、例えば、外部接続端子間の接続、外部接続端子とドライバIC等の回路部間との接続、および外部接続端子と圧力センサ装置の外部に設けられた回路との接続に用いられるものを挙げることができる。このような接続回路としては、例えば、ポリイミド等を用いて形成されたフレキシブル性を有する絶縁性基板と、上記絶縁性基板上に銅等の導電性材料を用いて形成された配線と、を有するFPCを用いることができる。
また、接続回路の外部接続端子との貼合部とは、接続回路のうち外部接続端子と平面視上重なる箇所をいうものである。
上記回路部は、上記外部接続端子上に形成されるものである。
このような回路部の平面視上の配置箇所としては、印加された圧力により加圧側基板等の構成部材が変形した場合でも変形した構成部材が回路部に接触することを防止できる箇所であれば特に限定されるものではない。例えば、上記配置箇所は、回路部の設置側基板側表面上に空隙領域を形成できる箇所であることが好ましく、なかでも回路部の設置側基板側表面と設置側基板との間に配置される全ての構成の開口部内、すなわち、回路部の設置側基板側表面と設置側基板との間に配置される全ての構成と平面視上重ならない箇所、であることが好ましく、特に、設置側基板の開口部内、すなわち、設置側基板と平面視上重ならない箇所であり、回路部が本発明の圧力センサ装置の設置側基板側から露出する箇所であることが好ましい。上記配置箇所であることにより、上記空隙領域の厚みを大きくすることができ、上記回路部の上記設置側基板側表面上に空隙領域を設けることができ、上記加圧側基板側から圧力が印加されることによって加圧側基板等の構成部材が変形した場合であっても、上記加圧側基板等の構成部材の変形に追随して移動した回路部が上記回路部の設置側基板上に配置された他の構成部材と接触することを防ぐことができる。このため、上記回路部の破損のより少ないものとすることができるからである。
ここで、空隙領域とは圧力センサ装置を構成する構成が存在しない領域をいうものである。また、回路部の設置側基板側表面上に空隙領域が形成されるとは、回路部の設置側基板側表面が圧力センサ装置を構成する他の構成と接触していないことをいうものである。
また、回路部の設置側基板側表面と設置側基板との間に配置される構成とは、加圧側基板から回路部の設置側基板側表面までの厚みより、加圧側基板の設置側基板側表面からその構成の設置側基板側表面までの厚みが厚い構成をいうものである。
なお、上記加圧側基板の設置側基板側表面からの回路部または各構成の設置側表面までの厚みとは、上記加圧側基板の設置側基板側表面から上記回路部または各構成の設置側基板側表面までの距離のうち最大のものをいうものである。
例えば、上記加圧側基板から上記回路部の上記設置側基板側表面までの厚みは、既に説明した図2中のh2で示されるものである。また、図11(a)および(b)に例示するように、回路部がFPC上に形成されたドライバICである場合、回路部としてのFPCの外部接続端子との貼合部の厚みはh2−1で示されるものであり、回路部としてのドライバICの厚みはh2−2で示されるものである。また、図11中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記回路部の設置側基板側表面と設置側基板との間に他の構成が配置される場合には、上記回路部は、上記他の構成の開口部内に形成され、上記空隙領域の厚みを大きくすることが好ましく、上述のように回路部の設置側基板側表面と設置側基板との間に配置される全ての構成の開口部内に形成されることが好ましい。
例えば、既に説明した図2中の回路部である接続配線の貼合部では、その設置側基板側表面より設置側基板側に配置される構成のうち、回路部の設置側基板側表面と設置側基板との間に配置される構成としては、TFT、接続パッド、感圧層、および共通電極を挙げることができる。これらの構成との関係での上記回路部の平面視上の形成箇所としては、TFTの開口部内に配置されていることが好ましく、なかでも接続パッドの開口部内に配置されていることが好ましく、特に、感圧層の開口部内に配置されていることが好ましく、なかでも特に共通電極の開口部内に配置されていることが好ましい。上記形成箇所であることにより、回路部の上記設置側基板側表面上に形成される空隙領域の厚みを厚いものとすることができ、上記回路部の破損をより少ないものとすることができるからである。
ここで、上記他の構成の開口部内に配置されるとは、回路部の設置側基板側表面上において上記他の構成が回路部と平面視上重ならないこと、すなわち、回路部の設置側表面上を上記他の構成が覆わないように形成されることをいうものであるが、回路部の加圧側基板側表面上においても平面視上重ならないことが好ましい。
