JP2016001689A - 有機半導体素子 - Google Patents

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Shinya Fujimoto
慎也 藤本
健 冨野
Takeshi Tomino
健 冨野
充孝 永江
Mitsutaka Nagae
充孝 永江
直子 沖本
Naoko Okimoto
直子 沖本
徹 三好
Toru Miyoshi
徹 三好
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Abstract

【課題】配線部におけるマイグレーションの発生を抑制可能な有機半導体素子を提供することを主目的とする。【解決手段】基板、ソース電極、ドレイン電極、データ配線、外部接続配線および外部接続端子、有機半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極、誘電体層、画素電極、ならびに被覆層、を有し、上記外部接続配線が形成されている配線部の上記ゲート絶縁層上に、バリア層が形成されており、上記バリア層が、上記ゲート電極および上記画素電極の少なくともいずれかと同一の導電性材料を含むことを特徴とする有機半導体素子を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図2

Description

本発明は、マイグレーションの発生を抑制可能な有機半導体素子に関する。
TFTに代表される半導体トランジスタは、近年、ディスプレイ装置の発展に伴ってその用途を拡大する傾向にある。半導体トランジスタは、半導体材料を介して電極が接続されていることにより、スイッチング素子としての機能を果たすものである。
従来、半導体トランジスタに用いられる半導体材料としては、シリコン、ガリウム砒素、インジウムガリウム砒素等の無機半導体材料が用いられてきた。近年、普及が拡大している液晶表示素子のディスプレイ用TFTアレイ基板にもこのような無機半導体材料を用いた半導体トランジスタが用いられている。
一方、半導体材料としては、有機半導体材料も知られている。有機半導体材料は、無機半導体材料に比べて安価に大面積化が可能であること、フレキシブルなプラスチック基板上に形成できること、さらに機械的衝撃に対して安定であることという利点を有している。したがって、有機半導体材料を対象として、電子ペーパーに代表されるフレキシブルディスプレイ等の次世代ディスプレイ装置への応用等を想定した研究が活発に行われている。
ところで、有機半導体トランジスタにおいては、有機半導体層を介してソース電極およびドレイン電極が接続されることから、ソース電極およびドレイン電極に用いられる電極材料としては、有機半導体層との電気的接続性が高いことが好ましく、中でも製造コスト等を考慮して銀または銅等を含むものが好適に用いられている。
また、トップゲート型の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子においては、通常、ソース電極と接続されたデータ配線、外部接続配線および外部接続端子は、ソース電極と同一の材料を用いて一体的に形成される。また、上記有機半導体素子においては、表示部に形成されるソース電極およびデータ配線については、ゲート絶縁層、ゲート電極、パッシベーション層および画素電極等で被覆されることから、大気中の酸素、水分等と反応することを抑制することが可能である。一方、外部接続部に形成される外部接続端子は、FPC等の外部部材と接続させるため、その表面が大気に露出するように形成されることから、外部接続端子においては大気中の水分の影響によりマイグレーションが生じるという問題がある。
上記問題に対して、特許文献1では、ゲート電極または画素電極を銀または銀以外の導電性材料を用いて形成し、上記ゲート電極または画素電極と同一の材料で構成される被覆層を外部接続端子を覆うように形成することで、外部接続端子を大気中の水分から遮蔽してマイグレーションの発生を抑制することが提案されている。
特開2013−80829号公報
特許文献1に記載の有機半導体素子においては、外部接続配線が形成された配線部上には、通常、ゲート絶縁層が形成されているが、ゲート絶縁層のバリア性が十分ではない場合、ゲート絶縁層内に大気中の水分等が浸入して外部接続配線と接触することによりマイグレーションが発生する可能性があるという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、外部接続配線におけるマイグレーションの発生を抑制可能な有機半導体素子を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、上記基板上に形成され上記ソース電極と電気的に接続されたデータ配線、外部接続配線および外部接続端子と、上記ソース電極および上記ドレイン電極の間のチャネル領域において、上記基板上に形成された有機半導体層と、上記ソース電極、上記ドレイン電極、上記データ配線、上記外部接続配線および上記有機半導体層を覆うように形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、上記ゲート電極上に形成された誘電体層と、上記誘電体層上に形成された画素電極と、上記外部接続端子を覆うように形成された導電性材料を含む被覆層と、を有する有機半導体素子であって、上記外部接続配線が形成されている配線部の上記ゲート絶縁層上に、バリア層が形成されており、上記バリア層が、上記ゲート電極および上記画素電極の少なくともいずれかと同一の導電性材料を含むことを特徴とする有機半導体素子を提供する。
本発明によれば、上記バリア層を有することにより、外部接続配線におけるマイグレーションの発生を抑制することが可能な有機半導体素子とすることができる。
上記発明においては、上記ソース電極、上記ドレイン電極、上記データ配線、上記外部接続配線および上記外部接続端子が銀または銅を含むことが好ましい。また、上記発明においては、上記ゲート電極および上記画素電極の少なくともいずれかと、上記被覆層とがマイグレーションの発生を抑制可能な導電性材料を含むことが好ましい。有機半導体素子の半導体特性を良好にすることができ、マイグレーションの発生を抑制する効果についても高く発揮することができるからである。
本発明の有機半導体素子は、上記バリア層を有することにより、外部接続配線におけるマイグレーションの発生を抑制することが可能であるといった作用効果を奏する。
本発明の有機半導体素子の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面からみた概略側面図である。 本発明における表示部の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略側面図である。 本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略側面図である。 本発明における表示部の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機半導体素子における配線、端子および有機半導体層の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明における表示部の他の例を示す概略断面図である。 本発明における表示部の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略側面図である。 有機半導体素子の一例を示す概略側面図である。 従来の有機半導体素子の他の例を示す概略側面図である。 従来の有機半導体素子の他の例を示す概略側面図である。
以下、本発明の有機半導体素子の詳細について説明する。
本発明の有機半導体素子は、基板と、上記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、上記基板上に形成され上記ソース電極と電気的に接続されたデータ配線、外部接続配線および外部接続端子と、上記ソース電極および上記ドレイン電極の間のチャネル領域において、上記基板上に形成された有機半導体層と、上記ソース電極、上記ドレイン電極、上記データ配線、上記外部接続配線および上記有機半導体層を覆うように形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、上記ゲート電極上に形成された誘電体層と、上記誘電体層上に形成された画素電極と、上記外部接続端子を覆うように形成された導電性材料を含む被覆層と、を有する有機半導体素子であって、上記外部接続配線が形成されている配線部の上記ゲート絶縁層上に、バリア層が形成されており、上記バリア層が、上記ゲート電極および上記画素電極の少なくともいずれかと同一の導電性材料を含むことを特徴とするものである。