なお、既に説明した図2〜図4は、回路部の設置側表面上および加圧側基板側表面上のいずれにおいても、TFT、接続パッド、感圧層および共通電極と平面視上重ならない例を示すものである。
上記回路部の上記外部接続端子に対する配置態様としては、外部接続端子に対して変位可能に配置されるものであっても良いが、外部接続端子に対して固定されるように配置されるもの、すなわち、外部接続端子が設置側基板に対して変位する場合には外部接続端子の変位と同一の変位をするように配置されるものであることが好ましい。
上記配置態様であることにより、印加された圧力により加圧側基板が変形したり、加圧側基板の設置側基板に対する位置が変位した場合でも加圧側基板および加圧側基板上に形成された外部接続端子と共に回路部もその変形等に安定的に追随して移動することができ、上記圧力センサ装置を、より回路部の破損のないものとすることができるからである。
なお、図11(a)は、回路部が外部接続端子に対して変位可能に配置される例を示すものであり、回路部としてのドライバICが接続回路であるFPC上に形成され、回路部の接続回路上の形成箇所が、外部接続端子との貼合部のように外部接続端子に対して固定されている部分以外の箇所であるものである。図11(b)は、回路部が外部接続端子に対して固定されるように配置される例を示すものであり、外部接続端子、接続回路および回路部としてのドライバICがこの順で積層されるように配置されているもの、すなわち、外部接続端子、接続回路およびドライバICの三者の少なくとも一部が平面視上重なるように配置され、回路部であるドライバICが外部接続端子に対して固定されるように配置されるものである。
また、外部接続端子の変位と同一の変位をするとは、外部接続端子および回路部がそれぞれ設置側基板に対して同じ変位をすることをいうものであり、例えば、外部接続端子が設置側基板側方向にaμm変位した場合には、回路部も設置側基板方向にaμm変位することをいうものである。
上記回路部の平面視形状および平面視サイズとしては、上記回路部の用途等に応じて適宜設定されるものであり、圧力センサ装置に一般的に用いられるものと同様とすることができる。
4.加圧側基板
本発明における加圧側基板は、上記TFT上に形成されるものであり、上記TFTの圧力印加側の表面上に形成されるものである。
ここで、圧力印加側とは、本発明の圧力センサ装置において検出される圧力が印加される側をいうものである。
このような加圧側基板を構成する材料としては、TFTを安定的に形成可能な支持性を有するものであれば特に限定されるものではなく、TFTが形成される基板として圧力センサ装置に一般的に使用されるものを用いることができる。
上記材料は、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリエーテルイミド(PEI)等を挙げることができる。
上記加圧側基板の厚みとしては、TFTを安定的に形成可能な支持性を有するものであれば特に限定されるものではなく、TFTが形成される基板として圧力センサ装置に一般的に使用されるものを用いることができる。
上記厚みは、具体的には、50μm〜1000μmの範囲内とすることが好ましい。フレキシブル性を有するものとすることが容易だからである。
また、上記加圧側基板の設置側基板側表面および圧力印加側表面は、通常、加圧側基板側から印加された圧力を感圧層に精度良く伝達できる程度の平面性を有するものである。
上記加圧側基板から上記設置側基板までの厚みとしては、加圧側基板および設置側基板間に、TFT、感圧層、共通電極および回路部を少なくとも配置可能なものであれば特に限定されるものではない。
本発明においては、なかでも、上記厚みは、上記加圧側基板から上記回路部の上記設置側基板側表面までの厚みよりも厚いことが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記回路部の上記設置側基板側表面上に空隙領域を設けることができ、上記加圧側基板側から圧力が印加されることによって加圧側基板等の構成部材が変形した場合であっても、上記加圧側基板等の構成部材の変形に追随して移動した回路部が上記回路部の設置側基板上に配置された他の構成部材と接触することを防ぐことができる。このため、上記圧力センサ装置を、上記回路部の破損のより少ないものとすることができるからである。
なお、上記加圧側基板から上記設置側基板までの厚みとは、上記加圧側基板の設置側基板側表面から上記設置側基板の加圧側基板側表面までの距離をいうものであり、既に説明した図2中のh1で示されるものである。