本発明において、「有機トランジスタ」とは、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極および有機半導体層を有するものを指す。また、本発明の有機半導体素子は、基板上にソース電極およびドレイン電極が形成され、ゲート絶縁層を介してゲート電極が形成された構成を有することから、トップゲート型の有機半導体トランジスタを有するものである。
本発明の有機半導体素子について図を用いて説明する。
図1は本発明の有機半導体素子の一例を示す概略平面図である。図1においては、基板2、ソース電極3、ドレイン電極4およびデータ配線5、外部接続配線21および外部接続端子31以外の構成は省略されている。また、図1においては、ゲート電極8およびスキャン電極12ならびにバリア層22および被覆層32は一点破線で示されており、画素電極10が配置される領域は破線で示されている。図2は図1に示す有機半導体素子をA−A線断面から見た概略側面図である。また、図3は本発明における表示部の一例を示す概略断面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の有機半導体素子1は、基板2と、基板2上に形成されたソース電極3およびドレイン電極4と、基板2上に形成されソース電極3と電気的に接続されたデータ配線5、外部接続配線21および外部接続端子31と、ソース電極3およびドレイン電極4の間のチャネル領域において基板2上に形成された有機半導体層6と、ソース電極3、ドレイン電極4、データ配線5、外部接続配線21および有機半導体層6を覆うように形成されたゲート絶縁層7と、ゲート絶縁層7上に形成されたゲート電極8と、ゲート電極8上に形成された誘電体層9と、誘電体層9上に形成された画素電極10と、外部接続端子31を覆うように形成された導電性材料を含む被覆層32と、を有する。
また、本発明においては、外部接続配線21が形成されている配線部Yのゲート絶縁層7上に、バリア層22が形成されており、バリア層22が、ゲート電極8と同一の導電性材料を含むことを特徴とする。
また、本発明の有機半導体素子1は、ソース電極3、ドレイン電極4、データ配線5、ゲート電極8および画素電極10が形成されている表示部Xと、外部接続配線21が形成されている配線部Yと、外部接続端子31が形成されている外部接続部Zとを有する。図2および図3においては、誘電体層9がパッシベーション層9aである例について示している。
図4は本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略側面図である。図4においては、配線部Yのゲート絶縁層7上に誘電体層9が形成され、誘電体層9上にバリア層22が形成されている例について示している。また、バリア層22が画素電極10と同一の導電性材料を含む例について示している。なお、図4において説明していない符号については図1〜3において説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
図5は本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略平面図である。
図5に示すように、本発明の有機半導体素子1は、上述の表示部X、配線部Yおよび外部接続部Z以外にも、例えば、基板上にスキャン電極が形成された第2配線部V、スキャン電極と接続され、FPC等の外部部材と接続される第2外部接続端子を有する第2外部接続部Wを有していてもよい。また、有機半導体素子1は、検査端子Uを有していてもよい。
本発明の有機半導体素子は、通常、TFT方式を用いる表示装置のTFTアレイ基板として用いられる。本発明における表示部は、通常、表示装置の表示部に対応する領域に配置されるものである。また、本発明における配線部および外部接続部は、表示装置の表示部の外側に対応する領域に配置されるものである。
本発明によれば、上記バリア層を有することにより、外部接続配線におけるマイグレーションの発生を抑制することが可能な有機半導体素子とすることができる。
図14に示すように、従来のトップゲート型の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子1’においては、通常、ソース電極に接続されたデータ配線5、外部接続配線21および外部接続端子31は、ソース電極と同一の材料を用いて一体的に形成される。また、従来の有機半導体素子1’においては、通常、表示部Xから配線部Yまで連続してゲート絶縁層7を設け、外部接続部Zにおいてはゲート絶縁層7を設けずに、外部接続端子31が大気に露出するようにゲート絶縁層7が形成される。そのため、外部接続端子31においては大気中の水分の影響によりマイグレーションが生じるという問題がある。
このような問題に対して、特許文献1においては、図15に示すように、外部接続端子31を覆うようにゲート電極8または画素電極と同一の材料を用いて被覆層32を形成することでマイグレーションの発生を抑制することも提案されている。しかしながら、表示部においてはゲート絶縁層上にゲート電極、誘電層、画素電極等が形成されることからデータ配線に対するバリア性を十分に付与することができるのに対し、配線部においてはゲート絶縁層のみが形成される場合が多いことから、ゲート絶縁層のバリア性が十分でない場合は、外部接続配線においてマイグレーションが発生することが懸念されている。
なお、図14および図15は従来の有機半導体素子の例を示す概略側面図であり、説明していない符号については、図2で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
これに対して、本発明によれば、上記外部接続配線が形成されている配線部の上記ゲート絶縁層上に、バリア層が形成されていることから、配線部のバリア性を良好なものとすることができるため、銀または銅を含むソース電極と一体的に外部接続配線を形成した場合も、外部接続配線と大気中の水分等との接触によるマイグレーションの発生を抑制することができる。
また、本発明によれば、上記バリア層が上記ゲート電極および上記画素電極の少なくともいずれかと同一の導電性材料を含むことから、バリア層とゲート電極または画素電極とを同時に形成することができるため、有機半導体素子の製造工程数を少なくすることができ、生産性が良好な有機半導体素子とすることができる。
以下、本発明の有機半導体素子の各構成について説明する。
1.バリア層
本発明におけるバリア層は、上記外部接続配線が形成されている配線部の上記ゲート絶縁層上に形成されたものである。また、上記バリア層は、上記ゲート電極および上記画素電極の少なくともいずれかと同一の導電性材料を含むものである。
配線部におけるバリア層の形成位置としては、ゲート絶縁層上に形成されていれば特に限定されない。具体的には、図2に示すように、バリア層22がゲート絶縁層7上に直接形成されていてもよく、図4に示すように、ゲート絶縁層上7に誘電体層9が形成されている場合は、バリア層22が誘電体層9上に形成されていてもよい。
また、バリア層の平面視上の形成位置としては、外部接続配線が形成されている配線部のゲート絶縁層上に形成されていればよく、配線部のゲート絶縁層上にパターン状に形成されていてもよく、ゲート絶縁層上に連続して形成されていてもよい。
本発明においては、例えば、図6に示すように、有機半導体素子1と、表示装置とした際に用いられる対向基板40とを貼り合わせた場合に、配線部Yにおいて封止材50が配置される封止領域51の少なくとも外部側にバリア層21が配置されるように、バリア層21が形成されていることが好ましい。封止領域の外部側は大気により曝され易いことから、封止領域の外部側にバリア層が配置されるように、バリア層が形成されることで、本発明における作用効果を高く発揮することができるからである。
また、バリア層は、ゲート絶縁層の上面を覆い側面が露出するように形成されていてもよく、ゲート絶縁層の上面および側面を覆うように形成されていてもよい。
バリア層は、通常、有機半導体素子の導電性を有する構成とは絶縁されて形成される。
なお、図6は本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については、図2等において説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
バリア層に用いられる材料は、ゲート電極または画素電極と同一の導電性材料が用いられる。上記導電性材料としては、マイグレーションの発生を抑制可能な無機導電性材料が好適に用いられる。具体的な無機導電性材料としては、Au、Pt、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Mo−Ta合金等の金属材料、ITO、IZO等の金属酸化物材料等を挙げることができる。