また、上記加圧側基板から上記設置側基板までの厚みが、上記加圧側基板から上記回路部の上記設置側基板側表面までの厚みよりも厚い場合、上記加圧側基板から上記設置側基板までの厚みと、上記加圧側基板から上記回路部の上記設置側基板側表面までの厚みと、の差、すなわち、上記回路部の設置側基板側表面から上記設置側基板までの厚みとしては、加圧側基板への圧力が印加された際に回路部の破損を安定的に防止できるとの観点からは厚い程好ましいが、10μm以上であることが好ましく、なかでも100μm以上であることが好ましく、特に2000μm以上であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲であることにより、上記圧力センサ装置を、上記回路部の破損のより少ないものとすることができるからである。
なお、上記厚みの上限については、厚い程好ましいため特に限定されるものではなく、また、圧力センサ装置のサイズ等によっても異なるものであるが、例えば、10mm以下であることが好ましく、なかでも、5mm以下であることが好ましい。上記圧力センサ装置を、厚みの薄いものとすることができるからである。
なお、上記回路部の設置側基板側表面から上記設置側基板までの厚みは、図2中のh1−h2で示されるものである。
上記加圧側基板は、印加される圧力から各構成を保護する保護性、半導体層への光の到達を防止する遮光性、圧力センサ装置の存在を隠蔽したり、意匠性を付与する加飾性、帯電防止性を付与するための導電性等の機能を有するものであっても良い。
また、これらの機能を有する機能層、すなわち、保護性を有する保護層、遮光性を有する遮光層、加飾性を有する加飾層、導電性を有する帯電防止層等は、加圧側基板の圧力印加側表面上に形成されるものであっても良い。
なお、このような機能層については、圧力センサ装置に一般的に使用される機能層と同様とすることができる。
具体的には、上記機能層として保護層を形成する場合、上記保護層を構成する材料としては、所望の保護性を示すものであれば良く、例えば、上記加圧側基板を構成する材料と同様の材料を用いることができる。また、上記保護層の厚みとしては、所望の保護性を示すものであれば良く、例えば100μm〜1mmの範囲内とすることができる。
上記機能層の形成方法としては、所望の厚みの機能層を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、機能層を構成する材料を加圧側基板等の表面上に塗布したのち硬化させる方法および上記機能層を接着剤等を介して加圧側基板等の表面上に貼り合せる方法等を用いることができる。
5.設置側基板
本発明における設置側基板は、感圧層、TFT、加圧側基板、回路部および共通電極を支持するものである。
また、本発明の圧力センサ装置の圧力が印加される側とは反対側の表面、すなわち、背面側に配置されるものである。
このような設置側基板を構成する材料としては、感圧層等の各構成を安定的に支持可能なものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置の検出感度および応答速度等に応じて適宜設定することができる。
上記材料は、具体的には、上記「1.加圧側基板」の項に記載の材料と同様のものを用いることができる。
上記設置側基板の厚みとしては、所望の支持性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記「1.加圧側基板」の項に記載の厚みと同様とすることができる。
また、上記設置側基板の加圧側基板側および加圧側基板とは反対側の表面である設置側表面は、通常、加圧側基板側から印加された圧力を感圧層に精度良く伝達できる程度の平面性を有するものである。
上記設置側基板は、半導体層への光の到達を防止する遮光性、圧力センサ装置の存在を隠蔽したり、意匠性を付与する加飾性、帯電防止性を付与するための導電性等の機能を有するものであっても良い。
また、これらの機能を有する機能層、すなわち、遮光性を有する遮光層、加飾性を有する加飾層、導電性を有する帯電防止層等は、設置側基板の加圧側基板側表面または圧力印加側表面上に形成されるものであっても良い。
なお、このような機能層およびその形成方法については、圧力センサ装置に一般的に使用される機能層および方法を用いることができる。
上記機能層およびその形成方法は、具体的には、上記「2.加圧側基板」の項に記載の内容と同様とすることができる。
6.共通電極
本発明における共通電極は、上記加圧側基板および上記設置側基板間に形成され、上記感圧層を介して上記ドレイン電極と接続されるものである。
ここで、感圧層を介して上記ドレイン電極と接続されるとは、共通電極、感圧層およびドレイン電極がこの順で直列に接続されることをいうものである。
また、感圧層の介し方としては、感圧層を介して共通電極およびドレイン電極を接続することができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の圧力センサ装置の積層方向または面方向に感圧層を介するものとすることができる。
なお、既に説明した図2は、本発明の圧力センサ装置の積層方向に感圧層を介する例を示すものであり、ドレイン電極に接続された接続パッド、感圧層および共通電極の全てが平面視上重なるように形成されるものである。また、既に説明した図6〜図9は、本発明の圧力センサ装置の面方向に感圧層を介する例を示すものであり、ドレイン電極、感圧層および共通電極の全てが平面視上重ならないように形成されるものである。
このような共通電極の形成箇所としては、上記感圧層を介して上記ドレイン電極と接続されることができるものであれば特に限定されるものではないが、感圧層の設置側基板表面上、または、感圧層の加圧側基板表面上とすることができる。
本発明においては、なかでも、上記形成箇所が、感圧層の加圧側基板表面上であることが好ましく、特に、既に説明した図6および図8に示すように、ソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されたもの、または、既に説明した図7および図9に示すようにゲート電極と同一平面上に形成されたものであることが好ましい。上記形成箇所であることにより、共通電極をTFTに含まれるドレイン電極等の電極と同時形成することが可能となる。このため、ドレイン電極等の電極を形成する工程とは別に共通電極を形成する工程が不要となり、圧力センサ装置を形成容易なものとすることができるからである。また、共通電極をゲート電極と、またはソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成するため、半導体層を覆うパッシベーション層に感圧層およびドレイン電極間の接続のための貫通孔を形成する工程が不要となり、圧力センサ装置を形成容易なものとすることができるからである。
本発明においては、なかでも特に、共通電極は、ソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されたものであることが好ましい。共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成されていることにより、感圧層およびドレイン電極間の接続のためのゲート絶縁層のパターニングを行うことなく、感圧層をドレイン電極および共通電極を接続するように配置することができるからである。
上記共通電極の平面視形状としては、上記感圧層と安定的に接続できるものであれば特に限定されるものではなく、四角形等の矩形状であっても、円形状であっても良い。
上記共通電極の平面視上の形成箇所としては、上記ゲート電極ならびにソース電極およびドレイン電極と直接接触しない箇所であれば特に限定されるものではなく、本発明の圧力センサ装置の用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記共通電極の構成材料および厚みとしては、所望の導電性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極」の項に記載の構成材料および厚みと同様の内容とすることができる。
本発明においては、上記共通電極がゲート電極と同一平面上に形成される場合、上記構成材料および厚みは、ゲート電極と同一材料および厚みであることが好ましい。また、上記共通電極がソース電極およびドレイン電極と同一平面上に形成される場合には、上記構成材料および厚みは、ソース電極およびドレイン電極と同一材料および厚みであることが好ましい。上記共通電極を、ゲート電極と、またはソース電極およびドレイン電極と同時形成することが可能となり、圧力センサ装置を形成容易なものとすることができるからである。
上記共通電極の形成方法としては、所望の形状とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な電極の形成方法と同様とすることができる。上記形成方法は、より具体的には、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極」の項に記載の電極の形成方法と同様の方法とすることができる。
7.感圧層
本発明における感圧層は、上記設置側基板上に形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含むものである。
上記絶縁性樹脂としては、上記導電性粒子を分散することができ、本発明の圧力センサ装置に対して加えられた圧力に応じて変形する弾性を有し、絶縁樹脂内において導電性粒子同士が接触し、感圧層内の電気抵抗を低下させることができるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