本発明におけるバリア層は、通常、ゲート電極または画素電極と同時に形成される。バリア層の厚みおよび形成方法については、ゲート電極または画素電極の厚みおよび形成方法の項で説明する内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明において、「厚み」は、一般的な測定方法によって得られる厚みをいう。厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の顕微鏡観察像を用いた方法等を挙げることができる。なお、厚みとして、対象となる構成の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
2.被覆層
本発明における被覆層は、上記外部接続端子を覆うように形成された導電性材料を含むものである。被覆層は、外部接続端子を大気中の酸素、水分等から保護するものである。
また、被覆層は、通常、外部接続端子の上面および側面を覆うように形成される。
被覆層に用いられる導電性材料としては、被覆層を大気中の水分等から保護することができれば特に限定されないが、通常、マイグレーションの発生を抑制可能な無機導電性材料が用いられる。また、被覆層に用いられる導電性材料としては、ゲート電極または画素電極と同一の導電性材料が用いられることが好ましい。被覆層とゲート電極または画素電極とを同時に形成することができ、有機半導体の製造工程数を少なくすることができるため、生産性が良好な有機半導体素子とすることができる。
また、図2に示すように被覆層32は、上述したバリア層22と同一の導電性材料を含んでいてもよく、図4に示すように、バリア層22と異なる導電性材料を含んでいてもよい。
被覆層の厚みおよび形成方法については、ゲート電極または画素電極の厚みおよび形成方法の項で説明する内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.ソース電極およびドレイン電極
本発明におけるソース電極およびドレイン電極は、ソース電極およびドレイン電極の間に所望のチャネル領域を有するように基板上に形成されるものである。
上記ソース電極および上記ドレイン電極に用いられる材料としては、所望の導電性を有する導電性材料であれば特に限定されるものではない。上記導電性材料としては、銀または銅を含むものを好適に用いることができる。銀または銅を含む導電性材料は有機半導体層と電気的接続性が良好であるからである。また、銀または銅を含む導電性材料はマイグレーションを生じやすいことから、本発明の有機半導体素子の構造による作用効果を高く発揮することができるからである。銀または銅を含む導電性材料としては、より具体的には、銀、銅、銀合金、銅合金等を挙げることができる。
銀合金とは、複数の構成金属元素の中に銀を含むものをいい、銅合金とは、複数の構成金属元素の中に銅を含むものをいう。
ソース電極およびドレイン電極の厚みとしては、電極として機能する程度の厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.01μm〜1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.03μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。また、ソース電極の厚みおよびドレイン電極の厚みは同一であってもよく異なっていてもよい。
ソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域の大きさは、本発明の有機半導体素子の用途等に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されるものではない。
チャネル長さとしては、チャネル領域内に有機半導体層を形成可能な程度であれば特に限定されないが、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜50μmの範囲内、さらに5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。チャネル長さとは、ソース電極およびドレイン電極間の距離をいう。
ソース電極およびドレイン電極の形成方法としては、例えば、蒸着法等を用いて基板全面に上記金属材料を含む金属層を形成した後、エッチングする方法や、金属マスクを用いて上記金属材料をパターン状に蒸着する方法、印刷法等を挙げることができる。また、リフトオフ法を用いることもできる。金属層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法と同様とすることができ、具体的には、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等を挙げることができる。
4.データ配線
本発明におけるデータ配線は、基板上に形成され、上記ソース電極に接続されるものである。
なお、データ配線に用いられる導電性材料については、上記ソース電極およびドレイン電極に用いられる導電性材料と同様であるので、ここでの説明は省略する。
データ配線に含まれる導電性材料は、ソース電極およびドレイン電極に含まれる導電性材料と同じであってもよく異なっていてもよいが、通常はソース電極、ドレイン電極およびデータ配線は同一工程で形成されることから、データ配線、ソース電極およびドレイン電極に含まれる導電性材料は同一である。
データ配線の厚みおよび形成方法は、ソース電極およびドレイン電極の厚みならびに形成方法と同様とすることができる。中でも、同一の金属材料を用いてソース電極、ドレイン電極およびデータ配線を同時に形成することが好ましい。
5.外部接続配線および外部接続端子
本発明における外部接続配線は、基板上に形成され、通常、データ配線に接続されるものである。また、本発明における外部接続端子は、基板上に形成され、通常、外部接続配線に接続されるものである。
なお、外部接続配線および外部接続端子に用いられる導電性材料については、上記ソース電極およびドレイン電極に用いられる導電性材料と同様であるので、ここでの説明は省略する。
外部接続配線および外部接続端子に含まれる導電性材料は、ソース電極およびドレイン電極に含まれる導電性材料と同じであってもよく異なっていてもよいが、通常はソース電極、ドレイン電極および外部接続配線および外部接続端子は同一工程で形成されることから、外部接続配線および外部接続端子、ソース電極およびドレイン電極に含まれる導電性材料は同一である。
外部接続配線および外部接続端子の平面視形状については、一般的な有機半導体素子に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
外部接続配線および外部接続端子の厚みおよび形成方法は、ソース電極およびドレイン電極の厚みならびに形成方法と同様とすることができる。中でも、同一の金属材料を用いてソース電極、ドレイン電極および外部接続配線および外部接続端子を同時に形成することが好ましい。
6.有機半導体層
本発明における有機半導体層は、上記ソース電極および上記ドレイン電極の間のチャネル領域において、上記基板上に形成されるものであり、有機半導体トランジスタに半導体特性を付与するものである。
有機半導体層に用いられる有機半導体材料としては、所望の半導体特性を備える有機半導体層を得ることができれば特に限定されるものではなく、一般的に有機半導体トランジスタに用いられる有機半導体材料を用いることができる。このような有機半導体材料としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン等の低分子系有機半導体材料、および、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)等のポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェン等のポリチオフェン類、ポリイソチアナフテン等のポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレン等のポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)等のポリアニリン類、ポリアセチレン等のポリアセチレン類、ポリジアセチレン、ポリアズレン等のポリアズレン類等の高分子系有機半導体材料を挙げることができる。
有機半導体材料は1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。