このような絶縁性樹脂としては、具体的には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン−オレフィン共重合体およびスチレン−ブチレン−オレフィン共重合体、ならびに、オレフィン−エチレン共重合体、オレフィン−ブチレン共重合体およびオレフィン−オレフィン共重合体等が挙げられる。中でも、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。優れた絶縁性を有し、経時安定性に優れているからである。また、上記絶縁性樹脂は、2種以上の材料を混合させて用いても良い。
上記導電性粒子を構成する材料としては、所望の導電性を有するものであれば良く、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
上記材料は、具体的にはグラファイト、導電性カーボン、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉、金属酸化物である導電性酸化スズおよび導電性酸化チタン、ならびに有機樹脂の炭化物等の炭素系粒子等を挙げることができ、なかでも、グラファイトを好ましく用いることができる。
上記導電性粒子の平均粒子径および含有量としては、所望の感圧性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、導電性粒子の材料の種類及び求められる感度等に応じて適宜設定されるものである。
例えば、平均粒子径は、0.1μm〜500μmの範囲内とすることができる。また、感圧層中の含有量は、1質量%〜99質量%の範囲内とすることができ、なかでも、10質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、特に、20質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、平均粒子径は、顕微鏡観察による平均粒子径である。顕微鏡観察による平均粒子径は、例えば、100倍で顕微鏡観察を行い、画像処理ソフト等により任意の導電性粒子の粒径を100個測定して個数平均することにより得られる。なお、粒径とは導電性粒子の長軸径と短軸径の平均値を指す。
上記感圧層は、絶縁性樹脂および導電性粒子を含むものであるが、必要に応じて、シリカ系粉体充填材等の硬度調整剤を含むものであっても良い。
上記感圧層の厚みとしては、所望の感圧性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
上記厚みは、具体的には、1μm〜10mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、1μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、特に、5μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みであることにより、上記回路部の上記設置側基板側表面上に空隙領域を設けることが容易であり、上記回路部の破損のより少ないものとすることができるからである。
なお、感圧層の厚みとは、感圧層の設置側基板側表面から加圧側基板側表面までの距離のうち最大の距離をいうものである。
上記感圧層の平面視形状としては、ドレイン電極および共通電極を接続可能な形状であれば特に限定されるものではなく、四角形等の矩形状であっても、円形状であっても良い。
上記感圧層は、ドレイン電極および共通電極とのみ接し、ソース電極およびゲート電極とは接しないように形成されるものである。
このような感圧層の平面視上の形成箇所としては、一般的な圧力センサ装置と同様とすることができる。
例えば、共通電極が感圧層の加圧側基板表面上に形成される場合、上記感圧層の形成箇所は、上記共通電極およびドレイン電極間の領域にのみに形成されるものであっても良いが、なかでも本発明においては、上記共通電極およびドレイン電極の両者を平面視上覆うように形成されるものであることが好ましい。上記形成箇所であることにより、上記ドレイン電極および上記共通電極を安定的に接続することができるからである。
また、上記感圧層は、少なくとも1つのドレイン電極を共通電極と接続するように形成されるものであれば良いが、複数のドレイン電極を共通電極と接続するものであっても良い。
既に説明した図1〜図4は、感圧層が複数のドレイン電極を共通電極と接続するように形成される例を示すものであり、既に説明した図6および図10は、感圧層が1つのドレイン電極を1つの共通電極と接続するように形成される例を示すものである。
上記感圧層の形成方法としては、所望のパターンの感圧層を精度良く形成できるものであれば特に限定されるものではないが、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびフレキソ印刷法等の種々の印刷法を挙げることができる。
8.圧力センサ装置
本発明の圧力センサ装置は、設置側基板、感圧層、TFT、加圧側基板、外部接続端子、回路部および共通電極を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成としては、例えば、上記保護層が上記加圧側基板上に形成される場合に、上記保護層および設置側基板間を固定し、圧力が印加された際に上記保護層が水平方向に移動することを防止する固定部、加圧側基板の設置側基板側の表面から設置側基板の加圧側基板側の表面までの間に配置され、上記回路部の上記設置側基板側表面上の空隙の厚みを調整する台座部、共通電極が、感圧層の設置側基板表面上に形成される場合、上記ドレイン電極および感圧層を接続する接続パッド、および、共通電極が、感圧層の加圧側基板表面上に形成される場合、共通電極に接続される共通電極配線等を挙げることができる。
(1)固定部
上記固定部は、上記保護層が上記加圧側基板の圧力印加側表面上に形成される場合に、上記保護層および設置側基板間を固定し、圧力が印加された際に上記保護層が水平方向に移動することを防止するものである。
このような固定部を構成する材料としては、所望の強度で上記保護層および設置側基板間を固定できるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものをあげることができる。
上記材料は、具体的には、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(3)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料、ネジ、および接着剤等を用いることができる。
上記固定部の幅としては、上記保護層および設置側基板間を安定的に固定できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、5mm〜10mmの範囲内とすることができる。
なお、固定部の幅とは、固定部の保護層および設置側基板間に対して垂直の方向の距離のうち、最も狭い箇所の幅をいうものである。具体的には、図2中のwで示される距離である。
上記固定部の形成方法としては、所望のパターンの固定部を形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、上述した材料を含む固定部形成用塗工液を上記「7.感圧層」の項に記載の印刷法等を用いて塗膜を形成し、上記材料が光硬化型樹脂の場合は紫外線照射後に必要に応じて光硬化させ、熱硬化型樹脂の場合は塗膜形成後に熱硬化させる方法を挙げることができる。
(2)台座部
上記台座部は、加圧側基板の設置側基板側の表面から設置側基板の加圧側基板側の表面までの間に配置され、上記回路部の上記設置側基板側表面上の空隙の厚みを調整するものである。
上記台座部の厚み方向の形成箇所としては、加圧側基板の設置側基板側の表面から設置側基板の加圧側基板側の表面までの間であれば特に限定されるものではなく、例えば、既に説明した図3等に示すように、共通電極が感圧層の設置側基板表面上に形成される場合には、共通電極および設置側基板の間に形成されることが好ましい。また、上記形成箇所は、既に説明した図6等に示すように、共通電極が感圧層の加圧側基板表面上に形成される場合には、TFTおよび設置側基板の間に形成されることが好ましい。圧力センサ装置を形成容易なものとすることができるからである。
なお、図12は、本発明の圧力センサ装置の他の例を示す概略断面図であり、台座部25が共通電極および設置側基板の間に形成される例を示すものである。
また、図12中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記台座部の平面視上の形成箇所としては、加圧側基板に印加された圧力を感圧層に安定的に伝達できるものであれば特に限定されるものではない。
本発明においては、上記形成箇所が、感圧層と平面視上重なる箇所に形成されることが好ましく、なかでも、回路部と平面視上重ならない箇所であること、すなわち、台座部の開口部に回路部が形成されることが好ましい。上記形成箇所であることにより、加圧側基板に印加された圧力を感圧層に安定的に伝達できるからである。また、上記空隙の厚みを容易に調整可能なものとなるからである。
上記台座部を構成する材料としては、加圧側基板に印加された圧力を感圧層に安定的に伝達できるものであれば良く、上記「5.設置側基板」の項に記載の材料と同様とすることができる。
上記台座部の厚みとしては、所望の空隙の厚みに応じて適宜設定されるものであるが、例えば、100μm〜3mmの範囲内とすることができる。
上記台座部の形成方法としては、所望の厚みの台座部を精度良く形成できる方法であれば良く、台座部を構成する材料を設置側基板等の表面上に塗布したのち硬化させる方法および上記台座部を接着剤等を介して設置側基板等の表面上に貼り合せる方法等を用いることができる。