有機半導体層の形成位置としては、有機半導体トランジスタの構造に応じて適宜決定される。具体的には、図7に示すように、トップコンタクト型の有機半導体トランジスタの場合は、基板2上に有機半導体層6が形成され、有機半導体層6の一部を覆うようにソース電極3およびドレイン電極4aが形成される。一方、図3に示すように、ボトムコンタクト型の有機半導体トランジスタの場合は、基板2上に形成されたソース電極3およびドレイン電極4a上に有機半導体層6が形成される。
トップコンタクト型の有機半導体トランジスタの場合、有機半導体層が形成される領域については、一般的はトップコンタクト型の有機半導体トランジスタに用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
一方、ボトムトムコンタクト型の有機半導体トランジスタの場合、図2、図3および図8等に示すように、有機半導体層6は、ソース電極3、ドレイン電極4およびデータ配線5を覆うように形成されることが好ましい。ここで、上述したようにソース電極、ドレイン電極およびデータ配線については銀または銅を含む導電性材料を用いることが好ましい。また、有機半導体層をパターニングする方法としては、真空紫外光を用いて有機半導体層をエッチングする方法が好適に用いられる。
しかしながら、ボトムコンタクト型の有機半導体トランジスタにおいては、有機半導体層のエッチング時に真空紫外光の影響によりソース電極、ドレイン電極およびデータ配線が酸化され、電極性能が低下したり断線したりするという問題がある。このような問題に対して、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線を覆うように有機半導体層を形成することにより、真空紫外光を用いて有機半導体層をエッチングする場合に、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の酸化を抑制することができる。
また、この場合、有機半導体層の形成位置としては、有機半導体層6がチャネル領域に形成され、かつ有機半導体層6がコンタクトホール11が形成されているコンタクトホール領域11c以外のソース電極、ドレイン電極およびデータ配線が形成されている電極領域に形成されていればよい。
ここで、「コンタクトホールが形成されているコンタクトホール領域」とは、有機半導体素子の構成の中でドレイン電極に通じる孔が形成されている領域をいう。例えば図3に示すようにコンタクトホール11として第1コンタクトホール11aおよび第2コンタクトホール11bが形成されている場合には、コンタクトホール領域11cは、ドレイン電極4aに通じる第1コンタクトホール11aが形成されている領域を指す。
なお、真空紫外光を用いて有機半導体層をエッチングする場合、コンタクトホール領域ではドレイン電極の一部が酸素と接触したり真空紫外光が照射されたりするため、ドレイン電極の一部の酸化が懸念される。
ここで、有機半導体層のエッチングに用いる程度の真空紫外光の強度では、仮に電極および配線が暴露されたとしても、電極および配線の酸化の進行は緩やかである。ただし、真空紫外光の照射ムラや電極および配線の厚みムラ等の影響で電極および配線の酸化を完全にゼロにすることはできない。そのため、線幅の細い電極および配線では酸化が問題となる。これに対し、コンタクトホール領域の幅はソース電極やデータ配線の線幅と比較して広いため、コンタクトホール領域の全域が酸化される可能性は非常に低い。また、データ配線が酸化した場合はライン欠陥となり、表示品質に多大な影響を与えるが、コンタクトホール領域におけるドレイン電極の一部が酸化した場合は点欠陥が発生するのみであり、表示品質に与える影響は少ない。したがって、コンタクトホール領域におけるドレイン電極の一部が酸化してしまったとしても特に問題にはならないと考えられる。
また、有機半導体層はソース電極、ドレイン電極およびデータ配線を覆うように形成されていればよく、この場合、有機半導体層がソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の上面を覆い、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の側面が露出するように形成されていてもよく、有機半導体層がソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の上面および側面を覆うように形成されていてもよい。中でも、有機半導体層がソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の上面および側面を覆うように形成されていることが好ましい。ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の酸化を効果的に抑制することができるからである。
また、図5、図8に示すように、有機半導体素子1において、基材2上に表示部Xの周囲にFPC接続部等の外部接続部Zの外部接続端子31や検査用端子U等の端子が形成されている場合には、図8に示すように、外部接続端子31等の端子の一部を覆うように有機半導体層6が形成されていてもよい。具体的には図9(a)、(b)に示すように、基材2上に端子55および配線56が形成されている場合、有機半導体層6が配線56を覆うように形成されているとともに、端子55の一部を覆うように形成されていてもよい。なお、図9(b)は図9(a)のA−A線断面図である。この場合、有機半導体層によって端子の一部と有機半導体層上に形成される層間絶縁層やゲート絶縁層との密着性を高めることができる。また、真空紫外光を用いて有機半導体層をエッチングする場合には、従来のレーザーアブレーション法とは異なり、有機半導体層の下に位置する端子を除去することなく、有機半導体層のみを除去することができる。そのため、端子の一部を覆うように有機半導体層を形成することができる。この場合、中でも、外部接続端子および検査用端子の一部を覆うように形成されていることが好ましい。
端子の一部を覆うように有機半導体層が形成されている場合、有機半導体層の形成位置としては、有機半導体層が端子の一部が露出するように形成されていればよいが、中でも、図9(a)、(b)に例示するように、有機半導体層6が端子55の四方の端部を覆うように形成されていることが好ましい。層間絶縁層やゲート絶縁層との密着性を確保することができるからである。また、検査用端子等の端子と配線との境界では線幅が細くなるため酸化防止が重要であり、この部分に有機半導体層が形成されていることが好ましいのである。
また、基板上にデータ配線の他にも配線が形成されている場合には、配線を覆うように有機半導体層が形成されていることが好ましい。
さらに、有機半導体層は、ソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域、ソース電極、ドレイン電極、データ配線の他にも、上記の端子および配線の境界等のように線幅が細く酸化されやすい部分に形成されていることが好ましい。特に、線幅が20μm以下である電極や配線上、およびそれらの電極や配線に接続された端子との境界に有機半導体層が形成されていることが好ましい。
また、有機半導体層は、基板の全面に形成されていないことが好ましい。基板の全面に有機半導体層が形成されていると、有機半導体層によってリーク電流が発生したり電極間で絶縁されてしまったりするからである。
有機半導体層の厚みは、所望の半導体特性が得られる程度であればよく、上記有機半導体材料の種類等に応じて適宜選択される。具体的に、有機半導体層の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、特に5nm〜300nmの範囲内、さらに20nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。有機半導体層の厚みが厚すぎると、本発明の有機半導体素子において、電流オフ時においても回り込み電流によってドレイン電流が生じ、これに起因してオフ電流が大きくなる場合があるからである。一方、有機半導体層の厚みが薄すぎると、有機半導体材料の種類によっては有機半導体層の半導体特性が不足する可能性があるからである。
有機半導体層の形成方法としては、まず、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線が形成された基板の全面に有機半導体層を形成し、次いで、有機半導体層上にレジスト層を形成し、その後、有機半導体層を真空紫外光を用いてエッチングする方法が好ましい。有機半導体層の形成方法の詳細については、後述する「14.有機半導体素子の製造方法」の項で説明する。
7.ゲート絶縁層
本発明におけるゲート絶縁層は、ソース電極、ドレイン電極、データ配線および有機半導体層、および外部接続配線を覆うように形成されるものである。また、ゲート絶縁層は、外部接続端子上には形成されないものである。