また、上記設置側基板の一部として、設置側基板と一体として形成されるものであっても良い。
(3)接続パッド
上記接続パッドは、共通電極が、感圧層の設置側基板表面上に形成される場合、上記ドレイン電極および感圧層を接続するものである。
このような接続パッドとしては、上記ドレイン電極および感圧層を安定的に接続できるものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
上記接続パッドは、例えば、既に説明した図4に示すように、感圧層上およびパッシベーション層に設けられた貫通孔内に形成されるものとすることができる。
上記接続パッドを構成する材料および感圧層上の厚みとしては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、圧力センサ装置に一般的に用いられるものと同様とすることができるが、例えば、上記「1.薄膜トランジスタ」の「(1)ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極」の項に記載の構成材料および厚みと同様の内容とすることができる。
上記接続パッドの形成箇所および形成方法としては、ドレイン電極および感圧層を接続可能な箇所および形成方法であれば良く、圧力センサ装置に一般的に用いられるものと同様の方法とすることができる。
(4)共通電極配線
上記共通電極配線は、共通電極が、感圧層の加圧側基板表面上に形成される場合、共通電極に接続されるものである。
このような共通電極配線としては、共通電極と安定的に接続されるものであれば特に限定されるものではなく、既に説明した図10に示すように、共通電極配線4Xが、ゲート配線11Xと直交し、データ配線12Xと平行となるように形成されたものとすることができる。
また、上記共通電極配線を構成する材料および厚さについては、上記共通電極と同一とすることができ、上記共通電極と同時に形成されるものとすることができる。
なお、このような共通電極配線の幅等については、所望の導電性を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の圧力センサ装置の用途等に応じて適宜設定されるものである。
(5)製造方法
本発明の圧力センサ装置の製造方法としては、設置側基板および加圧側基板間に、外部接続端子、回路部、TFT、感圧層および共通電極を配置することができる方法であれば特に限定されるものではない。
上記方法は、例えば、共通電極が感圧層の設置側基板表面上に形成される場合には、加圧側基板上にTFT、外部接続端子および共通電極を形成した後、感圧層、設置側基板をこの順で積層する方法を用いることができる。
また、上記方法は、共通電極が感圧層の加圧側基板表面に形成される場合、加圧側基板上にTFTおよび外部接続端子を形成し、設置側基板上に共通電極および感圧層をこの順で形成し、加圧側基板および設置側基板を、TFTおよび感圧層が対向するように貼り合せる方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げてより詳細に説明する。
[実施例1]
0.1mm厚のPENフィルム基板(加圧側基板)上にネガ型感光性樹脂をスピンコートにて塗布し150℃で30min焼成し平坦化層を形成した。
次に全面にAlを厚み200nmでスパッタした。続いて、Alスパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位のAlスパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ゲート電極を形成した。
次に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてゲート絶縁層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ゲート絶縁層のパターニングを行った。次いで、150℃のオーブンにて30min加熱硬化させ、膜厚1μmのゲート絶縁層を形成した。
次に、ゲート絶縁層上に銀を厚み80nmでスパッタした。次いで、銀スパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。次いで、エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位の銀スパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ソース電極、ドレイン電極、共通電極を形成した。