ゲート絶縁層を構成する材料としては、所望の絶縁性を有する絶縁性材料であれば特に限定されるものではないが、有機材料であることが好ましい。有機材料を用いたゲート絶縁層は、一般的に十分なバリア性を示すことが困難となるため、本発明においてゲート絶縁層上にバリア層を形成することによる作用効果を高く発揮することができるからである。
上記有機材料としては、具体的には、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等を挙げることができる。上記有機材料は1種類で用いてもよく、2種類以上で用いてもよい。
ゲート絶縁層の形成方法としては、例えば、絶縁性材料として有機材料を用いる場合には、有機材料を溶媒に溶解させたゲート絶縁層形成用塗工液を調製し、これをゲート電極を覆うように塗布する方法を挙げることができる。
また、コンタクトホールを有するゲート絶縁層を形成する場合には、例えばフォトリソグラフィ法、印刷法等を挙げることができる。
8.ゲート電極
本発明におけるゲート絶縁層は、基板上に形成されるものである。
ゲート電極に用いられる導電性材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されないが、マイグレーションの発生を抑制可能な導電性材料であることが好ましい。具体的には、Au、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Mo−Ta合金等の金属材料、ITO、IZO等の金属酸化物材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料を挙げることができる。また、ゲート電極と、バリア層、被覆層を同時に形成する場合は、上述した金属材料または金属酸化物材料等の無機導電性材料が用いられる。
また、ボトムコンタクト型の有機半導体トラジスタを有する有機半導体素子においては、図3に示すように、ドレイン電極4aに接続された中間電極4bが形成される場合がある。この場合、中間電極に用いられる導電性材料としては、ゲート電極に用いられる導電性材料と同様とすることができる。
ゲート電極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法や金属ナノ粒子を塗布および焼結する方法等によって基板全面に導電層を形成した後、パターニングする方法や、基板上に直接パターン状のゲート電極を形成する方法を挙げることができる。導電層のパターニング方法としては、通常、リソグラフィ法が用いられ、中でもフォトリソグラフィ法が好適に用いられる。一方、パターン状のゲート電極を直接形成する方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法等の印刷法や、マスク蒸着法等が好適に用いられる。
また、中間電極が形成されている場合、通常、ゲート電極および中間電極は一括形成される。
9.誘電体層
本発明における誘電体層は、ゲート絶縁層上に形成されるものであり、ゲート電極と画素電極とを絶縁するために設けられるものである。
このような誘電体層としては、所望の絶縁性を示すことができれば特に限定されないが、例えば、遮光層およびパッシベーション層の少なくともいずれか、または遮光層およびパッシベーション層の積層体を挙げることができる。
(a)遮光層
本発明における誘電体層としては、例えば、図10および図11に示すように、ゲート絶縁層7上に形成された遮光層9bを挙げることができる。
本発明における遮光層は、有機半導体層への光照射を防ぐために設けられるものである。遮光層が形成されていることにより、オフ電流の増加や有機半導体層の経時的劣化を抑制することができる。
なお、図10および図11は、本発明における表示部の他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については、図3において説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
遮光層に用いられる遮光性材料としては、有機半導体層が吸収する波長であって、オフ電流の増加や有機半導体層の劣化の原因となる波長の光を遮蔽することができるものであれば特に限定されるものではない。このような遮光性材料としては、例えば光を吸収する材料を挙げることができ、具体的には有機半導体層が吸収する波長にもよるが、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄等の金属酸化物、硫化ビスマス等の金属硫化物、フタロシアニンブラック、ニグロシン、アニリンブラック、ペリレンブラック等の黒色有機顔料、赤、緑、青等の有彩色有機顔料の混合物等を挙げることができる。また、光を散乱する材料を用いることもでき、具体的には酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸バリウム等の無機物の微粒子、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の有機物の微粒子、あるいは、これらの2種以上の混合系の微粒子を挙げることができる。
遮光層では、通常、上記の遮光性材料がバインダー樹脂に分散されている。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。
遮光層の形成位置としては、有機半導体層上に遮光層が形成されていればよく、例えば図10および図11に示すようにソース電極3、ドレイン電極4、有機半導体層6、ゲート電極8およびゲート絶縁層7の上に遮光層9bを形成することができる。
遮光層の形成方法としては、例えば、上記の遮光性材料およびバインダー樹脂を溶媒に溶解もしくは分散させた遮光層形成用塗工液を調製し、これを塗布する方法を挙げることができる。また、コンタクトホールを有する遮光層を形成する場合には、例えばフォトリソグラフィ法、印刷法等を挙げることができる。
(b)パッシベーション層
本発明における誘電体層としては、例えば、図2、図3および図11に示すように、ゲート絶縁層7上に形成されたパッシベーション層9aを挙げることができる。
本発明におけるパッシベーション層は、空気中に存在する水分や酸素の作用により有機半導体層が劣化するのを防止するために設けられるものである。パッシベーション層が形成されていることにより、有機半導体層の劣化を防止することが可能になることから、経時的な劣化の少ない高性能な有機半導体素子とすることができる。
図2に示すように、パッシベーション層9aは、ゲート絶縁層7上に直接形成されていてもよい。また、パッシベーション層9aは、図2に示すように、少なくとも表示部Xに形成されていればよく、必要に応じて、図4および図12に示すように配線部Yにも形成されていてもよい。また、配線部Yにパッシベーション層9aが形成されている場合は、図4に示すように、パッシベーション層9a上にバリア層22が形成されてもよく、図12に示すようにバリア層22上にパッシベーション層9aが形成されてもよい。
なお、図12は本発明の有機半導体素子の他の例を示す概略側面図であり、説明していない符号については図2において説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、図11に示すように、誘電体層9がパッシベーション層9aおよび遮光層9bの積層体である場合は、遮光層9bを覆うように形成されていることが好ましい。
また、遮光層は絶縁性が不十分である場合があり、画素電極と配線との間にリーク電流が発生し、画素電極電位が保持できない場合がある。また、上記遮光層は誘電率が大きい場合があり、画素電極と配線間の寄生容量が大きくなり、配線からのノイズにより画素電極電位が変動する場合がある。また、上記遮光層は遮光性粒子を含有しているため、表面に凹凸を有している場合があり、遮光層表面に金属層を形成した場合、金属層のエッチング残渣が残りやすくなるなどの場合がある。このような場合に、パッシベーション層を形成することにより、絶縁性、寄生容量の低下及び表面平坦性が確保できる。
また、パッシベーション層には、上述した遮光層およびパッシベーション層を貫通するように第2コンタクトホールが形成されていてもよい。
パッシベーション層を構成する材料としては、空気中の水分や酸素を透過しにくく、有機半導体層の劣化を所望の程度に防止でき、絶縁性及び平坦性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂やフッ素系樹脂等を挙げることができる。
パッシベーション層の厚みは、パッシベーション層を構成する材料等に応じて適宜調整されるものであるが、例えば0.1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、中でも1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
パッシベーション層の形成方法としては、所望の有機半導体層の劣化防止機能を有するパッシベーション層を形成することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的な有機半導体素子のパッシベーション層を形成する際に用いられる方法と同様とすることができる。
10.画素電極
本発明における画素電極は、誘電体層上に形成されるものである。また、上記画素電極は、通常、コンタクトホールを通じてドレイン電極と接続される。
画素電極およびドレイン電極の接続の態様は、有機半導体トラジスタの構造に応じて異なる。図3に示すように、ドレイン電極4aに接続された中間電極4bが形成され、ゲート絶縁層7を貫通する第1コンタクトホール11aと誘電体層9を貫通する第2コンタクトホール11bとが形成される場合がある。この場合、第1コンタクトホール11aを通じてドレイン電極4aおよび中間電極4bが接続され、第2コンタクトホール11bを通じて中間電極4bおよび画素電極10が接続されていればよい。
画素電極としては、一般的な有機半導体素子に用いられるものと同様とすることができる。
画素電極に用いられる導電性材料としては、所定の導電性を有するものであれば特に限定されないが、通常、マイグレーションの発生を抑制可能な導電性材料が用いられる。マイグレーションの発生を抑制可能な導電性材料としては、Al、Ti、Cr、Cu等の金属材料、ITO、IZO等の金属酸化物材料、カーボンペーストや銀ペースト等の導電性ペースト材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料が好適に用いられる。
また、画素電極が、バリア層または被覆層と同一の導電性材料を含む場合は、上記金属材料、金属酸化物材料等の無機導電性材料が用いられる。
また、画素電極の形成方法としては、一般的な電極の形成方法と同様とすることができる。
11.基板
基板は、上述した各層を支持するものである。
基板としては所定の自己支持性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を有する基板を用いることができる。基板としては、ガラス基板等の可撓性を有さないリジット基板、および、プラスチック樹脂からなるフィルム等の可撓性を有するフレキシブル基板を挙げることができる。プラスチック樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリエーテルイミド(PEI)等を挙げることができる。
また、基板は単一層からなるものであってもよく、または、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。複数の層が積層された構成を有する基板としては、例えば、上記プラスチック樹脂からなる基板上に、硬化性樹脂を含む平坦化層が形成されたものを挙げることができる。プラスチック樹脂からなる基板上に硬化性樹脂組成物を塗布して平坦化層を形成することにより、プラスチック樹脂からなる基板に凹凸があっても表面を平坦化することができ、アクティブマトリックス内の断線などの欠陥を未然に防ぐことができる。
また、この場合、さらにバリア層を積層してもよい。シリコン酸化物などの絶縁性のバリア層であれば、基板表面及び上記平坦化層の下が好ましく、金属系バリア層であれば、上記平坦化層の下が好ましい。これにより、バリア層に傷が入ることがなくバリア性が維持できる。
基板の厚みは、通常、1mm以下であることが好ましく、中でも50μm〜700μmの範囲内であることが好ましい。なお、基板が複数の層が積層された構成を有するもので
ある場合、上記厚みは各層の厚みの総和を意味する。
12.コンタクトホール
本発明の有機半導体素子は、通常、コンタクトホールを有する。
本発明におけるコンタクトホールは、ゲート絶縁層を貫通し、ドレイン電極に達するように形成されるものである。また、本発明の有機半導体素子がボトムコンタクト型の有機半導体トランジスタを有する場合は、有機半導体層を貫通しドレイン電極に達するように形成されていることが好ましい。
コンタクトホールの態様は、有機半導体トラジスタの構造に応じて異なる。
本発明の有機半導体素子においては、図3に示すようにゲート絶縁層7および有機半導体層6を貫通する第1コンタクトホール11aと誘電体層9を貫通する第2コンタクトホール11bとが形成される場合がある。この場合、コンタクトホール11aおよび第2コンタクトホール11bを合わせたコンタクトホール11が、有機半導体層6、ゲート絶縁層7および誘電体層9を貫通して形成されていればよい。
また、本発明の有機半導体素子においては、図10および図11に示すように、有機半導体層6、ゲート絶縁層7および誘電体層9を貫通するコンタクトホール11が形成される場合もある。
コンタクトホールにおいて、ゲート絶縁層の開口部の大きさについては、ゲート絶縁層に形成することができ、コンタクトホール内でデータ配線と外部接続配線とを接続させることができれば特に限定されず、ゲート絶縁層の厚み、データ配線の幅等に応じて適宜選択することができる。
また、コンタクトホールが、さらに有機半導体層および誘電体層の少なくともいずれかを貫通するように形成されている場合、各層の開口部の大きさについては、同一であってもよく、異なっていてもよい。各層の開口部の大きさが異なる場合は、例えば、ゲート絶縁層の開口部の大きさが誘電体層の開口部の大きさよりも大きくてもよく、ゲート絶縁層の開口部の大きさが誘電体層の開口部の大きさよりも小さくてもよい。また、例えば、ゲート絶縁層の開口部の大きさが有機半導体層の開口部の大きさよりも大きくてもよく、ゲート絶縁層の開口部の大きさが有機半導体層の開口部の大きさよりも小さくてもよい。
コンタクトホールの平面視形状については、一般的な有機半導体素子に用いられるものと同様とすることができ、具体的には上述したコンタクトホールの平面視形状として説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
ゲート絶縁層や誘電体層等にコンタクトホールを形成する方法としては、例えば各層を形成する際に同時にコンタクトホールを形成する方法を挙げることができる。具体的には、フォトリソグラフィ法、印刷法等が挙げられる。
また、有機半導体層にコンタクトホールを形成する方法としては、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線が形成された基材の全面に有機半導体層を形成した後、有機半導体層を真空紫外光を用いてエッチングする方法が好ましい。なお、有機半導体層にコンタクトホールを形成する方法については、後述の「14.有機半導体素子の製造方法」に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。
13.その他の構成等
本発明の有機半導体素子は、上述した各構成を有していれば特に限定されず、必要に応じて他の構成を適宜選択して追加することができる。このような構成としては、スキャン電極、コモン電極、検査用端子等を挙げることができる。なお、これらの構成については、一般的な有機半導体素子に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記においては、本発明の有機半導体素子については、外部接続配線が形成された配線部においては、ゲート絶縁層が形成されている例について示したが、これに限定されず、例えば、図13に示すように、ゲート絶縁層7が表示部Xに形成され、表示部Xのゲート絶縁層7上および配線部Yの外部接続配線21上に誘電体層9が形成され、誘電体層9上にバリア層22が形成された有機半導体素子1”についても、本発明の同様の作用効果を奏することができる。この場合、バリア層22は画素電極10と同一の導電性材料を含むものである。
なお、図13は有機半導体素子の他の例を示す概略側面図であり、説明していない符号については、図2において説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
14.有機半導体素子の製造方法
本発明の有機半導体素子の製造方法としては、上記構成を有する有機半導体素子を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