次に、チオフェン系ポリマーをキシレンに固形分濃度1wt%にて溶解させた有機半導体のキシレン溶液を準備し、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線を形成した基材表面にスピンコートにて塗布し、膜厚50nmの有機半導体層を基材全面に形成した。次いで、ポジ型レジストを有機半導体層上にスピンコートしてレジスト層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、レジスト層をパターニングした。
次に、大気下で、波長172nm、照度3mW/cmの真空紫外線を60秒間照射し、レジスト層で覆われている部位以外の有機半導体層をエッチング除去し、有機半導体層のパターニングを行った。その後、レジスト層を除去した。
次に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてパッシベーション層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ドレイン電極、共通電極部の開口が形成されるようにパッシベーション層のパターニングを行った。次いで、150℃のオーブンにて30min加熱硬化させパッシベーション層を形成した。
次にドレイン電極、共通電極を覆うように感圧ゴムをスクリーン印刷法にてパターン状に形成した。
その後データ配線、スキャン配線(ゲート配線)を集約した配線部にドライバIC(厚さ1mm)が搭載されたFPC(厚さ70μm)を貼合した。
次に厚さ1mmのアクリル板(保護層)の上にPENフィルム基板(加圧側基板)を固定しその外周部に1.5mm厚のスペーサーを配置させた。その上に厚さ1mmのアクリル板(設置側基板)を被せ4隅をネジで固定した。その後、このセンサ装置をひっくり返し床面から設置側基板、回路部および加圧側基板の順になるように配置させ圧力センサ装置とした。
また、加圧側基板から設置側基板までの厚みは、1.5mmであり、加圧側基板から回路部の設置側基板側表面までの厚みは、約1.2mmであった。
加圧側基板側から圧力を加える事で、回路部の破損がなく良好な圧力を検知できた。
[比較例1]
加圧方向を設置側基板からとする以外の作製方法は実施例と同様であり、駆動検証を行った。その結果、構成部材が回路部に直接接触してしまう事を確認した。また、足で踏むなどのより強い圧力が加わった際、回路部の耐久性が実施例の構成と比較して1/10以上に減少してしまう事を確認した。
なお、耐久性とは圧力センサ装置に対して回路部に破損が生じるまでに要する、圧力を加えた回数をいうものである。
また、ここで言う回数は圧力の大小、圧力を印加するスピード等も含めるものであり、例えば同一の圧力印加回数および印加スピードとした場合には、比較例の圧力センサ装置で回路部が破損する圧力が実施例の圧力センサ装置で回路部が破損する圧力の1/10以下であったことをいうものである。
1 … 設置側基板
2 … 感圧層
3 … 加圧側基板
4 … 共通電極
5 … 外部接続端子
6 … 回路部
10 … 薄膜トランジスタ
11 … ゲート電極
12 … ソース電極
13 … ドレイン電極
14 … ゲート絶縁層
15 … 半導体層
16 … パッシベーション層
17 … オーバーコート層
20 … 圧力センサ装置
21 … 保護層
22 … 固定部
23 … 接続パッド
24 … 平坦化層
25 … 台座部

Claims (2)

  1. 設置側基板と、
    前記設置側基板上に形成され、絶縁性樹脂および導電性粒子を含む感圧層と、
    ゲート電極、ゲート絶縁層、前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層を介して形成されたソース電極およびドレイン電極、ならびに前記ソース電極および前記ドレイン電極間に形成された半導体層を有し、前記感圧層上に形成された薄膜トランジスタと、
    前記薄膜トランジスタ上に形成された加圧側基板と、
    前記加圧側基板および前記設置側基板間に形成され、前記感圧層を介して前記ドレイン電極と接続された共通電極と、
    前記加圧側基板の前記設置側基板側表面上に形成され、前記ゲート電極、前記ソース電極および前記共通電極の少なくとも一つと接続された外部接続端子と、
    前記外部接続端子上に形成され、前記外部接続端子と接続された前記ゲート電極、前記ソース電極および前記共通電極を制御する回路部と、
    を有することを特徴とする圧力センサ装置。
  2. 前記加圧側基板から前記設置側基板までの厚みが、前記加圧側基板から前記回路部の前記設置側基板側表面までの厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ装置。
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