例えば、有機半導体素子の製造方法としては、金属材料を含むソース電極、ドレイン電極、データ配線、外部接続配線、および外部接続端子が形成された基板上に、有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、上記ドレイン電極に達するコンタクトホールが形成されるコンタクトホール領域以外の上記ソース電極、上記ドレイン電極および上記データ配線が形成されている電極領域、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極の間のチャネル領域の上記有機半導体層上にレジスト層を形成し、上記レジスト層および上記有機半導体層に真空紫外光を照射することにより、上記レジスト層が形成されていない部位の上記有機半導体層をエッチングし、上記レジスト層を除去する有機半導体層パターニング工程とを有する製造方法を好適に用いることができる。以下、各工程について説明する。
(1)有機半導体層形成工程
有機半導体層形成工程は、金属材料を含むソース電極、ドレイン電極、データ配線、外部接続配線、および外部接続端子が形成された基板上に、有機半導体層を形成する工程である。
なお、有機半導体層に用いられる有機半導体材料等については、既に記載したので、ここでの説明は省略する。
有機半導体層の形成方法としては、例えば、有機半導体材料が溶媒に可溶である場合は、有機半導体材料を溶媒に溶解して有機半導体層形成用塗工液を調製した後、これを基板上の塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、LB法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、およびキャスト法等を挙げることができる。一方、有機半導体材料が溶媒に不溶である場合は、例えば、真空蒸着法等のドライプロセスが挙げられる。
また、有機半導体層が形成される基板上には、ソース電極、ドレイン電極、データ配線、外部接続配線および外部接続端子の他に、検査用端子等の端子が形成されていてもよい。
なお、基板、ソース電極、ドレイン電極、データ配線、外部接続配線および外部接続端子等については、既に記載したので、ここでの説明は省略する。
(2)有機半導体層パターニング工程
有機半導体層パターニング工程は、上記ドレイン電極に達するコンタクトホールが形成されるコンタクトホール領域以外の上記ソース電極、上記ドレイン電極および上記データ配線が形成されている電極領域、ならびに上記ソース電極および上記ドレイン電極の間のチャネル領域の上記有機半導体層上にレジスト層を形成し、上記レジスト層および上記有機半導体層に真空紫外光を照射することにより、上記レジスト層が形成されていない部位の上記有機半導体層をエッチングし、上記レジスト層を除去する工程である。
レジスト層は、真空紫外光を用いた有機半導体層のエッチング時に真空紫外光を遮蔽するものである。レジスト層の真空紫外光の遮蔽性としては、照射される真空紫外光の波長に応じて適宜決定すればよい。具体的には、レジスト層の真空紫外光の透過率が10%以下であることが好ましく、特に3%以下、さらには1%以下であることが好ましい。
また、レジスト層は、真空紫外光を用いた有機半導体層のエッチング時に酸素を遮蔽するものであることが好ましい。これにより、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線の酸化をさらに抑制することができる。レジスト層の酸素の遮蔽性としては、具体的には、レジスト層の酸素透過率が、温度23℃、湿度90%の条件下において1cc/m/day/atm以下であることが好ましい。ここで、酸素透過率は、モダンコントロール(株)製の酸素ガス透過率測定装置OX−TRAN 2/20を用いて測定した値である。
レジスト層に用いられる材料としては、照射される真空紫外光に対して所定の遮蔽性を有するレジスト層が得られるものであれば特に限定されるものではない。このような材料としては、例えば、PVP、PVA、PMMA、PS、ポリエチレンオキサイド、水系エポキシ樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、カルド系樹脂等を挙げることができる。これらの材料は1種類のみ用いてもよく2種類以上を混合して用いてもよい。
レジスト層は、ソース電極およびドレイン電極の間のチャネル領域、ならびに、コンタクトホール領域およびコンタクトホール領域以外のソース電極、ドレイン電極およびデータ配線が形成されている電極領域の有機半導体層上に形成される。レジスト層は、真空紫外光を用いて有機半導体層をエッチングする際に、真空紫外光に対するマスクとして用いられる。そのため、レジスト層のパターン形状は、エッチング後の有機半導体層のパターン形状と同一になる。なお、エッチング後の有機半導体層の形成位置については、すでに記載したので、ここでの説明は省略する。
レジスト層の厚みとしては、真空紫外光に対して所定の遮蔽性が得られる程度であれば特に限定されるものではないが、100μm以下であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内、さらには0.3μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
レジスト層の形成方法としては、所定の領域の有機半導体層上にレジスト層を形成することが可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィ法や、インクジェット法、スクリーン印刷法、パッド印刷法、フレキソ印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法等の印刷法を挙げることができる。
有機半導体層をパターニングするに際しては、真空紫外光をレジスト層および有機半導体層に照射することによって、レジスト層が形成されていない部位の有機半導体層を除去する。
ここで、「真空紫外光」とは、波長が10nm〜200nmの範囲内である紫外線をいう。本発明に用いられる真空紫外光としては、有機半導体層を所望の時間内に除去できる波長を有していれば特に限定されるものではなく、有機半導体層を構成する有機半導体材料の種類に応じて適切な波長の真空紫外光を用いればよい。中でも、真空紫外光の波長は126nm〜193nmの範囲内、さらに172nmであることが好ましい。このような波長範囲の真空紫外光を用いることにより、有機半導体層を構成する有機半導体材料の種類に関わらず、有機半導体層を短時間でパターニングすることが可能になるからである。
真空紫外光の照射に用いられる光源としては、例えば、エキシマランプ、低圧水銀ランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
また、真空紫外光の照射量としては、有機半導体層をエッチングできる範囲内であれば特に限定されるものではなく、有機半導体層を構成する有機半導体材料の種類や、真空紫外光の波長等によって適宜調整すればよい。
真空紫外光の照射方法としては、レジスト層および有機半導体層に均一な照射量で真空紫外光を照射できる方法であれば特に限定されない。このような照射方法としては、例えば、レジスト層および有機半導体層の全面を同時に照射する方法、および、光源またはレジスト層および有機半導体層が形成された基板の少なくとも一方を移動させながら、レジスト層および有機半導体層の全面を順次に照射する方法を挙げることができる。
中でも、後者の方法を用いることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、真空紫外光は指向性のない分散光であるため、レジスト層および有機半導体層の全面を同時に照射する方法では、例えば、大面積のレジスト層および有機半導体層に真空紫外光を照射する場合に、中央部と端部とで真空紫外光の照射量に差が生じてしまう可能性がある。しかしながら、レジスト層および有機半導体層の全面を順次に照射する方法によれば、たとえ大面積のレジスト層および有機半導体層に真空紫外光を照射する場合であっても、全面に対して均一に真空紫外光を照射することが容易になるからである。
また、上記の順次に照射する方法の中でも、レジスト層および有機半導体層が形成された基板を固定し、光源を移動させながら照射する方法を用いることが好ましい。このような方法によれば、大面積のレジスト層および有機半導体層に均一に真空紫外光を照射することが容易になるからである。
真空紫外光の光源は、1つであってもよく、複数を用いてもよい。また、複数個の光源を用いる場合において、真空紫外光の照射方法として光源を移動させながら照射する方法を用いる場合は、複数個の光源を同時に移動させてもよく、個別に移動させてもよい。
レジスト層の除去方法としては、一般的なレジスト層の除去方法を用いることができ、ウェットプロセスおよびドライプロセスのいずれも適用することができる。
(3)その他の工程
上述の有機半導体素子の製造方法においては、通常、有機半導体層パターニング工程後に、ゲート絶縁層を形成する工程、ゲート電極を形成する工程、誘電体層を形成する工程および画素電極を形成する工程を有する。また、ゲート電極を形成する工程または画素電極を形成する工程と同時に、バリア層を形成する工程が行われる。また、外部接続端子上に被覆層を形成する工程が行われる。上記被覆層を形成する工程は、通常、ゲート電極または画素電極を形成する工程と同時に行なわれる。
なお、上述した各層を形成する工程に用いられる各層の形成方法については、既に説明したため、ここでの説明は省略する。
15.用途
本発明の有機半導体素子の用途としては、例えば、TFT方式を用いる表示装置のTFTアレイ基板として用いることができる。このような表示装置としては例えば、液晶表示装置、電気泳動表示装置、有機EL表示装置等を挙げることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例]
基板として、ガラス基板を準備した。上記基板上の全面に銀を厚み40nmでスパッタ蒸着した。次に、銀スパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。次いで、エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位の銀スパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ソース電極、ドレイン電極、データ配線、外部接続配線および外部接続端子を形成した。
次に、チオフェン系ポリマーをキシレンに固形分濃度1wt%にて溶解させた有機半導体のキシレン溶液を準備し、ソース電極、ドレイン電極、データ配線、外部接続配線および外部接続端子を形成した基板表面にスピンコートにて塗布し、膜厚50nmの有機半導体層を基板全面に形成した。次いで、ポジ型レジストを有機半導体層上にスピンコートしてレジスト層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、レジスト層をパターニングし、チャネル領域ならびにソース電極、ドレイン電極およびデータ配線を覆うようにレジスト層を形成した。この際、コンタクトホールが形成されるコンタクトホール領域にはレジスト層が形成されないようにした。
次に、大気下で、波長172nm、照度3mW/cmの真空紫外線を60秒間照射し、レジスト層で覆われている部位以外の有機半導体層をエッチング除去し、有機半導体層のパターニングを行った。その後、レジスト層を除去した。
次に、有機半導体層まで形成された基板上に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてゲート絶縁層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ゲート絶縁層のパターニングを行った。この際、ゲート絶縁層にコンタクトホールが形成されるようにパターニングした。次いで、150℃のオーブンにて加熱硬化させ、膜厚1μmのゲート絶縁層を形成した。
次に、ゲート絶縁層まで形成された基板上に、Alを厚み200nmでスパッタ蒸着した。続いて、Alスパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位のAlスパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ゲート電極、中間電極、スキャン側外部接続配線および外部接続端子の被覆層を形成した。また、外部接続配線が形成された領域のゲート絶縁層上にバリア層を形成した。
次に、ゲート電極および中間電極まで形成された基板上に、紫外線感光性樹脂をスピンコートして遮光層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、遮光層のパターニングを行った。この際、遮光層にコンタクトホールが形成されるようにパターニングした。次いで、150℃のオーブンにて加熱硬化させ、膜厚2μmの遮光層を形成した。
次に、遮光層上に紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてパッシベーション層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、パッシベーション層のパターニングを行った。この際、パッシベーション層にコンタクトホールが形成されるようにパターニングした。次いで、150℃のオーブンにて加熱硬化させ、膜厚4μmのパッシベーション層を形成した。
次に、パッシベーション層上にカーボンペーストをスクリーン印刷にてパターン印刷し、120℃のオーブンにて焼成を行い、画素電極を形成した。
以上により、有機半導体素子としてアクティブマトリクス基板を作製した。
作製したアクティブマトリックス基板に対し、マイグレーション耐性試験を行った。具体的には、隣接するデータ配線間(データ配線の間隔は50μm)に50Vの電圧を印加し、印加開始直後の電流値を測定するとともに、500時間経過後の電流値も測定した。なお、試験環境は、温度40℃、湿度90%であった。
上記マイグレーション耐性試験を行ったところ、電圧印加開始直後の電流値は10pAであり、500時間経過後の電流値は12pAであった。このように、測定された電流値に大きな変化はなく、従って十分なマイグレーション耐性があると判断できる。
[比較例]
上記実施例におけるゲート電極、中間電極、スキャン側外部接続配線および外部接続端子の被覆層と同時にバリア層を設けなかった以外は、全て同様の手順で有機半導体素子としてアクティブマトリクス基板を作製した。
この上記比較例にかかるトップゲート型アクティブマトリクス基板に対し、上述のマイグレーション耐性試験を行った結果、電圧印可開始直後の電流地は10pAあったが、15分経過後の電流値は1μAを超える電流値が観測された。この結果、実施例の有機半導体素子に比べて、比較例の有機半導体素子のマイグレーション耐性は十分ではないことが確認できた。
1 … 有機半導体素子
2 … 基板
3 … ソース電極
4 … ドレイン電極
5 … データ配線
6 … 有機半導体層
7 … ゲート絶縁層
8 … ゲート電極
9 … 誘電体層
10 … 画素電極
11 … コンタクトホール
21 … 外部接続配線
22 … バリア層
31 … 外部接続端子
32 … 被覆層
X … 表示部
Y … 配線部
Z … 外部接続部

Claims (3)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
    前記基板上に形成され前記ソース電極と電気的に接続されたデータ配線、外部接続配線および外部接続端子と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極の間のチャネル領域において、前記基板上に形成された有機半導体層と、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記データ配線、前記外部接続配線および前記有機半導体層を覆うように形成されたゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極上に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成された画素電極と、
    前記外部接続端子を覆うように形成された導電性材料を含む被覆層と、
    を有する有機半導体素子であって、
    前記外部接続配線が形成されている配線部の前記ゲート絶縁層上に、バリア層が形成されており、
    前記バリア層が、前記ゲート電極および前記画素電極の少なくともいずれかと同一の導電性材料を含むことを特徴とする有機半導体素子。
  2. 前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記データ配線、前記外部接続配線および前記外部接続端子が銀または銅を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機半導体素子。
  3. 前記ゲート電極および前記画素電極の少なくともいずれかと、前記被覆層とがマイグレーションの発生を抑制可能な導電性材料を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機半導体素子。
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WO2024043005A1 (ja) * 2022-08-22 2024-02-29 国立大学法人東京大学 有機半導体素子、歪みゲージ、測定装置及び有機半導体素子の製造方法

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